JPH0714566Y2 - 垂直循環式駐車設備 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、垂直に循環させるようにしたケージ枠に自動
車を格納して立体的に駐車するようにした垂直循環式駐
車設備に関するものである。

［従来の技術］ 従来使用されている垂直循環式駐車設備の一例を第２図
によって説明すると、第２図は自動車の入出庫と駐車を
行う駐車室ａと、該駐車室ａの側方に並設された側部入
出庫室ｂを備えた場合を示しており、前記駐車室ａは高
い建屋になっており、垂直方向に循環する無端状のチェ
ーンｃに一定間隔ごとにケージ枠ｄを取り付けた垂直循
環式駐車装置ｅが設置されている。各ケージ枠ｄ内には
パレットｆにのせた自動車ｇを格納するようになってい
て、垂直循環式駐車装置ｅの下方には、駐車室ａと側部
入出庫室ｂとにわたって横行する横行トラバーサーｈが
設けられている。横行トラバーサーｈの幅（第２図にお
いて左右方向の長さ）はケージ枠ｄの幅より長くなって
いて、その上面には、垂直循環式駐車装置ｅの直下に位
置することのできるジャッキアップ装置ｉとその側方の
プラットホームｊとが取り付けられており、横行トラバ
ーサーｈの横行にともなって、駐車室ａと側部入出庫室
ｂとの間を移動することができるようになっている。駐
車室ａと側部入出庫室ｂとの間は、昇降可能の中間扉ｋ
によって開閉できるようになっている。

垂直循環式駐車装置ｅとのケージ枠ｄに対する自動車ｇ
の入出庫は、第２図中実線で示すように、最下位置に循
環されたケージ枠ｄの下部に横行トラバーサｈを位置さ
せ、中間扉ｋを下降させた状態で、通常の駐車装置と同
様に駐車室ａにおいて第２図の紙面と鉛直の方向から入
出庫を行い、このとき運転者はプラットホームｊから乗
り降りする。

一方自動車ｇを牽引などによって運ぶために、垂直循環
式駐車装置ｅのケージ枠ｄに格納してある自動車ｇを側
部入出庫室ｂ側から出庫させる必要がある場合には、出
庫させようとする自動車ｇを格納しているケージ枠ｄを
垂直循環式駐車装置ｅの最下位置まで循環して停止させ
る。中間扉ｋは上昇させて開き、横行トラバーサーｈは
駐車室ａの方に横行させ、ジャッキアップ装置ｉが最下
位のケージ枠ｄの直下まで来たところで横行トラバーサ
ーｈの横行を停止する。

次に、パレットｆをジャッキアップ装置ｉにより横行可
能な位置まで上昇し、ジャッキアップ装置ｉ上にパレッ
トｆ及び自動車ｇをのせたまま、横行トラバーサーｈを
側部入出庫室ｂまで横行させ、パレットｆをジャッキア
ップ装置ｉにより出庫可能な位置まで下降した後、運転
者はプラットホームｊから自動車ｇ内に乗り込み、運転
を行って自動車ｇを側部入出庫室ｂから紙面と鉛直の方
向の外部に出庫させる。

自動車ｇを入庫させるときは、上記とは逆の操作をすれ
ばよい。

［考案が解決しようとする課題］ 上述した従来の垂直循環式駐車装置ｅで使用している横
行トラバーサーｈの上面には、ジャッキアップ装置ｉの
側方にプラットホームｊが一体に取り付けられており、
このプラットホームｊは通常の入出庫時に運転者が頻繁
に歩行するため安全上余裕のある広幅となっており、こ
のため、パレットｆを駐車室ａから側部入出庫室ｂに移
動した際、側部入出庫室ｂには広幅のプラットホームｊ
のための余分な広さが必要であった。従って、通常時は
余り使われない側部入出庫室ｂのスペースが大くなって
しまう問題があった。

土地の高価な場所あるいは狭い場所に垂直循環式駐車設
備を建造する場合には、側部入出庫室ｂにおける広幅な
プラットホームのための余分なスペースをなくして、側
部入出庫室ｂを自動車の入出庫に必要な最少限の広さで
すむようにすることが要望されている。

本考案はこのような要望を満たすため、側部入出庫室に
自動車の入出庫に必要な最少限の広さの固定プラットホ
ームを備えるのみとして、側部入出庫室のスペースを小
さなものとすることができる垂直循環式駐車設備を提供
することを目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、自動車を収容するケージ枠を垂直方向に循環
させる垂直循環式駐車装置を備えて自動車の入出庫を行
う縦長の駐車室の下部側方に、側部入出庫室を並設して
備えている垂直循環式駐車設備において、前記垂直循環
式駐車装置の１つのケージ枠が最下位置に移動した時に
下降させて該ケージ枠の側部に高さを略一致させること
ができ、且つ上昇により退避が可能な昇降プラットホー
ムと、側部入出庫室における前記昇降プラットホームと
反対側の位置に設置した最小幅の固定プラットホーム
と、前記垂直循環式駐車装置の下方に設けられて自動車
のみを載置する幅を有し、上昇により退避した昇降プラ
ットホームの下方を通って前記駐車室と側部入出庫室間
を横行が可能な横行トラバーサとを備えたことを特徴と
する垂直循環式駐車設備、に係るものである。

［作用］ 昇降プラットホームは横行トラバーサーの動きとは無関
係になり、垂直循環式駐車装置の側方で昇降のみを行
い、側部入出庫室に必要最少幅の固定プラットホームを
設けるのみで、側部入出庫室のスペースを小さなものと
することができる。

［実施例］ 次に本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図において、高い建屋の駐車室１と低い建屋の側部
入出庫室２とが並んでおり、駐車室１の内部には、垂直
方向に循環する無端状のチェーン３に一定間隔をおいて
複数のケージ枠４を取り付けた垂直循環式駐車装置５が
設置されている。ケージ枠４内にはパレット６に自動車
７をのせて格納できるようになっていて、垂直循環式駐
車装置５の下方には、駐車室１と側部入出庫室２とにわ
たって横行する横行トラバーサー８が設けられている。
横行トラバーサー８の上面には、自動車７をのせたパレ
ット６を昇降するジャッキアップ装置９のみが取り付け
てあって、第２図で説明したプラットホームｊは取り付
けてない。従って横行トラバーサー８の幅は自動車７の
みを載置するのに必要な最小限の幅になっていて、従来
のようにプラットホームｊを取り付けるための余分な幅
は有してない。

垂直循環式駐車装置５下部の側部入出庫室２側の側方に
は余裕のある広幅の昇降プラットホーム10が設けてあっ
て、リフト装置11によって昇降されるようになってい
る。昇降プラットホーム10が最も下降した下限位置で
は、昇降プラットホーム10の高さはジャッキアップ装置
９が下降状態にある時の高さとほぼ同一水準になるよう
にされている。また昇降プラットホーム10が最も上昇し
た上限位置10′においては、垂直循環式駐車装置５の側
方最下部に位置しているケージ枠４の下面に当接しない
高さになるようにされている。

昇降プラットホーム10の側部入出庫室２側の端縁は、駐
車室１と側部入出庫室２との境界付近に位置していて、
上記昇降プラットホーム10の側部入出庫室２側の端縁に
は扉板12が垂直に固定されている。そして昇降プラット
ホーム10が下降すると扉板12も共に下降して駐車室１と
側部入出庫室２との間を閉じ、昇降プラットホーム10が
上昇すると扉板12も共に上昇して駐車室１と側部入出庫
室２との間を開くようになる。横行トラバーサー８を駐
車室１と側部入出庫室２とにわたって横行させるときに
は、昇降プラットホーム10は上限位置10′に上昇させて
おく。昇降プラットホーム10が下限位置にある通常の入
出庫時は、駐車室１の図面に鉛直な方向から入出庫を行
い、同方向から昇降プラットホーム10を介して、運転者
が出入できるようになっている。

図中13は側部入出庫室２における前記昇降プラットホー
ム10と反対側の位置に設けた固定プラットホームであ
り、該固定プラットホーム13は運転者の乗降に必要な最
少幅としている。

以上説明した第１図の設備において、垂直循環式駐車装
置５のケージ枠４に格納してある自動車７を駐車室１か
ら出庫する場合には、昇降プラットホーム10を下限位置
に下降した状態で、出庫させようとする自動車７を格納
しているケージ枠４を垂直循環式駐車装置５の最下位置
まで循環して停止させ、昇降プラットホーム10を通って
運転者が自動車７に乗込んで紙面と鉛直な方向に出庫す
る。入庫する際には上記と逆の操作を行う。

又、ケージ枠４に格納してある自動車７を側部入出庫室
２から出庫する際には、出庫させようとしている自動車
７を格納しているケージ枠４を、最下位置まで循環して
停止させた後、パレット６をジャッキアップ装置９によ
り横行可能な位置まで上昇させる。この時同時に昇降プ
ラットホーム10と扉板12とを下限位置より上限位置10′
に上昇させる。そしてパレット６を支持したまま横行ト
ラバーサー８を駐車室１から側部入出庫室２の定位置ま
で横行させ、パレット６をジャッキアップ装置９により
出庫可能な位置まで下降し、固定プラットホーム13を介
して運転者が自動車７に乗り込んで側部入出庫室２から
紙面と鉛直な方向に出庫する。

側部入出庫室２に自動車７を入庫し、更に駐車室１に搬
送して駐車させる場合には、予め昇降プラットホーム10
及び扉板12を上限位置10′に上昇させ、パレット６をの
せた横行トラバーサー８を側部入出庫室２の定位置まで
横行させ、パレット６をジャッキアップ装置９により入
庫可能な位置まで下げておく。そして路上から側部入出
庫室２に入庫した自動車をパレット６上で停止させ、運
転者が自動車７から降りて固定プラットホーム13により
外部に出た後、パレット６をジャッキアップ装置９によ
り横行可能な位置まで上昇させ、横行トラバーサー８は
パレット６及び自動車７をのせたまま駐車室１の垂直循
環式駐車装置５の直下まで横行する。次にパレット６を
ジャッキアップ装置９により下降させ、最下位のケージ
枠４にはまり込ませる。この時同時に昇降プラットホー
ム10及び扉板12を上限位置10′から下限位置まで下降さ
せる。その後、チェーン３を垂直に循環し、ケージ枠４
に入った自動車７を垂直循環式駐車装置５の適宜の箇所
に駐車させる。

［考案の効果］ 本考案は、運転者通路となるプラットホームを横行トラ
バーサーに取り付けず、横行トラバーサーとは別にして
垂直循環式駐車装置の下部側方に昇降可能に設けた昇降
プラットホームとしたので、横行トラバーサーは自動車
のみを載置するに足るだけのコンパクトなものとなり、
且つ通常使用される昇降プラットホームは広幅とし、側
部入出庫室に備える固定プラットホームは必要最小限の
幅とすることができて、側部入出庫室の面積を狭くする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の正面図、第２図は従来の垂
直循環式駐車設備の一例を示す正面図である。 図中、１は駐車室、２は側部入出庫室、４はケージ枠、
５は垂直循環式駐車装置、７は自動車、８は横行トラバ
ーサー、10は昇降プラットホーム、11はリフト装置、13
は固定プラットホームを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車を収容するケージ枠を垂直方向に循
   環させる垂直循環式駐車装置を備えて自動車の入出庫を
   行う縦長の駐車室の下部側方に、側部入出庫室を並設し
   て備えている垂直循環式駐車設備において、前記垂直循
   環式駐車装置の１つのケージ枠が最下位置に移動した時
   に下降させて該ケージ枠の側部に高さを略一致させるこ
   とができ、且つ上昇により退避が可能な昇降プラットホ
   ームと、側部入出庫室における前記昇降プラットホーム
   と反対側の位置に設置した最小幅の固定プラットホーム
   と、前記垂直循環式駐車装置の下方に設けられて自動車
   のみを載置する幅を有し、上昇により退避した昇降プラ
   ットホームの下方を通って前記駐車室と側部入出庫室間
   を横行が可能な横行トラバーサとを備えたことを特徴と
   する垂直循環式駐車設備。