JP5599973B2 - 改良された低光沢性を示す塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、美的、物理的及び機械的特性のバランスに優れ、特に、加工製品の表面全体にわたる一貫した非常に低い光沢性と、良好な耐衝撃性の改良された組合せを示す、塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物、並びにそのような組成物及び製品を製造する方法に関する。
多くの熱可塑性樹脂、特に乳化ABS重合体等のスチレン系重合体を含む組成物は、射出成形された場合、高い光沢性を示す自然な仕上りを示す。多くの用途において、高い光沢性は非常に望まれる特性であり、材料選択における最も重要な因子の1つであり得る。一方、自動車用内装品用途及び情報技術装置、例えばコンピューターや他の電子機器筐体等の多くの他の用途においては、主に美的な理由、並びにコスト高なコーティング工程及び塗装工程の省略という点から、艶消の、又は低光沢性の仕上りへの動向が存在する。
製造コストの低減を目的とした、インストルメント・パネル等の自動車用内装品の非コーティング仕上げに向かう最近の動向に伴い、光反射を低減させることにより、安全性を改良し、並びにリラックスした感覚を与える良好な低光沢性のような優れた外観を示す内装品の開発に対する要求が、急速に増大している。更に、最近はインストルメント・パネル、エアバッグカバー及びニーボルスター等の内装品を、同じ材料から製造する傾向があるため、最低限の安全要求事項を満たすために、耐衝撃性と剛性のバランスがとれた材料に対する要求が生じている。
低光沢性を得るための1つの技術は、表面模様付き(textured)、及び/又は、しぼ付きの(grained)表面を有する金型を使用することである。表面模様及び/又は、しぼを有する金型は、無光沢仕上げを更に効果的にするため、低光沢性の材料を成形するのに使用される。しかし、成形品は長期間の運転の間常に一定の光沢を示すとは限らないため、低光沢性の材料であっても、表面模様付き、及び/又は、しぼ付きの金型は、最適な結果を提供しない場合がある。温度、内部キャビティー圧及び剪断速度が充填経路に沿って変化すると、成形品の表面に様々な程度の光沢が生じ得る。
従来は、低コストの汎用プロピレン系樹脂が、自動車用内装品用の材料として幅広く使用されてきた。プロピレン系樹脂は、本来、ある種の熱可塑性重合体よりも低い光沢性を示す。しかし、プロピレン系樹脂は、剛性及び耐引っ掻き性等のいくつかの特性が不十分である。プロピレン系樹脂の剛性及び耐引っ掻き性は、充填剤及び他の添加剤を加えることによりある程度改善され得るが、自動車用内装部品用には、プロピレン系樹脂の特性の全体バランスという点では未だ不十分である。
1種以上の追加成分、又は艶消剤を配合することにより、低光沢性を示す他の重合体を容易に製造することができる。このような重合体の例は、ポリブタジエンをポリスチレンと混合して製造される耐衝撃性ポリスチレンである。ポリスチレン相内の大部分のゴムの存在により、低光沢性の材料が得られる。しかし、プロピレン系樹脂と同様に、耐衝撃性ポリスチレンは、自動車用内装部品に要求されるバランスのとれた特性を示さない。更に、これらの艶消剤では、表面模様及び/又は、しぼの良好な再現が保証されない場合が多い。
更に別の、本来低い光沢性を示す熱可塑性樹脂は、バルク重合、塊状(mass)重合、塊状−溶液(mass-solution)重合、又は塊状−懸濁(mass-suspension)重合プロセスにより製造されるアクリロニトリル、スチレン、ブタジエン(ABS)共重合体である。これらのプロセスは、スチレンモノマー及びアクリロニトリルモノマー中にポリブタジエンを溶解させること、及び、これに続き、これらのモノマーとポリブタジエンとの間で、アクリロニトリルモノマーとグラフト重合させること含む。反応終了時には、ある種の吸蔵されたスチレン−アクリロニトリル共重合体を含有し得る比較的大きなゴム粒子が生じる。大きな粒径を有するこれらのゴム領域は、このような生成物の仕上げ表面が低光沢性であることに関与すると考えられている。塊状ABSは、周囲温度及び低温での耐衝撃性、剛性、本来の低光沢性、耐薬品性及び加工性を含む特性について優れたバランスを示す。しかし、従来の塊状ABS樹脂は、本来光沢性が十分低くないこと、並びに表面模様及び/又は、しぼの再現性に乏しいことから、射出成形品、特に表面模様及び/又は、しぼを有する成形品の全長にわたり光沢の勾配が生じ得る。
ABSを、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリアミド類等の1種以上の追加の樹脂と配合することにより、ABSが、非常に低光沢性で、表面模様及び/又は、しぼを有する成形品の表面全体にわたり一貫した光沢を示す性能を改良する試みがなされてきた。しかし、通常、これらの配合により、樹脂原価が増加し、より高密度となり、低温耐衝撃性がより劣り、寸法安定性、感水性により乏しく、配合工程を要し、及び/又は高温での成形が不安定となる。
自動車用内装品又は情報技術装置用途に使用される材料の欠点を考慮すると、加工性、剛性、耐衝撃性及び耐薬品性等の特性のバランスが良好であり、非常に低光沢性で、且つ表面模様及び/又は、しぼを有する加工製品の表面全体にわたり一貫した低光沢性の外観を与える樹脂を有することが好ましいであろう。
従って、本発明は、非常に低光沢性であり、表面模様及び/又は、しぼを有する加工製品の表面全体にわたり一貫した低光沢性の外観を与え、更に、加工性、剛性、耐衝撃性及び耐薬品性のバランスが良好な望ましい樹脂である。以下は本発明の態様である。
態様1. 塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物であって、
(i)150kg/モル以下の重量平均分子量を有し、モノビニリデン芳香族モノマー及びエチレン性不飽和ニトリルモノマーとの共重合体を含む連続マトリックス相、及び
(ii)離散したゴム粒子として該マトリックス中に分散し、赤外分析法により測定したポリブタジエン含量が少なくとも12重量%であるゴム成分、
を含み、前記ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体の貯蔵弾性率(G′)が2,000〜5,000パスカルであり、コールター計数器により測定した平均ゴム粒径が1.5〜2μmであり、ISO 527−2により測定した引張弾性率が少なくとも1,400MPaであり、DIN 53453で測定した23℃でのノッチ付きシャルピー衝撃強さが少なくとも11kJ/mであることを特徴とする共重合体組成物。
態様2. 前記エチレン性不飽和ニトリルが、共重合体の約10〜約35重量%である、態様1に記載の塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物。
態様3. 前記モノビニリデン芳香族モノマーがスチレンであり、前記エチレン性不飽和ニトリルモノマーがアクリロニトリルである、態様1に記載の塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物。
態様4. n−ブチルアクリレート及び/又はN−フェニルマレイミドから選択されるコモノマーを更に含む、態様1に記載の塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物。
態様5. 態様1に記載の塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物であって、
(i)前記共重合体が約60〜90.5重量%の量存在し、及び
(ii)前記ゴム成分が約40〜9.5重量%の量存在する。
ここで、重量%は、該ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体の総重量を基準とする。
態様6. 前記ポリブタジエンゴムが1,3−ブタジエンホモポリマーを含む、態様1に記載の塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物。
態様7. 前記ゴム成分が、スチレンと1,3−ブタジエンのブロック共重合体ゴムを含む、態様1に記載の塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物。
態様8. 前記ゴム粒子が、約1.5μm〜約1.9μmの平均粒径を有する態様1に記載の塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物。
態様9. 前記ゴム粒子が、約1.6μm〜約2μmの平均粒径を有する態様1に記載の塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物。
態様10. 前記G′が2,000〜4,500パスカルである、態様1に記載の塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物。
態様11. 連続マトリックス相が、135kg/モル以下の重量平均分子量を有する、態様1に記載の塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物。
態様12. ポリカーボネート樹脂を更に含む、態様1に記載の塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物。
態様13. 態様12記載の塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物が、PC/ABS配合物である。
態様14. 塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物の製造方法であって、以下の工程:
(a)溶解させたゴム成分の存在下、場合により不活性溶媒の存在下にて、モノビニリデン芳香族モノマー及びエチレン性不飽和ニトリルモノマーを、バルク重合、塊状−溶液重合、又は塊状−懸濁重合技術により重合させて、連続マトリックス相を所望の転化率となるまで形成させる工程、ここで、
(i)前記連続マトリックス相が、150kg/モル以下の重量平均分子量を有し、及び
(ii)前記ゴム成分が、離散したゴム粒子として前記マトリックス中に分散し、赤外分析法により測定したポリブタジエン含量が少なくとも12重量%であり、
(b)得られた混合物を、未反応モノマーをいずれも除去し、前記ゴムを架橋するのに十分な条件下に供する工程、
(c)前記ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物を単離する工程、
ここで、前記ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体の貯蔵弾性率(G′)が2,000〜5,000パスカルであり、コールター計数器により測定した平均ゴム粒径が1.5〜2μmであり、ISO 527−2により測定した引張弾性率が少なくとも1,400MPaであり、DIN 53453で測定した23℃でのノッチ付きシャルピー衝撃強さが少なくとも11kJ/mであり、
を含む製造方法。
態様15. 前記モノビニリデン芳香族モノマーがスチレンであり、前記エチレン性不飽和ニトリルモノマーがアクリロニトリルである態様14に記載の方法。
態様16.塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物の成形品又は押出品を製造する方法であって、以下の工程:
(A)(a)溶解させたゴム成分の存在下、場合により不活性溶媒の存在下にて、モノビニリデン芳香族モノマー及びエチレン性不飽和ニトリルモノマーを、バルク重合、塊状−溶液重合、又は塊状−懸濁重合技術により重合させて、連続マトリックス相を所望の転化率となるまで形成させる工程、ここで、
(i)前記連続マトリックス相が、150kg/モル以下の重量平均分子量を有し、及び
(ii) 前記ゴム成分が、離散したゴム粒子として前記マトリックス中に分散し、赤外分析法により測定したポリブタジエン含量が少なくとも12重量%であり、
(b)得られた混合物を、未反応モノマーをいずれも除去し、前記ゴムを架橋するのに十分な条件下に供する工程、
(c)前記ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物を単離する工程、
ここで、前記ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体の貯蔵弾性率(G′)が2,000〜5,000パスカルであり、コールター計数器により測定した平均ゴム粒径が1.5〜2μmであり、ISO 527−2により測定した引張弾性率が少なくとも1,400MPaであり、DIN 53453で測定した23℃でのノッチ付きシャルピー衝撃強さが少なくとも11kJ/mであり、
により塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物を製造する工程、及び
(B)前記ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物を、成形品又は押出品に成形又は押出しする工程、
を含む製造方法。
態様17. 該成形品又は押出品が、自動車部品、情報技術装置部品又はシートである態様16に記載の方法。
態様18. 成形品又は押出品の形態である態様1に記載の組成物。
態様19. 態様18に記載の成形品又は押出品が、自動車部品、情報技術装置部品又はシートである。
成形品の表面外観は、例えばそれが平滑であるか、表面模様付きか、しぼを含んでいるか、又はそれらの組合せであるかにより変化し得る。成形品の表面は、そこから成形品が製造される金型キャビティーを定める金型表面とはネガの版(version)(反転画像又は鏡像と称される場合がある)となるものである。平滑な表面を有する製品の場合には、金型の表面は研磨されている。本明細書中で使用される表面模様(texture)は、パターン、構造、スキーム等といった、成形品の何らかのマクロな表面外観であり、ここで、金型表面の表面模様パターンの深さは、例えば約0.2〜約2ミリメートルのようにミリメートルで測定される。本明細書中で使用されるしぼ(grain)は、粗さのような、成形品のミクロな表面外観であり、ここで、金型表面のしぼパターンの深さは、例えば約1〜約100μmのようにμmで測定される。
本発明で使用する適切なゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体は、マトリックス又は連続相中にモノビニリデン芳香族化合物とエチレン性不飽和ニトリルの共重合体を含み、マトリックス中に分散したゴム粒子を含む。本発明の該マトリックス又は連続相は、重合化されたモノビニリデン芳香族モノマー及びエチレン性不飽和ニトリルモノマーをその中に含む共重合体、又は、互いに共重合し得るモノビニリデン芳香族モノマー、エチレン性不飽和ニトリルモノマー及び1種以上のビニルモノマーを、重合させてその中に含む共重合体である。本明細書中で使用される共重合体は、共重合した(interpolymerized)2種以上のモノマーを含む重合体と定義される。これらの組成物は、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)が最も一般的な例であるため、通常SAN型又はSANとして知られている。
ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体を製造するのに適する種々の技術が、当技術分野で良く知られている。これら公知の重合化プロセスの例としては、塊状(mass)重合プロセスとして一般に知られている、バルク重合、塊状−溶液(mass-solution)重合、又は塊状−懸濁(mass-suspension)重合が挙げられる。ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体の製造方法に関する有効な議論については、Series In Polymer Science (Wiley)の「Modern Styrenic Polymers」、John Scheirs 及び Duane Priddy編集、ISBN 0 471 497525を参照されたい。例えば、米国特許第3,660,535号明細書、米国特許第3,243,481号明細書、及び米国特許第4,239,863号明細書も参照でき、これらは参照することにより本明細書に組み入れられる。
本発明のゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体を製造する際には、一般に連続的塊状重合技術が有利に採用される。重合は、好ましくは、マルチゾーン栓流バルクプロセス(multizone plug flow bulk process)と称される場合のある、米国特許第2,727,884号明細書に記載されるような、1以上の実質的に直列で、層状流、即ち所謂「栓流(plug-flow)」型反応器中で実施され、この方法は、部分的に重合化された生成物の一部の再循環を含む場合があり、又は含まない場合もあり、あるいは、撹拌槽型反応器中で実施され、ここで反応器の内容物は、本質的に完全に均一であり、この撹拌槽型反応器は、一般に1以上の栓流型反応器と組合わせて使用される。あるいは、欧州特許第412801号明細書に教示されるような並列な反応器の構成も、本発明のゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体を製造するのに適する。
マルチゾーン栓流バルクプロセスとしては、互いに連続して連結し多段の反応ゾーンを提供する、一連の重合槽(又は塔)が挙げられる。ゴム、例えばブタジエンゴム(立体特異的)は、モノビニリデン芳香族コモノマー、例えばスチレン(ST)及びアクリロニトリル(AN)の混合物中に溶解させ、次いでゴム溶液を反応系に供給する。重合は、熱的又は化学的に開始され、反応混合物の粘度は徐々に増加する。反応が進行する過程では、ゴムはST/AN重合体によりグラフトされ(グラフトされたSAN)、ゴム溶液中には、バルクSAN(遊離SAN又はマトリックスSAN又は非グラフトSANとも称する)も生成する。遊離SAN(即ち、非グラフトSAN)が、ゴム溶液の単一の連続的な「相」中に保持できなくなった時点で、遊離SANはSAN相の領域を形成し始める。ここで重合混合物は2相系である。重合が進行するにつれて、ますます多くの遊離SANが生成し、ゴム相が、絶えず増大する遊離SANのマトリックス中に、それ自体が粒子(ゴム領域)として分散し始める。最終的には、遊離SANは連続相となる。これは実質的に油中油型の乳濁系の形成である。ある種のマトリックスSANは、同様にゴム粒子の内部に吸蔵される。この段階は、通常、転相と名付けられる。転相前(pre-phase inversion)とは、ゴムが連続相であること、及びゴム粒子が生成していないことを意味し、転相後(post phase inversion)とは、実質的に全てのゴム相がゴム粒子に変換し、連続的なSAN相が存在することを意味する。転相後には、より多くのマトリックスSAN(遊離SAN)が生成し、恐らくゴム粒子は、より多くのグラフトSANを含んでいる。
マトリックスのTgと、更には生成物の耐熱性をも増加させるN−フェニルマレイミド等の官能性モノマーを含む供給原料を、重合化プロセス全体の中の1以上の位置において添加することができ、スチレンモノマー及びアクリロニトリルモノマーを添加する位置は、同じでも異なっていてもよく、例えば、参照することにより本明細書中に組み入れられる、米国特許第5,412,036号明細書及び米国特許第5,446,103号明細書を参照されたい。
望ましいモノマー転化率、及び望ましい分子量分布を有するマトリックスSANを得る場合には、続いて重合混合物を、前記ゴムを架橋させ未反応モノマーをいずれも除去するのに十分な条件下に供する。このような架橋及び未反応モノマーの除去、並びに、使用する場合には希釈剤又は溶媒、及び他の揮発性物質の除去は、重合混合物を液化槽(devolatilizing chamber)に供給し、高温下、例えば170℃〜300℃、及び/又は真空下にて、モノマー及び他の揮発物を蒸発分離させ、該槽からそれらを分離するような従来の液化技術(devolatilization techniques)を用いて有利に実施される。最終的には、重合体は押出され、バルクABSのペレットがペレタイザーから得られる。
重合が最も有利に実施される温度は、特定の開始剤、並びにゴム、コモノマーの種類及び濃度、反応器の構成(例えば、直列、並列、再循環等)、もし存在する場合には使用する反応溶媒を含む様々な要因に依存する。一般に、転相の前には60℃〜160℃の重合温度が採用され、転相の後には、100℃〜190℃の温度が採用される。そのような高温での塊状重合は、モノマーの重合体への所望の転化率が達成されるまで継続される。一般に、重合系に添加されるモノマー(即ち、任意の再循環流を含む、供給物中及び任意の追加的な流れ中に添加されるモノマー)の重合体への転化率(固体パーセントと称されることもある)は、55〜90、好ましくは60〜85重量%が望ましい。固体パーセントとは、重合反応中の任意の特定された時点における、固体(例えば、ゴムとマトリックス(共)重合体)の重量の、反応混合物(例えば、未重合モノマー)の重量に対する、パーセントで表わされる比率である。
ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体を塊状プロセスにより高性能で合成するためには、他の多くの局面の中でも、4つの局面が本質的である。これらの局面とは、転相の前の前記ゴム基質のグラフト、転相中の粒子生成又はサイジング、マトリックスの分子量及び分子量分布の構築、並びに塊状重合の終了時でのゴム粒子の架橋である。
あるいは、塊状(mass)重合技術と懸濁重合技術の組み合わせも使用される。該技術を使用すると、ゴム粒子の転相及びそれに続くサイズの安定化の後に、部分的に重合した生成物を、重合化された開始剤を含む水性媒体中の追加のモノマーと共に、又は該モノマーの不存在下で懸濁させることができ、その後重合が完了する。続いて、前記ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体が、酸性化、遠心分離又は濾過により水性媒体から分離される。回収した生成物は、次いで水で洗浄され、乾燥される。
低光沢性の程度及び加工製品の低光沢な外観の一貫性は、(1)成形される材料の固有光沢、及び、(2)該材料が金型表面の表面模様及び/又は、しぼをどの程度良く再現するかにより影響される。
ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体から製造される製品の光沢は、該製品が製造される(例えば、射出成形される)成形条件に部分的に依存する。しかし、所定の成形条件では、ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体の(平均)ゴム粒径(直径)が、その固有光沢に対する主要な寄与因子となる。光沢は、粒径が増加するにつれて減少する傾向がある。耐衝撃性は、ゴム粒径にも関連する。ゴム粒径が小さすぎる又は大きすぎる場合には、耐衝撃性は減少する。ゴム粒径は、多くのパラメーター、数例を挙げると、ゴム粘度、グラフト、マトリックス粘度、重合温度及び剪断力により影響される。
他で記載されない限り、本明細書中で報告される鏡面光沢又は光沢の測定値は、ISO 2813に従い測定される。光沢の測定のためのサンプル調製については、以下に記載しており、測定手法はDr.Lange社の反射計(Dr. Lange Reflectometer)、type RB 3反射計により実施する。鏡面光沢度は、サンプル表面からのミラー方向の反射光の量の、同一の条件下で測定された、屈折率1.567を有するガラスからの反射光の量に対する比率として定義される。固有光沢は、研磨した表面を有する金型から成形されたプラック(plaque)上で、Glossbottom法(以下に記載される)に従い測定される。好ましくは、本発明のゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体は、約25パーセント以下、より好ましくは約20パーセント以下、更に好ましくは約17パーセント以下の固有光沢又はGlossbottomを示す。
表面模様及び/又は、しぼを有する成形品においては、表面模様及び/又は、しぼの再現性が悪いと、より光沢の強い外観となり得る。表面模様及び/又は、しぼが、成形品のある領域では良好に再現され、該成形品の他の領域では同様に再現されない場合には、該製品全体の外観の光沢は一貫性のないものとなる。このように光沢に一貫性がないことは、自動車用内装部品等の多くの成形品用途において、美的に許容されないものである。ゴム粒径は、表面模様及び/又は、しぼの再現が悪い条件下又は部位において一貫した光沢を維持するのに重要となり得る。金型の再現が不十分な点は、材料の固有光沢によりある程度は補われる場合があるが、表面模様及び/又は、しぼが良好に再現されることは、加工製品の表面全体にわたり一貫して非常に低光沢性の外観が得られるため望ましい。金型の表面模様を材料が再現する能力は、固有光沢と同様に、部分的には製品が製造される成形条件による。しかし、所定の成形条件については、出願人は、材料の粘弾性挙動、特にその貯蔵弾性率(G′で示される)が、射出成形品全体の一貫した低光沢性に対し主要な寄与因子となることを特定した。
貯蔵弾性率とは、動的(正弦波)ひずみ(dynamic (sinusoidal) deformation)が適用される場合の、剪断応力のひずみ(strain (deformation))に対する比率であり、以下で議論されるG′値は、他に断りがない限り、動的機械分光計の平行板固定具(parallel plate fixture)上で測定される。G′は、重合体溶融物の弾性に関連する。溶融弾性は、重合体が好ましいランダムコイル状態を維持しようとする性質に起因する。重合体の流動性は、溶融物中の鎖長及び構造(例えば、鎖のからみあい)の関数であるため、粘弾性重合体がひずむと、低分子量の重合体が、ランダムコイル状態に容易に逆戻りする場合がある。高分子量の重合体は流動性がより低く、より高度にからみあっており、粘性流に対し、エネルギーを損失するよりもむしろ貯蔵するであろう。重合体溶融物中の構造は、ブロック共重合体のからみあい、架橋、枝分れ、又は順序に由来する。同様に動的(正弦波)測定法(dynamic (sinusoidal) measurements)で測定される損失弾性率G″は、粘性挙動に関連する。そこで、G′及びG″の両方から、重合体溶融物の二重性(部分的に弾性固体であり、部分的に粘性流体である)という概念が生じる。
G′及びG″測定値から、重合体の構造についての情報が示され、この測定値は分子量分布、架橋等に関連する場合がある。貯蔵弾性率についての良好な議論は、Polymer Rheology (Marcel Dekker,Inc.), Lawrence Nielsen, New York, 1977年、及びEncyclopedia of Polymer Science and Engineering, 第16巻 (Wiley & Sons), 第2版, 第117頁〜第132頁、1989年に見出すことができる。G′は、動的機械分析(DMA)により測定することができ、G′値は、一般にパスカル(Pa)で報告される。
本発明のゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体のG′は、好ましくは約2,000Pa以上、あるいは約2,500Pa以上、あるいは約3,000Pa以上である。本発明のゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体のG′は、好ましくは約5,000Pa以下、あるいは約4,500Pa以下、あるいは約4,000Pa以下である。
本発明のゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体を含む、表面模様及び/又は、しぼを有する射出成形品は、視覚的に検査した場合、製品全体にわたる光沢の変化が最少であることが好ましく、製品全体にわたる光沢の変化がないことがより好ましい。
重合体の分子量は、そのレオロジー特性に寄与するからみあい効果に直接関連する。本発明のゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体の製造中に、グラフト反応の反応器中で生成するマトリックス共重合体の分子量は、適切な連鎖移動剤の添加により調整できる。連鎖移動剤又は分子量調整剤は、原子若しくは基を移動又は付加−脱離させ得る物質である。不安定な水素を有する有機分子は良く知られており、例えば、α−メチルスチレン二量体、n−ドデシルメルカプタン(nDM)等のメルカプタン又はチオール類、及びチオグリコレート、ジスルフィド、ジチウラムジスルフィド(dithiauram disulfide)、モノスルフィド、ハロゲン化物又はハロカーボン、共通溶媒、過酸化アリル、ハロゲン化アリル、硫化アリル等のある種の不飽和化合物、チオグリコレート、及びテルピノリン(terpinoline)等のテルペン類がある。コバルト(II)ポルフィリン錯体のような遷移金属錯体も、移動剤として使用することができる。連鎖移動剤は、反応混合物(即ち、ゴム、モノマー、及び存在する場合には溶媒)の重量を基準として約0.00001〜10重量%の量を添加する。好ましくは、本発明の連鎖移動剤は、反応混合物の重量を基準として、約0.001重量%以上、好ましくは0.002重量%以上、より好ましくは0.003重量%以上の量添加される。好ましくは、本発明の連鎖移動剤は、反応混合物の重量を基準として、約0.5重量%以下、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.3重量%以下の量添加される。
連鎖移動剤は、1つの反応ゾーンに一度に添加してもよく、又は好ましくは、2つ以上の反応ゾーンに添加してもよい。連鎖移動剤は、転相前/ゴム粒子のサイジング中に添加してもよく、マトリックスの分子量の調節を促進するために、粒子のサイジング後に更に添加してもよく、場合により、マトリックスの分子量/分子量分布を微調整するために後から添加してもよい。連鎖移動剤の量が本発明の重合開始時(換言すれば、反応混合物の固体パーセントがゴムの重量%に等しい時点)に添加される場合には、反応混合物の重量を基準として、0重量%以上、好ましくは約0.002〜約0.02重量%、より好ましくは約0.003〜約0.01重量%となる量が最初に添加される。後から添加される連鎖移動剤の量、例えば約30〜約40固体パーセント、好ましくは35固体パーセントの量は、反応混合物の重量を基準として、約0.03重量%以上、好ましくは約0.03〜約0.1重量%、より好ましくは約0.03〜約0.3重量%、更に好ましくは約0.1〜約0.3重量%となる量が2回目に添加される。より多くの連鎖移動剤、例えば約40〜約50固体パーセント、好ましくは45固体パーセントを添加する場合には、反応混合物の重量を基準として、約0.03重量%以上、好ましくは約0.03〜約0.05重量%、より好ましくは約0.03〜約0.1重量%、更に好ましくは約0.05〜約0.1重量%の量が3回目に添加される。例えば、本発明のプロセスにおいては、連鎖移動剤は重合開始時には、約0〜0.05重量%、約35固体パーセントでは約0.03〜0.3重量%、45固体パーセントでは約0.03〜0.3重量%の量添加してもよい。連鎖移動剤の重量%は、ゴムとモノマーと使用する場合には溶媒の重量である反応混合物の全重量を基準とする。
本発明のゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体中のマトリックス共重合体の分子量は、とりわけ、どの程度の連鎖移動剤が使用されるのか、及びいつそれが添加されるのかに依存する。連鎖移動剤の量、及び、本発明のゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体の製造プロセスに添加する時期は、好ましくは、マトリックス共重合体の重量平均分子量(M)が約90以上、好ましくは約100以上、最も好ましくは約110以上となるようにする。連鎖移動剤の量、及び、本発明のゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体の製造プロセスに添加する時期は、好ましくは、マトリックス共重合体の重量平均分子量(M)が約150以下、好ましくは約135以下、より好ましくは約125以下、及び最も好ましくは約120以下となるようにする。マトリックスの分子量は、他に断りがない限り、重量平均分子量であり、狭い分子量のポリスチレンを標準品として用いるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定され、キログラム/モル(kg/モル)の単位で与えられる。
モノビニリデン芳香族モノマーとしては、参照により本明細書中に組み入れられる米国特許第4,666,987号明細書、米国特許第4,572,819号明細書及び米国特許第4,585,825号明細書に記載されたものが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、該モノマーは、次式のものである。
Figure 0005599973
ここで、R′は水素又はメチルであり、Arはアルキル、ハロ若しくはハロアルキル置換基を有するか又は有しない、1〜3個の芳香環を有する芳香環構造であり、ここで、任意のアルキル基は1〜6個の炭素原子を含み、ハロアルキルはハロ置換アルキル基を指す。好ましくは、Arはフェニル又はアルキルフェニルであり、ここでアルキルフェニルは、アルキル置換フェニル基を指し、フェニルが最も好ましい。好ましいモノビニリデン芳香族モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、特にp−ビニルトルエン、エチルスチレンの全ての異性体、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等、及びそれらの混合物が挙げられる。
通常、このようなモノビニリデン芳香族モノマーは、マトリックス共重合体の総重量を基準として、約50重量%以上の量、好ましくは約60重量%以上の量、より好ましくは約65重量%以上の量、最も好ましくは約70重量%以上の量を構成するであろう。通常、このようなモノビニリデン芳香族モノマーは、マトリックス共重合体の総重量を基準として、約95重量%以下、好ましくは約85重量%以下、より好ましくは約80重量%以下、最も好ましくは約75重量%以下を構成するであろう。
不飽和ニトリルとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリル(fumaronitrile)、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。該不飽和ニトリルは、一般にマトリックス共重合体中に、マトリックス共重合体の総重量を基準として、約5重量%以上の量、好ましくは約10重量%以上の量、より好ましくは約15重量%以上の量、最も好ましくは約20重量%以上の量使用される。該不飽和ニトリルは、一般にマトリックス共重合体中に、マトリックス共重合体の総重量を基準として、約50重量%以下、好ましくは約45重量%以下、より好ましくは約35重量%以下、最も好ましくは約30重量%以下の量使用される。
マトリックス共重合体中には、他のビニルモノマーが重合された形態で含まれていてもよく、共役1,3ジエン類(例えば、ブタジエン、イソプレン、等)、α−又はβ−不飽和一塩基酸及びそれらの誘導体(例えば、アクリル酸、メタクリル酸等、及びメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、メチルメタアクリレート等のそれらの対応するエステル);ビニルクロライド、ビニルブロマイド等のビニルハロゲン化物;ビニリデンクロライド、ビニリデンブロマイド等;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;マレイン酸、フマル酸、マレイン酸無水物、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、そのフマル酸エステル相当物等のマレイン酸ジアルキル又はフマル酸ジアルキル等のエチレン性不飽和ジカルボン酸並びにその無水物及び誘導体、N−フェニルマレイミド(NPMI)等;等が挙げられる。これらの追加的なコモノマーは、モノビニリデン芳香族化合物とエチレン性不飽和ニトリルとのマトリックス共重合体と共重合させるか、及び/又は、組み合わされ得る、例えばマトリックスに配合され得る重合成分へ重合させることを含むいくつかの方法により組成物に組み込まれる。存在する場合には、そのようなコモノマーの量は、マトリックス共重合体の総重量を基準として、一般に約20重量%以下、より好ましくは約10重量%以下、最も好ましくは約5重量%以下である。
該マトリックス共重合体は、ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体の重量を基準として、約60重量%以上、好ましくは約70重量%以上、より好ましくは約75重量%以上、更に好ましくは約80重量%以上、最も好ましくは約82重量%以上の量存在する。該マトリックス共重合体は、ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体の重量を基準として、約90.5重量%以下、好ましくは約90重量%以下、より好ましくは約89重量%以下、最も好ましくは約88重量%以下の量存在する。
種々のゴムが、本発明での使用に適する。該ゴムには、ジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエン(EPDM)ゴム、エチレン共重合体ゴム、アクリレートゴム、ポリイソプレンゴム、ハロゲン含有ゴム、及びそれらの混合物が挙げられる。また、他の共重合可能なモノマーと、ゴム形成モノマーとの共重合体も適切である。
好ましいゴムは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリピペリレン、ポリクロロプレン等のジエンゴム、又はジエンゴムの混合物、即ち、1種以上の共役1,3−ジエンの任意のゴム状重合体であり、1,3−ブタジエンが特に好ましい。このようなゴムとしては、ホモポリマー、及び1,3−ブタジエンと、上記のモノビニリデン芳香族モノマー等の1種以上の共重合可能なモノマー、好ましくはスチレンとの共重合体が挙げられる。1,3−ブタジエンの好ましい共重合体は、1,3−ブタジエン共重合体の重量を基準として、少なくとも約30重量%の1,3−ブタジエンゴム、より好ましくは約50重量%以上、更に好ましくは約70重量%以上、最も好ましくは約90重量%以上の1,3−ブタジエンゴム、及び約70重量%以下のモノビニリデン芳香族モノマー、より好ましくは約50重量%以下、更に好ましくは約30重量%以下、最も好ましくは約10重量%以下のモノビニリデン芳香族モノマーを有するブロックゴム又はテーパード(tapered)ブロックゴムである。
線状ブロック共重合体は、以下の一般式のうちの1つにより表される。
S−B
−B−S
−S−B−S
ここで、S、S及びSは、モノビニリデン芳香族モノマーの非弾性重合体ブロックであり、同一又は異なる分子量を有し、そしてB、B、及びBは、共役ジエンを主体とする弾性重合体ブロックであり、同一又は異なる分子量を有する。これらの線状ブロック共重合体の中でも、前記非弾性重合体ブロックは、5,000〜250,000の分子量を有し、前記弾性重合体ブロックは、2,000〜250,000の分子量を有する。重合体ブロックのS、S及びSとB、B及びBとの間には、テーパー部分(tapered portion)が存在し得る。テーパー部分においては、ブロックB、B及びBとS、S及びSとの間の結合(passage)は、ジエン重合体中のモノビニリデン芳香族モノマーの比率が非弾性重合体ブロックの方向に次第に増加し、一方、共役ジエンの部分が次第に減少するという点で段階的である。テーパー部分の分子量は、好ましくは500〜30,000である。これらの線状ブロック共重合体は、例えば米国特許第3,265,765号明細書に記載されており、当該技術分野で良く知られている方法により製造することができる。これらの共重合体の物理的及び構造的特徴に関する更なる詳細は、B.C. Allport ら「Block Copolymers」, Applied Science Publishers Ltd., 1973年に示されている。
本発明を実施する際に好ましく使用されるゴムは、ガラス転移温度(Tg)と称されることがある二次転移温度を示す重合体及び共重合体であり、ジエンフラグメントの場合には、従来技術、例えば、ASTM試験法D746−52Tを用いて測定した二次転移温度は0℃以下であり、好ましくは−20℃以下である。Tgは、高分子材料が、例えば機械的強度を含むその物理的特性を急変させる温度又は温度範囲である。Tgは、示差走査熱量測定法(DSC)により測定できる。
本発明のゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体中には、前記ゴムが、ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体の重量を基準として、約9.5重量%以上、好ましくは約10重量%以上、より好ましくは約11重量%以上、更に好ましくは約12重量%以上の量で存在する。本発明のゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体中には、前記ゴムが、ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体の重量を基準として、約40重量%以下、好ましくは約30重量%以下、より好ましくは約25重量%以下、更に好ましくは約20重量%以下、最も好ましくは約18重量%以下の量で存在する。
マトリックス共重合体中に分散するゴムの好ましい構造は、1種以上の枝分れゴム、1種以上の線状ゴム又はそれらの組合せである。枝分れゴム及びそれらの製造方法は、当該技術分野において公知である。代表的な枝分れゴム及びそれらの製造方法は、英国特許第1,130,485号明細書、及びR.N.Young及びC.J.FettersによるMacromolecules,第II巻,第5号,第8頁に記載されている。
好ましい枝分れゴムは、通常、設計された枝分れを有する重合体と称されるラジカル重合体又は星型枝分れ重合体(star-branched polymer)である。星型枝分れゴムは、一般に、多官能性カップリング剤又は多官能性開始剤を用いて調製され、1つの多官能性成分又は化合物に結合し、腕(arm)と称される場合がある3以上の重合体セグメント、好ましくは3〜8の腕を有し、式(ゴム重合体セグメント−)Qで表され、ここで、好ましくは、kは3〜8の整数であり、Qは多官能性カップリング剤の部分である。好ましい多官能性開始剤は、有機金属アニオン性化合物、特にはC1−6アルキル、Cアリール、又はC7−20アルキルアリール基を有するリチウム化合物である。スズ系の多官能性有機カップリング剤が好ましく使用され、ケイ素系の多官能性カップリング剤が最も好ましく使用される。前記星型枝分れゴムの腕は、好ましくは1種以上の1,3−ブタジエンゴムであり、より好ましくは、それらは全て同じ種類の1,3−ブタジエンゴム、即ち、1,3−ブタジエンテーパードブロック共重合体、1,3−ブタジエンブロック共重合体、若しくは1,3−ブタジエンホモポリマー又はそれらの組合せである。
設計された枝分れを有する星型枝分れ重合体又はラジカル重合体の製造方法は、当該技術分野において良く知られている。カップリング剤を用いたブタジエンの重合体の製造方法は、米国特許第4,183,877号明細書、米国特許第4,340,690号明細書、米国特許第4,340,691号明細書及び米国特許第3,668,162号明細書に説明されており、一方、多官能性開始剤を用いたブタジエンの重合体の製造方法は、米国特許第4,182,818号明細書、米国特許第4,264,749号明細書、米国特許第3,668,263号明細書及び米国特許第3,787,510号明細書に記載されており、これらの米国特許は全て、参照することにより本明細書中に組み入れられる。本発明の組成物において有用な他の星型枝分れゴムとしては、米国特許第3,280,084号明細書及び米国特許第3,281,383号明細書に教示されたものが挙げられ、これらの米国特許は、参照することにより本明細書中に組み入れられる。
線状ゴム、並びにそれらの製造方法は、当該技術分野において良く知られている。「線状ゴム」という用語は、非共役(uncoupled)及びジカップルド(dicoupled)ゴムを含む重合体化されたモノマー又はコモノマーの直鎖を指し、ここで、1又は2の重合体セグメント又は腕は、式(ゴム重合体セグメント−)Q で表される多官能性カップリング剤に結合しており、ここでkは1〜2の整数である。式(ゴム重合体セグメント−)Qで表されるジカップルド線状ゴム中の前記ゴム重合体セグメントは、同じ種類、即ち、両方共1,3−ブタジエンホモポリマー、より好ましくは1,3−ブタジエンテーパー状ブロック共重合体、最も好ましくは1,3−ブタジエンブロック共重合体であってもよく、又は前記ゴム重合体セグメントは異なっていてもよく、例えば、1つのゴム重合体セグメントが1,3−ブタジエンホモポリマーであって、他方の重合体セグメントが1,3−ブタジエンブロック共重合体であってもよい。好ましくは、前記線状ゴムは、1種以上の1,3−ブタジエンホモポリマー、より好ましくは1種以上の1,3−ブタジエンテーパードブロック共重合体、最も好ましくは1種以上の1,3−ブタジエンブロック共重合体又はそれらの組合せである。テーパードブロック共重合体及び/又はブロック共重合体線状ゴムを含む好ましいコモノマーは、スチレン及びブタジエンである。
好ましくは、本発明で使用するジエンゴムは、99%以下、好ましくは97%以下のシス体含量を有する。好ましくは、該ジエンゴムのシス体含量は、20%以上、好ましくは37%以上であり、ここでシス体重量%は、該ジエンゴムの重量を基準とする。
好ましいゴムは、1,3−ブタジエンゴムの重量を基準として、少なくとも約1重量%の1,2−ビニル、より好ましくは、少なくとも約7重量%の1,2−ビニルを有する1,3−ブタジエンゴムである。好ましくは該1,3−ブタジエンゴムは、1,3−ブタジエンゴムの重量を基準として、約30重量%以下の1,2−ビニル、より好ましくは約13重量%以下の1,2−ビニルを有する。
好ましいゴムは、少なくとも約100キログラム/モル(kg/モル)の重量平均分子量、より好ましくは少なくとも約200キログラム/モルの重量平均分子量を有するジエンゴムである。好ましくは、該ジエンゴムは、約900kg/モル以下の重量平均分子量、より好ましくは600kg/モル以下の重量平均分子量を有する。
好ましいゴムは、少なくとも10センチストークス(cSt)(スチレン中の10%溶液)の溶液粘度、より好ましくは約20cStの溶液粘度を有するジエンゴムである。好ましくは、該ジエンゴムは、約500cSt以下、より好ましくは約400cSt以下の溶液粘度を有する。
前記ゴムは、グラフト重合体及び/又は、存在する場合には吸蔵された重合体と共に、連続マトリックス相中に離散した粒子として分散する。前記ゴム粒子は、単峰性、二峰性又は多峰性分布を示す範囲の大きさを含んでいてもよい。本明細書中で使用されるゴム粒子の平均粒径は、体積平均直径とする。ほとんどの場合、一群の粒子の該体積平均直径は、重量平均と同じである。該平均粒径の測定値には、一般に、ゴム粒子にグラフトされた重合体と該粒子中に吸蔵された重合体を含んでいる。
平均ゴム粒径の測定には種々の方法があり、例えば光散乱法とコールター計数器法の2つの方法がある。異なる方法を採用すると異なる結果が示される場合がある。従って、他に断りがない限り、本明細書中で開示され請求項に記載された好ましいゴム粒径は、以下に開示されるコールター計数器法により測定される。該ゴム粒子の平均粒径は、約1マイクロメートル(μm)以上、好ましくは約1.25μm以上、より好ましくは約1.5μm以上、最も好ましくは約1.6μm以上である。該ゴム粒子の平均粒径は、約2μm以下、好ましくは約1.9μm以下、より好ましくは約1.8μm以下である。ゴム粒径が小さすぎたり、大きすぎたりすると、耐衝撃特性が不十分となる。
好ましくは、本発明のゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物の耐衝撃性は、ノッチ付きシャルピー法、ISO 179により測定した場合、平方メートル当たり約8キロジュール(kJ/m)以上、より好ましくは約11kJ/m以上、更に好ましくは約15kJ/m以上、最も好ましくは約20kJ/m以上である。
ゴムの架橋は、吸光度比(light absorbance ratio)(LAR)により定量される。本発明のゴム改質共重合体においては、前記ゴム粒子は、好ましくは約0.1以上、より好ましくは約0.2以上、最も好ましくは約0.3以上の吸光度比を有することが好ましい。分散相の好ましい吸光度比は、約0.9以下、好ましくは約0.8以下、より好ましくは約0.7以下、最も好ましくは0.6以下である。吸光度比とは、以下の実施例において記載するように、ジメチルホルムアミド中に懸濁した前記ゴム粒子の吸光度の、ジクロロメタン中に懸濁した該ゴム粒子の吸光度に対する比率である。
前記吸光度比は、架橋の程度を測定するものであるが、重合開始剤の量及び種類、並びに揮発成分の除去工程の温度及び滞留時間に依存する。前記吸光度比は、マトリックスモノマー、酸化防止剤、連鎖移動剤等の種類及び量にも依存する。適切な吸光度比は、当業者が試行錯誤により製造プロセスの適切な条件を選択することにより設定できる。
本発明のゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物は、他の重合体及び/又は共重合体樹脂との混合物、アロイ、又は配合物、例えば、ナイロン、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート若しくはポリエステルとの混合物中で使用できる。好ましい配合物は、ポリカーボネート及び本発明の塊状ABS(PC/ABS)である。更に、請求項に記載したゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物は、この種の組成物中で通常使用される1種以上の添加剤を含んでいてもよい。この種の好ましい添加剤としては、充填剤、補強剤、着火防止剤(ignition resistant additives)、安定化剤、着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐衝撃性改良剤(たとえば乳化ABS、ポリオレフィンエラストマー、メタクリル酸メチル、ブタジエン、及びスチレン(MBS)三元共重合体、アクリレートゴム等)、シリコーン油、流動性向上剤(flow enhancer)、離型剤等が挙げられるが、これらに限定されない。添加剤の好ましい例は、タルク、粘土、珪灰石、マイカ、ガラス又はこれらの混合物等の充填剤であるが、これらに限定されない。更に、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化カーボネートオリゴマー、ハロゲン化ジグリシジルエーテル、有機リン化合物、フッ素化オレフィン、酸化アンチモン及び芳香族硫黄の金属塩、又はこれらの混合物等の耐着火剤を使用してもよいが、これらに限定されない。更に、塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物を、熱、光及び酸素に限定されないが、これらによる分解に対し、安定化させる化合物、又はこれらの混合物を使用してもよい。
そのような添加剤は、使用される場合には、前記ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物の重量を基準として、少なくとも約0.01重量パーセント、好ましくは少なく約0.1重量パーセント、より好ましくは少なくとも約1重量パーセント、より好ましくは少なくとも約2重量パーセント、最も好ましくは少なくとも約5重量パーセントの量で存在させてもよい。一般に、前記添加剤は、前記ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物の重量を基準として、約25重量パーセント以下、好ましくは約20重量パーセント以下、より好ましくは約15重量パーセント以下、より好ましくは約12重量パーセント以下、最も好ましくは約10重量パーセント以下の量で存在させてもよい。
本発明の前記ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物は、熱可塑性である。熱を適用して軟化又は溶融させる場合には、本発明の組成物は、圧縮成形、ガスアシスト射出成形、圧延、真空成形、熱成形、押出及び/又はブロー成形のような従来技術を、単独で又は組み合せて、好ましくは射出成形を用いて、成形又は成型することができる。
前記加工製品のいくつかには、押出シート又は射出成形品、特に自動車用内装品、及びコンピュータ、コンピュータ周辺機器、プリンター、複写機、携帯情報端末(PDA)、携帯電話等の情報技術装置部品のケースのような、表面模様及び/又は、しぼを有し、一貫した低光沢性の表面が要求される成形品が挙げられる。
本発明の実施を例証するために、好ましい態様の例を以下に説明するが、これらの例は、本発明の範囲をいかなる方法であっても限定するものではない。
実施例1〜10の組成物は、量産されたアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン三元重合体樹脂であり、ここで、10.2重量%のゴムを、53.3重量%のスチレン、17.5重量%のアクリロニトリル、19重量%のエチルベンゼン、及び場合によってN−フェニルマレイミド中に溶解させて、反応供給物流を生成させる。混合物は、撹拌下連続プロセスにおいて重合化される。重合は、温度プロフィールを増加させつつ、多段反応系において進行した。重合プロセスの過程で、生成した共重合体のある部分は、前記ゴム分子にグラフトし、一方該共重合体のある部分はグラフトしないが、代わりにマトリックス共重合体を生成させる。
直列に連結した4つのプラグフロー反応器から構成される連続的な重合装置においては、各プラグフロー反応器は、同じ大きさの3つのゾーンに分割されており、各ゾーンは、別々の温度調節器を有し、攪拌器が装着されているが、ゴム成分、スチレン、アクリロニトリル、及びエチルベンゼンから構成される17.8g/hrの供給物が、装置中での総滞留時間が約7時間となるような速度で前記重合装置のゾーン1に連続的に供給される。1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン(TRIGONOXTM22開始剤)を供給物ラインに添加して第1の反応器に添加し、n−ドデシルメルカプタン(nDM)(連鎖移動剤)を異なるゾーンに添加して、ゴム粒子のサイジング及びマトリックスの分子量を最適化する。表1には、供給物の組成及び反応条件に関する詳細が更に示されている。4つの反応器を通過した後、前記重合混合物は、予熱器を用いる分離工程及びモノマー回収工程に導かれ、続いて液化器(devolatilizer)に導かれる。溶融した樹脂は、ストランドにされ、粒状ペレットに切断される。前記モノマー及びエチルベンゼンは、再循環され、前記重合装置に供給される。
4つの反応器の温度は:反応器1:(ゾーン1、108℃)、(ゾーン2、110℃)、及び(ゾーン3、114℃);反応器2:(ゾーン4、117℃)、(ゾーン5、119℃)、及び(ゾーン6、121℃);反応器3:(ゾーン7、124℃)、(ゾーン8、131℃)、及び(ゾーン9、141℃)、及び反応器4:(ゾーン10、152℃)、(ゾーン11、162℃)、及び(ゾーン12、173℃)である。撹拌は、反応器1〜4の各々について、それぞれ毎分100、110、50、及び10回転数に設定される。試料は各反応器の出口で試験され、転化率パーセントを測定し、反応混合物の重量を基準とした固体パーセントとして表される。
前記ペレットを使用して、以下の成形条件を用いた東洋機械金属株式会社(Toyo)製の90トン射出成形機により、光沢以外の物理的特性測定用の試験片を製造した。溶融温度260℃、成形温度77℃、保持圧力9000ポンド/平方インチ(psi)、射出時間1.63秒、保持時間30秒、冷却時間60秒、及びサイクル時間60秒。
実施例1〜10の配合含量、生成物の特徴及び特性を以下の表1に示す。重量%は、ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物の重量を基準とする。表1において、
「TRIGONOX 22」は、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)より入手可能なl,l−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンであり、
「NPMI」は、アクリロニトリル中のN−フェニルマレイミドの40%溶液であり、
「nDM」は、n−ドデシルメルカプタン連鎖移動剤であり、
「PB」は、Dow BSL PB5901として入手可能な、ムーニー粘度57の、シス体含量の低いポリブタジエンであり、
「M Matrix」は、狭い分子量のポリスチレン標準品、測定値、及び屈折率(RI)検出器を用いるゲル浸透クロマトグラフィーにより測定したマトリックス共重合体の重量平均分子量であり、
「RPSLS230」は、ベックマン・コールター社製粒度分布測定装置LS−230(Beckman Coulter Particle Characterization LS-230 instrument)及びLS230ベックマン粒度分布測定用ソフトウェア(LS230 Beckman Particle Characterization software)、バージョン3.01を用いる光散乱法により測定したゴム粒径であり、ここで、重合体試料の6〜8粒を、約10mlのDMFに溶解させ、最低限の15分間で超音波処理する。以下の光学模型パラメーター値を使用する。流体屈折率(η流体)−1.431、試料の「真」の屈折率 (η試料/真)−1.570、及び試料の「仮想の」屈折率 (η試料/仮想)−0.01。溶解させた試料数滴を、試料の吸収(obscuration)が45.0〜55.0パーセントの範囲内となるまで添加した。体積平均による平均粒径が記録される。
「RPSCC」は、以下の方法を用い、ACCUCOMPTM ソフトウェア バージョン2.01.を用いるコールターマルチサイザー(Coulter Multisizer)II又はIIeにより測定された値として報告されたゴム粒径である。約3粒の重合体試料(30〜70mg)を、約15〜20分間超音波浴で撹拌しつつDMF5mlに溶解させた。10mlの電解液(DMF中1%のNHSCN)を、0.2mlの試料溶液と混合した。20μmのコールターチューブ(Coulter tube)と1.16μmの校正用物質を用いるコールター測定用スタンド(coulter measuring stand)を使用する。装置の一致レベル指数(coincidence level indicator)は、5〜10%の間で読み取るべきである。該読取値が10%を超える場合には、ビーカー中で電解液を用いて試料溶液を希釈し、又は、該読取値が低すぎる場合には、DMF中に重合体溶液の液滴をより多く添加する。体積平均による粒径が記録される。
「M Matrix」は、狭い分子量を有するポリスチレン標準品を用いるゲル浸透クロマトグラフィーにより測定したマトリックス共重合体の数平均分子量であり、測定は、UV RI検出器により行った。
「PBDftir」は、フーリエ変換赤外分光法により測定された、前記ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物中のポリブタジエン含量であり、ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物の重量を基準とした重量%で記録される。
「ANftir」は、フーリエ変換赤外分光法により測定された、前記ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物中のアクリロニトリル含量であり、ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物の重量を基準とした重量%で記録される。
「NPMIftir」は、フーリエ変換赤外分光法により測定された、前記ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物中のN−フェニルマレイミド含量であり、ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物の重量を基準とした重量%で記録される。
「LAR」は、ニューヨーク州、ウェストベリー(Westbury)にあるブリンクマン・インスツルメンツ社(Brinkmann Instruments Inc.)製の、450nmの波長フィルターを装着したブリンクマンモデルPC800プローブ色彩計(Brinkmann model PC 800 probe colorimeter)を用いて測定した吸光度比であり、又はそれと同等の装置が使用される。第1のバイアル中で、ゴム改質共重合体試料の0.4グラム(g)を、ジメチルホルムアミド(DMF)40ミリリットル(ml)中に溶解させる。第1のバイアルから、得られたDMF溶液5mlを、40mlのDMFを含む第2のバイアルに添加する。第1のバイアルから、得られたDMF溶液5mlを、20mlのジクロロメタン(DCM)を含む第3のバイアルに添加する。プローブは、純DMF中でゼロに合わせる。第2のバイアル中のDMF溶液の吸収、及び第3のバイアル中のDCM溶液の吸収を測定した。吸光度比(light absorbance ratio)を以下の式により計算する。
LAR=(DMF中の試料の吸光度)/(DCM中の試料の吸光度)
しぼ付き60度光沢試験片(grain 60 Degree gloss specimen)を、Demag Ergotech 100射出成形機を用いて成形する。プラック(plaque)は、「Grain Glosstop」及び「Grain Glossbottom」と称される2つの異なる条件下で成形される。該2つの条件は、射出速度の点でのみ異なる。Grain Glosstop条件は、約0.51秒の充填時間及び38秒の総サイクル時間となる60mm/秒の射出速度を有する。Grain Glossbottom条件は、約5.5秒の充填時間及び約43秒の総サイクル時間となる5mm/秒の射出速度を有する。以下の成形条件は、Grain Glosstop条件及びGrain Glossbottom条件の両方について同じである。ホッパーでのバレル温度設定50、235、240、245及び250℃。ノズル温度250℃、成形温度(両側)50℃。背圧7バール。保持圧力56バール。保持時間4秒。キャビティスイッチ圧(cavity switch pressure)200バール。冷却時間30秒。射出速度10立方センチメートル/秒(cm/s)。
しぼなし60度光沢試験片(non-grain 60 Degree gloss specimen)は、28メートルトンのArburg成形機を用いて成形される。プラックは、「Glossbottom」及び「Glosstop」と称される2つの異なる条件下で成形される。該2つの条件は、成形温度、保持圧力及び保持時間が異なる。該Glossbottom条件は、235℃の溶融温度、30℃の成形温度、700psiの保持圧力及び0.1秒の保持時間を有する。該Glosstop条件は、250℃の溶融温度、42℃の成形温度、475psiの保持圧力及び7.0秒の保持時間を有する。以下の成形条件は、Glossbottom条件及びGlosstop条件の両方について同じである。背圧は50psiであり、スクリュー速度は1.1秒であり、そして総サイクル時間は38秒である。
成形前には、材料を80℃で2時間乾燥する。光沢は、プラックの中心で測定する。材料は、金型の短辺の真中に位置する1つの射出点を通して射出される。金型表面は、金型インサートにより製造される。表面模様を有しないプラックの場合は、金型インサートの表面は研磨されている。
以下の試験は、実施例1〜10について実施され、これらの試験結果は表1に示される。
「G′」は、レオメトリックス社(Rheometrics)社製ARESレオメーター(オーケストレーター(Orchestrator)ソフトウェア バージョン6.5.6)を用い、平行板固定具に温度傾斜をつけて測定された貯蔵弾性率である。試料は200℃で圧縮成形した。温度は、3℃/分の速度で135〜250℃で傾斜をつけ、1.0ラジアン/秒の剪断速度で測定した。「G′」は、マトリックスのTgよりも120℃高い温度で記録した。マトリックスのTgは、DMS(粘弾性測定装置)を用い、固体状態について温度傾斜をつけて、捩れ(torsion)を与えることにより測定した。タンデルタピーク値(tan delta peak value)を転移温度として記録した。Tgを測定する温度は、3度/分の傾斜速度及び1.0ラジアン/秒の剪断速度で、70から約140℃で傾斜をつけた。
「Grain Glossbottom」は、約7.8μmのしぼ表面を有し、約8cm×10cm×3mmの、表面模様の付いたプラックに成形され、(前述した)Glossbottom条件で製造された試験片について、成形後30分で、ISO 2813に従い「Dr. Lange RB3」反射計を用いて、60度ガードナー光沢により測定される。
「Grain Glosstop」は、約7.8μmのしぼ表面を有し、約8cm×10cm×3mmの、表面模様の付いたプラックに成形され、(前述した)Glosstop条件で製造された試験片について、成形後30分で、ISO 2813に従い「Dr.Lange RB3」反射計を用いて、60度ガードナー光沢により測定される。
「Delta Grain Gloss」は、Grain GlosstopとGrain Glossbottomとの間の差の絶対値である。
Delta Grain Gloss =|Grain Glosstop− Grain Glossbottom
「Glossbottom」は、30mm×64mmの平滑な表面のプラックに成形され、(前述した)Bottom Gloss条件で製造された試験片について、成形後30分で、ASTM D 2457に従い、ビックガードナー社(BYK Gardner)製micro−tri gloss meter反射計を用いて、60度ガードナー光沢により測定される。
「Glosstop」は、30mm×64mmの平滑な表面のプラックに成形され、(前述した)Glosstop条件で製造された試験片について、成形後30分で、ASTM D 2457に従い、ビックガードナー社(A BYK Gardner)社製micro−tri gloss meter反射計を用いて、60度ガードナー光沢により測定される。
「引張降伏(Tensile Yield)」、「引張破断伸び(Tensile Break Elongation)」及び「引張弾性率」は、ISO 527−2に従い実施される。引張試験1(Tensile Type 1 test)用の試験片は、試験の24時間前に、23℃及び相対湿度50パーセントの条件下に置く。試験は、ツヴィック(Zwick)社製 1455 mechanical testerを用い23℃で実施する。
「MFR(230℃及び3.8kg)」メルトインデックス(melt flow rate)は、ISO1133に従い、ツヴィック(Zwick)社製4105 01/03プラストメーターを用いて、230℃及び加荷重(applied load)3.8kgで測定し、試料は、試験の前に80℃の条件下に2時間置く。
「ノッチ付きシャルピー23℃」耐衝撃性は、DIN 53453に従い、23℃で測定する。そして、
「ビカー」軟化温度は、ISO 306に従い測定される。
ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(The Dow Chemical Company)よりいずれも市販されている比較例のMAGNUMTM 3416 SC及びMAGNUM 3525 MT、並びに実施例11についての生成物の組成、特徴及び特性を表2に示す。MAGNUM 3416 SC及びMAGNUM 3525 MTの例は、ABSキャリヤー(carrier)中に、6.25%のカーボンブラック濃縮物を含んでいる。実施例11は、ABSキャリヤー中に6.25%のカーボンブラック濃縮物を含んでいる実施例10である。
着色しぼ60度光沢試験片(colored-grain 60 Degree gloss specimens)は、Krauss Maffei 250T射出成形機を用いて成形される。プラックは、「Colored−Grain Glossbottom」及び「Colored−Grain Glosstop」と称される2つの異なる条件下で成形される。該2つの条件は、射出速度及び射出時間が異なる。前記Colored−Grain Glossbottom条件は、射出速度13%、及び射出時間4.5秒である。前記Colored−Grain Glosstop条件は、射出速度63%、及び射出時間1秒である。以下の成形条件は、Colored−Grain Glossbottom及びColored−Grain Glosstop条件の両方について同じである。バレル温度プロフィール250、250、245、及び235(ホッパー)℃、成形温度50℃、保持圧力600バール、及び保持時間4秒。
材料は、成形前に80℃で2時間乾燥させる。光沢は、ブラックの中心で測定する。材料は、金型の短辺の真中に位置する1つの射出点を通して射出される。成形されたプラックは、147mm×208mm×3mmと測定され、VW grain K63を有する。
物理的特性と光沢の試験片は、前述のように成形される。本発明の実施例は、良好な引張弾性率及び耐衝撃特性を示し、成形した試験用試験片全体にわたり、低く且つ一貫した光沢のバランスに優れることを、明らかに示している。
Figure 0005599973
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Claims (19)

  1. 塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物であって、
    該組成物は、
    (i)150kg/モル以下の重量平均分子量を有する、モノビニリデン芳香族モノマーとエチレン性不飽和ニトリルモノマーとの共重合体を含む連続マトリックス相、及び
    (ii)離散したゴム粒子として該マトリックス中に分散した、赤外分析法により測定したポリブタジエン含量が少なくとも12重量%であるゴム成分
    を含み、
    前記ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体の貯蔵弾性率(G′)が2,000〜5,000パスカルであり、コールター計数器により測定した平均ゴム粒径が1.5〜2μmであり、ISO527−2により測定した引張弾性率が少なくとも1,400MPaであり、DIN53453で測定した23℃でのノッチ付きシャルピー衝撃強さが少なくとも11kJ/mであることを特徴とする組成物。
  2. 塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物の製造方法であって、
    該方法は、
    (a)溶解させたゴム成分の存在下にて、モノビニリデン芳香族モノマー及びエチレン性不飽和ニトリルモノマーを、バルク重合、塊状−溶液重合、又は塊状−懸濁重合法により重合させて、連続マトリックス相を所望の転化率となるまで形成させる工程、
    (b)得られた混合物を、未反応モノマーを除去しかつ前記ゴムを架橋するのに十分な条件下に供する工程、および
    (c)前記ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物を単離する工程
    を含み、
    (i)前記連続マトリックス相が、150kg/モル以下の重量平均分子量を有し、
    (ii)前記ゴム成分が、離散したゴム粒子として前記マトリックス中に分散し、赤外分析法により測定したポリブタジエン含量が少なくとも12重量%であり、
    該ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体の貯蔵弾性率(G′)が2,000〜5,000パスカルであり、コールター計数器により測定した平均ゴム粒径が1.5〜2μmであり、ISO527−2により測定した引張弾性率が少なくとも1,400MPaであり、そしてDIN53453で測定した23℃でのノッチ付きシャルピー衝撃強さが少なくとも11kJ/mであり、
    工程(a)において連鎖移動剤を2つ以上の反応ゾーンに添加することを特徴とする方法。
  3. 塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物の成形品又は押出品を製造する方法であって、
    該方法は、
    (A)(a)溶解させたゴム成分の存在下にて、モノビニリデン芳香族モノマー及びエチレン性不飽和ニトリルモノマーを、バルク重合、塊状−溶液重合、又は塊状−懸濁重合法により重合させて、連続マトリックス相を所望の転化率となるまで形成させ、
    (b)得られた混合物を、未反応モノマーを除去しかつ前記ゴムを架橋するのに十分な条件下に供し、そして
    (c)前記ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物を単離する
    ことにより塊状重合されたゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物を製造する工程、及び
    (B)前記ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体組成物を、成形品又は押出品に成形又は押出しする工程
    を含み、
    (i)該連続マトリックス相が、150kg/モル以下の重量平均分子量を有し、
    (ii)前記ゴム成分が、離散したゴム粒子として該マトリックス中に分散し、赤外分析法により測定したポリブタジエン含量が少なくとも12重量%であり、
    該ゴム改質モノビニリデン芳香族共重合体の貯蔵弾性率(G′)が2,000〜5,000パスカルであり、コールター計数器により測定した平均ゴム粒径が1.5〜2μmであり、ISO527−2により測定した引張弾性率が少なくとも1,400Mpaであり、DIN53453で測定した23℃でのノッチ付きシャルピー衝撃強さが少なくとも11kJ/mであり、
    工程(a)において連鎖移動剤を2つ以上の反応ゾーンに添加することを特徴とする方法。
  4. 成形品又は押出品の形態である請求項1に記載の組成物。
  5. 連続マトリックス相が135kg/モル以下の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  6. 連続マトリックス相が125kg/モル以下の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  7. 連続マトリックス相が120kg/モル以下の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  8. 連続マトリックス相が135kg/モル以下の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  9. 連続マトリックス相が125kg/モル以下の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  10. 連続マトリックス相が120kg/モル以下の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  11. 連続マトリックス相が135kg/モル以下の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
  12. 連続マトリックス相が125kg/モル以下の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
  13. 連続マトリックス相が120kg/モル以下の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
  14. 平均ゴム粒径が1.5〜1.9μmであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  15. 平均ゴム粒径が1.5〜1.9μmであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  16. 平均ゴム粒径が1.5〜1.9μmであることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  17. 平均ゴム粒径が1.5〜1.71μmであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  18. 平均ゴム粒径が1.5〜1.71μmであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  19. 平均ゴム粒径が1.5〜1.71μmであることを特徴とする請求項3に記載の方法。
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