JPH07144525A - 車両用空気調和装置 - Google Patents

車両用空気調和装置

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JPH07144525A
JPH07144525A JP29654993A JP29654993A JPH07144525A JP H07144525 A JPH07144525 A JP H07144525A JP 29654993 A JP29654993 A JP 29654993A JP 29654993 A JP29654993 A JP 29654993A JP H07144525 A JPH07144525 A JP H07144525A
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JP
Japan
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temperature
vehicle interior
blowout
air
vehicle
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Application number
JP29654993A
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English (en)
Inventor
Takamasa Kawai
孝昌 河合
Yuichi Kajino
祐一 梶野
Yuji Honda
祐次 本田
Yuji Ito
裕司 伊藤
Katsuhiko Sagawa
克彦 寒川
Hikari Sugi
光 杉
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外気温センサを設けることなく、車室内の温
度を快適な温度に維持する。 【構成】 吹出し温度に応じた開度を示すエアミックス
ダンパ15の開度が、第1の所定の開度より大きい場合
には、その開度に応じて設定温度を上昇補正し、第1の
所定開度より小さく設定された第2の所定開度より小さ
い場合には、その開度に応じて設定温度を下降補正す
る。これを所定周期毎に行い、補正された設定温度と車
室内温度とから吹出し温度を決定する。外気温と車室内
温度との差が大きく、車室内を快適にするために大きな
熱量(加熱量あるいは冷却量)が必要な場合には、大き
な熱量(加熱量あるいは冷却量)が得られるように設定
温度がそれぞれ外気温度に対向するように補正されるた
め、車室内の温度を快適な温度に維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車室内の温度制御を行
うための温度センサを車室外に備えない車両用空気調和
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両用空気調和装置では、設
定温度および車室内外の温度センサ等により検知した各
温度や日射量等に基づいて車室内へ吹き出す吹出し目標
温度を決定して車室内の温度制御が行われているが、装
置の価格の低減を図るために、外気温度センサを省略し
て、吹出し温度制御、吹出し風量制御、吹出し口制御等
を行うものがある。
【0003】こうした外気温度センサを持たない装置と
して、例えば、特公昭61−10322号(公報ア)で
は、車室内温度を所定時間周期で検出し、その変化量か
ら車室内に対する外乱熱負荷の補正値を設定し、この補
正値により外乱熱負荷のデータを所定時間周期で順次補
正し、補正された外乱熱負荷のデータを設定温度、車室
内温度等のデータとともに吹出し温度の決定に用いるこ
とによって、外気温に応じて変化する外乱熱負荷を加味
した温度制御を行っており、また、特公昭61−118
08号(公報イ)では、設定温度と車室内温度との差信
号の比例演算、積分演算により冷風と温風の割合を変化
させている。
【0004】あるいは、特開昭63−287619号
(公報ウ)では、設定温度、車室内温度等から必要吹出
し温度を決めて、その温度に応じて吹出し温度を調整す
る空気調和装置において、必要吹出し温度あるいはそれ
による調整量と設定温度と車室内温度とから外気温度を
推定するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報ア、
イにおいては、車室内温度が設定温度になるように車室
内温度に基づいて吹出し温度を比例、積分制御(PI制
御)するだけであるため、車室外温度に応じて決まる熱
負荷に十分に対応した吹出し温度が得られず、これらの
制御によって安定したときの車室内温度が必ずしも快適
な温度になるとは限らないため、車室温度が必ずしも快
適な温度に維持されるとは限らない。又、公報ウにおい
ては、設定温度、車室内温度、エアミックスダンパの開
度あるいは目標吹出し温度の一方に基づいて外気温を推
定することが開示されているが、推定された外気温度を
いかにして車室内の温度制御に利用するかについて、具
体的な方法が開示されていないため、外気温に応じて決
まる熱負荷に応じて快適な温度制御を行うことができな
いという問題がある。
【0006】本発明の目的は、外気温センサを設けるこ
となく、車室内の温度を快適な温度に維持することがで
きる車両用空気調和装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、車室内の所望
の温度を設定するための温度設定器と前記車室内の温度
を検知する内気温センサとを少なくとも備え、車室外に
外気温度を検知するための温度センサを備えない車両用
空気調和装置であって、少なくとも前記温度設定器の設
定温度と前記内気温センサの車室内温度とから車室内へ
吹き出す空気の吹出し温度を決定する吹出し温度決定手
段と、この吹出し温度決定手段に決定された前記吹出し
温度に応じて前記車室内へ吹き出す空気の温度を調節す
る温度調節手段を有する車両用空気調和装置において、
前記吹出し温度決定手段は、所定周期毎に、前記吹出し
温度決定手段の前記吹出し温度が第1の所定温度より高
い場合に前記吹出し温度に応じて前記設定温度を上昇さ
せるための補正量を決定するとともに、前記吹出し温度
が前記第1の所定温度より低い第2の所定温度より低い
場合に前記吹出し温度に応じて前記設定温度を下降させ
るための補正量を決定する補正量決定手段と、この補正
量決定手段により決定された前記補正量で前記設定温度
を前記所定周期毎に補正して制御目標温度とする設定温
度補正手段とを具備し、前記制御目標温度と前記車室内
温度とから前記吹出し温度を決定することを技術的手段
とする。
【0008】
【作用】本発明では、温度設定器で設定された所望の温
度と内気温センサで検知された車室内温度とから吹出し
温度が決定されると、その吹出し温度に応じて温度調節
が行われる。吹出し温度決定手段には、補正量決定手段
と設定温度補正手段とがあり、所定周期毎に吹出し温度
が決められると、その吹出し温度に応じて補正量が決定
され、設定温度がその補正量に応じて上昇あるいは下降
させられて制御目標温度となり、制御目標温度と車室内
温度とから新たな吹出し温度が決められる。
【0009】決定された吹出し温度が第1の所定温度と
第2の所定温度との間にある場合では、車室内の熱負荷
がそれほど大きくなく、補正量を伴わない設定温度と車
室内温度との差によって吹出し温度が決まれば、車室内
の温度を十分に快適な温度に維持することができる。
【0010】一方、補正量が決定される場合として、決
定された吹出し温度が第1の所定温度より高い場合かそ
れより低く設定された第2の所定温度より低い場合と
は、車室内の温度が車室外の温度に対して大きく異なっ
ている場合であり、このような場合には、車室内の温度
が車室外の温度により大きく影響を受け、車室内の熱負
荷が、車室外の温度の影響下にあることを示す。このよ
うに、吹出し空気による制御対象としての車室内の見掛
け上の熱負荷が車室外の温度によって大幅に拡大された
場合には、例えば、設定温度と室内温度との温度差のみ
による通常の温度制御に基づいて決められる吹出し温度
では、大きくなった熱負荷に対して、車室内の温度を快
適な温度に維持するために十分大きな熱量(加熱量ある
いは冷却量)が得られ難い。
【0011】これに対し、本発明では、吹出し温度から
上記のとおり補正量を決定することによって、車室外の
温度に対応した吹出し温度が得られるような制御目標温
度を決定できるため、大きくなった熱負荷に対して、車
室内の温度を快適な温度に維持するために十分大きな熱
量が得られる。この補正量の決定は、所定周期毎に繰り
返し行われるため、車室外の温度の影響を受けて車室内
の熱負荷が大きくなっている限り、車室外の温度に対応
した吹出し温度を決定することができる。
【0012】
【発明の効果】本発明では、設定温度と車室内温度とに
よって決まる吹出し温度から、車室内の熱負荷が車室外
の温度の影響を受けやすい場合に限って外気温に対向す
るような制御目標温度が得られるように補正量が決定さ
れて、設定温度をその補正量で補正した制御目標温度と
車室内温度とから新たな吹出し温度を決定するため、車
室内の温度と車室外の温度との温度差によって大きくな
った車室内の熱負荷に十分対応した大きな熱量が得られ
る吹出し温度を決定することができる。従って、車室外
に温度センサを備えていなくても、車室外の温度に応じ
た快適な吹出し温度によって、車室内の温度を快適な温
度に維持することができる。
【0013】
【実施例】次に本発明を図に示す実施例に基づいて説明
する。図1は、本発明の実施例を示す車両用空気調和装
置1であり、空調制御装置20により制御される。図1
において、車室2の前方に配置されたエアダクト10
は、上流端に外気導入口3および内気循環口4を有し、
エアダクト10内には、上流側から順に、内外気切換ダ
ンパ11、ブロワ12、蒸発器(エバポレータ)13、
エアミックスダンパ(以下「A/Mダンパ」という)1
4、ヒータコア15、吹出し口切換ダンパ16が配され
ており、エアダクト10の下流端は、車室2に開放され
たフェイス吹出し口5、フット吹出し口6となってい
る。
【0014】ブロワ12には、空調制御装置20の制御
信号によりその回転速度を制御する駆動回路12aが備
えられ、その回転数が制御されて風量の調節が行われ、
ブロワ12は、外気導入口3あるいは内気循環口4から
エアダクト10内へ導入した空気を、蒸発器13、ヒー
タコア15を通過させて車室2内へ送り込む。蒸発器1
3は、エアダクト10内の通路全体を塞ぐようにして配
され、車両に搭載されたエンジンの回転力が電磁クラッ
チを介して伝達される冷媒圧縮機、凝縮器(コンデン
サ)等、これらを接続する冷媒配管その他とともに冷凍
サイクルが形成されており(図示しない)、冷凍サイク
ルの作動時に蒸発器13を通過するエアダクト10内の
空気を冷却する。
【0015】ヒータコア15は、エアダクト10の通路
の一部を塞ぐようにして配され、A/Mダンパ14の開
度に応じた量の空気のみが通過し、エンジンのウォータ
ジャケットで加熱された冷却水が循環する加熱器とし
て、ヒータコア15を通過する空気を加熱する。A/M
ダンパ14には、駆動用のサーボモータ14aが備えら
れ、空調制御装置20の制御信号により、サーボモータ
14aの作動によってA/Mダンパ14の開度調節を行
う。
【0016】内外気切換ダンパ11および吹出し口切換
ダンパ16には、それぞれ駆動用のサーボモータ11
a、16aが備えられ、それぞれ空調制御装置20の制
御信号により、外気導入口3と内気循環口4との切換
え、フェイス吹出し口5とフット吹出し口6との切換あ
るいは両吹出し口5、6の開放をそれぞれ行う。
【0017】空調制御装置20は、イグニッションスイ
ッチIGがオンのとき、バッテリBから電力供給されて
動作可能状態になり、車両用空気調和装置1の運転スイ
ッチとしての操作スイッチ30が操作されると、制御プ
ログラムにより演算処理を行うCPU21によって、A
/D変換器22を介して与えられる各種の信号を処理
し、その出力信号を出力部23より各サーボモータ11
a、14a、16aおよびブロワ12の駆動回路12a
と、冷凍サイクルの電磁クラッチその他へ与えて、車室
2内の温度制御を行う。
【0018】A/D変換器22には、車室2内の温調に
おける目標の温度を設定温度Tsetとして設定する温度
設定器31、車室2内の内気温度Trを検知する内気温
センサ32、エアダクト10内の蒸発器13を通過した
直後の空気温度を出口温度Teとして検知する出口温セ
ンサ33、エンジンの冷却水温Twを検知する水温セン
サ34、車室2内へ差し込む日射量Tsを検知する日射
センサ35、A/Mダンパ14のヒータコア15に対す
る開度Tpを検出するA/Mダンパ開度センサ36の各
信号が与えられ、各信号はA/D変換された後にCPU
21に伝送される。
【0019】CPU21は、上記のA/D変換器22を
介して与えられる各種の信号に基づいて設定温度Tset
に応じた吹出し目標温度としての基本指標TB を決定
し、この基本指標TB に応じて、上記のA/D変換器2
2を介して与えられる各種の信号およびエンジン回転数
信号その他に応じて電磁クラッチの通電を制御して、冷
凍サイクルにおける冷媒圧縮機の動作を制御して、蒸発
器13を冷却装置として作動させるとともに、ブロワ1
2の制御、A/Mダンパ14の開度制御および各ダンパ
の制御を行って、車室2内の温度を快適な温度に維持す
る。
【0020】本実施例では、車室2の外部の温度を検知
するためのセンサが設けられていないが、基本指標TB
の決定において、基本指標TB が決定される基礎となる
値としての設定温度Tset の値を以下のとおり補正して
制御目標温度TA とすることによって、外気温を検知す
るセンサがなくても、より快適な室温が得られるような
基本指標TB が決定されるようにしている。
【0021】本実施例では、制御目標温度TA は、設定
温度Tset と補正量ΔTset とから、次の数式1によ
り、
【数1】TA =Tset +ΔTset によって算出される。ここで、制御目標温度TA を決定
するために設定温度Tset を補正するための補正量ΔT
set は、後述するように制御目標温度TA と内気温度T
rとの温度差Tdiに応じて決まる基本指標TB が、外気
が低い暖房時には高めに、外気が高い冷房時には低くめ
にそれぞれ決定されることに着目して、実際の外気温に
応じて最適な基本指標TB が決定されるようにするため
のものであって、実際に決定された車室2内へ吹き出さ
れる吹出し温度に応じて、基本指標TB が高く、高い吹
出し温度が要求される場合には設定温度Tset を上昇さ
せ、基本指標TB が低く、低い吹出し温度が要求される
場合には設定温度Tset を下降させるものであり、外気
温を検出しない状態でも、体感上の快適さを向上させる
ことができるようにしたものである。
【0022】ここでは、補正量ΔTset は、基本指標T
B そのものに基づいた値ではなく、A/Mダンパ開度セ
ンサ36に検出されたA/Mダンパ14の開度Tpの値
を利用して、図2に示すとおり、次のとおり決定され
る。図2は日射量Tsが0w/m2 の場合について示し
たもので、図2において、実線Aは、出口温度Teが0
℃の場合の補正量ΔTset を示したものである。ここで
示されるとおり、A/Mダンパ14の開度Tpが所定の
開度Tp1より大きい場合(基本指標TB が所定値TB
1より大きい場合)は、外気温が低いためにヒータコア
15による加熱量を大きくしたい場合であり、より大き
な暖房効果が得られることが望ましい場合と考えられる
ため、その開度Tpが大きいほど補正量ΔTset がより
大きな正の値となっている。これにより、開度Tpが大
きいほど設定温度Tset が上昇させられた制御目標温度
A が得られる。
【0023】逆に、A/Mダンパ14の開度Tpが所定
の開度Tp2より小さい場合(基本指標TB が所定値T
B 2より小さい場合)は、外気温が高いためにヒータコ
ア15による加熱量を小さくするあるいは無くしたい場
合であり、より大きな冷房効果が得られることが望まし
い場合と考えられるため、その開度Tpが小さいほど補
正量ΔTset がより小さな負の値となっている。これに
より、開度Tpが小さいほど設定温度Tset が下降させ
られた制御目標温度TA が得られる。
【0024】このように、A/Mダンパ14の開度Tp
を利用して外気温に応じた制御目標温度TA が得られる
ものの、A/Mダンパ14の開度Tpは、冷凍サイクル
の作動に伴う蒸発器13の温度に応じて異なったものと
なるため、エアダクト10内の空気が冷却される程度、
すなわち出口温度Teに応じてこの補正量ΔTset をそ
れぞれ鎖線B、鎖線C等のように変更している。すなわ
ち、出口温度Teが0℃より低い場合には、上記実線A
で示される補正量ΔTset は、その特性が図示右方向へ
向かって移動する如く変更され、出口温度Teが−15
℃では、鎖線Bに示すとおりとなる。これにより、その
補正量ΔTset は負の値が多くなり、比較的大きな開度
Tpの場合でも補正量ΔTset は負の値となる。
【0025】逆に、出口温度Teが0℃より高い場合に
は、上記実線Aで示される補正量ΔTset は、その特性
が図示左方向へ向かって移動する如く変更され、出口温
度Teが+15℃では、鎖線Cに示すとおりとなる。こ
れにより、その補正量ΔTset は正の値が多くなり、比
較的小さな開度Tpの場合でも補正量ΔTset は正の値
となる。
【0026】さらに、日射量Tsがあると、室内温度が
高くなりやすいため、比較的小さな開度Tpの場合で
も、より大きな暖房効果が得られるようにするために、
補正量ΔTset が正の値となるように、その日射量Ts
に応じて上記の補正量ΔTsetの特性は変更され、図3
に示すとおり、同じ出口温度Teの場合でも、日射量T
sが0w/m2 の場合には実線Dに示される特性である
が、日射量Tsが多いほど、鎖線Eに示すように、図示
左方向に変更され、補正量ΔTset は正の値が多くな
る。なお、図3では、出口温度Teが0℃の場合につい
て示したが、出口温度Teが異なる場合には、図2のと
おり示されるそれぞれの出口温度Teにおける補正量Δ
Tset の特性を、図3の如く、日射量Tsに応じて図示
左方向にずらした特性とする。
【0027】この結果、例えば、出口温度Teが+15
℃の場合に、ある程度の日射量Tsがあれば、図2の鎖
線Bを図3に基づいてさらに図示左方向へ移動させるこ
とになるため、ほとんどの場合に補正量ΔTset は正の
値となることが判る。なお、上記図2、図3に示した補
正量ΔTset の特性は、CPU21に付随するROM内
に、演算式として、あるいは、マップデータとして保有
されるものである。
【0028】上記のとおり得られる補正量ΔTset によ
って、制御目標温度TA が数式1により算出されると、
基本指標TB が、制御目標温度TA と内気温度Trとの
温度偏差Tdiによる、周知のPI動作(比例+積分)の
演算により、以下の数式2、数式3、数式4により算出
される。
【数2】Tdi(n) =TA(n)−Tr(n)
【数3】ΔTB =Kp{(Tdi(n) −Tdi(n-1) )+
(1/TI )・Tdi(n)
【数4】TB(n)=TB(n-1)+ΔTB(n) なお、上記各数式において、添字の(n) は、今回のサン
プル値であることを示し、添字の(n-1) は、前回のサン
プル値であることを示す。また、Kpは比例ゲイン、T
I は積分時間である。
【0029】ブロワ12の制御としては、図4の実線X
に示すとおり、上記の基本指標TBに基づいてブロワ電
圧を算出し、駆動回路12aによりブロワ12の回転数
を制御して、車室2内への送風量を調節する。内外気切
換ダンパ11の制御では、基本指標TB に基づいて図4
の実線Yに示すとおり、内気と外気との選択をし、それ
に応じてサーボモータ11aを制御する。吹出し口切換
ダンパ16の制御では、図5に示すとおり、基本指標T
B に基づいて、フェイス吹出し口5、フット吹出し口6
の選択あるいはこれらの吹出し口を共に車室2に開放す
る(B/L)かを決定して、それに応じてサーボモータ
16aを制御する。
【0030】A/Mダンパ14の開度制御では、基本指
標TB 、冷却水温Tw、出口温度Teに基づいて、次の
数式5により、その目標開度θO を決定し、サーボモー
タ14aをA/M開度センサ36に検出される開度Tp
に基づいて制御する。
【0031】
【数5】θO ={(TB −Te)/(Tw−Te)}×
100 〔%〕
【0032】以下、CPU21による空調制御装置20
の空調制御について、図6に基づいて説明する。操作ス
イッチ30の操作に応じて初期化処理(ステップS10
0)が行われた後、温度設定器31によって設定された
設定温度Tset を読み込む(ステップS110)。続い
て、内気温センサ32の内気温度Tr、出口温センサ3
3の出口温度Te、水温センサ34の冷却水温Tw、日
射センサ35の日射量Ts、A/Mダンパ開度センサ3
6の開度Tpがそれぞれ読み込まれる(ステップS11
1)。次に、読み込まれた各信号に基づいて、車室2内
の温度が、外気温等に応じた快適な温度に維持されるよ
うにするために設定温度Tset を補正するための補正量
ΔTset を決定し(ステップS120)、続いて制御目
標温度TA を数式2により算出し(ステップS12
1)、さらに、基本指標TB を算出する(ステップS1
22)。
【0033】基本指標TB が算出されると、この値に応
じて、ブロワ電圧が算出され(ステップS123)、A
/Mダンパ14の目標開度θO が算出され(ステップS
124)、内外気導入モードの決定(ステップS12
5)、吹出し口モードの決定(ステップS126)が行
われる。各制御値が決定されると、それぞれの制御信号
が出力部23に出力され(ステップS130)、駆動回
路12a、各サーボモータが駆動される。これにより、
車室2内には、設定温度Tset に応じた最適な基本指標
B に基づいて、エアミックスダンパ14によって温度
調節された空気が送られる。CPU21の制御周期τ
(秒)が経過すると(ステップS140においてYE
S)、再びステップ110以降の制御を繰り返す。
【0034】従って、車室2内へ吹き出す温度としての
基本指標TB が、単に実際の内気温度Trのみに基づい
て繰り返し補正されるだけでなく、一旦、決まった基本
指標TB に基づいて制御目標温度TA が繰り返し補正さ
れることになる。このため、設定温度Tset と内気温度
Trとの温度差が小さいために、基本指標TB が十分に
補正されない場合であっても、制御目標温度TA が補正
されることによって、実際の内気温度Trと制御目標温
度TA との温度偏差Tdiが大きくなるため、さらに基本
指標TB を補正することができる。この結果、外気温度
に応じて、より適した基本指標TB を算出することがで
き、車室2内の温度を快適な温度に維持することができ
る。
【0035】以上のとおり、本実施例では、車室2内へ
吹き出すための吹出し温度としての基本指標TB を決定
するための制御目標温度TA は、使用者によって設定さ
れる設定温度Tset を、それ以前に一旦決められた基本
指標TB に基づいて決まる補正量ΔTset で繰り返し補
正することによって、外気温に応じて上昇あるいは下降
させるため、暖房状態あるいは冷房状態に応じた最適な
基本指標TB を決定することができる。このため、車室
2内の温度を快適な温度に維持することができる。
【0036】図7に本発明の第2実施例を示す。この実
施例では、上記のステップS111の各種の信号の読み
込みの後に、車室2内の内気温度Trが制御目標温度T
A に近づいたか否かの判別を行い(ステップS11
2)、車室2内の内気温度Trが制御目標温度TA に十
分近づいたとき(YES)のみに上記の補正量ΔTset
の決定動作(ステップS120)を行し、制御目標温度
A に十分近づいていない場合には、補正量ΔTset の
算出動作を行わないで、補正量ΔTset =0と設定する
ようにしている(ステップS113)。なお、ステップ
S112における内気温度Trの安定条件としては、例
えば、次の数式6により、
【0037】
【数6】α≧|Tr−TA
【0038】を用いる。(但し、例えば、α=5とす
る。) これによって、車室2内の温度の変動を少なくし、安定
性を向上させることができる。
【0039】上記の各実施例では、吹出し温度を示す値
として、A/M開度センサ36で検出されたA/Mダン
パ14の開度Tpを用いたが、上記の数式5で算出され
る目標開度θ0 を直接用いてもよい。また、算出された
基本指標TB 、日射量Tsに基づいて、次の数式7によ
【数7】ΔTset =α×TB +β×Ts+γ によって算出してもよい。(但し、α、β、γは定数、
β×Tsは零または正の値である。)
【0040】上記実施例では、出口温度Teに応じてΔ
Tset の値をそれぞれ決定するようにしたが、簡単にす
るために、エアコンスイッチ(図示なし)のオン、オフ
の違いによって単純に決定するようにしてもよい。ま
た、上記実施例では、温度制御方式として、PI制御を
行うものを示したが、他の温度制御方式による温度制御
を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す車両用空気調和装置の概
略図である。
【図2】本発明の実施例におけるエアミックスダンパの
開度に対する補正量を出口温度をパラメータとして示し
た特性図である。
【図3】本発明の実施例におけるエアミックスダンパの
開度に対する補正量を日射量をパラメータとして示した
特性図である。
【図4】本発明の実施例における基本指標に対するブロ
ワ電圧および内外気切換ダンパの制御特性を示した特性
図である。
【図5】本発明の実施例における基本指標に対する吹出
し口切換ダンパの制御特性を示した特性図である。
【図6】本発明の実施例における空調制御装置の制御動
作を説明する流れ図である。
【図7】本発明の他の実施例における空調制御装置の制
御動作を説明する流れ図。
【符号の説明】
1 車両用空気調和装置 2 車室 14 エアミックスダンパ(温度調節手段) 21 CPU(吹出し温度決定手段、補正量決定手段、
設定温度補正手段) 31 温度設定器 32 内気温センサ
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 裕司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 寒川 克彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 杉 光 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内の所望の温度を設定するための温
    度設定器と前記車室内の温度を検知する内気温センサと
    を少なくとも備え、車室外に外気温度を検知するための
    温度センサを備えない車両用空気調和装置であって、少
    なくとも前記温度設定器の設定温度と前記内気温センサ
    の車室内温度とから車室内へ吹き出す空気の吹出し温度
    を決定する吹出し温度決定手段と、この吹出し温度決定
    手段に決定された前記吹出し温度に応じて前記車室内へ
    吹き出す空気の温度を調節する温度調節手段を有する車
    両用空気調和装置において、 前記吹出し温度決定手段は、所定周期毎に、前記吹出し
    温度決定手段の前記吹出し温度が第1の所定温度より高
    い場合に前記吹出し温度に応じて前記設定温度を上昇さ
    せるための補正量を決定するとともに、前記吹出し温度
    が前記第1の所定温度より低い第2の所定温度より低い
    場合に前記吹出し温度に応じて前記設定温度を下降させ
    るための補正量を決定する補正量決定手段と、 この補正量決定手段により決定された前記補正量で前記
    設定温度を前記所定周期毎に補正して制御目標温度とす
    る設定温度補正手段とを具備し、 前記制御目標温度と前記車室内温度とから前記吹出し温
    度を決定することを特徴とする車両用空気調和装置。
JP29654993A 1993-11-26 1993-11-26 車両用空気調和装置 Pending JPH07144525A (ja)

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