JPH07150187A - 電気粘性流体分散相用炭素質粉末及び電気粘性流体 - Google Patents

電気粘性流体分散相用炭素質粉末及び電気粘性流体

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JPH07150187A
JPH07150187A JP5325797A JP32579793A JPH07150187A JP H07150187 A JPH07150187 A JP H07150187A JP 5325797 A JP5325797 A JP 5325797A JP 32579793 A JP32579793 A JP 32579793A JP H07150187 A JPH07150187 A JP H07150187A
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particle size
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JP5325797A
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Takayuki Maruyama
隆之 丸山
Takao Ogino
隆夫 荻野
Yuichi Ishino
裕一 石野
Tasuku Saito
翼 斎藤
Takuji Haraoka
卓司 原岡
Ko Takagi
香 高木
Hitomi Hatano
仁美 羽多野
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JFE Steel Corp
Bridgestone Corp
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Bridgestone Corp
Kawasaki Steel Corp
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    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M171/00Lubricating compositions characterised by purely physical criteria, e.g. containing as base-material, thickener or additive, ingredients which are characterised exclusively by their numerically specified physical properties, i.e. containing ingredients which are physically well-defined but for which the chemical nature is either unspecified or only very vaguely indicated
    • C10M171/001Electrorheological fluids; smart fluids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10CWORKING-UP PITCH, ASPHALT, BITUMEN, TAR; PYROLIGNEOUS ACID
    • C10C3/00Working-up pitch, asphalt, bitumen

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、耐酸化性を高めるため高酸素含有
量としても電気粘性流体の消費電流を低減させることが
できる炭素質粉末、及びそれを分散相として使用する電
気粘性流体を提供することを目的とする。 【構成】 本発明に関わる電気粘性流体分散相用炭素質
粉末は、ナフタレンを主成分とする縮合多環芳香族化合
物をHF/BF3 を触媒として熱重合させて得られた軟
化点が150〜400℃の範囲にある100%メソフェ
ーズピッチを、その溶融温度以下で且つ50℃以上40
0℃以下の温度で酸化性雰囲気下で熱処理して酸素含有
量を12〜25重量%としたのち、300℃以上700
℃以下の温度で不活性ガス雰囲気下で熱処理することに
より炭化すると共に酸素含有量を10重量%を超え20
重量%以下とし、必要に応じて粒度調整して平均粒子径
0.01〜100ミクロンとしたものであることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電圧の印加によって粘
性を増大する電気粘性流体の分散相として好適な炭素質
粉末及びそれを分散相として使用する電気粘性流体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】電気粘性流体は疎水性で非電導性の油の
中に微細に分割した親水性の固体が分散している懸濁液
で、十分に強い電場の作用の下で極めて速やかにしかも
可逆的に液体の粘度が増加し固体状態となるものであ
る。粘度を大幅に増加させるために必要な電流は非常に
小さく、直流および交流の電場を使用することができる
ので、例えば、クラッチ、水圧弁、ショックアブソーバ
ー、バイブレーター、防振ゴム、或はワークピースを正
常な位置に保持するシステムを制御するための電気−機
械のインターフェイス等における構成要素として使用す
ることができる。
【0003】従来、電気粘性流体の構成要素の一つであ
る分散相固体粒子としては、表面から水を吸着させ微粉
化させたセルロース、デンプン、シリカゲル、イオン交
換樹脂、ポリアクリル酸リチウム等を、また他の構成要
素である液相としてはポリ塩化ビフェニル、セバシン酸
ブチル、トランス油、塩化パラフィン、シリコーン油等
を使用したものが知られているが、実用性に乏しく、実
用価値のある極めて高性能かつ安定性の高い電気粘性流
体はいまだに存在しない。
【0004】実用的な電気粘性流体に要求される特性
は、大きな電気粘性効果を示すこと、消費電流が少ない
こと、電場に瞬時に応答すること、広い温度範囲で使用
できること、そして長期間にわたる安定性を有すること
などである。
【0005】しかしながら、前記のような水を吸着させ
た粒子を分散相とする含水系電気粘性流体では、電気粘
性効果を発現する電荷担体がイオンであるため、室温付
近では導電性が低くても、高温になると導電性が著しく
大きくなり、消費電流が非常に高くなるという問題や、
また高温では水の蒸発が起こり、電気粘性効果や応答性
が低下するという問題があった。したがって、従来の含
水系電気粘性流体の使用温度の上限は70〜80℃程度
で、自動車のエンジンルーム等、高温環境下で使用する
用途への応用は不可能であった。
【0006】この含水系電気粘性流体の欠点を改良する
方法として、水分を含まない粒子を用いた非水系電気粘
性流体も提案されている。このような非水系電気粘性流
体としては、ポリアセンキノンなどの有機半導体粒子を
分散相として用いる流体(特開昭61−216202
号)や、有機または無機固体粒子の表面に導電性薄膜層
を形成した上にさらに電気絶縁性薄膜層を形成した誘電
体粒子を分散相として用いる流体(特開昭63−976
94号、特開平1−164823号)などが知られてい
る。しかしながら、これらの非水系電気粘性流体は、現
在のところ、特性の長期安定性が不足し、再現性が劣る
上、消費電流が大きく、さらに工業的製造が困難である
などの理由により実用化されていない。
【0007】特願平2−175432号では、炭素原子
と水素原子の数の比(C/H)の値が1.70〜3.5
0の範囲であること及び窒素雰囲気下での400℃〜6
00℃の温度範囲における重量減少量が0.5〜13.
0重量%の範囲であることの内の少なくとも一方の条件
を満たしていることを特徴とする電気粘性流体用炭素質
粉末が提案されている。この炭素質粉末は、石炭、石炭
系タール、ピッチ、石炭液化物、コークス類、石油、石
油系タール、ピッチ及び樹脂類よりなる群より選ばれる
有機化合物を原料として用い、最高温度が300〜80
0℃の熱処理により得られるものであるが、炭素質粉末
に含まれる酸素の濃度は3.0重量%以下であることが
望ましく、酸素含有量が3.0重量%を越えると、その
炭素質粉末を分散相として使用した電気粘性流体の消費
電流が急速に増加すると述べている。しかしこのような
酸素含有量が3.0重量%以下の炭素質粉末は耐酸化性
が劣り空気中の酸素によって酸化が進行し酸素含有量が
次第に増加するという欠点があり、酸素含有量の増加に
よる電気粘性特性の劣化を避けるためには、保管、取扱
い、使用中に空気から遮断されるよう慎重に配慮する必
要がある。
【0008】空気中の酸素による酸素含有量の増加が起
きない程に十分な量の酸素を予め含有することにより耐
酸化性が向上し、しかも酸素含有量が高くても、それを
分散相として使用した電気粘性流体の消費電流が小さい
炭素質粉末として、特開平5−810号にはピッチ粉体
をその溶融温度以下で且つ50℃以上400℃以下の温
度で酸化性雰囲気下で熱処理して不融化し酸素含有量を
3〜25重量%とした後、300℃以上700℃以下の
温度で不活性ガス雰囲気下で熱処理することにより炭化
すると共に酸素含有量を3〜10重量%とし、必要に応
じて粒度調整して平均粒子径0.01〜100ミクロン
とした電気粘性流体分散相用炭素質粉末が提案されてい
る。しかし酸素含有量を3〜10重量%としても、耐酸
化性の点では必ずしも満足できるものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、更に高い酸
素含有量であっても電気粘性流体の消費電流が低い炭素
質粉末、及びそれを分散相として使用する電気粘性流体
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に関わる電気粘性
流体分散相用炭素質粉末は、ナフタレンを主成分とする
縮合多環芳香族化合物をHF/BF3 を触媒として熱重
合させて得られた軟化点が150〜400℃の範囲にあ
る100%メソフェーズピッチを、その溶融温度以下で
且つ50℃以上400℃以下の温度で酸化性雰囲気下で
熱処理して酸素含有量を12〜25重量%としたのち、
300℃以上700℃以下の温度で不活性ガス雰囲気下
で熱処理することにより炭化すると共に酸素含有量を1
0重量%を超え20重量%以下とし、必要に応じて粒度
調整して平均粒子径0.01〜100ミクロンとしたも
のであることを特徴とする。
【0011】また本発明に関わる電気粘性流体は、ナフ
タレンを主成分とする縮合多環芳香族化合物をHF/B
3 を触媒として熱重合させて得られた軟化点が150
〜400℃の範囲にある100%メソフェーズピッチ
を、その溶融温度以下で且つ50℃以上400℃以下の
温度で酸化性雰囲気下で熱処理して酸素含有量を12〜
25重量%としたのち、300℃以上700℃以下の温
度で不活性ガス雰囲気下で熱処理することにより炭化す
ると共に酸素含有量を10重量%を超え20重量%以下
とし、必要に応じて粒度調整して平均粒子径0.01〜
100ミクロンとしたものである炭素質粉末よりなる分
散相1〜60重量%と、室温における粘度0.65〜1
000センチストークス(cSt)の電気絶縁油よりな
る液相40〜99重量%とから構成されていることを特
徴とする。
【0012】本発明の炭素質粉末を製造するための出発
原料としては、ナフタレンを主成分とする縮合多環芳香
族化合物をHF/BF3 を触媒として(150℃以上
で)熱重合させて得られた軟化点が150〜400℃の
範囲にある100%メソフェーズピッチを用いる。この
ピッチを用いた場合にのみ、10重量%を超える酸素含
有量であっても消費電流の著しい増加は認められない。
【0013】このような100%メソフェーズピッチを
出発原料とし、これをその溶融温度以下で且つ50℃以
上400℃以下、好ましくは200℃以上300℃以下
の温度で酸化性雰囲気下で熱処理(不融化処理)する。
不融化処理は、次の炭化処理工程での溶融を抑えるため
に行うものである。即ち不融化処理を施さない100%
メソフェーズピッチは炭化工程において溶融してバルク
状となり粉体化が困難であるが、不融化処理することに
よって溶融が抑制され炭化後の粉体化が容易となる。
【0014】この酸化性雰囲気下での不融化処理により
原料ピッチ中の酸素含有量が増加する。この段階での酸
素含有量が次工程の炭化処理により得られる炭素質粉末
の酸素含有量に大きな影響を及ぼす。次工程の炭化処理
は不活性ガス雰囲気下での熱処理であり酸素含有量は減
少する方向なので、この不融化処理工程で十分な酸素を
含有させるようにする。炭化後の炭素質粉末の酸素含有
量が10重量%を超え20重量%以下になるようにする
には、不融化処理後のピッチの酸素含有量を12〜25
重量%とするのが適当である。不融化処理温度が高いほ
ど、また不融化処理時間が長いほど酸素含有量は増加す
る。酸素はエーテル結合の形で芳香族環に取り込まれて
いるものが多いと推定される。
【0015】不融化処理は、ピッチ系炭素繊維の不融化
工程において行われている手法であれば何でも採用でき
る。ピッチ系炭素繊維の不融化処理は、酸化性雰囲気と
して空気を用いピッチの紡糸温度前後の温度で加熱する
方法が基準の方法であるが、不融化処理時間の短縮を目
的として様々な工夫がなされている(炭素繊維、p15
3、(株)近代編集社)。例えば、70℃程度以下の温
度でオゾン処理を施してから空気酸化をするとか、二酸
化窒素を含む空気を用いるとか、塩素と酸素の混合ガス
を用いるとか、飽和塩素水溶液に浸漬してから空気酸化
するとか、あるいは硫酸を含浸させた活性炭の微粉と臭
素ガスで処理した後空気酸化するといった方法が用いら
れている。本発明においても、ピッチ系炭素繊維の場合
と同様の手法を粉体に適用することができる。不融化処
理温度が50℃未満だと、いかなる工夫をしても酸化に
よる架橋反応の進行が困難となり、次の炭化工程での溶
融が抑制できないし、一方、不融化処理温度が400℃
を越えるとピッチの燃焼が起きてしまう。さらに、ピッ
チの燃焼が起きない場合でも、400℃を越えた不融化
処理温度では、酸化による架橋反応が非常に進行するた
め連続した芳香族環の数が増し、炭化後の粉体の導電性
が増大することにより、結果として電気粘性流体の消費
電流が大きくなってしまう。好ましい不融化処理温度は
ピッチの溶融温度前後に設定するのが良い。即ち、前記
ピッチの低沸点成分除去処理によって溶融温度は200
℃〜300℃となるため、不融化処理温度も200℃以
上、300℃以下とするのが好ましい。
【0016】不活性ガス雰囲気下での熱処理(炭化処
理)は、雰囲気として不活性ガス、好ましくは窒素ガス
またはアルゴンガスを用い、300℃以上、700℃以
下の温度、好ましくは350℃以上、550℃以下の温
度で行う。これが低い(300℃未満)と、連続した芳
香族環の生成が不十分となり、電気粘性流体の電気粘性
効果が小さくなる。一方、炭化温度が高いと(700℃
以上)、粉体の導電性が非常に増大し、結果として電気
粘性流体の消費電流が大きくなってしまう。
【0017】炭化処理により得られる炭素質粉末中の酸
素の含有量は10重量%を超え20重量%以下に調節す
る。先に述べた如く炭化処理では酸素含有量は減少する
方向で、炭化処理温度が高いほど、また炭化処理時間が
長いほど酸素含有量の減少が大になるので、この工程で
の目減りを念頭に置いて不融化処理工程での酸素含有量
を多い目にしておく。この酸素含有量が低いと該炭素質
粉末が雰囲気の酸素により酸化され特性劣化がおこる
し、酸素含有量が高すぎる(20重量%超)と粉体の導
電性が大きくなり電気粘性流体の消費電流は増大する点
で不利である。
【0018】電気粘性液体の分散相として適当な該炭素
質粉末の平均粒子径は0.01〜100ミクロンの範
囲、好ましくは0.3〜10ミクロンの範囲である。
0.01ミクロン未満では電場のない状態で初期粘度が
著しく大きくなって電気粘性効果による粘度変化が小さ
く、また100ミクロンを越えると電気粘性流体の分散
相としての十分な安定性が得られない。ピッチ粉体の粒
度は予め最終製品である炭素質粉末の粒度、すなわち平
均粒子径0.01〜100ミクロンとしておくことが望
ましいが、必要に応じて不融化処理後、あるいは炭化処
理後に粒度調整して平均粒子径0.01〜100ミクロ
ンとしても良い。粒度調整のためには、ジェットミル、
ボールミル、自動乳鉢等の通常の粉砕機を用いる粉砕、
乾式分級、湿式分級、篩別等、公知の粒度調整手段を任
意に使用することができる。
【0019】このようにして得られた炭素質粉末は水分
によらない粒子自身の分極作用によって電気粘性効果を
示すため、該炭素質粉末を分散相とすることによって高
温で消費電流が少なく、且つ電気粘性効果を長時間維持
できる電気粘性流体を得ることができる。また該炭素質
粉末は、熱処理および粉砕処理によって製造できるた
め、工業的製造が容易となり、かつ大きな収率を得るこ
とができる。さらに、該炭素質粉末は不融化処理工程で
酸化性雰囲気下の熱処理を施し酸素含有量を高くしてい
るため、耐酸化性等の長期安定性が向上する。
【0020】液相を構成する電気絶縁油としては、炭化
水素油、エステル油、芳香族系油、シリコーン油やホス
ファゼン油、フロロシリコーン油などを例示することが
出来る。これらは単独で用いることができ、また二種以
上を併用することもできる。これらの電気絶縁油のなか
でもポリジメチルシロキサンやポリメチルフェニルシロ
キサンなどのシリコーン油は、ゴム状の弾性を有する材
料と直接接触する状態でも使用できるという点で優れて
いるし、またホスファゼン油は比重が比較的大きいため
分散相の沈降を抑制する点で優れている。
【0021】電気絶縁油の粘度は25℃において0.6
5〜1000センチストークス(cSt)、好ましくは
10〜200cStの粘度を有するものを用いる。液相
の粘度が低すぎると揮発分が多くなり液相の安定性が悪
くなる。液相の粘度が高すぎると電場のないときの初期
粘度が高くなり電気粘性効果による粘度変化が小さくな
る。適度に低粘度の電気絶縁油を液相とすることによっ
て分散相を効率良く懸濁させることができる。
【0022】本発明の電気粘性流体を構成する分散相と
液相の割合は、前記炭素質粉末から成る分散相の含有量
が1〜60重量%、好ましくは20〜50重量%であ
り、前記電気絶縁油からなる液相の含有量が40〜99
重量%、好ましくは50〜80重量%である。分散相の
量が1重量%未満では電気粘性効果が小さく、60重量
%を越えると電場がない時の初期粘度が著しく大きくな
る。
【0023】また、本発明の電気粘性流体は本発明の効
果を損なわない範囲で他の分散相や界面活性剤、分散
剤、無機塩などの添加剤を配合することもできる。
【0024】以下、実施例により、本発明をさらに詳細
に説明する。
【0025】
【実施例1】ナフタレンを主成分とする縮合多環芳香族
化合物をHF/BF3 を触媒として熱重合させることに
より得られた軟化点が240℃の100%メソフェーズ
ピッチ(三菱ガス化学(株)製ARレジンARA24;
トルエン不溶分:63%、偏光顕微鏡観察:100%メ
ソフェーズ)を粉状に粉砕した後、空気中200℃で7
時間処理した。こうして得られた粉末の酸素含有量は1
9%であった。更にこの粉末を窒素ガス雰囲気中2℃/
minの昇温速度で370℃まで昇温し、1時間保持し
て炭化した後自然冷却した。こうして調製した炭素質粉
末の平均粒径は4μm(レーザー回折式粒度分布計によ
る測定値)、酸素含有量は15重量%であった。この炭
素質粉末34.5重量%を液相成分である25℃におけ
る粘度10cStのシリコーン油(東芝シリコーン
(株)製TSF451−10)65.5重量%に良く分
散し、懸濁液として電気粘性流体を得た。
【0026】
【比較例1】コールタールピッチから35重量%の収率
で得られた汎用炭素繊維用紡糸用ピッチ(溶融温度:2
70℃、トルエン不溶分:66.2重量%、偏光顕微鏡
観察:全面等方性)を粉状に粉砕した後、空気中、20
0℃で7時間処理した。こうして得られた粉末の酸素含
有量は5.8重量%であった。更にこの粉末を、窒素ガ
ス雰囲気中、2℃/minの昇温速度で410℃まで昇
温し、1時間保持して炭化した後自然冷却した。こうし
て調製した炭素質粉末の平均粒子径は4ミクロン(レー
ザー回折式粒度分布計による測定値)、酸素含有量は
3.4重量%であった。この炭素質粉末34.5重量%
を液相成分である25℃における粘度10cStのシリ
コーン油(東芝シリコーン(株)製TSF-451-10)65.
5重量%に良く分散し、懸濁液として電気粘性流体を得
た。
【0027】実施例1及び比較例1で得られた各電気粘
性流体について、電気粘性効果の測定を行った。電気粘
性効果は二重円筒型回転粘度計を使用して、内外円筒間
に0〜2kV/mmの直流電圧を印加した時の剪断速度
366sec-1、温度25℃の剪断力で評価し、同時に
内外円筒間に流れる電流を測定した。表1に電圧をかけ
ない場合の剪断力T0 、電圧2kV/mmを印加した時
の剪断力T、その差T−T0 、及び電圧2kV/mmを
印加した時の電流密度を示す。
【0028】 表1 T0 T T−T0 電流密度 (g・cm) (g・cm) (g・cm) (μA/cm2) 実施例1 18 282 264 5.6 比較例1 15 226 211 8.7
【0029】表1に示されるように、コールタールピッ
チを原料とした炭素質粉末で酸素含有量が3.4重量%
のものよりも、ナフタレンを主成分とする縮合多環芳香
族化合物をHF/BF3 を触媒として熱重合させて得ら
れた軟化点が150〜400℃の範囲にある100%メ
ソフェーズピッチを原料とした炭素質粉末で酸素含有量
が15重量%のものの方が消費電流が少ない。
【0030】更にそれぞれの粉体を空気中で1か月間放
置した後電気粘性流体を作成して同様な測定をしたとこ
ろ、実施例1のサンプルでは電流値は上記と変わらなか
ったが、比較例1の粉体では電流値が17.3μA/c
2 に増加していた。
【0031】
【発明の効果】本発明の電気粘性流体分散相用炭素質粉
末は耐酸化性が高く、これを用いた電気粘性流体は直流
又は交流電場の印加により高い電気粘性効果を示すと共
に長期耐久性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 125:02) C10N 20:00 20:02 20:06 40:14 70:00 (72)発明者 荻野 隆夫 東京都小平市小川東町3−1−1 株式会 社ブリヂストン研究開発第2本部内 (72)発明者 石野 裕一 東京都小平市小川東町3−1−1 株式会 社ブリヂストン研究開発第2本部内 (72)発明者 斎藤 翼 東京都小平市小川東町3−1−1 株式会 社ブリヂストン研究開発第2本部内 (72)発明者 原岡 卓司 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 高木 香 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 羽多野 仁美 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナフタレンを主成分とする縮合多環芳香
    族化合物をHF/BF3 を触媒として熱重合させて得ら
    れた軟化点が150〜400℃の範囲にある100%メ
    ソフェーズピッチを、その溶融温度以下で且つ50℃以
    上400℃以下の温度で酸化性雰囲気下で熱処理して酸
    素含有量を12〜25重量%としたのち、300℃以上
    700℃以下の温度で不活性ガス雰囲気下で熱処理する
    ことにより炭化すると共に酸素含有量を10重量%を超
    え20重量%以下とし、必要に応じて粒度調整して平均
    粒子径0.01〜100ミクロンとしたものであること
    を特徴とする電気粘性流体分散相用炭素質粉末。
  2. 【請求項2】 ナフタレンを主成分とする縮合多環芳香
    族化合物をHF/BF3 を触媒として熱重合させて得ら
    れた軟化点が150〜400℃の範囲にある100%メ
    ソフェーズピッチを、その溶融温度以下で且つ50℃以
    上400℃以下の温度で酸化性雰囲気下で熱処理して酸
    素含有量を12〜25重量%としたのち、300℃以上
    700℃以下の温度で不活性ガス雰囲気下で熱処理する
    ことにより炭化すると共に酸素含有量を10重量%を超
    え20重量%以下とし、必要に応じて粒度調整して平均
    粒子径0.01〜100ミクロンとしたものである炭素
    質粉末よりなる分散相1〜60重量%と、室温における
    粘度0.65〜1000センチストークス(cSt)の
    電気絶縁油よりなる液相40〜99重量%とから構成さ
    れていることを特徴とする電気粘性流体。
JP5325797A 1993-12-01 1993-12-01 電気粘性流体分散相用炭素質粉末及び電気粘性流体 Pending JPH07150187A (ja)

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