JPH07149036A - インクジェット記録方法、カラー画像処理方法、カラー画像処理装置、インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法、カラー画像処理方法、カラー画像処理装置、インクジェット記録装置

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JPH07149036A
JPH07149036A JP6195363A JP19536394A JPH07149036A JP H07149036 A JPH07149036 A JP H07149036A JP 6195363 A JP6195363 A JP 6195363A JP 19536394 A JP19536394 A JP 19536394A JP H07149036 A JPH07149036 A JP H07149036A
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black
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孝雄 小池
Koichi Naito
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット記録専用の特殊な記録紙を用
いることなく、コピー用紙等の普通紙に高濃度の文字画
像の記録を実現しつつ、異色画像間における色滲みの発
生を防止可能なインクジェット記録方法およびその装
置、カラー画像処理方法およびその装置を提供する。 【構成】 複数の異なる色のインクを使用して画素ごと
にカラー画像の記録を行なうようにしたカラーインクジ
ェット記録方法において、単位画素が浸透性の低いイン
クドットと浸透性の高いインクドットから成るドットマ
トリックスであることを特徴とするように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複数の異なる色のイ
ンクを使用して画素ごとにカラー画像の記録を行なうよ
うにしたインクジェット記録方法、および、カラー画像
の記録を行なうインクジェット記録装置に適用可能なカ
ラー画像処理方法およびその装置、これらのインクジェ
ット記録方法、カラー画像処理方法およびその装置を用
いたインクジェット記録装置に関するものである。特
に、電子写真複写機等で一般に使用されるゼログラフィ
ー用紙等の普通紙に色間で滲みのない良好な画像を記録
可能としたものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ノズルから液体のインク滴を吐
出して画像の記録を行なうインクジェットプリンタは、
装置の構成が簡単であるため、小型化が可能であるとと
もに安価に製造することができ、しかもレポート用紙や
コピー用紙等の普通紙にも白黒およびカラーの画像を記
録可能であるという特徴と有している。
【0003】従来のインクジェットプリンタは、圧電素
子や電気熱変換素子等からなる吐出エネルギー発生体を
吐出駆動源として、ノズルからインク滴を吐出させて飛
翔させ、図52に示すように、専用の記録紙以外にも、
レポート用紙やコピー用紙等の普通紙、フィルム、布等
からなる被記録媒体100にインク101を付着吸収さ
せて、画像の記録を行なうことが可能な装置であり、低
騒音で且つ特別な定着処理を行なうことなく白黒ばかり
かフルカラーの画像記録を行なうことができるように構
成されている。
【0004】ところで、上記インクジェットプリンタに
おいてフルカラーの画像記録を行なうには、インクの被
記録体への吸収・定着を良好とし、高画質の画像を得る
ために、表面にSiO2 やCaO等の微粒子を親水性の
バインダー内に分散させたものを記録原紙上に塗布し、
コート層としたインクジェット記録専用の記録紙を用い
ることが多く、一枚のプリントを得るためのコスト、い
わゆるランニングコストは高いものとなっていた。
【0005】一方、上記インクジェットプリンタにおい
て、専用の記録紙ではなく、電子写真複写機等で一般に
使用されるコピー用紙やレポート用紙等のインク吸収性
の良くない被記録媒体にフルカラーの画像記録を行なう
場合には、次のような問題点が生じる。すなわち、被記
録媒体としてインク吸収性の良くないコピー用紙やレポ
ート用紙等を用いた場合には、インクとして文字やライ
ン画像の画質が比較的良好な乾燥の遅いタイプのインク
を使用してフルカラーの画像記録を行なうと、図53に
示すように、被記録体100上に記録されたインク滴1
01が直ちに乾燥せずに、インク滴101が流動拡散し
てしまい、隣合って印字されたインク滴が互いにつなが
って、色の異なる隣合ったインク滴間でカラーブリーデ
イングと呼ばれる滲み出しが生じ、不本意に混色が生じ
てカラー画像の画質が劣化してしまうという問題点が生
じる。
【0006】また、上記被記録体としてインク吸収性の
良くないコピー用紙やレポート用紙等を用い、且つイン
クとして比較的乾燥・浸透の速いインクを使用した場合
には、フルカラー画像での色間の滲み出しは抑えること
が可能であるものの、図54に示すように、インク滴1
01が被記録媒体中にすぐ深く浸透してしまい用紙表面
に色材が残らないために、インク滴101の印字領域は
低濃度であって色再現性の範囲が狭く、しかもドットの
輪郭がそのまま残るため、文字・ライン画像の輪郭がぎ
ざぎざになり、画質劣化が大きいという問題点が生じ
る。
【0007】このように、上記従来のインクジェットプ
リンタにおいて、インクジェット記録専用の記録紙以外
のインク吸収の遅い被記録体を使用した場合には、フル
カラー画像と文字・ライン画像の両方を高画質化するこ
とは大変困難なことであるという問題点があった。その
ため、従来のインクジェット記録方法においては、被記
録体としてインクジェット記録専用の記録紙を使用しな
ければならず、一枚のプリントを得るためのコスト、所
謂ランニングコストが高いものとなり、インクジェット
記録装置が一般に広く普及するための1つの障害ともな
っていた。
【0008】そこで、上記の問題点を解決するために使
用可能な技術としては、次に示すように、数多くのもの
が既に提案されている。
【0009】まず、特開平4−355157号公報に開
示されたインクジェット記録装置の場合には、複数の異
なる色のインクを使用してカラー画像記録を行なうよう
にしたカラーインクジェット記録装置において、少なく
とも1つのインクの記録媒体への浸透性を他のインクの
浸透性と異なるようにインク組成を異にするように構成
したものである。
【0010】また、特開平4−364961号公報に開
示されたインクジェット記録装置の場合には、複数の記
録手段により異なる色のインクを用いてカラー画像記録
を行なうようにしたカラーインクジェット記録装置にお
いて、少なくとも1つのインクの記録媒体への定着性を
他のインクの定着性と異なるようにインク組成を異にす
るように構成したものである。さらに、この提案に係る
インクジェット記録装置の場合には、打ち込み順が先で
あるインクの記録媒体への定着速度を、後に打ち込まれ
るインクの定着速度よりも速くする構成をも含んでい
る。
【0011】さらに、上記インクジェットプリンタで
は、カラー画像の画質を優先し、カラーインクの速乾性
を高めて、カラーブリーデイングと呼ばれる色間滲みの
発生を防止し、良好なカラー画像の記録を可能とするた
め、インク中に特公昭62−11781号公報に示され
ているような界面活性剤や、本出願人が提案しているよ
うに酸化プロピレンと酸化エチレンとのブロック共重合
体(特開平4−325574号公報参照)をインクに添
加して、インクの浸透力を高めることが試みられてい
る。
【0012】一方、米国特許第5,168,552号明
細書に開示されたインクジェット式カラー図形印刷にお
ける色分離法方では、黒の印字濃度の低下を抑えるため
CMYからなるコンポジットブラックをK(黒)データ
に変換し、さらに、インクの化学的特性から最小間隔内
の黒インクを検出して、これをCMYによるコンポジッ
トブラックに戻して印刷している。
【0013】このように、速乾性のあるインクをすべて
の色に使用した場合には、図54に示すように、インク
が用紙の深さ方向へ多く浸透するため、用紙表面の印字
濃度が低下してしまいブラックインクで記録される文字
・ライン画像の画質が劣化してしまうため、シアン、マ
ゼンタ、イエローのカラーインクと、ブラックのインク
とを併用するカラーインクジェットプリンタにおいて
は、特に高い印字濃度の文字を記録する必要性から、ブ
ラックインクのみは浸透性の低いものを使用しているの
が実情である。
【0014】本願は優先権を主張しているが、優先権の
主張の基礎となる出願の出願日以後に公開された国際公
開WO93/24330号に開示されているカラーイン
クジェット記録方法では、20℃の表面張力が40dy
n/cm未満である複数のカラーインクと、20℃の表
面張力が40dyn/cm以上であるブラックインクと
を用い、黒の印字領域であって、カラー部分と接する領
域においては、まず、少なくとも一色のカラーインクを
印字し、その後ブラックインクを印字し、にじみの少な
い、シャープで鮮明なカラー画像を得ている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
の場合には、次のような問題点を有している。特開平4
−355157号公報のインクジェット記録装置に示さ
れる程度の浸透性の違いでは、異色画像領域間の滲みの
ないカラー画像とシャープな画像の両立には限界があ
る。
【0016】また、上記特開平4−364961号公報
に開示されたインクジェット記録装置に開示されている
ように、少なくとも1つのインクの記録媒体への定着性
を他のインクの定着性と異なるようにインク組成を異に
し、打ち込み順が先であるインクの記録媒体への定着速
度を、後に打ち込まれるインクの定着速度よりも速くす
るように構成した場合には、既に記録されている部分と
されていない部分に対して、後に打ち込まれる定着速度
の遅いインクの浸透速度が大きく異なるため、インク
は、既に記録されている領域に不均一に引かれて、色間
滲みを起こすという問題点があることが本発明者らの実
験で明らかになった。この後に打ち込まれる定着速度の
遅いインクが既に記録されている領域に不均一に引かれ
て色間滲みを起こす現象は、定着速度の遅いインクの境
界の数ドットに限って発生するものではなく、定着速度
の遅いインクで記録される領域全体の現象として発生す
る。さらに、後に打ち込まれる定着速度の遅いインクが
既に記録されている領域に不均一に引かれてしまうた
め、定着速度の遅いインクによる記録領域内に濃度の薄
い領域が発生し、画質がさらに低下するという問題もあ
る。
【0017】さらに、上記従来のインクジェットプリン
タにおいて、カラーインクとして浸透性の高いインクを
使用する一方、ブラックインクとして浸透性の低いイン
クを使用した場合には、浸透性の高いインクの画像領域
と浸透性の低いインクの画像領域とが普通紙上で接する
と、図53に示すように、浸透性の低いインクが浸透性
の高いインクの画像領域内へ拡散してブラックインクと
カラーインクとの間に色の混じり合い(滲み)が生じ、
画質の低下を引き起こすという問題点を生じていた。
【0018】そこで、この発明は、上記従来技術の問題
点を解決するためになされたもので、その目的とすると
ころは、インクジェット記録専用の特殊な記録紙を用い
ることなく、コピー用紙等の普通紙においても高濃度か
つエッジのシャープな文字等の画像の記録を実現しつ
つ、異色画像間における色滲みの発生を防止可能なイン
クジェット記録方法、カラー画像処理方法およびその装
置、および、これらのインクジェット記録方法、カラー
画像処理方法およびその装置を用いたインクジェット記
録装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、複数の異なる色のインク
を使用して画素ごとにカラー画像の記録を行なうように
したカラーインクジェット記録方法において、単位画素
が浸透性の低いインクドットと浸透性の高いインクドッ
トとから成るドットマトリックスであることを特徴とす
るように構成したものである。
【0020】また、前記単位画素は、例えば、浸透性の
低いインクドットと、この浸透性の低いインクドットに
隣接する浸透性の高いインクドットとから成るドットマ
トリックスである。
【0021】さらに、前記単位画素における前記浸透性
の低いインクドットの数に対する前記浸透性の高いイン
クドットの数の比率は、例えば、50〜200%に設定
される。
【0022】また更に、前記単位画素は、例えば、浸透
性の低いインクドットと浸透性の高いインクドットとを
重ねたインクドットと、インクの打たれていない空きド
ットとから成るドットマトリックスである。
【0023】更に、前記単位画素における前記浸透性の
低いインクドットと前記浸透性の高いインクドットとを
重ねたインクドットの数に対するインクの打たれていな
い空きドットの数の比率は、例えば、0〜100%に設
定される。
【0024】さらに又、前記浸透性の低いインクとして
は、例えば、ブラックインクが用いられる。
【0025】さらに、前記浸透性の低いインクの明度が
前記浸透性の高いインクの明度よりも低くなるように構
成される。
【0026】また、前記浸透性の低いインクドットと前
記浸透性の高いインクドットとから成るドットマトリッ
クスである単位画素が互いに異なる色の画像領域の境界
に存在するように構成しても良い。
【0027】また更に、前記単位画素が線画像、または
文字画像の一部であるように構成される。
【0028】さらに、前記浸透性の低いインクの吸収係
数(Ka)が0.5ml/m2 ・ms1/2 以下、濡れ時
間(Tw)が50〜200msecであり、前記浸透性
の高いインクの吸収係数(Ka)が1.0ml/m2
ms1/2 以上、濡れ時間(Tw)が20msec以下で
あるように構成される。
【0029】また、請求項11に記載の発明は、浸透性
の低い黒のインクと浸透性の高いカラーのインクを用い
てカラー画像の記録を行なう際に、カラー画像に処理を
施すカラー画像処理方法であって、黒のインク滴で印字
すべき部分の一部を、カラーのインク滴による印字に置
き換えて印字を行なうように、黒の画像データの一部を
カラーの画像データに変換することを特徴とするように
構成したものである。
【0030】また、請求項12に記載の発明は、浸透性
の低い黒のインクと浸透性の高いカラーのインクを用い
てカラー画像の記録を行なう際に、カラー画像に処理を
施すカラー画像処理装置であって、黒のインク滴で印字
すべき部分の一部を、カラーのインク滴による印字に置
き換えて印字を行なうように、黒の画像データの一部を
カラーの画像データに変換する画像データ変換手段を有
することを特徴とするように構成したものである。
【0031】また、請求項13に記載の発明は、浸透性
の低い黒のインクと浸透性の高いカラーのインクを用い
てカラー画像の記録を行なう際に、カラー画像に処理を
施すカラー画像処理方法であって、黒のインク滴で印字
すべき部分の一部を、黒のインク滴とカラーのインク滴
の重ね合わせによる印字に置き換えて印字を行なうよう
に、黒の画像データの一部がカラーの画像データともな
るように変換することを特徴とするように構成したもの
である。
【0032】また、請求項14に記載の発明は、浸透性
の低い黒のインクと浸透性の高いカラーのインクを用い
てカラー画像の記録を行なう際に、カラー画像に処理を
施すカラー画像処理装置であって、黒のインク滴で印字
すべき部分の一部を、黒のインク滴とカラーのインク滴
の重ね合わせによる印字に置き換えて印字を行なうよう
に、黒の画像データの一部がカラーの画像データともな
るように変換する画像データ変換手段を有することを特
徴とするように構成したものである。
【0033】また、請求項15に記載の発明は、複数の
異なる色のインクを使用して画素ごとにカラー画像の記
録を行なうようにしたカラーインクジェット記録方法に
おいて、浸透性の低いインクと浸透性の高いインクを用
い、前記浸透性の低いインクを用いて印字すべき部分の
一部を前記浸透性の高いインクによる印字に置き換えて
印字を行なうように前記浸透性の低いインクを用いて印
字すべき画像データを変換し、前記浸透性の低いインク
を打った後に前記浸透性の高いインクを打つことを特徴
とするように構成したものである。
【0034】また、請求項16に記載の発明は、複数の
異なる色のインクを使用して画素ごとにカラー画像の記
録を行なうようにしたカラーインクジェット記録方法に
おいて、浸透性の低いインクと浸透性の高いインクを用
い、前記浸透性の低いインクを用いて印字すべき部分の
一部を前記浸透性の高いインクによる印字に置き換えて
印字を行なうように前記浸透性の低いインクを用いて印
字すべき画像データを変換し、前記浸透性の高いインク
を打った後に前記浸透性の低いインクを打つことを特徴
とするように構成したものである。
【0035】また、請求項17に記載の発明は、複数の
異なる色のインクを使用して画素ごとにカラー画像の記
録を行なうようにしたカラーインクジェット記録方法に
おいて、浸透性の低いインクと浸透性の高いインクを用
い、前記浸透性の低いインクを用いて印字すべき部分の
一部を前記浸透性の低いインクと前記浸透性の高いイン
クの重ね合わせによる印字に置き換えて印字を行なうよ
うに前記浸透性の低いインクを用いて印字すべき画像デ
ータを変換し、前記浸透性の低いインクを打った後に前
記浸透性の高いインクを打つことを特徴とするように構
成したものである。
【0036】また、請求項18に記載の発明は、複数の
異なる色のインクを使用して画素ごとにカラー画像の記
録を行なうようにしたカラーインクジェット記録方法に
おいて、浸透性の低いインクと浸透性の高いインクを用
い、前記浸透性の低いインクを用いて印字すべき部分の
一部を前記浸透性の低いインクと前記浸透性の高いイン
クの重ね合わせによる印字に置き換えて印字を行なうよ
うに前記浸透性の低いインクを用いて印字すべき画像デ
ータを変換し、前記浸透性の高いインクを打った後に前
記浸透性の低いインクを打つことを特徴とするように構
成したものである。
【0037】また、請求項19に記載の発明は、複数の
異なる色のインクを使用して画素ごとにカラー画像の記
録を行なうインクジェット記録装置において、浸透性の
低いインクにより印字を行なう1つの印字ヘッドと、浸
透性の高いインクによりそれぞれ異なる色の印字を行な
う3つの印字ヘッドと、請求項1〜10,15〜18の
いずれか1項に記載のインクジェット記録方法により、
または、請求項11または13のいずれか1項に記載の
カラー画像処理方法あるいは請求項12または14のい
ずれか1項に記載のカラー画像処理装置によって変換さ
れた画像データに従って、前記4つの印字ヘッドで印字
を行なうように制御する制御手段を有することを特徴と
するものである。
【0038】また、請求項20に記載の発明は、複数の
異なる色のインクを使用して画素ごとにカラー画像の記
録を行なうインクジェット記録装置において、浸透性の
低いインクにより印字を行なう第1の印字ヘッドと、浸
透性の高い複数のインクによりそれぞれ異なる色の印字
を行なう部分が直列に配置された第2の印字ヘッドと、
請求項1〜10,15〜18のいずれか1項に記載のイ
ンクジェット記録方法により、または、請求項11また
は13のいずれか1項に記載のカラー画像処理方法ある
いは請求項12または14のいずれか1項に記載のカラ
ー画像処理装置によって変換された画像データに従っ
て、前記第1の印字ヘッドおよび前記第2の印字ヘッド
によって印字を行なうように制御する制御手段を有する
ことを特徴とするものである。
【0039】
【作用】この発明によれば、単位画素が浸透性の低いイ
ンクドットと浸透性の高いインクドットとから成るドッ
トマトリックスであるため、単位画素内の浸透性の低い
インクと浸透性の高いインクが互いに拡散混合し、一画
素全体としては高いインクの浸透性が保持され、この結
果浸透性の高いインクのみからなる画素領域が接して存
在しても拡散して色の混じり合い(滲み)が生じること
がない。このとき、浸透性の低いインクドットの四方を
浸透性の高いインクドットで隣接するようにドットマト
リクスを構成することにより、瞬時に2種類のインクを
混合させることが可能となる。また、黒画質を許容範囲
に保つには、浸透性の低いブラックインクの比率を可能
な限り大きくすることが可能となる。我々の研究の結
果、浸透性の低いインクドットに対する浸透性の高いイ
ンクドットの比率50〜200%が上記を満たす範囲で
あることが判明した。更に、上記単位画素を浸透性の低
いインクドットと、浸透性の高いインクドットとを重ね
たインクドットとインクの打たれていない空きドットか
ら成る場合にも同様に、重ねたインクドットに対する空
きインクドットの比率0〜100%が色間滲みや白い点
が生じる等の画質劣化を抑え、許容範囲の画質を得られ
る条件であることが判明した。
【0040】また、浸透性の低い黒のインクと浸透性の
高いカラーのインクを用いてカラー画像の記録を行なう
際に、カラー画像に処理を施すカラー画像処理方法にお
いて、黒のインク滴で印字すべき部分の一部を、カラー
のインク滴による印字に置き換えて印字を行なうよう
に、黒の画像データの一部をカラーの画像データに変換
するように構成されているため、変換後の画像データに
従って印字すれば、上述のように隣接画素の浸透性の低
いインクと浸透性の高いインクが互いに拡散混合し、一
画素全体としては高いインクの浸透性が保持され、この
結果浸透性の高いインクのみからなる画素領域が接して
存在しても拡散して色の混じり合い(滲み)が生じるこ
とがない。このとき、浸透性の低いインクドットの周囲
に浸透性の高いインクドットが隣接するように印字する
ことにより、瞬時に2種類のインクを混合させることが
可能となる。
【0041】また、黒画質を許容範囲に保つには、黒の
インク滴で印字すべき部分の一部を、浸透性の低い黒の
インク滴と浸透性の高いカラーのインク滴の重ね合わせ
による印字に置き換えて印字を行なうようにすることに
より、黒の画像をより一層鮮明に記録することが可能な
画像データに変換することができる。
【0042】また、この発明の請求項12および14に
記載の発明によれば、上記の如く画像データの変換を行
なう画像処理装置をも併せて提供することが可能とな
る。
【0043】上述のように浸透性の低いインクを用いて
印字すべき部分の一部に、浸透性の低いインクによるド
ットに隣接して、あるいは、重ねて、浸透性の高いイン
クを用いて印字することによって滲み等を防ぐことがで
きるが、隣接して、あるいは、重ねて印字する浸透性の
低いインクと浸透性の高いインクの印字順序としては、
浸透性の低いインクを打った後に前記浸透性の高いイン
クを打ってもよいし、あるいは、浸透性の高いインクを
打った後に前記浸透性の低いインクを打ってもよい。浸
透性の低いインクを打った後に前記浸透性の高いインク
を打つ場合には、先に打たれた浸透性の低いインクが、
後で打たれる浸透性の高いインクとともに急速に記録紙
に浸透し、あたかも高い浸透性を有するごとく定着す
る。また、浸透性の高いインクを打った後に前記浸透性
の低いインクを打つ場合には、先に打たれた浸透性の高
いインクが記録紙に浸透しているため、記録紙表面の状
態が変化しており、何も記録していない状態と比べてイ
ンクの浸透性が向上している。そのため、後で浸透性の
低いインクを打ってもすぐに浸透するので、色境界など
での混色による滲みを最小限に抑えることができる。
【0044】上述のようなインクジェット記録方法、カ
ラー画像処理方法およびその装置は、例えば、浸透性の
低いインクにより印字を行なう1つの印字ヘッドと、浸
透性の高いインクによりそれぞれ異なる色の印字を行な
う3つの印字ヘッドの4つの印字ヘッドを用いて記録を
行なうインクジェット記録装置に適用することができ
る。あるいは、浸透性の低いインクにより印字を行なう
第1の印字ヘッドと、浸透性の高い複数のインクにより
それぞれ異なる色の印字を行なう部分が直列に配置され
た第2の印字ヘッドとを用いて記録を行なうインクジェ
ット記録装置に適用することができる。
【0045】ここで、インクの浸透性とは、吸収係数
(Ka)、インク濡れ時間(Tw)によって表される。
上記吸収係数(Ka)、インク濡れ時間(Tw)は、J
apan Tappi 紙パルプ試験方法 No.51
−87に従ってBristowTesterにより測定
される。測定は、図55に模式的に示すように、ヘッド
ボックスに一定量のインクを入れ、インクを回転可能な
円筒の周囲に張り付けられた紙に転移させ転移量を求め
る。円筒の回転速度を変えることにより、接触時間0.
004〜2秒間の転移量が測定できる。接触時間と転移
量との関係をグラフの一例を図56に示す。ここでは、
接触時間をスケールを時間の平方根で示してある。この
グラフの傾きが吸収係数(Ka)となり、接触時間0s
ecのときのインク転移量を粗さ係数(Vr)と呼び、
紙表面の凹凸に入るインクの量を表している。また、接
触初期にはインクの吸収が起こらない時間(Tw)があ
り、この部分をインク濡れ時間と呼んでいる。紙がイン
クによって濡れるのに要する時間である。
【0046】また、吸収係数(Ka)は、Rucas−
Washbornの式(下記の式)を吸収時間(t)を
パラメータにしたときの係数と一致する。
【0047】 V=(ε/τ)√{(rcosθ)・γt/2η} ここで、V:単位時間当たりのインク吸収量 ε:紙の空隙率 τ:紙表面の毛細管の屈曲率 r:紙表面の毛細管径 cosθ:紙とインクの接触角 γ:インクの表面張力 t:インクの吸収時間 η:インク粘度 である。
【0048】すなわち、インク吸収係数(Ka)は紙表
面の状態、インクの物性、それにインクと紙の濡れ性に
よって決まる。
【0049】加熱や電磁波照射等により、被記録媒体で
ある紙の構成材料の状態の変化、例えば、繊維の収縮
率、空隙率、孔径等の変化により、インク吸収係数(K
a)が大きくなる。また、紙に付着したインクの温度が
瞬間的に上昇し、インク粘度ηが小さくなることによっ
てもインク吸収係数(Ka)が大きくなる。一方、イン
ク濡れ時間(Tw)はインクと紙の濡れ性、すなわち紙
とインクの接触角とインクの表面張力に影響を受ける。
このインク濡れ時間(Tw)は、インクと用紙そのもの
によってほぼ決定される。
【0050】
【実施例】以下にこの発明を図示の実施例に基づいて説
明する。
【0051】図1はこの発明に係るインクジェット記録
方法を適用し得るインクジェット記録装置の一実施例を
示すものである。
【0052】同図において、1は記録ヘッドを示すもの
であり、この記録ヘッド1は、ブラック、シアン、マゼ
ンタ、イエローの4色に対応した4つの記録部1a、1
b、1c、1dを備えている。これらの記録部1a、1
b、1c、1dは、ヘッド1の下端面(図1中)に設け
られたノズルからブラック、シアン、マゼンタ、イエロ
ーの各色のインクをそれぞれ画像情報に応じて吐出する
ことにより、被記録媒体としての記録用紙2上に画像の
記録を行なうものである。また、上記記録ヘッド1の各
記録部1a、1b、1c、1dの上部には、ブラック、
シアン、マゼンタ、イエローの各色のインクを収容した
インクタンク3、4、5、6がそれぞれ一体的に取付け
られているとともに、これらの各記録部1a、1b、1
c、1dには、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー
の各色のカラー画像データを、2値化してドットパター
ンに展開し生成されたヘッド駆動信号を伝達するための
給電信号ケーブル7が接続されている。
【0053】さらに、上記記録ヘッド1は、ヘッドキャ
リッジ8に固定されており、このヘッドキャリッジ8
は、2本のガイドロッド9に主走査方向に沿って摺動自
在に取付けられている。また、上記ヘッドキャリッジ8
には、タイミングベルト10の端部が接続されており、
このタイミングベルト10は、駆動モータ11によって
回転駆動される駆動プーリ12に巻回されている。そし
て、上記インクジェト記録装置は、駆動モータ11を所
定のタイミングで回転駆動することによって、タイミン
グベルト10を介してヘッドキャリッジ8を主走査方向
に沿って移動させることにより、当該ヘッドキャリッジ
8に固定された記録ヘッド1によって記録用紙2上に所
定の色の画像を記録するようになっている。なお、上記
記録ヘッド1の各記録部1a、1b、1c、1dには、
例えば、ヘッドキャリッジ8の走査方向と直角方向に配
列された256個のノズルが、1インチ当たり400個
の密度で1列に設けられている。
【0054】また、上記記録ヘッド1の下方には、図示
しない薄い金属の平板等からなるプラテンが固定状態に
配置されており、このプラテン上を記録用紙2が図示し
ない紙送り用の搬送ローラーによって所定のタイミング
で矢印方向に沿って搬送されるようになっている。
【0055】さらに、上記インクタンク3、4、5、6
には、順に浸透性の低いブラックインクと、浸透性の高
いシアン、マゼンタ、イエローのカラーインクが充填さ
れ、それぞれ対応する記録ヘッド1の各記録部1a、1
b、1c、1dに、ブラック、シアン、マゼンタ、イエ
ローの各色のインクを供給するように構成されている。
【0056】そして、上記インクジェット記録装置にお
いては、駆動モータ11によりヘッドキャリッジ8を図
1の左側から右方へ移動させヘッドキャリッジ8に固定
された記録ヘッド1を走査しながら、記録ヘッド1から
インクを吐出して記録用紙2上に画像の記録を行なう。
このとき、カラー画像データをドットパターンに展開し
たドットデータによって記録ヘッド1の駆動回路が駆動
され、1ライン分の記録が完了すると、図示しない紙送
り用の搬送ローラーにより記録用紙2が1ライン分だけ
送られる。この間に記録ヘッド1は、再び図1の左側に
戻され次の記録を開始する。
【0057】ところで、この実施例では、記録ヘッド1
の各記録部1a、1b、1c、1dが記録を行なう単位
画素が、浸透性の低いインクドットと浸透性の高いイン
クドットとから成るドットマトリックスであるように構
成されている。ここで、浸透性の低いインクドットとし
ては、例えば、ブラック色のインクからなるものが用い
られ、浸透性の高いインクドットとしては、例えば、シ
アン、マゼンタ、イエロー等のカラーインクからなるも
のが用いられる。さらに、上記浸透性の低いインクとし
ては、その吸収係数(Ka)が0.5ml/m2 ・ms
1/2 以下、濡れ時間(Tw)が50〜200msecの
ものが用いられるとともに、浸透性の高いインクとして
は、その吸収係数(Ka)が1.0ml/m2 ・ms
1/2 以上、濡れ時間(Tw)が20msec以下のもの
が用いられる。
【0058】このようなインクとしては、例えば、図2
に示すような組成および特性のものが用いられる。ま
た、これらのインクによって画像の記録が行なわれる記
録用紙2としては、図3に示すような特性を有するコピ
ー用紙である富士ゼロックス社製のL紙が用いられる。
【0059】また、この実施例では、図4に示すよう
に、単位画素20が4×4のドットマトリックス21か
ら構成されている。しかし、上記単位画素20として
は、これに限定されるものではなく、2×2あるいは3
×3、3×4、8×8等他のドットマトリックス21か
ら構成されるものであっても勿論良い。
【0060】具体例1 図5はこの発明に係るインクジェット記録方法の一実施
例を示すものである。この具体例1は、図5に示すよう
に、ブラック色の画像22とシアン色の画像23とが隣
接する場合、すべてシアンのインクドット24を印字し
た色画像領域23に、ブラックとシアンのインクドット
24、25を縦横とも交互に同数づつ配置した色画像領
域22を隣接させたものである。すなわち、この具体例
1では、浸透性の低いインクドットからなるブラック色
のインクドット25の隣に、浸透性の高いインクドット
からなるシアン色のインクドット24を印字するように
構成されている。そのため、浸透性の低いブラック色の
インクからなるインクドット25は、図6に示すよう
に、隣接して印字される浸透性の高いシアン色のインク
ドット24と混合されるが、その結果、浸透性の低いブ
ラック色のインクドット25は、浸透性の高いシアン色
と同等の浸透性となるため、ブラック色の画像領域22
とシアン色のインクドット24の間には、色間の滲みが
発生しない。しかも、背景部に色画像のない文字やライ
ン画像は、浸透性の低いブラック色のインクドット25
のみによって印字されるため、記録用紙2上でブラック
色のインクドット25が互いにつながり、エッジおよび
直線性に優れた良好な画像を記録することができた。
【0061】なお、上記ブラックの画像領域22は、ブ
ラックとシアンを混合した色となるため、ブラック色が
やや青みを帯びた色となるが、異色間の境界領域での滲
み(色間滲み)は発生しなかった。また、カラーインク
を背景とするブラックの文字とラインの画質は良好であ
った。ブラックとシアンのインクドット25、24を縦
横とも交互に同数づつ配置した色画像が白地に形成した
ものを図7に示す。図8(A)に示すように、滲みのな
い速乾性のある記録が可能であった。なお、図5〜12
では境界部の隣接する単位画素のみを図示した。
【0062】具体例2 この具体例2では、具体例1とインクドットの配置は類
似するが、シアンドットの比率を具体例1よりも高めた
ものである。すなわち、この具体例2では、図8(A)
に示すように、4×4=16の単位画素において、ブラ
ック色のドットが6に対してシアン色のドットを10ド
ット印字するように構成したものである。
【0063】この具体例2では、ブラック色の画像領域
がさらに青みを帯びるが許容できる範囲にあり、色間滲
みは発生しない。また、カラーインクを背景とするブラ
ックの文字とラインの画質は良好であった。
【0064】具体例3 この具体例3は、具体例1とインクドットの配置は類似
するが、ブラックドットの比率を具体例1よりも更に高
めたものである。すなわち、この具体例3では、図8
(A)に示すように、4×4=16の単位画素におい
て、ブラック色のドットが12に対してシアン色のドッ
トを8ドット印字し、そのうちブラックドットの印字を
一部シアンドットと重なるように構成したものである。
【0065】この具体例3では、ブラック色の青みはか
なり抑制され、色間滲みは発生しない。また、シアン色
を背景とするブラックの文字とラインの画質は良好であ
った。
【0066】具体例4 この具体例4は、図9に示すように、具体例1のシアン
ドットをシアン、マゼンタ、イエローに置き換えた例で
あり、図8(B)の結果に示すように滲みは具体例1の
結果と同様に良好であり、更に黒色が具体例1よりも改
善されていた。カラー画像を背景とするブラックの文字
とラインの画質は良好であった。
【0067】具体例5 この具体例5は、具体例4のインクドットの配置は類似
するが、図8(B)に示すように、カラーインクドット
の比率を高めたものである。ブラック色の色目は改善さ
れ、色間滲みは発生しなかった。また、具体例4と同様
に、カラー画像を背景とするブラックの文字とラインの
画質は良好であった。
【0068】比較例1 この比較例1は、具体例1とインクドットの配置は類似
するが、ブラックのインクドットの比率を高めたもので
ある。この比較例1では、図8(A)に示すように、色
間滲みが生じ、シアンを背景とするブラックの文字とラ
インの画質は許容できないものであった。
【0069】比較例2 この比較例2は、比較例1と逆にシアンのインクドット
の比率を高めたものである。この比較例2では、図8
(A)に示すように、色間滲みはないが、ブラックの青
みが強くブラックとは認められなかった。
【0070】比較例3 この比較例3は、具体例4並びに具体例5とインクドッ
トの配置は類似するが、ブラックインクのドット比を高
めたものである。この比較例3では、図8(B)に示す
ように、色間滲みが生じ、カラーを背景とするブラック
の文字とラインの画質は許容できないものであった。
【0071】比較例4 この比較例4は、比較例3とは逆にカラーのインクドッ
トの比率を高めたものである。この比較例4では、図8
(B)に示すように、色間滲みは生じないが、ブラック
の文字とラインの画質そのものがは許容範囲にはいらな
いものであった。
【0072】更に、浸透性の低いインクドットと浸透性
の高いインクドットとを重ねたインクドットと、打たれ
ていない空きドットからなるドットマトリックスを用い
た場合を具体例6以下で説明する。
【0073】具体例6 この具体例6は、図10(B)に示すように、ブラック
のインクドット25とシアンのインクドット24の重な
ったインクドット26を、図10(A)に示すように縦
横とも1ドットおきに配置し、その間はインクドット2
6のない空きドットとしたものである。印字品質は、図
8(C)に示すように、具体例1と同様であった。ま
た、異色領域を隣接させず、ブラックとシアンの重なっ
たインクドットを縦横とも1ドットおきに配置し、その
間はインクドットのない空きドットからなるドットマト
リックスの画像を白地に形成したものを図11に示す。
滲みのない速燥性のある記録が可能であった。図10
(B)では、ブラックのインクドット25を先に記録
し、シアンのインクドット24を後で記録しているが、
逆に、シアンのインクドット24を先に記録し、ブラッ
クのインクドット25を後で記録しても、同様の効果を
得ることができた。
【0074】比較例5 この比較例5は、具体例6に対して、ブラックのインク
ドットとシアンのインクドットはそれぞれ6ドットであ
り、図12に示すように、一部にインクドットの不測
(W)が生じて、ラインなどの断線、均一なパターンが
質の劣化が生じた。
【0075】上述の説明では、ブラックの印字領域の印
字ドットパターンについて説明した。以下、これらの印
字ドットパターンを作成するための画像処理について説
明する。以下の説明においても、ブラックのインクとし
て浸透性の低いインクを用い、カラーのインクとして浸
透性の高い、シアン、マゼンタ、イエローの各色を用い
る場合について説明する。
【0076】上述のように、ブラックの記録領域にシア
ンや、シアン、マゼンタ、イエローなどの各色を印字す
るために、ブラックのインク滴で印字すべき部分の一部
をカラーのインク滴による印字に置き換えて印字するよ
うに構成する。そのため、例えば、図13に示す変換規
則に従って、縦横とも4画素の大きさのブラックのベタ
の印字を変換する。すると、図14(A)のような入力
画像が図14(B)のような印字になる。この場合に
は、図15(A)〜(D)に示すような4×4のフィル
ターを用いる。なお、図13に示す変換規則は、ブラッ
クのインク滴で印字すべき部分の一部を、シアン、マゼ
ンタ、イエローのインク滴による印字に置き換えて印字
を行なうように、ブラックの画像データの一部をシア
ン、マゼンタ、イエローの画像データに変換するための
ものである。そのため、図13に示す変換規則は、4×
4=16のマトリックスを既知の面積階調法を用いて所
定の順番に従って印字する場合に、1番目〜8番目に印
字すべきドットをそのままブラックとし、9番目〜16
番目に印字すべきドットをシアン、マゼンタ、イエロー
の順に置き換えたものである。しかし、これに限定され
るものではなく、9番目以降のドットを3つのシアンド
ットと、3つのマゼンタドットと、2つのイエロードッ
トに置き換えたり、他の色のドットの組み合わせ或いは
すべて同一の色のドット等に置き換えるように構成して
も良い。上述のように、マトリックスの大きさは4×4
に限定されない。そのため、フィルターは設定されたマ
トリックスの大きさに応じて決めればよい。
【0077】図16はこの実施例に係るカラー画像処理
方法を適用したカラー画像処理装置の一実施例を示すブ
ロック図である。
【0078】図において、30は「0」「1」の2値で
入力されるブラックの入力画像データ、31は同じく
「0」「1」の2値で入力されるシアンの入力画像デー
タ、32は同じく「0」「1」の2値で入力されるマゼ
ンタの入力画像データ、33は同じく「0」「1」の2
値で入力されるイエローの入力画像データをそれぞれ示
すものである。
【0079】また、34は入力画像を4×4のドットマ
トリックスごとに分割した際に、各4×4のドットマト
リックスのそれぞれドット(i,j)において、ブラッ
クのドットに対して他の色に置き換えるドットを予め記
憶したブラック画像用のフィルター、35は入力画像を
4×4のドットマトリックスごとに分割した際に、各4
×4のドットマトリックスのそれぞれドット(i,j)
において、ブラックのドットのうちシアンに置き換える
べきドットを予め記憶したシアン画像用のフィルター、
36は入力画像を4×4のドットマトリックスごとに分
割した際に、各4×4のドットマトリックスのそれぞれ
ドット(i,j)において、ブラックのドットのうちマ
ゼンタに置き換えるべきドットを予め記憶したマゼンタ
画像用のフィルター、37は入力画像を4×4のドット
マトリックスごとに分割した際に、各4×4のドットマ
トリックスのそれぞれドット(i,j)において、ブラ
ックのドットのうちイエローに置き換えるべきドットを
予め記憶したイエロー画像用のフィルターをそれぞれ示
すものである。これらの各色のフィルター34〜37
は、例えば、予め所定のデータが記憶されたROMによ
って構成される。
【0080】さらに、38はブラック、シアン、マゼン
タ、イエローの1ページ分の各入力画像データのドット
位置(i,j)を示すパラメータであり、iは横方向の
画像のドット位置を、jは縦方向の画像のドット位置を
それぞれ示すものである。ここでは、この入力画像デー
タのドット位置(i,j)を示すパラメータ38は、入
力画像データの全体を4×4のドットマトリクスに分割
する必要上から、入力画像データのドット位置(i,
j)は、2進数で表現されており、この2進数で表現さ
れた入力画像データのドット位置(i,j)は、実際の
入力画像データのドット位置(i,j)を4で割った余
りを示す値となっている。その結果、実際にパラメータ
38として使用される入力画像データのドット位置
(i,j)は、実際の入力画像データのドット位置
(i,j)を4で割った余りを示す値とするために、2
進数で表現された入力画像データのドット位置(i,
j)の下位の2ビットの値のみが使用されている。例え
ば、いま考えている実際の入力画像データのドット位置
(i,j)が(5,5)であれば、これを2進数で表現
した入力画像データのドット位置(0000101,0
000101)の下位の2ビット(01,01)の値の
みが、実際のパラメータ38として使用されている。
【0081】また、39はブラックの入力画像データ3
0とブラック画像用のフィルター34の出力データとの
論理積をとるAND回路、40はブラックの入力画像デ
ータ30とシアン画像用のフィルター35の出力データ
との論理積をとるAND回路、41はブラックの入力画
像データ30とマゼンタ画像用のフィルター36の出力
データとの論理積をとるAND回路、42はブラックの
入力画像データ30とイエロー画像用のフィルター37
の出力データとの論理積をとるAND回路、43はAN
D回路40とシアンの入力画像データ31との論理和を
とるOR回路、44はAND回路41とマゼンタの入力
画像データ32との論理和をとるOR回路、45はAN
D回路42とイエローの入力画像データ33との論理和
をとるOR回路をそれぞれ示すものである。
【0082】そして、46は上記AND回路39からの
ブラックの出力画像データ、47は上記OR回路43か
らのシアンの出力画像データ、48は上記OR回路44
からのマゼンタの出力画像データ、49は上記OR回路
45からのイエローの出力画像データをそれぞれ示すも
のである。これらのブラック、シアン、マゼンタ、イエ
ローの各出力画像データ46〜49は、図1に示すよう
に、記録ヘッド1の対応する色の記録部1a、1b、1
c、1dに所定のタイミングでそれぞれ印加されるよう
になっている。
【0083】なお、上記ブラック、シアン、マゼンタ、
イエローの各入力画像データ30〜33の入力および各
出力画像データ46〜49の出力は、1ページ分の画像
データに対して、1ラインごとに行なうものであって
も、1ページごとに行なうものであってもどちらでも良
い。この場合には、必要に応じて、ブラック、シアン、
マゼンタ、イエローの各入力画像データ30〜33およ
び各出力画像データ46〜49を一時的に記憶するラッ
チ回路あるいはメモリ回路が用いられることは勿論であ
る。
【0084】以上の構成において、この実施例に係るイ
ンクジェット記録装置では、次のようにしてカラー画像
の記録が行なわれるようになっている。すなわち、上記
インクジェット記録装置には、外部の画像読取装置やホ
ストコンピュータ等からブラック、シアン、マゼンタ、
イエローの4色のカラー記録画像データ、つまりブラッ
ク、シアン、マゼンタ、イエローの各入力画像データ3
0〜33が送られてくる。すると、このインクジェット
記録装置は、外部から記録画像データが送られてくる
と、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色に対
応した各入力画像データ30〜33を、図16に示すよ
うなカラー画像処理装置において所定の画像処理を施す
ようになっている。
【0085】このカラー画像処理装置では、図16に示
すように、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各
色に対応した入力画像データ30〜33に対して、入力
画像データのビット位置(i,j)を示すパラメータ3
8に応じて、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの
各色に対応したフィルター回路34〜37によって、所
定のフィルター処理を施すとともに、このフィルター処
理後のデータと入力画像データ30〜33との論理積あ
るいは論理和をAND回路およびOR回路によって生成
し、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色に対
応した画像データ46〜49を出力するようになってい
る。
【0086】さらに、上記カラー画像処理装置における
画像処理動作について具体例に即して詳細に説明する。
【0087】まず、入力画像データ30〜33として、
図17(A)に示すように、シアンとマゼンタの画像
が、ブラックの斜めの直線と水平な直線によって仕切ら
れている8画素×8画素の画像50を考える。このカラ
ー画像の入力画像データをブラック、シアン、マゼンタ
の各画像データ30〜32に分解すると、図17(B)
〜(D)に示すようになる。因みに、図17(A)に示
す画像の場合には、イエローの画像はないため、イエロ
ーに対応した入力画像データ33は、全て“0”であ
る。
【0088】次に、図17(B)〜(D)に示すブラッ
ク、シアン、マゼンタおよび図示しない全て“0”のイ
エローの各入力画像データ30〜33は、カラー画像処
理装置において次のようにして画像処理が施される。上
記8画素×8画素のシアンの入力画像データ31は、ま
ず、そのビット位置(i,j)を示すパラメータ38
が、図18(B)に示すようなシアン用のフィルター3
5を介して、ブラックの画像データのうちシアンのドッ
トを印字すべき部分が求められる。このシアン用のフィ
ルター処理をされた出力データ51(図18(B))
は、AND回路40の一方に入力され、このAND回路
40の他方に入力されるブラックの入力画像データ30
(図18(A))の間で論理積が取られる。このAND
回路40の出力データ52(図18(C))は、図16
に示すように、シアンの入力画像データ31(図18
(D))との間でOR回路43によって論理和が生成さ
れ、図18(E)に示すようなシアンの出力画像データ
47が得られる。
【0089】また、上述したシアンの入力画像データ3
1と同様に、マゼンタおよびイエローの入力画像データ
32、33に対しても同様の画像処理が施される。すな
わち、入力画像データのビット情報(i,j)は、図1
9(B)又は図20(B)に示すようなマゼンタおよび
イエロー用のフィルター36、37を介して、ブラック
の画像データのうちマゼンタおよびイエローのドットを
印字すべき部分が求められる。このマゼンタおよびイエ
ロー用のフィルター36、37によって処理をされた出
力データ53、54(図19(B)又は図20(B))
は、AND回路41、42の一方に入力され、これらの
AND回路41、42の他方に入力されるブラックの入
力画像データ30(図19(A)又は図20(A))の
間で論理積が取られる。これらのAND回路41、42
の出力データ55、56(図19(C)又は図20
(C))は、図16に示すように、マゼンタおよびイエ
ローの入力画像データ32、33(図19(D)又は図
20(D))との間でOR回路44、45によって論理
和が生成され、図19(E)又は図20(E)に示すよ
うなマゼンタおよびイエローの出力画像データ48、4
9が得られる。
【0090】さらに、図17(B)に示すブラックの各
入力画像データ30は、カラー画像処理装置において次
のようにして画像処理が施される。上記8画素×8画素
のブラックの入力画像データ30は、そのビット位置
(i,j)を示すパラメータ38が、図21(B)に示
すようなブラック用のフィルター34を介して、ブラッ
クの画像データのうち他の色のドットで印字すべき部分
が求められる。このブラック用のフィルター処理をされ
た出力データ57(図21(B))は、AND回路39
の一方に入力され、このAND回路39の他方に入力さ
れるブラックの入力画像データ30(図21(A))の
間で論理積が取られる。このAND回路39の出力デー
タは、図16に示すように、ブラックの出力画像データ
46としてそのまま出力され、図21(C)に示すよう
なブラックの出力画像データ46が得られる。
【0091】このようにして、カラー画像処理装置によ
って所定の画像処理が施された画像データ46〜49が
得られる。これらのブラック、シアン、マゼンタ、イエ
ローの各出力画像データ46〜49は、図1に示すよう
に、記録ヘッド1の対応する色の記録部1a、1b、1
c、1dに所定のタイミングでそれぞれ印加され、記録
用紙2上に図22(A)に示すようなカラーの画像がイ
ンクドットによって記録されるようになっている。
【0092】以上の処理をすることにより、図13の変
換規則に従って浸透性の遅いブラックのインクで印字す
べき画像を、図22(B)に示すように、浸透性の遅い
ブラックのインクKと浸透性の速いシアン等のカラーの
インクCの組み合わせで印字することができ、ブラック
のインクKとカラーインクC等が混合されることによ
り、ブラック印字部のインクの浸透速度を速めることが
できる。そのため、ブラックの印字部分とカラーの印字
部分との境界部のインクの滲みを軽減させることがで
き、ブラックとカラーの間に混色滲みのない画像を記録
することが可能なカラー画像処理方法およびその装置を
提供することができる。
【0093】また、ブラックのインクとして浸透性の低
いインクを使用し、カラーのインクとして浸透性の高い
インクを使用しているので、普通紙においてもブラック
の高濃度かつエッジのシャープな画像を記録することが
できる。
【0094】図23はこの発明に係るカラー画像処理方
法の第2の実施例を示すものであり、前記実施例と同一
の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施例
では、入力画像データに対する画像処理をハード回路構
成によって行なうのではなく、ソフトウエア構成によっ
て実行するように構成されている。
【0095】すなわち、この実施例に係るカラー画像処
理装置では、図23に示すように、CPU60と、各色
の画像データを記憶する画像メモリ61と、各色の画像
に対応したフィルターデータを記憶したフィルターメモ
リ62と、所定のプログラム等を記憶したROM63と
を備えている。
【0096】この実施例に係るカラー画像処理装置で
は、次のようにして、入力画像データに対して所定の画
像処理が施されるようになっている。
【0097】まず、カラー画像処理動作の開始に伴っ
て、図24に示すように、ブラック、シアン、マゼン
タ、イエローの各色の入力画像データ30〜33のビッ
トに対応した(i,j)をそれぞれ0に設定した後(ス
テップ71)、(i,j)の位置の画素の画像データ
k,c,m,yを画像メモリ61から読み込む(ステッ
プ72)。次に、入力画像データ30〜33のビットに
対応した(i,j)によって決まるフィルター定数
k 、fc 、fm 、fy をフィルターメモリ62から読
み込む(ステップ73)。ここで、上記フィルターメモ
リ62に記憶されたフィルター定数fk 、fc 、fm
y としては、例えば、図25に示すように、8画素単
位のドットマトリックスに対応して16進法のブラッ
ク、シアン、マゼンタ、イエローの各色の画像フィルタ
ーの値を予め記録したものが用いられる。
【0098】その後、CPU60は、上記画像データ
k,c,m,yとフィルター定数fk、fc 、fm 、f
y の値から、論理積(AND)および論理和(OR)を
演算して、演算結果を順次画像メモリ61に書き込んで
いく(ステップ74)。さらに、パラメータiに対して
1を加えるとともに(ステップ75)、このiの値が所
定値m以上か否かを判別し(ステップ76)、iの値が
m以上の場合には、今度は、jの値に1を加えるととも
に、jの値が所定値n以上か否かを判別し(ステップ7
7)、n以下の場合には、上記の動作を繰り返す。
【0099】こうすることによって、前記実施例と同様
に、図18(E)、図19(E)、図20(E)、図2
1(C)に示すような出力画像データ46〜49が得ら
れる。
【0100】その他の構成および作用は、前記実施例と
同様であるので、その説明を省略する。
【0101】図26はこの発明に係るカラー画像処理方
法の第3の実施例を示すものであり、前記実施例と同一
の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施例
では、ブラックのインクドットを印字する画素を黒色と
カラーのインクドットの重ね合わせによる印字に置き換
える変換規則を用いるように構成されている。図26に
示す変換規則に従って、縦横とも4画素の大きさのブラ
ックのベタの印字を変換すると、図27(A)のような
入力画像が図27(B)のような印字になる。
【0102】この変換も、図16に示すようなハードウ
エアによって実現することができる。この場合には、図
28(A)〜(D)に示すような4×4のフィルターを
用いる。なお、図24に示すようなソフトウエアによっ
ても実現可能である。
【0103】実際の画像の変換の過程を8画素×8画素
の画像を例にとって説明する。まず、入力画像データ3
0〜33として、図29(A)に示すように、前記実施
例と同様シアンとマゼンタの画像が、ブラックの斜めの
直線と水平な直線によって仕切られている8画素×8画
素の画像50を考える。このカラー画像の入力画像デー
タをブラック、シアン、マゼンタの各画像データ30〜
32に分解すると、図29(B)〜(D)に示すように
なる。因みに、図29(A)に示す画像の場合には、イ
エローの画像はないため、イエローに対応した入力画像
データ33は、全て“0”である。
【0104】次に、図29(B)〜(D)に示すブラッ
ク、シアン、マゼンタの各入力画像データ30〜32
は、カラー画像処理装置において次のようにして画像処
理が施される。上記8画素×8画素のシアンの入力画像
データ31は、まず、そのビット位置(i,j)を示す
パラメータ38が、図30(B)に示すようなシアン用
のフィルター35を介して、ブラックの画像データのう
ちシアンのドットを印字すべき部分が求められる。この
シアン用のフィルター処理をされた出力データ51は、
AND回路40の一方に入力され、このAND回路40
の他方に入力されるブラックの入力画像データ30の間
で論理積が取られる。このAND回路40の出力データ
52は、図30(D)に示すように、シアンの入力画像
データ31との間でOR回路43によって論理和が生成
され、図30(E)に示すようなシアンの出力画像デー
タ47が得られる。なお、このシアンの出力画像データ
47は、図18(E)に示すシアンの出力画像データ4
7と比較して、ブラックの画像領域のうちシアンのイン
クドットによって印字すべき領域が異なっている。
【0105】また、上述したシアンの入力画像データ3
1と同様に、マゼンタおよびイエローの入力画像データ
32、33に対しても同様の画像処理が施される。すな
わち、入力画像データのビット情報(i,j)は、図3
1(B)又は図32(B)に示すようなマゼンタおよび
イエロー用のフィルター36、37を介して、ブラック
の画像データのうちマゼンタおよびイエローのドットを
印字すべき部分が求められる。このマゼンタおよびイエ
ロー用のフィルター36、37によって処理をされた出
力データ53、54は、AND回路41、42の一方に
入力され、これらのAND回路41、42の他方に入力
されるブラックの入力画像データ30の間で論理積が取
られる。これらのAND回路41、42の出力データ5
5、56は、図31(D)又は図32(D)に示すよう
に、マゼンタおよびイエローの入力画像データ32、3
3との間でOR回路44、45によって論理和が生成さ
れ、図31(E)又は図32(E)に示すようなマゼン
タおよびイエローの出力画像データ48、49が得られ
る。なお、これらのマゼンタおよびイエローの出力画像
データ48、49は、図19(E)又は図20(E)に
示すマゼンタおよびイエローの出力画像データ48、4
9と比較して、ブラックの画像領域のうちマゼンタおよ
びイエローのインクドットによって印字すべき領域が異
なっている。
【0106】さらに、図29(B)に示すブラックの各
入力画像データ30は、カラー画像処理装置において次
のようにして画像処理が施される。上記8画素×8画素
のブラックの入力画像データ30は、そのビット位置
(i,j)を示すパラメータ38が、図33(B)に示
すようなブラック用のフィルター34を介して、ブラッ
クの画像データのうち他の色のドットで印字すべき部分
が求められる。このブラック用のフィルター処理をされ
た出力データ57は、AND回路39の一方に入力さ
れ、このAND回路39の他方に入力されるブラックの
入力画像データ30の間で論理積が取られる。このAN
D回路39の出力データは、ブラックの出力画像データ
46としてそのまま出力され、図33(C)に示すよう
なブラックの出力画像データ46が得られる。なお、こ
のブラックの出力画像データ46は、図21(C)に示
すブラックの出力画像データ46と全く同じである。
【0107】このようにして、カラー画像処理回路によ
って所定の画像処理が施された画像データ46〜49が
得られる。これらのブラック、シアン、マゼンタ、イエ
ローの各出力画像データ46〜49は、図1に示すよう
に、記録ヘッド1の対応する色の記録部1a、1b、1
c、1dに所定のタイミングでそれぞれ印加され、記録
用紙2上に図34(A)に示すようなカラーの画像がイ
ンクドットによって記録されるようになっている。
【0108】以上の処理をすることにより、図26の変
換規則に従って浸透性の遅いブラックのインクで印字す
べき画像を、図34(B)に示すように、浸透性の遅い
ブラックのインクKと浸透性の速いシアン等のカラーの
インクCの重ね合わせで印字することができ、ブラック
印字部のインクの浸透速度を速めることができるので、
ブラックの印字部分とカラーの印字部分との境界部のイ
ンクの滲みを軽減させることができ、ブラックとカラー
の間に混色滲みのない画像を記録することが可能なカラ
ー画像処理方法およびその装置を提供することができ
る。また、ブラック印字部が全くカラーのインクで置き
換えられるわけではないので、ブラック印字部が例え面
積の狭い線状の画像などであっても、黒色に鮮明に記録
することができる。図34(B)では、ブラックのよう
な浸透性の遅いインクを先に記録し、その後、シアンの
ような浸透性の速いインクを記録しているが、逆に、浸
透性の速いインクを先に記録し、その後、浸透性の遅い
インクを記録するようにしても、同様の効果を得ること
が可能である。
【0109】前記の実施例において、図13に示す変換
規則はすっきりしたシャープな画像を得るときに向いて
おり、図26に示す変換規則は濃度の高い画像を得ると
きに向いている。この2種類の変換規則は、記録用紙の
性質によって選択することにより、より品質の高い画質
を維持することが可能となる。
【0110】これらの処理は、カラー文書を選択する選
択手段において、カラー文書モードが選択されたときに
作動する。カラー文書を選択する手段は、ユーザーによ
って設定可能なスイッチでもよいし、文書内のビットマ
ップ情報等に記録されたカラー文書を示すヘッダを検知
して、自動的に設定するようにプログラムしても良い。
【0111】上述のようなカラー画像処理によって得ら
れたブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各出力画
像データ46〜49は、例えば、図1に示すようなイン
クジェット記録装置の記録ヘッド1の対応する色の記録
部1a、1b、1c、1dに所定のタイミングでそれぞ
れ印加され、記録用紙2上に記録される。このような構
成のインクジェット記録装置においては4つの記録ヘッ
ドによって、1回の走査で記録ヘッドのノズル配列幅だ
けの記録を行なうことができる。このとき、記録ヘッド
の各色の並び順、特に、浸透性の遅いインクを用いた色
の記録ヘッドの他の色の記録ヘッドとの位置関係と、走
査方向によって、浸透性の遅いインクと浸透性の速いイ
ンクの記録順が異なることになる。
【0112】図1に示したインクジェット記録装置にお
いて、例えば、記録部1aによって浸透性の遅いブラッ
クインクの記録を行なうこととし、図中、左から右へ走
査して記録を行なうものとする。このとき、まず、浸透
性の遅いブラックインクが記録される。しかし、浸透性
が遅いので、インクが乾燥する前に次の浸透性の速い、
例えば、シアンインクが記録されることになる。
【0113】例えば、図5に示すようなパターンによっ
て記録を行なったり、図22(A)に示すようなパター
ンによって記録を行なう場合、先にブラックインクが記
録され、後からシアンインクがブラックインクの間に記
録される。シアンの記録の際には、先に記録を行なった
ブラックインクは充分な浸透および乾燥が行なわれてお
らず、液体状のインク滴が記録用紙上に存在する。この
状態で浸透性の速い例えばシアンインクを記録すると、
図6や図22(B)に示すように、シアンインクは隣接
するブラックインクと互いに結合して混じり合うととも
に、シアンインクの速い浸透性によって液体状で存在す
るブラックインクも浸透することになる。
【0114】また、例えば、図10(A)に示すような
パターンや、図34(A)に示すような、浸透性の遅い
インクと浸透性の速いインクを重ねて記録するパターン
によって記録を行なう場合には、図10(B)、図34
(B)に示すように、先に記録した浸透性の遅いインク
が充分浸透しないうちに、浸透性の速いインクが記録さ
れ、両者が混じり合うことになる。このとき、混合され
たインクの浸透性は速く、浸透性の遅いインクもすぐに
記録用紙に浸透する。
【0115】もちろん、色の境界、例えば、図5や図1
0に示した領域22と領域23の境界の1ドット分程度
は混色が1ドット置きに発生することも考えられるが、
従来のようにブラックインクで記録された領域全体のイ
ンクが隣接する色の領域内に流れ出すような大きな混色
は発生しない。
【0116】逆に、図1に示したインクジェット記録装
置において、例えば、左から右への走査で記録部1dに
よって浸透性の遅いブラックインクの記録を行なう場合
や、右から左への走査で記録部1aによって浸透性の遅
いブラックインクの記録を行なう場合には、まず、浸透
性の速いインクが記録され、その後、浸透性の遅いイン
クが記録されることになる。例えば、図5に示すような
パターンによって記録を行なったり、図22(A)に示
すようなパターンによって記録を行なう場合、先にシア
ンインクが記録され、後からブラックインクがシアンイ
ンクの間に記録される。ブラックの記録の際には、先に
記録を行なったシアンインクはほぼ記録用紙に浸透して
いる。シアンインクのような浸透性の速いインクが浸透
した部分は、何も記録されていない部分に比べて液体の
浸透性が向上している。この状態で浸透性の遅いブラッ
クインクを記録すると、ブラックのインク滴の周辺部で
先に記録されているシアンの記録ドットの領域に重な
り、この部分でのブラックの浸透性が向上することとな
る。そのため、シアンのドットと混じり合うような形で
ブラックのインクが広がり、シアンのドットが先に記録
された領域から急速にブラックインクが記録用紙に浸透
して行く。結果的にブラックインクは速く浸透すること
となり、他の色の記録領域に大きく流れ出すことはな
く、滲みを防止することができる。
【0117】また、例えば、図10(A)に示すような
パターンや、図34(A)に示すような、浸透性の遅い
インクと浸透性の速いインクを重ねて記録するパターン
によって記録を行なう場合も同様であり、先にシアンな
どの浸透性の速いインクが記録されて浸透した後に、浸
透性の遅いインクが重ねて記録されるので、通常では浸
透性の遅いインクも速く記録用紙に浸透し、他の色の記
録領域に大きく流れ出すことはなく、滲みは発生しな
い。
【0118】もちろんこの場合にも、色の境界、例え
ば、図5や図10に示した領域22と領域23の境界の
1ドット分程度は混色が1ドット置きに発生することも
考えられるが、従来のようにブラックインクで記録され
た領域全体のインクが隣接する色の領域内に流れ出すよ
うな大きな混色は発生しない。
【0119】図1に示したような4つの記録ヘッドを用
いるインクジェット記録装置の他、2ヘッドのインクジ
ェット記録装置についても、上述のような記録方法を適
用することができる。図35は、この発明に係るインク
ジェット記録方法を適用し得るインクジェット記録装置
の別の実施例を示す概略構成図、図36は、記録ヘッド
の構成の説明図である。81は浸透性の遅いインクを記
録するための記録ヘッドであり、例えば、ブラックを記
録するものとすることができる。この記録ヘッド81
は、例えば、128本のノズルが1列あるいは千鳥状に
配列されており、すべてのノズルからブラックインクを
吐出し、記録を行なう。
【0120】82は浸透性の速いインクを記録するため
の記録ヘッドであり、例えば、シアン、マゼンタ、イエ
ローの3色を記録するものとすることができる。この記
録ヘッド82も、例えば、128本のノズルを1列ある
いは千鳥状に配列して構成されている。そして、3分割
され、それぞれの色のインクを吐出し、記録を行なう。
例えば、各色40ノズルずつを用いて記録を行なうよう
に構成することができる。各色のノズル列の間の4ノズ
ルずつを、記録を行なわないダミーノズルとすることが
できる。このダミーノズルは、0とすることも可能であ
るし、また、ダミーノズルの分だけノズルを配列せず、
スペースを持たせるように記録ヘッド82を構成するこ
ともできる。図36では、シアン、マゼンタ、イエロー
の順で3分割されたノズル群のそれぞれを用いて記録を
行なう場合の例を示している。
【0121】83はキャリッジであり、記録ヘッド81
および82が着脱自在に固定される。キャリッジ83
は、2本のガイドロッド84に摺動自在に取り付けられ
ている。また、キャリッジ83にはタイミングベルト8
5が接続されている。このタイミングベルト85は駆動
モータ86によって駆動され、キャリッジ83が図中、
左右に移動する。キャリッジの移動に伴って、記録ヘッ
ド81、82からインクを吐出し、これによって、主走
査方向の記録を行なう。記録用紙はプラテンローラ88
と接するように、記録ヘッド81、82との間に給送さ
れ、紙送りモータ89によるプラテンローラ88の回転
駆動によって記録用紙が送られ、副走査が行なわれる。
記録が行なわれないとき、あるいは、記録ヘッドのメン
テナンスを行なうときには、メンテナンスステーション
87の位置に記録ヘッド81、82が移動され、キャッ
ピングや、所定のメンテナンス動作などを行なう。
【0122】このような2ヘッドのインクジェット記録
装置では、記録ヘッドの数が少ないので、安価な記録装
置を構成でき、また、装置を小型化することができる。
【0123】上述の2ヘッドのインクジェット記録装置
において、ブラックのみで記録を行なう場合には、記録
ヘッド81のすべてのノズルを用いて記録を行なう。通
常の記録動作では、文字画像など、ブラックのみで記録
を行なう場合が多く、ある程度の高速な記録速度を確保
している。シアン、マゼンタ、イエローの各色により記
録を行なう場合、あるいは、これらの色とブラックとを
用いて記録を行なう場合には、4色すべてを一度に同じ
領域に記録することはできないので、記録ヘッド82の
分割されたノズル群の幅、あるいは、その幅の半分な
ど、ノズル群の幅以下の記録幅を単位として記録を行な
うことになる。
【0124】以下、このような2ヘッドのインクジェッ
ト記録装置によって、上述のような浸透性の遅い例えば
ブラックのインクの記録領域に浸透性の速いインクを記
録する場合の記録動作について、いくつかの例を用いて
説明する。以下の説明では、図37に示すように、イエ
ローの領域27とブラックの領域22とシアンの領域2
3が隣接して記録される場合を例にして説明する。ブラ
ックの領域22は、図37に示すように、図5で説明し
た1ドット置きのブラックのパターンと、図10で説明
した浸透性の速いインクと浸透性の遅いインクを重ねる
パターンを組み合わせたパターンを用いる。なお、浸透
性の速いインクを記録する場合には、発色性の観点か
ら、シアンとマゼンタの両方を用いた青を記録するもの
とする。なお、記録ヘッド82の各色のノズル群の間に
は、簡単のために、ダミーノズルを設けないものとして
説明する。また、図38〜図51において、シアンは○
に\を付して示し、マゼンタは○に/を付して示し、イ
エローは○で示し、ブラックは◎で示している。これら
のインクが重ねて記録された場合には、それぞれの記号
を重ねて示している。例えば、ブラックとシアンを重ね
て記録した場合には、◎に\を付して示している。さら
に、各色のノズル群は通常数十本存在するが、ここでは
簡単のために4本のみを示している。さらに、これらの
図では、記録用紙は、図中、上から下へ送られ、その送
り幅は、記録ヘッド82の各色を記録するノズル群の幅
であるものとする。この送り幅分の記録用紙上の記録領
域をバンドと呼ぶことにする。
【0125】図38〜図42は、2ヘッドを用いた記録
動作の第1の具体例の説明図である。この例では、記録
ヘッド81と記録ヘッド82とは、同じ走査内では同時
に記録を行なわず、交互に記録動作を行なうものとす
る。まず、図38に示すように記録すべき先頭のバンド
Aが記録ヘッド82のシアンの記録領域となるように、
記録用紙がセットされる。そして、最初の走査によって
シアンが記録される。この時、シアンを記録すべき領域
23の部分の他に、ブラックを記録すべき領域にもドッ
トが記録される。次の印字スキャンは、ブラックを記録
するためのスキャンであるが、この時点ではバンドAに
はブラックは記録しない。
【0126】この2印字スキャンが終了すると、記録用
紙が図中上から下方向に1バンド分送られる。これによ
り、図39に示すように、バンドAにマゼンタが、バン
ドBにシアンが記録可能になる。この状態で記録ヘッド
82による印字スキャンが行なわれる。すると、バンド
Bには、図38の場合と同様、シアンによる記録が行な
われる。同時に、バンドAには、マゼンタによる記録が
行なわれる。マゼンタは、図37に示すパターンには、
記録すべきデータは存在しないが、ブラックの領域22
のシアンが記録されたドットの上にマゼンタの記録が行
なわれる。重ねて記録されたドットは、青となる。
【0127】次の印字スキャンでは、記録ヘッド81に
よるブラックの記録動作が行なわれる。このとき、記録
ヘッド81に設けられているノズルのうち、記録ヘッド
82でマゼンタを記録するのに用いられるノズルと対応
するノズルのみが用いられ、ブラックの領域22のう
ち、シアンおよびマゼンタの記録されていないドット
に、浸透性の遅いブラックの記録が行なわれる。この印
字スキャンまでで記録されたパターンは、図5に示した
ようなパターンとなる。すなわち、ブラックの記録領域
22の一部のドットを浸透性の速いインクにかえて記録
を行なったことになる。すでに述べたように、この印字
スキャンによってブラックが記録される時には、シア
ン、マゼンタなどの浸透性の速いインクはすでに記録用
紙に浸透しており、これらのインクが浸透した部分では
次に記録されたブラックのインクの浸透性を向上させ
る。図では、それぞれのドットは離間しているように示
しているが、実際には少しずつ重なり合っており、ま
た、多少の着弾誤差などによって、ブラックのインクの
ドットは、すでにシアン、マゼンタが記録されたドット
と周辺部で重なり合う。そのため、ブラックのインクは
浸透性が遅いにもかかわらず、その周辺部で速く浸透
し、結果的に速く浸透することになる。
【0128】2印字スキャンが終了したので、1バンド
分だけ記録用紙を送り、図41に示すようにバンドAに
イエロー、バンドBにマゼンタ、バンドCにシアンが記
録可能になる。この状態で記録ヘッド82により記録を
行なうことによって、バンドCには、シアンの記録領域
23とブラックの記録領域22の一部にシアンのドット
が記録され、バンドBには、ブラックの領域22のうち
シアンのドットの上に重ねてマゼンタのドットが記録さ
れる。さらに、バンドAでは、イエローのドットがイエ
ローの領域27に記録される。この時、ブラックの領域
22では、浸透性の遅いブラックのドットがすでに記録
されているが、先に記録されたシアン、マゼンタのドッ
トによってブラックのインクは記録用紙に浸透してお
り、イエローの記録領域27へのブラックの侵入は発生
しない。滲みが発生したとしても、1ドット程度の滲み
である。
【0129】次の印字スキャンで記録ヘッド81を用い
てブラックの記録が行なわれ、図42に示すように、バ
ンドBのブラックの領域22のうちシアン、マゼンタの
記録されていないドットにブラックが記録される。この
領域の動作は、図40で説明した通りである。また、バ
ンドAのブラックの領域22のうち、シアン、マゼンタ
の記録されているドットに重ねて、ブラックの記録が行
なわれる。すなわち、図10(A)で説明したパターン
を用いる。記録されるドットは、図10(B)とは逆
に、浸透性の速いドットの上に浸透性の遅いドットが重
ねられることになる。浸透性の遅いブラックのドットが
記録されるまでには、すでに浸透性の速いシアン、マゼ
ンタのインクは記録用紙に浸透している。このインクが
浸透した部分は、浸透性の遅いブラックのインクの浸透
を促すので、浸透性の速いインクと同様に浸透性の遅い
ブラックインクも速く浸透することになる。そのため、
隣接領域へのインクの移動はなく、滲みを防止すること
ができる。
【0130】2印字スキャンが終了したので、所定量だ
け記録用紙を送る。以後、図41に示した記録ヘッド8
2によるシアン、マゼンタ、イエローの記録動作と、図
42に示した記録ヘッド81によるブラックの記録動
作、および、その後の記録用紙の送り動作を繰り返し行
ない、記録用紙全体の記録を行なって行く。
【0131】このように、上述の第1の具体例のような
記録動作によれば、ブラックの記録領域に記録された浸
透性の遅いインクが、隣接する浸透性の速いインクを用
いた他の色の記録領域に侵入するのを最小限とすること
ができ、滲みや、ブラックの領域の白抜けなどのない高
画質の記録画像を得ることができる。
【0132】図43〜図45は、2ヘッドを用いた記録
動作の第2の具体例の説明図である。この例では、1ス
キャン中に記録ヘッド81および82の両方の記録ヘッ
ドを用いて記録を行なう場合の例を示している。まず、
記録用紙が給送され、図43に示すように記録すべき先
頭のバンドAが記録ヘッド82のシアンの記録領域とな
るように、記録用紙がセットされる。そして、最初の走
査によってシアンが記録される。この時、シアンを記録
すべき領域23の部分の他に、ブラックを記録すべき領
域22にもドットが記録される。この印字スキャンで
は、バンドAにはブラックは記録しない。バンドAへの
シアンの記録が終了すると、1バンド分だけ記録用紙が
送られる。
【0133】次の印字スキャンでは、図44に示すよう
に、バンドAにマゼンタが、バンドBにシアンが記録可
能になる。この状態で記録ヘッド81および記録ヘッド
82による印字スキャンを行なう。このとき、スキャン
方向を図中右から左方向であるとすると、バンドAに
は、先にマゼンタが記録され、続いてブラックが記録さ
れることになる。マゼンタは、前回の印字スキャン、す
なわち図43に示した印字スキャンでシアンが記録され
たブラックの記録領域22内のドットに重ねて記録され
る。浸透性の速いシアンのインクは、この印字スキャン
が行なわれるまでに記録用紙に浸透している。そして、
そのシアンの記録されたドットの上に重ねて記録される
マゼンタのインクも浸透性が速いので、記録用紙に着弾
するとすぐに記録用紙への浸透が開始される。ブラック
は、記録領域22内のシアン、マゼンタが記録されてい
ないドット位置に記録される。このとき、各ドットは互
いに多少重なり合う程度の大きさに記録され、また、多
少の着弾位置の誤差などもあるため、ブラックのドット
は、その周辺部で隣接するシアン、マゼンタの記録され
たドットと結合することになる。先に記録されたマゼン
タのインクは、記録用紙への浸透の途中にあり、ブラッ
クのインクと混じり合って、ブラックのインクの浸透を
促す。そのため、浸透性の遅いブラックのインクは、隣
接するドットに記録されたマゼンタのインクとともに速
く浸透することになる。この時、シアンの記録領域23
と隣接して記録されたブラックのドットは、ある程度は
シアンの記録されたドットに引かれるが、隣接するシア
ン、マゼンタの記録されたドットにも引かれているた
め、混色は最小限に抑えられる。なお、バンドBには、
図43と同様、シアンの記録のみが行なわれる。
【0134】次の印字スキャンでは、図45に示すよう
に、バンドAにはイエローとブラックが、バンドBには
マゼンタとブラックが、バンドCにはシアンが、それぞ
れ記録される。バンドB、バンドCの記録動作について
は、図44に示したバンドA、バンドBの記録動作と同
様である。バンドAについては、まず、イエローの記録
領域27に浸透性の速いイエローのインクによる記録が
行なわれ、続いてブラックの記録領域22のシアン、マ
ゼンタの記録されているドットに重ねてブラックの記録
が行なわれる。ブラックの記録時には、すでにシアン、
マゼンタの記録が行なわれているため、ブラックのイン
クの浸透性が加速され、ブラックのインクの浸透性が遅
いにもかかわらず、記録用紙には速やかに浸透する。ま
た、隣接するイエローの記録領域27との境界では、先
に記録されたイエローのドットの浸透が充分ではないた
め、後から記録されるブラックのドットとの結合が多少
発生するが、互いに速やかに記録用紙に浸透するため、
混色は最小限に抑えられる。
【0135】以降の印字スキャンは、図45に示す記録
動作が用紙送り動作とともに繰り返し行なわれることに
なる。このように、この記録動作の第2の具体例におい
ては、浸透性の遅いブラックインクと浸透性の速い他の
色のインクとが同じ印字スキャンで記録されている。従
来では、ブラックのインクが隣接する他の色の記録領域
に流れ出し、大きな滲みや、ブラックの記録領域の白抜
け等を引き起こしていたが、本発明では、混色しやすい
状態であるにもかかわらず、混色を最小限に抑え、高画
質を得ることができた。
【0136】図46〜図48は、2ヘッドを用いた記録
動作の第3の具体例の説明図である。この例において
も、1印字スキャン内で記録ヘッド81と82を用いて
同時に記録を行なう。上述の第2の具体例では、ブラッ
クの記録を、マゼンタとともに行なう記録スキャンと、
イエローとともに行なう記録スキャンの2スキャンに分
けて行なった。この第3の具体例では、ブラックの記録
をイエローとともに1回のスキャンで行なう場合を示し
ている。図46に示すように記録すべき先頭のバンドA
が記録ヘッド82のシアンの記録領域となるように、記
録用紙がセットされる。そして、シアンの記録領域23
と、ブラックの記録領域22の一部にシアンが記録され
る。この印字スキャンが終了すると、1バンド分だけ記
録用紙が送られる。
【0137】次の印字スキャンでは、図47に示すよう
に、バンドAにマゼンタが、バンドBにシアンが記録さ
れる。バンドBの記録動作は、上述の図46で示した動
作と同じである。バンドAには、ブラックの記録領域2
2にすでに記録されているシアンのドットに重ねて、マ
ゼンタのドットが記録される。この印字スキャンの終了
後、1バンド分の記録用紙の送り動作が行なわれる。
【0138】次の印字スキャンでは、図48に示すよう
に、バンドAにイエローおよびブラックが記録され、バ
ンドBにマゼンタが記録され、バンドCにシアンが記録
される。バンドB、バンドCへの記録動作は、図47に
示したとおりである。バンドAには、まず、記録ヘッド
82によってイエローがその記録領域27に記録され
る。イエローのインクは浸透性が速いので、すぐに記録
用紙への浸透が開始される。続いてブラックが、その記
録領域に記録される。ブラックのインクは浸透性が遅い
ので、各ドットが連結し、その記録領域全体のインクが
連結したような状態となる。この状態において、隣接す
るイエローの記録領域27に記録されたイエローのドッ
トは十分に記録用紙に浸透していない。従来は、記録領
域全体にわたって連結したインクが、隣接するイエロー
のインクと結合し、イエローの領域に大きく流れ出して
滲みを引き起こしていた。しかし、本発明では、ブラッ
クの記録領域に予め記録されているシアン、マゼンタの
ドットの部分で浸透性が向上しており、浸透性の遅いブ
ラックのインクは、予めシアン、マゼンタの記録された
ドットの部分から急速に記録用紙に浸透することにな
る。イエローの記録領域27との隣接部分では、ブラッ
クのインクはイエローのインクに多少引かれるが、内部
の浸透部にも引かれ、従来のように大きくイエローの記
録領域に侵入することはなく、滲みなどは最小限に抑え
られる。
【0139】以降の印字スキャンについては、図48に
示した動作と同様であり、印字スキャンと紙送りを繰り
返し行ない、記録用紙全体の記録が行なわれる。
【0140】図49〜図51は、2ヘッドを用いた記録
動作の第4の具体例の説明図である。上述の各例では、
シアン、マゼンタを記録した後にブラックを記録してい
る。この例では、まずブラックを記録した後に、他の色
の記録を行なう例を示している。まず、図49に示すよ
うに記録すべき先頭のバンドAが記録ヘッド82のシア
ンの記録領域となるように、記録用紙がセットされる。
そして、最初の印字スキャンによってブラックおよびシ
アンが記録される。この時、シアンを記録すべき領域2
3の部分の他に、ブラックを記録すべき領域22にもド
ットが記録される。印字スキャンの方向を図中左から右
方向とすれば、まず浸透性の遅いブラックが記録され、
続いて浸透性の速いシアンが記録されることになる。浸
透性の遅いブラックが記録された時点では、従来と同
様、ブラックのドット同士が結合し、記録用紙に浸透し
ないまま記録用紙上に存在することになる。そのすぐ後
にシアンが記録される。シアンはブラックの記録領域2
2内にも記録されるため、記録用紙に浸透しないまま記
録用紙上に存在するブラックのインクと混ざりあう。す
ると、混ざり合ったブラックとシアンのインクの記録用
紙への浸透性は速く、記録用紙上に存在していたブラッ
クのインクは、シアンのインクとともに急速に記録用紙
へ浸透する。この印字スキャンでは同時にシアンの記録
領域23への記録も行なわれているが、ブラックのイン
クの浸透性が向上することによって、従来のように大き
くブラックのインクがシアンの記録領域に流入して滲み
を引き起こすことはない。この印字スキャンの終了後、
1スキャン分だけ記録用紙が送られる。
【0141】次の印字スキャンでは、バンドAにマゼン
タの記録が、バンドBにシアンおよびブラックの領域が
行なわれる。バンドBについては、図49に示した通り
である。バンドAへのマゼンタの記録は、前回の印字ス
キャン時にブラックの領域に記録されたシアンのドット
の上に重ねて行なわれる。このマゼンタの記録によっ
て、ブラックのインクの浸透性に直接影響を与えるもの
ではないが、ブラックがシアンがかった色となるのを防
ぎ、よりブラックの発色性を向上させるため、シアンと
ともにマゼンタを記録している。そして、1スキャン分
だけ記録用紙を送り、図51に示すように、バンドAに
イエローを、バンドBにマゼンタを、バンドCにシアン
とブラックをそれぞれ記録する印字スキャンを行なう。
この印字スキャンにおいて、バンドB、バンドCについ
ては、図50に示したとおりである。バンドAには、イ
エローの記録領域27にイエローのドット記録される。
以降の動作は、用紙送りと図51に示す印字スキャンと
を繰り返し行なうことになる。
【0142】上述の各具体例に示したように、浸透性の
遅いインクを用いたブラックの領域に、浸透性の速いイ
ンクを記録することによって、浸透性の遅かったインク
の記録用紙への浸透を促進することができ、これによっ
て隣接する別の色の記録領域への滲みを防止することが
可能となる。このとき、浸透性の遅いインクと浸透性の
速いインクの記録順序には関係なく、どちらを先に行な
っても、同様の効果を得ることができた。
【0143】このように、浸透性の遅いインクによる記
録領域に浸透性の速いインクによって記録を行なうこと
により、浸透性の遅いインクの浸透性を向上させること
ができるので、上述の各具体例以外の記録動作でも、同
様の効果を得ることが可能である。例えば、第1の具体
例のように2つの記録ヘッドを別々の印字スキャンで動
作させる例では、まずブラックを記録し、その後、ブラ
ックの記録領域にシアン、マゼンタを記録するように制
御したり、シアンとマゼンタの記録の間でブラックの記
録を行なうように制御したり、あるいは、イエローの記
録後にブラックの記録を行なうように制御することがで
きる。また、第1の具体例において、第2の具体例のよ
うにブラックを2回に分けて記録することも可能であ
る。この2回のブラックの記録スキャンは、シアンの記
録前、シアンとマゼンタの間、マゼンタとイエローの
間、イエローの記録後の中から、2つを選択して、選択
した記録スキャンにおいてブラックを記録すればよい。
なお、第1の具体例では、同じバンドへの記録を記録ヘ
ッド82による記録が先、記録ヘッド81による記録を
後としているが、逆でもよく、逆にした場合に、シアン
よりの前にブラックを記録できるようになる。
【0144】また、第2の具体例において、ブラックと
ともに記録する色をシアンとイエロー、シアンとマゼン
タとしても同様である。さらに、第3および第4の実施
例において、ブラックとともに記録する色は、シアン、
マゼンタ、イエローのどれを選択しても同様である。さ
らにまた、スキャン方向を変えることによって、記録ヘ
ッド81と記録ヘッド82の同印字スキャン内での印字
順序を変えることも可能であり、印字順序を変えても、
同様の効果を得ることができる。
【0145】上述の各具体例では、ブラックの領域内の
すべてのドットにブラックを記録する場合の例を示した
が、もちろん、図5や図9、図22に示したような、ブ
ラックと他の色が隣接するのみのパターンや、図10に
示したような、ブラックと他の色が重なり、記録されな
いドットが存在するようなパターンであってもよい。
【0146】また、上述の各具体例では、ブラックの記
録領域内にシアンとマゼンタによる青を記録したが、も
ちろん、図5に示すようにシアンのみなど、他の1色で
あってもよいし、図9や図22、図34に示すように、
3色を用いてブラックと重ね合わせて、あるいは隣接し
て記録するように構成してもよい。
【0147】
【発明の効果】この発明は以上の構成および作用よりな
るもので、インクジェット記録専用の特殊な記録紙を用
いることなく、コピー用紙等の普通紙に高濃度の文字画
像の記録を実現しつつ、異色画像間における色滲みの発
生を防止可能なインクジェット記録方法およびその装
置、そのためのカラー画像処理方法およびその装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明に係るインクジェット記録方
法を適用し得るインクジェット記録装置の一実施例を示
す斜視構成図である。
【図2】 図2はインク組成と物性および特性を示す図
表である。
【図3】 図3は記録用紙の特性を示す図表である。
【図4】 図4はインクドットを示す模式図である。
【図5】 図5は印字例を示す模式図である。
【図6】 図6は印字例を示す模式図である。
【図7】 図7は印字例を示す模式図である。
【図8】 図8(a)〜(c)は印字評価の結果をそれ
ぞれ示す図表である。
【図9】 図9は印字例を示す模式図である。
【図10】 図10(a)(b)は印字例をそれぞれ示
す模式図である。
【図11】 図11は印字例を示す模式図である。
【図12】 図12は印字例を示す模式図である。
【図13】 図13(a)〜(c)はこの発明に係るカ
ラー画像処理方法の一実施例の変換規則をそれぞれ示す
説明図である。
【図14】 図14(a)(b)は同実施例におけるイ
ンクドットの印字パターンの変換状態をそれぞれ示す説
明図である。
【図15】 図15(a)〜(d)は各色のインクの印
字位置をそれぞれ示す図表である。
【図16】 図16はこの発明に係るカラー画像処理装
置の一実施例を示すブロック図である。
【図17】 図17(a)〜(d)は各色のインクの印
字位置をそれぞれ示す図表である。
【図18】 図18(a)〜(e)はシアンインクの印
字位置の変換状態をそれぞれ示す図表である。
【図19】 図19(a)〜(e)はマゼンタインクの
印字位置の変換状態をそれぞれ示す図表である。
【図20】 図20(a)〜(e)はイエローインクの
印字位置の変換状態をそれぞれ示す図表である。
【図21】 図21(a)〜(c)は黒インクの印字位
置の変換状態をそれぞれ示す図表である。
【図22】 図22(a)(b)は各色のインクドット
の印字状態を示す図表および各色のインクドットの印字
状態を示す模式図である。
【図23】 図23はこの発明に係るカラー画像処理装
置の他の実施例を示すブロック図である。
【図24】 図24は同実施例の動作を示すフローチャ
ートである。
【図25】 図25は変換に使用するフィルタ定数を示
す説明図である。
【図26】 図26(a)〜(c)はこの発明に係るカ
ラー画像処理方法の他の実施例の変換規則をそれぞれ示
す図表である。
【図27】 図27(a)(b)は同実施例におけるイ
ンクドットの印字パターンの変換状態をそれぞれ示す説
明図である。
【図28】 図28(a)〜(d)は各色のインクの印
字位置をそれぞれ示す図表である。
【図29】 図29(a)〜(d)は各色のインクの印
字位置をそれぞれ示す図表である。
【図30】 図30(a)〜(e)はシアンインクの印
字位置の変換状態をそれぞれ示す図表である。
【図31】 図31(a)〜(e)はマゼンタインクの
印字位置の変換状態をそれぞれ示す図表である。
【図32】 図32(a)〜(e)はイエローインクの
印字位置の変換状態をそれぞれ示す図表である。
【図33】 図33(a)〜(c)は黒インクの印字位
置の変換状態をそれぞれ示す図表である。
【図34】 図34(a)(b)は各色のインクドット
の印字状態を示す図表および各色のインクドットの印字
状態を示す模式図である。
【図35】 図35はこの発明に係るインクジェット記
録方法を適用し得るインクジェット記録装置の別の実施
例を示す概略構成図である。
【図36】 図36は図35に示したインクジェット記
録装置の別の実施例における記録ヘッドの構成の説明図
である。
【図37】 図37は印字例を示す模式図である。
【図38】 図38は2ヘッドを用いた記録動作の第1
の具体例の1回目の印字スキャンの説明図である。
【図39】 図39は2ヘッドを用いた記録動作の第1
の具体例の3回目の印字スキャンの説明図である。
【図40】 図40は2ヘッドを用いた記録動作の第1
の具体例の4回目の印字スキャンの説明図である。
【図41】 図41は2ヘッドを用いた記録動作の第1
の具体例の5回目の印字スキャンの説明図である。
【図42】 図42は2ヘッドを用いた記録動作の第1
の具体例の6回目の印字スキャンの説明図である。
【図43】 図43は2ヘッドを用いた記録動作の第2
の具体例の1回目の印字スキャンの説明図である。
【図44】 図44は2ヘッドを用いた記録動作の第2
の具体例の2回目の印字スキャンの説明図である。
【図45】 図45は2ヘッドを用いた記録動作の第2
の具体例の3回目の印字スキャンの説明図である。
【図46】 図46は2ヘッドを用いた記録動作の第3
の具体例の1回目の印字スキャンの説明図である。
【図47】 図47は2ヘッドを用いた記録動作の第3
の具体例の2回目の印字スキャンの説明図である。
【図48】 図48は2ヘッドを用いた記録動作の第3
の具体例の3回目の印字スキャンの説明図である。
【図49】 図49は2ヘッドを用いた記録動作の第4
の具体例の1回目の印字スキャンの説明図である。
【図50】 図50は2ヘッドを用いた記録動作の第4
の具体例の2回目の印字スキャンの説明図である。
【図51】 図51は2ヘッドを用いた記録動作の第4
の具体例の3回目の印字スキャンの説明図である。
【図52】 図52は印字例を示す模式図である。
【図53】 図53(a)(b)は被記録媒体へのイン
クの浸透状態をそれぞれ示す模式図である。
【図54】 図54(a)(b)は被記録媒体へのイン
クの浸透状態をそれぞれ示す模式図である。
【図55】 図55は被記録媒体へのインクの浸透状態
を試験する試験装置を示す模式図である。
【図56】 図56は被記録媒体へのインクの浸透状態
の特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 記録ヘッド、1a、1b、1c、1d 記録部、2
記録用紙。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の異なる色のインクを使用して画素
    ごとにカラー画像の記録を行なうようにしたカラーイン
    クジェット記録方法において、単位画素が浸透性の低い
    インクドットと浸透性の高いインクドットとから成るド
    ットマトリックスであることを特徴とするインクジェッ
    ト記録方法。
  2. 【請求項2】 前記単位画素が浸透性の低いインクドッ
    トと、この浸透性の低いインクドットに隣接する浸透性
    の高いインクドットとから成るドットマトリックスであ
    ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記
    録方法。
  3. 【請求項3】 前記単位画素における前記浸透性の低い
    インクドットの数に対する前記浸透性の高いインクドッ
    トの数の比率が50〜200%であることを特徴とする
    請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 前記単位画素が浸透性の低いインクドッ
    トと浸透性の高いインクドットとを重ねたインクドット
    と、インクの打たれていない空きドットとから成るドッ
    トマトリックスであることを特徴とする請求項1に記載
    のインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 前記単位画素における前記浸透性の低い
    インクドットと前記浸透性の高いインクドットとを重ね
    たインクドットの数に対するインクの打たれていない空
    きドットの数の比率が0〜100%であることを特徴と
    する請求項4に記載のインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】 前記浸透性の低いインクがブラックイン
    クであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項
    に記載のインクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】 前記浸透性の低いインクの明度が前記浸
    透性の高いインクの明度よりも低いことを特徴とする請
    求1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方
    法。
  8. 【請求項8】 前記浸透性の低いインクドットと前記浸
    透性の高いインクドットとから成るドットマトリックス
    である単位画素が互いに異なる色の画像領域の境界に存
    在することを特徴とする請求項6に記載のインクジェッ
    ト記録方法。
  9. 【請求項9】 前記単位画素が線画像、または文字画像
    の一部であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか
    1項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 【請求項10】 前記浸透性の低いインクの吸収係数
    (Ka)が0.5ml/m2 ・ms1/2 以下、濡れ時間
    (Tw)が50〜200msecであり、前記浸透性の
    高いインクの吸収係数(Ka)が1.0ml/m2 ・m
    1/2 以上、濡れ時間(Tw)が20msec以下であ
    ることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載
    のインクジェット記録方法。
  11. 【請求項11】 浸透性の低い黒のインクと浸透性の高
    いカラーのインクを用いてカラー画像の記録を行なう際
    に、カラー画像に処理を施すカラー画像処理方法であっ
    て、黒のインク滴で印字すべき部分の一部を、カラーの
    インク滴による印字に置き換えて印字を行なうように、
    黒の画像データの一部をカラーの画像データに変換する
    ことを特徴とするカラー画像処理方法。
  12. 【請求項12】 浸透性の低い黒のインクと浸透性の高
    いカラーのインクを用いてカラー画像の記録を行なう際
    に、カラー画像に処理を施すカラー画像処理装置であっ
    て、黒のインク滴で印字すべき部分の一部を、カラーの
    インク滴による印字に置き換えて印字を行なうように、
    黒の画像データの一部をカラーの画像データに変換する
    画像データ変換手段を有することを特徴とするカラー画
    像処理装置。
  13. 【請求項13】 浸透性の低い黒のインクと浸透性の高
    いカラーのインクを用いてカラー画像の記録を行なう際
    に、カラー画像に処理を施すカラー画像処理方法であっ
    て、黒のインク滴で印字すべき部分の一部を、黒のイン
    ク滴とカラーのインク滴の重ね合わせによる印字に置き
    換えて印字を行なうように、黒の画像データの一部がカ
    ラーの画像データともなるように変換することを特徴と
    するカラー画像処理方法。
  14. 【請求項14】 浸透性の低い黒のインクと浸透性の高
    いカラーのインクを用いてカラー画像の記録を行なう際
    に、カラー画像に処理を施すカラー画像処理装置であっ
    て、黒のインク滴で印字すべき部分の一部を、黒のイン
    ク滴とカラーのインク滴の重ね合わせによる印字に置き
    換えて印字を行なうように、黒の画像データの一部がカ
    ラーの画像データともなるように変換する画像データ変
    換手段を有することを特徴とするカラー画像処理装置。
  15. 【請求項15】 複数の異なる色のインクを使用して画
    素ごとにカラー画像の記録を行なうようにしたカラーイ
    ンクジェット記録方法において、浸透性の低いインクと
    浸透性の高いインクを用い、前記浸透性の低いインクを
    用いて印字すべき部分の一部を前記浸透性の高いインク
    による印字に置き換えて印字を行なうように前記浸透性
    の低いインクを用いて印字すべき画像データを変換し、
    前記浸透性の低いインクを打った後に前記浸透性の高い
    インクを打つことを特徴とするインクジェット記録方
    法。
  16. 【請求項16】 複数の異なる色のインクを使用して画
    素ごとにカラー画像の記録を行なうようにしたカラーイ
    ンクジェット記録方法において、浸透性の低いインクと
    浸透性の高いインクを用い、前記浸透性の低いインクを
    用いて印字すべき部分の一部を前記浸透性の高いインク
    による印字に置き換えて印字を行なうように前記浸透性
    の低いインクを用いて印字すべき画像データを変換し、
    前記浸透性の高いインクを打った後に前記浸透性の低い
    インクを打つことを特徴とするインクジェット記録方
    法。
  17. 【請求項17】 複数の異なる色のインクを使用して画
    素ごとにカラー画像の記録を行なうようにしたカラーイ
    ンクジェット記録方法において、浸透性の低いインクと
    浸透性の高いインクを用い、前記浸透性の低いインクを
    用いて印字すべき部分の一部を前記浸透性の低いインク
    と前記浸透性の高いインクの重ね合わせによる印字に置
    き換えて印字を行なうように前記浸透性の低いインクを
    用いて印字すべき画像データを変換し、前記浸透性の低
    いインクを打った後に前記浸透性の高いインクを打つこ
    とを特徴とするインクジェット記録方法。
  18. 【請求項18】 複数の異なる色のインクを使用して画
    素ごとにカラー画像の記録を行なうようにしたカラーイ
    ンクジェット記録方法において、浸透性の低いインクと
    浸透性の高いインクを用い、前記浸透性の低いインクを
    用いて印字すべき部分の一部を前記浸透性の低いインク
    と前記浸透性の高いインクの重ね合わせによる印字に置
    き換えて印字を行なうように前記浸透性の低いインクを
    用いて印字すべき画像データを変換し、前記浸透性の高
    いインクを打った後に前記浸透性の低いインクを打つこ
    とを特徴とするインクジェット記録方法。
  19. 【請求項19】 複数の異なる色のインクを使用して画
    素ごとにカラー画像の記録を行なうインクジェット記録
    装置において、浸透性の低いインクにより印字を行なう
    1つの印字ヘッドと、浸透性の高いインクによりそれぞ
    れ異なる色の印字を行なう3つの印字ヘッドと、請求項
    1〜10,15〜18のいずれか1項に記載のインクジ
    ェット記録方法により、または、請求項11または13
    のいずれか1項に記載のカラー画像処理方法あるいは請
    求項12または14のいずれか1項に記載のカラー画像
    処理装置によって変換された画像データに従って、前記
    4つの印字ヘッドで印字を行なうように制御する制御手
    段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  20. 【請求項20】 複数の異なる色のインクを使用して画
    素ごとにカラー画像の記録を行なうインクジェット記録
    装置において、浸透性の低いインクにより印字を行なう
    第1の印字ヘッドと、浸透性の高い複数のインクにより
    それぞれ異なる色の印字を行なう部分が直列に配置され
    た第2の印字ヘッドと、請求項1〜10,15〜18の
    いずれか1項に記載のインクジェット記録方法により、
    または、請求項11または13のいずれか1項に記載の
    カラー画像処理方法あるいは請求項12または14のい
    ずれか1項に記載のカラー画像処理装置によって変換さ
    れた画像データに従って、前記第1の印字ヘッドおよび
    前記第2の印字ヘッドによって印字を行なうように制御
    する制御手段を有することを特徴とするインクジェット
    記録装置。
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