JPH07147162A - 電解質膜と電極との接合体の製造方法 - Google Patents

電解質膜と電極との接合体の製造方法

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JPH07147162A
JPH07147162A JP4197603A JP19760392A JPH07147162A JP H07147162 A JPH07147162 A JP H07147162A JP 4197603 A JP4197603 A JP 4197603A JP 19760392 A JP19760392 A JP 19760392A JP H07147162 A JPH07147162 A JP H07147162A
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solid polymer
gas diffusion
electrolyte membrane
polymer electrolyte
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JP4197603A
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Tetsuya Haga
哲哉 芳賀
Yutaka Oya
豊 大矢
Masahiko Asaoka
賢彦 朝岡
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Toyota Central R&D Labs Inc
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体高分子電解質膜と電極との接触面積が大
きく、接合状態が良好な固体高分子電解質膜と電極との
接合体を製造する方法を提供する。 【構成】 一対のガス拡散電極の少なくとも一方の電極
の固体高分子電解質膜と接合する面に、上記電解質の溶
液と電極を構成する主成分の粒子との混合物を塗布し、
その後塗布した面に電解質膜を配置し、ホットプレスす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料電池あるいは水の
電気分解装置等に利用できる、固体高分子電解質膜と電
極との接合体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、資源枯渇が心配される化石
燃料を使用しないクリーンな発電装置である。しかも、
騒音をほとんど発生せず、さらに他のエネルギー機関と
比べてエネルギー効率が非常に高いため、ビルディング
や工場等の電力を賄う発電プラントとして利用されてい
る。
【0003】近年、環境問題が重要な社会問題の一つに
なり、化石燃料を用いる車載用内燃機関をモーターに代
え、その電源としてこの燃料電池を利用しようという動
きが活発になってきた。車載用の燃料電池というのは、
安全性や環境の問題は当然のこととして、余り大きな出
力は必要ではないものの、可能な限り小型であることが
望ましい。このような点より、高出力密度を特徴とする
固体高分子電解質膜燃料電池が注目されている。
【0004】この固体高分子電解質膜燃料電池について
図1に示す例により説明する。電池本体1は、固体高分
子電解質膜2の両側に一対のガス拡散電極31、32を
接合することにより構成されている。この接合体1は、
固体高分子電解質膜2の両側に上記ガス拡散電極31、
32を合わせた後、ホットプレス等により製造されてい
る。また、ガス拡散電極31(32)は、それぞれ反応
層311(321)とガス拡散層312(322)とが
接合したものであり、電解質2とは反応層311(32
1)の表面が接触している。電池反応は、ガス拡散層3
12(322)を通過した反応ガスが電解質膜2と反応
層311(321)との接触面に到達して起こる。
【0005】例えば、一方のガス拡散電極31を酸素
極、他方のガス拡散電極32を水素極とし、それぞれの
ガス拡散層312、322を介して酸素および水素を反
応層311、321側に供給すると、各反応層311、
321と電解質膜2との界面で以下の反応が起こる。
【0006】反応層311の界面 : O+4H
4e→2HO 反応層321の界面 : 2H→4H+4e
【0007】ここで、Hは電解質膜2を通って水素極
から酸素極へ流れるが、eは負荷4を通って水素極か
ら酸素極へ流れることになり、電気エネルギーが得られ
る。なお、反応層311(321)には、一般に上記反
応を促進させるために白金族金属等よりなる触媒が分散
されている。
【0008】上記の構成の燃料電池本体1の小型化を追
求し性能を向上させるためには、電池反応が起こる電解
質膜2とガス拡散電極31、32の反応層311、32
1との接触面を可能な限り大きくして電池の出力密度を
向上させることが重要である。さらに、その接触面を安
定に維持するための良好な接合状態を実現しなければな
らない。これは水の電気分解等を行う場合にも同様であ
る。
【0009】従来、固体高分子電解質膜とガス拡散電極
とを接合する際には、種々の温度および圧力条件で両者
を単純にホットプレスすることが一般的になされてお
り、一部改良も進められている。例えば、最近では、
(1)固体高分子電解質膜をアルコール等で軟化膨潤さ
せつつホットプレスする(特開平3−208260
号)、あるいは(2)固体高分子電解質の溶液をあらか
じめガス拡散電極の表面に塗布して電極の内部までしみ
込ませた後これらと固体高分子電解質膜とをホットプレ
スする(USP4,876,115、J.Power
Source,22(1988),359等)という提
案がある。(1)の方法では、軟化した固体高分子電解
質にガス拡散電極がより深く入り込むため、電極−電解
質界面が単純にホットプレスする方法よりも拡がる。ま
た、電解質膜が溶液と接触して膨潤し薄くなるため、電
気抵抗が低下するという副次的効果もある。また、
(2)の方法では、電解質の溶液を電極の内部深くまで
充填することができるので、電極−電解質界面は(1)
の方法よりも更に拡がる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】電解質の溶液を電極の
表面に塗布した場合、電解質が電極内へ入り込む深さは
電極の孔隙構造に強く依存する。空隙率が非常に高い電
極では電極の反応層のかなり深いところまで入り込むこ
とが知られている。例えば、厚さ約100μmの電極に
対して約10μmまで入り込む。しかし、通常の電極で
は空隙率がさほど高くないため深くまで電解質を入り込
ませることはできない。
【0011】また、電極上に塗布する電解質の量は電極
−電解質膜接合体(単電池)の電池特性に強く影響し、
最適な電池特性を得るためには電解質の塗布量を調整す
る必要がある。そのため、塗布する電解質の量を電極ご
とに調べてその量を厳守しなければならない。さらに、
塗布する電解質の量があまり多すぎると過剰の電解質の
溶液が固化して電極上に膜を形成するため、電極上に電
解質膜を配置してホットプレスすることは困難となる。
【0012】このように、電極の種類や電解質の溶液の
塗布量によって電解質膜と電極との接合状態が大きく変
化してしまい、これが電解質の溶液を塗布する方法の実
用上の大きな支障となっている。
【0013】本発明の目的は、上記従来技術の問題に鑑
みなされたものであり、電極の種類や電解質の溶液の塗
布量等に制限されることなく、固体高分子電解質膜と電
極との接触面積が大きく、接合状態の良好な固体高分子
電解質膜と電極との接合体を製造する方法を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(第1発明の構成)本第1発明は、固体高分子電解質膜
の両側に、ガス拡散層と反応層とからなる一対のガス拡
散電極の反応層側を接合してなる接合体を製造する方法
において、少なくとも一方の反応層の固体高分子電解質
膜と接合する側に、固体高分子電解質の溶液とガス拡散
電極を構成する主成分の粒子とを混合した混合物を塗布
する第1工程と、これらと固体高分子電解質膜とをホッ
トプレスする第2工程とよりなることを特徴とする電解
質膜と電極との接合体の製造方法である。
【0015】(第2発明の構成)本第2発明は、固体高
分子電解質膜の両側に、ガス拡散層と反応層とからなる
一対のガス拡散電極の反応層側を接合してなる接合体を
製造する方法において、少なくとも一方のガス拡散層単
体の固体高分子電解質膜と接合する側に、固体高分子電
解質の溶液と触媒を担持したガス拡散電極を構成する主
成分の粒子とを混合した混合物を塗布する第1工程と、
これらと固体高分子電解質膜とをホットプレスする第2
工程とよりなることを特徴とする電解質膜と電極との接
合体の製造方法である。
【0016】
【作用】
(第1発明の作用)固体高分子電解質の溶液とガス拡散
電極を構成する主成分の粒子とが混合したもの(溶液が
含まれるためペースト状となる)を塗布した状態で固体
高分子電解質膜とガス拡散電極とをホットプレスするこ
とにより、ホットプレスの初期段階で、固体高分子電解
質の溶液によりよく濡れたガス拡散電極を構成する主成
分の粒子が、ガス拡散電極および固体高分子電解質膜の
両方に深くくい込む。また、固体高分子電解質溶液中の
溶媒によって固体高分子電解質膜の表面が軟化するた
め、電解質膜とガス拡散電極との接合面積が増大する。
そして、ホットプレスの後半段階で溶媒が蒸発するに伴
い上記のガス拡散電極を構成する主成分の粒子は固体高
分子電解質によって強固に固められる。このため、ガス
拡散電極と固体高分子電解質膜との接触面積が飛躍的に
増大し、両者の密着性が向上する。
【0017】本第1発明の上記作用は電極の種類または
上記混合物の塗布量等に左右されることなく発揮される
ものである。
【0018】(第2発明の作用)本第2発明では、上記
第1発明の作用を呈するとともに以下のように電解質膜
と電極との接合と同時にガス拡散電極の反応層を形成す
ることができる。
【0019】すなわち、ガス拡散層単体上に塗布する混
合物中には、触媒を担持したガス拡散電極を構成する主
成分の粒子が含まれている。第2工程のホットプレス時
に上記ガス拡散電極を構成する主成分の粒子が電極を構
成するとともにその中に触媒が分散するため反応層を形
成することができる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、電極の種類等に制限さ
れることなく、ガス拡散電極と固体高分子電解質膜との
接触面積が大きく、接合状態が良好な固体高分子電解質
膜と電極との接合体を製造することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明をより具体的にした具体例を説
明する。
【0022】(第1発明の具体例)本第1発明の固体高
分子電解質膜と電極との接合体の製造方法は、電解質膜
の両側に配置する一対のガス拡散電極の少なくとも一方
の電極の反応層表面(電解質膜と接合する面)に、電解
質の溶液と電極を構成する主成分の粒子とを混合したも
のを塗布し(第1工程)、これらと電解質膜とをホット
プレスすることにより両者を接合する(第2工程)もの
である。
【0023】本発明において、固体高分子電解質とは、
水に不溶な高分子電解質をいい、例えばパーフルオロス
ルフォン酸ポリマー(ナフィオン(NAFION;商品
名)等)等を挙げることができる。固体高分子電解質の
溶液とは、ホットプレスの際に蒸発除去しうる溶媒に固
体高分子電解質を溶解させたものである。溶媒として
は、例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低
級アルコール等が挙げられる。
【0024】ガス拡散電極を構成する主成分の粒子と
は、炭素等よりなる粒子である。該粒子の平均粒径とし
ては、数10〜数100μmの範囲が好ましい。この範
囲であれば、電解質膜と電極とがより強固に接合する。
また、ガス拡散電極の反応層にさらに多くの触媒成分を
分散させるために該電極を構成する主成分の粒子に触媒
成分を担持させてもよい。この触媒の分だけ反応層の触
媒反応面積が増大する。
【0025】固体高分子電解質の溶液と電極を構成する
主成分の粒子(電極主成分粒子)との混合方法として
は、めのう乳鉢等を用いて電極主成分粒子(触媒を分散
させる場合には触媒も添加する)を電解質の溶液と室温
でよく混練してペースト状とする方法がある。
【0026】混合物中の電解質と電極主成分粒子との配
合割合としては、電解質/電極主成分粒子=0.5〜4
(重量比)の範囲が好ましい。この範囲であれば、良好
かつ安定な電極特性を示す接合体を製造することができ
る。
【0027】上記混合物の形態が、電極主成分粒子の表
面に電解質の薄膜が形成される状態になれば、電解質が
電極反応時の物質移動を阻害せず、電極主成分粒子の導
入により電解質と接触する電極表面積が増大する効果も
最大限に発揮される。従って、混合物としてはペースト
状が望ましい。
【0028】該混合物をガス拡散電極の反応層表面(固
体高分子電解質膜と接合する表面)に塗布する方法とし
ては、はけ塗りで充分であるが、電極面積が大きい場合
には、スプレーやディップ等の方法が望ましい。
【0029】また、上記混合物を塗布するガス拡散電極
とは、反応層とガス拡散層とを接合してなるもの等、従
来から知られているものでよい。
【0030】本第1発明では、ガス拡散層と反応層とよ
りなり、すでに電極を形成しているガス拡散電極の表面
に上記混合物を塗布する。また、上記混合物を塗布する
のは一対のガス拡散電極のうちの少なくとも一方とす
る。
【0031】ガス拡散層は、ガス透過性と電子伝導性と
を兼ね備えたものであればよく、例えば、チタンメッシ
ュ、ポリテトラフルオロエチレン等をバインダーとして
炭素微粒子により成型したもの、カーボンクロス、カー
ボンペーパー等が挙げられる。
【0032】反応層は、従来一般に使用されている、触
媒を担持した炭素微粒子をポリテトラフルオロエチレン
等をバインダーとしてホットプレス成型したものが挙げ
られる。触媒は、従来一般に使用されている、白金族金
属またはその酸化物や合金が挙げられ、炭素微粒子上に
分散担持させたものがよい。該触媒は、コロイド法や含
浸法等、従来より知られている方法で調製したものでよ
い。反応層には、層内の物質移動を調節する目的で構造
修飾剤等を必要に応じて添加してもよい。該構造修飾剤
としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンに分散
させた炭素微粒子等が挙げられる。
【0033】また、ガス拡散電極は、反応層、ガス拡散
層とも空隙率が大きいものが望ましい。
【0034】また、本発明の電解質溶液と電極主成分粒
子との混合物を反応層表面に塗布する前に、USP4,
876,115に記載のように、反応層表面に固体高分
子電解質溶液を塗布しておくと電池等として利用した際
の出力密度を向上させることができる。
【0035】第2工程では、上記ガス拡散電極に塗布し
た混合物の上に固体高分子電解質膜を配置してホットプ
レスする。すなわち、混合物を塗布したガス拡散電極と
固体高分子電解質膜とを、塗布した混合物が中間に来る
ように接触させてホットプレスする。この場合、固体高
分子電解質膜の両側に配置する一対のガス拡散電極のう
ちの一方ずつを別々にホットプレスしてもよく、同時に
ホットプレスしてもよい。固体高分子電解質膜は、例え
ばパーフルオロスルフォン酸ポリマー(ナフィオン(N
AFION;商品名)等)等の膜が挙げられる。
【0036】ホットプレスの条件としては、例えば、電
解質膜がナフィオンである場合、温度25〜150℃、
圧力30〜300kg/cm、時間1〜120分程度
が好ましい。また、触媒を含む混合物を塗布する場合、
電極性能への影響(特に物質移動への影響)を考慮して
ホットプレスの条件を適当に調節するのがよい。また、
温度があまり高い(150℃以上)と、電解質膜が蒸発
する溶媒によって汚染され褐色を呈することがある。な
お、バインダーである電解質が強固に固まらないうちに
ホットプレス接合するのがよい。そのため、混合物中の
溶媒が残存している間に、特に混合物の表面のみが乾燥
している部分乾燥状態でホットプレスするようにするの
がよい。
【0037】このホットプレスにより、混合物の固体高
分子電解質は、配置した固体高分子電解質膜と電極主成
分粒子との間に存在して、両者の接合を高めるバインダ
ーとしての働きを呈する。
【0038】(第2発明の具体例)本第2発明の固体高
分子電解質膜と電極との接合体の製造方法は、電解質膜
の両側に配置する一対のガス拡散電極の少なくとも一方
であって、ガス拡散層のみよりなる該ガス拡散層(ガス
拡散層単体)の表面(電解質膜と接合する側)に、電解
質の溶液と触媒を担持した電極を構成する主成分の粒子
(電極主成分粒子)とを混合したものを塗布し(第1工
程)、これらと電解質膜とをホットプレスすることによ
り両者を接合する(第2工程)ものである。
【0039】本第1発明では、ガス拡散層と反応層とを
具備することによりすでに形成されたガス拡散電極の表
面に電解質の溶液を含む混合物を塗布して接合体を形成
したのに対して、本第2発明では、まだ電極を形成して
いないガス拡散層単体の表面に電解質の溶液を含む混合
物を塗布して、反応層を形成するとともに電解質膜と電
極とを接合するものである。
【0040】従って、本第2発明では、上記電解質の溶
液を含む混合物中の電極主成分粒子には反応層に必要な
触媒が担持してなる。
【0041】混合物中の電極主成分粒子に触媒成分を担
持する方法としては、コロイド法や含浸法等、従来より
知られている方法でよく、電極主成分粒子に触媒成分を
高分散で担持するのがよい。また、さらに構造修飾剤等
の添加剤を電極主成分粒子に担持しておいてもよい。
【0042】上記混合物を塗布するのは一対のガス拡散
電極のうちの少なくとも一方の電極であって、ガス拡散
層単体とする。
【0043】その他の工程、操作は本第1発明と同様で
ある。
【0044】本発明により製造した固体高分子電解質膜
と電極との接合体は、燃料電池や水の電気分解装置等と
して利用することができる。
【0045】以下、本発明の実施例を説明する。
【0046】(実施例) 実施例1 空隙率が異なる2種類のガス拡散電極AまたはB(空隙
率およびガス透過性は電極A>電極B)の表面にそれぞ
れ固体高分子電解質(ナフィオン)の溶液(アルドリッ
チ製5重量%ナフィオン溶液)と電極主成分粒子(炭素
粒子)との混合ペーストを塗布し、その後、塗布面に固
体高分子電解質膜を置いてガス拡散電極と固体高分子電
解質膜とをホットプレスして、接合体(電解質膜の片面
のみに電極がある接合体)を形成した。また、上記混合
ペーストの塗布の前に、電極の表面に固体高分子電解質
(ナフィオン)の溶液を塗布し、以降上記と同様にして
接合体を形成することも行った。
【0047】また、比較のため、上記混合ペーストにお
いて炭素粒子を含まないものを使用し、それ以外は上記
と同様にして比較用の接合体を形成した。
【0048】なお、ガス拡散電極の接合面積、厚さ、反
応層の厚さは、電極A、Bとも各々9cm、約300
μm、約100μmとした。電極上にあらかじめ塗布す
る電解質の量は、電極1cm当たり0.1〜5mg
(乾燥基準)、本発明の混合ペーストの配合組成は、炭
素粒子10mg、電解質15mgとした。炭素粒子は、
カーボンブラック(商品名Vulcan XC−72
R)を使用した。また、固体高分子電解質膜はNAFI
ON(商品名)であり、厚さは175μmとした。ホッ
トプレスの条件は、100℃、100kg/cm、3
0minとした。
【0049】上記本実施例の接合体と比較例の接合体と
について、水中保存中および電極反応試験後の電解質膜
の剥離の有無と接合体の抵抗とを測定し、さらに電極反
応試験により電気化学的酸素還元反応特性を評価した。
【0050】水中保存中および電極反応試験後の電解質
膜の剥離の評価は、接合体を1〜2日水中に保存した状
態での剥離(形状変化)の割合を測定し、さらに下記に
示す電極反応試験後さらに水中に保存した状態での電解
質膜の剥離(形状変化)の割合を測定し、両割合の合計
を求めた。その結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1より明らかなように、従来の単純なホ
ットプレス法(比較例)では、空隙率の大きな電極
(A)には電解質膜を安定に接合できるが、空隙率の小
さい電極(B)には接合強度が低下するのに対して、本
実施例では、両電極とも安定に電解質膜を接合している
ことが分かる。なお、比較例において、電極Bの表面に
電極1cm当たり2.5mg以上の混合ペーストを塗
布すると電解質膜と電極とをホットプレスにより接合す
ることはできなかった。
【0053】また、接合体の抵抗の結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】表2より明らかなように、従来の単純なホ
ットプレス法(比較例)では、ホットプレス圧の低下と
ともに接合部分の接触抵抗が増大して抵抗が高くなる。
それに対して、本実施例では、接合体の抵抗が小さく、
ホットプレス圧力が低くても十分接合していることが分
かる。
【0056】また、電極反応試験による電気化学的酸素
還元反応特性の評価は、接合体の電極に1気圧、20%
+80%Nガスを供給し、半電池法により酸素還
元反応特性(電極反応試験中の純抵抗、二重層容量、純
抵抗補正後の電流−電位特性の変化)を測定した。純抵
抗補正後の電流−電位特性の測定結果を図2に示す。な
お、図2の符号の内容を表3に示す(混合ペーストにP
tよりなる触媒を含有させた例以外は、拡散電極の反応
層にすでに同量のPtが含ませている。)。
【0057】
【表3】
【0058】電気化学的酸素還元反応特性の結果より、
該酸素還元反応は、電極の空隙率に依存し、空隙率の大
きい電極(A)に対しては、触媒活性の向上による電極
電位の大幅な増大が観測された。空隙率が小さく、より
緻密な構造を有する電極(B)に対しては、触媒活性の
変化はより小さくなるが、電流密度の増加に伴い電極の
ガス拡散性能が改善されることにより分極が小さくな
る。図2より明らかなように、本実施例では、電極反応
に不活性な炭素粒子を介在させても電極特性は低下せ
ず、物質移動特性の向上効果が見られた。
【0059】実施例2 20wt%Pt担持炭素粉末10mg(電極1cm
たりのPt量は0.4mg)と固体高分子電解質(ナフ
ィオン)の5wt%溶液0.1mlとを混合した混合ペ
ーストを、ガス拡散電極のガス拡散層(カーボンペーパ
ー)のみよりなる該ガス拡散層に塗布した。このガス拡
散層に混合ペーストを塗布したものを2組用意し、これ
らの間に固体高分子電解質膜を挟み、60〜130℃、
30〜150kg/cmでホットプレスすることによ
り接合体(単電池)を形成した。得られた単電池は、固
体高分子電解質膜と電極との接合状態が良好であり、ま
た、そのうちのいくつかは、現在試験や文献等により知
られている最も高性能なものと同レベルの酸素還元反応
特性を示した。一例として、60℃、H/O系(H
圧力3kg/cm、O圧力4kg/cm)での
単電池運転結果を図3に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体高分子電解質膜燃料電池を示す概念図
【図2】実施例における電解質膜と電極との接合体の電
気化学的酸素還元反応特性を示す線図
【図3】実施例における電解質膜と電極との接合体(単
電池)の出力電圧を示す線図
【符号の説明】
1 燃料電池本体 2 固体高分子電解質膜 31 ガス拡散電極 32 ガス拡散電極 311 反応層 312 ガス拡散層 321 反応層 322 ガス拡散層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体高分子電解質膜の両側に、ガス拡散
    層と反応層とからなる一対のガス拡散電極の反応層側を
    接合してなる接合体を製造する方法において、 少なくとも一方の反応層の固体高分子電解質膜と接合す
    る側に、固体高分子電解質の溶液とガス拡散電極を構成
    する主成分の粒子とを混合した混合物を塗布する第1工
    程と、 これらと固体高分子電解質膜とをホットプレスする第2
    工程とよりなることを特徴とする電解質膜と電極との接
    合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 固体高分子電解質膜の両側に、ガス拡散
    層と反応層とからなる一対のガス拡散電極の反応層側を
    接合してなる接合体を製造する方法において、 少なくとも一方のガス拡散層単体の固体高分子電解質膜
    と接合する側に、固体高分子電解質の溶液と触媒を担持
    したガス拡散電極を構成する主成分の粒子とを混合した
    混合物を塗布する第1工程と、 これらと固体高分子電解膜とをホットプレスする第2工
    程とよりなることを特徴とする電解質膜と電極との接合
    体の製造方法。
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