JPH07151417A - エンジン排熱回収吸収式冷温水機 - Google Patents

エンジン排熱回収吸収式冷温水機

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JPH07151417A
JPH07151417A JP5299493A JP29949393A JPH07151417A JP H07151417 A JPH07151417 A JP H07151417A JP 5299493 A JP5299493 A JP 5299493A JP 29949393 A JP29949393 A JP 29949393A JP H07151417 A JPH07151417 A JP H07151417A
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JP
Japan
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working fluid
heat
heat exchanger
condenser
engine
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Withdrawn
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JP5299493A
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English (en)
Inventor
Akira Yanagida
昭 柳田
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸収液の吸収温度や水蒸気の凝縮温度を上昇
させることなく、十分な暖房能力を得ることのできるエ
ンジン排熱回収吸収式冷温水機を提供する。 【構成】 凝縮器2、蒸発器3および吸収器4を収納す
るシェルAと、高温発生器5および低温発生器6を一体
化したユニットBを設置した。そして、エンジン排気に
より高温発生器5および低温発生器6内の希溶液より水
蒸気を発生させるようにし、さらに高温発生器5にて発
生した水蒸気を低温発生器6の加熱源としても利用でき
るようにした。また、第1ブライン経路C1の吸収器
4、凝縮器2後流にブライン熱交換器23を設置し、吸
収器4および凝縮器2から熱を得たブラインにさらにエ
ンジン冷却水からの熱を与えることにより、吸収温度や
凝縮温度を上昇させることなく十分な暖房能力を得られ
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン排気とエンジ
ン冷却水を有効に利用して冷温水を作るようにしたエン
ジン排熱回収吸収式冷温水機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジン排熱を利用した吸収
式システムとして2重効用および単効用併用型のものが
特開昭58−99661号公報に開示されている。この
ものは、エンジンの排気排熱を温水に回収して室内熱交
換器に導くことによって暖房を行うか、あるいは発生器
にて発生した蒸気を凝縮器を介さず蒸発器に送り込み、
この蒸発器内を流れる冷媒に熱を与えて暖房を行うシス
テムの加熱源としてエンジン排熱を用いていた。
【0003】また、直焚の2重効用冷温水機として図5
に示すようなシステムも提案されている。ここでは、従
来の基本的な2重効用吸収式冷凍機の一例として、図5
に示すシステムの構成および作動を説明する。2重効用
吸収式冷凍機100の高温発生器101では、加熱源と
して燃料ガス、灯油、高圧蒸気等を使用したバーナ10
3にて吸収液(臭化リチウムの希溶液)を加熱すると、
吸収液より水蒸気が発生する。この水蒸気は低温発生器
102内の吸収液に熱を与えたあと凝縮器104に流入
し、温水配管105内を流れる温水に熱を与えて凝縮水
となる。
【0004】この凝縮水は、蒸発器106を構成する熱
源水配管107上に散布され熱源水配管107内を流れ
る熱源水から熱を受け蒸発する。一方、高温発生器10
1にて凝縮された吸収液の濃溶液は高温熱交換器108
を経て低温発生器102内に流入し、ここでさらに濃縮
され低温熱交換器109を介して吸収器110に散布さ
れる。
【0005】蒸発器106にて蒸発した水蒸気は、吸収
器110に散布された吸収液の濃溶液に吸収されてい
く。このとき、吸収熱が発生するので、温水配管105
を流れる温水と熱交換を行い温水配管105内の温水に
熱を与える。濃溶液は高温発生器101および低温発生
器102内で水蒸気を発生させた後の吸収液で臭化リチ
ウムの濃度が高くなっている。吸収液は濃度が高いほど
良く水を吸収するので、常に濃溶液を吸収器110内へ
送る必要がある。水を吸収した後の吸収液、すなわち、
希溶液は吸収ポンプ111で再び高温発生器101へ循
環されてサイクルが完了する。なお、高温熱交換器10
8および低温熱交換器109は濃溶液と希溶液とを熱交
換させる溶液熱交換器である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術のうち特開昭58−99661号公報に開示さ
れたものでは、エンジンの排熱を単純にヒータとして作
動する吸収冷温水機の加熱源として用いていたためにエ
ンジン排熱以上の暖房能力が得られなかった。図5のシ
ステムのものでは、温水配管より高温水を取り出すため
に吸収液の吸収温度や水蒸気の凝縮温度を上昇させる
と、溶液の濃度が増加するために溶液の粘性が上がり、
サイクル効率が低下し吸収熱が減少してしまう。また、
溶液の濃度が臭化リチウムの飽和溶解度よりも越えてし
まうと、臭化リチウムの結晶が析出しサイクル配管を閉
塞させてサイクルが停止してしまう。
【0007】本発明は上記問題点に鑑み、吸収液の吸収
温度や水蒸気の凝縮温度を上昇させることなく、十分な
暖房能力を得ることのできる吸収式冷温水機を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、燃料を燃焼することによって駆動力を発生
するエンジンと、このエンジンが発するエンジン排気と
内部の水溶液とを熱交換させてこの水溶液から水蒸気を
発生させ、濃溶液とする高温発生器と、前記高温発生器
にて発生した水蒸気および前記高温発生器にて熱を与え
たエンジン排気と内部の水溶液とを熱交換させてこの水
溶液から水蒸気を発生させ、濃溶液とする低温発生器
と、前記水蒸気と内部を流れる作動流体とを熱交換させ
て水蒸気を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器で作られた
凝縮水と内部を流れる作動流体とを熱交換させて凝縮水
を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器で作られた水蒸気を
前記濃溶液に吸収させる吸収器と、前記エンジンを冷却
するエンジン冷却水と前記吸収器および前記凝縮器を経
た作動流体とを熱交換させる作動流体熱交換器と、前記
作動流体が前記吸収器、前記凝縮器および前記作動流体
熱交換器を循環する第1作動流体経路と、前記作動流体
が前記蒸発器を循環する第2作動流体経路と、内部を流
れる前記作動流体と室内の空気とを熱交換させる室内熱
交換器と、内部を流れる前記作動流体と室外の空気とを
熱交換させる室外熱交換器と、暖房時には前記第1作動
流体経路と前記室内熱交換器とを連通し、かつ前記第2
作動流体経路と前記室外熱交換器とを連通し、冷房時に
は前記第1作動流体経路と前記室外熱交換器とを連通
し、かつ前記第2作動流体経路と前記室内熱交換器とを
連通するよう前記作動流体経路を切り替える切替え弁と
を備えているという技術手段を採用する。
【0009】
【作用および効果】上記構成の本発明では、高温発生器
にて高温のエンジン排気より水溶液に熱が与えられ高温
発生器内の水溶液から水蒸気が発生する。そして、低温
発生器では高温発生器で熱を与えた低温のエンジン排気
と高温発生器で発生した水蒸気により熱を与えられて低
温発生器内の水溶液から水蒸気が発生する。このとき、
水蒸気を発生した溶液は濃溶液となる。
【0010】高温発生器および低温発生器にて発生した
水蒸気は、凝縮器へ導かれ第1作動流体経路を流れる作
動流体により凝縮され凝縮水となる。この凝縮水は次に
蒸発器に流入し、第2作動流体経路を流れる作動流体に
より蒸発される。このとき、第1作動流体経路を流れる
作動流体は水蒸気より熱を奪って温度が上昇し、第2作
動流体経路を流れる作動流体は凝縮水に熱を与えること
によって温度が低下するため、これらの高温作動流体や
低温作動流体を利用することによって室内が暖房または
冷房される。
【0011】高温発生器および低温発生器にて発生した
濃溶液は蒸発器で蒸発した水蒸気を吸収器で吸収して希
溶液となり、高温発生器および低温発生器に戻される。
また、このとき発生する吸収熱は、第1作動流体経路を
流れる作動流体に与えられる。以上により、2重効用の
吸収式サイクルが成立する。さらに本発明では、第1作
動流体経路中に設けられた作動流体熱交換器において、
エンジンを冷却した高温のエンジン冷却水の熱を、吸収
器および凝縮器で熱を与えられた作動流体にさらに与え
ることによって、この作動流体の温度を上昇させる。こ
れにより、吸収液の吸収温度や水蒸気の凝縮温度を上昇
させることなく、十分な暖房能力を得ることができるの
で、溶液の濃度が増加するために溶液の粘性が上がり、
サイクル効率が低下するとか、また、溶液の濃度が臭化
リチウムの飽和溶解度よりも越えてしまうことにより臭
化リチウムの結晶が析出し、サイクル配管を閉塞させて
サイクルが停止してしまうといった問題を招くことなく
本発明の目的を達成することができる。
【0012】
【実施例】次に、本発明のエンジン排熱回収吸収式冷温
水機の構成を図1に基づいて説明する。エンジン排熱回
収吸収式冷温水機はエンジン1のエンジン排気とエンジ
ン冷却水を有効に利用して冷水および温水を作るもの
で、凝縮器2、蒸発器3および吸収器4等を収容したシ
ェルAと、高温発生器5と低温発生器6を一体化したユ
ニットBとを備えている。
【0013】そして、これらは、内部を水蒸気が流れる
水蒸気配管7a、7b、内部を濃溶液が流れる濃溶液配
管8、および内部を希溶液が流れる希溶液配管9により
接続されている。水蒸気配管7aは高温発生器5にて発
生した水蒸気とその後に凝縮した凝縮水をシェルA内の
凝縮器2へ送る配管であり、水蒸気配管7bは低温発生
器6にて発生した水蒸気を凝縮器2へ送る配管である。
濃溶液配管8は、高温発生器5および低温発生器6内に
残留した濃溶液を集めてシェルA内の吸収器4へ送る配
管である。希溶液配管9は、シェルA内で残留した希溶
液を吸収ポンプ22によって高温発生器5および低温発
生器6に送る配管である。
【0014】エンジン1は、例えば発電機を回転駆動す
るエンジンで、ガソリン油あるいはディーゼル油等の燃
料を燃焼することにより熱が発生する。このエンジン1
は、燃料の燃焼時に発生したエンジン排気を外部へ排出
する排気管10、およびこのエンジン1を冷却するエン
ジン冷却水を循環させる冷却水管11を備えている。排
気管10は、ユニットBの高温発生器5内を通過したあ
と、外部へ排気を排出するよう設けられており、冷却水
管11は低温発生器6内を通過したあとエンジン1に帰
還してくる経路11aと、後で説明するブライン熱交換
器23を経てエンジン1に帰還してくる経路11bとに
より構成されている。冷却水配管11aおよび11bの
分岐点の下流には、エンジン冷却水をいずれかの経路に
流すかを切り替える電磁弁13a、13bがそれぞれ設
けられている。
【0015】凝縮器2は、ビル、スーパーマーケット、
レストラン、コンビニエンスストア等の店舗の室内の冷
房あるいは暖房のために熱を運搬するブライン(本実施
例では水)が流入する第1コイルチューブ14により構
成され、シェルA内に流入した水蒸気とコイルチューブ
14内を流れる本発明の作動流体であるブラインとを熱
交換させて水蒸気を凝縮させる。
【0016】蒸発器3もまた、上述したブラインが流入
する第2コイルチューブ15により構成され、凝縮器2
で凝縮された後に絞り部16で減圧された凝縮水と第2
コイルチューブ15内を流れるブラインとを熱交換させ
て凝縮水を蒸発させる。吸収器4は、吸収液(濃溶液)
に蒸発器3で蒸発した水蒸気を吸収させるもので、吸収
される際に吸収熱が発生するので、第1コイルチューブ
14の上流側にブライン配管を介して接続される第3コ
イルチューブ17内を流れるブラインに吸収熱を与え
る。吸収液は水蒸気を吸収して希溶液となってシェルA
内に残存する。
【0017】シェルAの内部には、凝縮器2で凝縮した
凝縮水を貯める貯留皿18、蒸発器3と吸収器4とを区
画する仕切り板19、およびこの仕切り板19の上部に
接続された網目板20が設けられている。高温発生器5
は、内部に流入した吸収液(希溶液)と排気管10内を
流れる高温(例えば500℃)のエンジン排気とを熱交
換させて吸収液から水蒸気を発生させる。発生した水蒸
気は気液分離器21にて気液分離され、低温発生器6内
に導かれ低温発生器6の加熱源として用いられた後、水
蒸気配管7aを通って凝縮器2に導かれる。気液分離器
21にて分離された液状の水は再び高温発生器5内に戻
される。
【0018】低温発生器6は、内部に流入した吸収液
(希溶液)と水蒸気配管7a内を流れる水蒸気および冷
却水管11a内を流れるエンジン冷却水とを熱交換させ
て吸収液から水蒸気を発生させる。低温発生器6にて発
生した水蒸気は水蒸気配管7bを通って凝縮器2に導か
れる。以上によって、エンジン排熱回収吸収式冷温水器
の吸収系が構成される。次にブライン系の構成を説明す
る。
【0019】ブライン配管は、吸収器4、凝縮器2、冷
却水管11b内を流れるエンジン冷却水と熱交換を行う
本発明の作動流体熱交換器であるブライン熱交換器23
を経由したあと、室内と熱交換を行う室内熱交換器24
あるいは室外の外気と熱交換を行う室外熱交換器25を
経る経路たどって循環する第1ブライン経路C1と、蒸
発器3と室内熱交換器24あるいは室外熱交換器25と
の間を循環する第2ブライン経路C2とを形成する。双
方のブライン経路C1,C2にはブラインポンプ26、
27がそれぞれ備えられ、これによりブラインが循環す
る。また、冷房時および暖房時の切り替えに応じて、室
内熱交換器24および室外熱交換器25と第1ブライン
経路C1および第2ブライン経路C2との接続の切替え
を行う三方弁28、29、30、31が備えられてい
る。
【0020】次に、この実施例のエンジン排熱回収吸収
式冷温水機の作動を図1にしたがって説明する。まず、
冷房時の本実施例の作動を説明する。エンジン1を作動
させることによって発生したエンジン排気は、排気管を
通ってユニットBの高温発生器5内に流入し、高温発生
器5内の吸収液(希溶液)に熱を与え、この吸収液を濃
縮し水蒸気を発生させる。高温発生器5内で発生した水
蒸気は気液分離器21を経て、低温発生器6内に流入し
低温発生器6内の吸収液(希溶液)に熱を与え濃縮させ
水蒸気を発生させる。高温発生器5内で発生し低温発生
器6の加熱に使われた水蒸気と低温発生器6内で発生し
た水蒸気は、それぞれ水蒸気配管7a,7bを経て、シ
ェルAの凝縮器2内に流入する。
【0021】エンジン冷却水管11は、電磁弁13aを
開状態、13bを閉状態にすることにより冷房時は、低
温発生器6内を通る冷却水管11aが開通され、エンジ
ン冷却水は低温発生器6内の吸収液の加熱に寄与する。
ブライン系は、本発明の切替え弁である三方弁28、2
9、30、31の切替えにより第1ブライン経路C1と
室外熱交換器25が接続され、第2ブライン経路C2と
室内熱交換器24が接続される。
【0022】凝縮器2内に流入した水蒸気は第1コイル
チューブ14上に散布され、この中を流れる放熱ブライ
ンに熱を与えて凝縮化されて凝縮水となる。この凝縮水
は、シェルA内の貯留皿18上に貯留され、絞り部16
で霧化されて蒸発器3で第2コイルチューブ15上に散
布されて、この中を流れる冷房ブラインから熱を奪って
蒸気化して水蒸気となる。ここで、第2ブライン経路C
2を流れる冷房水ブラインは凝縮水に熱を与えるため水
温が低下する。この冷房水を室内熱交換器24へ循環さ
せることによって室内が冷房される。
【0023】一方、高温発生器5および低温発生器6内
に残留した吸収液は臭化リチウム水溶液中の水分が減少
するため濃溶液となり、濃溶液配管8を通ってシェルA
内に流入し、吸収器4で散布され蒸発器3で発生した水
蒸気を吸収して希溶液となる。このとき発生する吸収熱
は第3コイルチューブ17内を流れる放熱水ブラインに
与えられる。その後、水蒸気を吸収した希溶液は吸収ポ
ンプ22によって高温発生器5および低温発生器6に戻
され、次のサイクルに移る。
【0024】吸収器4にて吸収熱、凝縮器2にて凝縮熱
を受けた第1ブライン経路C1を流れる放熱ブライン
は、室外熱交換器25へ導かれ、これらの熱を外気に放
熱する。以上のようにして、室内熱交換器によって室内
から吸熱した熱を外気に放熱する冷房サイクルが成立す
る。次に、暖房時における本実施例の作動を説明する。
【0025】吸収系の作動は冷房時と同じなので、ここ
ではブライン系の作動を中心に説明する。暖房時には、
冷却水管11に備えられた電磁弁13aが閉鎖され、1
3bが開放されることによって冷却水管11bが開通さ
れ、エンジン冷却水がブライン熱交換器23に導かれ
る。したがって、この場合エンジン冷却水は低温発生器
6内の加熱には用いられない。また、ブライン経路に備
えられた三方弁28、29、30、31を切り替えるこ
とによって第1ブライン経路C1が室内熱交換器24と
接続され、第2ブライン経路C2が室外熱交換器25に
接続される。このことによって、冷房時とは逆に、第1
ブライン経路C1に暖房ブラインが、第2ブライン経路
C2に熱源ブラインが流れることになる。
【0026】吸収器4にて吸収熱を、凝縮器2にて凝縮
熱を受けた第1ブライン経路C1を流れる暖房ブライン
は、ブライン熱交換器23に導かれ、エンジン冷却水よ
り熱を与えられさらに昇温して室内熱交換器24内に流
入し室内の暖房に使用される。一方、第2ブライン経路
C2を流れる熱源ブラインは、室外熱交換器25にて外
気から熱を吸熱し、蒸発器3にて凝縮水に熱を与え放熱
する。このようにして、室外熱交換器によって室外から
吸熱した熱を室内に供給するヒートポンプサイクルが成
立する。本実施例では、2重効用の吸収式サイクルを採
用しているために、発生器内で発生する水蒸気量が多
い。そのため凝縮器2における凝縮量が多く、つれて蒸
発器3における蒸発量が多くなり、ひいては吸収器にお
ける吸収量が多くなる。したがって、凝縮器2および吸
収器4での吸熱量を増大させることができ、ヒートポン
プの効果が大きくなる。さらに吸収器4および凝縮器2
で吸熱した暖房ブラインは、ブライン熱交換器23にて
エンジン冷却水から吸熱するので、凝縮温度や吸収温度
を上げなくても十分な暖房能力を得ることが可能とな
る。
【0027】次に、本発明のエンジン排熱回収吸収式冷
温水機と従来技術の冷温水機との効果の違いについて説
明する。ここでは、説明を簡単にするため、単効用サイ
クルで説明することにする。図2は吸収式サイクルの作
動を示したデューリング線図であり、横軸は吸収液(溶
液)の温度、発生蒸気の温度および圧力で、臭化リチウ
ムの等濃度線図が右上がりの斜め線で表されている。最
も左側の斜め線は臭化リチウム0%、すなわち水(H2
O)100%の温度と圧力を示す線である。図2には単
効用の吸収式サイクルの一例を示した。等圧変化(横軸
に平行)で濃度が増大(右へ移動)する過程が発生過
程。逆に左側に移動する過程が吸収過程である。暖房に
使用する、即ちヒートポンプとして使用する場合は、吸
収器出口の吸収液の温度の溶液、および発生蒸気温度す
なわち凝縮温度の水蒸気からそれぞれ熱を奪う。したが
って、通常必要とされる50℃以上の高温度の出力温度
を得ようとすると図3に示すようにサイクル全体を右側
にシフトするか、発生蒸気温度を上昇させる必要があ
る。
【0028】しかしながら、冬期で外気からの吸熱温度
が1℃程度のときで、50℃以上の出力温度を得ること
のできるサイクルをデューリング線図上に描いてみる
と、図4に示したサイクルXの様になり、臭化リチウム
の結晶ラインZを越える高濃度域に入り込むため、サイ
クル内で臭化リチウムが析出し配管等を栓塞してしま
う。したがって、そのようなサイクルは作動不可能とな
ってしまい存在しない。また、図4中においてサイクル
Bで示した従来のヒートポンプサイクルでは、50℃以
上の出力温度を得ることができず、十分な暖房能力を発
揮することができない。そこで、本案は作動可能なサイ
クルYのサイクルで、排気排熱を利用した2重効用の吸
収式サイクルのヒートポンプ運転を行い、高温度の出力
温度は求めず、吸収器および凝縮器で増熱した暖房ブラ
インをエンジン冷却水で利用温度まで昇温することで十
分な暖房能力を得ることを可能としたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示した概略図である。
【図2】デューリング線図を説明する図である。
【図3】本発明の効果を説明する第1のデューリング線
図である。
【図4】本発明の効果を説明する第2のデューリング線
図である。
【図5】従来のエンジン排熱回収吸収式の冷凍サイクル
を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 凝縮器 3 蒸発器 4 吸収器 5 高温発生器 6 低温発生器 23 ブライン熱交換器 24 室内熱交換器 25 室外熱交換器 28、29、30、31 三方弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料を燃焼することによって駆動力を発
    生するエンジンと、 このエンジンが発するエンジン排気と内部の水溶液とを
    熱交換させてこの水溶液から水蒸気を発生させ、濃溶液
    とする高温発生器と、 前記高温発生器にて発生した水蒸気および前記高温発生
    器にて熱を与えたエンジン排気と内部の水溶液とを熱交
    換させてこの水溶液から水蒸気を発生させ、濃溶液とす
    る低温発生器と、 前記水蒸気と内部を流れる作動流体とを熱交換させて水
    蒸気を凝縮させる凝縮器と、 前記凝縮器で作られた凝縮水と内部を流れる作動流体と
    を熱交換させて凝縮水を蒸発させる蒸発器と、 前記蒸発器で作られた水蒸気を前記濃溶液に吸収させる
    吸収器と、 前記エンジンを冷却するエンジン冷却水と前記吸収器お
    よび前記凝縮器を経た作動流体とを熱交換させる作動流
    体熱交換器と、 前記作動流体が前記吸収器、前記凝縮器および前記作動
    流体熱交換器を循環する第1作動流体経路と、 前記作動流体が前記蒸発器を循環する第2作動流体経路
    と、 内部を流れる前記作動流体と室内の空気とを熱交換させ
    る室内熱交換器と、 内部を流れる前記作動流体と室外の空気とを熱交換させ
    る室外熱交換器と、 暖房時には前記第1作動流体経路と前記室内熱交換器と
    を連通し、かつ前記第2作動流体経路と前記室外熱交換
    器とを連通し、冷房時には前記第1作動流体経路と前記
    室外熱交換器とを連通し、かつ前記第2作動流体経路と
    前記室内熱交換器とを連通するよう前記作動流体経路を
    切り替える切替え弁とを備えていることを特徴とするエ
    ンジン排熱回収吸収式冷温水機。
JP5299493A 1993-11-30 1993-11-30 エンジン排熱回収吸収式冷温水機 Withdrawn JPH07151417A (ja)

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