JPH0714463Y2 - 衛生洗浄装置の噴射ノズル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、局部を洗浄する衛生洗浄装置に係り、特に洗
浄水吐出前後に作動するノズルヘッドの洗浄において、
洗浄水の便器外飛散を解消した衛生洗浄装置の噴射ノズ
ルに関するものである。

〔従来の技術〕

従来より人体の局部洗浄用の衛生洗浄装置として、肛門
洗浄とビデ洗浄を可能にする各種構造のものが使用され
ている。一般にこの種の衛生洗浄装置のノズルロッド
は、非使用時にノズルシリンダに格納してあり、使用時
に構造上予め決定されている便器内の露出位置に現れ、
該ノズルロッド端に固設したノズルヘッドに穿設した肛
門用吐出孔又はビデ用吐出孔から被洗浄局部に向かって
洗浄温水を噴出するように成っている。また該ノズルヘ
ッドがノズルシリンダの端部から突出する際と、格納さ
れる際には該ノズルヘッドの表面を温水によって洗浄す
る構造になる。

即ち、従来の構造では第６図に示すように、ノズルシリ
ンダ50に対してノズルロッド51を収納した際、ノズルヘ
ッド52とノズルシリンダ50端部との間に形成される通水
間隙53から給水した洗浄水を噴出して、洗浄水吐出用の
肛門用吐出孔54とビデ用吐出孔55を穿設したノズルヘッ
ド52の表面を洗浄する構造にしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

この結果、ノズルヘッド52洗浄時に噴出した洗浄水がノ
ズルロッド51の突出方向（矢印Ａ）に吐出するようにな
り、比較的小型の便器に衛生洗浄装置を設置した場合に
は、ノズルヘッド51を洗浄した水が便器内貯水部回りの
乾燥面に当たって便器の外にまで飛散するという欠点を
有していた。

また上記ノズルヘッド51に形成してあるビデ用吐出孔55
は、水量を要するため一般に肛門用吐出孔54より多くの
小孔が形成してあるが、吐出する洗浄温水の水勢が強い
ため、使用感が悪く成るという問題を有していた。

本考案は、上記問題を鑑みてなされたものであり、ノズ
ルロッドの突出開始時と格納時に洗浄水によってノズル
ヘッドを洗浄する機能を備えた衛生洗浄装置において、
該洗浄水が便器の外に飛散することがない衛生洗浄装置
の噴射ノズルを提供すると共に、ビデ洗浄において使用
感の良好な衛生洗浄装置の噴射ノズルを提供することを
目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を解決するために、本考案に係る衛生洗浄装置
の噴射ノズルは、ノズルシリンダに対してノズルロッド
を摺動自在に内挿し、ノズルシリンダ往復駆動手段を介
して該ノズルロッドを収納位置と洗浄位置に出退変位す
る衛生洗浄装置の噴射ノズルにおいて、上記ノズルシリ
ンダに対してノズルロッドを収納した際、該ノズルロッ
ドの先端に固着し、肛門用吐出孔とビデ用吐出孔を具備
したノズルヘッドが、ノズルシリンダ端部との間に通水
間隙を構成するように格納する構造とし、該ノズルヘッ
ドの先端部に、上縁側に構成した適宜大きさの面取切削
構造と下縁側に構成した水案内突起構造とから成るノズ
ル洗浄水吐出方向制御構造を構成すると共に、上記ノズ
ルヘッドに穿設したビデ用吐出孔を比較的大径の主孔と
該主孔を囲繞して配設した該主孔より小径の複数の副孔
とから構成したことを要旨とするものである。また、上
記ノズル洗浄水吐出方向制御構造は、ノズルヘッドの先
端部において、上縁側に適宜大きさの面取切削又は下降
曲成した流水吸引構造し、下縁側に水案内突起等の流水
屈折構造を構成したものである。

〔作用〕

上記構成では、収納位置，肛門洗浄位置及びビデ洗浄位
置に出退するノズルロッドを収容位置において、使用操
作の開始時と終了時に通水間隙を介して洗浄水がノズル
ロッドに先端に固設したノズルヘッドの表面に沿ってノ
ズルロッドが延びる方向に噴出するが、このときノズル
ヘッドの上側に沿って噴出した洗浄水は、面取切削又は
下降曲成した流水吸引構造によってその先端で流水吸引
構造壁に沿って下方に流れ落ち、またノズルヘッドの下
側に沿って噴出した洗浄水は、水案内突起等の流水屈折
構造によってその壁方向に飛散方向を曲げられるように
成る。

この結果、ノズルヘッドの洗浄水はノズルロッドの突出
方向より下方に屈折せしめられ、便器から外に飛散する
ことがない。

またビデ用吐出孔については、孔郡の中央に位置する主
孔を大径に構成したことによって流量を確保しながら洗
浄水の吐出速度を遅くすることができるため、ソフトな
使用感を得ることができる。

〔実施例〕

以下、本考案に係る衛生洗浄装置の噴射ノズルの一実施
例を第１図乃至第５図に従って説明する。

本実施例は、収納位置，肛門洗浄位置及びビデ洗浄位置
に出退するノズルロッドを収容したノズルシリンダを更
に出退調節することができるノズルシリンダ往復駆動手
段を備えた衛生洗浄装置について実施したものを示す。

１は、便器２の上面に載設した便座３の後方に位置し
て、該便器２に固設した衛生洗浄装置本体であり、該本
体ケース４の中央部に位置して本考案に構成した洗浄水
噴射ノズル駆動機構５のノズル組立体６が設けられる。
該ノズル組立体６は、ノズルシリンダ７の両側水平位置
に、該ノズルシリンダ７に沿って摺動用リブ8,8を突設
すると共に、該ノズルシリンダ７を支持ブラケット9,9a
に対向して形成したガイド溝10,10に対して、上記摺動
用リブ8,8を摺動自在に嵌合保持したものである。また
該ノズルシリンダ７の下面側後部側壁に構成したラック
11は、上記支持ブラケット９の一側に固設したシンクロ
ナスモータ又はパルスモータ等のシリンダ位置調節制御
モータ12の駆動軸に軸着したピニオン13と噛合し、中央
制御回路からの制御信号によってモータドライバを介し
て該シリンダ位置調節制御モータ12を正逆転駆動させ、
ノズルシリンダ７の支承位置を変更するノズルシリンダ
往復駆動手動14を構成して成る。

上記ノズルシリンダ７の後端に一体的に構成した板発条
ケース16に軸設したドラム17には、一端を固着した板発
条18が捲回してあり、該板発条18の外端を上記ノズルシ
リンダ７の先端からシール部材を介して気密的に挿入し
たノズルロッド15の後端と連結固着してある。該板発条
ケース16の側面に固設したシンクロナスモータ又はパル
スモータ等のノズル位置変更用制御モータ19は、駆動軸
に上記ドラム17を軸着してなり、中央制御回路からの制
御信号によりモータドライバを介して該ノズル位置変更
制御モータ19を正逆転駆動させ、板発条18の巻き解きに
よってノズルシリンダ７に対してノズルロッド15を変位
せしめ、所定位置に停止するノズルロッド往復駆動手動
20を構成したものである。

21は、上記ノズルシリンダ７の先端部近傍に構成した洗
浄水供給ポートであり、上記ノズルロッド15の先端に固
設したノズルヘッド22には、基部をノズルロッド15の基
部近傍に気密的に内挿した筒状の分離通水部材27の先端
を、肛門用吐出孔23とビデ用吐出孔24の間に気密的に内
挿してなり、各吐水孔23,24と連通する各連通路25,26を
構成すると共に、該各連通路25,26の各開口部25a,26aと
それぞれノズルロッド15の所定突出位置で気密的に導通
する構造に成っている。上記ノズルヘッド22は、その上
面と下面がそれぞれ偏平面28,29と成り、先端部におい
て、上縁側には適宜曲率Ｒで下降する流水吸引構造30を
構成すると共に、下縁側には適宜角度ａで上記偏平面29
から突出した水案内突起31を構成して成り、ノズルロッ
ド15がノズルシリンダ７に収納した状態で、上記洗浄水
供給ポート21が両偏平面28,29と連通し、ノズルロッド1
5とノズルヘッド22の間隙から洗浄水が吐出する。

また、上記肛門用吐水孔23は、比較的小径（0.92mm）の
３個の孔を正三角形の頂点位置とする配列に成り、また
ビデ用吐出孔24は、比較的大径（2.0mm）の主孔24aとそ
の回りに配列した該主孔24aより小径（1.2mm）の４個の
副孔24bから構成してある。

上記構成の衛生洗浄装置の噴射ノズルは、肛門洗浄又は
ビデ洗浄の指令がされると、ノズル位置変更制御モータ
19が正転駆動してノズルロッド15をノズルシリンダ７か
ら突出せしめるものであるが、その突出前に洗浄水供給
ポート21から洗浄水が供給されるため、両偏平面28,29
を介して該洗浄水がノズルロッド15とノズルヘッド22の
間隙から噴出する。

上記洗浄水の吐出は、ノズルロッド15の変位によって洗
浄水供給ポート21と両偏平面28,29が隔絶されることに
よって停止する。また使用後、該ノズルロッド15がノズ
ルシリンダ７の収納位置に後退すると、再び洗浄水供給
ポート21と両偏平面28,29が連通することによって洗浄
水の噴出が行われる。

上記洗浄水の噴出において、ノズルヘッド22の上面と下
面に沿って噴出した洗浄水は、その先端において、流水
吸引構造30と水案内突起31によってノズルロッド15の突
出方向から下方向（矢印Ｂ）に屈折し、目的を達成す
る。

またビデ用吐水孔24を、比較的大径（2.0mm）の主孔24a
とその回りに配列した小径（1.2mm）の４個の副孔24bか
ら構成したことによって洗浄水の水量を減少させること
なく、流速を抑制することができるため、使用感が軟ら
かく成るものである。

〔考案の効果〕

本考案に係る衛生洗浄装置の噴射ノズルは、以上のよう
に構成したから、ノズルヘッド洗浄時の洗浄水が流水吸
引構造及び水案内突起によって飛散方向下方に屈折せし
められ、便器から外に飛散することがなくなると共に、
ビデ用吐出孔の孔郡の中央に位置する主孔を大径に構成
したことによって流量を確保しながら洗浄水の吐出速度
を遅くしたことによりソフトな使用感を得ることができ
る等の特徴を有するものであり、本考案実施後の実用的
効果は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る衛生洗浄装置の噴射ノズルの一実
施例を示すノズル収納状態の正面図、 第２図は同左側面図、 第３図は第１図におけるIII−III線断面図、 第４図はノズルロッドとノズルシリンダの構造を示す一
部切欠した平面図、 第５図は第４図におけるＶ−Ｖ線断面図、 第６図は従来の衛生洗浄装置の噴射ノズル構造を示す要
部側断面図（ａ）と平面図（ｂ）である。 １…衛生洗浄装置本体、６…ノズル組立体 ７…ノズルシリンダ、15…ノズルロッド 21…洗浄水供給ポート、22…ノズルヘッド 23…肛門用吐水孔、24…ビデ用吐水孔 24a…主孔、24b…副孔 27…分離通水部材 28,29…偏平面、30…流水吸引構造 31…水案内突起

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 片宗 哲博 福岡県北九州市小倉南区朽網東５丁目１番 １号 東陶機器株式会社小倉第二工場内 (72)考案者 山崎 洋式 福岡県北九州市小倉南区朽網東５丁目１番 １号 東陶機器株式会社小倉第二工場内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ノズルシリンダに対してノズルロッドを摺
   動自在に内押し、ノズルシリンダ往復駆動手段を介して
   該ノズルロッドを収納位置と洗浄位置に出退変位する衛
   生洗浄装置の噴射ノズルにおいて、上記ノズルシリンダ
   に対してノズルロッドを収納した際、該ノズルロッドの
   先端に固着し、肛門用吐出孔とビデ用吐出孔を具備した
   ノズルヘッドが、ノズルシリンダ端部との間に通水間隙
   を構成するように格納する構造とし、該ノズルヘッドの
   先端部に、上縁側に構成した適宜大きさの面取切削構造
   と下縁側に構成した水案内突起構造とから成るノズル洗
   浄水吐出方向制御構造を構成すると共に、上記ノズルヘ
   ッドに穿設したビデ用吐出孔を比較的大径の主孔と該主
   孔を囲繞して配設した該主孔より小径の複数の副孔とか
   ら構成した衛生洗浄装置の噴射ノズル。
2. 【請求項２】ノズル洗浄水吐出方向制御構造が、ノズル
   ヘッドの先端部において、上縁側に構成した適宜大きさ
   の面取切削又は下降曲成した流水吸引構造と、下縁側に
   構成した水案内突起等の流水屈折構造とから成る請求項
   １記載の衛生洗浄装置の噴射ノズル。