JP3269193B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3269193B2
JP3269193B2 JP19282393A JP19282393A JP3269193B2 JP 3269193 B2 JP3269193 B2 JP 3269193B2 JP 19282393 A JP19282393 A JP 19282393A JP 19282393 A JP19282393 A JP 19282393A JP 3269193 B2 JP3269193 B2 JP 3269193B2
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克秀 小川
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置、特に、フルカラー印字と単色印字とが可能なインク
ジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フルカラー印字と単色印字が可能なイン
クジェット記録装置においては、単色のブラックインク
印字ヘッドと複数のカラーインク印字ヘッドとを、印字
ヘッドの走査方向に平行に配置して印字を行なう方法、
あるいは、印字ヘッドの走査方向に垂直に配置する方法
とが知られているが、いずれも、ブラックインク印字ヘ
ッドのノズルとカラーインク印字ヘッドのノズルとが、
印字の主走査の方向と直角な方向に平行になるように並
列して配置されている。
【0003】ところで、このような従来の技術において
は、並列に配置されたブラックインク印字ヘッドと他の
カラーインク印字ヘッドは、印字の1走査のうちでは、
記録用紙の同一領域に連続して印字を行なうため、記録
用紙の同一印字部分についてみると、各色の印字間に時
間差がほとんどなく、1つの印字ヘッドで印字された記
録用紙上のインクが、記録用紙に浸透する前に、次の印
字ヘッドの印字が行なわれ、インク間の干渉が発生し、
色滲みという画質欠陥が発生するという問題があった。
【0004】また、フルカラー印字と単色印字とが可能
なインクジェット記録装置においては、ブラックインク
印字ヘッドとカラーインク印字ヘッドのノズル数は同じ
であり、同一の性能のものであったため、単色印字を行
なう場合にも、印字速度はフルカラー印字を行なうとき
の印字速度と同一であり、印字速度の高速化がなされな
いという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、単色印字とフルカラー印字を独立して行なうことが
でき、色重ね打ちが行なわれる場合の各インク間の印字
時間差と記録速度の高速化について鋭意研究を重ねた結
果、単色印字とフルカラー印字を独立して行なうことが
でき、単色印字時には高密度または高速に印字が行なう
ことができ、フルカラー印字時にはインク間に時間差を
充分に持たせることができるインクジェット記録装置を
見い出し、本発明に到達した。
【0006】したがって、本発明は、単色印字とフルカ
ラー印字が独立して行なえることが可能なインクジェッ
ト記録装置でありながら、単色印字を行なうときは、高
密度印字あるいは高速印字が可能なインクジェット記録
装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、単色インク印字ヘッドと複数個のカラーインク印字
ヘッドとを有するインクジェット記録装置において、前
記単色インク印字ヘッドのノズル数を前記カラーインク
印字ヘッドのノズル数より多くし、前記単色インク印字
ヘッドは、前記カラーインク印字ヘッドのノズルと並ん
だノズルを有するように、かつ、前記カラーインク印字
ヘッドのノズルよりも用紙供給方向の上流側に突出する
ノズルを有するように配置され、インクジェット記録装
置に送られてくる情報がカラー情報であるときには、前
記単色インク印字ヘッドは前記カラーインク印字ヘッド
のノズルより突出した部分に相当するノズルだけで印字
を実行することを特徴とするものである。
【0008】請求項2に記載の発明は、単色インク印字
ヘッドと複数個のカラーインク印字ヘッドとを有するイ
ンクジェット記録装置において、前記単色インク印字ヘ
ッドのノズル数を前記カラーインク印字ヘッドのノズル
数より多くし、前記単色インク印字ヘッドは、前記カラ
ーインク印字ヘッドのノズルと並んだノズルを有するよ
うに、かつ、前記カラーインク印字ヘッドのノズルより
も用紙供給方向の上流側に突出するノズルを有するよう
に配置され、インクジェット記録装置に送られてくる印
字情報が単色印字情報であるときには、単色インク印字
ヘッドの全ノズルにより印字を実行し、インクジェット
記録装置に送られてくる情報がカラー情報であるときに
は、前記単色インク印字ヘッドは前記カラーインク印字
ヘッドのノズルより突出した部分に相当するノズルだけ
で印字を実行することを特徴とするものである。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載のインクジェット記録装置において、前記単色
インク印字ヘッドのノズル数がカラーインク印字ヘッド
のノズル数の2倍以上であることを特徴とするものであ
る。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2に記載のインクジェット記録装置において、前記単色
インク印字ヘッドのノズル数がカラーインク印字ヘッド
のノズル数の整数倍であることを特徴とするものであ
る。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項1ないし
4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置にお
いて、前記複数個のカラーインク印字ヘッドが一列にか
つ前記単色インク印字ヘッドに並べて配置されているこ
とを特徴とするものである。
【0012】また、請求項1または2に記載のインクジ
ェット記録装置において、請求項6に記載の発明は、前
記単色インク印字ヘッドのノズルの突出量が、前記カラ
ーインク印字ヘッドの印字記録幅と同一の印字記録が可
能な分に相当することを特徴とするものであり、請求項
7に記載の発明は、前記単色インク印字ヘッドのノズル
の突出量が、前記カラーインク印字ヘッドの印字記録幅
と各カラーインク印字ヘッド間に設けられた非インク噴
射領域の幅の和に相当することを特徴とするものであ
る。
【0013】
【作用】本発明によれば、これまで並列して設置してい
た複数の印字ヘッドのうち、少なくとも1つの印字ヘッ
ドをずらして配置して印字領域を異ならせることによっ
て、インクの色重ねにおいて印字時間差を持たせること
ができ、先に印字されたインクを記録用紙内に十分浸透
させることができるため、画質欠陥として問題となって
いたインク色滲みを防止することが可能となる。
【0014】また、単色インク印字ヘッド、例えば、ブ
ラックインク印字ヘッドのノズル数を、他のカラーイン
ク印字ヘッドのノズルより多く配置しておくことで、使
用頻度の高いブラックインクを単色で印字させるとき
に、印字記録速度を向上させることが可能となる。
【0015】また、隣合う印字ヘッドの印字記録領域を
ずらした位置に配列することにより、印字時間差をもた
せて画質欠陥となるインク色滲みを防止することも可能
となり、さらに、フルカラー印字を行なう場合に、印字
ヘッド走査の往復方向でインクの色重ね順序を変えるこ
となく印字が行なえることから、高速印字記録を行なう
ことが可能となる。
【0016】
【実施例】図1は、本発明のインクジェット記録装置の
第1の実施例の説明図であり、ヘッドがキャリッジに登
載されたときの構成図とフルカラー印字時の印字動作の
様子を示している。図中、1Kはブラックインク印字ヘ
ッド、1Cはシアンインク印字ヘッド、1Mはマゼンタ
インク印字ヘッド、1Yはイエローインク印字ヘッド、
2はキャリッジ、3は印字ヘッド走査方向、4は記録用
紙、5は用紙搬送方向、6Kはブラックインク印字領
域、6KCMYはブラックインク,シアンインク,マゼ
ンタインク,イエローインクの重ね印字領域、は第1
回走査の印字サンプル、は第2回走査の印字サンプル
である。
【0017】この実施例の印字ヘッドの構成は、ノズル
数2Nを持つブラックインク印字ヘッド1Kと、その1
/2のノズル数Nを持つ、カラーインク印字ヘッド1
C,1M,1Yが印字ヘッド走査方向3に垂直となるよ
う並列にキャリッジ2に搭載されている。また、ブラッ
クインク印字ヘッド1Kに配列されている2N番目のノ
ズル1K2Nと各カラーインク印字ヘッドのN番目のノズ
ル1CN ,1MN ,1YN が隣合うように並んでいる。
【0018】ここで、印字ヘッドの1走査による印字記
録幅を、図10に示した概略図で説明する。図中、1は
印字ヘッド、11 〜1N はノズル、3は印字ヘッド走査
方向、4は記録用紙、7は印字画素、Dは印字記録幅、
dは隣接するノズルの中心間距離である。N個のノズル
1 〜1N によって噴射されたN個のインク滴により印
字記録される印字画素7は、記録用紙4上で直列に配置
された状態となり、その印字記録幅Dは、N×dであ
る。
【0019】第1の実施例におけるカラー印字方法につ
いて説明する。印字ヘッドに送られてくる印字情報が、
ブラックインクを含み2色以上のインクを使用してカラ
ー印字が行なわなければならないときは、ブラックイン
ク印字ヘッドのノズルは、用紙給紙側(図の上側)から
1/2のノズル数Nのみが使用される。印字ヘッドの1
走査による印字記録幅Dは、ブラックインク印字ヘッド
1Kが持つノズル数2Nにより印字可能な印字記録幅2
Dの1/2、つまり、3色のカラーインク印字ヘッド1
C,1M,1Yの印字記録幅Dと同じ幅となる。
【0020】このヘッド構成により印字が行なわれる
と、第1回走査では、印字サンプルに示すように、ブ
ラックインク印字ヘッド1Kからのブラックインクの印
字のみが行なわれ、ブラックインク印字領域6Kに印字
記録が行なわれる。その後、記録用紙4を印字記録幅D
に相当する長さだけ搬送する。
【0021】次の第2回走査では、新しい印字領域にブ
ラックインク印字ヘッド1Kによる印字記録が行なわれ
る。同時に、シアンインク印字ヘッド1C,マゼンタイ
ンク印字ヘッド1M,イエローインク印字ヘッド1Yの
3色のカラーインク印字ヘッドからのインク噴射は、
においてすでに印字記録されたブラックインク印字領域
6Kに行なわれて、印字サンプルに示すように、ブラ
ックインク,シアンインク,マゼンタインク,イエロー
インクの重ね印字領域6KCMYに印字記録される。
【0022】このようにして、順次、印字記録が行なわ
れるが、ブラックインクを印字してから次のカラーイン
クが印字されるまで、印字ヘッドの1走査に相当する時
間差が与えられるために、ブラックインクの記録用紙へ
の浸透が完了してから、次のインクを印字することがで
きる。したがって、浸透性の悪いブラックインクを用い
た場合においても、これまで起こっていたようなブラッ
クインクとカラーインクとの間で発生していたインクの
色滲みという画質欠陥を防止することが可能となった。
【0023】印字情報が白黒情報である場合、ブラック
インク印字ヘッド1Kは、ノズル数2Nの全ノズルによ
りインク噴射が行なわれる。記録用紙4は、ブラックイ
ンクヘッド1Kの1走査において印字が行なわれる印字
記録幅2Dずつ搬送されていく。また、記録装置の用紙
搬出機構において設置された記録用紙の種類を識別し、
その用紙の種類によって、ブラックインク印字ヘッド1
Kによる印字が、走査方向の1方向走査時だけで行なう
のか、または、両方向走査時に行なうのか、が決定され
る。また、片方向印字を行なうか、両方向印字を行なう
かは、記録装置のコントロールパネルによるユーザの選
択によって行なわれるようにすることもできる。
【0024】ブラックインク印字ヘッドによる印字は、
カラーインク印字ヘッドを伴う複数の印字ヘッドにより
カラー印字記録が行なわれる場合と、ブラックインク印
字ヘッドのみにより単色印字記録が行なわれる場合とで
は、印字ヘッドの1走査の印字記録幅を2倍にすること
ができ、記録速度もおよそ2倍となって、高速印字が可
能となる。さらに、使用される用紙が往復印字が適用さ
れる記録用紙である場合、または、ユーザによって往復
印字が選択される場合には、さらに2倍の印字速度で印
字記録を行なうことが可能である。
【0025】図2は、本発明のインクジェット記録装置
の第2の実施例の説明図であり、印字ヘッドがキャリッ
ジに登載されたときの構成図である。図中、図1と同様
な部分には同じ符号を付して説明を省略する。この実施
例は、2個の印字ヘッドを用いて、単色印字記録とカラ
ー印字記録を行なうことを可能とした。一方の印字ヘッ
ドは、ノズル数が3Nであり、これを、ノズル数Nとノ
ズル数2Nに分けた2色一体型の印字ヘッドである。こ
の印字ヘッドにおいて、ノズル数が2Nに分けられた印
字ヘッドは、ブラックインク印字ヘッド1Kとし、それ
に続く印字ヘッドは、マゼンタインク印字ヘッド1Mと
した。もう一方の印字ヘッドは、ノズル数が2Nであ
り、これを、ノズル数Nに2等分した2色一体型の印字
ヘッドである。この印字ヘッドは、シアンインク印字ヘ
ッド1Cと、イエローインク印字ヘッド1Yとした。ブ
ラックインク印字ヘッド1Kは、用紙搬送機構側に近接
した側の用紙供給方向の上流側に配置される。また、シ
アンインク印字ヘッド1Cは、ブラックインク印字ヘッ
ド1Kに並列して用紙供給方向の上流側に配置される。
マゼンタインク印字ヘッド1Mは、ブラックインク印字
ヘッド1Kと一体側の構成の用紙排出側に直列に配置さ
れる。イエローインク印字ヘッド1Yは、シアンインク
印字ヘッド1Cと一体側の構成の用紙排出側に直列に配
置される。したがって、この実施例では、印字の色重ね
順序は、ブラックインク、シアンインク、マゼンタイン
ク、イエローインクの順である。
【0026】この構成によると、記録用紙が供給され、
印字が開始されるとき、第1回目のヘッド走査では、ブ
ラックインク印字ヘッド1Kの用紙供給方向の上流側の
1/2の数のノズルにより印字記録幅Dに相当する印字
領域にブラックインクによる印字記録が行なわれる。
【0027】第2回目のヘッド走査では、印字記録幅D
に相当する長さだけ記録用紙が搬送された後、新しい印
字領域にブラックインク印字ヘッド1Kの1/2のノズ
ルによる印字記録と、直前のヘッド走査で行なわれたブ
ラックインクが印字された印字領域に、ブラックインク
に重ねて、シアンインク印字ヘッド1Cによる印字記録
が行なわれる。
【0028】第3回目のヘッド走査以降では、印字記録
幅Dごとに記録用紙の搬送供給が行なわれ、新しい印字
領域に、ブラックインク印字ヘッド1Kによる印字記録
が行なわれ、ブラックインクが印字された領域に、シア
ンインク印字ヘッド1Cによる印字記録が行なわれ、直
前のヘッド走査によって、ブラックインクにシアンイン
クが重ね印字された領域に、マゼンタインク印字ヘッド
1Mとイエローインク印字ヘッド1Yによる印字記録が
行なわれる。この工程が繰り返し行なわれ、フルカラー
の印字記録が行なわれていく。
【0029】第1の実施例では、印字ヘッドの4個が並
列に配置されているため、記録装置におけるキャリッジ
の横幅のサイズが大きく、それだけ記録装置のヘッド走
査方向の幅が大きくなる。第2の実施例では、2分割ヘ
ッドを並列し、上記のように配置することで、キャリッ
ジの横幅のサイズは、第1の実施例のおよそ1/2とな
り、記録装置の小型化が可能となる。また、ブラックイ
ンクの印字と、シアンインクの印字と、マゼンタインク
とイエローインクの印字との間には、それぞれヘッドの
1走査分の時間差が設けられることから、インクが記録
用紙へ浸透するまでの時間を十分に持つことができるた
め、浸透性の遅いインクにおいても、インクの色滲みと
いう画質欠陥を防止することが可能となった。黒色印字
の場合は、第1の実施例と同様に、高速印字を行なうこ
とが可能である。
【0030】図3は、本発明のインクジェット記録装置
の第3の実施例の説明図であり、印字ヘッドがキャリッ
ジに登載されたときの構成図である。図中、図1と同様
な部分には同じ符号を付して説明を省略する。この実施
例は、3個の印字ヘッドを用いて、単色印字記録とカラ
ー印字記録を行なうことを可能とした。第1の実施例に
比べてキャリッジの幅が小さく、第2の実施例に比べて
キャリッジの高さを小さくできる。
【0031】この実施例においても、インクジェット記
録装置のインク使用頻度において、特に1色だけの印字
が多量に行なわれる場合に適したもので、図では、多量
に印字が行なわれるインクがブラックインクである場合
における印字ヘッドの配置を示した。ブラックインク印
字ヘッド1Kのノズル数2Nは、カラーインク印字ヘッ
ドに設けられているノズル数Nの2倍である。ブラック
インクのみで印字が行なわれる時は、全ノズル数2Nが
使用されて印字が行なわれ、フルカラー印字が行なわれ
る時は、ブラックインク印字ヘッド1Kのノズル数2N
の1/2のみのノズルが噴射に使用され、残りは停止状
態にされる。したがって、第2の実施例と同様に、印字
頻度の多いブラックインクの印字記録に関しては、通常
の記録速度のおよそ2倍の速さで行なうことができ、さ
らに、ブラックインク印字ヘッドのみの駆動が行なわれ
ているときには色重ね順序に制約を受けないことによっ
て、往復印字を行なうことも可能であり、印字速度は、
より高速化できる。
【0032】カラー印字のための印字ヘッドの構成は、
ノズル数が2Nの2色一体型の印字ヘッドとノズル数が
Nの1色の印字ヘッドがブラックインク印字ヘッド1K
とともに用いられる。ノズル数が2Nの印字ヘッドは、
これを2等分して、シアンインク印字ヘッド1Cと、マ
ゼンタインク印字ヘッド1Mとした。また、ノズル数が
Nの印字ヘッドは、イエローインク印字ヘッド1Yとし
た。ブラックインク印字ヘッド1Kは、用紙搬送機構側
に近接して配置されている。シアンインク印字ヘッド1
Cは、ブラックインク印字ヘッド1Kに並列して用紙供
給方向の上流側に配置され、マゼンタインク印字ヘッド
1Mは、用紙排出側に直列に配置される。イエローイン
ク印字ヘッド1Yは、マゼンタインク印字ヘッド1Mに
隣接して配置されている。この実施例でも、印字の色重
ね順序は、ブラックインク、シアンインク、マゼンタイ
ンク、イエローインクの順としたが、ヘッド配置によっ
ては、別の色重ね順序を実現できる。
【0033】この構成によると、記録用紙が供給され、
印字が開始されるとき、第1回目のヘッド走査では、ブ
ラックインク印字ヘッド1Kの用紙供給方向の上流側の
1/2の数のノズルにより印字記録幅Dに相当する印字
領域にブラックインクによる印字記録が行なわれ、これ
に重ねて、シアンインク印字ヘッド1Cによる印字記録
が行なわれる。
【0034】第2回目のヘッド走査以降では、印字記録
幅Dごとに記録用紙の搬送供給が行なわれ、新しい印字
領域に、ブラックインク印字ヘッド1Kによる印字記録
とこれに重ねて、シアンインク印字ヘッド1Cによる印
字記録が行なわれる。また、直前のヘッド走査によっ
て、ブラックインクにシアンインクが重ね印字された領
域に、マゼンタインク印字ヘッド1Mとイエローインク
印字ヘッド1Yによる印字記録が行なわれる。この工程
が繰り返し行なわれ、フルカラーの印字記録が行なわれ
ていく。
【0035】図4は、本発明のインクジェット記録装置
の第4の実施例の説明図であり、ヘッドがキャリッジに
登載されたときの構成図とブラックインク単色印字時と
フルカラー印字時の印字動作の様子を示している。図
中、図1と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略
する。6KCはブラックインク,シアンインクの重ね印
字領域、6KCMはブラックインク,シアンインク,マ
ゼンタインクの重ね印字領域、は第3回走査の印字サ
ンプル、は第4回走査の印字サンプルである。この実
施例は、2つの印字ヘッドを用いて、単色印字記録とカ
ラー印字記録を行なうものである。
【0036】この実施例は、3色一体型のカラーインク
印字ヘッドとブラックインク印字ヘッドを並列に配置し
た。カラーインク印字ヘッドは、ノズルを直線上に配し
た1つの印字ヘッドを3等分して同一のノズル数Nの3
色のカラーインク印字ヘッド1C,1M,1Yにより構
成されている。ブラックインク印字ヘッド1Kは、カラ
ーインク印字ヘッドのノズル数Nの4倍のノズル数4N
を有しており、3色一体型のカラーインク印字ヘッドよ
りも、1つのカラーインク印字ヘッドの印字記録幅に相
当する長さだけ、印字用紙給紙側に突出するよう配置さ
れている。また、この3色一体型のカラーインク印字ヘ
ッドとブラックインク印字ヘッドとは、キャリッジ2に
登載され、ノズル配列方向に対して垂直の方向に往復走
査させる構成となっている。
【0037】フルカラー印字か行なわれるときは、図4
(B)に示すように、記録用紙上の印字開始先端部がp
の位置まで搬送され、印字ヘッドが用紙搬送方向5に対
して垂直方向に走査される。この第1回目のヘッド走査
においては、ブラックインク印字ヘッド1Kの記録用紙
が給紙される側の先端からN個分に相当するノズルにに
より、の印字サンプルに示すブラックインク印字領域
6Kに印字記録が行なわれる。
【0038】次に、ブラックインク印字ヘッド1Kのノ
ズルN個により印字が行なわれた印字記録幅Dの長さだ
け記録用紙が搬送され、記録用紙上の印字開始先端部が
qの位置で停止する。第2回目のヘッド走査では、の
印字サンプルに示すように、新しい印字領域がブラック
インク印字領域6Kとなり、ブラックインク印字ヘッド
1Kにより印字記録が行なわれる。同時に、qの位置ま
で進んだのブラックインク印字領域がブラックイン
ク,シアンインクの重ね印字領域6KCとなり、すでに
印字記録されたブラックインクの上に、カラーインク印
字ヘッドの第1番目に配置されたシアンインク印字ヘッ
ド1Cからの印字記録が重ねられる。
【0039】同様に、記録用紙の印字記録幅Dの搬送に
より、記録用紙がrの位置まで進んだ状態で、第3回目
のヘッド走査が行なわれる。このヘッド走査では、の
印字サンプルに示すように、新しい印字領域がブラック
インク印字領域6Kとなり、ブラックインク印字ヘッド
1Kにより印字記録が行なわれる。同時に、qの位置ま
で進んだのブラックインク印字領域がブラックイン
ク,シアンインクの重ね印字領域6KCとなり、すでに
印字記録されたブラックインクの上に、シアンインク印
字ヘッド1Cからの印字記録が重ねられる。さらに、r
の位置まで進んだのブラックインク,シアンインク印
字領域がブラックインク,シアンインク,マゼンタイン
クの重ね印字領域6KCMとなり、すでに印字記録され
たブラックインク,シアンインクの上に、マゼンタ印字
ヘッド1Mからの印字記録が重ねられる。
【0040】さらに記録用紙が搬送され、sの位置まで
進んだ状態で、第4回目のヘッド走査が行なわれる。こ
のヘッド走査では、の印字サンプルに示すように、新
しい印字領域がブラックインク印字領域6Kとなり、ブ
ラックインク印字ヘッド1Kにより印字記録が行なわれ
る。同時に、qの位置まで進んだのブラックインク印
字領域がブラックインク,シアンインクの重ね印字領域
6KCとなり、すでに印字記録されたブラックインクの
上に、シアンインク印字ヘッド1Cからの印字記録が重
ねられる。さらに、rの位置まで進んだのブラックイ
ンク,シアンインク印字領域がブラックインク,シアン
インク,マゼンタインクの重ね印字領域6KCMとな
り、すでに印字記録されたブラックインク,シアンイン
クの上に、マゼンタ印字ヘッド1Mからの印字記録が重
ねられる。また、sの位置まで進んだのブラックイン
ク,シアンインク,マゼンタインク印字領域がブラック
インク,シアンインク,マゼンタインク,イエローイン
クの重ね印字領域6KCMYとなり、すでに印字記録さ
れたブラックインク,シアンインク,マゼンタインクの
上に、イエロー印字ヘッド1Yからの印字記録が重ねら
れる。
【0041】以後は、の印字サンプルに示すように、
各印字ヘッドによる印字記録が同時に行なわれる。記録
用紙の終端においては、ブラックインク噴射用ノズルが
終端位置に達した時点から、ブラックインク印字ヘッド
1Kから、順次印字記録が終了し、イエローインク噴射
用ノズルの印字記録幅が用紙の終端に達した印字を行な
った時点で、記録用紙全面への印字を完了して、機外へ
プリントされた用紙を排出する。
【0042】また、フルカラー印字が行なわれるときの
色重ね順を、ブラックインク,シアンインク,マゼンタ
インク,イエローインクとしたとき、ヘッドが登載され
たキャリッジが、初期の所定位置より用紙上を走査され
る時に行なわれる色重ねと、反対側の位置よりキャリッ
ジが走査され初期位置に戻ってくる間に行なわれる色重
ねの順序を同じにすることができるため、片方向印字で
行なわれるときと全く同じ色再現を往復走査印字でも行
なうことができる。
【0043】さらに、このヘッド構成による印字工程に
よると、記録用紙が印字記録幅に相当する分搬送される
ごとに色重ねが行なわれるため、浸透性の悪いインクま
たは用紙を使用したときにでも、次のインクが重ね打ち
されるまでの間にヘッド1走査分の十分な時間差を持た
せることができ、色重ね時に発生していたインク滲みと
いう画質欠陥を防止することが可能となり、色重ねまで
の時間差も同じにすることができるため、各印字記録幅
ごとの色合いを同じにすることができ、印字品質を同じ
にすることができる利点がある。
【0044】また、往復印字記録が可能となったことに
よって、カラー印字の場合でも、第1乃至第3の実施例
に対して、印字記録速度をおよそ2倍とすることがで
き、高速度印字記録が可能となった。なお、往復印字の
場合は、ブラックインク印字ヘッドとカラーインク印字
ヘッドに与えるデータのタイミングを往路と復路で変え
る必要があることは当然である。
【0045】また、このヘッド構成においては、インク
の色重ね順序を、ブラックインク、イエローインク、マ
ゼンタインク、シアンインクのように、上述した順序と
異なる順序とする場合でも、初期的にインクを供給する
インクタンク部に充填するインクの位置を変えるだけで
目的を達成することができ、カラーインクの色重ね順序
に制約を持たせることなく印字ヘッドを構成することが
できる。
【0046】また、図4(A)に示すように、使用頻度
が多いブラックインク印字ヘッドのみを単色で使用し、
印字記録を行なう場合には、インクを噴射するノズル数
を4N個とし使用する。したがって、印字記録幅もフル
カラー印字が行なわれる時の4倍とさせることができ、
このとき用紙の搬送もフルカラー印字が行なわれたとき
の4倍の送り幅ずつ搬送されるため、印字記録速度は、
フルカラー印字の片方向印字が行なわれた時の記録速度
の4倍となる。さらに、往復印字を行なうと、フルカラ
ー印字の片方向印字が行なわれた時の記録速度のおよそ
8倍の記録速度の向上がなされる。
【0047】図7は、第4の実施例におけるヘッド構成
の一具体例の斜視図である。図中、1Kはブラックイン
ク印字ヘッド、1CMYはシアンインク,マゼンタイン
ク,イエローインクの3色一体型のカラーインク印字ヘ
ッド、7はインク噴射ノズル、8は放熱プレートであ
る。上述したように、カラーインク印字ヘッド1CMY
は、図4に示すように、3色の印字ヘッド1C,1M,
1Yに分割して用いられる。なお、放熱プレート8は必
ずしも設けなければならないものではない。
【0048】図5は、本発明のインクジェット記録装置
の第5の実施例の説明図であり、ヘッドがキャリッジに
登載されたときの構成図とフルカラー印字時の印字動作
の様子を示している。図中、図4と同様な部分には同じ
符号を付して説明を省略する。この実施例でも、2つの
印字ヘッドを用いて、単色印字記録とカラー印字記録を
行なうものである。
【0049】この実施例は、ヘッド走査方向に対して垂
直に3Nのノズル数を有する2つのヘッドが用いられ
る。また、2つのヘッドのうち1方をブラックインク印
字ヘッドとし、これを用紙給紙側にノズル数Nに相当す
る分だけずらして配置した。2つのヘッドのうちの他方
は、3色一体型のカラーインク印字ヘッドとし、ブラッ
クインク印字ヘッドに並列に配置した。カラーインク印
字ヘッドは、ノズルを直線上に配した1つの印字ヘッド
を3等分して同一のノズル数Nの3色のカラーインク印
字ヘッド1C,1M,1Yにより構成されている。した
がって、ブラックインク印字ヘッド1Kは、カラーイン
ク印字ヘッドのノズル数Nの3倍のノズル数を有してい
る。フルカラー印字時の色重ね順を、ブラックインク,
シアンインク,マゼンタインク,イエローインクの順と
したとき、3色一体構成のカラーインク印字ヘッドは、
用紙給紙側より、シアンインク印字ヘッド1C、マゼン
タインク印字ヘッド1M、イエローインク印字ヘッド1
Yの配置となる。
【0050】このように、この実施例では、ブラックイ
ンク印字ヘッドと3色一体のカラーインク印字ヘッドと
が、同数のノズルを持つことから、同様の製造工程によ
ってインク噴射ノズルを作ることができる。
【0051】フルカラー印字が行なわれるときの印字状
態を〜の印字サンプルに示す。この印字サンプルに
おいても、フルカラー印字時の色重ね順を、ブラックイ
ンク,シアンインク,マゼンタインク,イエローインク
の順としたので、印字状態は、図4(B)で説明した第
4の実施例と同じであるので、その詳細な説明は省略す
る。
【0052】なお、フルカラー印字が行なわれるときの
色重ね順を、ブラックインク,シアンインク,マゼンタ
インク,イエローインクとしたとき、ヘッドが登載され
たキャリッジが、初期の所定位置より用紙上を走査され
る時に行なわれる色重ねと、反対側の位置よりキャリッ
ジが走査され初期位置に戻ってくる間に行なわれる色重
ねの順序を同じにすることができるため、片方向印字で
行なわれるときと全く同じ色再現を往復走査印字でも行
なうことができる。
【0053】さらに、この実施例においても、記録用紙
が印字記録幅に相当する分搬送されるごとに色重ねが行
なわれるため、浸透性の悪いインクまたは用紙を使用し
たときにでも、次のインクが重ね打ちされるまでの間に
ヘッド1走査分の十分な時間差を持たせることができ、
色重ね時に発生していたインク滲みという画質欠陥を防
止することが可能となり、色重ねまでの時間差も同じに
することができるため、各印字記録幅ごとの色合いを同
じにすることができ、印字品質を同じにすることができ
る利点がある。
【0054】また、往復印字記録が可能となったことに
よって、カラー印字の場合でも、第1乃至第3の実施例
に対して、印字記録速度をおよそ2倍とすることがで
き、高速度印字記録が可能となった。なお、往復印字の
場合は、ブラックインク印字ヘッドとカラーインク印字
ヘッドに与えるデータのタイミングを往路と復路で変え
る必要があることは当然である。
【0055】また、このヘッド構成においては、インク
の色重ね順序を、ブラックインク、イエローインク、マ
ゼンタインク、シアンインクのように、上述した順序と
異なる順序とする場合でも、初期的にインクを供給する
インクタンク部に充填するインクの位置を変えるだけで
目的を達成することができ、カラーインクの色重ね順序
に制約を持たせることなく印字ヘッドを構成することが
できる。
【0056】また、このヘッド構成で、使用頻度が多い
ブラックインク印字ヘッドのみを単色で使用し、印字記
録を行なう場合には、インクを噴射するノズル数を3N
個とし使用する。したがって、印字記録幅もフルカラー
印字が行なわれる時の3倍とさせることができ、このと
き用紙の搬送もフルカラー印字が行なわれたときの3倍
の送り幅ずつ搬送されるため、印字記録速度は、フルカ
ラー印字の片方向印字が行なわれた時の記録速度の3倍
となる。さらに、往復印字を行なうと、フルカラー印字
の片方向印字が行なわれた時の記録速度のおよそ6倍の
記録速度の向上がなされる。
【0057】図8は、第5の実施例におけるヘッド構成
の一具体例の斜視図である。図中、図7と同様な部分に
は同じ符号を付して説明を省略する。上述したように、
カラーインク印字ヘッド1CMYは、図5に示すよう
に、3色の印字ヘッド1C,1M,1Yに分割して用い
られる。なお、放熱プレート8は必ずしも設けなければ
ならないものではない。
【0058】図6は、本発明のインクジェット記録装置
の第6の実施例の説明図であり、ヘッドがキャリッジに
登載されたときの構成図とフルカラー印字時の印字動作
の様子を示している。図中、図4と同様な部分には同じ
符号を付して説明を省略する。9は非インク噴射領域で
ある。この実施例は、2つの印字ヘッドを用いて、単色
印字記録とカラー印字記録を行なうものである。
【0059】この実施例では、ノズル数がNのカラーイ
ンク印字ヘッドの複数個、例えば、3個の印字ヘッド
が、その走査方向に対して垂直かつ直線上に配置されて
いる。各カラーインク印字ヘッド1C,1M,1Yの間
には、非インク噴射領域9が設けられている。3色一体
型のカラー印字ヘッドを用いて、3色の境界のノズルを
インク噴射に利用しないダミーノズルとして、非インク
噴射領域9を形成することができる。また、各別に構成
したカラー印字ヘッドを連結して配置し、両端のノズル
が形成されていない領域によって、非インク噴射領域9
を形成することもできる。適当なスペーサを介在させて
もよい。
【0060】インクジェット印字ヘッドにおいては、イ
ンクを噴射することにより表面がインクで汚れ、画質を
劣化させることが懸念されている。必要に応じてワイパ
ー部材でクリーニングする方法によりその汚れを除去す
ることが行なわれている。しかし、上述した一体型の印
字ヘッドや、複数の印字ヘッドを連結して配置して、ノ
ズル面がつながった状態の印字ヘッドでは、表面に付着
したインクが混色したり、または、クリーニング動作時
によりワイパー部材により混色が加速されたりして、画
質品質の低下が発生していた。その対策としては、新し
い構成のワイパー部材によるクリーニング方法が考えら
れたりしていたが、インク混色を防止するまでには至ら
なかった。
【0061】そこで、このような印字ヘッドにおいて、
各色のヘッドの間にインク噴射に利用されないノズルを
配置したり、あるいは、ノズルのない領域を形成したり
して、非インク噴射領域9を設けるとよい。それによ
り、インク噴射時のヘッド表面汚れによるインクの混
色、または、ワイパー部材によるクリーニング動作時の
混色を防止し、画質低下を防ぐことができる。
【0062】各印字ヘッドの配置は、ブラックインク印
字ヘッド1Kは、3色一体型のカラーインク印字ヘッド
1C,1M,1Yに並列に、かつ、用紙搬送機構側に配
置されている。3色一体型のカラーインク印字ヘッド1
C,1M,1Yのノズル数がそれぞれNであり、その印
字記録幅をaとする。また、隣接する印字ヘッド1C,
1M,1Yの間の非インク噴射領域9の幅をbとする。
ブラックインク印字ヘッド1Kに設けられたノズルは、
シアンインク印字ヘッド1Cの用紙給紙側先端より(a
+b)に相当する分だけ用紙給紙側に突出して配置され
ている。用紙が搬送される幅Dは、a以下である必要が
あるが、一例では、Dとaを等しくする。また、ブラッ
クインク印字ヘッドの印字記録幅を5D、すなわち、ノ
ズル数を5Nとし、したがって、非インク噴射領域9の
幅をbを、D/3としておけば、5Dの用紙搬送、すな
わち、5回のヘッド走査で、同じ印字状態を繰り返すこ
とができる。図6は、この条件で設計された印字ヘッド
における印字状態を説明するものである。しかし、この
条件に限られるものではなく、用紙が搬送される幅D
が、a以下であれば、用紙搬送方向に切れ目のない印字
を行なうことができる。bの値は適当でよい。ただし、
ノズル間隔の整数倍とするのがよい。
【0063】フルカラー印字が行なわれるときは、記録
用紙上の印字開始先端部がpの位置まで搬送され、印字
ヘッドが用紙搬送方向5に対して垂直方向に走査され
る。この第1回目のヘッド走査においては、ブラックイ
ンク印字ヘッド1Kの記録用紙が給紙される側の先端か
らN個分に相当するノズルににより、の印字サンプル
に示す印字記録幅がDのブラックインク印字領域6Kに
印字記録が行なわれる。
【0064】次に、ブラックインク印字ヘッド1Kのノ
ズルN個により印字が行なわれた印字記録幅Dの長さだ
け記録用紙が搬送され、記録用紙上の印字開始先端部が
qの位置で停止する。第2回目のヘッド走査では、の
印字サンプルに示すように、新しい印字領域がブラック
インク印字領域6Kとなり、ブラックインク印字ヘッド
1Kにより印字記録が行なわれる。同時に、qの位置ま
で進んだのブラックインク印字領域がブラックイン
ク,シアンインクの重ね印字領域6KCとなり、すでに
印字記録されたブラックインクの上に、カラーインク印
字ヘッドの第1番目に配置されたシアンインク印字ヘッ
ド1Cからの印字記録が重ねられる。しかし、記録用紙
4の先端部分においては、シアンインク印字ヘッド1C
は、qの位置までに相当するノズルだけのインク噴射が
行なわれる。
【0065】同様に、記録用紙の印字記録幅Dの搬送に
より、記録用紙がrの位置まで進んだ状態で、第3回目
のヘッド走査が行なわれる。このヘッド走査では、の
印字サンプルに示すように、新しい印字領域がブラック
インク印字領域6Kとなり、ブラックインク印字ヘッド
1Kにより印字記録が行なわれる。同時に、のブラッ
クインク印字領域6Kとブラックインク,シアンインク
の重ね印字領域6KCとの境界から、すでに印字記録さ
れたブラックインクの上に、シアンインク印字ヘッド1
Cからの印字記録が重ねられる。この場合のシアンイン
ク印字ヘッド1Cは、全ノズルにより印字記録が行なわ
れる。さらに、rの位置まで進んだのブラックイン
ク,シアンインク印字領域がブラックインク,シアンイ
ンク,マゼンタインクの重ね印字領域6KCMとなり、
すでに印字記録されたブラックインク,シアンインクの
上に、マゼンタ印字ヘッド1Mからの印字記録が重ねら
れる。この場合も、記録用紙4の先端部分においては、
マゼンタ印字ヘッド1Mは、rの位置までに相当するノ
ズルだけのインク噴射が行なわれる。
【0066】さらに記録用紙が搬送され、sの位置まで
進んだ状態で、第4回目のヘッド走査が行なわれる。こ
のヘッド走査では、イエローインク印字ヘッド1Yが記
録用紙の印字領域に到達していないので、の印字サン
プルに示すように、新しい印字領域がブラックインク印
字領域6Kとなり、ブラックインク印字ヘッド1Kによ
り印字記録が行なわれる。同時に、シアンインク印字ヘ
ッド1C、マゼンタインク印字ヘッド1Mによる印字記
録が、ブラックインク,シアンインクの重ね印字領域6
KC、ブラックインク,シアンインク,マゼンタインク
の重ね印字領域6KCMに重ね印字される。
【0067】さらに記録用紙が搬送され、tの位置まで
進んだ状態で、第5回目のヘッド走査が行なわれる。こ
のヘッド走査では、の印字サンプルに示すように、新
しい印字領域がブラックインク印字領域6Kとなり、ブ
ラックインク印字ヘッド1Kにより印字記録が行なわれ
る。同時に、シアンインク印字ヘッド1C、マゼンタイ
ンク印字ヘッド1M、イエローインク印字ヘッド1Yに
よる印字記録が、ブラックインク,シアンインクの重ね
印字領域6KC、ブラックインク,シアンインク,マゼ
ンタインクの重ね印字領域6KCM、ブラックインク,
シアンインク,マゼンタインク,イエローインクの重ね
印字領域6KCMYに重ね印字される。
【0068】以後は、の印字サンプルに示すように、
各印字ヘッドによる印字記録が同時に行なわれる。記録
用紙の終端においては、ブラックインク噴射用ノズルが
終端位置に達した時点から、ブラックインク印字ヘッド
1Kから、順次印字記録が終了し、イエローインク噴射
用ノズルの印字記録幅が用紙の終端に達した印字を行な
った時点で、用紙全面への印字を完了して、機外へプリ
ントされた用紙を排出する。
【0069】この実施例においても、フルカラー印字が
行なわれるときの色重ね順を、ブラックインク,シアン
インク,マゼンタインク,イエローインクとしたとき、
印字ヘッドが登載されたキャリッジが、初期の所定位置
より用紙上を走査される時に行なわれる色重ねと、反対
側の位置よりキャリッジが走査され初期位置に戻ってく
る間に行なわれる色重ねの順序を同じにすることができ
るため、片方向印字で行なわれるときと全く同じ色再現
を往復走査印字でも行なうことができる。
【0070】さらに、このヘッド構成による印字工程に
よると、記録用紙が印字記録幅に相当する分搬送される
ごとに色重ねが行なわれるため、浸透性の悪いインクま
たは用紙を使用したときにでも、次のインクが重ね打ち
されるまでの間には、少なくともヘッド1走査分の十分
な時間差を持たせることができ、色重ね時に発生してい
たインク滲みという画質欠陥を防止することが可能とな
り、色重ねまでの時間差も同じにすることができるた
め、各印字記録幅ごとの色合いを同じにすることがで
き、印字品質を同じにすることができる利点がある。
【0071】また、往復印字記録が可能となったことに
よって、カラー印字の場合でも、第1乃至第3の実施例
に対して、印字記録速度をおよそ2倍とすることがで
き、高速度印字記録が可能となった。なお、往復印字の
場合は、ブラックインク印字ヘッドとカラーインク印字
ヘッドに与えるデータのタイミングを往路と復路で変え
る必要があることは当然である。
【0072】また、このヘッド構成においても、インク
の色重ね順序を、ブラックインク、イエローインク、マ
ゼンタインク、シアンインクのように、上述した順序と
異なる順序とする場合でも、初期的にインクを供給する
インクタンク部に充填するインクの位置を変えるだけで
目的を達成することができ、カラーインクの色重ね順序
に制約を持たせることなく印字ヘッドを構成することが
できる。
【0073】また、図4(A)に示すように、使用頻度
が多いブラックインク印字ヘッドのみを単色で使用し、
印字記録を行なう場合には、インクを噴射するノズル数
を5N個とし使用する。したがって、印字記録幅もフル
カラー印字が行なわれる時の5倍とさせることができ、
このとき用紙の搬送もフルカラー印字が行なわれたとき
の5倍の送り幅ずつ搬送されるため、印字記録速度は、
フルカラー印字の片方向印字が行なわれた時の記録速度
の4倍となる。さらに、往復印字を行なうと、フルカラ
ー印字の片方向印字が行なわれた時の記録速度のおよそ
10倍の記録速度の向上がなされる。
【0074】図9は、第6の実施例におけるヘッド構成
の一具体例の斜視図である。図中、図7と同様な部分に
は同じ符号を付して説明を省略する。9は非インク噴射
領域である。この実施例でま、放熱プレート8は必ずし
も設けなければならないものではない。
【0075】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、単色インク印字ヘッドとカラーインク印字ヘ
ッドとを備え、そのノズル配列数と設置構造を変えるこ
とによって、印字モードにより印字ヘッドを選択し、さ
らに、ヘッド走査モードを選択することによって、さら
に、用紙搬送モードを自由に選択できることから、単色
印字時の印字速度を高速化させることができ、さらにイ
ンク色間の色滲みという画質欠陥を防止することができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェット記録装置の第1の実
施例の説明図である。
【図2】 本発明のインクジェット記録装置の第2の実
施例の説明図である。
【図3】 本発明のインクジェット記録装置の第3の実
施例の説明図である。
【図4】 本発明のインクジェット記録装置の第4の実
施例の説明図である。
【図5】 本発明のインクジェット記録装置の第5の実
施例の説明図である。
【図6】 本発明のインクジェット記録装置の第6の実
施例の説明図である。
【図7】 第4の実施例におけるヘッド構成の一具体例
の斜視図である。
【図8】 第5の実施例におけるヘッド構成の一具体例
の斜視図である。
【図9】 第6の実施例におけるヘッド構成の一具体例
の斜視図である。
【図10】 印字ヘッドにおける印字記録幅の説明図で
ある。
【符号の説明】
1 印字ヘッド、1K ブラックインク印字ヘッド、1
C シアンインク印字ヘッド、1M マゼンタインク印
字ヘッド、1Y イエローインク印字ヘッド、2 キャ
リッジ、3 印字ヘッド走査方向、4 記録用紙、5
用紙搬送方向、6K ブラックインク印字領域、6KC
ブラックインク,シアンインクの重ね印字領域、6K
CM ブラックインク,シアンインク,マゼンタインク
の重ね印字領域、6KCMY ブラックインク,シアン
インク,マゼンタインク,イエローインクの重ね印字領
域、7 インク噴射ノズル、8 放熱プレート、9 非
インク噴射領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−255869(JP,A) 特開 平1−216852(JP,A) 特開 平4−173250(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/21

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単色インク印字ヘッドと複数個のカラー
    インク印字ヘッドとを有するインクジェット記録装置に
    おいて、前記単色インク印字ヘッドのノズル数を前記カ
    ラーインク印字ヘッドのノズル数より多くし、前記単色
    インク印字ヘッドは、前記カラーインク印字ヘッドのノ
    ズルと並んだノズルを有するように、かつ、前記カラー
    インク印字ヘッドのノズルよりも用紙供給方向の上流側
    に突出するノズルを有するように配置され、インクジェ
    ット記録装置に送られてくる情報がカラー情報であると
    きには、前記単色インク印字ヘッドは前記カラーインク
    印字ヘッドのノズルより突出した部分に相当するノズル
    だけで印字を実行することを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  2. 【請求項2】 単色インク印字ヘッドと複数個のカラー
    インク印字ヘッドとを有するインクジェット記録装置に
    おいて、前記単色インク印字ヘッドのノズル数を前記カ
    ラーインク印字ヘッドのノズル数より多くし、前記単色
    インク印字ヘッドは、前記カラーインク印字ヘッドのノ
    ズルと並んだノズルを有するように、かつ、前記カラー
    インク印字ヘッドのノズルよりも用紙供給方向の上流側
    に突出するノズルを有するように配置され、インクジェ
    ット記録装置に送られてくる印字情報が単色印字情報で
    あるときには、単色インク印字ヘッドの全ノズルにより
    印字を実行し、インクジェット記録装置に送られてくる
    情報がカラー情報であるときには、前記単色インク印字
    ヘッドは前記カラーインク印字ヘッドのノズルより突出
    した部分に相当するノズルだけで印字を実行することを
    特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記単色インク印字ヘッドのノズル数が
    カラーインク印字ヘッドのノズル数の2倍以上であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  4. 【請求項4】 前記単色インク印字ヘッドのノズル数が
    カラーインク印字ヘッドのノズル数の整数倍であること
    を特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット
    記録装置。
  5. 【請求項5】 前記複数個のカラーインク印字ヘッドが
    一列にかつ前記単色インク印字ヘッドに並べて配置され
    ていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1
    項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記単色インク印字ヘッドのノズルの突
    出量が、前記カラーインク印字ヘッドの印字記録幅と同
    一の印字記録が可能な分に相当することを特徴とする請
    求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記単色インク印字ヘッドのノズルの突
    出量が、前記カラーインク印字ヘッドの印字記録幅と各
    カラーインク印字ヘッド間に設けられた非インク噴射領
    域の幅の和に相当することを特徴とする請求項1または
    2に記載のインクジェット記録装置。
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