JPH07151011A - 自動車における負荷分担制御方法 - Google Patents

自動車における負荷分担制御方法

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JPH07151011A
JPH07151011A JP20952094A JP20952094A JPH07151011A JP H07151011 A JPH07151011 A JP H07151011A JP 20952094 A JP20952094 A JP 20952094A JP 20952094 A JP20952094 A JP 20952094A JP H07151011 A JPH07151011 A JP H07151011A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】車載コンピュータを負荷の増大なしにリアルタ
イム車両制御に有効利用すること。 【構成】車両に搭載されたコンピュータと地上局のホス
トコンピュータとによって負荷分担することにより車両
制御を行うものであって、車両のコンピュータとホスト
コンピュータとの間で送受信されるデータに車両固有の
情報をもたせたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車に搭載され各種機
器の制御をおこなうプロセッサと地上に設置されている
大型ホストコンピュータとの負荷分担通信制御方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車の内燃機関に関連する制御対象は
益々広範囲およびその制御システムは一層複雑になって
きている。そして自動車に搭載されたプロセッサにより
各種の対象機器を時分割割込演算処理により集中的に制
御をおこなう方法が各種試みられている。
【0003】例えば特公昭63−15469 号「電子式エンジ
ン制御装置」あるいは特公昭62−18921 号「車両制御用
コンピュータ」などがあり、コンピュータによる制御が
むしろ一般化されつつある。
【0004】LSI化されたマイクロプロセッサによる
中央制御方式は、内燃機関の排ガス中の有害成分の排出
を小さくしたい、あるいは燃料消費量を低減したいなど
の要求にこたえるものをはじめとして、多くにのぼる。
さらには車体制御に関連した姿勢制御,操行性,操縦安
定性に至るまであらゆる部分にマイクロプロセッサが活
用されてきている。
【0005】また基地局と車両間のプログラムの伝送に
ついて例えば特開昭62−38624 号「無線通信装置」があ
る。しかしこれは車載プロセッサの運用制御プログラム
の改訂に関するものであって、特定の運転条件における
負荷分担については何ら言及されていない。さらに相互
通信という意味では特開昭62−245341号「エンジン制御
装置」があるが、これは故障診断等のプログラムをロー
ドするローダーを設けた記述があるのみで、車両の運転
状態との関係について言及されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術および新
たに設けられる制御システム等全てを車載プロセッサの
処理にまかせようとすると、そのシステムは複雑になる
ばかりでなく、プロセッサも大型のものが必要になって
くる。コンピュータコントロールはその処理の高速性,
高精度性、あるいは制御特性の変更容易,低価格などの
特徴を生かして利用されている。しかし燃料供給制御,
点火制御をはじめとしてリアルタイム処理が要求されて
いる制御対象が非常に多く、これらを全て実行しようと
するには問題がある。
【0007】すなわち制御システムの中にはその初期設
定をはじめとして、エンジン諸特性の経年変化に起因す
る設定値補正等を含む全ての制御仕様を車載コンピュー
タのみで処理するには、その処理プログラムが益々大規
模になりつつある、という問題がある。
【0008】しかしながら前記従来技術はこの点には全
く触れていないし、問題意識すら示されていない。
【0009】本発明の目的は上記問題点を解決する車両
のための新しいコンピュータ制御方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的はコンピュータ
の負荷分担を規定することにより実現することができ
る。
【0011】車両用のコンピュータ制御の内容を検討し
てみると、リアルタイムでの高速処理が必要なものと比
較的長周期で演算すればよいものに大別される。例えば
点火時期の制御や燃料噴射制御などは回転同期の処理が
必要とされる制御対象であり、エンジンの高速回転化に
伴ってさらに高速処理が要求されてくる。一方エンジン
の経年変化等による経時変化による初期設定の修正など
は、比較的長周期で演算をおこなえば足りる。また特に
高精度で演算しなければいけないものは車載コンピュー
タで処理すると時間がかかりコンピュータの負荷を上昇
させるばかりである。
【0012】また故障診断あるいは故障予知の演算処理
は状態データが得られれば、処理自体はリアルタイム処
理と切離しても何ら問題は生じない。もちろん緊急処理
を要する診断もないわけではないが、そのような急を要
するいわば異常処理と診断とを識別処理することに本発
明の狙いがある。
【0013】本発明は制御システムの複雑化,エンジン
の高速化に伴う高速処理の必要性等を考慮して、車載コ
ンピュータと地上ホストコンピュータの負荷分担を行わ
しめることに特徴がある。
【0014】より具体的にはあらかじめ処理分担条件を
決めておいて、エンジンの特定運転状態あるいは車載コ
ンピュータの特定状態等を検知したとき、ホストコンピ
ュータとの間で情報伝送をおこなって処理分担をするこ
とに本発明の特徴がある。
【0015】
【作用】車載コンピュータと地上ホストコンピュータと
の負荷分担は具体的には次のような作用による。
【0016】エンジンについてあらかじめ定めた運転状
態になったとき、その条件によってその後の処理をホス
トコンピュータに分担シフトするので、車載コンピュー
タの負荷の増大をさけることができる。
【0017】上記の特定の運転状態は、所定走行距離ご
とに継続運転時間が所定時間に達した場合、累積運転時
間が所定時間に達した場合、あるいは所定周期ごとや、
その他所定の条件判定により条件が満たされた場合など
種々の場合がある。
【0018】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0019】図1は車両側とホストコンピュータ側、例
えばディーラー側とで通信網を介して情報伝達をおこな
う場合の全体構成の一実施例を示す。
【0020】2は車両側のエンジンを、3はそのエンジ
ン制御装置を、4は変速機制御装置を示している。ここ
ではこの2つについて例示したに過ぎないが、この類の
制御装置は多数搭載されているのが一般的である。5は
ホストコンピュータとの情報の送信あるいは受信をおこ
なう送受信装置を示す。
【0021】10は通信回線で無線あるいは有線の場合
などがある。11はホストコンピュータ側の送受信装置
を12〜15はそれぞれデータ解析用I/O,メインテ
ナンス演算処理用I/O,故障解析演算用I/O,車両
情報用I/Oを示す。18はホストコンピュータで、デ
ィーラーや車両情報サービスセンタに設置される。ここ
では上記4つのケースについての例に過ぎないが、この
他にも多数の制御単位にI/Oが存在しうる。18はホ
ストコンピュータで大型のものが設置される。またここ
では車両側とホスト側の通信回線を無線回線の場合につ
いて示したが、車両側は通常は移動している場合が多い
から、無線の方が通信における制約がない。勿論場合に
よっては路上ビーコンを介して有線回線で情報の送受信
を行うことであってもよい。
【0022】また図1に示したエンジン制御装置3ある
いは変速機制御装置4にはそれぞれプロセッサを内蔵し
てそれぞれの処理をおこなっている場合あるいは点線で
示したように車載プロセッサ7として保有する場合もあ
る。以下ここではエンジン制御について、エンジン制御
用のプロセッサをもっている場合について述べる。
【0023】図2は車載側のプロセッサを中心に示す。
15はその概略ブロック図を示す。ROM21,RAM
22,CPU7を中心に入出力処理のためのバスライン
30により結合されている。バスラインはデータバスと
コントロールバスとアドレスゴスから構成される。
【0024】32〜34は例えばエンジン冷却水温度,
空燃比センサなど、その他エンジンの運転状態センサを
示している。バッテリ電圧やスロットル弁開度,回転数
なども運転状態信号に該当するがここでは省略してい
る。36はこれらの運転状態信号を入力するためのマル
チプレクサであり、A/D変換回路38へ入力する。4
0はレジスタでありA/D変換された値がセットされ
る。
【0025】51は吸気管空気流量センサでその値をA
/D変換器52を介してレジスタ54にセットされる。
56は角度センサであり、リファレンス信号REF、角
度位置信号POSが角度信号処理回路に入力され、処理
された信号は同期信号,タイミング信号として各種制御
に利用される。
【0026】59〜61(SW1〜SWi)は例えばスタ
ートスイッチやアイドルスイッチでエンジンの運転状態
のオンオフスイッチである。これらの信号はON−OF
Fスイッチ状態信号処理回路60に入力され、これらの
信号単独で、あるいは他の信号と組合せて論理信号の一
つとして制御,制御方法の判定等に用いられる。
【0027】3〜4は各種の制御回路である。CPU7
はROM21に記憶されている複数のプログラムにより
上述した運転状態信号をもとに演算をおこない、その演
算結果をバスライン30を介してそれぞれの制御回路に
出力される。ここではエンジン制御回路3と変速機制御
回路4について例示したが、その他アイドルスピード制
御回路,EGR制御回路など多数の制御回路が存在しう
る。
【0028】エンジン制御回路3の中で特に燃料制御に
ついて述べるなら、例えばインジェクタ44を制御して
空燃比制御と燃料の増量あるいは減量制御をおこなう。
42はその制御のための論理回路である。
【0029】4は変速機制御装置で走行状態の演算結果
により、論理回路46を介して変速シフト48をおこな
う。62は制御モードレジスタで各種制御出力のタイミ
ング信号である。
【0030】64〜70は送受信のタイミング回路であ
る。例えば64はあらかじめ定めた距離を走行する毎に
送受信装置にトリガ信号を出力し、送受信装置を介して
対応するエンジン運転状態信号を地上ホスト計算機に伝
送する。90は運転者への指示等をおこなう表示装置で
ある。
【0031】66はエンジン停止を検知してトリガ信号
を出力する回路、68は給油を検知してトリガ信号を出
力する回路、70はあらかじめ定めた条件を満足したか
否かをチェックし条件が満足されたときトリガ出力信号
を発生する回路である。これらをシンボル表示すると図
3のようになる。
【0032】要するに66〜70は運転状態のデータを
地上ホスト計算機に送信するタイミングを決める信号で
ある。例えば所定距離走行毎に信号を発生する回路64
によれば、所定走行距離毎に運転状態の診断を行うこと
が出来る。状態信号さえ伝送すればホスト側で前回値と
の偏差あるいは過去の複数回の状態信号データをもとに
診断し、その結果に基づく指示を車両側に伝える。車両
側ではその指示のグレードによって運転者に表示指示,
警報等をおこなったり、あるいは処理プログラムの修
正,パラメータ設定値等の変更修正をおこなう。
【0033】図4(A),(B)は車載と地上ホスト計算
機(ここではディーラー側計算機)とのデータ交信にお
けるデータ列の例、データ送受信のシーケンスの例をそ
れぞれ示す。ヘッダと車両番号(車両固有の番号でエン
ジン番号,車体番号等が用いられる)により対象車両を
特定する。
【0034】図5は、マップマッチングにおける補正項
のチェック(データ解析)を行う場合の処理を例示して
いる。マイクロコンピュータを用いてエンジン制御をす
るとき、各々のセンサの出力状態に基づいて制御データ
を演算する。さらに、種々のエンジン状態に対応させ
て、学習マップとして演算された制御データをマップに
記憶させて次のエンジン制御に役だてる方式が用いられ
ている。図5は、このような、いわゆる学習マップに記
憶されている制御データまたはその他のエンジン制御と
共に変更されるデータを解析して、他の制御データ値を
修正して用いるものが示されている。
【0035】いま、車両側のプログラム処理がマップの
チェック(ステップ5a)であったとする。これは前述
したタイミング回路64〜70による条件を満足し、マ
ップのチェックプログラムが開始した場合である。な
お、ここでは単にマップマッチングと述べているが、例
えばノックセンサの出力に基づいた点火時期の学習マッ
プ、あるいはO2 フィードバックにおけるインジェクタ
の噴射パルス幅を規定するための学習マップなどの場合
がある。後者については詳細を後述する。ここでは、一
般的に、マップマッチングのときの伝達処理のフローを
説明する。
【0036】ステップ5aにおいて、車両側のコンピュ
ータはマップ内のデータを種々の方法でチェックする。
例えば、エンジン回転数Nとエンジン負荷Q/Nをパラ
メータとした、O2 フィードバックにおけるインジェク
タの噴射パルス幅を規定するための学習マップに格納さ
れているデータ値を解析した場合、吸入空気量が等しい
場合のデータ値を比較することにより吸気管空気流量セ
ンサの出力と流量の対応マップの補正ができる。さらに
は、エンジン負荷Q/Nに対してインジェクタ噴射パル
ス幅を決定する場合のインジェクタ係数なども補正する
ことができる。マップのチェックに基づいて、修正すべ
きエンジン制御データ等を決定する。ステップ5bで、
あらたにエンジン制御データを修正するために用いるチ
ェック中のマップのうちの必要なデータ値を選定する
か、あるいはマップに格納されたデータ値を処理してホ
ストコンピュータに送信すべきデータを演算し、マップ
としてRAMに格納する。送信すべきデータが決定され
ると、これをトリガ信号として送受信装置5を介して、
車両側コンピュータにより演算処理されRAMに格納さ
れたマップが伝送される。これを受信したディーラー側
(ホストコンピュータ)は受信信号を基として、ホストコ
ンピュータのプログラムが実行される。ステップ5cで
車両側コンピュータからの受信を開始する。ただし、ス
テップ5dで他の車両から受信中であれば、ステップ5
eで待機指示をする。他の車両から受信中でなければ、
ステップ5fで、受信したデータをホストコンピュータ
のメモリへストアする。ステップ5gで、前回までに、
ホストコンピュータに送られた、各補正項に基づく記憶
値を互いに比較する。ステップ5hで、比較結果に基づ
いて、インジェクタ等のアクチュエータ,吸気空気量セ
ンサ等のセンサ類の劣化度合の推定をする。さらに、ス
テップ5iで、劣化度合から成り寿命の推定をする。ス
テップ5jで、車両側コンピュータから送信されたデー
タを、所定のプログラムに基づいて演算して、車両側が
決定した、修正すべてデータの演算をおこなうがステッ
プ5hで、このデータを送受信装置5を介して送信す
る。ホストコンピュータからの送信信号を受信すると、
車両側コンピュータは演算処理を開始する。ステップ5
lで、受信開始すると、ホストコンピュータから送られ
た修正された補正マップを受信すると、ステップ5mで
RAMへストアする。ステップ5nで、修正された補正
マップは、エンジン停止後再スタート時に書き換える。
さらに、ステップ5pでマップが書き換えられたこと
を、運転者に表示通知あるいは音声で知らせる。これは
マップ補正項の修正が運転操作性に影響する場合もある
ので念のために運転者に知らせるようにした例である。
しかし、これは特に必要がない場合も多いから、その時
は、省略できる。また、ステップ5pで、インクジェク
タ,センサ等の劣化度合及び残り寿命の表示をすること
もできる。また、マップの書き換えをエンジン再スター
ト時というのは一つの実施例であって、走行中に修正さ
れたマップを移行するようにしてもよい。ただし、その
時はスムーズに移行させるための方法を考慮した方が良
い。例えば、修正前との偏差が所定以下のときは順次移
行させ、その偏差が所定値より大きいときは、その中間
値(場合によっては複数の中間値)を設け、段階的に修
正されたマップに移行する方法などをおこなえば良い。
さらに、マップの書き換えは、キースイッチオフ後に、
セルフシャットオフ機構を用いておこなっても良い。
【0037】図6は故障診断の場合の例を示す。車両側
コンピュータはリアルタイムでインジェクタの噴射パル
ス幅,点火時期等の演算を時分割で行っている。このた
めに、故障診断のための演算はこれらの演算の合い間に
行い、基本的な診断しかできない。この実施例は、車両
側コンピュータは基本的な異常診断をおこない、このデ
ータをホストコンピュータに送信する。ホストコンピュ
ータは、より高度に、他の制御対象の状態データをも用
いて全体的な見地からの診断をおこない、より適切な診
断をおこなうという発明思想による。
【0038】ステップ6aで、診断モードを開始する。
これは、一般のプログラムと並行に行われ、例えば60
ms程度の一定周期毎に起動される。ステップ6bで、
診断結果に基づいて、異常が有るかの判断がされる。異
常がなければフローを終了する。異常があれば、異常コ
ードを、送受信装置5を介してディーラー側のホストコ
ンピュータに送信する。ホストコンピュータは、送信信
号にトリガされて、より詳細な故障診断のためのプログ
ラムを実行する。ステップ6cで、異常コードを受信し
た後に、ステップ6dで、ホストコンピュータは、異常
コードに基づいて、より全体的な見地から故障診断のた
めに必要な制御データを決定し、送受信装置5を介し
て、車両側コンピュータに判定のためのデータの送信要
求をする。車両側コンピュータは送信要求を受けると、
ステップ6eで判定用データを送信する。ステップ6f
で、ホストコンピュータは、車両側コンピュータから送
信された判定用データを用いて、全体的な見地から故障
診断をする。この場合ホストコンピュータは、インジェ
クタの噴射パルス幅の演算等のリアルタイムの演算処理
をおこなっていないため、車両用コンピュータから送れ
たデータを基に全体的な診断が可能となるステップ6y
で故障診断結果から緊急性があればステップ6hでただ
ちに緊急処置について車両用コンピュータに送信する。
特に緊急性を要しない場合はステップ6iで故障カルテ
に記憶させると共に、ステップ6jで対応処置について
車両側に送信して、ステップ6lで診断のためのフロー
を終了する。車両側コンピュータは、ステップ6mでホ
ストコンピュータから対応処置信号に基づいて処置をお
こない、診断モードのためのフローを終了する。
【0039】図7は長期にわたるデータのサンプリング
収集による寿命予測あるいは故障予知に関する場合の例
を示す。車両側コンピュータは、ステップ7aで、一定
周期毎にデータサンプリングをおこない、異常の検知を
する。この場合の異常検知は、ごく単純な異常検知であ
り、高レベルでの故障診断はホストコンピュータで行
う。ステップ7bで、異常検知の結果から異常ありと判
断した場合には、ステップ7cで、サンプリング値を含
め、必要なデータを送受信装置5を介してホストコンピ
ュータに送信して、フローを終了する。なお、異常がな
ければその時点でフローを終了する。なお、長期間のデ
ータサンプリングの観点からは図3あるいは図2の64
に示すように所定走行距離ごとにホストコンピュータに
よる高レベルでの故障診断をおこなっても良い。ホスト
コンピュータは車両用コンピュータからのデータ送信信
号を受信すると、ステップ7dで故障診断のためのプロ
グラムを起動する。ステップ7eで、ホストコンピュー
タの記憶装置に蓄積された種々の制御データを解析し、
寿命予測及び故障予知をする。ステップ7fとデータ解
結結果から異常部分を特定化する。ステップ7gで緊急
性が有るかの判断をし、緊急性があれば、ステップ7h
で、送受信装置5を介して車両側コンピュータにその旨
を送信する。ステップ7iで、解析結果に基づき寿命予
測及び故障予知について故障カルテに記憶させ、ステッ
プ7jで対応処置信号を車両側コンピュータに送信して
フローを終了する。車両側コンピュータは、ステップ7
hで、ホストコンピュータからの送信に従い処置をして
フローを終了する。
【0040】このように本実施例では、車載プロセッサ
による処理が必要なものと、長周期あるいは大型計算機
による高精度演算が必要なものとに分担処理することに
特徴がある。従来のように車載プロセッサに全ての処理
を実行させようとすると車載プロセッサが大型化するば
かりであるから適切な分担処理をさせるのである。
【0041】次に、図5のステップ5a及びステップ5
bに示されるマッチングマップのチェック及びマップの
補正後のチェックについて、O2 フィードバックマップ
に基づくマップの修正を例として詳細に説明する。O2
フィードバック及びこれに基づく学習についての基本的
事項は本発明の出願人と同一出願人による先願(特願昭
63−283886号)があるがその要点を以下に述べる。
【0042】インジェクタの噴射時間Ti は次の(1),
(2)式で決まる。
【0043】
【数1】
【0044】ここで、 Kconst;インジェクタ係数 Tp ;基本噴射時間 α ;空燃比補正係数 Ts ;インジェクタの無効噴射時間 Ke ;定常学習係数 Ks ;シフト係数 Qa ;吸入空気流量 N ;エンジン回転数 すなわち(2)式からエンジンの吸入空気流量Qa と回転
数Nから基本燃料噴射時間Tp を定め、O2 センサの出
力を基に理論空燃比が得られるようにして補正係数αを
変えて補正する。ここで、インジェクタの経年変化等ア
クチュエータ及びセンサ等の経年変化のために補正係数
αが1.0 から大きくはずれてくるようになる。ここで
補正係数αが1.0 に近づくように定常学習係数Ke
び過渡学習係数Kt により補正し、燃料噴射時間Ti
決定するものである。
【0045】図8は、補正マップ作成のフロー図を示
す。ステップ8aでO2 フィードバック学習マップをチ
ェックし、修正の必要なマップがあるか否かを判定す
る。チェック結果に基づいて、ステップ8bで再マッチ
ングの必要なマップがあるか否かの判断をする。なけれ
ばフローを終了する。なお、この実施例においては、再
マッチングが必要なマップとしてTs マップ,Kconst
マップ,Qs テーブルを例示する。再マッチングが必要
なマップがあればステップ8c,8e,8hで再マッチ
ングの必要なマップを特定し、ステップ8d,8f,8
iのそれぞれで、ホストコンピュータに送信するための
制御データを選択あるいは必要に応じて演算して、車両
側コンピュータのRAMのアドレスに格納してマップを
作成する。ステップ8jで、修正すべきマップに応じた
補正項目ヘッダデータを作成し、ステップ8kで、修正
された補正マップをRAMから読み出して、送信エリア
に書き込み、ホストコンピュータへの送信準備を完了
し、フローを終了する。
【0046】補正要否の判定基準や具体的な補正手順は
例えば本願発明と同一出願人による先願(特願昭63−18
1794号)の方法を用いる。
【0047】図9は、エンジン停止時にデータの送受信
をおこなう場合の例示である。エンジン制御は、吸入空
気量センサ,クランク角センサなどの各センサの出力に
基づいて、マイクロコンピュータが、インジエクタ等の
アクチュエータを制御するための制御値を演算すること
によってなされる。各データはホストコンピュータが故
障診断、マップマッチングに必要な場合があり、必要な
データはイグニッションキーオフ毎に、ホストコンピュ
ータに取り込まれ、蓄積される。
【0048】ステップ9aでイグニッションキーがオフ
か否かが判断される。オンであれば、エンジン運転中で
ありフローを終了する。ステップ9bでエンジンが非回
転であるか否の判断がなされる。回転していればフロー
を終了する。ステップ9c及び9dでホストコンピュー
タにデータ送信が必要か否か判断される。すなわち、ス
テップ9cで前回補正要求が出された場合及びステップ
9dで修正すべきマップの補正項目がある場合にデータ
の送信の必要ありとの判断し(ステップ9eに進み、そ
の他の場合はステップ9iにすすむ。ステップ9eで送
受信のためにマスクセットをし割込みを禁止し、ステッ
プ9fで送受信のためのプログラムジョブを実行し、ス
テップ9hでマスクをクリアする。ステップ9hで、送
受信が可能であれば送受信装置5を介して送受信する。
送受信ができない場合にはフローを終了する。送受信が
できた場合にはステップ9iに進み、セルフシャットオ
フをし、所定時間後に自動的にコンピュータを停止す
る。
【0049】次に、図5のステップ5jのホストコンピ
ュータデータマッチングの実行について、図10の例と
して説明する。
【0050】図10は、前回補正値データとの偏差分、
ゲイン等をおこなう場合の例示である。ステップ10a
で補正は初回か否かの判断をする。初回であれば、ステ
ップ10cで基本データストアし、初回でなければ前回
のデータ検索する。ステップ10dで、車両側コンピュ
ータから送信されたマップ値のデータからゲインを計算
し、ステップ10eで各マップの内の修正すべき補正値
を計算し、ステップ10fで記憶装置に記憶し、フロー
を終了する。なお、ゲインはホストコンピュータの演算
角に演算値がばらついてしまい、ハッチングすることを
防止するためのもので、1.0 よりも小さく、補正値と
の積をとるためのものである。
【0051】図11はデータ送受信のフローの例示であ
る。
【0052】車両側コンピュータは所定期間毎にフロー
が起動される。ステップ11aで、補正要求済か否かの
判断がなされる。補正要済ならばステップ11rに進
み、データ返信のためプログラムに移る。ステップ11
bで送信要求があれば、ホストコンピュータに必要なデ
ータを送信する。さらに車両側コンピュータはホストコ
ンピュータが送信許可の信号を送信するまで待機してい
る。ステップ11eで、車両側コンピュータからの送信
信号を受信したホストコンピュータは、ステップ11m
で受信可能であれば、ステップ11nで送信許可の信号
を送信し、そうでなければステップ11oで待機指示を
する。車両側コンピュータはステップ11dで送信許可を
受ければステップ11dでデータを送信し、ステップ1
1eで表示ランプを点灯し、ステップ11fで補正要求
フラグをオンにする。通信許可がなければフローを終了
する。データ送信を受けたホストコンピュータは、ステ
ップ11pでデータ処理を行い、その後ステップ10r
で車両側コンピュータからデータ返信要求があれば、ス
テップ10sで返信可能から判断し、返信可能であれば
ステップ10rで処理データを返信する。返信可能でな
ければ、ステップ10sで待機指示し、ステップ10tで
データ返信する。車両側コンピュータは、ステップ10
gでデータ返信可能の信号が送信されると待機を解除
し、ステップ10iでホストコンピュータからのデータの
送信に基づいて、ステップ10iでデータの書替を行
い、ステップ10gで表示ランプを消灯し、ステップ1
0kで補正要求フラグをオフしフローを終了する。
【0053】
【発明の効果】本発明によると車載コンピュータの処理
を必要に応じて地上ホストコンピュータに移行させるこ
とができるので、車載コンピュータの負荷を増大させる
ことなくリアルタイム車両制御に有効に利用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体ブロック図。
【図2】車載側のブロック図。
【図3】送受信運転条件のシンボル表示を示す図。
【図4】データ列の例およびデータ列およびデータ送受
信シーケンス。
【図5】マップマッチングにおける補正項のチェックを
行う場合の例を示した図。
【図6】故障診断の場合を示した図。
【図7】長期データサンプリングの例。
【図8】補正マップ作成のフロー図。
【図9】エンジン停止時のデータ伝送フロー図。
【図10】補正の具体的フロー図。
【図11】送受信の一連のフロー図。
【符号の説明】
3…エンジン制御装置、5…送受信装置、7…車載CP
U、30…バスライン、32〜34…センサ、59〜6
1…スイッチ、64〜70…送受信タイミング回路。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 41/04 330 G 8011−3G (72)発明者 渡辺 静久 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所佐和工場内 (72)発明者 三浦 清 茨城県勝田市大字高場2520番地 自動車機 器技術研究組合内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の制御プログラムに従って車両に要求
    される演算処理を繰り返し実行するデジタルコンピュー
    タにより所望の車両制御をおこなう制御方法において、 該車両のあらかじめ定められた運転状態に該当するかど
    うかを監視し、 該監視において該あらかじめ定められた運転状態に該当
    すると判定されたときは該車両の送受信装置を介して地
    上固定局のホストコンピュータに該運転状態信号を伝送
    し、 該運転状態信号を受信したホストコンピュータでは当該
    判定条件信号と当該運転状態信号とに基づいて対応する
    演算処理プログラムにより演算を実行し、 該ホストコンピュータは演算結果を該車両に伝送し、 該演算結果を受信した該車両はホストから受信した演算
    結果を当該車両の制御に用い、 送受信されるデータには該車両固有の情報が記録されて
    いることを特徴とする自動車における負荷分担制御方
    法。
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