JP2008243688A - 燃料電池用電極、燃料電池用電極の作製方法、および燃料電池 - Google Patents

燃料電池用電極、燃料電池用電極の作製方法、および燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池用の電極において、触媒金属上で発生する熱や過酸化水素によって引き起こされる三相界面の減少を抑制する。
【解決手段】燃料電池に用いられる触媒層100は、リン酸塩からなる触媒担体110、触媒担体110に担持された触媒金属120、および触媒担体110を結着する無機バインダー130を備える。リン酸塩としては、リン酸スズが挙げられる。無機バインダー130は、プロトン伝導性を有する無機材料で構成され、たとえば、リン酸インジウムを主成分とするアモルファス物質が用いられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池に用いられる電極およびそれを用いた燃料電池に関する。
近年、エネルギー変換効率が高く、かつ、発電反応により有害物質を発生しない燃料電池が注目を浴びている。こうした燃料電池の一つとして、固体高分子形燃料電池が知られている。
固体高分子形燃料電池は、電解質膜である固体高分子膜を燃料極と空気極との間に配した基本構造を有し、燃料極に水素を含む燃料ガス、空気極に酸素を含む酸化剤ガスを供給し、以下の電気化学反応により発電する装置である。
燃料極:H2→2H+ + 2e- ・・・・(1)
空気極:1/2O2 + 2H+ + 2e- → H2O ・・・・(2)
アノードよびカソードは、それぞれ触媒層とガス拡散層が積層した構造からなる。各電極の触媒層が固体高分子膜を挟んで対向配置され、燃料電池を構成する。触媒層は、触媒を担持した炭素粒子がイオン交換樹脂により結着されてなる層である。ガス拡散層は酸化剤ガスや燃料ガスの通過経路となる。
アノードにおいては、供給された燃料中に含まれる水素が上記式(1)に示されるように水素イオンと電子に分解される。このうち水素イオンは固体高分子電解質膜の内部を空気極に向かって移動し、電子は外部回路を通って空気極に移動する。一方、カソードにおいては、カソードに供給された酸化剤ガスに含まれる酸素が燃料極から移動してきた水素イオンおよび電子と反応し、上記式(2)に示されるように水が生成する。このように、外部回路では燃料極から空気極に向かって電子が移動するため、電力が取り出される(特許文献1参照)。
特開平05−036418号公報
従来のように、プロトン伝導体として固体高分子電解質が用いられている燃料電池用の触媒層では、白金などの触媒金属上で発生した熱や過酸化水素によって固体高分子電解質が攻撃され、固体高分子電解質が劣化するおそれがある。固体高分子膜が劣化することにより、触媒層において電極反応が進行する三相界面(プロトン伝導体−触媒−反応ガスが接する界面)が減少し、ひいてはセル特性の低下が起こる。
また、触媒の担体としてカーボンを用いた場合には、白金などの触媒金属上で発生した熱や過酸化水素によってカーボンが腐食し、触媒金属が脱落するおそれがある。担体から脱落した触媒金属は、カソード電位または酸性雰囲気下に曝されると、溶解してしまう。この結果、三相界面が減少し、ひいてはセル特性の低下が起こる。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料電池用の電極において、触媒金属上で発生する熱や過酸化水素によって引き起こされる三相界面の減少を抑制することができる技術の提供にある。
本発明のある態様は、燃料電池用電極である。当該燃料電池用電極は、リン酸塩からなる触媒担体と、触媒担体に担持された触媒金属と、プロトン伝導性を有する無機バインダーと、を含む触媒層を備えることを特徴とする。
この態様によれば、触媒層を構成する各部材が無機材料で形成されているため、触媒金属上で発生した熱や過酸化水素の影響によって触媒担体や無機バインダーが劣化することが抑制される。これにより、三相界面の減少が抑制され、セル特性がより長期的に安定化する。
本発明の他の態様は、燃料電池用電極である。当該燃料電池用電極は、無機電子伝導体からなる粒子にリン酸塩が被覆された触媒担体と、触媒担体に担持された触媒金属と、プロトン伝導性を有する無機バインダーを含む触媒層を備え、触媒金属がリン酸塩からなる被膜を貫通し、無機電子伝導体に接触していることを特徴とする。
この態様によれば、触媒層を構成する各部材が無機材料で形成されているため、触媒金属上で発生した熱や過酸化水素の影響によって触媒担体や無機バインダーが劣化することが抑制される。これにより、三相界面の減少が抑制され、セル特性がより長期的に安定化する。また、無機電子伝導体がリン酸塩で被覆されているため、無機電子伝導体が、触媒金属上で発生した熱や過酸化水素によって劣化することが抑制される。
上記いずれかの態様において、無機電子伝導体が酸化スズであってもよい。また、上記いずれかの態様において、リン酸塩がリン酸スズであってもよい。また、上記いずれかの態様において、無機バインダーが、リン酸インジウムを主成分としてもよい。また、上記いずれかの態様において、カーボン材料からなる電子伝導体をさらに備えてもよい。
本発明のさらに他の態様は、燃料電池用電極の作製方法である。当該燃料電池用電極の作製方法は、無機電子伝導体の粒子に触媒金属を担持させる工程と、触媒金属が担持された無機電子伝導体に所定量のリン酸を混合した後、加熱しながら撹拌して、無機電子伝導体の粒子の露出部分にリン酸を反応させ、無機電子伝導体の粒子の露出部分にリン酸塩からなる被膜が形成された触媒担持粒子を含むスラリーを形成する工程と、スラリーを焼成する工程と、焼成されたスラリーをプロトン伝導性を有する無機バインダーに混合する工程と、を備えることを特徴とする。
この態様によれば、触媒金属がリン酸塩からなる被膜を貫通し、無機電子伝導体に接触した状態で担持された触媒担持粒子を形成するとともに、触媒層を構成する各部材を無機材料で形成された燃料電池用電極を作製することができる。
上記態様燃料電池用電極の作製方法において、無機バインダーに加えて、カーボン材料がさらに混合されてもよい。
本発明のさらに他の態様は、燃料電池である。当該燃料電池は、上述したいずれかの態様の燃料電池用電極が、カソードおよび/またはアノードに用いられていることを特徴とする。
本発明によれば、燃料電池用の電極において、三相界面の減少を抑制することができる。
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る燃料電池用電極(以下、必要に応じてアノードまたはカソードと呼ぶ。アノードおよびカソードをまとめて単に電極と呼ぶ場合がある。)を備えた燃料電池の断面図である。
燃料電池10は、燃料として用いられる水素および酸化剤として用いられる空気を用いて電気化学反応により電力を発生する。燃料電池10は、複数の膜電極接合体20とバイポーラプレート30を積層して構成された積層体40、この積層体40の両側に設けられた負極用の集電体50および正極用の集電体52、絶縁体60を介して集電体50、集電体52にそれぞれ組み付けられる端板70および端板72を備え、端板70と端板72により、積層体40が締め付けられる。
各膜電極接合体20は、高分子電解質膜22、高分子電解質膜22の一方の面に当接するアノード24、および高分子電解質膜22の他方の面に当接するカソード26を含む。高分子電解質膜22は、湿潤状態において良好なイオン伝導性を示すことが好ましく、アノード24とカソード26との間でプロトンを移動させるイオン交換膜として機能する。高分子電解質膜22は、含フッ素重合体や非フッ素重合体等の固体高分子材料によって形成され、例えば、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基又はカルボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等を用いることができる。スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体の例として、ナフィオン(デュポン社製:登録商標)112などが挙げられる。また、非フッ素重合体の例として、スルホン化された、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホンなどが挙げられる。なお、高分子電解質膜22としてポリベンズイミダゾール類、リン酸スズ膜等の無機電解質膜を用いてもよい。これにより、燃料電池10を無加湿状態で運転することができる。アノード24およびカソード26の詳細については後述する。
各バイポーラプレート30のアノード24側には、燃料が流通する燃料流路が設けられ、各バイポーラプレート30のカソード26側には、酸化剤が流通する酸化剤流路が設けらている。なお、バイポーラプレートに代えて、燃料流路が設けられた燃料プレートと、酸化剤流路が設けられた酸化剤プレートと、燃料プレートと酸化剤プレートとの間に介在するセパレータを用いてもよい。
各膜電極接合体20を中心とする各セル80は、燃料電池の1単位として機能する。各セル80は、配線(図示せず)により直列に接続され、各セル80で発生する電力は、集電体50および集電体52を介して外部に出力される。
アノード24およびカソード26は、ガス拡散層および触媒層を有する。ガス拡散層は、反応ガスを触媒層に供給する機能を有する。また、ガス拡散層は、反応により生じる電荷を外部回路に移動させる機能や、水や未反応ガスなどを外部に放出する機能を持つ。ガス拡散層は、電子伝導性を有する多孔体で構成されることが好ましく、たとえばカーボンペーパーやカーボンクロスなどで構成される。
図2は、実施の形態1に係る燃料電池のアノード24およびカソード26で使用される触媒層100の構造を示す概略図である。図2に示すように、本実施の形態の触媒層100は、リン酸塩からなる触媒担体110、触媒担体110に担持された触媒金属120、および触媒担体110を結着する無機バインダー130を備える。
触媒担体110は、プロトン伝導性を有するリン酸塩で形成された無機粒子である。リン酸塩としては、リン酸スズ、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、リン酸珪素などのリン酸塩および、これらのリン酸塩にドーパントとして異種金属が添加されたものが挙げられる。
触媒担体110に担持される触媒金属120としては、白金、ルテニウム、ロジウムなどの金属またはこれらの金属の合金が挙げられる。
無機バインダー130は、プロトン伝導性を有する無機材料で構成され、たとえば、リン酸インジウムを主成分とするアモルファス物質を用いることができる。リン酸インジウムを主成分とするアモルファス物質は、インジウム−スズ酸化物(ITO)をリン酸(85wt%)で処理することにより得られ、リン酸インジウム以外の成分としてリン酸スズなどが含まれる。ITOとリン酸(85wt%)との混合比は、たとえば、1:0.8〜2である。ここで、「主成分」とは、無機バインダーの全質量に対する質量%が、80%以上であることをいう。
さらに、触媒層100は、電子伝導性を有するカーボン材料140を含むことにより、電子伝導パスが形成されていることが望ましい。電子伝導性を有するカーボン材料としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどが挙げられる。
本実施の形態の触媒層では、プロトン伝導体としてリン酸塩、およびプロトン伝導性を有する材料としてリン酸インジウムを主成分とするアモルファス物質が用いられているため、触媒金属において発生した熱や過酸化水素の影響を受けにくく、プロトン伝導体の劣化が抑制される。この結果、三相界面の減少が抑制され、長期的に安定したセル特性が得られる。
また、触媒担体として、プロトン伝導性を有するリン酸塩で形成された無機粒子が用いられているため、触媒金属において発生した熱や過酸化水素により、カソード電位においても酸化雰囲気においても触媒担体が腐食することが抑制され、触媒担体から触媒金属が脱落にしにくくなる。この結果、三相界面の減少が抑制され、長期的に安定したセル特性が得られる。
(リン酸スズの過酸化水素に対する耐性)
リン酸スズの過酸化水素に対する耐性を調べる目的で、過酸化水素を付与しないリン酸スズと、15wt%過酸化水素水溶液に2週間撹拌した後のリン酸スズについてそれぞれXRD(X線回折)を実施した。図3は、過酸化水素を付与しないリン酸スズのXRDスペクトルである。図4は、15wt%過酸化水素水溶液に2週間撹拌した後のリン酸スズについてそれぞれXRDスペクトルである。図3および図4からわかるように、過酸化水素水の付与前後で、各ピーク位置に変化が見られない。また、図4には、分解物に由来する新たなピークは出現していない。このため、リン酸スズは過酸化水素の存在下で構造に変化を受けず、過酸化水素に対する耐性に優れていることが確認された。
(実施の形態1の電極作製方法)
酸化スズ3gと1.5%の白金を含むジニトロジアミン白金硝酸溶液13.5gを混合し、撹拌後、還元剤としてエタノール16.5mlを添加した。この溶液を80℃で6時間撹拌、乾燥し、窒素雰囲気中で300℃、30分間熱処理を行った。白金が担持された酸化スズに、リン酸(85wt%)3.5g、水15mlを混合し、ホットスターラー上で前処理を行い、ゲル状にする。ゲル状になった白金担持酸化スズリン酸混合液を650℃で熱処理することによって白金担持リン酸スズが得られる。得られた白金担持リン酸スズ3g、リン酸インジウムを主成分とするアモルファス物質3g、およびケッチェンブラックからなるカーボン材料1gを混合し、触媒スラリーを作製する。得られた触媒スラリーは、電解質膜に直接塗布されてもよく、カーボンペーパーなどの基材に塗布されてもよい。
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2に係る燃料電池のアノード24およびカソード26で使用される触媒層の構造を示す概略図である。図5に示すように、本実施の形態の触媒層200は、無機電子伝導体からなる粒子202にリン酸塩からなる被膜204が形成された触媒担体210、触媒担体210に担持された触媒金属220、および触媒担体210を結着する無機バインダー230を備える。
触媒担体210は、無機電子伝導体からなる粒子202にプロトン伝導性を有するリン酸塩からなる被膜204が形成された無機粒子である。無機電子伝導体としては酸化スズが挙げられる。また、リン酸塩としては、リン酸スズが挙げられる。リン酸スズは、耐湿性にすぐれているため、触媒担体の耐久性が向上する。また、リン酸スズは、プロトン伝導性が優れているため、リン酸スズを触媒担体として用いることにより、プロトン伝導パスの3次元ネットワークを容易に形成することができる。
触媒担体210に担持される触媒金属220としては、白金、ルテニウム、ロジウムなどの金属またはこれらの金属の合金が挙げられる。本実施の形態の触媒金属220は、リン酸塩からなる被膜204を貫通し、無機電子伝導体からなる粒子201に接触している。このように、触媒金属220が無機電子伝導体に接触することにより、電子伝導パスが形成される。
無機バインダー230は、プロトン伝導性を有する無機材料で構成され、たとえば、リン酸インジウムを主成分とするアモルファス物質を用いることができる。ここで、「主成分」とは、無機バインダーの全質量に対する質量%が、80%以上であることをいう。
さらに、触媒層200は、電子伝導性を有するカーボン材料240を含むことにより、電子伝導パスの形成が促進されていることが望ましい。電子伝導性を有するカーボン材料としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどが挙げられる。
本実施の形態の触媒層では、プロトン伝導体としてリン酸塩、およびプロトン伝導性を有する材料としてリン酸インジウムを主成分とするアモルファス物質が用いられているため、触媒金属において発生した熱や過酸化水素の影響を受けにくく、プロトン伝導体の劣化が抑制される。この結果、三相界面の減少が抑制され、長期的に安定したセル特性が得られる。
また、触媒担体として、プロトン伝導性を有するリン酸塩で形成された無機粒子が用いられているため、触媒金属において発生した熱や過酸化水素により、カソード電位においても酸化雰囲気においても触媒担体が腐食することが抑制され、触媒担体から触媒金属が脱落にしにくくなる。この結果、三相界面の減少が抑制され、長期的に安定したセル特性が得られる。
また、酸化スズなどからなる無機電子伝導体がリン酸スズなどのリン酸塩によって被覆されているため、無機電子伝導体の劣化が抑制される。
(実施の形態2の電極作製方法)
白金粒子を担持させた酸化スズの粉末をリン酸(85wt%)を重量比1:1.15で混合し、適量の純水を加え、ホットスターラーで加熱しながら撹拌を行う。スラリーの状態がゲル状になったら、ルツボに移し、マッフル炉にて焼成を行う。焼成後の試料3gと無機バインダー(リン酸インジウムを主成分とするアモルファス物質)3gと混合、スラリーを作製した後、カーボンペーパーに塗布することによって燃料電池電極を得る。なお、スラリー作製時に、無機バインダーに加えて、ケッチェンブラックからなるカーボン材料1gをさらに混合してもよい。これによれば、電子伝導パスの形成がより容易となる。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
例えば、上述の各実施の形態では、アノードおよびカソードの両方に、上述した実施の形態の触媒層が用いられているが、アノードまたはカソードの一方のみに上述した実施の形態の触媒層を適用し、他方の電極には、白金担持カーボンと固体高分子電解質からなる周知の触媒層を適用してもよい。
実施の形態1に係る燃料電池用電極を備えた燃料電池の断面図である。 実施の形態1に係る燃料電池のアノードおよびカソードで使用される触媒層の構造を示す概略図である。 過酸化水素を付与しないリン酸スズのXRDスペクトルである。 15wt%過酸化水素水溶液に2週間撹拌した後のリン酸スズのXRDスペクトルである。 実施の形態2に係る燃料電池のアノードおよびカソードで使用される触媒層の構造を示す概略図である。
符号の説明
10 燃料電池、20 膜電極接合体、22 高分子電解質膜、24 アノード、26 カソード、30 バイポーラプレート、50,52 集電体、60 絶縁体、70,72 端板。

Claims (9)

  1. リン酸塩からなる触媒担体と、
    前記触媒担体に担持された触媒金属と、
    プロトン伝導性を有する無機バインダーと、
    を含む触媒層を備えることを特徴とする燃料電池用電極。
  2. 無機電子伝導体からなる粒子にリン酸塩が被覆された触媒担体と、
    前記触媒担体に担持された触媒金属と、
    プロトン伝導性を有する無機バインダーと、
    を含む触媒層を備え、
    前記触媒金属が前記リン酸塩からなる被膜を貫通し、前記無機電子伝導体に接触していることを特徴とする燃料電池用電極。
  3. 前記無機電子伝導体が酸化スズであることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池用電極。
  4. 前記リン酸塩がリン酸スズであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃料電池用電極。
  5. 前記無機バインダーが、リン酸インジウムを主成分とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池用電極。
  6. カーボン材料からなる電子伝導体をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の燃料電池用電極。
  7. 無機電子伝導体の粒子に触媒金属を担持させる工程と、
    前記触媒金属が担持された前記無機電子伝導体に所定量のリン酸を混合した後、加熱しながら撹拌して、前記無機電子伝導体の粒子の露出部分にリン酸を反応させ、前記無機電子伝導体の粒子の露出部分にリン酸塩からなる被膜が形成された触媒担持粒子を含むスラリーを形成する工程と、
    前記スラリーを焼成する工程と、
    焼成された前記スラリーをプロトン伝導性を有する無機バインダーに混合する工程と、
    を備えることを特徴とする燃料電池用電極の作製方法。
  8. 前記無機バインダーに加えて、カーボン材料がさらに混合されることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池用電極の作製方法。
  9. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の燃料電池用電極が、カソードおよび/またはアノードに用いられていることを特徴とする燃料電池。
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