JPH07155133A - 色調、風味の優れたルイボステイーエキスの製造法 - Google Patents

色調、風味の優れたルイボステイーエキスの製造法

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JPH07155133A
JPH07155133A JP5339223A JP33922393A JPH07155133A JP H07155133 A JPH07155133 A JP H07155133A JP 5339223 A JP5339223 A JP 5339223A JP 33922393 A JP33922393 A JP 33922393A JP H07155133 A JPH07155133 A JP H07155133A
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rooibos tea
flavor
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rooibos
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Satoru Shiraishi
悟 白石
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NIPPON RUIBOSUTEII HONSHA KK
T Hasegawa Co Ltd
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NIPPON RUIBOSUTEII HONSHA KK
T Hasegawa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ルイボスティーをpH7を越え、pH12を
越えない範囲内おいて水抽出処理することによりルイボ
スティーエキスを製造する方法。 【効果】 ポリフェノール含量が高く、色調、風味が改
善された嗜好性に優れた、嗜好飲料、健康食品として有
用なルイボスティーエキスが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、健康食品、嗜好性飲料
に用いられるルイボスティーエキスの製造法に関し、さ
らに詳しくはアルカリおよび/またはアルカリ塩を添加
して特定pH範囲内で水抽出処理することにより色調、
風味が改善されたエキスを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ルイボスティー(学名:Aspalathus lin
earis)は、マメ科の植物で南アフリカの特定地域のみ
で栽培されている。Rooibos tea、Redbush tea、Rooibo
sch tea、taste tea とも言われ、その葉を発酵したも
のは紅茶に似た上質な香りと味を有し、ヨーロッパを中
心に広く嗜好飲料として愛用されている。
【0003】ルイボスティーは成分的にはフラボノイ
ド、タンニン等のポリフェノール類を多く含むほか、ビ
タミンC、無機塩等を含むが、カフェインを含まないた
め、子供から高齢者まで広く飲用することができる温和
で刺激の少ない良質な飲料であると言える。
【0004】また、ルイボスティーは古くから長寿、美
容、強壮を目的として、あるいはアレルギー疾患、皮膚
・内臓疾患の改善等を目的とした民間薬としても使用さ
れ、薬理作用があることが示唆されていたが、最近の研
究でルイボスティーに含まれるポリフェノール類に生体
内の有害な活性酸素の除去作用があることが報告され
(Antioxidants in Therapy and Preventive Medicine,
p171-174,1990)、老化防止、抗酸化作用、発癌防止作
用などへの効果が期待され始めている。
【0005】このような背景の下に、これらの効果を利
用するいくつかの提案がなされている。例えば、ルイボ
スティーまたはその浸出液を食品に添加し、風味、状態
等の改善を行うこと(特開昭62−239958号公
報)、ルイボスティー抽出物を食品、化粧品、医薬など
の抗酸化剤として利用すること(特開昭63−1170
90号公報)、ルイボスティー抽出エキスを家庭用洗剤
に添加して、塩素除去や肌荒れ防止を行うこと(特開平
4−89896号公報)などが提案されている。
【0006】しかしながら、これらの提案はいずれも、
ルイボスティーまたはルイボスティーエキスをそのまま
食品、化粧品、医薬品または洗剤に添加して、状態の改
善、抗酸化および塩素除去等の効果を得ることを目的と
したものであって、上記公報にはルイボスティーが持つ
色調、風味を損なうことなく抽出して、嗜好性に優れた
飲料用のルイボスティーエキスを製造することに関して
は、何ら示唆も開示もされていない。
【0007】また、ルイボスティーの抽出法に関しても
いくつかの報告がある。例えば、ルイボスティーの抽出
における温度と溶媒量について検討し、23〜90℃の
範囲では、温度が高いほどポリフェノールが抽出されや
すいという研究報告(Int.J.Food Sci.Technol.,25,No.
3,339〜343,1990)、90℃におけるルイボスティーの抽
出においてその抽出時間と抽出されるポリフェノール量
の関係を調べた研究報告(Lebensm.Wiss.u.Technol.,2
3,181〜183,1990)、沸騰水によりルイボスティーを短時
間抽出したエキスを噴霧乾燥または凍結乾燥し、ポリフ
ェノール含量の測定および官能評価を行った研究報告
(Int.J.Food Sci.Technol.,25,No.3,344〜349,1990)
などがある。
【0008】しかしながら、これらの研究報告はポリフ
ェノールの抽出量を多くすることを目的としたものであ
り、ルイボスティーが本来持つ優れた色調と香気を保持
して、嗜好性に優れた飲料を得るためのエキスを製造す
る方法については言及していない。
【0009】また、ウーロン茶の抽出方法に関し、pH
を6.5〜8.0に調製した炭酸水素ナトリウム水溶液
でウーロン茶の葉を抽出する提案(特開昭57−166
49)、pH8.0〜10.5の加温した炭酸ナトリウ
ム水溶液で抽出し、冷却後アスコルビン酸、炭酸水素ナ
トリウムを加えてpH6.0ないし6.5に調整する提
案(特開昭60−192548)、pH8.1〜8.3
の加温した炭酸水素ナトリウム水溶液で短時間に抽出
し、冷却後アスコルビン酸、炭酸水素ナトリウムを加え
てpH6.0ないし6.5に調整する提案(特開昭60
−196149)などがある。
【0010】しかしながら、ウーロン茶に関する上記提
案のうち、第一、第二の提案はいずれも抽出液を冷却す
る際生ずる沈殿物が少なくなるよう改善したものである
が、風味が悪くなるという欠点がある。また、第三の提
案は、第二の提案を改良し、抽出液の風味を通常の熱水
抽出の風味に近づけたものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記のごときルイボス
ティーに関する研究報告によれば、水によるポリフェノ
ールの抽出は温度が高いほど抽出効率が良く、かつ抽出
時間に比例することが知られている。一方、色素および
呈味成分も温度が高いほど良く抽出される。しかしなが
ら、本発明者らの研究によれば抽出時間が長くなるとエ
キスの色調が明るい赤褐色から暗赤色へと変化し、か
つ、風味もルイボスティー本来の香気が失われて特徴の
ないものに変化することがわかった。
【0012】すなわち、熱水による抽出ではポリフェノ
ールの抽出と色素、風味の抽出の両者を同時に、かつ、
効率的に行うことは非常に困難であり、ポリフェノール
類を多く抽出するために通常の高温、長時間の熱水抽出
を行うと、風味のバランスが崩れ特徴のない抽出物とな
る点が課題であった。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記のごとき多くの欠点を解決するために鋭意研究を行っ
た。その結果、驚くべきことに、抽出の際に炭酸水素ナ
トリウム等アルカリまたはアルカリ塩を添加しpHを上
げて、従来よりは温和な温度条件で抽出を行うことによ
り、無添加の場合に比べポリフェノール含量が高くなる
と同時に、風味が損なわれるどころかルイボスティーの
良質な色調と風味がより一層強調された、極めて嗜好性
に優れたルイボスティーエキスが得られる事実を見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0014】かくして、本発明によれば、ルイボスティ
ーをpH7を越え、pH12を越えない範囲内で水抽出
処理することを特徴とするルイボスティーエキスの製造
法が提供される。以下、本発明について更に詳細に述べ
る。
【0015】本発明において使用する原料には、ルイボ
スティー(学名:Aspalathus linearis)の生葉または
枝またはこれらの乾燥物またはこれらを発酵処理したも
の並びにこれらの任意の混合物等が包含され、本明細書
ではこれらを総称してルイボスティーという。上記の如
きルイボスティーの抽出は、それ自体既知の熱水抽出処
理によって行うことができ、例えば、ルイボスティーを
加熱した水性媒体中で適当な時間撹拌することにより行
うことができる。
【0016】本発明はこの熱水抽出処理をpH7を越
え、pH12を越えない範囲内、好ましくは約7.5〜
約8.5の範囲内の水性溶媒を用いて行う点に特徴があ
る。pH7以下ではポリフェノールの抽出が十分でな
く、また、pH12を越えるとポリフェノールはよく抽
出されるものの、不安定になり色調が暗くなるととも
に、風味も悪くなるという欠点がある。pH条件の調節
は、抽出のための水性媒体にアルカリおよび/またはア
ルカリ塩を添加することにより行うことができる。抽出
のための水性媒体は通常は水を用いるが20%以下のエ
チルアルコール、グリセリン等のアルコールを含んでも
よい。
【0017】このpH調節に用いるアルカリまたはアル
カリ塩の種類は特に制限されるものではなく、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどの水
酸化アルカリ;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水
素ナトリウム等の炭酸アルカリ金属塩;アスコルビン酸
アルカリ金属塩、クエン酸アルカリ金属塩等の有機酸ア
ルカリ塩類を例示することができる。また、検討した中
で最も風味の良いエキスが得られるものとして炭酸水素
ナトリウムを好ましく挙げることができる。
【0018】抽出に用いる水性媒体の使用量は、原料の
ルイボスティーのロットまたは状態によって任意に選択
することができるが、一般的には原料葉1重量部に対し
て約2〜約200重量部、好ましくは約5〜約50重量
部の範囲内が適当である。
【0019】また、抽出温度は抽出時間、溶媒量にもよ
るが、通常は約40〜約100℃、好ましくは約70〜
約100℃の範囲内の温度で抽出を行うと短時間に抽出
エキスを得ることができる。
【0020】さらに、抽出時間は抽出温度によっても、
また抽出手段、例えば回分抽出、カラム抽出の違いによ
っても異なるが、例えば約15分〜約4時間、好ましく
は約0.5〜約2時間の範囲を挙げることができる。
【0021】次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0022】
【実施例】
実施例1 温度計、撹拌機および還流冷却器を備えた1500ml
の三頚フラスコに、水1000gに炭酸水素ナトリウム
を2gを加えて溶解したpH8.0の水溶液を入れ、1
00gの発酵を行ったルイボスティーの葉を仕込む。撹
拌を行いながら温度を80℃まで上昇し、2時間の抽出
を行った後、直ちに室温以下に冷却した。この抽出物を
200メッシュのサランを用いて濾過することにより、
Brix.3.0°、pH6.6の風味の良いエキストラク
ト750g(本発明品1)が得られた。
【0023】比較例1 実施例1において水1000gに炭酸水素ナトリウム2
gとあるのを水1000gとする他は全て同じ方法で抽
出を行い、Brix.2.3°、pH4.8のエキストラク
ト750g(比較品1)を得た。実施例1および比較例
1で得たエキストラクトのポリフェノール量および色差
の測定結果、風味評価の結果を表1に示す。
【0024】
【表1】 表1:測定結果および風味評価 ポリフェノール量 色差 風味評価 L, a, b 比較品1 0.41 68.4 , 12.4 , 30.4 特徴なし 本発明品1 0.50 62.9 , 16.1 , 27.6 シャーフ゜、特に良好 ポリフェノール類の定量はFolin−Denis 法により行っ
た。また、色差の測定はSpectro Colorimeter SZ Σ90
(日本電色製)を用い、10倍希釈液のL,a,bを測
定した。
【0025】実施例2 800mlジャケット付抽出カラム(φ6cm×30c
m)に100gの発酵を行ったルイボスティーの葉を充
填し、水500gに炭酸水素ナトリウムを0.25gを
加えて溶解したpH7.7の水溶液を約90℃に加熱し
て該カラムに注入し、30分間浸漬抽出を行った。抽出
後、下部より液を抜き取り直ちに室温以下に冷却した。
同じ組成の溶媒を用い、さらに2回の抽出を行い、得ら
れた液を混合し、200メッシュのサランを用いて濾過
することにより、Brix.2.7°、pH5.07の風味
の良いエキストラクト1270g(本発明品2)が得ら
れた。
【0026】実施例3 実施例2において炭酸水素ナトリウム0.25gの代わ
りに0.5gを加えて溶解したpH7.9の水溶液を使
うほかは全て同じ方法で抽出を行い、Brix.2.8°、
pH5.65のエキストラクト1260g(本発明品
3)を得た。
【0027】実施例4 実施例2において炭酸水素ナトリウム0.25gの代わ
りに2.0gを加えて溶解したpH8.3の水溶液を使
うほかは全て同じ方法で抽出を行い、Brix.2.8°、
pH7.68のエキストラクト1250g(本発明品
4)を得た。
【0028】実施例5 実施例2において炭酸水素ナトリウム0.25gの代わ
りに水酸化ナトリウムを0.125gを加えて溶解した
pH11.0の水溶液を使うほかは全て同じ方法で抽出
を行い、Brix.3.0°、pH6.50のエキストラク
ト1260g(本発明品5)を得た。
【0029】実施例6 実施例2において炭酸水素ナトリウム0.25gの代わ
りに水酸化ナトリウムを0.25gを加えて溶解したp
H11.5の水溶液を使うほかは全て同じ方法で抽出を
行い、Brix.3.8°、pH8.0のエキストラクト1
255g(本発明品6)を得た。
【0030】比較例2 実施例2において炭酸水素ナトリウムを用いずに水50
0gだけで抽出を行うほかは全て同じ方法で抽出を行
い、Brix.2.5°、pH4.78のエキストラクト1
253g(比較品2)を得た。
【0031】上記のようにして得られた比較品2と本発
明品2〜6のエキストラクトについて前記と同様にして
ポリフェノールの定量、色差の測定および風味評価を行
った結果を下記表2に示す。なお、風味評価は本発明品
2〜6のpHを比較品2とおなじくpH4.78として
行った。
【0032】
【表2】 表2:測定結果および風味評価 ポリフェノール量 色差 風味評価 L, a, b 比較品2 0.50 57.8 , 17.6 , 37.6 特徴なし 本発明品2 0.61 52.0 , 22.1 , 34.7 シャーフ゜、良好 本発明品3 0.68 43.7 , 27.0 , 29.8 シャーフ゜、 良好 本発明品4 0.71 35.9 , 32.4 , 24.8 シャーフ゜、 特に良好 本発明品5 0.60 50.0 , 23.5 , 30.5 シャーフ゜、 良好 本発明品6 0.70 35.0 , 33.5 , 23.0 シャーフ゜、 良好 表2に示すように、比較品2は風味に特徴がないのに比
べ、炭酸水素ナトリウムまたは水酸化ナトリウムを添加
した本発明品2〜6はいずれも風味が向上していた。特
に炭酸水素ナトリウムを0.1%添加した本発明品4
は、ルイボスティーの特徴ある香気が最も良く保持され
ていた。また、ポリフェノール量も比較品2に比べ、本
発明品2〜6はいずれも上昇した。さらに、色調もa値
がいずれも上昇し、赤味が増すとともに、色素の抽出量
も増していた。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、マメ科に属するルイボ
スティー(学名:Aspalathus linear
is)の葉を炭酸水素ナトリウム等アルカリおよび/ま
たはアルカリ塩を添加した水で抽出することにより、ポ
リフェノール類を効率的に抽出するとともに、ルイボス
ティーが本来持つ良質な色調と風味を損なわずに、極め
て嗜好性に優れたルイボスティーエキスの製造が可能と
なり、健康食品、飲料等、広い分野への用途が開けるな
ど極めて有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ルイボスティーを、pH7を越え、pH1
    2を越えない範囲内で水抽出を行うことを特徴とするル
    イボスティーエキスの製造法。
JP5339223A 1993-12-06 1993-12-06 色調、風味の優れたルイボステイーエキスの製造法 Pending JPH07155133A (ja)

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