JP3401920B2 - 空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置

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JP3401920B2
JP3401920B2 JP15408194A JP15408194A JP3401920B2 JP 3401920 B2 JP3401920 B2 JP 3401920B2 JP 15408194 A JP15408194 A JP 15408194A JP 15408194 A JP15408194 A JP 15408194A JP 3401920 B2 JP3401920 B2 JP 3401920B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室内へ吹き出す空気の
吹出温度を自動コントロールすることが可能な空気調和
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車室内へ空気を送るダクト内
に、冷凍サイクルのエバポレータ(冷媒蒸発器)、エア
ミックスダンパ(以下A/Mダンパと記す)、ヒータコ
アを上流側より下流側に順に配した車両用空気調和装置
が存在する。そして、冷凍サイクル内に冷媒を循環させ
るコンプレッサ(冷媒圧縮機)は、通常、エバポレータ
のフロストを防止する目的で、エバポレータの出口温度
(以下エバ後温度と言う)が所定値以下に低下した際に
オフするように制御されている。このとき、図34のタ
イムチャートに示したように、コンプレッサのオン、オ
フに対してある応答遅れを持って、エバ後温度が変動し
てしまい、これによって車室内へ吹き出す空気の吹出温
度も変動するという不具合があった。
【0003】そこで、コンプレッサのオン、オフ時の吹
出温度の変動を小さくすることを目的として、従来よ
り、エバポレータの下流にエバ後温度センサを取り付
け、そのエバ後温度センサの検出温度に基づいてA/M
ダンパの目標開度を補正する技術(従来の技術A)が知
られている。また、コンプレッサのオン時とオフ時とで
A/Mダンパの開度特性を変更する技術(従来の技術
B:例えば特開昭57−209412号公報、特開昭5
9−167313号公報等)も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の技術
Aにおいては、エバ後温度センサ(例えばサーミスタ)
の熱容量のため、例えばエアコンスイッチを操作してコ
ンプレッサをオンからオフに切り替えた直後およびオフ
からオンに切り替えた直後の数十秒間は、エバ後温度セ
ンサの検出温度が実際のエバ後温度と同一ではない。例
えば図35のタイムチャートに示したように、エバ後温
度センサの検出温度に基づいてA/Mダンパを制御する
と、エバ後温度センサの応答遅れに相当する吹出温度の
変動が生じる。
【0005】なお、エバ後温度センサの熱容量を小さく
すれば応答性を改良することができるが、エバポレータ
の下流という、温度変化が大きく、凝縮水が飛散する環
境に取り付けられる温度センサには耐久性を確保するた
めに、ある程度の応答性を犠牲とする他なかった。
【0006】また、従来の技術Bにおいては、コンプレ
ッサのオン時とオフ時とのA/Mダンパの開度特性とし
て、実際のエバ後温度が安定した状態での開度特性を利
用しているので、コンプレッサのオン直後およびオフ直
後の数十秒間では補正不足となり、車室内に吹き出す空
気の吹出温度の変動を小さくすることはできなかった。
【0007】本発明は、エバポレータの冷却能力が変動
した直後、例えばコンプレッサのオン直後またはオフ直
後の数十秒間においても、エアミックスダンパの目標開
を最適な値に補正することにより、エバ後温度センサ
の応答遅れに相当する、室内へ吹き出す空気の吹出温度
の変動を抑えることが可能な空気調和装置の提供を目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、室内に空気を送るダクトと、 このダクト内において
室内に向かう空気流を発生させる送風機と、 前記ダクト
内に配されて、前記送風機より送られてくる空気を冷却
するエバポレータ、およびこのエバポレータより吸入し
た冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサを有する冷凍サ
イクルと、 前記ダクト内において前記エバポレータの下
流側に配されて、通過する空気を加熱する熱交換器と、
設定される開度に応じて、前記熱交換器による空気の加
熱量を制御して室内に吹き出す空気の吹出温度を調節す
るエアミックスダンパと、 前記エバポレータの冷却能力
をエバ後温度として検出するエバ後温度センサと、 前記
冷凍サイクル内の冷媒の循環量の変化、あるいは前記冷
凍サイクルの運転状態の変化、あるいは前記コンプレッ
サの運転状態の変化に基づいて、前記エバポレータの冷
却能力の変動を判定する能力変化判定手段と、 前記エバ
後温度センサの挙動、応答性、あるいは前記エバ後温度
センサで検出されたエバ後温度、あるいは前記エバ後温
度センサで検出されたエバ後温度の単位時間当たりの変
化量、および前記能力変化判定手段で判定された判定結
果に基づいて、前記エバポレータの実際のエバ後温度を
推定し、この推定した推定エバ後温度に基づいて、前記
エアミックスダンパの目標開度を補正する吹出温度制御
手段とを備えた技術手段を採用した。なお、エバポレー
タの冷却能力の変動の判定に、エアコンスイッチの操作
状態の変化も考慮に入れて行うようにしても良い。
【0009】請求項2に記載の発明は、前記吹出温度制
御手段は、前記エバポレータの実際のエバ後温度を推定
するエバ後温度推定制御を、前記エバポレータに吸い込
まれる空気温度または空気湿度も考慮に入れて行うこと
を特徴としている。また、請求項3に記載の発明は、前
記吹出温度制御手段は、前記エバポレータの実際のエバ
後温度を推定するエバ後温度推定制御を、前記送風機の
送風量も考慮に入れて行うことを特徴としている。
【0010】請求項4に記載の発明は、前記吹出温度制
御手段は、前記エバポレータの実際のエバ後温度を推定
するエバ後温度推定制御を、イグニッションスイッチの
オン後常に行うことを特徴としている。また、請求項5
に記載の発明は、前記冷凍サイクルの運転開始または運
転停止を設定するためのエアコンスイッチを備え、前記
吹出温度制御手段は、前記エバポレータの実際のエバ後
温度を推定するエバ後温度推定制御を、前記冷凍サイク
ルの運転状態が大きく変化する時のみ、あるいは前記エ
バポレータの冷却能力が大きく変化する時のみ、あるい
は前記エアコンスイッチの手動操作時のみ行うことを特
徴としている。さらに、請求項6に記載の発明は、前記
冷凍サイクルの運転中に、前記エバ後温度センサで検出
されたエバ後温度が前記コンプレッサのオフ時の目標エ
バ後温度以下に低下した際に、前記コンプレッサの運転
を停止させ、前記エバ後温度センサで検出されたエバ後
温度が前記コンプレッサのオン時の目標エバ後温度以上
に上昇した際に、前記コンプレッサの運転を再開させる
コンプレッサ制御手段を備え、前記吹出温度制御手段
は、前記エバポレータの実際のエバ後温度を推定するエ
バ後温度推定制御を、前記エバ後温度センサの熱容量ま
たは応答遅れ、あるいは前記目標エバ後温度も考慮に入
れて行うことを特徴としている。
【0011】請求項7に記載の発明は、前記吹出温度制
御手段は、前記コンプレッサが充分長いオフ時間後にオ
ンに切り替えられた場合には、前記エアミックスダンパ
の目標開度を吹出温度上昇側に補正し、前記コンプレッ
サがオンされていた状態からオフに切り替えられた場合
には、前記エアミックスダンパの目標開度を吹出温度下
降側に補正することを特徴としている。また、請求項8
に記載の発明は、前記吹出温度制御手段は、前記コンプ
レッサをオンに切り替えてから短い時間で再度オフした
場合、あるいは前記コンプレッサをオフに切り替えてか
ら短い時間で再度オンした場合には、前記エバ後温度セ
ンサで検出されたエバ後温度の単位時間当たりの変化量
が上昇している場合と下降している場合とで、前記エア
ミックスダンパの目標開度の補正量を変更することを特
徴としている。
【0012】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、冷凍サイクル
内の冷媒の循環量の変化、あるいは冷凍サイクルの運転
状態の変化、あるいはコンプレッサの運転状態の変化に
基づいて、エバポレータの冷却能力の変動が判定され
る。そして、エバ後温度センサの挙動、応答性、あるい
はエバ後温度センサで検出されたエバ後温度、あるいは
エバ後温度センサで検出されたエバ後温度の単位時間当
たりの変化量、および能力変化判定手段で判定された判
定結果に基づいて、エバポレータの実際のエバ後温度が
推定される。そして、この推定した推定エバ後温度に基
づいて、エアミックスダンパの目標開度が最適な値とな
るように補正される。これにより、その補正した目標開
度に応じたダンパ開度となるようにエアミックスダンパ
が制御される。 したがって、エバポレータの冷却能力が
変化した直後においても、エバポレータの実際の冷却能
力に基づいて、すなわち、エバポレータの実際のエバ後
温度(推定エバ後温度)に基づいてエアミックスダンパ
の目標開度が最適な値に補正されるので、熱交換器によ
り加熱される空気の加熱量が最適な値に制御されること
によって、エバ後温度センサの応答遅れに相当する(室
内に吹き出す空気の)吹出温度の変動が小さくなる。
【0013】請求項2および請求項3に記載の発明によ
れば、エバ後温度センサの挙動、応答性は、エバポレー
タに吸い込まれる空気温度または空気湿度または送風機
の送風量(ブロワ風量)によって異なる。そこで、エバ
ポレータに吸い込まれる空気温度または空気湿度または
ブロワ風量も考慮に入れてエバ後温度推定制御を行い、
エアミックスダンパの目標開度を補正することにより、
空調装置の種々の使用条件下においてもエアミックスダ
ンパの目標開度の補正量を最適な値に設定することがで
きるので、さらに室内へ吹き出す空気の吹出温度の変動
を小さくすることができる。
【0014】請求項4に記載の発明によれば、エバポレ
ータの実際のエバ後温度を推定するエバ後温度推定制御
を、イグニッションスイッチのオン後常に行うことがで
きる。また、請求項5に記載の発明によれば、エバポレ
ータの実際のエバ後温度を推定するエバ後温度推定制御
を、冷凍サイクルの運転状態が大きく変化する時のみ、
あるいはエバポレータの冷却能力が大きく変化する時の
み、あるいはエアコンスイッチの手動操作時のみ行うこ
とにより、エアミックスダンパの作動回数を減少するこ
とができる。これにより、例えばエアミックスダンパを
駆動するサーボモータの耐久性を向上することができ
る。さらに、請求項6に記載の発明によれば、エバポレ
ータの実際のエバ後温度を推定するエバ後温度推定制御
を、エバ後温度センサの熱容量または応答遅れ、あるい
は目標エバ後温度も考慮に入れて行い、エアミックスダ
ンパの目標開度を補正することができる。
【0015】
【実施例】次に、本発明の空気調和装置を自動車等の車
両用空気調和装置に適用した複数の実施例に基づいて説
明する。
【0016】〔第1実施例の構成〕図1ないし図13は
本発明の第1実施例を示したものであり、図1は自動車
用オートエアコンの概略構成を示した図である。この自
動車用オートエアコン1は、車室内に空気を送るダクト
2と、このダクト2内において車室内に向かう空気流を
発生させるブロワ3と、ダクト2内を流れる空気を冷却
するエバポレータ4と、車室内に吹き出す空気の温度を
調節するエアミックス方式の吹出温度調節装置5と、各
空調機器を制御する制御装置6とを備えている。
【0017】ダクト2は、車室内の前方側に配設され、
内部に送風路を形成している。そのダクト2の入口側に
は、内気導入口7および外気導入口8の2つの導入口が
設けられており、さらに内気導入口7および外気導入口
8の内側には内外気切替ダンパ9が回動自在に取り付け
られている。
【0018】内外気切替ダンパ9は、板ダンパにて構成
され、ダクト2の上流側に回動自在に取り付けられてい
る。この内外気切替ダンパ9は、駆動手段としてのサー
ボモータ10によって駆動されることによって、内気導
入口7を全開する内気循環モードおよび外気導入口8を
全開する外気導入モード等の内外気モードを切り替える
内外気切替手段として働く。
【0019】なお、内気循環モードは、内気導入口7よ
り車室内空気(以下内気と略す)を導入するモードであ
る。外気導入モードは、外気導入口8より車室外空気
(以下外気と略す)を導入するモードである。また、板
ダンパの代わりにフィルムダンパを用いても良く、サー
ボモータ10の代わりにステップモータ等のその他の駆
動手段を用いても良い。
【0020】また、ダクト2の出口側には、デフロスト
吹出口11、フェイス吹出口12およびフット吹出口1
3の3つの吹出口が設けられており、さらにそれぞれの
吹出口の内側にはデフロスト吹出口ダンパ14、フェイ
ス吹出口ダンパ15およびフット吹出口ダンパ16が回
動自在に取り付けられている。
【0021】それらのデフロスト吹出口ダンパ14、フ
ェイス吹出口ダンパ15およびフット吹出口ダンパ16
は、板ダンパにてそれぞれ構成され、ダクト2の下流側
に回動自在に取り付けられている。これらのデフロスト
吹出口ダンパ14、フェイス吹出口ダンパ15およびフ
ット吹出口ダンパ16は、それぞれ駆動手段としてのサ
ーボモータ17〜19によって駆動されるもので、フェ
イスモード、バイレベルモード、フットモード、デフロ
ストモードおよびフットデフモード等の吹出口モードを
切り替える吹出口切替手段として働く。
【0022】なお、フェイスモードは、フェイス吹出口
12から乗員の頭胸部に向けて主に冷風を吹き出すモー
ドである。バイレベルモードは、フェイス吹出口12か
ら乗員の頭胸部に向けて主に冷風を吹き出し、且つフッ
ト吹出口13から乗員の足元部に向けて主に温風を吹き
出すモードで、所謂頭寒足熱の暖房を行うモードであ
る。フットモードは、フット吹出口13から乗員の足元
部に向けて主に温風を吹き出すモードである。
【0023】デフモードは、デフロスト吹出口11とフ
ット吹出口13からフロント窓ガラスの内面と乗員の足
元部に向けて主に温風を吹き出すモードである。フット
デフモードは、デフロスト吹出口11からフロント窓ガ
ラスの内面に向けて主に温風を吹き出すモードである。
また、板ダンパの代わりにフィルムダンパを用いても良
く、サーボモータ17〜19の代わりにステップモータ
等のその他の駆動手段を用いても良い。
【0024】ブロワ3は、駆動手段としてのブロワ駆動
回路20により印加電圧(ブロワ電圧)が制御されるブ
ロワモータ21の回転速度に応じ、内気導入口7または
外気導入口8のいずれか開かれた導入口から空気を吸引
してダクト2を介して車室内へ送風する送風手段を構成
する。
【0025】エバポレータ4は、本発明の冷却手段であ
って、ブロワ3の下流側のダクト2の送風路全体を塞ぐ
ように配され、ブロワ3により送られてくる空気と内部
を循環する冷媒とを熱交換させて空気を冷却し、冷媒を
蒸発させる冷媒蒸発器で、冷凍サイクル22を構成する
要素のひとつである。
【0026】冷凍サイクル22は、エバポレータ4から
冷媒循環量可変手段としてのコンプレッサ23、コンデ
ンサ24、気液分離手段としてのレシーバ25および減
圧手段としてのエキスパンションバルブ26を介してエ
バポレータ4に冷媒が循環するように形成されたもので
ある。そして、コンプレッサ23は、係脱手段としての
電磁クラッチ(図示せず)を介してエンジン(駆動源)
の回転動力が伝達されることにより回転駆動される。
【0027】なお、冷凍サイクル22は、電磁クラッチ
をオンしてコンプレッサ23の作動(オン)によりエバ
ポレータ4による空気の冷却機能を得、電磁クラッチを
オフしてコンプレッサ23の作動停止(オフ)によりエ
バポレータ4による空気の冷却が停止する。
【0028】吹出温度調節装置5は、本例ではヒータコ
ア27およびA/Mダンパ28等より構成されている。
ヒータコア27は、本発明の加熱手段であって、ダクト
2の送風路の一部を塞ぐように配され、A/Mダンパ2
8の開度に応じた量の空気のみが通過する。このヒータ
コア27は、エンジンの冷却水を熱源として通過する空
気を加熱する熱交換器で、エバポレータ4より送られて
くる冷風を加熱する。
【0029】A/Mダンパ28は、本発明の吹出温度調
節手段であって、板ダンパにて構成され、ヒータコア2
7の入口側に回動自在に取り付けられている。このA/
Mダンパ28は、駆動手段としてのサーボモータ29に
より設定される開度に応じて、ヒータコア27を通る空
気量とヒータコア27を迂回してバイパス通路30を通
る空気量とを調節する。また、板ダンパの代わりにフィ
ルムダンパを用いても良く、サーボモータ29の代わり
にステップモータ等のその他の駆動手段を用いても良
い。
【0030】制御装置6は、CPU31、ROM32お
よびRAM33等を含んで構成されるもので、イグニッ
ションスイッチ(図示せず)が投入されて電源(バッテ
リ)から電力供給されて作動可能な状態になる。CPU
31は、本発明の能力変化判定手段、冷却能力推定手
段、吹出温度制御手段、吹出温度決定手段、補正手段で
あって、予めROM32内に記憶された制御プログラム
に基づいて各種演算、処理を行う演算処理手段である。
【0031】なお、CPU31には、コンプレッサ23
がオフしてから経過したオフ経過時間(TOFF )を計測
するタイマーが内蔵されている。ROM32は、各種の
制御特性を示す制御データや、車室内の空調制御のため
の制御プログラムを記憶保持することができ、イグニッ
ションスイッチがオフされて電力供給が停止しても記憶
が消滅しない記憶手段(メモリ)である。RAM33
は、各種の入力信号等の入力データや処理データを読み
込んだり、書き込んだりすることができる記憶手段(メ
モリ)で、CPU31の処理の途中で現れる一時的な処
理データの保持に使用される。
【0032】制御装置6の出力端子A〜Eは、それぞれ
サーボモータ10、29、17、18、19に接続さ
れ、出力端子Fはブロワ駆動回路20を介してブロワモ
ータ21に接続されている。サーボモータ29には、A
/Mダンパ開度センサ34が設けられ、制御装置6の入
力端子Gに接続されている。A/Mダンパ開度センサ3
4は、例えばA/Mダンパ28の開度θに応じて電気抵
抗値が変化するポテンショメータが用いられ、A/Mダ
ンパ28のヒータコア27に対するA/Mダンパ28の
開度θを検出するダンパ開度検出手段である。
【0033】また、制御装置6の出力端子Hは、コンプ
レッサ駆動回路35を介してコンプレッサ23の電磁ク
ラッチに接続されている。このコンプレッサ駆動回路3
5は、制御装置6から制御信号を受けて、電磁クラッチ
のコイルに通電することによりエンジンの回転力を伝達
してコンプレッサ23を回転駆動する。
【0034】なお、コンプレッサ駆動回路35は、電磁
クラッチのコイルへの通電電流を検出することによりコ
ンプレッサ23の運転状態(オン状態およびオフ状態)
を検出する運転状態検出機能を有し、その検出信号は制
御装置6の入力端子Iに接続されている。
【0035】制御装置6の入力端子J〜Lは、内外気切
替スイッチ36、温度設定スイッチ37およびデフロス
トモード設定スイッチ38にそれぞれ接続され、入力端
子M〜Qは、それぞれ内気温センサ39、外気温センサ
40、水温センサ41、日射センサ42およびエバ後温
度センサ43に接続されている。
【0036】内外気切替スイッチ36、温度設定スイッ
チ37およびデフロストモード設定スイッチ38は、車
室内の運転席前方のインストルメントパネル(図示せ
ず)に設けられた操作パネル(図示せず)にそれぞれ設
置されている。内外気切替スイッチ36は、内外気モー
ドを、内気循環モードまたは外気導入モードに固定する
ように制御装置6に指令する内外気モード指示手段であ
る。温度設定スイッチ37は、車室内の温度を所望の温
度に設定する温度設定手段である。デフロストモード設
定スイッチ38は、吹出口モードを、デフロストモード
に固定するように制御装置6に指令する吹出口モード指
示手段である。
【0037】内気温センサ39は、本発明の環境状態検
出手段、内気温検出手段であって、車室内の空気温度
(以下内気温と略す)を検出する車室内空気温度検出手
段で、検出した内気温に応じた内気温信号Trを制御装
置6に送る。また、外気温センサ40は、本発明の環境
状態検出手段、外気温検出手段であって、車室外の空気
温度(以下外気温と略す)を検出する車室外空気温度検
出手段で、検出した外気温に応じた外気温信号Tamを
制御装置6に送る。
【0038】水温センサ41は、本発明の環境状態検出
手段であって、例えばヒータコア27の出口側に取り付
けられ、ヒータコア27の出口のエンジンの冷却水の温
度を検出する水温検出手段で、検出した水温に応じた水
温信号Twを制御装置6に送る。また、日射センサ42
は、本発明の環境状態検出手段であって、例えば日射を
受けると電気抵抗値が変化するフォトダイオード等の光
センサが用いられ、車室内に入射した日射量を検出する
日射量検出手段で、検出した日射量に応じた日射量信号
Tsを検出するものである。
【0039】エバ後温度センサ43は、本発明の冷却能
力検出手段、環境状態検出手段であって、ダクト2内の
エバポレータ4の直後に取り付けられ、ダクト2内のエ
バポレータ4を通過した直後の空気温度をエバポレータ
出口温度(以下エバ後温度と呼ぶ)として検出する冷却
後温度検出手段で、検出したエバ後温度に応じたエバ後
温度信号Teを制御装置6に送る。これらの内気温セン
サ39、外気温センサ40、水温センサ41およびエバ
後温度センサ43は、例えば検出した温度に応じて電気
抵抗値が変化するサーミスタ等の感温素子が用いられて
いる。
【0040】ここで、吹出温度調節手段としてのA/M
ダンパ28の調節具合(ダンパ開度)を決定する調節具
(ダンパ開度)決定制御、すなわち、本例にあっては
CPU31におけるA/Mダンパ28の目標開度θ0 の
算出について説明する。
【0041】CPU31は、乗員により図示しないオー
トスイッチやエアコンスイッチ等の自動空調指示手段を
操作することによりオートエアコン(自動空調制御)が
選択されると、車室内の空調状態に影響を及ぼす車両環
境状態と設定温度等の入力信号に基づいて車室内に吹き
出す空気の目標吹出温度Taoを次の数1の式によって
算出する(CPU31の吹出温度決定機能)。
【数1】Tao=Kset ・Tset −Kr・Tr−Kam・
Tam−Ks・Ts+C
【0042】なお、Kset は温度設定ゲイン、Tset は
温度設定スイッチ37の設定温度信号、Krは内気温ゲ
イン、Trは内気温センサ39の内気温信号、Kamは外
気温ゲイン、Tamは外気温センサ40の外気温信号、
Ksは日射ゲイン、Tsは日射センサ42の日射量信
号、Cは補正定数である。
【0043】次に、CPU31は、オートエアコン選択
時に目標エアミックスダンパ開度(目標ダンパ開度)と
してのA/Mダンパ28の目標開度θ0 を次の数2の式
によって算出する(CPU31のダンパ開度決定機
能)。
【数2】θ0 ={(Tao−Te)/(Tw−Te)}
×100(%)
【0044】なお、Teはエバ後温度センサ43のエバ
後温度信号、Twは水温センサ41の水温信号である。
ここで、数2の式に水温信号Tw、エバ後温度信号Te
を用いる理由は、エンジンの冷却水の水温、エバ後温度
の変化により同一の目標開度θ0 でも吹出温度が変化す
ることを防ぐためである。しかしながら、水温センサ4
1、エバ後温度センサ43には熱容量があり、実際の温
度とのずれ、応答遅れが存在する。
【0045】次に、エバポレータ4の冷却能力を変更す
る能力変更制御、すなわち、本例にあってはコンプレッ
サ23(冷媒循環量制御手段)のフロストカット制御
(循環量変更制御)について説明する。
【0046】CPU31は、図2に示したように、エバ
後温度センサ43のエバ後温度信号Teに応じてコンプ
レッサ駆動回路35を介して電磁クラッチのコイルの通
電および通電停止を制御することによってフロストカッ
ト制御を行う。なお、コンプレッサ23は、エアコンス
イッチを手動操作することによってオン、オフした場合
にも、オン、オフされる。ここで、図2は予めROM3
2に記憶保持され、エバ後温度信号Teに基づいてコン
プレッサ23の運転状態を制御するコンプレッサ制御特
性を示したグラフである。
【0047】具体的には、図2のコンプレッサ制御特性
に示したように、エバ後温度センサ43のエバ後温度信
号Teが、コンプレッサ23のオフ時の目標エバ後温度
Teoff(例えば3℃)以下に低下した際に、コンプ
レッサ駆動回路35を介して電磁クラッチのコイルへの
通電を停止することによりコンプレッサ23の運転を停
止(オフ)させる。これにより、エバポレータ4内を冷
媒が循環しなくなるので、エアポレータ4の冷却能力が
小さくなる。
【0048】また、図2のコンプレッサ制御特性に示し
たように、エバ後温度センサ43のエバ後温度信号Te
が、コンプレッサ23のオン時の目標エバ後温度Teo
n(=Teoff+1℃:例えば4℃)以上に上昇した
際に、コンプレッサ駆動回路35を介して電磁クラッチ
のコイルを通電することによりコンプレッサ23の運転
を再開(オン)させる。これにより、エバポレータ4内
を冷媒が循環することになるので、エバポレータ4の冷
却能力が大きくなる。
【0049】次に、コンプレッサ23のオン、オフ時に
おけるA/Mダンパ28のダンパ開度を調節するダンパ
開度調節制御、すなわち、本例にあってはCPU31に
おける目標開度θ0 の補正制御(吹出温度補正制御)に
ついて簡単に説明する。
【0050】CPU31は、コンプレッサ駆動回路35
の検出信号によりコンプレッサ23への通電電流を検出
することによって、コンプレッサ23がオンからオフに
切り替えられたか、あるいはコンプレッサ23がオフか
らオンに切り替えられたかを判断する(CPU31の能
力変化判定機能)。
【0051】さらに、エバ後温度信号Teの変化を判断
する。そして、CPU31は、コンプレッサ23の運転
状態(オン、オフ)、コンプレッサ23のオン時の目標
エバ後温度Teon、エバ後温度センサ43のエバ後温
度信号Te、単位時間当たりのエバ後温度信号Teの変
化量f(Te/sec)、エバポレータ吸込温度Tei
n等の各入力データに基づいて、エバポレータ4の実際
の冷却能力を推定する(CPU31の冷却能力推定機
能)。そして、CPU31は、エバ後温度信号Teと推
定エバ後温度(推定冷却能力)との挙動の違いに基づい
て、複数の補正量Δθn (%)を決定し、その決定した
補正量Δθ(%)を考慮したA/Mダンパ28の目標開
度θ0 (%)を次の数3の式によって算出する(CPU
31の補正ダンパ開度決定機能)。
【数3】θ0 =θ0 +Δθ
【0052】なお、この実施例では、後記する開度補正
サブルーチンCの処理において、外気導入の場合には外
気温センサ40からの外気温信号Tam、内気導入の場
合には内気温センサ39からの内気温信号Trを、エバ
ポレータ吸込温度Teinとして代用するようにしてい
る。このエバポレータ吸込温度Teinとは、エバポレ
ータ4の上流側の空気温度(エバ前温度)のことであ
る。また、実際にセンサにて検出しても良い。
【0053】そして、CPU31は、補正したA/Mダ
ンパ28の目標開度θ0 に応じた駆動信号をサーボモー
タ29に出力する。これにより、A/Mダンパ28は、
サーボモータ29によって実際のダンパ開度が補正量Δ
θを含んだ目標開度θ0 になるように制御される(CP
U31の吹出温度制御機能)。
【0054】そして、この実施例のCPU31は、内外
気モードが内気循環モード時に内気温センサ39の内気
温信号を、エバポレータ4の上流側の空気温度(以下エ
バポレータ吸込温度と言う)Teinとして読み込む。
また、CPU31は、内外気モードが外気導入モード時
に外気温センサ40の外気温信号を、エバポレータ吸込
温度Teinとして読み込む。なお、左右に独立したダ
クトを持つものにおいては、日射量等の環境条件に基づ
いて左右のダクトからの吹出温度を調整手段により各々
変更しても良い。
【0055】次に、CPU31におけるブロワ制御につ
いて図3に基づいて説明する。ここで、図3は目標吹出
温度Taoに基づいてブロワ電圧を制御するブロワ電圧
制御特性を示したグラフであり、夏期(外気温が高温)
には目標吹出温度Taoは低側の値となり、冬期(外気
温が低温)には目標吹出温度Taoは高側の値となる。
【0056】ブロワ3に印加するブロワ電圧は、電源が
投入されてから例えば水温センサ41の検出水温が設定
温度(例えば75℃)以上に上昇した後に、ROM32
に予め記憶された図3に示したブロワ電圧制御特性に基
づいて決定される(ブロワ電圧決定機能)。なお、ブロ
ワ電圧制御特性に基づいたブロワ電圧の制御では、ブロ
ワ電圧(Ve)はLo〜HiまたはEx−Hiまでリニ
アに制御するようにしている。
【0057】そして、ブロワ3は、決定されたブロワ電
圧となるようにブロワ駆動回路20を介してCPU31
によって自動制御される。なお、CPU31は、オート
エアコン中に、風量固定スイッチ(図示せず)が手動操
作された場合には、風量固定スイッチで設定されたブロ
ワ電圧が優先されるため、そのブロワ電圧に固定するよ
うにブロワ駆動回路20に指令を出す。また、ブロワ制
御特性は、フェイスモード、バイレベルモード、フット
モード等により異なる特性を持つようにしても良い。
【0058】〔第1実施例の作用〕次に、この自動車用
オートエアコン1の作動を図1ないし図13に基づいて
簡単に説明する。制御装置6は、イグニッションスイッ
チが投入されると制御プログラムをスタートし、図4の
フローチャートにしたがって演算、処理を実行する。こ
こで、図4は自動車用オートエアコンの制御装置の基本
的な制御プログラムを示したフローチャートである。
【0059】先ず、分岐フラグSBR、補正制御フラグ
FLG、タイマーをクリアするなどのように、各種タイ
マーや制御フラグ等を初期化する(ステップS1)。こ
のステップS1は初期化手段を構成する。次に、温度設
定スイッチ37から設定温度信号Tset を読み込み、R
AM33に記憶する(ステップS2)。このステップS
2は設定温度入力手段を構成する。
【0060】そして、車室内の空調状態に影響を及ぼす
車両環境状態を検出するために各種センサから入力信号
を読み込む。すなわち、内気温センサ39からの内気温
信号Tr、外気温センサ40からの外気温信号Tam、
水温センサ41からの水温信号Tw、日射センサ42か
らの日射量信号Tsおよびエバ後温度センサ43からの
エバ後温度信号Teを読み込んで、RAM33に記憶す
る(ステップS3)。このステップS3は環境状態入力
手段を構成する。なお、エバ後温度センサ43からのエ
バ後温度信号Teの読み込みは冷却能力検出手段も兼ね
る。
【0061】次に、上述のようにRAM33に読み込ん
だ各種入力データ(内気温信号Tr、外気温信号Ta
m、日射量信号Ts)を用いて、予めROM32に記憶
されている前述の数1の式に基づいて、車室内に吹き出
す空気の目標吹出温度Taoを算出する(ステップS
4)。このステップS4は吹出温度決定手段を構成す
る。
【0062】そして、ステップS5において、予めRO
M32に記憶されている図3のブロワ電圧制御特性に基
づいて、ブロワ3の送風量を設定する。すなわち、ブロ
ワ駆動回路20を介してブロワモータ21に印加するブ
ロワ電圧Veを設定する(ステップS5)。このステッ
プS5は制御装置6のブロワ電圧決定手段を構成する。
【0063】そして、ステップS6において、上述のよ
うにRAM33に読み込んだ各種入力データ(水温信号
Tw、エバ後温度信号Te)および目標吹出温度Tao
を用いて、予めROM32に記憶されている前述の数2
の式に基づいて、A/Mダンパ28の目標開度θ0 を算
出する(ステップS6)。このステップS6はダンパ開
度決定手段を構成する。
【0064】次に、目標吹出温度Taoに基づいて、内
気循環モードを行うか、あるいは外気導入モードを行う
かを決定する。この場合、内気循環モード、外気導入モ
ードは内外気切替ダンパ9をサーボモータ10により駆
動制御して、内気導入口7あるいは外気導入口8のうち
何れかを開口するように設定する(ステップS7)。こ
のステップS7は内外気モード決定手段を構成する。
【0065】次に、予めROM32に記憶されている図
2のコンプレッサ制御特性(エバ後温度センサ43のエ
バ後温度信号Te)、あるいはエアコンスイッチのオン
状態またはオフ状態に基づいて、コンプレッサ23とエ
ンジンとを駆動連結する電磁クラッチのコイルをオンす
るか、オフするかを決定する(ステップS8)。このス
テップS8はコンプレッサ制御手段を構成する。
【0066】次に、本発明の主内容であるコンプレッサ
23のオン直後およびオフ直後のA/Mダンパ28の開
度補正制御を行う(ステップS9)。そして、前述のス
テップS5〜S9で決定した制御信号をブロワ駆動回路
20、サーボモータ10、29およびコンプレッサ駆動
回路35等に出力してブロワ3、内外気切替ダンパ9、
A/Mダンパ28およびコンプレッサ23を動作させる
(ステップS10)。このステップS10は空調制御手
段を構成する。
【0067】次に、ステップS10の処理を実行してか
ら制御周期時間τ(例えば1秒間〜4秒間)が経過して
いるか否かを判断し(ステップS11)、この判断結果
がNoの場合には制御周期時間τの経過を待つ。また、
その判断結果がYesの場合にはステップS2の処理へ
戻り、上述の演算、処理が繰り返される。以上の演算、
処理を繰り返し実行することによって自動車用オートエ
アコン1が自動コントロールされる。
【0068】次に、CPU31における吹出温度制御、
すなわち、コンプレッサ23のオン直後およびオフ直後
のA/Mダンパ28の開度補正制御を詳細に説明する。
図5はA/Mダンパの開度補正制御プログラムを示した
フローチャートである。この図5のフローチャートは図
4のステップS8の処理が終了したときにスタートす
る。
【0069】先ず、コンプレッサ23の電磁クラッチの
コイルがオフからオンに切り替えられた(comp,O
FF→ON)か否かを判断する(能力変化判定手段)。
すなわち、コンプレッサ駆動回路35の検出信号がオフ
信号からオン信号に変化したか否かを判断する(ステッ
プS21)。このステップS21の判断結果がNoの場
合には、ステップS25の処理を行う。
【0070】また、ステップS21の判断結果がYes
の場合には、タイマーにより計測されているオフ経過時
間(TOFF )が所定時間(Tα:例えば30秒間)以上
経過しているか否かを判断する(ステップS22)。こ
のステップS22の判断結果がYesの場合には、分岐
フラグを1に設定すると共に、オフ経過時間(TOFF)
を計測するためのタイマーをクリアする。すなわち、S
BR=1、TIMER=0に設定する(ステップS2
3)。
【0071】また、ステップS22の判断結果がNoの
場合には、分岐フラグを2に設定すると共に、オフ経過
時間(TOFF )を計測するためのタイマーをクリアす
る。すなわち、SBR=2、TIMER=0に設定する
(ステップS24)。
【0072】次に、コンプレッサ23の電磁クラッチの
コイルがオンからオフに切り替えられた(comp,O
N→OFF)か否かを判断する(能力変化判定手段)。
すなわち、コンプレッサ駆動回路35の検出信号がオン
信号からオフ信号に変化したか否かを判断する(ステッ
プS25)。このステップS25の判断結果がNoの場
合には、ステップS29の処理を行う。
【0073】また、ステップS25の判断結果がYes
の場合には、エアコンスイッチ(図示せず)によってコ
ンプレッサ23の電磁クラッチのコイルがオフ(OF
F)されたか否かを判断する(ステップS26)。この
ステップS26の判断結果がYesの場合には、分岐フ
ラグを3に設定する。すなわち、SBR=3に設定する
(ステップS27)。また、ステップS26の判断結果
がNoの場合には、分岐フラグを4に設定する。すなわ
ち、SBR=4に設定する(ステップS28)。
【0074】ここで、この実施例では、上述のステップ
S22の処理のように、コンプレッサ23がオフからオ
ンに切り替えられた時に、オフ経過時間(TOFF )に応
じて分岐フラグの設定を変えているが、その理由を以下
に述べる。
【0075】図6はコンプレッサ23をオフしてから充
分時間が経過した後にオンし、さらに短時間にオン、オ
フを繰り返した場合の実際のエバ後温度(エバポレータ
4の実際の冷却能力)TEと、エバ後温度センサ43の
エバ後温度信号(=エバポレータ4の検出冷却能力、以
下検出エバ後温度と言う)Teと、車室内へ吹き出す空
気の吹出温度と、A/Mダンパ28の実際のダンパ開度
Tpを示したタイムチャートである。
【0076】図6のタイムチャートに示したように、コ
ンプレッサ23をオン(時刻t1 )してから多少の遅れ
(例えば2秒間〜3秒間程度)はあるが実際のエバ後温
度TEはすぐに低下する。しかし、エバ後温度センサ4
3の検出エバ後温度Teは、エバ後温度センサ43の応
答遅れ(例えばサーミスタの熱容量による応答遅れ)、
時定数により数十秒間は下がらない。このような実際の
エバ後温度TEとエバ後温度センサ43の検出エバ後温
度Teの動きは異なる環境条件のもとでも同じ傾向にあ
ることが実験により確かめられている。
【0077】すなわち、コンプレッサ23をオフしてか
ら充分時間が経過した後に再度オンした直後は、エバ後
温度センサ43の検出エバ後温度Teが実際のエバ後温
度TEよりも遅れるため、A/Mダンパ28の実際のダ
ンパ開度Tpは遅れて動く。このため、吹出温度は一旦
下がり、A/Mダンパ28が充分作動すると、吹出温度
が上がるという挙動となる。なお、このときの目標吹出
温度Taoは一定となっている。したがって、A/Mダ
ンパ28の実際のダンパ開度Tpは、目標開度θ0 より
もエバ後温度センサ43の応答遅れを考慮して吹出温度
上昇(Hot)側へ補正する必要があることが予測(推
定)できる。
【0078】逆に、コンプレッサ23をオンしてから充
分時間が経過した後にオフした直後は、エバ後温度セン
サ43の検出エバ後温度Teにて補正されるA/Mダン
パ28の目標開度θ0 よりもエバ後温度センサ43の応
答遅れを考慮して吹出温度下降(Cool)側へ補正す
る必要があることも予測(推定)できる。
【0079】また、時刻t3 〜t6 のように、コンプレ
ッサ23のオン、オフを短時間で繰り返す場合には、コ
ンプレッサ23をオンしても、実際のエバ後温度TEは
しばらく上昇した後に下降する。そして、エバ後温度セ
ンサ43の検出エバ後温度Teは実際のエバ後温度TE
よりもさらに遅れて追従していくことになる。このよう
な実際のエバ後温度TEとエバ後温度センサ43の検出
エバ後温度Teの動きは種々の環境条件のものでも同じ
傾向にあることが実験により確かめられている。
【0080】すなわち、コンプレッサ23のオン、オフ
を短時間で繰り返す場合には、コンプレッサ駆動回路3
5の検出信号に対して、エバ後温度センサ43の検出エ
バ後温度Teは位相がずれる。このため、コンプレッサ
23の運転状態の判定結果とエバ後温度センサ43の検
出エバ後温度Teとの位相差を考慮して実際のエバ後温
度TEを推定し、この推定エバ後温度に基づいてA/M
ダンパ28の目標開度θ0 を補正する必要があることが
分かる。
【0081】次に、分岐フラグに応じた各開度補正サブ
ルーチンを詳細に説明する。先ず、図5のステップS2
9において、分岐フラグSBRが0に設定されている
(SBR=0)か否かを判断する。このステップS29
の判断結果がYesの場合、つまりコンプレッサ23の
オン、オフに伴う補正制御中ではないと判断された場合
には、A/Mダンパ28の目標開度θ0 の補正量Δθを
0(%)に設定する。すなわち、Δθ=0に設定する
(ステップS30)。次に、ステップS40の処理を行
う。
【0082】また、ステップS29の判断結果がNoの
場合には、分岐フラグSBRが1に設定されている(S
BR=1)か否かを判断する(ステップS31)。この
ステップS31の判断結果がYesの場合、つまりコン
プレッサ23が充分なオフ時間後にオンに切り替えられ
たと判断された場合には、ステップS32において開度
補正サブルーチンAの処理を行う。
【0083】ここで、図5のステップS32の開度補正
サブルーチンAの処理を図7のタイムチャート、および
図8のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0084】図7の時刻t1 〜t4 に示したように、コ
ンプレッサ23が充分長いオフ時間後にオンに切り替え
られた場合には、エバ後温度センサ43の応答遅れに起
因する検出不感時間(時刻t2 〜t3 )とエバ後温度セ
ンサ43の検出エバ後温度Teが実際のエバ後温度TE
に対してある応答遅れを持って追従する追従時間(時刻
t3 〜t4 )とで、それぞれエバ後温度センサ43の検
出エバ後温度Teの挙動が異なる。なお、このときの実
際のエバ後温度TEの挙動は、コンプレッサ23のオン
直前の実際のエバ後温度TEとコンプレッサ23のオン
時の目標エバ後温度(例えば3℃〜4℃)との差に応じ
て変化する。
【0085】そこで、時刻t2〜t3は、コンプレッサ
23のオン直前のエバ後温度センサ43の検出エバ後温
度Te1 とコンプレッサ23のオン時の目標エバ後温度
Teonとの差に基づいて、A/Mダンパ28の目標開
度θ0 を吹出温度上昇(Hot)側へ補正量Δθ1 だけ
補正するようにする。なお、補正量Δθ1 は、コンプレ
ッサ23のオン直前のエバ後温度センサ43の検出エバ
後温度Te1 とコンプレッサ23のオン時の目標エバ後
温度Teon(例えば4℃)との違いに応じて推定した
推定エバ後温度に基づく補正量である。
【0086】そして、時刻t3 〜t4 では、エバ後温度
センサ43の単位時間(例えばCPU31の制御周期時
間τ=1秒間〜4秒間)当たりの検出エバ後温度の変化
に基づいて、A/Mダンパ28の目標開度θ0 を吹出温
度上昇(Hot)側へ補正量Δθ2 だけ補正するように
する。なお、補正量Δθ2 は、エバ後温度センサ43の
単位時間当たりの検出エバ後温度の変化に応じて推定し
た推定エバ後温度に基づく補正量である。
【0087】このようにすることにより、コンプレッサ
23が充分長いオフ時間後にオンに切り替えられて、エ
バポレータ4の冷却能力が急激に変動しても、車室内へ
吹き出す空気の吹出温度の変動を減少させることができ
る。
【0088】図8は開度補正サブルーチンAを示したフ
ローチャートである。先ず、コンプレッサ23のオン時
の補正制御中であるか否かを判断する。すなわち、補正
制御フラグFLGがA2に設定されている(FLG=A
2)か否かを判断する(ステップS110)。このステ
ップS110の判断結果がNoの場合には、エバ後温度
センサ43の検出エバ後温度Teがマイナス側に変化し
ているか否かを判断する(ステップS111)。
【0089】このステップS111の判断結果がNoの
場合には、すなわち、エバ後温度センサ43の検出エバ
後温度Teがコンプレッサ23のオンにも拘らず、マイ
ナス側に変化していないと判断した場合には、コンプレ
ッサ23のオン直後のエバ後温度センサ43の検出不感
時間の補正制御が実施中であるか否かを判断する。すな
わち、補正制御フラグFLGがA1に設定されている
(FLG=A1)か否かを判断する(ステップS11
2)。このステップS112の判断結果がYesの場合
には、図5のステップS32を抜ける。
【0090】また、ステップS112の判断結果がNo
の場合には、すなわち、不感時間補正中ではないと判断
した場合には、次の数4の式に基づいて補正量Δθ1
算出して(ステップS113)、補正制御フラグFLG
をA1に設定する。すなわち、FLG=A1に設定する
(ステップS114)。そして、図5のステップS32
を抜ける。
【数4】Δθ1 =f(Te1 −Teon)
【0091】また、ステップS111の判断結果がYe
sの場合には、すなわち、エバ後温度センサ43の検出
エバ後温度Teがマイナス側に変化していると判断した
場合には、次の数5の式に基づいて補正量Δθ2 を算出
して(ステップS115)、補正制御フラグFLGをA
2に設定する。すなわち、FLG=A2に設定する(ス
テップS116)。そして、図5のステップS32を抜
ける。
【数5】Δθ2 =f(Te/sec)
【0092】また、ステップS110の判断結果がYe
sの場合には、すなわち、FLG=A2に設定されてお
り、補正量Δθによる補正が実施済みである場合には、
エバ後温度センサ43の検出エバ後温度Teが所定値以
上変化しているか否かを判断する(ステップS11
7)。このステップS117の判断結果がYesの場合
には、すなわち、所定値以上変化(マイナス方向への変
化)している場合には、前述の数5の式に基づいて補正
量Δθ2 を算出する(ステップS118)。
【0093】また、ステップS117の判断結果がNo
の場合には、すなわち、所定値以上の変化がない場合に
は、補正量Δθを0(%)に設定する。すなわち、補正
量Δθ=0とし(ステップS119)、補正制御フラグ
FLG、分岐フラグSBRをクリアする。すなわち、F
LG=A1、A2→FLG=0、SBR=0に設定する
(ステップS120)。そして、図5のステップS32
を抜ける。
【0094】次に、図5のフローチャートのステップS
31の判断結果がNoの場合には、分岐フラグSBRが
4に設定されている(SBR=4)か否かを判断する
(ステップS33)。この判断結果がYesの場合、つ
まりコンプレッサ23をオンに切り替えてから短い時間
で再度オフしたと判断された場合には、ステップS34
において開度補正サブルーチンBの処理を行う。
【0095】ここで、図5のステップS34の開度補正
サブルーチンBの処理を図7のタイムチャート、および
図9のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0096】図7の時刻t9 〜t12に示したように、コ
ンプレッサ23をオンに切り替えてから短い時間で再度
オフに切り替えた場合には、時刻t9 〜t10に示したよ
うに、コンプレッサ23がオフしてもしばらくの間、実
際のエバ後温度TEは下降し、その後上昇する。一方、
エバ後温度センサ43の検出エバ後温度Teは、実際の
エバ後温度TEよりさらに遅れて追従する。
【0097】したがって、コンプレッサ23が短い間隔
でオン、オフする場合には、コンプレッサ23をオフし
た時からエバ後温度センサ43の検出エバ後温度Teが
下降している場合と上昇している場合とで、補正量Δθ
を変更する必要があることが予測できる。
【0098】すなわち、この実施例では、コンプレッサ
23をオンに切り替えてから短い時間で再度オフした場
合に、エバ後温度センサ43の検出エバ後温度Teが上
昇し始めてから、その検出エバ後温度Teが所定値(T
ep)以上上昇する間、A/Mダンパ28の開度を吹出
温度下降(Cool)側に補正量Δθ3 (=−A)だけ
補正するようにしている。なお、補正量Δθ3 は、コン
プレッサ23の運転状態(エバポレータ4の冷却能力)
の変化とエバ後温度センサ43の検出エバ後温度Teの
変化とに応じて推定した推定エバ後温度に基づく補正量
である。
【0099】図9は開度補正サブルーチンBを示したフ
ローチャートである。先ず、エバ後温度センサ43の検
出エバ後温度Teが変化しているか否かを判断する(ス
テップS121)。このステップS121の判断結果が
Yesの場合には、すなわち、時刻t9 〜t10のよう
に、検出エバ後温度Teが下降している場合には、補正
制御が実施中であるか否かを判断する。すなわち、補正
制御フラグFLGがB1に設定されている(FLG=B
1)か否かを判断する(ステップS122)。このステ
ップS122の判断結果がNoの場合には、図5のステ
ップS34を抜ける。
【0100】また、ステップS122の判断結果がYe
sの場合には、すなわち、FLG=B1に設定されてい
る場合には、エバ後温度センサ43の検出エバ後温度T
eの変化が所定値(Tep)以上上昇したか否かを判断
する(ステップS123)。なお、所定値Tepとして
は、検出エバ後温度Te変化ゼロの値(時刻t10)から
の変化量、あるいは単位時間当たりの変化量を採用して
も良い。このステップS123の判断結果がNoの場合
には、補正制御を継続し図5のステップS34を抜け
る。
【0101】また、ステップS123の判断結果がYe
sの場合には、すなわち、検出エバ後温度Teが所定値
以上変化している場合には、補正量Δθを0(%)に設
定する。すなわち、補正量Δθ=0として補正制御を終
了して(図7の時刻t11:ステップS124)、補正制
御フラグFLG、分岐フラグSBRをクリアする。すな
わち、FLG=B1→FLG=0、SBR=0に設定し
(ステップS125)、図5のステップS34を抜け
る。
【0102】また、ステップS121の判断結果がNo
の場合には、すなわち、エバ後温度センサ43の検出エ
バ後温度Teが変化していない(時刻t10)と判断した
場合には、補正制御が実施中であるか否かを判断する。
すなわち、補正制御フラグFLGがB1に設定されてい
る(FLG=B1)か否かを判断する(ステップS12
6)。このステップS126の判断結果がYesの場合
には、すなわち、補正制御中であると判断した場合に
は、補正制御を継続し図5のステップS34を抜ける。
【0103】また、ステップS126の判断結果がNo
の場合には、補正量ΔθをΔθ3 =−A(Aは固定値)
とする。すなわち、Δθ3 =−A(%)として、A/M
ダンパ28の開度を吹出温度下降(Cool)側に補正
する(ステップS127)。その後、補正制御フラグF
LGをB1に設定する。すなわち、FLG=B1に設定
し(ステップS128)、図5のステップS34を抜け
る。
【0104】次に、図5のフローチャートのステップS
33の判断結果がNoの場合には、分岐フラグSBRが
3に設定されている(SBR=3)か否かを判断する
(ステップS35)。この判断結果がNoの場合、つま
りコンプレッサ23をオフに切り替えてから短い時間で
再度オンしたと判断された場合には、ステップS37に
おいて開度補正サブルーチンDの処理を行う。
【0105】ここで、図5のステップS37の開度補正
サブルーチンDの処理を図7のタイムチャート、および
図10のフローチャートを用いて詳細に説明する。図7
の時刻t12〜t15に示したように、コンプレッサ23を
オフに切り替えてから短い時間で再度オンに切り替えた
場合には、時刻t12〜t13に示したように、コンプレッ
サ23がオンしてもしばらくの間、実際のエバ後温度T
Eは上昇し、その後下降する。一方、エバ後温度センサ
43の検出エバ後温度Teは、実際のエバ後温度TEよ
りさらに遅れて追従する。
【0106】したがって、コンプレッサ23が短い間隔
でオフ、オンする場合には、コンプレッサ23をオンし
た時からエバ後温度センサ43の検出エバ後温度Teが
上昇している場合と下降している場合とで、補正量Δθ
を変更する必要があることが予測できる。
【0107】すなわち、この実施例では、コンプレッサ
23をオフに切り替えてから短い時間で再度オンした場
合に、エバ後温度センサ43の検出エバ後温度Teが下
降し始めてから、その検出エバ後温度Teが所定値(T
em)以上下降する間、A/Mダンパ28の開度を吹出
温度上昇(Hot)側に補正量Δθ4 (=+A)だけ補
正するようにしている。なお、補正量Δθ4 は、コンプ
レッサ23の運転状態(エバポレータ4の冷却能力)の
変化とエバ後温度センサ43の検出エバ後温度Teの変
化とに応じて推定した推定エバ後温度に基づく値であ
る。
【0108】図10は開度補正サブルーチンDを示した
フローチャートである。先ず、エバ後温度センサ43の
検出エバ後温度Teが変化しているか否かを判断する
(ステップS141)。このステップS141の判断結
果がYesの場合には、補正制御が実施中であるか否か
を判断する。すなわち、補正制御フラグFLGがD1に
設定されている(FLG=D1)か否かを判断する(ス
テップS142)。このステップS142の判断結果が
Noの場合には、図5のステップS37を抜ける。
【0109】また、ステップS142の判断結果がYe
sの場合には、エバ後温度センサ43の検出エバ後温度
Teの変化が所定値(Tem)以上下降したか否かを判
断する(ステップS143)。なお、所定値Temとし
ては、検出エバ後温度Te変化ゼロの値(時刻t13)か
らの変化量、あるいは単位時間当たりの変化量を採用し
ても良い。このステップS143の判断結果がNoの場
合には、補正制御を継続し図5のステップS37を抜け
る。
【0110】また、ステップS143の判断結果がYe
sの場合には、すなわち、検出エバ後温度Teが所定値
以上下降している場合には、補正量Δθを0(%)に設
定する。すなわち、補正量Δθ=0として補正制御を終
了して(図7の時刻t14:ステップS144)、補正制
御フラグFLG、分岐フラグSBRをクリアする。すな
わち、FLG=D1→FLG=0、SBR=0に設定し
て(ステップS145)、図5のステップS37を抜け
る。
【0111】また、ステップS141の判断結果がNo
の場合には、すなわち、エバ後温度センサ43の検出エ
バ後温度Teが変化していない(時刻t13)と判断した
場合には、補正制御が実施中であるか否かを判断する。
すなわち、補正制御フラグFLGがD1に設定されてい
る(FLG=D1)か否かを判断する(ステップS14
6)。このステップS146の判断結果がYesの場合
には、すなわち、補正制御中であると判断した場合に
は、補正制御を継続し図5のステップS37を抜ける。
【0112】また、ステップS146の判断結果がNo
の場合には、補正量ΔθをΔθ4 =+A(Aは固定値)
とする。すなわち、Δθ4 =+A(%)として、A/M
ダンパ28の開度を吹出温度上昇(Hot)側に補正す
る(ステップS147)。その後、補正制御フラグFL
GをD1に設定する。すなわち、FLG=D1に設定し
(ステップS148)、図5のステップS37を抜け
る。次に、図5のフローチャートのステップS35の判
断結果がYesの場合には、ステップS36において開
度補正サブルーチンCの処理を行う。
【0113】ここで、図5のステップS36の開度補正
サブルーチンCの処理を図11のタイムチャート、およ
び図12のフローチャートを用いて詳細に説明する。図
11の時刻t1 〜t3 に示すように、コンプレッサ23
がオンされていた状態からエアコンスイッチによりコン
プレッサ23がオフされた場合には、エバ後温度センサ
43の応答遅れに起因する逆位相時間(時刻t1 〜t2
)と、コンプレッサ23のオフ時のエバポレータ吸込
温度(Tein)とコンプレッサ23のオフ直前の検出
エバ後温度Te2 との差に応じて変化する時間(時刻t
2 〜t3)とでエバ後温度センサ43の検出エバ後温度
Teの挙動が異なる。
【0114】そこで、時刻t1 〜t2 は、コンプレッサ
23のオフ時のエバポレータ吸込温度Tein(=外気
導入モード時は外気温信号Tam、内気循環モード時は
内気温信号Tr)とコンプレッサ23のオフ直前のエバ
後温度センサ43の検出エバ後温度Te2 との差に基づ
いて、A/Mダンパ28の目標開度θ0 を吹出温度下降
(Cool)側へ補正量Δθ5 だけ補正する。なお、補
正量Δθ5 は、コンプレッサ23のオフ時のエバポレー
タ吸込温度Teinとコンプレッサ23のオフ直前のエ
バ後温度センサ43の検出エバ後温度Te2 との差に応
じて推定した推定エバ後温度に基づく補正量である。
【0115】また、時刻t2 〜t3 では、エバ後温度セ
ンサ43の単位時間(例えばCPU31の制御周期時間
τ=1秒間〜4秒間)当たりの検出エバ後温度の変化に
基づいて、A/Mダンパ28の目標開度θ0 を吹出温度
下降(Cool)側へ補正量Δθ6 だけ補正する。な
お、補正量Δθ6 は、エバ後温度センサ43の単位時間
当たりの検出エバ後温度の変化に応じて推定した推定エ
バ後温度に基づく補正量である。
【0116】このようにすることにより、コンプレッサ
23がオンされていた状態からエアコンスイッチにより
オフに切り替えられて、エバポレータ4の冷却能力が急
激に変動しても、車室内へ吹き出す空気の吹出温度の変
動を減少させることができる。
【0117】図12は開度補正サブルーチンCを示した
フローチャートである。先ず、コンプレッサ23のオフ
時の補正制御中であるか否かを判断する。すなわち、補
正制御フラグFLGがC2に設定されている(FLG=
C2)か否かを判断する(ステップS130)。このス
テップS130の判断結果がNoの場合には、エバ後温
度センサ43の検出エバ後温度Teがプラス側に変化し
ているか否かを判断する(ステップS131)。
【0118】このステップS131の判断結果がNoの
場合には、すなわち、エバ後温度センサ43の検出エバ
後温度Teがコンプレッサ23のオフにも拘らず、プラ
ス側に変化していないと判断した場合には、コンプレッ
サ23のオフ直後のエバ後温度センサ43の応答遅れ補
正が実施中であるか否かを判断する。すなわち、補正制
御フラグFLGがC1に設定されている(FLG=C
1)か否かを判断する(ステップS132)。このステ
ップS132の判断結果がYesの場合には、図5のス
テップS36を抜ける。
【0119】また、ステップS132の判断結果がNo
の場合には、すなわち、応答遅れ補正中ではないと判断
した場合には、次の数6の式に基づいて補正量Δθ5
算出して(ステップS133)、補正制御フラグFLG
をC1に設定する。すなわち、FLG=C1に設定して
(ステップS134)、図5のステップS36を抜け
る。
【数6】Δθ5 =f(Te2 −Tein)
【0120】また、ステップS131の判断結果がYe
sの場合には、すなわち、エバ後温度センサ43の検出
エバ後温度Teがプラス側に変化していると判断した場
合には、次の数7の式に基づいて補正量Δθ6 を算出し
て(ステップS135)、補正制御フラグFLGをC2
に設定する。すなわち、FLG=C2に設定して(ステ
ップS136)、図5のステップS36を抜ける。
【数7】Δθ6 =−f(Te/sec)
【0121】また、ステップS130の判断結果がYe
sの場合には、すなわち、補正量Δθによる補正が実施
済みである場合には、エバ後温度センサ43の検出エバ
後温度Teが所定値以上変化しているか否かを判断する
(ステップS137)。このステップS137の判断結
果がYesの場合には、すなわち、所定値以上変化(プ
ラス方向への変化)している場合には、前述の数7の式
に基づいて補正量Δθ 6 を算出する(ステップS13
8)。そして、図5のステップS36を抜ける。
【0122】また、ステップS137の判断結果がNo
の場合には、すなわち、所定値以上の変化がない場合に
は、補正量Δθを0(%)に設定する。すなわち、Δθ
=0とし(ステップS139)、補正制御フラグFL
G、分岐フラグSBRをクリアする。すなわち、FLG
=C1、C2→FLG=0、SBR=0に設定する(ス
テップS140)。そして、図5のステップS36を抜
ける。
【0123】そして、以上のように、A/Mダンパ28
の目標開度θ0 の補正量Δθが決定された後に、前述の
数3の式に基づいて目標開度θ0 を算出し、算出された
目標開度θ0 からA/Mダンパ28の実際の開度θを算
出する(ステップS40)。
【0124】このステップS40の処理を行う理由は、
図13に示したように、A/Mダンパ28の実際の開度
に対する吹出温度特性が非線形形状であるため、同じ開
度(例えばθa )だけA/Mダンパ28をサーボモータ
29により駆動しても、A/Mダンパ28の位置によっ
ては吹出温度の変化幅が(例えばTa、Tbと言うよう
に)異なるからである。
【0125】したがって、吹出温度の変化量がA/Mダ
ンパ28の位置によらず一定に保たれるように、予めR
OM32に記憶されたデータにより目標開度θ0 を実際
の開度θに変換するようにしている。このようにして、
ステップS40の処理を終了した後は、図4のフローチ
ャートのステップS10の処理を行う。
【0126】なお、上述のようなフロストカットと同様
に、乗員の手動操作によってエアコンスイッチをオン、
オフした時、コンプレッサ23の回転速度が変動した
時、あるいは可変容量式コンプレッサの容量が変動した
時にも同じように車室内へ吹き出す空気の吹出温度が変
動する。このため、これらの場合にも本発明を利用した
制御が可能である。
【0127】〔第1実施例の効果〕 以上のように、自動車用オートエアコン1は、コンプレ
ッサ23の運転状態(オン、オフ)の変化、エバ後温度
センサ43の検出エバ後温度Teの変化(挙動)、コン
プレッサ23のオン直前のエバ後温度センサ43のエバ
後温度Te1とコンプレッサ23のオン時の目標エバ後
温度Teonとの違い、エバ後温度センサ43の単位時
間当たりの検出エバ後温度Teの変化量、コンプレッサ
23のオフ時のエバポレータ吸込温度Teinとコンプ
レッサ23のオフ直前のエバ後温度センサ43のエバ後
温度Te2との温度差等の各入力データに応じて推定し
た推定エバ後温度に基づいて、A/Mダンパ28の目標
開度θ0 を補正するようにしている。
【0128】したがって、コンプレッサ23が充分長い
オフ時間後にフロストカット制御によりオンに切り替え
られた場合、コンプレッサ23をフロストカット制御に
よりオンしてから短い時間で再度オフした場合、コンプ
レッサ23をフロストカット制御によりオフしてから短
い時間で再度オンした場合、コンプレッサ23がオンさ
れていた状態からエアコンスイッチの手動操作によりコ
ンプレッサ23をオフした場合、コンプレッサ23がオ
フされていた状態からエアコンスイッチの手動操作によ
りコンプレッサ23をオンした場合等のように、フロス
トカット制御またはエアコンスイッチの手動操作の変化
によってコンプレッサ23の運転状態(オン、オフ)が
変化することにより、エバポレータ4の冷却能力が変動
した直後、例えばコンプレッサ23のオン直後またはオ
フ直後の数十秒間においても、そのエバポレータ4の実
際のエバ後温度TE(推定エバ後温度)に合わせてA/
Mダンパ28の目標開度θ0 を最適な値に補正すること
ができる。 この結果、エバポレータ4の冷却能力が変動
した直後、例えばコンプレッサ23のオン直後またはオ
フ直後の数十秒間においても、ヒータコア27により
熱される空気の加熱量最適な値に制御できる。よっ
て、エバ後温度センサ43の応答遅れに相当する吹出温
度の変動を小さくすることができるので、車室内の温度
を安定させることができる。
【0129】以上の第1実施例において、コンプレッサ
23が短い間隔でオン、オフしている場合の補正開始タ
イミングとして、エバ後温度センサ43の検出エバ後温
度変化がゼロになった時点を用いたが、本発明はこれに
限定されるものではなく、例えばコンプレッサ23のオ
ン、オフに同期して補正を開始しても良い。
【0130】また、補正終了タイミングとして、エバ後
温度センサ43の検出エバ後温度Teが所定値以上変化
した場合に補正を終了しているが、例えば検出エバ後温
度Teの変化がゼロの時点、あるいはコンプレッサ23
のオン、オフに同期してタイマーを作動させ、所定時間
経過後に補正制御を中止する機能を併用しても良い。
【0131】また、開度補正サブルーチンAにおいて、
オフ時間により、不感時間補正を実施するか否かを判断
したが、検出エバ後温度Teの目標温度差に応じて判断
するようにして良い。なお、フロスト防止オン、オフ時
の目標温度は例えば3℃、これ以外の時のオン、オフ目
標温度差は数℃以上ある。
【0132】〔第2実施例〕図14は本発明の第2実施
例を示したものであり、自動車用オートエアコンの概略
構成を示した図である。
【0133】エバ後温度センサ43の挙動、応答性は、
エバポレータ4の上流側に吸い込まれる空気の温度によ
って異なる。そこで、この実施例では、ダクト2内のエ
バポレータ4の上流側に、ダクト2内に吸い込んだ空気
の温度を検出するエバ吸込温度センサ44を追加してい
る。このエバ吸込温度センサ44は、制御装置6の入力
端子Rに接続されている。
【0134】このエバ吸込温度センサ44のエバポレー
タ吸込温度Teinは、数6の式にそのまま用いること
ができ、また、数4の式を次の数8の式のように変形す
ることにより、さらに車室内へ吹き出す空気の吹出温度
の変動を小さくすることができる。
【数8】Δθ=f(Te1 −Teon,Tein) さらには、図7に示した所定値Aにも同様の変形が可能
である。
【0135】〔第3実施例〕図15は本発明の第3実施
例を示したものであり、自動車用オートエアコンの概略
構成を示した図である。
【0136】エバ後温度センサ43の挙動、応答性は、
エバポレータ4の上流側に吸い込まれる空気の湿度によ
っても異なる。そこで、この実施例では、ダクト2内の
エバポレータ4の上流側に、ダクト2内に吸い込んだ空
気の湿度を検出する湿度センサ45を追加している。こ
の湿度センサ45は、制御装置6の入力端子Rに接続さ
れている。
【0137】この湿度センサ45の検出湿度RHinに
より、数4の式、数6の式をそれぞれ数9の式、数10
の式のように変形することにより、さらに車室内へ吹き
出す空気の吹出温度の変動を小さくすることができる。
【数9】Δθ=f(Te1 −Teon,RHin)
【数10】Δθ=f(Tein−Te,RHin) さらには、図7に示した所定値Aにも同様の変形が可能
である。
【0138】〔第4実施例の構成〕図16ないし図18
は本発明の第4実施例を示したものであり、図16は自
動車用オートエアコンの概略構成を示した図である。こ
こで、この実施例のA/Mダンパ28のダンパ開度を調
節するダンパ開度調節制御、すなわち、本例にあっては
CPU31における目標開度θ0の補正制御(吹出温度
補正制御)について簡単に説明する。
【0139】CPU31は、エバ後温度センサ43の検
出エバ後温度Teの変化を判断する。次に、エバポレー
タ4の実際の冷却能力を推定する冷却能力推定制御を行
う。すなわち、CPU31は、コンプレッサ23のオ
ン、オフ、検出エバ後温度Teより、次の数11の式を
用いて実際のエバ後温度(推定エバ後温度STen)を
推定する(CPU31のエバ後温度推定機能)。
【数11】 STen=K1 (Ten−Ten-1)+Ten-1 なお、K1 はエバ後温度センサ43の熱容量によって変
わるゲイン、添字のnはn回目のサンプル値で、(n-
1)は1回前のサンプル値を示す。
【0140】次に、CPU31は、A/Mダンパ28の
目標開度θ0 を次の数12の式によって算出する(CP
U31のダンパ開度決定機能)。
【数12】θ0 ={(Tao−STen)/(Tw−S
Ten)}×100(%) なお、STenは推定エバ後温度、Twは水温センサ4
1の水温信号である。
【0141】そして、CPU31は、A/Mダンパ28
の目標開度θ0 に応じた制御信号をサーボモータ29に
出力する。これにより、A/Mダンパ28は、サーボモ
ータ29によって実際のダンパ開度が目標開度θ0 にな
るように制御される(CPU31の吹出温度制御機
能)。なお、左右に独立したダクトを持つものにおいて
は、日射量等の環境条件に基づいて左右のダクトからの
吹出温度を調整手段により各々変更しても良い。
【0142】〔第4実施例の作用〕次に、この自動車用
オートエアコン1の作動を図16ないし図18に基づい
て簡単に説明する。ここで、図17は自動車用オートエ
アコンの制御装置の基本的な制御プログラムを示したフ
ローチャートである。なお、第1実施例と同一の演算、
処理は同符号を附し、説明を省略する。
【0143】ステップS8の処理を終了した後に、予め
ROM32に記憶されている前述の数11の式に基づい
て実際のエバ後温度(推定エバ後温度STen)を推定
する(ステップS12)。なお、このとき、イグニッシ
ョンスイッチを投入した直後の1回目の演算は、Te1
=Te0 =(ステップS3でRAM33に読み込んだ検
出エバ後温度Te)とし、STen=Teとする。
【0144】そして、RAM33に読み込んだ各種入力
データ(水温信号Tw)と目標吹出温度Taoと推定エ
バ後温度STenとにより、前述の数12の式に基づい
て、A/Mダンパ28の目標開度θ0 を算出する(ステ
ップS13)。その後に、ステップS10以降の処理を
実行する。
【0145】図18はコンプレッサ23をオフしてから
充分時間が経過した後にオンし、さらに短時間にオン、
オフを繰り返した場合の実際のエバ後温度TEと、エバ
後温度センサ43の検出エバ後温度Teと、推定エバ後
温度STenと、車室内へ吹き出す空気の吹出温度と、
A/Mダンパ28の目標開度θ0 を示したタイムチャー
トである。
【0146】図18の時刻t1 〜t4 に示したように、
コンプレッサ23が充分長いオフ時間後にオンからオフ
に切り替えられた場合には、エバ後温度センサ43の応
答遅れに起因する検出不感時間(時刻t2 〜t3 )とエ
バ後温度センサ43の検出エバ後温度Teが実際のエバ
後温度TEに対してある応答遅れを持って追従する追従
時間(時刻t3 〜t4 )とで、それぞれエバ後温度セン
サ43の検出エバ後温度Teの挙動が異なる。なお、こ
のときの実際のエバ後温度TEは、コンプレッサ23の
オン直前の実際のエバ後温度TEとコンプレッサ23の
オン時の目標エバ後温度(例えば3℃〜4℃)との差に
応じて変化する。
【0147】したがって、図18のタイムチャートに示
したように、エバ後温度センサ43の検出エバ後温度T
eが下降し始めると、上述の数11の式で示される推定
エバ後温度STenは大きく下降し始めるため、その推
定エバ後温度STenを用いて算出された本例のA/M
ダンパ28の目標開度θ0 は従来の技術(図示破線)に
比べてHot側に移行するようになり、最適な吹出温度
制御を行える。
【0148】〔第4実施例の効果〕以上により、この実
施例の自動車用オートエアコン1は、イグニッションス
イッチの投入(オン)後に、常にエバ後温度センサ43
の検出エバ後温度Teの変化{単位時間(制御周期時間
τ=1秒間〜4秒間)当りの前回の値と今回の値の変化
量}およびエバ後温度センサ43の熱容量に基づいて、
実際のエバ後温度TEを推定してA/Mダンパ28の目
標開度(ダンパ開度)θ0 を補正するようにしている。
【0149】したがって、エバポレータ4を通過した冷
風を、A/Mダンパ28によりヒータコア27を通過す
る冷風量とヒータコア27を迂回する冷風量とに最適な
値となるように振り分けることができる。この結果、ヒ
ータコア27で加熱される空気の加熱量が最適な値に制
御されるため、車室内へ吹き出す空気の吹出温度の変動
を小さくすることができるので、車室内の温度を安定さ
せることができる。
【0150】〔第5実施例の構成〕図19および図20
は本発明の第5実施例を示したものであり、図19は自
動車用オートエアコンの概略構成を示した図である。こ
こで、コンプレッサ23のオン、オフ時におけるA/M
ダンパ28のダンパ開度を調節するダンパ開度調節制
御、すなわち、本例にあってはCPU31における目標
開度θ0の補正制御(吹出温度補正制御)について簡単
に説明する。
【0151】CPU31は、エアコンスイッチからのオ
ン信号およびオフ信号を検出することによって、コンプ
レッサ23がオンからオフに切り替えられたか、あるい
はコンプレッサ23がオフからオンに切り替えられたか
を判断する(CPU31の能力変化判定機能)。
【0152】さらに、エバ後温度センサ43の検出エバ
後温度Teの変化を判断する。次に、エバポレータ4の
実際の冷却能力を推定する冷却能力推定制御を行う。す
なわち、CPU31は、エアコンスイッチの手動操作に
よりコンプレッサ23がオンまたはオフした場合、ある
いはエバ後温度推定制御を終了する条件が成立した場合
には、検出エバ後温度Teより、前述の数11の式を用
いて実際のエバ後温度(推定エバ後温度STen)を推
定する(CPU31のエバ後温度推定機能)。次に、C
PU31は、A/Mダンパ28の目標開度θ0 を前述の
数12の式によって算出する(CPU31のダンパ開度
決定機能)。
【0153】そして、CPU31は、A/Mダンパ28
の目標開度θ0 に応じた制御信号をサーボモータ29に
出力する。これにより、A/Mダンパ28は、サーボモ
ータ29によって実際のダンパ開度が目標開度θ0 にな
るように制御される(CPU31の吹出温度制御機
能)。なお、左右に独立したダクトを持つものにおいて
は、日射量等の環境条件に基づいて左右のダクトからの
吹出温度を調整手段により各々変更しても良い。
【0154】〔第5実施例の作用〕次に、この自動車用
オートエアコン1の作動を図19および図20に基づい
て簡単に説明する。ここで、図20は自動車用オートエ
アコンの制御装置の基本的な制御プログラムを示したフ
ローチャートである。なお、第4実施例と同一の演算、
処理は同符号を附し、説明を省略する。
【0155】ステップS8の処理を終了した後に、エア
コンスイッチを手動操作してコンプレッサ23の電磁ク
ラッチのコイルがオンからオフに切り替えられたか否か
を判断する(能力変化判定手段)。すなわち、エアコン
スイッチをオン状態からオフ状態に手動操作した(A/
Cスイッチ,ON→OFF)か否かを判断する(ステッ
プS14)。このステップS14の判断結果がYesの
場合には、第4実施例に記述したようにエバ後温度推定
制御を行う(ステップS12)。その後にステップS1
3以降の処理を実行する。
【0156】また、ステップS14の判断結果がNoの
場合には、エアコンスイッチを手動操作してコンプレッ
サ23の電磁クラッチのコイルがオフからオンに切り替
えられたか否かを判断する(能力変化判定手段)。すな
わち、エアコンスイッチをオフ状態からオン状態に手動
操作した(A/Cスイッチ,OFF→ON)か否かを判
断する(ステップS15)。このステップS15の判断
結果がYesの場合には、ステップS12の処理を実行
する。
【0157】また、ステップS15の判断結果がNoの
場合には、エバ後温度推定制御を終了する条件が成立し
たか否かを判断する(キャンセル制御)。すなわち、前
回のエバ後推定制御から所定時間(例えば2分間)が経
過していないか否かを判断する。あるいはコンプレッサ
23の電磁クラッチのコイルがフロスト制御のためオ
ン、オフし始めたか否かを判断する(ステップS1
6)。このステップS16の判断結果がNoの場合に
は、ステップS12の処理を実行する。
【0158】また、ステップS16の判断結果がYes
の場合には、ステップS3でRAM33に記憶したエバ
後温度センサ43の検出エバ後温度Teを、次の数13
の式にしたがって推定エバ後温度STenに代入する
(ステップS17)。その後にステップS13以降の処
理を実行する。
【数13】STen=Ten なお、添字のnはn回目のサンプル値である。
【0159】〔第5実施例の効果〕前述の第4実施例で
はイグニッションスイッチの投入後に常にエバ後温度推
定制御を行って吹出温度の変動を小さくするようにした
が、従来の技術と比較してA/Mダンパ28の作動回数
が多くなるため、この実施例では、車室内へ吹き出す空
気の吹出温度が大きく変動するエアコンスイッチの手動
操作時のみエバ後温度推定制御を行うようにしている。
【0160】したがって、冷凍サイクル22の運転状
態、つまりエバポレータ4の冷却能力が大きく変化する
時のみ実際のエバ後温度TEを推定するようにしている
ので、A/Mダンパ28の作動回数を減少することがで
き、サーボモータ29の耐久性を維持することができ
る。
【0161】以上の第5実施例では、エアコンスイッチ
を手動操作することによるコンプレッサ23のオン、オ
フ時にのみエバ後温度推定制御を行うようにしたが、例
えば所定温度(例えば0℃)以下に外気温が低下した場
合にコンプレッサ23をオフする制御(所謂外気温カッ
ト制御)に本例を適用しても良く、その他冷凍サイクル
22の運転状態が大きく変化する場合に本例を適用して
も良い。
【0162】〔第6実施例の構成〕図21ないし図33
は本発明の第6実施例を示したものであり、図21は自
動車用オートエアコンの概略構成を示した図である。こ
の実施例のCPU31には、コンプレッサ23がオフし
てから経過したオフ経過時間(TOFF )を計測するタイ
マー(図示せず)、コンプレッサ23がオンしてから経
過したオン経過時間(TON)を計測するタイマー(図示
せず)、および制御装置6からブロワ駆動回路20への
出力信号を基にしてブロワ3の送風量(ブロワモータ2
1への印加電圧)を検出する送風量検出部(図示せず)
が内蔵されている。
【0163】〔第6実施例の作用〕次に、この自動車用
オートエアコン1の制御装置6のCPU31におけるコ
ンプレッサ23のオン直後およびオフ直後のA/Mダン
パ28の開度補正制御を詳細に説明する。図22はA/
Mダンパの開度補正制御プログラムを示したフローチャ
ートである。この図22のフローチャートは第1実施例
で示した図4のステップS8の処理が終了したときにス
タートする。
【0164】先ず、コンプレッサ23の電磁クラッチの
コイルがオンからオフに切り替えられた(comp,O
N→OFF)か否かを判断する。すなわち、コンプレッ
サ駆動回路35の検出信号がオン信号からオフ信号に変
化したか否かを判断する(ステップS51)。このステ
ップS51の判断結果がNoの場合には、ステップS5
3の処理を行う。
【0165】また、ステップS51の判断結果がYes
の場合には、分岐フラグを1に設定すると共に、オフ経
過時間(TOFF )を計測するためのタイマーをクリアす
る。すなわち、SBR=1、TIMER=0に設定する
(ステップS52)。
【0166】次に、コンプレッサ23の電磁クラッチの
コイルがオフからオンに切り替えられた(comp,O
FF→ON)か否かを判断する。すなわち、コンプレッ
サ駆動回路35の検出信号がオフ信号からオン信号に変
化したか否かを判断する(ステップS53)。このステ
ップS53の判断結果がNoの場合には、ステップS5
7の処理を行う。
【0167】また、ステップS53の判断結果がYes
の場合には、タイマーにより計測されているオフ経過時
間(TOFF )が所定時間(Tα)以上経過している(T
OFF≧Tα:Tαは例えば30秒間)か否かを判断する
(ステップS54)。このステップS54の判断結果が
Noの場合には、すなわち、フロストカット制御により
コンプレッサ23がオンした場合には、分岐フラグを2
に設定すると共に、オフ経過時間(TOFF )を計測する
ためのタイマーをクリアする。すなわち、SBR=2、
TIMER=0に設定する(ステップS55)。
【0168】また、ステップS54の判断結果がYes
の場合には、すなわち、エアコンスイッチ(図示せず)
の手動操作によりコンプレッサ23がオンした場合に
は、分岐フラグを3に設定すると共に、オフ経過時間
(TOFF )を計測するためのタイマーをクリアする。す
なわち、SBR=3、TIMER=0に設定する(ステ
ップS56)。
【0169】ここで、この実施例では、上述のステップ
S54の処理のように、コンプレッサ23がオフからオ
ンに切り替えられた時に、コンプレッサ23をオフして
からのオフ経過時間(TOFF )に応じて分岐フラグの設
定を変えているが、その理由を以下に述べる。
【0170】図23はコンプレッサ23をオフしてから
充分時間が経過した後に再度オンした場合の実際のエバ
後温度TEとエバ後温度センサ43の検出エバ後温度T
eの動きを示したタイムチャートである。
【0171】図23のタイムチャートに示したように、
コンプレッサ23をオンしてから多少の遅れ(例えば2
秒間〜3秒間程度)はあるが実際のエバ後温度TEはす
ぐに低下する。しかし、エバ後温度センサ43の検出エ
バ後温度Teは、エバ後温度センサ43の応答遅れ、時
定数により数十秒間は下がらない。このような実際のエ
バ後温度TEとエバ後温度センサ43の検出エバ後温度
Teの動きは種々の環境条件のものでも同じ傾向にある
ことが実験により確かめられている。
【0172】すなわち、コンプレッサ23をオフしてか
ら充分時間が経過した後に再度オンした直後は、エバ後
温度センサ43の検出エバ後温度Teにて補正されるA
/Mダンパ28の目標開度θ0 よりも吹出温度上昇(H
ot)側へ補正する必要があることが分かる。
【0173】また、図24はコンプレッサ23をオフし
てから短い時間で再度オンした場合の実際のエバ後温度
TEとエバ後温度センサ43の検出エバ後温度Teの変
化を示したタイムチャートである。
【0174】図24のタイムチャートに示したように、
コンプレッサ23のオン、オフを短時間で繰り返す場合
には、コンプレッサ23をオンしても、実際のエバ後温
度TEはしばらく上昇した後に下降する。そして、エバ
後温度センサ43の検出エバ後温度Teは実際のエバ後
温度TEよりもさらに遅れて追従していくことになる。
このような実際のエバ後温度TEとエバ後温度センサ4
3の検出エバ後温度Teの動きは種々の環境条件のもの
でも同じ傾向にあることが実験により確かめられてい
る。
【0175】すなわち、コンプレッサ23のオン、オフ
を短時間で繰り返す場合には、図22の場合とは逆に、
エバ後温度センサ43の検出エバ後温度Teにて補正さ
れるA/Mダンパ28の目標開度θ0 よりも吹出温度下
降(Cool)側へ補正する必要があることが分かる。
【0176】次に、分岐フラグに応じた各開度補正サブ
ルーチンを詳細に説明する。先ず、図22のステップS
57において、分岐フラグSBRが0に設定されている
(SBR=0)か否かを判断する。このステップS57
の判断結果がYesの場合、つまりコンプレッサ23の
オン状態またはオフ状態が継続されていると判断された
場合には、A/Mダンパ28の目標開度θ0 の補正量Δ
θを0(%)に設定する。すなわち、A/Mダンパ28
の開度補正制御を行わず、Δθ=0に設定する(ステッ
プS58)。次に、ステップS64の処理を行う。
【0177】また、ステップS57の判断結果がNoの
場合には、分岐フラグSBRが1に設定されている(S
BR=1)か否かを判断する(ステップS59)。この
ステップS59の判断結果がYesの場合、つまりコン
プレッサ23がオンからオフに切り替えられたと判断さ
れた場合には、ステップS60において開度補正サブル
ーチンAの処理を行う。
【0178】ここで、図22のステップS60の開度補
正サブルーチンAの処理を図25および図26のタイム
チャートと図27のフローチャートとを用いて詳細に説
明する。
【0179】図25(a)に示したように、コンプレッ
サ23がオンからオフに切り替えられた場合には、図2
5(b)に示したように、実際のエバ後温度TEはコン
プレッサ23のオフ時より多少の遅れを持った(T1 )
後に急上昇する。一方、図25(b)に示したように、
エバ後温度センサ43の検出エバ後温度Teは、実際の
エバ後温度TEに遅れて追従していく。すなわち、コン
プレッサ23がオンからオフに切り替えられた直後の数
十秒間はエバ後温度センサ43の検出エバ後温度Teに
よる目標開度θ0 の補正は行われないことになるので、
車室内へ吹き出される空気の吹出温度の上昇を招いてし
まう。
【0180】したがって、図26(a)に示したよう
に、コンプレッサ23がオンからオフに切り替えられた
直後は、図26(b)に示したように、オフ時より補正
遅れ時間(T1 )が経過した後に、コンプレッサ23の
オフ時のエバポレータ吸込温度Teinとコンプレッサ
23のオフ直前のエバ後温度センサ43の検出エバ後温
度Te2 との差に基づいて、A/Mダンパ28の目標開
度θ0 を吹出温度下降(Cool)側へ補正量Δθ1
け補正する必要がある。
【0181】また、補正制御時間(T2 )中は、図25
(b)に示したように、エバ後温度センサ43の検出エ
バ後温度Teが実際のエバ後温度TEに徐々に近づいて
いくためにA/Mダンパ28の目標開度θ0 の補正量Δ
θを徐々に少なくしていく必要がある。すなわち、A/
Mダンパ28の目標開度θ0 の理想補正量(TE−T
e)は、例えばエンジン回転数(コンプレッサ23の回
転速度、冷凍サイクル22内の冷媒循環量)、ブロワ3
の送風量、車速=外気導入モード時の自動車の走行風の
風量(ラム圧)など、自動車用オートエアコン1の使用
条件により異なるものである。
【0182】この中で、A/Mダンパ28の目標開度θ
0 の理想補正量(TE−Te)に一番大きく関連し、且
つ利用し易いものとしてブロワ3の送風量が考えられ
る。そこで、本例では、理想補正量(TE−Te)の近
似値としてブロワ3の送風量(ブロワモータ21への印
加電圧)BLWを利用し、補正制御時間(T2 )中に、
ブロワ3の送風量BLWに応じて変化する補正量Δθ2
に設定するようにしている。
【0183】なお、補正遅れ時間(T1 :例えば2秒
間)、補正制御時間(T2 :例えば60秒間〜120秒
間)は、いずれもエバ後温度センサ43の応答遅れ時間
に相当する時間である。また、補正量Δθ1 (例えば8
%)は、コンプレッサ23のオフ時のエバポレータ吸込
温度Tein(=外気導入モード時は外気温信号Ta
m、内気循環モード時は内気温信号Tr)とコンプレッ
サ23のオフ直前のエバ後温度センサ43の検出エバ後
温度Te2 との差に応じて推定した推定エバ後温度に基
づく補正量である。そして、補正量Δθ2 は、ブロワ3
の送風量BLWに応じて推定した推定エバ後温度に基づ
く補正量である。
【0184】図27は図22のステップS60の開度補
正サブルーチンAを示したフローチャートである。先
ず、コンプレッサ23のオン時の補正制御中であるか否
かを判断する。すなわち、補正制御フラグFLGがA2
に設定されている(FLG=A2)か否かを判断する
(ステップS201)。このステップS201の判断結
果がNoの場合には、タイマーにより計測されているオ
フ経過時間(TOFF )が補正遅れ時間(T1 )以上経過
している(TOFF ≧T1 )か否かを判断する(ステップ
S202)。このステップS202の判断結果がNoの
場合には、A/Mダンパ28の目標開度θ0 の補正量Δ
θを0(%)に設定する。すなわち、Δθ=0に設定す
る(ステップS203)。その後に図27のステップS
60を抜け、図22のフローチャートのステップS64
の処理を行う。
【0185】また、ステップS202の判断結果がYe
sの場合には、コンプレッサ23のオフ直後のエバ後温
度センサ43の検出不感時間の補正制御が実施中である
か否かを判断する。すなわち、補正制御フラグFLGが
A1に設定されている(FLG=A1)か否かを判断す
る(ステップS204)。
【0186】このステップS204の判断結果がNoの
場合には、すなわち、目標開度θ0の補正制御中ではな
いと判断した場合には、次の数14の式に基づいて補正
量Δθ1 を算出して、A/Mダンパ28の目標開度θ0
の補正量ΔθをΔθ1 に設定し(ステップS205)、
補正制御フラグFLGをA1に設定すると共に、補正制
御回数nを1に設定する。すなわち、FLG=A1、n
=n+1=1に設定する(ステップS206)。そし
て、図27のステップS60を抜け、図22のフローチ
ャートのステップS64の処理を行う。
【数14】Δθ1 =f(Te2 −Tein)
【0187】また、ステップS204の判断結果がYe
sの場合には、すなわち、目標開度θ0 の補正制御中で
あると判断した場合には、次の数15の式に基づいて補
正量Δθ2 を算出して、A/Mダンパ28の目標開度θ
0 の補正量ΔθをΔθ2 に設定し(ステップS20
7)、補正制御フラグFLGをA2に設定すると共に、
補正制御回数nを2に設定する。すなわち、FLG=A
2、n=n+1=2に設定する(ステップS208)。
そして、図27のステップS60を抜け、図22のフロ
ーチャートのステップS64の処理を行う。
【数15】Δθ2 =Δθ1 +n×k×BLW なお、nは制御回数、kは制御定数(ゲイン)、BLW
はブロワ3の送風量である。
【0188】また、ステップS201の判断結果がYe
sの場合には、すなわち、FLG=A2に設定されてお
り、補正量Δθ2 による補正制御が実施中である場合に
は、タイマーにより計測されているオフ経過時間(TOF
F )が補正遅れ時間(T1 )と補正制御時間(T2 )と
を加算した時間以下(TOFF =T1 +T2 )か否かを判
断する(ステップS209)。このステップS209の
判断結果がYesの場合には、前述の数15の式に基づ
いて補正量Δθ2 を算出して、A/Mダンパ28の目標
開度θ0 の補正量ΔθをΔθ2 に設定し(ステップS2
10)、算出したΔθ2 が0(%)以上である(Δθ2
≧0)か否かを判断する(ステップS211)。
【0189】このステップS211の判断結果がNoの
場合には、補正制御回数nをn=n+1に設定する(ス
テップS212)。そして、図27のステップS60を
抜け、図22のフローチャートのステップS64の処理
を行う。また、ステップS211の判断結果がYesの
場合には、A/Mダンパ28の目標開度θ0 の開度補正
が不要であるため、A/Mダンパ28の目標開度θ0 の
補正量Δθを0(%)に設定する。すなわち、Δθ=0
に設定する(ステップS213)。その後にステップS
212の処理を行う。
【0190】また、ステップS209の判断結果がNo
の場合には、補正量Δθを0(%)に設定する。すなわ
ち、補正量Δθ=0とし(ステップS214)、補正制
御フラグFLG、分岐フラグSBR、制御回数nをクリ
アする。すなわち、FLG=0、SBR=0、n=0に
設定する(ステップS215)。そして、図27のステ
ップS60を抜け、図22のフローチャートのステップ
S64の処理を行う。
【0191】次に、図22のフローチャートのステップ
S59の判断結果がNoの場合には、分岐フラグSBR
が2に設定されている(SBR=2)か否かを判断する
(ステップS61)。この判断結果がYesの場合、つ
まりコンプレッサ23が短い間隔でオフからオンに切り
替えられたと判断された場合には、ステップS62にお
いて開度補正サブルーチンBの処理を行う。
【0192】ここで、図22のステップS62の開度補
正サブルーチンBの処理を図28および図29のタイム
チャートと図30のフローチャートとを用いて詳細に説
明する。
【0193】図28(a)に示したように、コンプレッ
サ23をオフに切り替えてから短い時間(TOFF <T
α:Tαは例えば30秒間)で再度オンに切り替えた場
合には、図28(b)に示したように、コンプレッサ2
3がオンしてもしばらくの間、実際のエバ後温度TEは
上昇し、その後に下降する。一方、図28(b)に示し
たように、エバ後温度センサ43の検出エバ後温度Te
は、実際のエバ後温度TEよりさらに遅れて追従する。
【0194】したがって、図29(a)に示したよう
に、コンプレッサ23が短い間隔でオン、オフする場合
には、図29(b)に示したように、コンプレッサ23
をオンした時から補正制御時間(T3 :例えば10秒
間)が経過するまでの間、A/Mダンパ28の目標開度
θ0 を吹出温度下降(Cool)側へ補正量Δθ3 (=
−B:例えば5%)だけ補正する必要がある。なお、補
正制御時間(T3 )は、実際のエバ後温度TEの温度上
昇時間に相当する時間である。補正量Δθ3 は、補正制
御時間(T3 )中の実際のエバ後温度TEの上昇温度に
応じて推定した推定エバ後温度に基づく補正量である。
【0195】図30は図22のステップS62の開度補
正サブルーチンBを示したフローチャートである。先
ず、タイマーにより計測されているオフ経過時間(TOF
F )が補正制御時間(T3 )以上経過している(TOFF
≧T3 )か否かを判断する(ステップS221)。この
ステップS221の判断結果がNoの場合には、A/M
ダンパ28の目標開度θ0 の補正量ΔθをΔθ3 =−B
(Bは固定値)に設定する。すなわち、Δθ3 =−B
(%)に設定する(ステップS222)。その後に図3
0のステップS62を抜け、図22のフローチャートの
ステップS64の処理を行う。
【0196】また、ステップS221の判断結果がYe
sの場合には、A/Mダンパ28の目標開度θ0 の補正
量Δθを0(%)に設定すると共に、分岐フラグSBR
を0にする。すなわち、Δθ=0、SBR=0に設定す
る(ステップS223)。その後に、その後に図30の
ステップS62を抜け、図22のフローチャートのステ
ップS64の処理を行う。
【0197】次に、図22のフローチャートのステップ
S61の判断結果がNoの場合、つまりコンプレッサ2
3をオフに切り替えてから長い時間(TOFF ≧Tα:例
えば30秒間)が経過した後、オンに切り替えられたと
判断された場合には、ステップS63において開度補正
サブルーチンCの処理を行う。
【0198】ここで、図22のステップS63の開度補
正サブルーチンCの処理を図31および図32のタイム
チャートと図33のフローチャートとを用いて詳細に説
明する。
【0199】図31(a)に示したように、コンプレッ
サ23をオフに切り替えてから充分な時間(TOFF ≧T
α:Tαは例えば30秒間)が経過してから再度オンに
切り替えた場合には、図31(b)に示したように、実
際のエバ後温度TEはコンプレッサ23のオフ時より多
少の遅れを持って下降する。一方、図31(b)に示し
たように、エバ後温度センサ43の検出エバ後温度Te
は、しばらく下降しない。
【0200】したがって、図32(a)に示したよう
に、コンプレッサ23が長い間隔でオン、オフする場合
には、図32(b)に示したように、オフ時より補正遅
れ時間(T4 )が経過した後に、A/Mダンパ28の目
標開度θ0 を吹出温度上昇(Hot)側へ補正量Δθ4
だけ補正する必要がある。また、前述の補正量Δθ2
同じ理由により、理想補正量(TE−Te)の近似値と
してブロワ3の送風量(ブロワモータ21への印加電
圧)BLWを利用し、補正制御時間(T5 )中に、ブロ
ワ3の送風量BLWに応じて変化する補正量Δθ5 に設
定するようにしている。
【0201】なお、補正遅れ時間(T4 :例えば2秒
間)、補正制御時間(T5 :例えば60秒間〜120秒
間)は、いずれもエバ後温度センサ43の応答遅れ時間
に相当する時間である。また、補正量Δθ4 (例えば8
%)は、コンプレッサ23のオン直前のエバ後温度セン
サ43の検出エバ後温度Te1 とコンプレッサ23のオ
ン時の目標エバ後温度Teon(例えば4℃)との差に
応じて推定した推定エバ後温度に基づく補正量である。
そして、補正量Δθ5 は、ブロワ3の送風量BLWに応
じて推定した推定エバ後温度に基づく補正量である。
【0202】図33は図22のステップS63の開度補
正サブルーチンCを示したフローチャートである。先
ず、コンプレッサ23のオン時の補正制御中であるか否
かを判断する。すなわち、補正制御フラグFLGがC2
に設定されている(FLG=C2)か否かを判断する
(ステップS231)。このステップS231の判断結
果がNoの場合には、タイマーにより計測されているオ
ン経過時間(TON)が補正遅れ時間(T4 )以上経過し
ている(TON≧T4 )か否かを判断する(ステップS2
32)。このステップS232の判断結果がNoの場合
には、A/Mダンパ28の目標開度θ0 の補正量Δθを
0(%)に設定する。すなわち、Δθ=0に設定する
(ステップS233)。その後に図33のステップS6
3を抜け、図22のフローチャートのステップS64の
処理を行う。
【0203】また、ステップS232の判断結果がYe
sの場合には、コンプレッサ23のオン直後のエバ後温
度センサ43の検出不感時間の補正制御が実施中である
か否かを判断する。すなわち、補正制御フラグFLGが
C1に設定されている(FLG=C1)か否かを判断す
る(ステップS234)。
【0204】このステップS234の判断結果がNoの
場合には、すなわち、目標開度θ0の補正制御中ではな
いと判断した場合には、次の数14の式に基づいて補正
量Δθ4 を算出して、A/Mダンパ28の目標開度θ0
の補正量ΔθをΔθ4 に設定し(ステップS235)、
補正制御フラグFLGをC1に設定すると共に、補正制
御回数nを1に設定する。すなわち、FLG=C1、n
=n+1=1に設定する(ステップS236)。そし
て、図33のステップS63を抜け、図22のフローチ
ャートのステップS64の処理を行う。
【数16】Δθ4 =f(Te1 −Teon)
【0205】また、ステップS234の判断結果がYe
sの場合には、すなわち、目標開度θ0 の補正制御中で
あると判断した場合には、次の数15の式に基づいて補
正量Δθ5 を算出して、A/Mダンパ28の目標開度θ
0 の補正量ΔθをΔθ5 に設定し(ステップS23
7)、補正制御フラグFLGをC2に設定すると共に、
補正制御回数nを2に設定する。すなわち、FLG=C
2、n=n+1=2に設定する(ステップS238)。
そして、図33のステップS63を抜け、図22のフロ
ーチャートのステップS64の処理を行う。
【数17】Δθ5 =Δθ4 −n×k×BLW なお、nは制御回数、kは制御定数(ゲイン)、BLW
はブロワ3の送風量である。
【0206】また、ステップS231の判断結果がYe
sの場合には、すなわち、FLG=C2に設定されてお
り、補正量Δθ5 による補正制御が実施中である場合に
は、タイマーにより計測されているオン経過時間(TO
N)が補正遅れ時間(T4 )と補正制御時間(T5 )と
を加算した時間以下(TON=T4 +T5 )か否かを判断
する(ステップS239)。このステップS239の判
断結果がYesの場合には、前述の数15の式に基づい
て補正量Δθ5 を算出して、A/Mダンパ28の目標開
度θ0 の補正量ΔθをΔθ5 に設定し(ステップS24
0)、算出したΔθ5 が0(%)以下である(Δθ5
0%)かを判断する(ステップS241)。
【0207】このステップS241の判断結果がNoの
場合には、補正制御回数nをn=n+1に設定する(ス
テップS242)。そして、図33のステップS63を
抜け、図22のフローチャートのステップS64の処理
を行う。また、ステップS241の判断結果がYesの
場合には、A/Mダンパ28の目標開度θ0 の開度補正
が不要であるため、A/Mダンパ28の目標開度θ0 の
補正量Δθを0(%)に設定する。すなわち、Δθ=0
に設定する(ステップS243)。その後にステップS
242の処理を行う。
【0208】また、ステップS239の判断結果がNo
の場合には、補正量Δθを0(%)に設定する。すなわ
ち、補正量Δθ=0とし(ステップS244)、補正制
御フラグFLG、分岐フラグSBR、制御回数nをクリ
アする。すなわち、FLG=0、SBR=0、n=0に
設定する(ステップS245)。そして、図33のステ
ップS63を抜ける。
【0209】そして、以上のように、A/Mダンパ28
の目標開度θ0 の補正量Δθが決定された後に、前述の
数3の式に基づいて目標開度θ0 を算出し、算出された
目標開度θ0 からA/Mダンパ28の実際の開度θを算
出する(ステップS64)。このようにして、ステップ
S64の処理を終了した後は、第1実施例の図4のフロ
ーチャートのステップS10の処理を行う。
【0210】〔第6実施例の効果〕以上のように、この
実施例においては、簡単なアルゴリズム(演算式)を用
いて、ブロワ3の送風量(弱風、中風、強風)やエバポ
レータ吸込温度など、自動車用オートエアコン1の種々
の使用条件下においてもA/Mダンパ28の目標開度θ
0 の補正量Δθを最適な補正量に設定することができ
る。したがって、自動車用オートエアコン1の使用条件
下でコンプレッサ23のオン、オフによりエバポレータ
4の冷却能力が大きく変動した直後においても、車室内
に吹き出す空気の温度の変動を非常に小さくすることが
でき、車室内の温度を安定させることができる。
【0211】〔変形例〕本実施例では、A/Mダンパ2
8として板ダンパを用いたが、A/Mダンパとしてスラ
イド式ダンパやフィルム式ダンパ等を用いても良い。ま
た、2以上のA/Mダンパを設けても良く、ヒータコア
が2個以上設けられている場合はそれぞれに1以上のA
/Mダンパを設けても良い。
【0212】
【0213】
【0214】本実施例では、本発明を自動車用オートエ
アコン1に用いたが、本発明をその他の車両用空気調和
装置、航空機用空気調和装置、船舶用空気調和装置、家
庭用や工場用等の定置式の空気調和装置に用いても良
い。
【0215】また、エバポレータ4の冷却能力がオン、
オフという2段階変化だけでなく、例えば容量可変式コ
ンプレッサ等の冷媒循環量制御手段を利用してエバポレ
ータ4の冷却能力が幅広く変化するものに本発明を用い
ても良い。この場合には、能力変化判定手段として冷凍
サイクル内の冷媒の循環量の変化やコンプレッサの運転
状態(回転速度)の変化を判定するようにしても良い。
【0216】さらに、エコノミー制御等のようにフロス
トカット(エバ後温度カット)の目標温度が変更可能な
ものについても本発明を適用可能である。第6実施例に
示した例のように、エバ後温度センサ43の挙動、応答
性はブロワ3の送風量またはエバポレータ吸込温度によ
っても変化するため、第1、第4実施例を、ブロワ3の
送風量またはエバポレータ吸込温度に基づいて第2、第
3、第6実施例に示した例と同様に補正することも可能
である。また、第1〜第6実施例のうちのいずれかの実
施例を2以上組み合わせてA/Mダンパ28の開度補正
を行うことも可能である。
【0217】
【0218】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、エバポ
レータの冷却能力が変動した直後、例えばコンプレッサ
のオン直後またはオフ直後の数十秒間においても、エバ
ポレータの実際の冷却能力に基づいて、すなわち、エバ
ポレータの実際のエバ後温度(推定エバ後温度)に基づ
いてエアミックスダンパの目標開度を最適な値に補正
ている。この結果、エバポレータの冷却能力が変動した
直後、例えばコンプレッサのオン直後またはオフ直後の
数十秒間においても、熱交換器により加熱される空気の
加熱量が最適な値に制御されることによって、エバ後温
度センサの応答遅れに相当する(室内に吹き出す空気
の)吹出温度の変動を抑えることができるので、室内の
温度を安定させることができる。
【0219】請求項に記載の発明によれば、コンプレ
ッサが充分長いオフ時間後にオンに切り替えられて、エ
バポレータの冷却能力が急激に変動した場合は、エアミ
ックスダンパの目標開度を吹出温度上昇側に補正し、コ
ンプレッサがオンされていた状態からオフに切り替えら
れて、エバポレータの冷却能力が急激に変動した場合
は、エアミックスダンパの目標開度を吹出温度下降側に
補正することにより、室内に吹き出す空気の吹出温度の
変動を減少させることができる。また、請求項8に記載
の発明によれば、コンプレッサをオンに切り替えてから
短い時間で再度オフした場合、あるいはコンプレッサを
オフに切り替えてから短い時間で再度オンした場合に
は、エバ後温度センサで検出されたエバ後温度の単位時
間当たりの変化量が上昇している場合と下降している場
合とで、エアミックスダンパの目標開度の補正量を変更
することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる自動車用オートエ
アコンの概略構成を示した構成図である。
【図2】コンプレッサ制御特性を示したグラフである。
【図3】ブロワ電圧制御特性を示したグラフである。
【図4】図1図示装置の制御装置の基本的な制御プログ
ラムを示したフローチャートである。
【図5】図4のA/Mダンパの開度補正制御プログラム
を示したフローチャートである。
【図6】コンプレッサの運転状態と実際のエバ後温度と
検出エバ後温度と実際のA/Mダンパ開度を示したタイ
ムチャートである。
【図7】コンプレッサの運転状態、A/Mダンパの目標
開度の補正量を示したタイムチャートである。
【図8】図5の開度補正サブルーチンAを示したフロー
チャートである。
【図9】図5の開度補正サブルーチンBを示したフロー
チャートである。
【図10】図5の開度補正サブルーチンDを示したフロ
ーチャートである。
【図11】コンプレッサの運転状態、A/Mダンパの目
標開度の補正量を示したタイムチャートである。
【図12】図5の開度補正サブルーチンCを示したフロ
ーチャートである。
【図13】A/Mダンパの実際の開度と車室内への吹出
温度との関係を示したグラフである。
【図14】本発明の第2実施例にかかる自動車用オート
エアコンの概略構成を示した構成図である。
【図15】本発明の第3実施例にかかる自動車用オート
エアコンの概略構成を示した構成図である。
【図16】本発明の第4実施例にかかる自動車用オート
エアコンの概略構成を示した構成図である。
【図17】図16図示装置の制御装置の基本的な制御プ
ログラムを示したフローチャートである。
【図18】コンプレッサの運転状態、車室内への吹出温
度、エバ後温度、実際の目標開度を示したタイムチャー
トである。
【図19】本発明の第5実施例にかかる自動車用オート
エアコンの概略構成を示した構成図である。
【図20】図19図示装置の制御装置の基本的な制御プ
ログラムを示したフローチャートである。
【図21】本発明の第6実施例にかかる自動車用オート
エアコンの概略構成を示した構成図である。
【図22】図21図示装置の制御装置の基本的な制御プ
ログラムを示したフローチャートである。
【図23】実際のエバ後温度とエバ後温度センサの検出
温度を示したタイムチャートである。
【図24】実際のエバ後温度とエバ後温度センサの検出
温度を示したタイムチャートである。
【図25】コンプレッサの運転状態、実際のエバ後温度
とエバ後温度センサ検出温度を示したタイムチャートで
ある。
【図26】コンプレッサの運転状態、A/Mダンパの目
標開度の補正量を示したタイムチャートである。
【図27】図22の開度補正サブルーチンAを示したフ
ローチャートである。
【図28】コンプレッサの運転状態、実際のエバ後温度
とエバ後温度センサ検出温度を示したタイムチャートで
ある。
【図29】コンプレッサの運転状態、A/Mダンパの目
標開度の補正量を示したタイムチャートである。
【図30】図22の開度補正サブルーチンBを示したフ
ローチャートである。
【図31】コンプレッサの運転状態、実際のエバ後温度
とエバ後温度センサ検出温度を示したタイムチャートで
ある。
【図32】コンプレッサの運転状態、A/Mダンパの目
標開度の補正量を示したタイムチャートである。
【図33】図22の開度補正サブルーチンCを示したフ
ローチャートである。
【図34】従来の技術にかかる車室内への吹出温度、エ
バ後温度、コンプレッサの運転状態を示したタイムチャ
ートである。
【図35】従来の技術にかかるエアコンスイッチと車室
内への吹出温度とエバ後温度とA/Mダンパの目標開度
を示したタイムチャートである。
【符号の説明】
1 自動車用オートエアコン(空気調和装置) 2 ダクト 3 ブロワ(送風機) 4 エバポレータ(冷却手段) 5 吹出温度調節装置 6 制御装置 23 コンプレッサ 27 ヒータコア(加熱手段) 28 A/Mダンパ(吹出温度調節手段) 31 CPU(能力変化判定手段、冷却能力推定手段、
吹出温度制御手段、吹出温度決定手段、補正手段) 39 内気温センサ(環境状態検出手段、内気温検出手
段) 40 外気温センサ(環境状態検出手段、外気温検出手
段) 41 水温センサ(環境状態検出手段) 42 日射センサ(環境状態検出手段) 43 エバ後温度センサ(冷却能力検出手段、環境状態
検出手段) 44 エバ吸込温度センサ(環境状態検出手段) 45 湿度センサ(環境状態検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川島 誠文 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−137213(JP,A) 特開 昭63−176714(JP,A) 実開 昭63−64508(JP,U) 特公 昭59−39333(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/00 101

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)室内に空気を送るダクトと、 (b)このダクト内において室内に向かう空気流を発生
    させる送風機と、 (c)前記ダクト内に配されて、前記送風機より送られ
    てくる空気を冷却するエバポレータ、およびこのエバポ
    レータより吸入した冷媒を圧縮して吐出するコンプレッ
    サを有する冷凍サイクルと、 (d)前記ダクト内において前記エバポレータの下流側
    に配されて、通過する空気を加熱する熱交換器と、 (e)設定される開度に応じて、前記熱交換器による空
    気の加熱量を制御して室内に吹き出す空気の吹出温度を
    調節するエアミックスダンパと、 (f)前記エバポレータの冷却能力をエバ後温度として
    検出するエバ後温度センサと、 (g)前記冷凍サイクル内の冷媒の循環量の変化、ある
    いは前記冷凍サイクルの運転状態の変化、あるいは前記
    コンプレッサの運転状態の変化に基づいて、前記エバポ
    レータの冷却能力の変動を判定する能力変化判定手段
    と、 (h)前記エバ後温度センサの挙動、応答性、あるいは
    前記エバ後温度センサで検出されたエバ後温度、あるい
    は前記エバ後温度センサで検出されたエバ後温度の単位
    時間当たりの変化量、および前記能力変化判定手段で判
    定された判定結果に基づいて、前記エバポレータの実際
    のエバ後温度を推定し、この推定した推定エバ後温度に
    基づいて、前記エアミックスダンパの目標開度を補正す
    る吹出温度制御手段と を備えた空気調和装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の空気調和装置において、 前記吹出温度制御手段は、前記エバポレータの実際のエ
    バ後温度を推定するエバ後温度推定制御を、前記エバポ
    レータに吸い込まれる空気温度または空気湿度も考慮に
    入れて行うことを特徴とする 空気調和装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の空気調和
    装置において、前記吹出温度制御手段は、前記エバポレータの実際のエ
    バ後温度を推定するエバ後温度推定制御を、前記送風機
    の送風量も考慮に入れて行う ことを特徴とする空気調和
    装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のうちのいずれか
    1つに記載の空気調和装置において、前記吹出温度制御手段は、前記エバポレータの実際のエ
    バ後温度を推定するエバ後温度推定制御を、イグニッシ
    ョンスイッチのオン後常に行う ことを特徴とする空気調
    和装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項3のうちのいずれか
    1つに記載の空気調和装置において、前記冷凍サイクルの運転開始または運転停止を設定する
    ためのエアコンスイッチを備え、 前記吹出温度制御手段は、前記エバポレータの実際のエ
    バ後温度を推定するエバ後温度推定制御を、前記冷凍サ
    イクルの運転状態が大きく変化する時のみ、あるいは前
    記エバポレータの冷却能力が大きく変化する時のみ、あ
    るいは前記エアコンスイッチの手動操作時のみ行う こと
    を特徴とする空気調和装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項5のうちのいずれか
    1つに記載の空気調和装置において、前記冷凍サイクルの運転中に、前記エバ後温度センサで
    検出されたエバ後温度が前記コンプレッサのオフ時の目
    標エバ後温度以下に低下した際に、前記コンプレッサの
    運転を停止させ、 前記エバ後温度センサで検出されたエバ後温度が前記コ
    ンプレッサのオン時の目標エバ後温度以上に上昇した際
    に、前記コンプレッサの運転を再開させるコンプレッサ
    制御手段を備え、 前記吹出温度制御手段は、前記エバポレータの実際のエ
    バ後温度を推定するエ バ後温度推定制御を、前記エバ後
    温度センサの熱容量または応答遅れ、あるいは前記目標
    エバ後温度も考慮に入れて行う ことを特徴とする空気調
    和装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項6のうちのいずれか
    1つに記載の空気調和装置において、前記吹出温度制御手段は、前記コンプレッサが充分長い
    オフ時間後にオンに切り替えられた場合には、前記エア
    ミックスダンパの目標開度を吹出温度上昇側に補正し、 前記コンプレッサがオンされていた状態からオフに切り
    替えられた場合には、前記エアミックスダンパの目標開
    度を吹出温度下降側に補正する ことを特徴とする空気調
    和装置。
  8. 【請求項8】請求項1ないし請求項7のうちのいずれか
    1つに記載の空気調和装置において、前記吹出温度制御手段は、前記コンプレッサをオンに切
    り替えてから短い時間で再度オフした場合、あるいは前
    記コンプレッサをオフに切り替えてから短い時間で再度
    オンした場合には、前記エバ後温度の単位時間当たりの
    変化量が上昇している場合と下降している場合とで、前
    記エアミックスダンパの目標開度の補正量を変更する
    とを特徴とする空気調和装置。
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