JP2002015746A - 燃料電池および燃料電池用電極部材 - Google Patents

燃料電池および燃料電池用電極部材

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JP2002015746A
JP2002015746A JP2000197806A JP2000197806A JP2002015746A JP 2002015746 A JP2002015746 A JP 2002015746A JP 2000197806 A JP2000197806 A JP 2000197806A JP 2000197806 A JP2000197806 A JP 2000197806A JP 2002015746 A JP2002015746 A JP 2002015746A
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conductor
catalyst
fuel cell
inorganic
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JP2000197806A
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Maki Yonezu
麻紀 米津
Kazuhiro Yasuda
一浩 安田
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Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高出力かつ小型の燃料電池のための電極部材
であって、長期間にわたって高い安定性を維持するとと
もに、高いプロトン導電性を有する電極部材を提供す
る。 【解決手段】 燃料が直接供給される燃料電池の電解質
膜に接して設けられる電極部材である。電子導電体粒子
(20)、触媒(21)、およびプロトン導電体を含
み、前記プロトン導電体は、前記電子導電体粒子の表面
から前記電解質膜までのプロトン導電パスの骨格を形成
する無機プロトン導電体固体粒子(22)と、前記無機
プロトン導電体固体粒子間および前記触媒−無機プロト
ン導電体固体粒子間を繋ぐ有機プロトン導電体(23)
とを含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池におよび
これに用いられる電極部材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、単独の発電装置として効率がよい
ことから、各種小型機器を長時間作動させるために適し
た電池として燃料電池が注目されている。こうした燃料
電池は、小型化を図ることが望まれており、そのために
は、電極部を改良して出力を向上させるとともに長期安
定性を確保することが必要である。燃料電池の電極部に
おいては通常、電解質膜を挟むようにアノード電極とカ
ソード電極とが設けられている。アノード電極やカソー
ド電極は、燃料を改質するための触媒と、改質されて生
成した電子およびプロトンを取り出すための電子導電体
とプロトン導電体とで構成されている。効率を向上させ
るためには、触媒能・および単位面積あたりの触媒量を
高めることに加えて、触媒利用効率の向上も必須であ
る。触媒利用効率を向上させるためには、触媒上で生成
したプロトンや電子を、効率よく取り出して導電させな
くてはならない。つまり、触媒とプロトン導電パス、お
よび触媒と電子導電体とが必ず接していること、さらに
は、プロトン導電パスがネットワーク状に広がって触媒
から電解質膜までを繋いでいることが重要となる。
【0003】現在、プロトン導電パスとしては有機プロ
トン導電体が用いられている。この有機プロトン導電体
は、材料自体のプロトン導電性は高いものの、その特性
を十分生かせていない。これは、電子導電体とプロトン
導電体を混合して分散させる際に電子導電体の凝集が起
きたり、電極を乾燥させるときに割れが生じたりするこ
とに起因して触媒とプロトン導電パスとのコンタクトが
とりにくくなるためである。すなわち、有機プロトン導
電体を含む電極においては、触媒から電解質に至るプロ
トン導電パスのネットワークが十分形成されていないた
めに、本来のプロトン導電性、更に触媒の触媒能をも十
分に生かしきれていない。そのため、電極構造や製造方
法の改良が必要とされている。また特に、燃料にメタノ
ールを含むDMFC(メタノール直接型燃料電池、Di
rect Methanol Fuel Cell)の
ような燃料電池の場合には、アルコール成分によって有
機のプロトン導電体が一段と劣化してしまうという問題
が起きている。
【0004】一方、無機のプロトン導電体は耐燃料性が
強く、長寿命化も望めるために開発が行なわれている。
しかしながら、現状の無機のプロトン導電体はゾルゲル
法によってしか作製できない上に、プロトン導電性が十
分でなく、性能的には有機導電体の10分の1以下の性
能である。そのため、高出力が望まれている燃料電池に
は、無機プロトン導電体を現状のままで使用することは
できない。さらに、ゾルゲル法で無機プロトン導電体を
作製する場合には、ゲル化の際に電極の収縮が生じて、
電極としての形状を保てないという問題があり、現状の
プロセスでは無機プロトン導電体での電極作製は困難で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の燃料電池においてアノード電極およびカソード電極で
用いられている有機プロトン導電パスは、触媒・電子導
電体との混合・分散、また集電部材上への形成が困難で
ある。これは、電子導電体と有機プロトン導電体との濡
れ性が悪く分散しにくく、さらに、乾燥時に電極表面に
生じる割れが避けられないからである。これに起因し
て、触媒とプロトン導電体との接触状態が十分でなく、
形成されたプロトン導電パスは集電部と電解質膜との間
で分断されている部分が多い。一方、無機プロトン導電
体は、プロトン導電性が低く、また、作製プロセスが確
立していないので、これを用いて安定した形状の電極を
形成することができない。
【0006】そこで本発明は、長期間にわたって高い安
定性を維持するとともに、高出力かつ小型の燃料電池を
提供することを目的とする。
【0007】また本発明は、高出力かつ小型の燃料電池
のための電極部材であって、長期間にわたって高い安定
性を維持するとともに、高いプロトン導電性を有する電
極部材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、電解質膜と前記電解質膜を挟持するアノ
ード電極およびカソード電極とを具備し、前記アノード
電極に燃料が導入される燃料電池であって、前記アノー
ド電極および前記カソード電極は、電子導電体粒子、触
媒、およびプロトン導電体をそれぞれ含み、前記アノー
ド電極および前記カソード電極の少なくとも一方におけ
る前記プロトン導電体は、前記電子導電体粒子の表面か
ら前記電解質膜までのプロトン導電パスの骨格を形成す
る無機プロトン導電体固体粒子と、前記無機プロトン導
電体固体粒子間および前記触媒−無機プロトン導電体固
体粒子間を繋ぐ有機プロトン導電体とを含むことを特徴
とする燃料電池を提供する。
【0009】また本発明は、燃料が直接供給される燃料
電池の電解質膜に接して設けられる電極部材であって、
電子導電体粒子、触媒、およびプロトン導電体を含み、
前記プロトン導電体は、前記電子導電体粒子の表面から
前記電解質膜までのプロトン導電パスの骨格を形成する
無機プロトン導電体固体粒子と、前記無機プロトン導電
体固体粒子間および前記触媒−無機プロトン導電体固体
粒子間を繋ぐ有機プロトン導電体とを含むことを特徴と
する電極部材を提供する。
【0010】本発明においては、上述した電子導電体粒
子、触媒、およびプロトン導電体のうち、電子導電体粒
子と触媒とは、必ず接触もしくは付着していることが必
要である。また、触媒とプロトン導電体とが必ず接触も
しくは付着していることも必要である。
【0011】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。
【0012】本発明の燃料電池の一例の部分概略図を図
1に示す。
【0013】図1においては、電解質膜10の両面に第
1および第2の電極11aおよび11bが設けられ、さ
らにこれらの電極上には、第1の集電部12aおよび第
2の集電部12bがそれぞれ設けられている。本発明に
おいては、第1および第2の電極11aおよび11b
は、電子導電体粒子、触媒およびプロトン導電体をそれ
ぞれ含み、こうした電極の少なくとも一方におけるプロ
トン導電体は、次のような機能を有する無機プロトン導
電体固体粒子と有機プロトン導電体とを含む。すなわ
ち、無機プロトン導電体固体粒子は、電子導電体粒子の
表面から電解質膜までのプロトン導電パスの骨格を形成
し、有機プロトン導電体は、無機プロトン導電体固体粒
子同士、および触媒と無機プロトン導電体固体粒子との
間を繋ぐ。
【0014】図示するように電解質膜10を挟持する電
極11aおよび11bのいずれか一方には、燃料が供給
される。用いられる燃料は特に限定されず、気体および
液体状のものを用いることができるが、メタノール等の
液体燃料を用いた場合に、本発明の効果が特に発揮され
る。
【0015】図2には、こうした無機プロトン導電体固
体粒子および有機プロトン導電体を、電子導電体粒子お
よび触媒とともに概略的に示す。図示するように、電子
導電体粒子20の表面には触媒21が付着しており、無
機プロトン導電体固体粒子22は、プロトン導電パスの
骨格を形成する。こうした無機系プロトン導電体固体粒
子22同士および触媒21と無機プロトン導電体固体粒
子22とを繋ぐために、有機プロトン導電体23が配置
されている。有機プロトン導電体23は、無機プロトン
導電体固体粒子22を覆うように構成されるということ
ができる。
【0016】すなわち、本発明においては、ネットワー
ク状に広がるプロトン導電パスを実現し、かつ、耐化学
的特性が高く、電子導電パスとのスラリー中に分散しや
すい無機プロトン導電体固体粒子22を骨格として使用
し、それを繋ぐように有機プロトン導電体23によるパ
スを形成しているので、安定なプロトン導電パスを設け
ることが可能となった。
【0017】本発明において、電子導電体粒子20とし
ては、電子導電を行なえるものであれば特に限定されな
いが、コストが低く電子導電性が高いもの、例えばカー
ボン粒子などが好ましい。カーボン粒子を用いる場合、
その平均粒子径は5nm〜1000nmの範囲の粒子で
あることが好ましく、10nm〜100nmの範囲であ
ることがより好ましい。
【0018】特にカーボン粒子上に触媒を担持する場合
には、比表面積の大きい粒子であることが必要であり、
粒子径が細かいと一般に比表面積も大きくなるため、1
000nmを越える大きな粒子を用いることは好ましく
ない。一方、電子導電体粒子の粒子径が細かすぎると、
有機・無機プロトン導電体と混合してスラリーにする際
に分散が困難になるために、割れの少ない平滑な電極を
作製することが難しくなる。しかも、電子導電体粒子と
プロトン導電体との接触が悪くなり、カーボン粒子同士
の接触も悪くなって、プロトン導電および電子導電の両
方がしにくくなることもある。特に、5nm未満の平均
粒子径を有する粒子を用いた場合には、それが顕著とな
る。
【0019】また、電子導電体粒子の比表面積は大きい
ほど望ましく、具体的には10m2/g以上であること
が好ましく、40m2/g以上であることがより好まし
い。これは前述したように、触媒を担持する場合、10
2/g以下の表面積を有する担持体では担持される触
媒量が少なく、効率を向上させることが困難であるため
である。
【0020】本発明において用いられる触媒物質21と
しては、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パ
ラジウム、およびオスミウムなどの白金族金属およびそ
の合金が好ましい。こうした触媒は、電子導電体粒子の
表面に担持されていることがより望ましい。担持された
触媒は、電子導電体粒子としてのカーボン粒子との接触
が高められるのみならず、触媒粒子径も小さく作製でき
るために、触媒としての活性も向上する。
【0021】なお、電子導電体粒子に担持されていない
場合でも、触媒の粒子径は細かいことが好ましく、具体
的には、1nm〜10nmの範囲が望ましい。1nm未
満の場合には触媒粒子単体で活性が高すぎ、取り扱いが
難しくなるおそれがある。一方10nmを越えると、触
媒の表面積が減少して反応サイトが減少するために、活
性が低下するおそれがある。
【0022】また、本発明においてプロトン導電体を構
成する無機系プロトン導電体固体粒子22としては、ゾ
ルゲル法を用いて作製されたSiO2もしくはSiO2
25系などのプロトン導電性の高い粒子が好ましい。
こうした無機系プロトン導電体固体粒子の粒子径は、前
述した電子導電体粒子よりも小さいことが望ましく、好
ましくは5nm〜100nmである。
【0023】無機系プロトン導電体固体粒子22は、図
3の拡大断面図に示されるように、細孔24を有するこ
とがより好ましい。細孔24は、細孔径が1nm〜10
nm程度と微細であることが望まれる。こうした微細な
細孔24を有する無機プロトン導電体固体粒子22にお
いては、有機溶媒に溶解もしくは分散した有機プロトン
導電体23と混合する際に細孔24内に溶液が入りこ
み、乾燥した際に有機プロトン導電体23のパスが孔内
に形成されることがより好ましい。細孔24は、無機系
プロトン導電体固体粒子22のプロトン導電性を向上さ
せる働きと、孔内に設けられた有機プロトン導電体23
のパスを保持する働きとを持つために、上述した範囲の
細孔径を有することが望ましい。
【0024】無機プロトン導電体固体粒子23の比表面
積は、大きいほど好ましく、少なくとも10m2/g以
上であることが望ましく、より好ましくは100m2
g以上である。これは、無機プロトン導電体の導電メカ
ニズムは、1つに表面に吸着しているOH基を介して導
電すると考えられているからである。無機プロトン導電
体固体粒子の比表面積が大きい場合には、表面吸着OH
基が増加するので、プロトン導電パスも増加して導電性
も向上する。
【0025】一方、有機プロトン導電体23としては、
有機溶媒に溶解もしくは分散したパーフルオロスルフォ
ン酸やスチレン−ジビニルベンゼン系などのスルフォン
酸型の樹脂が好ましい。
【0026】プロトン導電体においては、有機プロトン
導電体23の体積(乾燥後の固形分)1に対して、無機
系プロトン導電体固体粒子22の体積が0.1〜100
0となるよう、無機プロトン導電体固体粒子と有機プロ
トン導電体とを混合することが好ましい。無機プロトン
導電体固体粒子の割合が0.1未満の場合には、無機プ
ロトン導電体固体粒子同士でプロトン導電パスの骨格を
形成することが困難となって、有機と無機系との両者を
使用する効果を十分に得ることができない。一方、無機
系プロトン導電体固体粒子の割合が1000を越える場
合には、無機プロトン導電体粒子同士を有機プロトン導
電体で繋ぐことが困難となり、プロトン導電体内の接
触、またはプロトン導電体と触媒との接触が不良になる
おそれがある。さらに、無機プロトン導電体固体粒子の
割合が高くなると、電極内でのプロトン導電性が低下す
る。
【0027】また、無機プロトン導電体固体粒子22を
覆うように構成された有機プロトン導電体23の厚み
は、50nm以下であることが好ましく、10nm以下
であることがより好ましい。これは、有機プロトン導電
体が凝集して存在すると、その部分が選択的に劣化し、
電極の割れやプロトン導電パスの分断などによる性能の
経時劣化が発生するからである。この劣化は、液体燃料
を用いた場合、著しく生じる。
【0028】本発明の電極部材において、電子導電体粒
子と有機−無機プロトン導電体との混合比は、電子導電
体粒子の見かけの体積を100としたときに有機−無機
プロトン導電体の見かけの体積が0.01〜1000の
範囲であることが望ましい。プロトン導電パスの比が
0.01未満になると、電子導電体粒子の表面を十分に
覆うパスを形成することが困難となって、取り出せる電
流が低下するために大きな出力を得ることができない。
一方、有機−無機プロトン導電体の割合が1000を越
えると、電極部の抵抗が増加して、やはり出力が取れな
い。
【0029】本発明における電極部材は、上述したよう
な混合比等で各成分を混合することにより調製すること
ができ、得られた電極部材は電解質膜に接触または接着
される。
【0030】電極部材が接触または接着される電解質膜
としては、パーフルオロスルフォン酸やスチレン−ジビ
ニルベンゼン系などのスルフォン酸型イオン交換樹脂
や、ゾルゲル法で作製した無機電解質が好ましい。さら
に、DMFCの場合には、燃料のクロスオーバーが起き
ないように電解質膜の表面に処理が施されていることが
より好ましい。具体的には、PBIのようなプロトン導
電体であり、かつ燃料が透過しにくい材料で表面をコー
ティングすることが考えられる。
【0031】なお、電極部材と電解質膜とを含む電極部
においては、電解質膜とアノード電極およびカソード電
極とが接している、もしくは接着されている構造である
ことが好ましい。電解質膜と電極とは、ホットプレスな
どを用いて温度と圧力をかけて接着し、接触抵抗を低下
させることが好ましい。また、接着強度を上げるため
に、有機溶媒やプロトン導電体を溶解した溶液を各部材
の接着面に塗布してもよい。
【0032】また、本発明の燃料電池および電極部材
は、DMFCのような液体もしくは気体状の有機燃料を
用いた燃料電池において、その電池出力を長時間維持す
るのに有効であるが、特に前記有機燃料を用いた燃料電
池に限定するものではない。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、具体例を示して本発明をさ
らに詳細に説明する。
【0034】(実施例1)平均粒径50nmのカーボン
粒子に、白金−ルテニウム(1:1)を担持させて(担
持量25wt%)、触媒が担持された電子導電体粒子を
得た。また、無機プロトン導電体固体粒子としてのSi
2−P25粒子をゾルゲル法により作製した。得られ
たSiO2−P25粒子の粒子径は10nm、細孔径は
4nm、比表面積は830m2/gであった。
【0035】こうして用意された合金担持カーボン粒子
10gおよびSiO2−P25粒子2gを、水6gおよ
び有機プロトン導電材(アルドリッチ社製、ナフィオン
20wt%溶液)4gとともに混錬してペーストを得
た。このペーストを、導電性多孔質体のカーボン電極基
材上に塗布し、室温乾燥させて本発明の電極部材を作製
した。
【0036】(比較例1)無機プロトン導電体固体粒子
を用いない以外は、前述の実施例1と同様の材料を用い
て同様の手法により、比較例1の電極部材を作製した。
ただし、有機プロトン導電材は10gとし、水は8gと
した。
【0037】前述の実施例1および比較例1で得られた
電極部材をアノード電極として用いて、市販のカソード
電極とともにナフィオン電解質膜を挟持した。さらに、
ホットプレスを用いて140℃で接着し、燃料電池の単
セルに組んでそれぞれセルを作製した。なお、セル面積
は10cm2である。
【0038】それぞれのセルについて、アノード側には
液体燃料として2mol/lの濃度のメタノール水溶液
燃料を4ml/minで供給し、カソード側には常圧空
気を100ml/minで送り、80℃にて発電を行な
った。
【0039】各液液体燃料電池について、電流と出力と
の関係を図4のグラフに示す。図4のグラフ中、曲線a
は実施例1の電極部材を用いた本発明の液体燃料電池に
ついての結果であり、曲線bは比較例1の電極部材を用
いた液体燃料電池についての結果である。本発明の液体
燃料電池(曲線a)においては、0.4A/cm2まで
安定して出力が取り出せるが、比較例1の液体燃料電池
(曲線b)においては、電流の増加とともに出力が急激
に低下し、0.2A/cm2以下しか電流がとれない。
これは、触媒担持粒子上での触媒利用効率が実施例1の
もののほうが高いためであり、カーボン粒子上の触媒
が、プロトン導電パスと接する面積が比較例1よりも大
きな構造を有することに起因する。また、有効に利用さ
れるプロトン導電パスも増加しているために、本発明の
液体燃料電池においては、電流をとったときに電圧の低
下する現象も抑えられていることがわかる。
【0040】また、繰り返し試験を行なったところ、比
較例1の場合には回数毎に性能が低下したが、無機プロ
トン導電体固体粒子と有機プロトン導電体とを含有する
電極部材を用いた実施例1の場合には、初期の性能とほ
ぼ同程度という結果が得られた。これは、プロトン導電
パスに無機物を使用していることに起因し、無機物のメ
タノール燃料に対する耐性がナフィオンなどの高分子に
比べて大幅に高いためである。
【0041】さらに、以下のようにして電極の性能劣化
について調べた。
【0042】まず、実施例1および比較例1で得られた
電極部材を、温度60℃、空気中に放置して性能劣化の
加速試験を行なった。この条件における1ヶ月の放置
は、室温空気中での4ヶ月の放置に相当する。所定時間
が経過した後、それぞれの電極部材を取り出し、アノー
ド電極およびカソード電極として用いて、これらで電解
質膜を挟持した。さらに、プレスして電極部を作製し、
電池測定を行なった。
【0043】電極の放置時間と出力との関係を図5のグ
ラフに示す。図5のグラフ中、曲線cは実施例1の電極
部材を用いた場合の結果であり、曲線dは比較例1の電
極部材を用いた場合の結果である。
【0044】比較例1の電極(曲線d)は、初期の性能
が50mW/cm2と小さく、しかも、この性能は経時
的に劣化している。性能の劣化は、3ヶ月経過したとこ
ろで飽和し、12ヶ月たってもそれ以上の変化は確認さ
れなかった。
【0045】一方、実施例1の場合(曲線c)は、初期
の性能が200mW/cm2と大きく、12ヵ月後の加
速試験にも大きな変化は見られず、経時劣化は起こって
いないことがわかる。本発明の電極部材においては、図
2に示されるように無機プロトン導電体固体粒子と有機
プロトン導電体とを含んでいるので耐候性が向上してい
るためである。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、長
期間にわたって高い安定性を維持するとともに、高出力
かつ小型の燃料電池が提供される。また本発明によれ
ば、高出力かつ小型の燃料電池のための電極部材であっ
て、長期間にわたって高い安定性を維持するとともに、
高いプロトン導電性を有する電極部材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池の一部の構成を表わす部分断
面図。
【図2】本発明の電極部材内の構造を表わす概略図。
【図3】本発明の電極部材における無機系プロトン導電
体固体粒子の構造を表わす拡大断面図。
【図4】本発明の実施例1および比較例1に関わる燃料
電池の電流と電圧との関係を表わすグラフ図。
【図5】本発明の実施例1および比較例1に関わる燃料
電池の出力の経時変化を表わすグラフ図。
【符号の説明】
10…電解質膜 11a,11b…電極 12a,12b…集電部 20…電子導電体粒子 21…触媒 22…無機プロトン導電体固体粒子 23…有機プロトン導電体 24…細孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H018 AA06 AS02 AS03 CC06 DD08 EE03 EE05 EE11 EE17 EE18 5H026 AA06 AA08 CC01 CX04 CX05 EE02 EE05 EE08 EE12 EE18 EE19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質膜と前記電解質膜を挟持するアノ
    ード電極およびカソード電極とを具備し、 前記アノード電極に燃料が導入される燃料電池であっ
    て、 前記アノード電極および前記カソード電極は、電子導電
    体粒子、触媒、およびプロトン導電体をそれぞれ含み、 前記アノード電極および前記カソード電極の少なくとも
    一方における前記プロトン導電体は、前記電子導電体粒
    子の表面から前記電解質膜までのプロトン導電パスの骨
    格を形成する無機プロトン導電体固体粒子と、前記無機
    プロトン導電体固体粒子間および前記触媒−無機プロト
    ン導電体固体粒子間を繋ぐ有機プロトン導電体とを含む
    ことを特徴とする燃料電池。
  2. 【請求項2】 燃料が直接供給される燃料電池の電解質
    膜に接して設けられる電極部材であって、 電子導電体粒子、触媒、およびプロトン導電体を含み、 前記プロトン導電体は、前記電子導電体粒子の表面から
    前記電解質膜までのプロトン導電パスの骨格を形成する
    無機プロトン導電体固体粒子と、前記無機プロトン導電
    体固体粒子間および前記触媒−無機プロトン導電体固体
    粒子間を繋ぐ有機プロトン導電体とを含むことを特徴と
    する電極部材。
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