JPH08143886A - 電気粘性流体 - Google Patents

電気粘性流体

Info

Publication number
JPH08143886A
JPH08143886A JP29102694A JP29102694A JPH08143886A JP H08143886 A JPH08143886 A JP H08143886A JP 29102694 A JP29102694 A JP 29102694A JP 29102694 A JP29102694 A JP 29102694A JP H08143886 A JPH08143886 A JP H08143886A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
modified
silicone oil
pitch
weight
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29102694A
Other languages
English (en)
Inventor
Mari Miyano
真理 宮野
Makoto Sakurai
良 桜井
Hawaado Shii
シー・ハワード
Tasuku Saito
翼 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP29102694A priority Critical patent/JPH08143886A/ja
Publication of JPH08143886A publication Critical patent/JPH08143886A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気粘性効果が大きく、且つ分散相の沈降が
少なく、再分散性を向上させる他、長期安定性、温度特
性、低初期粘度、低電流、電場の印加に対する応答性に
優れた電気粘性流体を提供することを目的とする。 【構成】 誘電性を有する炭素質粉末1〜60重量%と
25℃における粘度が0.65〜1000cStのシリ
コーンオイルからなる電気粘性流体において、前記シリ
コーンオイルの一部として変性シリコーンオイルを前記
炭素質粉末に対して0.1〜20重量%添加することを
特徴とする電気粘性流体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電場の印加によって粘
性を増大する電気粘性流体に関する。
【0002】
【従来の技術】電気粘性流体は非導電性の油の中に微細
に分割した誘電性を有する固体が分散している懸濁液
で、十分に強い電場の作用の下で極めて速やかに、しか
も可逆的に粘度が増加する流体である。
【0003】実用的な電気粘性流体に要求される特性と
しては、広い温度範囲において大きな電気粘性効果を示
し、電場がかかった時の電力消費が少なく、電場を取り
除かれた場合には小さな粘性を持ち、且つ分散相が沈降
せず長期的に安定した特性を持続することである。
【0004】この電気粘性流体は当初、いわゆる含水粉
体を用いた含水系電気粘性流体が主体であったが、この
場合には広い温度範囲において十分な電気粘性効果が得
られず、使用温度の制限、温度上昇による使用電流の増
大、水分の移行による不安定化、高電圧印加時の電極金
属の腐食等多くの問題があり、実用化が困難であった
為、最近は専ら含水粒子を含まない非水系の電気粘性流
体のものが主流になっている。しかし尚困難な問題があ
り、実用化されるに至っていない。
【0005】例えば、フェノール樹脂を原料とする炭素
質粉体を分散質とした電気粘性流体は、静置しておくと
分散質と分散媒の比重差の為に分散質である粉体が沈殿
してくる。沈降した粉体は更に自重により密になり、再
分散が困難なケーキ状沈殿物となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、分散相の沈降を少なくし、且つ電
気粘性効果が大きく、又長期安定性、温度特性、電場の
印加に対する応答性に優れた電気粘性流体を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するするための手段及び作用】誘電性を有
する炭素質粉末1〜60重量%と25℃における粘度が
0.65〜1000cStのシリコーンオイルからなる
電気粘性流体において、前記シリコーンオイルの一部と
して変性シリコーンオイルを前記炭素質粉末に対して
0.1〜20重量%添加することを特徴とする電気粘性
流体。すなわち、誘電性を有する炭素質粉体を分散させ
る為の油状分散媒中に、変性シリコーンを極少量添加し
たところ、いくつかのタイプの変性シリコーンが沈降抑
制、及び易再分散に有効であることが明らかとなり、同
時に初期粘度低減、電流低減、ER効果増大等の効果を
併せ持つことが判明し、本発明に至った。
【0008】
【実施例】以下、本発明の詳細について説明する。本発
明の電気粘性流体は、主に分散相である炭素質粉末、液
相であるシリコーンオイル、添加剤である変性シリコー
ンオイルから構成されている。まず、本発明で最も重要
な変性シリコーンオイルについて説明する。変性シリコ
ーンオイルとしては、特に制限されず、各種変性シリコ
ーンオイル、下記の一般式1で代表される構造のものが
使用できる。
【0009】
【数1】 ここで、一般式1中で各種変性シリコーンがどの様な官
能基(A、B)を持つのかを表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】以上の各種変性シリコーンオイルは、シリ
コーンオイルと親和性を持つところからこの各種変性シ
リコーンオイルが界面活性剤として働き、炭素質の分散
性を向上させるため、粉体の沈降を防止し、再分散性を
向上させ、更に液体の初期粘度を低減する。
【0012】次に炭素質粉末について説明する。本発明
で使用する炭素質粉末の粒径として適当なのは0.01
〜50μm、好ましくは0.1〜10μmである。50
μm以上の場合は懸濁液として不安定であり、又、0.
01μm以下になると電場を印加しない時の粘度が著し
く増加する。
【0013】また、本発明の電気粘性流体用炭素質粉体
は、炭素含有量80〜97重量%のものが好ましく、特
に好ましくは85〜95重量%である。また、炭素質粉
体のC/H比(炭素/水素原子比)は、1.2〜5のも
のが好ましく、特に好ましくは2〜4である。一般に電
気粘性流体の分散相の電気抵抗は半導体領域にあること
は古くから知られているが[W.M.Winslow:
J.Appl.Physics 第20巻、第1137
頁(1949年)]、炭素含有量が80重量%未満で、
且つ、C/H比が1.2未満の炭素質粉体は絶縁体であ
り、電気粘性効果を示す液体は殆ど得られない。一方、
炭素含有量が97重量%を超え、且つ、C/H比が5を
超えるものは導電体に近く、電圧を印加しても過大電流
を示し、電気粘性効果を示す液体は得られない。
【0014】本発明の電気粘性流体用炭素質粉末として
好適な前記C/H比を有する具体的材料としては、フェ
ノール樹脂、セルロース、不飽和ポリエステル、フラン
樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、コールタールピ
ッチ、石油系ピッチ、ポリ塩化ビニルを熱分解して得ら
れるピッチ等が挙げられる。
【0015】更に、上記各種変性シリコーンオイルとの
組み合わせによって高いER特性を発現する炭素質粉末
について詳述する。第一の組み合わせとしては、炭素質
粉末が真球状の形状のものである場合、添加剤としては
アミノ変性、フェノール変性、エポキシ変性シリコーン
オイルが好適であり、中でもアミノ変性シリコーンで、
末端基は非反応性のメチル基が最適である。ここでアミ
ノ当量は1000〜2000g/mol、粘度は500
〜1000csが良い。このようなアミノ変性シリコー
ンを分散質に対して0.1〜20重量%添加することに
より無添加品に比べて沈降体積が10%以上改善され、
再分散性が向上する。更に添加により電流値を1/2近
く減少させることも可能であり、沈降、再分散改良剤と
してだけでなく、電流低減剤としての効果もある。
【0016】なお、本発明の電気粘性流体用の真球状炭
素質粉末とは、電子顕微鏡で観察した粉体粒子が目視に
より真球状の形状をなすことを意味し、好ましくは、1
個の粉体粒子の最大直径と最小直径の平均直径に対する
偏差が、それぞれ平均直径の30%以内であり、更に好
ましくは20%以内である。また、粉体粒子が理想的な
滑らかな真球状をなすと仮定した時に、その表面からの
ずれである凹凸が、好ましくは、平均直径の10%以内
であり、平均直径の5%以内であることが更に好まし
い。最も好ましいのは、粉体粒子の最大直径と最小直径
の平均直径に対する偏差が、それぞれ平均直径の10%
以内であり、且つ、理想的真球表面からのずれである凹
凸が、平均直径の3%以内の粉体粒子である。ここにお
いて1個の粉体粒子の平均直径とは、その粉体粒子の最
大直径と最小直径の平均値を指す。
【0017】真球状炭素質粉体の製造方法としては、前
記ピッチを粉砕したものをエマルジョン法により真球状
に成形する方法のほか、真球状の熱硬化性樹脂を、窒
素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、真球状の形状
を保持するように熱処理により炭化する方法等が挙げら
れる。
【0018】本発明の電気粘性流体用粉体を製造する場
合に用いられる原料としては、前記の物質がいずれも好
適に使用できるが、特に、炭化反応条件下において、表
面融着性を持たない物質を用いることが好ましい。本発
明について、表面融着性を持たない物質とは、炭化反応
における熱処理温度条件、例えば、100〜500℃等
の下において表面が熱溶融性を示さない物質を指し、球
状セルロース、高架橋度フェノール樹脂の如く、耐熱性
に優れ、物質自体が熱溶融性を示さないものの他、通常
の熱硬化性樹脂類の如く、ある程度の耐熱性は有する
が、熱処理によって表面が軟化するような物質に、表面
融着性を阻害する表面処理を行ったもの等が好ましく用
いられる。
【0019】表面処理としては、例えば、球状に成形し
た熱硬化性樹脂を(1)湿式法で表面硬化する、(2)
乾式法で表面硬化する、(3)界面活性剤で表面処理す
る、(4)シリカやフッ素系物質等の耐熱性被膜を形成
する等の方法が挙げられる。表面処理、例えば、湿式法
としては、真球状樹脂を、塩酸、硫酸、しゅう酸等の酸
水溶液中で熱処理する。乾式法としては酸素雰囲気下で
熱処理の不融化処理する。活性剤処理としてはシリコー
ン系の界面活性剤に浸漬・乾燥する。耐熱性被膜形成法
としてはエチルシリケート中に分散し、表面をエチルシ
リケートで被覆した後、被覆した球状樹脂を酸触媒と共
に水中に分散し、加熱処理してエチルシリケートの加水
分解反応を行わせ、表面にシリカ被膜を形成する等が挙
げられる。
【0020】前記の如く、本発明の電気粘性流体用粉体
を製造する場合に用いられる原料として、炭化反応条件
下において表面融着性を持たない物質を用いることによ
り、炭化反応中に粉体の融着を防止することができるた
め、得られた粉体の均一性が良好であり、更に、炭化反
応後の解砕、粉砕の工程が不要となる等の利点を有する
ものである。
【0021】次に、第2の組み合わせとしては、炭素質
粉末がナフタレンを主体とする縮合多環芳香族化合物を
HF/BF3 を触媒として熱重合させて得られた軟化点
が150〜400℃の範囲にある100%メソフェーズ
ピッチを、その溶融温度以下で且つ50℃以上400℃
以下の温度で酸化性雰囲気下で熱処理して酸素含有量を
5〜25重量%とした後、300℃以上700℃以下の
温度で不活性ガス雰囲気下で熱処理することにより炭化
すると共に酸素含有量を3重量%を超え20重量%以下
とし、必要に応じて粒度調整して平均粒子径0.01〜
100ミクロンとしたものである場合、添加剤として
は、ポリエーテル変性、エポキシ変性、メタクリル変
性、カルビノール変性のシリコーンオイルが好適であ
る。ここで、粘度は500〜2000csが良い。これ
らの変性シリコーンを分散質に対して0.1〜20重量
%添加することにより無添加品に対して沈降体積が10
%以上改善され、再分散性が向上する。
【0022】本発明の炭素質粉末を製造するための出発
原料としては、ナフタレンを主成分とする縮合多環芳香
族化合物をHF/BF3 を触媒として(150℃以上
で)熱重合させて得られた軟化点が150〜400℃の
範囲にある100%メソフェーズピッチを用いる。この
ピッチを用いた場合にのみ、10重量%を超える酸素含
有量であっても消費電流の著しい増加は認められない。
【0023】このような100%メソフェーズピッチを
出発原料とし、これをその溶融温度以下で且つ50℃以
上400℃以下、好ましくは酸素の場合は200℃以上
300℃以下、オゾンの場合は60〜80℃の温度で酸
化性雰囲気下(酸素又はオゾン)で熱処理(不融化処
理)する。不融化処理は、次に炭化処理工程での溶融を
抑えるために行うものである。即ち、不融化処理を施さ
ない100%メソフェーズピッチは炭化工程において溶
融してバルク状となり粉体化が困難であるが、不融化処
理することによって溶融が抑制され炭化後の粉体が容易
となる。
【0024】この酸化性雰囲気下での不融化処理により
原料ピッチ中の酸素含有量が増加する。この段階での酸
素含有量が次工程の炭化処理により得られる炭素質粉末
の酸素含有量に大きな影響を及ぼす。次工程の炭化処理
は不活性ガス雰囲気下での熱処理であり酸素含有量は減
少する方向なので、この不融化処理工程で十分な酸素を
含有させるようにする。炭化後の炭素質粉末の酸素含有
量が3重量%を超え20重量%以下になるようにするに
は、不融化処理後のピッチの酸素含有量を5〜25重量
%とするのが適当である。不融化処理温度が高いほど、
また不融化処理時間が長いほど酸素含有量は増加する。
酸素はエーテル結合の形で芳香族環に取り込まれている
ものが多いと推定される。
【0025】不融化処理は、ピッチ系炭素繊維の不融化
工程において行われている手法であれば何でも採用でき
る。ピッチ系炭素繊維の不融化処理は、酸化性雰囲気と
して空気を用いピッチの紡糸温度前後の温度で加熱する
方法が基準の方法であるが、不融化処理時間の短縮を目
的として様々な工夫がなされている(炭素繊維、p15
3、(株)近代編集社)。例えば、70℃程度以下の温
度でオゾン処理を施してから空気酸化するとか、二酸化
窒素を含む空気を用いるとか、塩素と酸素の混合ガスを
用いるとか、飽和塩素水溶液に浸漬してから空気酸化す
るとか、あるいは硫酸を含浸させた活性炭の微粉と臭素
ガスで処理した後空気酸化するといった方法が用いられ
ている。本発明についても、ピッチ系炭素繊維の場合と
同様の手法を粉体に適用することができる。不融化処理
温度が50℃未満だと、いかなる工夫をしても酸化によ
る架橋反応の進行が困難となり、次の炭化工程での溶融
が抑制できないし、一方、不融化処理温度が400℃を
超えるとピッチの燃焼が起きてしまう。更にピッチの燃
焼が起きない場合でも、400℃を超えた不融化処理温
度では、酸化による架橋反応が非常に進行するため連続
した芳香族環の数が増し、炭化後の粉体の導電性が増大
することにより、結果として電気粘性流体の消費電流が
大きくなってしまう。好ましい不融化処理温度はピッチ
の溶融温度前後に設定するのが良い。即ち、前記ピッチ
の低沸点成分除去処理によって溶融温度は200℃〜3
00℃となるため、不融化処理温度も200℃以上、3
00℃以下とすることが好ましい。
【0026】不活性ガス雰囲気下での熱処理(炭化処
理)は、雰囲気として不活性ガス、好ましくは窒素ガス
またはアルゴンガスを用い、300℃以上、700℃以
下の温度、好ましくは350℃以上、550℃以下の温
度で行う。これが低い(300℃未満)と、連続した芳
香族環の生成が不十分となり、電気粘性流体の電気粘性
効果が小さくなる。一方、炭化温度が高いと(700℃
以上)、粉体の導電性が非常に増大し、結果として電気
粘性流体の消費電流が大きくなってしまう。
【0027】炭化処理により得られる炭素質粉末中の酸
素の含有量は5重量%を超え20重量%以下に調節す
る。先に述べた如く炭化処理では酸素含有量は減少する
方向で、炭化処理温度が高いほど、また炭化処理時間が
長いほど酸素含有量の減少が大になるので、この工程で
の目減りを念頭に置いて不融化処理工程での酸素含有量
を多い目にしておく。この酸素含有量が低いと該炭素質
粉末が雰囲気の酸素により酸化され特性劣化が起こる
し、酸素含有量が高すぎる(20重量%超)と粉体の導
電性が大きくなり電気粘性流体の消費電流は増大する点
で不利である。
【0028】このようにして得られた炭素質粉末は水分
によらない粒子自身の分極作用によって電気粘性効果を
示すため、該炭素質粉末を分散相とすることによって高
温で消費電流が少なく、且つ電気粘性効果を長時間維持
できる電気粘性流体を得ることができる。また、該炭素
質粉末は、熱処理及び粉砕処理によって製造できるた
め、工業的製造が容易となり、且つ大きな収率を得るこ
とができる。更に、該炭素質粉末は不融化処理工程で酸
化性雰囲気下で熱処理を施し酸素含有量を高くしている
ため、耐酸化性等の長期安定性が向上する。
【0029】最後に、液相を構成する電気絶縁油として
は、ポリジメチルシロキサンやポリメチルフェニルシロ
キサン等のシリコーン油が、ゴム状の弾性を有する材料
と直接接触する状態でも使用できるという点で優れてい
る。
【0030】電気絶縁油の粘度は25℃において、0.
65〜1000センチストークス(cSt),好ましく
は10〜200cStの粘度を有するものを用いる。液
相の粘度が低過ぎると揮発分が多くなり液相の安定性が
悪くなる。液相の粘度が高すぎると電場のないときの初
期粘度が高くなり電気粘性効果による粘度変化が小さく
なる。適度に低粘度の電気絶縁油を液相とすることによ
って分散相を効率よく懸濁させることができる。
【0031】本発明の電気粘性流体を構成する分散相と
液相の割合は、前記炭素質粉末から成る分散相の含有量
が1〜60重量%、好ましくは20〜50重量%であ
り、前記電気絶縁油から成る液相の含有量が40〜99
重量%、好ましくは50〜80重量%である。分散相の
量が1重量%未満では電気粘性効果が小さく、60重量
%を超えると電場がないときの初期粘度が著しく大きく
なる。
【0032】また、本発明の電気粘性流体は本発明を損
なわない範囲で他の分散相や界面活性剤、分散剤、無機
塩等の添加剤を配合することもできる。
【0033】以下、本発明の実施例及び比較例を挙げ、
より具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【実施例】
[実施例1]フェノールを原料とする粉体50g(3
4.5重量%)、粘度が10cpのジメチルシリコーン
オイル94.75g(65.5重量%)、それに添加剤
としてアミノ変性シリコーン(東芝シリコーン製、XF
42−A3335、粘度:700cSt/25℃、アミ
ノ当量1800g/mol)を0.25g(粉体に対し
て0.5重量%)加え、十分撹拌しERFを作製する。
これを容器100ml、内径29mmのメスシリンダー
に入れ、室温で3か月間静置した時の沈降界面高さ、及
びERF作製直後のER特性を表2に示す。前記XF4
2−A3335添加品では80%に抑制された。また、
この時の初期粘度は5%低下し、電流密度は40%程度
低下する。
【0034】[実施例2]実施例1と同様な粉体50g
(34,5重量%)、粘度10cpのジメチルシリコー
ンオイル94.75g(65.5重量%)、それに添加
剤としてフェノール変性シリコーン(信越シリコン社
製、X22−165B、粘度:160cSt、官能基当
量28KOHmg/g)を0.25g(粉体に対して
0.5重量%)加え、十分撹拌してERFを作製する。
これを容器100ml、内径29mmのメスシリンダー
に入れ、室温で3か月間静置した時の沈降界面高さ、及
びERF作製直後のER特性を表2に示す。
【0035】[比較例1]実施例1に記載の粉体50g
(30体積%)、粘度10cpのジメチルシリコーンオ
イル95.0g(70重量%)を十分に撹拌してERF
を作製する。これを容器100ml、内径29mmのメ
スシリンダーに入れ、室温で3か月間静置した時の沈降
界面高さ、及びERF作製直後のER特性を表2に示
す。
【0036】[実施例3]ナフタレンピッチを原料とす
る粉体50gと、粘度10cpのジメチルシリコーンオ
イル94.75gに添加剤としてポリエーテル変性シリ
コーン(FZ-2171、日本ユニカー社製)を0.25g(粉
体に対して0.5重量%)添加し、十分攪拌して電気粘
性流体を作製する。これを容量100ml.内径29m
mのメスシリンダーに入れて静置したときの沈降界面位
置及びERF作製直後のER特性を表3に示す。
【0037】[実施例4]ナフタレンピッチを原料とす
る粉体50gと、粘度10cpのジメチルシリコーンオ
イル94.75gに添加剤としてカルビノール変性(X2
2-4015、信越シリコーン社製)を0.25g(粉体に対
して0.5重量%)添加し、十分攪拌して電気粘性流体
を作製した。これを容量100ml.内径29mmのメ
スシリンダーに入れて静置したときの沈降界面位置及び
ERF作製直後のER特性を表3に示す。
【0038】[比較例2]ナフタレンピッチを原料とす
る粉体50gと、粘度10cpのジメチルシリコーンオ
イル95gを十分攪拌してERFを作製した。これを容
量100ml.内径29mmのメスシリンダーに入れて
静置したときの沈降界面位置及びERF作製直後のER
特性を表3に示す。
【0039】
【表2】
【表3】
【0040】
【発明の効果】上記に本発明の詳細を記載した如く、請
求項1のように、誘電性を有する炭素質粉末1〜60重
量%と25℃における粘度が0.65〜1000cSt
のシリコーンオイルからなる電気粘性流体において、前
記シリコーンオイルの一部として変性シリコーンオイル
を前記炭素質粉末に対して0.1〜20重量%添加する
ことを特徴とする電気粘性流体であって、しかも、請求
項2、即ち、上記炭素質粉末が真球状の形状であり、か
つ、上記変性シリコーンオイルがアミノ変性、フェノー
ル変性、又はエポキシ変性シリコーンオイルであること
を特徴とする電気粘性流体とする。
【0041】或は、請求項3に示したように、上記炭素
質粉末が、ナフタレンを主成分とする縮合多環芳香族化
合物をHF/BF3 を触媒として熱重合させて得られた
軟化剤が150〜400℃の範囲にある100%メソフ
ェーズピッチを、その溶融温度以下で且つ50℃以上4
00℃以下の温度で酸化性雰囲気下(酸素又はオゾン
等)で熱処理して酸素含有量を5〜25重量%とした
後、300℃以上700℃以下の温度で不活性ガス雰囲
気下で熱処理することにより炭化すると共に酸素含有量
を3重量%を超え20重量%以下とし、必要に応じて粒
度調整して平均粒子径0.01〜100ミクロンとした
ものであり、且つ、上記変性シリコーンオイルがポリエ
ーテル変性、メタクリル変性、カルビノール変性シリコ
ーンであることを特徴とする。
【0042】以上のような本発明によって、従来に比し
て広い温度範囲において大きな電気粘性特性が得られ、
しかも電場をかけない場合には低粘度であり、しかも分
散沈降することもなく、再分散性も可能であり、長期安
定性を保つことが出来、実際に電場を印加した時には応
答性が優れ且つ電力消費も少ない電気粘性流体を得るこ
とが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:04 40:14 60:00 60:06 70:00 (72)発明者 斉藤 翼 東京都小平市小川東町3−1−1 株式会 社ブリヂストン内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電性を有する炭素質粉末1〜60重量
    %と25℃における粘度が0.65〜1000cStの
    シリコーンオイルからなる電気粘性流体において、前記
    シリコーンオイルの一部として変性シリコーンオイルを
    前記炭素質粉末に対して0.1〜20重量%添加するこ
    とを特徴とする電気粘性流体。
  2. 【請求項2】 上記炭素質粉末が真球状の形状であり、
    且つ、上記変性シリコーンオイルがアミノ変性、フェノ
    ール変性、又はエポキシ変性シリコーンオイルを単独或
    は2種以上組み合わせたものであることを特徴とする請
    求項1記載の電気粘性流体。
  3. 【請求項3】 上記炭素質粉末が、ナフタレンを主成分
    とする縮合多環芳香族化合物をHF/BF3 を触媒とし
    て熱重合させて得られた軟化剤が150〜400℃の範
    囲にある100%メソフェーズピッチを、その溶融温度
    以下で且つ50℃以上400℃以下の温度で酸化性雰囲
    気下で熱処理して酸素含有量を5〜25重量%とした
    後、300℃以上700℃以下の温度で不活性ガス雰囲
    気下で熱処理することにより炭化すると共に酸素含有量
    を3重量%を超え20重量%以下とし、必要に応じて粒
    度調整して平均粒子径0.01〜100ミクロンとした
    ものであり、且つ、上記変性シリコーンオイルがポリエ
    ーテル変性、エポキシ変性、メタクリル変性、カルビノ
    ール変性シリコーンを単独或は2種以上組み合わせたも
    のであることを特徴とする請求項1記載の電気粘性流
    体。
JP29102694A 1994-11-25 1994-11-25 電気粘性流体 Pending JPH08143886A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29102694A JPH08143886A (ja) 1994-11-25 1994-11-25 電気粘性流体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29102694A JPH08143886A (ja) 1994-11-25 1994-11-25 電気粘性流体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08143886A true JPH08143886A (ja) 1996-06-04

Family

ID=17763496

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29102694A Pending JPH08143886A (ja) 1994-11-25 1994-11-25 電気粘性流体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08143886A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0964053A2 (en) * 1998-06-08 1999-12-15 Bridgestone Corporation Electrorheological fluid

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0964053A2 (en) * 1998-06-08 1999-12-15 Bridgestone Corporation Electrorheological fluid
EP0964053A3 (en) * 1998-06-08 2001-05-30 Bridgestone Corporation Electrorheological fluid
US6352651B1 (en) 1998-06-08 2002-03-05 Bridgestone Corporation Electrorheological fluid

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0445594B1 (en) An electrorheological fluid
AU599246B2 (en) Electroconductive silicone rubber particles
EP0705899B1 (en) Powder and electrorheological fluid
JPH1081889A (ja) 電気粘性流体用粉体
Hosier et al. The effects of water on the dielectric properties of aluminum-based nanocomposites
JP4384638B2 (ja) 低誘電率膜の製造方法
EP0406853B1 (en) A carbonaceous powder for electrorheological fluid and a method of making the same
JPH08143886A (ja) 電気粘性流体
JP4131168B2 (ja) 耐部分放電性絶縁塗料及び絶縁電線
JP3012699B2 (ja) 電気粘性流体
US5693367A (en) Process for producing a powder material for an electro-rheological fluid
US5536426A (en) Electrorheological fluid containing carbonaceous particles
JP3163356B2 (ja) 電気粘性流体分散相用炭素質粉末及び電気粘性流体
JPH08143887A (ja) 電気粘性流体
JPH0790287A (ja) 電気粘性流体用粉体及びそれを用いた電気粘性流体
JPH08176584A (ja) 電気粘性流体
JP3102054B2 (ja) 粉体および電気粘性流体
JPH11349978A (ja) 電気粘性流体
JPH11172275A (ja) 電気粘性流体、その製造方法及び保管方法
JPH08259702A (ja) 電気粘性流体用粉体の製造方法
JPH08325590A (ja) 電気粘性流体用粉体の製造方法
JP2011225727A (ja) 電気粘性流体用熱伝導性ペースト
JPH04227996A (ja) 粉体および電気粘性流体
JPH04227997A (ja) 粉体および電気粘性流体
KR20220158308A (ko) 나노 실리카 입자 초고속 분산을 통한 연료전지 촉매 지지체 제조방법