JP2911947B2 - 電気粘性流体用炭素質粉末 - Google Patents

電気粘性流体用炭素質粉末

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Description

【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は、電圧の印加によって粘性を増大する電気粘
性流体に関するものである。
[従来の技術] 電気粘性流体は、非導電性の油の中に微細に分割した
誘電性の固体微粒子が分散している懸濁液で、充分に強
い電場の作用の下で極めて速やかにしかも可逆的に粘度
が変化する流体である。
粘度を変化させるためには直流の電場だけでなく交流
の電場も使用することができ、必要な電流は非常に小さ
く、少ない電力によって液体からほぼ固体状態になるま
で大きな粘度変化を与えるので、電気粘性流体は例えば
クラッチ、バルブ、ショックアブソーバー、バイブレー
ター、各種防振ゴムなどの装置や部品を制御するための
構成要素として検討されてきた。
従来、電気粘性流体の分散相構成成分としては誘電性
の固体微粒子が用いられているが、この固体微粒子とし
ては、表面に水を吸着させ、微細化されたセルロース、
デンプン、シリカゲル、イオン交換樹脂などが知られて
いる。また他の成分である液相構成成分としてはPCB、
セバシン酸ブチル、トランス油、塩素化パラフィン、シ
リコーン油などが知られている。しかし、これらの水分
を吸着させた固体微粒子を分散相とした電気粘性流体は
水分に由来する長期的な性能の不安定性や温度特性の不
安定性などが有り実用性に乏しく、実用価値のある極め
て高性能かつ安定度の高い電気粘性流体はいまだ存在し
ない。
[発明が解決しようとする課題] 電気粘性効果の発現機構は充分に解明されていない。
しかし一般には、外部電界により固体微粒子表面での分
極が生じ、この分極した微粒子が静電引力により相互に
結合し架橋を生じる結果粘度が増大すると言われてい
る。
こうした観点から考えると、その表面に適度な官能基
を残した炭素質粒子より構成される炭素質粉末は優れた
性能を発揮できる可能性がある。もし、こうした炭素質
粉末が電気粘性流体用の誘電体微粒子として使用可能で
あるならば、従来の吸水性の固体粒子を使用することか
ら来る電気粘性流体の長期的な不安定性、温度特性の不
安定性などの問題点を解決し、その実用化に大いに寄与
することが期待できる。しかし炭素質粉末の電気粘性流
体用微粒子としえの利用は、過去、カーボンブラックな
どの応用が検討されてきたのみでほとんど研究されてい
ないと言ってよく、結果的に実用可能な優れた特性を有
する炭素質粉末は開発されていない。
本発明は上記の観点から炭素質粉末の特性と電気粘性
効果との関係を詳細に検討した結果、優れた電気粘性効
果が実現可能な炭素質粉末の発明に至ったものである。
ロ.発明の構成 [課題を解決するための手段] 本発明は従来の電気粘性流体が持っていた長期的な不
安定性、温度特性の不安定性などの問題点がなく優れた
電気粘性効果を示す電気粘性流体用の誘電微粒子の提供
を目的としたもので、電気絶縁性に優れた油状媒体に誘
電体微粒子を分散させることにより得られる電気粘性流
体において誘電体微粒子として使用される炭素質粉末で
あって、その粒子が、フリーカーボンを含有しないター
ル・ピッチ類にシリカ、アルミナ、ルチル及び珪酸アル
ミからなる群から選ばれる無機質微粒子を混合分散し、
実質的に不活性雰囲気中で熱処理することにより、該無
機質微粒子を発生核として成長したものであることを特
徴とする電気粘性流体用炭素質粉末によりこの問題を解
決した。
一般に電気粘性流体に要求される特性としては外部電
界下で低電流により大きな粘性変化をもたらすことに加
え、固体微粒子が油状媒体中で沈降しないこと、さらに
長期的な使用や温度に対して安定であること、電界の印
加に対する応答性に優れることなどが挙げられる。
こうした電気粘性流体に要求される特性を満足するに
必要な炭素質粉末について詳細に検討した結果、本発明
者らはその粉末を構成する炭素質粒子の元素分析におけ
る炭素原子と水素原子の比C/Hが2.00〜3.50、好ましく
は2.20〜3.00の値を有することが必要であることを見出
した(特願平1−172982号)。即ちC/H値が2.00未満の
時には炭素質粉末は誘電体としての機能を発揮できず結
果として充分な電気粘性効果を得ることができない。一
方C/H値が3.50を越す場合には電気粘性流体に電流が流
れすぎエネルギー効率を低下させ実用化上不都合である
ばかりでなく、ついには絶縁破壊を生ずる。
このC/H値は炭素質粒子の表面官能基に関係している
と考えられ、C/H値が大きいほど表面官能基の数が少な
いと言える。従って炭素質粉末のC/Hの値を制御するこ
とはその表面官能基の数、すなわち炭素質粒子の極性を
制御することになると思われる。一方C/H値は炭素質自
身の結晶性(黒鉛化性)にも関与しており、C/H値の増
加は炭素質自身の結晶性の向上を意味する。そのため、
小さなC/H値は誘電体としての機能を発揮させず、大き
なC/H値は電界の印加の際に粘性変化とともに炭素質自
身の優れた結晶性のため大きな電流が流れることになる
と思われる。
本発明者はさらに研究を重ねた結果、通常炭素質粒子
の原料となるコールタールピッチ中に元々含まれるフリ
ーカーボン(別名遊離炭素とも言われる)をあらかじめ
除去することが、電界印加中の消費電力を低減させるこ
とに効果的であることを発見した。
フリーカボンはコークス炉で1000℃以上で熱分解され
た極めて炭素化の進んだ無定形の微細炭素粒子であり、
本発明者らの分析によればそのC/H値は4.0〜6.0と極め
て大きな値を有しており、炭素質粉末を電気粘性流体用
原料として使用する場合、かかるフリーカーボンが含有
されていると電界印加中の電流値が増加する。
一方、フリーカーボンは炭素質粒子をコールタール原
料からメソフェーズ小球体として発生させる際の発生核
となることも知られており、コールタール原料からフリ
ーカーボンをあらかじめ除去すると、炭素質粒子の単位
体積あたりの発生個数が減り、大粒子が発生し易くなる
と言う問題がある。
このような問題点を解決するために研究を重ねた結
果、本発明者らはシリカのような無機質微粒子をあらか
じめコールタールに添加すると、メソフェーズ小球体の
発生核として利用でき、炭素質粒子の発生個数が増加
し、粒径も小さくなることを見い出した。
さらに、無機質微粒子を発生核として成長させて得ら
れた炭素質粒子の表面または内部には、無機質微粒子が
付着または含有しており、導電性の低い無機質微粒子を
使用した場合、電圧印加時の消費電力も低減できた。
発生核として添加する無機質微粒子としてはできるだ
け導電率が低いものが好ましく、シリカ、アルミナ、ル
チル、珪酸アルミのような金属酸化物が例示される。ま
た無機質微粒子の平均粒子径は0.01〜1ミクロンが好ま
しく、1ミクロン以上では発生核としては大きく、0.01
ミクロン以下では電気粘性流体の電圧を印加しないとき
の粘度の上昇が著しい。また粒度分布はできるだけシャ
ープであることが好ましい。
発生核としてコールタールに添加する無機質微粒子の
添加量は0.1〜20体積%が好ましく、0.1%以下では大粒
子が発生し、また20%以上では炭素質粒子としての性質
が損なわれ、電気粘性効果が減少する。
炭素質粒子の好ましい粒径としては0.5〜50ミクロン
であり、50ミクロン以上の場合は使用する油状媒体にも
よるが、通常油状媒体中で沈降を起こす。また0.5ミク
ロン以下の微粒子の場合は油状媒体中での分散が困難に
なる。
以上のようにして得られた炭素質粉末をスピンンドル
油、トランス油、塩素化パラフィン、シリコーン油など
の電気絶縁性の高い油状媒体中に分散させることによ
り、従来に見られなかった長期使用と温度に対する安定
性を有する優れた電気粘性流体を製造可能である。
かかる炭素質粉末の具体的な製造方法について更に詳
細に説明する。原料としては通常石炭系タール又は石油
系タール或は樹脂類が使用される。石炭系タールを使用
する場合、原料タール中にフリーカーボンが含有されて
いる時には必要に応じてこれをあらかじめ遠心分離法、
各種溶剤添加による静置分離法又は濾過法により除去
し、無機質微粒子を所定量、混合機で混入する。
炭素化については原料である石炭系又は石油系タール
は、熱処理、溶剤抽出など一般にこうしたタール・ピッ
チ類に適用される方法、又はこれらの方法の組合わせに
より炭素化を進め、C/Hの値を調整する。また必要に応
じ最終的に粉砕法によりその粒子径の制御を行う。
以下さらに具体的な実施例でもって説明する。なお本
発明は以下の実施例によりなんら制約されるものではな
い。
[実施例] フリーカーボンをまったく含有しないコールタールに
平均粒子径0.5ミクロンのシリカ微粒子を2%混合分散
し、450℃で実質的に不活性雰囲気中で熱処理した。熱
処理を行った後のメソフェーズ小球体の発生の様子を偏
光顕微鏡写真で観察したところ、多くの微小球が発生し
ていることが確認される。
得られた熱処理物をタール系中油(沸点範囲120〜250
℃)を使用し抽出・濾過した。かかる抽出・濾過残留物
を450℃の温度、窒素気流下で再熱処理して炭素質粉末
を得た。こうして得られた炭素質粉末のC/Hの値は2.37
であり平均粒径は18.0ミクロンであった。この炭素質粉
末を電気絶縁性油状媒体である室温での粘度0.1ポイズ
のシリコーン油に36%均一に分散させ電気粘性流体を得
た。
この電気粘性流体に室温で2KV/mmの電圧をかけ、この
ときの流体の粘度変化と流体中を流れる電流値を測定
し、その電気粘性流体としての機能を評価した。粘度の
測定は二重円筒型回転粘度計を使用し、内外円筒間に直
流電圧を印加した時の剪断速度366/秒における見掛けの
粘度を測定した。
その結果、この電気粘性流体の室温における粘度変化
は2.9ポイズ、電流値0.08mAであった。
[比較例] フリーカーボンを含有するコールタールを450℃で実
質的に不活性雰囲気中で熱処理した。得られた熱処理物
をタール系中油(沸点範囲120〜250℃)を使用し抽出・
濾過した。かかる抽出・濾過残留物を350℃の温度、窒
素気流下で再熱処理して炭素質粉末を得た。こうして得
られた炭素質粉末のC/Hの値は2.31であり平均粒径は16.
1ミクロンであった。この炭素質粉末を電気絶縁性油状
媒体である室温での粘度0.1ポイズのシリコーン油に36
%均一に分散させ電気粘性流体を得た。
この電気粘性流体を実施例と同様な方法で電気粘性流
体としての機能を評価した。その結果、この電気粘性流
体の室温における粘度変化が2.7ポイズ、電流値は0.26m
Aであった。
以上の結果から実施例における流体は比較例における
流体に比べ非常に少ない電流で同様の粘度変化を与える
ことがわかった。これにより、フリーカーボンを除去
し、無機質微粒子を発生核とすることで、より電気粘性
特性に優れた炭素質粉末が得られることが確認された。
ハ.発明の効果 本発明は、従来ほとんど検討されていなかった炭素質
粒子の電気粘性流体への適用を可能としたもので、本発
明による炭素質粒子を誘電体粒子として使用することに
より、少ない電力消費で優れた電気粘性効果を有する非
水系電気粘性流体を製造可能とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C10N 20:06 40:14 (72)発明者 鳥居 孝行 千葉県千葉市川崎町1番地 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10M 125/00 - 125/30 C10M 103/00 - 103/06 C10N 40:14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気絶縁性に優れた油状媒体に誘電体微粒
    子を分散させることにより得られる電気粘性流体におい
    て誘電体微粒子として使用される炭素質粉末であって、
    その粒子が、フリーカーボンを含有しないタール・ピッ
    チ類にシリカ、アルミナ、ルチル及び珪酸アルミからな
    る群から選ばれる無機質微粒子を混合分散し、実質的に
    不活性雰囲気中で熱処理することにより、該無機質微粒
    子を発生核として成長したものであることを特徴とする
    電気粘性流体用炭素質粉末。
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