JPH07144827A - 紡績機械で練条機にスライバを供給する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はスライバの供給装置に関し、複数の
ケンスを同時に作業位置（通路）から出し入れすること
により、設置スペースの節約を図ることを目的とする。 【構成】 紡績機械で練条機にスライバ３を供給する装
置で、それぞれ１つのケンス1',1" から引き出された複
数のスライバ３を、支持ローラ４を通して練条機のドラ
フト装置５に送る。ケンスを動かす案内システムが、エ
ンドレスに周回する搬送チェーン17などに取り付けた案
内アーム18を有する。案内アーム18のうちそれぞれ１つ
のアームがケンスをつかんで一方の方向にさらに送る。
搬送チェーンなどの転向部の区域でケンスを弓状軌道に
沿って案内する保持部材19, 20が設けられていて、案内
アーム18がケンス1',1" を反対の方向に送る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、紡績機械で練条機にス
ライバを供給する装置であって、それぞれ１つのケンス
から引き出された複数のスライバを、支持ローラを通し
て練条機のドラフト装置に送り、ケンスを動かす案内シ
ステムを具備し、この案内システムがエンドレスに周回
する搬送チェーンなどに取り付けた案内アームを有し、
これらの案内アームのうちそれぞれ１つのアームがケン
スをつかんで一方の方向にさらに送るものに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】公知の装置、すなわち練条機入口ゲート
に、引き出し中の１組のケンスと、１つの予備の満ケン
スのためのスペースを有する通路があり、これらのケン
スがスライバ引き出し方向とは反対に送られる。予備の
満ケンスのスペースに隣接した入口を通って、他の予備
ケンスが準備通路から、ドラフト装置側に向いたケンス
端に送り込まれる。最も空のケンスに隣接した出口を通
って、それぞれ空ケンスが通路から、ドラフト装置とは
反対側のケンス端に押し出される。これらのケンスは案
内システムの働きで、通路の終点に達するまで間欠的ま
たは連続的にさらに移動する。ケンスの充填状態は、通
路の入口から通路の出口に向かって段階的に減少する。
したがって、通路の出口に最も近いケンスが、最初に空
になる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】満ケンスの供給は、引
き出し中のケンスと同じ側の通路で行われるが、これは
多くのスペースを要する。もう１つの短所は、幾つか
の、もしくはすべての満ケンスもしくは空ケンスの供給
と排出とを同時に行えない点である。さらに、この装置
では、搬送チェーンの側ですべてのケンスを交換する、
いわゆるブロック交換が不可能である。空ケンスしか通
路から押し出される空ケンスと、通路に導入される満ケ
ンスは、それぞれ１つしかない。しかも、チェーンの長
手側しかケンス搬送に利用されないことが難点である。

【０００４】本発明の目的は、上記の短所を回避し、特
に幾つかのケンスを同時に作業位置（通路）から出し入
れすることができて、スペースを取らない、冒頭に記載
した種類の装置を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、紡績機械で練条機にスライバを供給する装置であっ
て、それぞれ１つのケンスから引き出された複数のスラ
イバを、支持ローラを通して練条機のドラフト装置に送
り、ケンスを動かす案内システムを具備し、この案内シ
ステムがエンドレスに周回する搬送チェーンなどに取り
付けた案内アームを有し、これらの案内アームのうちそ
れぞれ１つのアームがケンスをつかんで一方の方向にさ
らに送るものにおいて、本発明の特徴は、搬送チェーン
などの転向部の区域でケンスを弓状軌道に沿って案内す
る保持部材が設けられていて、案内アームがケンスを反
対の方向にさらに送ることにある。

【０００６】ケンスは転向部の区域で保持部材によって
弓状軌道に沿って案内され、外側に逸脱することはな
い。それからケンスはチェーンの平行な長手側に達し
て、ターンテーブルによってさらに搬送される。こうす
ることによって、いわゆるブロック交換が可能となる。
同時に、すべての空ケンスと準備されたすべての満ケン
スを、それぞれチェーンの他方の長手側に簡単に送るこ
とができる。さらに、チェーンの両方の長手側を利用す
ることによって、装置は構造が単純でスペースを取らな
い。チェーンの一方の長手側でケンスが処理されている
間、同時にチェーンの他方の長手側では、たとえばケン
ス台車によって空ケンスを排出し、満ケンスを供給でき
る。

【０００７】搬送チェーンが２つの垂直軸の回りを周回
することが好都合である。弓状軌道が半円形に形成され
ていることが好適である。それぞれ転向部と向き合っ
て、同心的に配置された湾曲保持部材が設けられている
ことが得策である。保持部材がループ、ガイドレールな
どであることが有利である。転向部で、被動ターンテー
ブルがそれぞれ床に設けられていることが好都合であ
る。転向部で、一緒に回転するターンテーブルがそれぞ
れ床に設けられていることが好適である。ターンテーブ
ルがケンスの固定部材、たとえばへこみ部を有すること
が得策である。案内アームの開いた端部に、可動な保持
部材が設けられていることが有利である。これらの保持
部材が、搬送中にケンスを案内アームの間の空間に保持
し、他方ではケンスを案内アームの間の空間から出し入
れすることを可能にする。これらの保持部材がばね弾性
的に負荷されていることが好都合である。保持部材の一
方の端部がピボット軸受で回転可能であることが好適で
ある。保持部材の他方の端部にローラが配置されている
ことが得策である。保持部材が板ばねであることが有利
である。ケンスが、紡績機械床の上を転動するローラを
ケンス底に付けていることが好都合である。ケンスがケ
ンス底にローラを付けておらず、ケンスの搬送装置が設
けられていることが好適である。搬送装置が搬送ローラ
を有することが得策である。搬送装置が少なくとも１つ
の搬送ベルトを有することが有利である。

【０００８】

【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図１に、練条機、たとえばトゥリュッチ
ュラー社の高性能練条機ＨＳ９００の斜視図を示す。丸
形ケンス１がスライバ入口３（入口ゲート）の下方に配
置されており、供給スライバ２がローラ４（支持ロー
ラ）を通して引き出され、ドラフト装置５に送られる。
スライバ６は、ドラフト装置５を通過した後にターンテ
ーブル７に達し、練条機の出口で平形ケンス９に螺旋状
（８）に収納される。ドラフト装置５とターンテーブル
７は、ドラフト装置カバー１０によって接触できないよ
うに防護されている。

【０００９】スライバ２ａ〜２ｄを練条機１１に供給す
る装置において、各々のスライバ２ａ〜２ｄはケンス
１′から、練条機１１のフィードローラ１２に送られ
る。フィードローラ１２に続いて、スライバはスライバ
入口１３を通って練条機１１に導入される。ちょうどス
ライバ２が練条機１１に向かって出ている４つのケンス
１′ａ〜１′ｄが、通路１４に１列に並んでいる。通路
１４と平行に、空ケンスまたは満ケンス１″を収容する
通路１５がある。ケンス１′および１″のために可動な
案内システム１６が設けられており、この案内システム
１６がエンドレスに周回する搬送チェーン１７などに取
り付けた案内アーム１８を有しており、それらのうちそ
れぞれ１つのアームがケンス１をつかみ、一方の方向に
送り出す。保持部材として図１に２つのガイドレール１
９および２０が示されている。これらのガイドレール１
９および２０は、転向部でケンス１′および１″を弓状
軌道（矢印ＣおよびＤ）に沿って案内し、ケンス１′お
よび１″が外に逸脱することはない。転向部の区域の外
部では、案内アーム１８がケンス１′および１″をそれ
ぞれ反対の方向ＡもしくはＢに直線的に送る。

【００１０】図２には、１列に配置された幾つかのカー
ド２１が概念的に示されている。これらのカード２１は
排出側で供給装置（ケンスコイラ）を用いて、カード２
１の排出側で作業位置にあるケンスにスライバを供給す
る。カード２１におけるケンス１．２は、図２の表現に
従い半分充填されている。ケンスは完全に充填される
と、満ケンスとして参照符号１．３で表示され、搬送装
置２２に引き渡され、この搬送装置２２によってカード
２１から練条機１１の入口側に運ばれる。空ケンスは
１．１の参照符号を付けている。搬送装置２２、たとえ
ば台車として形成された無人運搬車は、１つ以上のケン
スの収容スペースを備え、案内軌道２３に沿って移動で
きる。このために、搬送装置２２には制御可能な駆動装
置が設けられており、図面には示されない制御装置によ
って制御されている。さらに、図面には示されないが、
搬送装置２２は、ケンスを搬送装置２２から積み降ろし
する積み替え装置を含んでいる。まず、満ケンス１．３
はカード２１における作業位置から、搬出位置に移動さ
れなければならない。それから満ケンス１．３は、カー
ド２１の区域における引き渡し部で、積み替え装置によ
り台車２２に引き渡される。次に、台車２２は練条機１
１の入口側区域に移動する。練条機１１の入口側区域に
は、フィードフレーム３を備えたフィードテーブルが配
置されており、ここには待機位置もしくは搬出位置およ
び作業位置（通路１４）が１つずつ設けられている。図
示の実施例では、フィードテーブルは、作業位置にある
１列に配置された６つのケンス１′、および待機位置
（満ケンス）もしくは搬出位置（空ケンス）にある６つ
のケンス１″を収容するように構成されている。たとえ
ばフィードテーブルのケンス１′および１″を通路１５
の待機位置から通路１４の作業位置に移行させ、または
通路１５の作業位置から通路１５の搬出位置に移行させ
ることができるように、案内システム１６が設けられて
いる。通路１５の移行部で、空ケンスが搬出位置から台
車２２に積み替えられる。このために、再び台車２２に
設けられた積み替え装置、たとえば移動式つかみ装置が
用いられる。それから、空ケンスは台車２２によって、
たとえばカード２１に設けられた引き渡し部に配置さ
れ、次に待機位置に引き渡される。供給側の通路１４内
の作業位置にあるケンス１′から出たスライバ２は、練
条機に送り込まれる。練条機はその排出側で、ダブリン
グされ延伸されたスライバをケンス２３に収納する。台
車２２の動作は、優先コンピュータによって制御され
る。優先コンピュータは台車２２の制御装置に、対応す
る搬送課題を遂行する命令、つまり満ケンスまたは空ケ
ンス１を通路１５の待機位置に送るか、またはケンス１
をカード２１または練条機１１（通路１５）に設けられ
ている搬出位置から搬出する命令を出す。優先コンピュ
ータは練条機１１の供給側に配置された第１の信号発生
器と連結している。この信号発生器は、供給側で通路１
４の作業位置にあるケンス１′が空になりそうになった
ら知らせる。練条機の供給側の待機位置および搬出位置
には、ケンスの存在を検出するためのセンサが設けられ
ている。これらのセンサも優先コンピュータと連結して
いる。これらのセンサは、ライトバリヤまたはコンタク
トなどであることができる。カード２１の排出側の区域
には、別の信号発生器が設けられている。これらの信号
発生器は、待機位置にあるケンス１．２が充填されそう
になったら知らせる。カード２１の信号発生器は、練条
機１１の信号発生器と原理的には同じように構成されて
いる。さらに、ケンス２１の待機位置には、準備された
ケンスの存在を表示するセンサが付属している。これら
のセンサはライトバリヤまたはコンタクトなどであるこ
とができる。カード２１の信号発生器およびセンサも、
優先コンピュータと連結している。

【００１１】図３を参照すると、搬送チェーン１７は２
つの垂直軸２４ａおよび２４ｂの回りを周回する。直線
状の通路１４および１５の端部を互いに連結している転
向部で、２つの弓状軌道は半円形に形成されている。図
４を参照すると、２つの転向部には、床に搬送装置とし
て垂直軸の回りを回転するターンテーブル２５および２
６がそれぞれ１つある。ターンテーブル２５および２６
は、保持部材として、ケンス１の固定部材、たとえばへ
こみ部（図示せず）を有しているので、ケンス１′およ
び１″はターンテーブル２５および２６が回転している
間、外には逸脱しない。

【００１２】図５のＡおよびＢを参照すると、案内アー
ム１８ａの開いた端部には、保持部材としてばね弾性的
に負荷されたアーム２７がある。アーム２７は、案内ア
ーム１８ａの一方の端部でピボット軸受２８により矢印
ＥおよびＦの方向に動くことができる。アーム２７の他
方の端部には、ローラ２９が付いている。ケンス１の直
径３ｄは、ローラ２９と隣接する案内アーム１８ｂとの
間隔ａより大きいので、ケンス１ａはばね圧力に抗する
ことによってのみ、案内アーム１８ａと１８ｂの間の空
間から出し入れできる。

【００１３】図５のＡにおいて、ケンス１′および１″
は、紡績機床３１の上を転動するローラ３０をケンス底
に付けている。ケンス底にローラのないケンス１の場
合、図６に示すように、少なくとも通路１４および１５
の床に搬送手段としてそれぞれ１つのローラパス３２が
ある。チェーン１７、たとえば支持アーム１８を付けた
オープンリンクチェーンの運動方向が、矢印ＧおよびＨ
で示されている。ターンテーブル２５もしくは２６の回
転方向は、矢印ＩおよびＫで示されている。圧縮ばねは
３６で示されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の装置を有する練条機の概念的な
斜視図である。

【図２】図２は練条機が搬送装置を通してカードと連結
し、入口ゲートがスライバ進行方向に対して直角に練条
機内に配置されている、本発明の装置を有する練条機の
概念的な平面図である。

【図３】図３は搬送チェーン、案内アームおよび転向部
の湾曲ガイドレールを有する装置の平面図である。

【図４】図４は転向部の床上の２つのターンテーブルで
ある。

【図５】ばね弾性的に負荷された回転可能な保持部材を
有する案内アームの側面図(A)、平面図(B) である。

【図６】ローラパス上のケンスである。

【符号の説明】 １…ケンス １４，１５…通路 １７…搬送チェーン １８…案内アーム １９，２０…保持部材 ２４…垂直軸 ２５，２６…ターンテーブル ２８…ピボット軸受 ２９，３０…ローラ ３２…搬送ローラ ３３，３４…転向部 ３６…ばね Ａ，Ｂ…回転方向 Ｃ，Ｄ…軌道

Claims (18)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 紡績機械で練条機にスライバを供給する
   装置であって、それぞれ１つのケンスから引き出された
   複数のスライバを、支持ローラを通して練条機のドラフ
   ト装置に送り、ケンスを動かす案内システムを具備し、
   この案内システムがエンドレスに周回する搬送チェーン
   などに取り付けた案内アームを有し、これらの案内アー
   ムのうちそれぞれ１つのアームがケンスをつかんで一方
   の方向にさらに送るものにおいて、搬送チェーン（１
   ７）などの転向部（３３，３４）の区域でケンス（１；
   １′，１″，１′ａ〜１′ｄ，１″ａ〜１″ｄ）を弓状
   軌道（Ｃ，Ｄ）に沿って案内する保持部材（１９，２
   ０；２５，２６）が設けられていて、案内アーム（１
   ８）がケンス（１）を反対の方向（Ａ，Ｂ）にさらに送
   ることを特徴とする装置。
2. 【請求項２】 前記搬送チェーン（１７）が２つの垂直
   軸（２４ａ，２４ｂ）の回りを周回する、請求項１記載
   の装置。
3. 【請求項３】 前記弓状軌道が半円形に形成されてい
   る、請求項１または２記載の装置。
4. 【請求項４】 それぞれ転向部と向き合って、同心的に
   配置された湾曲保持部材（１９，２０）が設けられてい
   る、請求項１から３のいずれか１項記載の装置。
5. 【請求項５】 前記保持部材（１９，２０）がループ、
   ガイドレールなどである、請求項１から４のいずれか１
   項記載の装置。
6. 【請求項６】 転向部（３３，３４）で、被動ターンテ
   ーブル（２５，２６）がそれぞれ床に設けられている、
   請求項１から５のいずれか１項記載の装置。
7. 【請求項７】 転向部（３３，３４）で、一緒に回転す
   るターンテーブル（２５，２６）がそれぞれ床に設けら
   れている、請求項１から６のいずれか１項記載の装置。
8. 【請求項８】 ターンテーブル（２５，２６）がケンス
   の固定部材、たとえばへこみ部を有する、請求項１から
   ７のいずれか１項記載の装置。
9. 【請求項９】 案内アーム（１８）の開いた端部に、少
   なくとも１つの可動な保持部材が設けられている、請求
   項１から８のいずれか１項記載の装置。
10. 【請求項１０】 前記保持部材がばね弾性的に負荷（３
    ６）されている、請求項１から９のいずれか１項記載の
    装置。
11. 【請求項１１】 前記保持部材の一方の端部がピボット
    軸受（２８）によって回転可能である、請求項１から１
    ０のいずれか１項記載の装置。
12. 【請求項１２】 前記保持部材の他方の端部にローラ
    （２９）が配置されている、請求項１から１１のいずれ
    か１項記載の装置。
13. 【請求項１３】 前記保持部材が板ばねであるか、また
    は板ばねを有する、請求項１から１２のいずれか１項記
    載の装置。
14. 【請求項１４】 ケンス（１）が、紡績機械床（３１）
    の上を転動するローラ（３０）をケンス底に付けてい
    る、請求項１から１３のいずれか１項記載の装置。
15. 【請求項１５】 ケンス（１）がケンス底にローラを付
    けておらず、ケンス（１）の搬送装置が設けられてい
    る、請求項１から１４のいずれか１項記載の装置。
16. 【請求項１６】 前記搬送装置が、少なくとも通路（１
    ４，１５）内に設けられている、請求項１から１５のい
    ずれか１項記載の装置。
17. 【請求項１７】 前記搬送装置が搬送ローラ（３２）な
    どを有する、請求項１から１６のいずれか１項記載の装
    置。
18. 【請求項１８】 前記搬送装置が少なくとも１つの搬送
    ベルトを有する、請求項１から１７のいずれか１項記載
    の装置。