JPH07155049A - コンバインの脱穀装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 選別機構の選別作用を促進し、選別損失を低
減させる。 【構成】 受網を介して扱胴下方に漏下させる脱粒物を
選別する前後揺動選別盤３３、３４を備えるコンバイン
の脱穀装置において、穀粒を機外に取出す一番流穀板４
３を後揺動選別盤３４に取付けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は例えば稲・麦・大豆など
穀物を刈取って脱穀処理するようにしたコンバインの脱
穀装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、スクリュ羽根を胴部外周に設ける
扱胴を備え、刈取った穀稈を全量投入して脱穀する技術
があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来技術は、一番
選別網から漏下する穀粒を一番樋に落下案内する一番流
穀板を備えていたが、揺動選別盤を前後に分割形成し、
前揺動選別盤に一番流穀板を設けた場合、前揺動選別盤
の軽量化を容易に行い得ず、前揺動選別盤の着脱が面倒
であり、また前後の揺動選別盤の重量差が大きくなり、
前後の揺動選別盤の揺動運動力の差が大きく、機体の揺
振防止構造並びに各揺動選別盤の駆動構造などの簡略化
を容易に行い得ない等の問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】然るに、本発明は、受網
を介して扱胴下方に漏下させる脱粒物を選別する前後揺
動選別盤を備えるコンバインの脱穀装置において、穀粒
を機外に取出す一番流穀板を後揺動選別盤に取付けたも
ので、前揺動選別盤の軽量化を容易に行い得、前揺動選
別盤の着脱が容易になると共に、前後の揺動選別盤の重
量差が小さくなり、前後の揺動選別盤の揺動運動力の差
を小さくし、機体の揺振防止構造の簡略化並びに各揺動
選別盤の駆動構造の簡略化などを容易に行い得るもので
ある。

【０００５】また、一番樋に穀粒を漏下させる前揺動選
別盤の一番選別網の後端よりも後方かつ下方に一番流穀
板を配設させたもので、一番選別網からの漏下穀粒量が
多いときでも、一番流穀板を介して一番樋に穀粒を必ず
落下案内させ得、一番樋への穀粒収集を穀粒量の多少に
係わらず適正に行わせ得、穀粒量が多いときに後方の二
番樋に穀粒が過剰供給されるのを容易に防止し得るもの
である。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述
する。図１は選別機構の側面説明図、図２は全体の側面
図、図３は同平面図であり、図中（１）は走行クローラ
（２）をトラックフレーム（３）に装備する機台、
（４）は軸流式のスクリュ形扱胴（５）及び処理胴
（６）及び選別機構（７）などを備えていて前記機台
（１）に搭載する脱穀部、（８）は揚穀筒（９）を介し
て取出す脱穀部（４）の穀粒を溜める穀物タンク、（１
０）は前記脱穀部（４）の下部前方に油圧シリンダ（１
１）を介して昇降可能に装設する刈取部、（１２）は運
転席（１３）及び運転操作部（１４）を備えて前記穀物
タンク（８）の前方に配設させる運転キャビン、（１
５）は前記穀物タンク（８）の後方に備えていてエンジ
ン（１６）を内設するエンジン部、（１７）は前記穀物
タンク（８）内の穀粒を取出す穀粒搬出オーガである。

【０００７】そして、前記刈取部（１０）は、未刈り穀
稈を取入れる穀物刈取ヘッダー（１８）と、該ヘッダー
（１８）の後部略中央に連結させて刈取穀稈を脱穀部
（４）に送給するフィーダハウス（１９）によって構成
すると共に、未刈り穀稈掻込み用リール（２０）と、往
復駆動型刈刃（２１）と、分草板（２２）と、穀稈掻込
オーガ（２３）とを前記穀物ヘッダー（１８）に備え、
前記ヘッダー（１８）に取込まれる刈取穀稈をフィーダ
ハウス（１９）に内設する供給チェンコンベア（２４）
を介し脱穀部（４）に送り込んで脱穀処理するように構
成している。

【０００８】また、前記脱穀部（４）の右外側には二番
還元筒（２５）を配備させていて、二番処理物を処理胴
（６）に戻して再脱穀及び再選別するように設けてい
る。

【０００９】さらに、図４に示す如く、前記スクリュ形
扱胴（５）は、脱穀部（４）前後長と略等しい長さの円
筒形胴部（２６）と、この胴部（２６）外周に巻装して
放射状に立設させる螺旋形スクリュ羽根（２７）と、前
記胴部（２６）の後端外周に設ける排塵突起（２８）と
を備えるもので、前記スクリュ形扱胴（５）を機体前後
方向に軸支し、前記フィーダハウス（１９）に連通する
扱室（２９）前側の投入口（３０）に扱胴（５）前端部
を臨ませて設けると共に、扱室（２９）後側の排塵口
（３１）に扱胴（５）の後端部を臨ませるもので、前記
排塵口（３１）を除く前記扱胴（５）下側に受網（３
２）を張設し、フィーダハウス（１９）から刈取り穀稈
を全量投入して脱穀するように構成している。

【００１０】また、前記選別機構（７）を構成する前後
の揺動選別盤（３３）（３４）を備え、揺動リンク（３
５）を介して前後方向に前記選別盤（３３）（３４）を
揺動駆動すると共に、前記扱胴（５）前部下方に位置さ
せるフィードパン（３６）と、穀物漏下量を調節自在な
第１チャフシーブ（３７）と、そのチャフシーブ（３
７）下方に設ける一番選別網（３８）と、前記チャフシ
ーブ（３７）後側に連設するふるい線（３９）とを前揺
動選別盤（３３）に設ける一方、前記ふるい線（３９）
後側下方に設ける第２チャフシーブ（４０）と、該チャ
フシーブ（４０）後側に連設するふるい線（４１）と、
前記ふるい線（４１）上方で受網（３２）後端部下方に
位置させる戻し板（４２）と、一番及び二番流穀板（４
３）（４４）とを、前記の後揺動選別盤（３４）に設け
るもので、前端側をふるい線（４１）前部上方にまた後
端側を受網（３２）終端下方に夫々臨ませる前低後高の
姿勢に前記戻し板（４２）を取付けている。

【００１１】さらに、前記フィードパン（３６）上面に
選別風を供給する塵埃除去ファン（４５）と、第１チャ
フシーブ（３７）及び一番選別網（３８）の下方に第１
及び第２風路（４６）（４７）を介して選別風を供給す
る唐箕ファン（４８）と、一番選別網（３８）からの穀
粒を受取って揚穀筒（９）に送出する一番樋（４９）及
び一番コンベア（５０）と、第２チャフシーブ（４０）
下方及び二番流穀板（４４）上面に選別風を供給する二
番選別ファン（５１）と、二番流穀板（４４）からの還
元物を二番還元筒（２５）に送出する二番樋（５２）及
び二番コンベア（５３）と、前記選別盤（３４）後端の
ふるい線（４１）を臨ませる三番口（５４）とを備え、
一番樋（４９）の穀粒をタンク（８）に、また二番樋
（５２）の還元物を処理胴（６）に送出するように構成
している。

【００１２】さらに、図５に示す如く、脱穀部（４）右
側後方のＰＴＯケース（５５）を介して扱胴駆動プーリ
（５６）及び選別駆動プーリ（５７）にエンジン（１
６）出力を伝達させ、処理胴（６）に扱胴（５）をこれ
らの前側のプーリ（５８）（５９）を介して連結させ、
扱胴（５）、処理胴（６）、選別機構（７）各部を駆動
するように構成している。

【００１３】さらに、図５、図６、図７に示す如く、前
記扱室（２９）の右側上部に処理室（６０）を形成し、
前端位置を扱胴（５）と略一致させた処理胴（６）を処
理室（６０）に内設させると共に、扱室（２９）前部に
連通させる二番物戻し口（６１）を処理室（６０）前部
に形成し、また二番処理による穀粒を漏下させる処理受
網（６２）を処理室（６０）中間部に張設させ、また二
番処理物を前方に搬送させる盲板製底板（６３）を処理
室（６０）後部に張設させるもので、二番還元筒（２
５）から投入口（６４）を介して処理室（６０）後部に
二番処理物を投入し、処理胴（６）によって底板（６
３）上の二番処理物を前方に移送し乍ら再脱粒させ、中
間の二番受網（６２）から穀粒を漏下させ、前方の二番
物戻し口（６１）から残処理物を扱室（２９）前側に戻
すように構成している。

【００１４】さらに、図１、図４、図８に示す如く、後
揺動選別盤（３４）前側に一番流穀板（４３）を固定さ
せ、前後揺動選別盤（３３）（３４）の重量差を小さく
し、またグレンシーブである一番選別網（３８）の後端
よりも後方かつ下方に一番流穀板（４３）を常に配設さ
せると共に、機体に支点軸（６５）を介して回転自在に
軸支させる揺動アーム（６６）両端に各選別盤（３３）
（３４）の前後端を連結させ、一方が前方移動のときに
もう一方が後方移動する逆位相駆動によって各選別盤
（３３）（３４）を揺動させるもので、各選別盤（３
３）（３４）が最接近または最離反したときでも、また
一番選別網（３８）の穀粒量が多いときでも、一番選別
網（３８）の穀粒が一番流穀板（４３）から一番樋（４
９）に必ず落下され、また一番選別網（３８）に対して
一番流穀板（４３）が逆位相揺動することにより、一番
流穀板（４３）での穀粒の滞留を防いで湿材での連続作
業が可能になり、前記板（４３）上で穀粒と塵をほぐす
作用が行われて選別性能が向上するように構成してい
る。

【００１５】また、前記第２風路（４７）に設ける風向
板（６７）の前部上面と一番選別網（３８）を前下り形
状に傾斜させ、風向板（６７）の案内により一番選別網
（３８）への選別風供給量を増加させ、また一番選別網
（３８）の前傾角度大によって該網（３８）からの穀粒
漏下を促進させると共に、前記第１風路（４６）からの
選別風を第１チャフシーブ（３７）に案内する風向ガイ
ド（６８）（６９）（７０）を設け、チャフシーブ（３
７）前側で下方から上方に選別風が吹き上がるもので、
前記第１チャフシーブ（３７）は、小間隔（Ｔ１）の前
側チャフシーブ（３７ａ）と、大間隔（Ｔ２）の後側チ
ャフシーブ（３７ｂ）とにより形成し、一番選別網（３
８）前端位置よりも前方に前側チャフシーブ（３７ａ）
を配設させ、稈切れ塵が後側チャフシーブ（３７ｂ）か
ら一番選別網（３８）後部に落下するように構成してい
る。

【００１６】また、前記二番選別ファン（５１）の選別
風を第２チャフシーブ（４０）前部に案内する風向ガイ
ド（７１）と、第１流穀板（４３）後端乃至第２チャフ
シーブ（４０）前端間に設ける二番物流下ガイド板（７
２）を、後揺動選別盤（３４）に固定させ、第２チャフ
シーブ（４０）前部での二番物選別性能が向上するよう
に構成すると共に、図７、図９にも示す如く、処理胴
（６）の処理受網（６２）下方のフィードパン（３６）
上面に選別ガイド板（７３）…を立設させ、処理受網
（６２）からの漏下物をガイド板（７３）の案内によっ
てフィードパン（３６）上面で右側から中央に寄せて均
一に分散させ乍ら第１チャフシーブ（３７）に移動させ
るように構成している。

【００１７】さらに、図９、図１０、図１１に示す如
く、電動ファンモータ（７４）によって回転させる複数
のシロッコファン（７５）…と、各ファン（７５）に対
向させる複数の吹出口（７６）…を形成する吹出ガイド
（７７）を、前記塵埃除去ファン（４５）に備えると共
に、シロッコファン（７５）を内設させるファンケース
（７８）と前記吹出ガイド（７７）を取付フレーム（７
９）に支持させるもので、前揺動選別盤（３３）の前方
に、該盤（３３）左右幅と略同長の吹出ガイド（７７）
を対設させ、複数のシロッコファン（７５）及び吹出口
（７６）を左右幅方向に略同軸上に並設させ、前揺動選
別盤（３３）左右全幅に亘って略均一に選別風を吹出ガ
イドを介して供給するように構成している。

【００１８】さらに、図１２、図１３、図１４に示す如
く、前記穀物タンク（８）前部の右側角隅を開閉ボルト
（８０）によってキャビンフレーム（８１）に着脱自在
に連結させると共に、タンク（８）後面とエンジン室
（１５）前面に、分離自在に嵌合させる前後継手体（８
２）（８３）を設け、タンク（８）に固定する前継手体
（８２）を介してタンク（８）後部の右側角隅部を水平
回転支点軸（８４）に取付け、該軸（８４）を中心にタ
ンク（８）を機外に水平回転自在に取付けるもので、エ
ンジン室（１５）下部の横送オーガ筒（８５）に横送オ
ーガ（８６）を内設させ、オーガ（８６）のオーガ軸
（８７）前端をベアリング軸受（８８）を介して後継手
体（８３）に軸支させると共に、タンク（８）底部の送
出オーガ（８９）のオーガ軸（９０）後端を前継手体
（８２）にカラー（９１）を介して軸支させ、またオー
ガ軸（９０）後端の突起形噛合クラッチ（９２）をオー
ガ軸（８７）の前端軸孔に係脱自在に嵌入させ、さらに
各オーガ軸（８７）（９０）軸芯に対し軸直上に中心を
偏心させた真円形開口（９３）（９４）を継手体（８
２）（８３）に形成し、各オーガ（８６）（８９）の接
合部を、上方側が大きく開放された開口（９３）（９
４）によって連通させ、タンク（８）のオーガ（８９）
から横送オーガ（８６）に送るタンク（８）の穀粒の受
継効率を向上させ、各オーガ（８９）（８６）受継部で
の穀粒詰りを防ぐように構成している。

【００１９】

【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明
は、受網（３２）を介して扱胴（５）下方に漏下させる
脱粒物を選別する前後揺動選別盤（３３）（３４）を備
えるコンバインの脱穀装置において、穀粒を機外に取出
す一番流穀板（４３）を後揺動選別盤（３４）に取付け
たもので、前揺動選別盤（３３）の軽量化を容易に行う
ことができ、前揺動選別盤（３３）の着脱が容易になる
と共に、前後の揺動選別盤（３３）（３４）の重量差が
小さくなり、前後の揺動選別盤（３３）（３４）の揺動
運動力の差を小さくし、機体の揺振防止構造の簡略化並
びに各揺動選別盤（３３）（３４）の駆動構造の簡略化
などを容易に行うことができるものである。

【００２０】また、一番樋（４９）に穀粒を漏下させる
前揺動選別盤（３３）の一番選別網（３８）の後端より
も後方かつ下方に一番流穀板（４３）を配設させたもの
で、一番選別網（３８）からの漏下穀粒量が多いときで
も、一番流穀板（４３）を介して一番樋（４９）に穀粒
を必ず落下案内させることができ、一番樋（４９）への
穀粒収集を穀粒量の多少に係わらず適正に行わせること
ができ、穀粒量が多いときに後方の二番樋（５２）に穀
粒が過剰供給されるのを容易に防止できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】選別機構の側面説明図。

【図２】コンバインの全体側面図。

【図３】同平面図。

【図４】脱穀部の側面図。

【図５】同平面図。

【図６】同正面図。

【図７】処理胴部の側面図。

【図８】揺動選別盤の拡大説明図。

【図９】前揺動選別盤の平面図。

【図１０】塵埃除去ファン部の側面図。

【図１１】同平面図。

【図１２】穀物タンク部の平面図。

【図１３】継手体部の側面図。

【図１４】同背面図。

【符号の説明】

（５） 扱胴 （３２） 受網 （３３） 前揺動選別盤 （３４） 後揺動選別盤 （３８） 一番選別網 （４３） 一番流穀板 （４９） 一番樋

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高 木 幹 雄 岡山市江並428番地 セイレイ工業株式会 社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 受網を介して扱胴下方に漏下させる脱粒
   物を選別する前後揺動選別盤を備えるコンバインの脱穀
   装置において、穀粒を機外に取出す一番流穀板を後揺動
   選別盤に取付けたことを特徴とするコンバインの脱穀装
   置。
2. 【請求項２】 一番樋に穀粒を漏下させる前揺動選別盤
   の一番選別網の後端よりも後方かつ下方に一番流穀板を
   配設させたことを特徴とする上記請求項１に記載のコン
   バインの脱穀装置。