JPH0714733Y2 - 空気調和機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、空気調和機（以下空調機という。）のドレン
水処理装置に関するものである。

従来の技術 近年、設備用または住宅用空調機において、天井裏内に
埋込んだり押入の一部に埋込んだり、タンスの一部に埋
込むなどのビルトインタイプが増加している。これは室
内の美観を損なわないようにする傾向が強くなってきた
ためである。従来、冷媒による冷房と温水による暖房を
備えたたとえばビルトインタイプの天井埋込型について
は、第３図〜第５図に示すような構成であった。すなわ
ち、第３図において、天井面１に接する吹出口２および
吸込口３よりなるグリル４と天井内部に埋込まれる本体
５とからなり、前記本体５内部には送風機６と熱交換器
７との間に仕切板８を有した構成としている。また第５
図に示すように、前記熱交換器７は冷媒用回路９と温水
用回路10との２回路で形成されており、前記熱交換器10
の下には冷房時、前記熱交換器７から流れ落るドレンを
受けるドレンパン11があり、内部にドレンの水位により
上下するフロートスイッチ12に接続したドレンポンプ13
が設けられて、そこから排水用のドレンパイプ14が一
旦、上方に上がり仕切板８を貫通して下り勾配となる配
管19に連通している。温水用回路10には冷房時および温
水の不要なときに熱交換器７に温水を流さぬよう、フレ
アーナット15によって熱動弁16が、ドレンパン11の位置
よりはずれた空間部に設けられている。

また第４図に示すように取付工事のときにドレンポンプ
13の作動を確認するために試験的にドレンパン11に水を
溜める注水口17が仕切板８の中央部に設けられ回転式の
蓋18で閉じている。

考案が解決しようとする課題 このような従来の構成では、前記温水用回路10にある前
記熱動弁16は、フレアーナット15によってシールテープ
などして接続しているが、施工作業時の締付トルクが弱
かったりすると、前記フレアーナット15の部分より漏水
が滴下し、グリル４を汚したり、甚しいときは床まで滴
下することがあった。また取付工事のときに、試験的に
ドレン水の排水処理を確認するためのグリル４をはず
し、内部の仕切板８にある注水口17より注水している
が、本体５の内部は狭いために、ドレン水の排水処理試
験が行い難く、試験作業が困難等の課題があった。

本考案は、上記従来の課題を解決するもので、熱動弁接
続口からの漏水の処理と、取付工事のドレン排水処理試
験を容易にする空調機を提供することを目的とするもの
である。

課題を解決するための手段 この課題を解決するために本考案は、本体に仕切板を設
け、その一方に冷媒用回路と温水用回路とからなる熱交
換器と、他方側に室内循環用の送風機とを備え、前記温
水用回路に空気抜きコックとフレアーナットで接続され
た熱動弁を設けるとともに、前記空気抜きコックと前記
熱動弁の下方に対応してドレンパンを延設し、このドレ
ンパンは内底面に段差部を有し、自動排水用のフロート
スイッチおよびドレンポンプを備え、前記空気抜きコッ
クの空気抜き穴に柔軟性チューブを接続し先端を前記ド
レンパンに臨ませ、前記フロートスイッチと接続したド
レンパイプを前記仕切板の上方に貫通した構成としたも
のである。

作用 この構成により、温水用回路にフレアーナットによって
接続された熱動弁の接続口から漏水してもドレンパンに
落下し、製品の外に滴下することはない、また温水用回
路の入口管にある空気抜きコックのつまみを開にしてビ
ニールチューブよりドレンパンへ注水することにより取
付工事頭初の試験用の排水処理を確認できることとな
る。

実施例 以下、本考案の一実施例を第１図および第２図に基づい
て説明する。冷媒による冷房と温水による暖房を備えた
ビルトインタイプの天井埋込型空調機の本体25があっ
て、冷媒用回路26と温水用回路27とからなる熱交換器28
は、送風機29と仕切板30によって本体25の内部を２つに
分割された片側にあり、前記温水用回路27の入口配管31
には、フレアーナット32によって仕切板30に固定された
熱動弁33が接続され、この熱動弁33の他方もフレアーナ
ット32によって配管27と接続されている。前記温水用回
路27の出口管34には、仕切板30に固定された空気抜きコ
ック35が取付けられている。そしてこの空気抜きコック
35のつまみ37は仕切板30を貫通した軸36の送風機29側の
方にある。また前記空気抜きコック35の空気抜き穴38の
先端にはビニールチューブ39が取付けてあり、ドレンパ
ン40まで伸びている。ドレンパン40は熱交換器28および
前記熱動弁33の位置するところまで延設するとともに、
段差部41を設けて一段高くし、一段低くして深底部42の
ところに水位によって上下するフロートスイッチ43によ
り作動する自動排水用のドレンポンプ44が設けられてお
り、前記ドレンポンプ44からは、ドレンパイプ45が接続
され他方側は前記仕切板30の上方に貫通して配管（図示
せず）と接続し、所定の位置まで勾配をつけて排水する
ようにしている。

上記構成において、温水用回路27の前記入口配管31およ
び出口配管34に接続された熱動弁33および空気抜きコッ
ク35の接続口から万一水が漏れたとしても、真下にドレ
ンパン40により受け止める。次に第２図に示すように、
取付工事のとき点検口から試験的に水をドレンパン40に
流すが、このときは空気抜きコック35のツマミ37を、開
の方向へまわすことにより、温水用回路27の水がビニー
ルチューブ39を流れてドレンパン40に流れ、フロートス
イッチ43の作動する水位になるとドレンポンプ44が作動
し、ドレンパイプ45から水が排出され、ドレンポンプ44
の作動と排水を確認することが容易にできる。

考案の効果 前記実施例の説明より明らかなように本考案は、温水用
回路における熱動弁の接続口からの万一漏水してもドレ
ンパンにて受けとめるから、製品外部に滴下汚損するこ
とはなく、また取付工事のとき、空気抜きコックを通し
て熱交換器内の水を使用することにより、工事頭初の排
水試験も容易となり、従来のように狭い点検口に容器に
よって水を注入するという煩雑さも解消され保守保全が
簡易という効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の空気調和機の本体内部の斜
視図、第２図は空気調和機の斜視図、第３図は従来の空
気調和機の側断面図、第４図は同空気調和機の斜視図、
第５図は同空気調和機の部分斜視図である。 25……本体、26……冷媒用回路、27……温水用回路、28
……熱交換器、29……送風機、30……仕切板、32……フ
レアーナット、33……熱動弁、35……空気抜きコック、
38……空気抜き穴、39……ビニールチューブ、40……ド
レンパン、41……段差部、43……フロートスイッチ、44
……ドレンポンプ、45……ドレンパイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】本体に仕切板を設け、その一方に冷媒用回
   路と温水用回路とからなる熱交換器と、他方側に室内循
   環用の送風機とを備え、前記温水用回路に空気抜きコッ
   クと、フレアーナットで接続された熱動弁を設けるとと
   もに、前記空気抜きコックと前記熱動弁の下方に対応し
   てドレンパンを延設し、このドレンパンは内底面に段差
   部を有し、自動排水用のフロートスイッチおよびドレン
   ポンプを備え、前記空気抜きコックは空気抜き穴に柔軟
   性チューブを接続し先端を前記ドレンパンに臨ませ、前
   記フロートスイッチと接続したドレンパイプを前記仕切
   板の上方に貫通して設けた空気調和機。