JP3969128B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平10−166841号公報に記載の車両用空調装置では、暖房熱源となるエンジン冷却水の水温が低いときほど窓ガラスの曇りや着霜が生じ易くなっているとみなし、窓ガラスに向けて吹き出される空調風の風量割合を増やすように制御している。具体的には、水温が25℃未満の場合にはデフロスタモードとし、35℃未満の場合にはフェイス/デフモードとし、45℃未満の場合にはバイレベル/デフモードとし、45℃以上の場合にはフットモードとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、窓ガラスの曇りや着霜の度合いは、例えば夜明け前の冷え込み度合い等、車両起動以前や空調起動以前の外気温度によって異なるため、単純に水温のみに基づいて吹出モードを変化させる上記従来の制御では、防曇や除霜の制御の過不足が生じてしまう。
【0004】
すなわち、夜明け前の冷え込みが小さい場合には、窓曇りや着霜がなくてもデフロスタモードになってしまい、乗員の顔の火照りや足寒さ等の快適性低下を招いてしまう。一方、夜明け前の冷え込みが大きい場合には、窓曇りや着霜を除去して視界を確保する前にデフロスタモードが解除されて視界確保が確実に行われないという問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、乗員の快適性低下を抑制しつつ、視界確保を確実に行えるようにした車両用空調装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車両の窓ガラスを加熱して車両の窓ガラスの曇りおよび着霜を防止する防曇・防霜手段(42、20、30、24、34、80)と、
車両起動時または空調起動時から所定時間前までのうち最も低温となる外気温度または最も低温となる車室内温度に基づいて前記防曇・防霜手段の作動を制御する制御手段(10)とを備え、
前記制御手段は、前記最も低温となる外気温度または前記最も低温となる車室内温度が低下するほど前記防曇・防霜手段の窓ガラス加熱能力を大きくすることを特徴とする。
【0007】
これにより例えば夜明け前の冷え込みが大きくて、車両窓ガラスの曇りや着霜の度合いが大きくなる状況を、車両起動時または空調起動時から所定時間前までのうち最も低温となる外気温度または最も低温となる車室内温度に基づいて判定することができ、このような状況を判定した場合には、防曇・防霜手段の作動時間を長くする等して、窓ガラス加熱能力を大きくする。その結果、車両窓ガラスの加熱度合い、すなわち、防曇や防霜の度合いを強めることができ、車両窓ガラスの視界確保を確実に行うことができる。
【0008】
また、上記最も低温となる外気温度または最も低温となる車室内温度に基づいて、例えば夜明け前の冷え込みが小さくて、車両窓ガラスの曇りや着霜の度合いが小さくなる状況を判定できる場合には、防曇・防霜手段の作動時間を短くする等して、窓ガラス加熱能力を小さくする。その結果、車両窓ガラスの加熱度合い、すなわち、防曇や防霜の度合いを弱めることができ、車両窓ガラスの加熱に伴う乗員の顔の火照りや足寒さ等の快適性低下を抑制できる。
【0009】
また請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載の車両用空調装置において、前記制御手段は、前記車両起動時または空調起動時から所定時間前までのうち最も低温となる外気温度または最も低温となる車室内温度と、車両起動時または空調起動時における外気温度または車室内温度との両方に基づいて前記防曇・防霜手段の作動を制御するようになっており、
前記制御手段は、前記最も低温となる外気温度または前記最も低温となる車室内温度が低くなるほど、また車両起動時または空調起動時における外気温度または車室内温度が低くなるほど前記防曇・防霜手段の窓ガラス加熱能力を大きくするようにしてもよい。
【0010】
また、請求項3に記載の発明では、車両の窓ガラスを加熱して車両の窓ガラスの曇りおよび着霜を防止する防曇・防霜手段(42、20、30、24、34、80)と、
車両起動時または空調起動時における外気温度または車室内温度に基づいて前記防曇・防霜手段の作動を制御する制御手段(10)とを備え、
前記制御手段は、前記車両起動時または空調起動時における外気温度または車室内温度が低下するほど前記防曇・防霜手段の窓ガラス加熱能力を大きくすることを特徴とする。
【0011】
これにより例えば夜明け前の冷え込みが大きくて、車両窓ガラスの曇りや着霜の度合いが大きくなる状況を、車両起動時または空調起動時の外気温度または車室内温度に基づいて判定することができ、このような状況を判定した場合には、防曇・防霜手段の作動時間を長くする等して、窓ガラス加熱能力を大きくする。その結果、車両窓ガラスの加熱度合い、すなわち、防曇や防霜の度合いを強めることができ、車両窓ガラスの視界確保を確実に行うことができる。
【0012】
また、上記車両起動時または空調起動時の外気温度または車室内温度に基づいて、例えば夜明け前の冷え込みが小さくて、車両窓ガラスの曇りや着霜の度合いが小さくなる状況を判定できる場合には、防曇・防霜手段の作動時間を短くする等して、窓ガラス加熱能力を小さくする。その結果、車両窓ガラスの加熱度合い、すなわち、防曇や防霜の度合いを弱めることができ、車両窓ガラスの加熱に伴う乗員の顔の火照りや足寒さ等の快適性低下を抑制できる。
【0019】
また、請求項に記載の発明では、請求項1ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置において、前記制御手段は、前記防曇・防霜手段の作動時間を長くすることにより前記窓ガラス加熱能力を大きくすることを特徴とする。
これによれば、防曇・防霜手段の作動時間の制御により防曇や除霜のための窓ガラス加熱能力の制御を過不足が生じないように容易に制御することできる。
【0020】
ところで、窓ガラスに着いた霜は車両のワイパーにより除去されうるので、請求項に記載の発明のように、車両のワイパー作動時には、請求項に記載の作動時間を短くするように補正すればよい。これによると、着霜がなくても防曇・防霜手段作動してしまうことによる乗員の快適性低下を抑制できる。
【0021】
ところで、乗員が車両に乗車していない時点においては乗員の快適性低下を考慮する必要がない。そこで、請求項に記載の発明のように、車外からのエンジン始動信号送信によりエンジンを始動させた場合には、請求項に記載の作動時間を長くするように補正すればよい。これによると、窓ガラス加熱能力を十分大きくして、視界確保をより一層確実に行うことができる。
【0023】
また、防曇・防霜手段の具体例として、請求項に記載のように、窓ガラスに向けて加熱空調風を吹き出すデフロスタ吹出手段(42、20、30、24、34)が挙げられ、また、防霜・防霜手段の具体例として、請求項に記載のように、窓ガラスに備えられて通電により当該窓ガラスを加熱するウインド熱線(80)が挙げられる
【0024】
また、請求項に記載の発明では、車両の窓ガラスを加熱して車両の窓ガラスの曇りおよび着霜を防止する防曇・防霜手段(42、20、30、24、34、80)の作動をコンピュータ(10)を用いて制御するためのコンピュータプログラムであって、
車両起動時または空調起動時から所定時間前までのうち最も低温となる外気温度または最も低温となる車室内温度が低下するほど前記防曇・防霜手段の作動時間を長くするように決定する第1手順(S300、S310、S340)と、
前記第1手順にて決定された前記作動時間の間、前記防曇・防霜手段を作動させる第2手順(S400、S500、S410、S510)とを前記コンピュータ(10)に実行させるためのコンピュータプログラムを特徴とする。
【0025】
請求項9に記載の発明は請求項1に記載の発明に対応するものであり、請求項1に記載の発明の作用効果を奏するように車両用空調装置の防曇・防霜手段の作動制御を行うことができる。
【0026】
また、請求項10に記載の発明では、車両の窓ガラスを加熱して車両の窓ガラスの曇りおよび着霜を防止する防曇・防霜手段(42、20、30、24、34、80)の作動をコンピュータ(10)を用いて制御するためのコンピュータプログラムであって、
車両起動時または空調起動時における外気温度または車室内温度が低下するほど前記防曇・防霜手段の作動時間を長くするように決定する第1手順(S320)と、
前記第1手順にて決定された前記作動時間の間、前記防曇・防霜手段を作動させる第2手順(S410、S510)とを前記コンピュータ(10)に実行させるためのコンピュータプログラムを特徴とする。
【0027】
請求項10に記載の発明は請求項3に記載の発明に対応するものであり、請求項3に記載の発明の作用効果を奏するように車両用空調装置の防曇・防霜手段の作動制御を行うことができる。
【0030】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図に基づいて説明する。
【0032】
(第1実施形態)
本実施形態の車両用空調装置、所謂カーエアコンは、車両の走行エネルギーを消費して動作する走行用エンジン等の車両駆動手段を搭載する自動車等の車両の車室内を空調する空調ユニット1における各空調手段を、空調制御装置(以下エアコンECUと言う)10によって制御するように構成されたオートエアコンシステムである。
【0033】
その空調ユニット1は、車室内の運転席側空調ゾーンと助手席側空調ゾーンとの温度調節および吹出口モードの変更等を互いに独立して行うことが可能なエアコンユニットである。なお、運転席側空調ゾーンには車両右側の後部座席も含まれており、また、助手席側空調ゾーンには車両左側の後部座席も含まれている。
【0034】
空調ユニット1は、車両の車室内の前方に配置された空調ダクト2を備えている。この空調ダクト2の上流側には、内外気切替ドア3およびブロワ4とが設けられている。内外気切替ドア3は、サーボモータ5等のアクチュエータにより駆動されて内気吸込口6と外気吸込口7との開度を変更して、所謂吸込ロモードを切り替える吸込口切替手段である。
【0035】
ブロワ4は、ブロワ駆動回路8によって制御されるブロワモータ9により回転駆動されて空調ダクト2内において車室内に向かう空気流を発生させる送風手段としての遠心式送風機である。なお、ブロワ4は、後記する運転席側、助手席側の各吹出口から車室内の運転席側、助手席側空調ゾーンに向けてそれぞれ吹き出される空調風の吹出風量または吹出風速を変更する吹出風量可変手段または吹出風速可変手段を構成する。
【0036】
空調ダクト2の中央部には、空調ダクト2内を通過する空気を冷却するエバポレータ41が設けられている。また、そのエバポレータ41の空気下流側には、第1、第2空気通路11、12を通過する空気をエンジンの冷却水と熱交換して加熱するヒータコア42が設けられている。
【0037】
なお、第1、第2空気通路11、12は、仕切り板14により区画されている。また、例えば電力を用いて走行する車両に用いられた車両用空調装置では、エバポレータをペルチェ素子に変更しても良い。そのヒータコア42の空気上流側には、車室内の運転席側空調ゾーンと助手席側空調ゾーンとの温度調節を互いに独立して行うための運転席側、助手席側エアミックスドア(以下、A/Mドアと呼ぶ。)15、16が設けられている。そして、運転席側、助手側A/Mドア15、16は、サーボモータ17、18等のアクチュエータにより駆動されて、後記する運転席側、助手席側の各吹出口から車室内の運転席側、助手席側空調ゾーンに向けてそれぞれ吹き出される空調風の吹出温度を変更する運転席側、助手席側吹出温度可変手段を構成する。
【0038】
ここで、本実施形態のエバポレータ41は、冷凍サイクルの一構成部品を成すものである。冷凍サイクルは、車両のエンジンルーム内に搭載された車両走行用のエンジンの出力軸にベルト駆動されて、冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機としてのコンプレッサと、このコンプレッサより吐出された冷媒を凝縮液化させるコンデンサと、このコンデンサより流入した液冷媒を気液分離するレシーバと、このレシーバより流入した液冷媒を断熱膨張させるエキスパンション・バルブと、このエキスパンション・バルブより流入した気液二相状態の冷媒を蒸発気化させる上記のエバポレータとから構成されている。
【0039】
これらのうちコンプレッサは、エアコンECU10により制御される電磁クラッチによって、エンジンからの回転動力が断続される。そして、電磁クラッチがONされてコンプレッサが起動することによってエバポレータ41が空調ダクト2内を通過する空気を冷却し除湿することで、車室内湿度が下がり、フロントウインドウを含むウインドウの内面が曇り難くなる。本実施形態では、エバ後温度センサ74の検出値であるエバ後温度TEと目標エバ後温度TEOとの比較結果に応じて出力される制御信号に基づき容量可変制御を行う電磁式容量制御弁を有する容量可変型コンプレッサが用いられている。
【0040】
そして、第1空気通路11の空気下流側に連通する各吹出ダクトの空気下流端では、図1および図2に示したように、運転席側デフロスタ(DEF)吹出口20、運転席側センタフェイス(FACE)吹出口21、運転席側サイドフェイス(FACE)吹出口22および運転席側フット(FOOT)吹出口23が開口している。また、第2空気通路12の空気下流側に連通する各吹出ダクトの空気下流端では、図2および図3に示したように、助手席側デフロスタ(DEF)吹出口30、助手席側センタフェイス(FACE)吹出口31、助手席側サイドフェイス(FACE)吹出口32および助手席側フット(FOOT)吹出口33が開口している。なお、運転席側、助手席側DEF吹出口20、30は、フロントウインドウヘ空調風を吹き出すための吹出口を構成し、運転席側、助手席側サイドFACE吹出口22、32は、サイドウインドウヘ空調風を吹き出すための吹出口を構成する。
【0041】
そして、第1、第2空気通路11、12内には、車室内の運転席側と助手席側との吹出口モードの設定を互いに独立して行う運転席側、助手席側吹出口切替ドア24〜26、34〜36が設けられている。そして、運転席側、助手席側吹出口切替ドア24〜26、34〜36は、サーボモータ28、29、38、39等のアクチュエータにより駆動されて運転席側、助手席側の吹出口モードをそれぞれ切り替えるモード切替ドアである。
【0042】
ここで、運転席側、助手席側の吹出口モードとしては、FACEモード、B/Lモード、FOOTモード、F/Dモード、DEFモード等がある。なお、運転席側、助手席側吹出口切替ドア24、34は、運転席側、助手席側DEF吹出口20、30を互いに独立して開閉することが可能な運転席側、助手席側デフロスタドアで、それを駆動するサーボモータ28、38は、窓曇りまたは霜付きの防止、あるいは窓曇りまたは霜の除去に効果のある制御を行う防曇手段のアクチュエータを構成する。
【0043】
エアコンECU10は、エンジンの始動および停止を司るイグニッションスイッチが投入(IGオン)された時に、車両に搭載された車載電源である図示しないバッテリーから直流電源が供給されると演算処理や制御処理を開始するように構成されている。エアコンECU10には、図1および図3に示したように、計器盤50に一体的に設置されたエアコン操作パネル51上の各種操作スイッチから各スイッチ信号が入力されるように構成されている。
【0044】
そして、エアコン操作パネル51には、表示器としての液晶ディスプレイ52、内外気切替スイッチ53、フロントデフロスタスイッチ(以下FrDEFスイッチと言う)54、リヤデフロスタスイッチ55、DUALスイッチ56、吹出口モード(MODE)切替スイッチ57、ブロワ風量切替スイッチ58、A/Cスイッチ59、AUTOスイッチ60、OFFスイッチ61、運転席側温度設定スイッチ62、助手席側温度設定スイッチ63および低燃費向上スイッチ64等が設置されている。
【0045】
上記のうちのDUALスイッチ56は、運転席側空調ゾーン内の温度調節と助手席側空調ゾーン内の温度調節とを互いに独立して行う左右独立温度コントロールを指令する左右独立制御指令手段である。また、FrDEFスイッチ54は、フロントウインドウの防曇の能力を上げるか否かを指令するもので、吹出口モードをDEFモードに固定して設定するように要求するDEFモード要求手段である。
【0046】
MODE切替スイッチ57は、フロントウインドウの防曇の能力を上げるか否かを指令するもので、ユーザーのマニュアル操作に応じて、吹出口モードを、FACEモードまたはB/LモードまたはFOOTモードまたはF/Dモードのうちのいずれかに固定して設定するように要求するF/Dモード要求手段である。
【0047】
A/Cスイッチ59は、図3に示したように、冷凍サイクルのコンプレッサの起動または停止を指令する空調操作スイッチである。一般に、A/Cスイッチ59は、コンプレッサをOFFしてエンジンの回転動力を減らすことで燃費効率を高めるために設けられている。
【0048】
運転席側温度設定スイッチ62は、運転席側空調ゾーン内の温度を所望の温度に設定するための運転席側温度設定手段で、アップスイッチ62aとダウンズイッチ62bよりなる。また、助手席側温度設定スイッチ63は、助手席側空調ゾーン内の温度を所望の温度に設定するための助手席側温度設定手段で、アップスイッチ63aとダウンズイッチ63bよりなる。さらに、低燃費向上スイッチ64は、冷凍サイクルのコンプレッサの稼働率を下げて、低燃費及び省動力を考慮した経済的な空調制御を行うか否かを指令するエコノミー(ECON)スイッチである。
【0049】
液晶ディスプレイ52には、運転席側、助手席側空調ゾーンの設定温度を視覚表示する設定温度表示部、吹出口モードを視覚表示する吹出口モード表示部、およびブロワ風量を視覚表示する風量表示部等が設けられている。なお、液晶ディスプレイ52に外気温表示部、吸込ロモード表示部、時刻表示部を設けてもよい。また、エアコン操作パネル51上の各種の操作スイッチは、液晶ディスプレイ52に設けられていてもよい。
【0050】
また、エアコンECU10の内部には、演算処理や制御処理を行う中央演算装置(CPU)、ROMまたはEEPROM、RAM等のメモリ、および入力/出力回路(I/Oポート)等の機能を含んで構成される周知のマイクロコンピュータが設けられ、各種センサからのセンサ信号がI/OポートまたはA/D変換回路によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。すなわち、エアコンECU10には、車室内温度(内気温)を検出する内気温検出手段としての内気温センサ71、車室外温度(外気温)を検出する外気温検出手段としての外気温センサ72、および日射検出手段としての日射センサ73が接続されている。
【0051】
また、エバポレータ41を通過した直後の空気温度(以下エバ後温度と言う)を検出するエバ後温度検出手段としてのエバ後温度センサ74、車両のエンジン冷却水温を検出する冷却水温検出手段としての冷却水温センサ75、車室内の相対湿度を検出する湿度検出手段としての湿度センサ76、および車両の走行速度(車速:SPD)を検出する車速検出手段としての図示しない車速センサ等が接続されている。ここで、湿度センサ76は、内気温センサ71と共に、運転席近傍の計器盤50の前面に形成された凹所内に収容されている。
【0052】
これらのうち内気温センサ71、外気温センサ72、エバ後温度センサ74および冷却水温センサ75は、例えばサーミスタ等の感温素子が使用されている。また、日射センサ73は、運転席側空調ゾーン内に照射される日射量(日射強度)TS(Dr)を検知する運転席側日射強度検知手段としてのフォトダイオード、および助手席側空調ゾーン内に照射される日射量(日射強度)TS(Pa)を検知する助手席側日射強度検知手段としてのフォトダイオードを有している。そして、本実施形態では、冷凍サイクルの高圧側圧力を検出する冷媒圧力センサ77を有している。この冷媒圧力センサ77は、冷凍サイクルの高圧側のレシーバとエキスパンション・バルブとの問に取り付けられている。
【0053】
次に本実施形態のエアコンECU10による制御方法を、図1ないし図10に基づいて説明する。ここで、図4はエアコンECU10の制御プログラムの一例を示したフローチャートである。
【0054】
先ず、イグニッションスイッチがONされてエアコンECU10に直流電源が供給されると、図4のルーチンに示すように、予めROMに記憶されている制御プログラムの実行が開始される。このときに、ステップS1にて、エアコンECU10内部のマイクロコンピュータに内蔵されたデータ処理用メモリ(RAM)の記憶内容等の初期化を行う。
【0055】
次に、ステップS2にて、各種データをデータ処理用メモリ(RAM)に読み込む。すなわち、エアコン操作パネル51上の各種操作スイッチからのスイッチ信号や各種センサからのセンサ信号を入力する。特に、内気温センサ71の検出値である車室内温度に対応した出力信号TR、外気温センサ72の検出値である外気温に対応した出力信号TAM、日射センサ73の検出値である日射量に対応した出力信号TS(Dr)、TS(Pa)、エバ後温度センサ74の検出値であるエバ後温度に対応した出力信号TE、冷却水温センサ75の検出値である冷却水温に対応した出力信号TWを入力する。
【0056】
次に、ステップS3にて、上記のような記憶データおよび下記の数1の演算式、数2の演算式に基づいて、運転席側の目標吹出温度TAO(Dr)、および助手席側の目標吹出温度TAO(Pa)を演算する。
【0057】
【数1】
TAO(Dr)=Kset・Tset(Dr)−KR・TR−KAM・TAM−KS・TS(Dr)+Kd(Dr)×{CD(Dr)+Ka(Dr)・(10−TAM)}×{Tset(Dr)−Tset(Pa)}+C
【0058】
【数2】
TAO(Pa)=Kset・Tset(Pa)−KR・TR−KAM・TAM−KS・TS(Pa)+Kd(Pa)×{CD(Pa)+Ka(Pa)・(10−TAM)}×{Tset(Pa)−Tset(Dr)}+C
但し、Tset(Dr)およびTset(Pa)は、それぞれ運転席側空調ゾーン内の設定温度、助手席側空調ゾーン内の設定温度を表し、TS(Dr)およびTS(Pa)は、それぞれ運転席側、助手席側空調ゾーン内の日射量を表す。また、TR、TAMは、それぞれ車室内温度、外気温を表す。KSet、KR、KAM、KS、Kd(Dr)およびKd(Pa)は、それぞれ温度設定ゲイン、車室内温度ゲイン、外気温ゲイン、日射量ゲイン、運転席側、助手席側空調ゾーンの温度差補正ゲインを表す。なお、Ka(Dr)、Ka(Pa)は、それぞれ外気温TAMが運転席側空調ゾーンおよび助手席側空調ゾーンの各空調温度に及ぼす影響度合を補正するゲインを表し、CD(Dr)、CD(Pa)は上記影響度合に応じた定数、Cは補正定数を表す。ここで、Ka(Dr)、Ka(Pa)、CD(Dr)、CD(Pa)といった値は、車両の形や大きさ、空調ユニット1の吹出方向等の様々なパラメータで変化する。
【0059】
次に、ステップS4にて、上記のステップS3で求めた運転席側、助手席側の目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に基づいてブロワ風量を演算する。なお、本実施形態のブロワ風量は、ブロワモータ9に印加するブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)により制御されており、このブロワ制御電圧VAは、運転席側、助手席側の目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)にそれぞれ適合したブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)を図5の特性図に基づいて求めると共に、それらのブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)を平均化処理することにより得ている。
【0060】
因みに、図5の特性図の縦軸は、ブロワ制御電圧と比例関係にあるブロワレベルを示すものである。
【0061】
次に、ステップS5にて、上記のような記憶データおよび下記の数3の演算式、数4の演算式に基づいて、運転席側A/Mドア15のA/M開度SW(Dr)(%)および助手席側A/Mドア16のA/M開度SW(Pa)(%)を演算する。
【0062】
【数3】
SW(Dr)={TAO(Dr)−TE}×100/(TW−TE)
【0063】
【数4】
SW(Pa)={TAO(Pa)−TE}×100/(TW−TE)
但し、TAO(Dr)、TAO(Pa)は上記のステップS3で求めた運転席側、助手席側の目標吹出温度で、TEはエバ後温度センサ74の検出値であるエバ後温度で、TWは冷却水温センサ75の検出値であるエンジン冷却水温である。
【0064】
次に、ステップS6にて、フロントウインドウに曇りが起きるのを防止するウインドウ防曇制御を行う。この防曇制御は、冷凍サイクルのコンプレッサの稼働率を上げて、運転席側、助手席側DEF吹出口20、30からフロントウインドウの内面へ吹き出す空調風の湿度を下げるようにするものである。本実施形態では、可変容量型コンプレッサを使用しているので、コンプレッサの吐出容量を制御する目的で、目標エバ後温度TEOを演算する。
【0065】
具体的にステップS6では、外気温TAMを制御パラメータとした図6に示すマップを用いて目標エバ後温度TEOを演算する。なお、低燃費向上スイッチ64がオンされている場合には、図6中の点線に示すマップを用いて目標エバ後温度TEOを演算する。
【0066】
そして、この目標エバ後温度TEOの演算では、低外気温時のフロントウインドウが曇り易い判定条件においては、目標エバ後温度TEOが低めに設定される。これにより、コンプレッサの稼働率が上がり、エバポレータ41の除湿能力が高まるので、車室内空気の除湿能力が上がる。よって、フロントウインドウの防曇効果が高まる。
【0067】
また、ステップS6において、上述の制御の他に、後に説明する図8のフローチャートに基づいて本発明の要部である防曇制御を行う。なお、図8のフローチャートにてオートDEFモードに設定されなければ、図7の特性図に従ったオートFACEモード、オートB/LモードまたはオートFOOTモードに設定することにより吹出口モードを決定する。
【0068】
次に、ステップS7にて、ステップS6で決定した目標エバ後温度TEOとエバ後温度センサ74の検出値である実際のエバ後温度TEとが一致するように、フィードハック制御(PI制御)にてコンプレッサの目標吐出容量を決定する。具体的には、コンプレッサに付設された電磁式容量制御弁の電磁ソレノイドに供給する制御電流の目標値となるソレノイド電流(制御電流:In)を下記の数5の演算式および数6の演算式に基づいて演算する。
【0069】
【数5】
En=TE−TE0
【0070】
【数6】
In=In−Kp{(En−En-1)+(θ/Ti)×En}
ここで、TEはエバ後温度センサ74の検出値である実際のエバ後温度で、TEOはステップS6で求めた目標エバ後温度で、Kpは比例定数(例えば0.03)で、θはサンプリング時間(例えば1秒間)で、Tiは積分定数(例えば1000)で、Enは今回の温度偏差(℃)で、En-1は前回の温度偏差(℃)で、Inは今回の制御電流(A)で、In-1は前回の制御電流(A)である。
【0071】
次に、ステップS8にて、ステップS4で決定されたブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)となるようにブロワ駆動回路8に制御信号を出力する。次に、ステップS9にて、ステップS5で決定されたA/M開度SW(Dr)、SW(Pa)となるようにサーボモータ17、18に制御信号を出力する。次に、ステップS10にて、ステップS6で決定された吹出口モードとなるようにサーボモータ28、29、38、39に制御信号を出力する。次に、ステップS11にて、ステップS7で決定したソレノイド電流(制御電流:In)をコンプレッサに付設された電磁式容量制御弁の電磁ソレノイドに出力する。その後に、ステップS2の制御処理に戻る。
【0072】
次に、ステップS6における防曇制御を図8のフローチャートを用いて説明する。因みに、本実施形態においては、除湿機能としてのエバポレータ41および空調風加熱機能としてのヒータコア42が、特許請求の範囲に記載の防曇手段に相当する。そして、エバポレータ41により除湿され、かつ、ヒータコア42により加熱された空調風を、DEF吹出口20、30から車両前方の窓ガラスに向けて吹き出すことにより防曇を図るものであり、図8のフローチャートに基づいてこのような防曇手段の作動を制御する。
【0073】
はじめに、ステップS200にて、FrDEFスイッチ54の操作により吹出口モードがDEFモードに設定されているか否かを判定し、DEFモードに設定されている場合には、ステップS500にて吹出口モードをDEFモードに設定する。
【0074】
一方、DEFモードに設定されていない場合には、ステップS300にて、窓が曇り易いまたは凍り易い度合に応じて、DEFモードとしての空調装置の作動を強制的に継続させる継続作動時間を設定する。具体的には、IGオン時点から所定時間前までの最も低い外気温TAMに応じて継続作動時間を設定する。換言すれば、IGオン時前の外気温TAMの履歴に応じて継続作動時間を設定する。
【0075】
具体的に、本実施形態では、IGオン時点から所定時間前までの最も低い外気温TAMが低ければ低いほど上記継続作動時間を長くするように設定している。なお、本実施形態における上記所定時間は5時間に設定されている。また、本実施形態では、IGオン時点から所定時間前までの最も低い外気温TAMが10℃以上であれば、DEFモードにはならないように設定されている。
【0076】
次に、ステップS400にて、ステップS300で設定された継続作動時間がタイムアップとなったか否かを判定し、継続作動時間中であれば、ステップS500にて吹出口モードをDEFモードに設定する。一方、タイムアップとなり継続作動時間が経過したと判定された場合には、ステップS200にリターンされる。
【0077】
以上により本実施形態によれば、S300により、IGオン時点から所定時間前までの最も低い外気温TAMが低ければ低いほど、防曇手段としてのDEFモードの継続作動時間を長くするように設定しているので、例えば夜明け前の冷え込みが大きく、窓ガラスが曇り易いまたは凍り易い場合には、継続作動時間が長くなり、視界確保を確実に行うことができる。
【0078】
また、IGオン時点から所定時間前までの最も低い外気温TAMが高いほど、防曇手段としてのDEFモードの継続作動時間を短くするように設定しているので、例えば夜明け前の冷え込みが小さく、窓ガラスが曇り難いまたは凍り難い場合には、継続作動時間が短くなり、乗員の顔の火照りや足寒さ等の快適性低下を抑制できる。
【0079】
(第2実施形態)
本実施形態では、図9に示すように、車両前方の窓ガラスに備えられて通電により当該窓ガラスを加熱するウインドウ熱線80を備えており、この熱線80が特許請求の範囲に記載の防曇手段に相当する。なお、エアコン操作パネル51上に設けられた図示しない熱線スイッチを乗員が操作した場合には、熱線リレー81により熱線80への通電が制御されるようになっている。
【0080】
そして、第1実施形態における図8のフローチャートに替えて、本実施形態では図10に示すフローチャートに基づいて防曇制御を行っている。このフローチャートによれば、はじめに、ステップS100にて、熱線80への通電によりバッテリ上がりしてしまわないか否かを判定する。そして、バッテリ上がりの危険性が無ければステップS210に進み、マニュアルにて熱線スイッチのON操作がなされているかを判定し、ON操作されている場合には、ステップS510にてステップ熱線リレー81をONして熱線80への通電を行う。
【0081】
一方、マニュアルON操作されていない場合には、ステップS310にて、窓が曇り易いまたは凍りやすい度合に応じて、熱線80への通電を強制的に継続させる継続作動時間を設定する。具体的には、IGオン時点から所定時間前までの最も低い外気温TAMに応じて継続作動時間を設定する。換言すれば、IGオン時前の外気温TAMの履歴に応じて継続作動時間を設定する。
【0082】
具体的に、本実施形態では、IGオン時点から所定時間前までの最も低い外気温TAMが低ければ低いほど上記継続作動時間を長くするように設定している。なお、本実施形態における上記所定時間は5時間に設定されている。また、本実施形態では、IGオン時点から所定時間前までの最も低い外気温TAMが10℃以上であれば、熱線80への通電を行わないように設定されている。
【0083】
次に、ステップS410にて、ステップS310で設定された継続作動時間がタイムアップとなったか否かを判定し、継続作動時間中であれば、ステップS510にて熱線リレー81をONして熱線80への通電を行う。一方、タイムアップとなり継続作動時間が経過したと判定された場合には、ステップS100にリターンされる。
【0084】
以上により本実施形態によれば、S310により、IGオン時点から所定時間前までの最も低い外気温TAMが低ければ低いほど、防曇手段としての熱線80への通電継続作動時間を長くするように設定しているので、例えば夜明け前の冷え込みが大きく、窓ガラスが曇り易いまたは凍り易い場合には、継続作動時間が長くなり、視界確保を確実に行うことができる。
【0085】
また、IGオン時点から所定時間前までの最も低い外気温TAMが高いほど、防曇手段としての熱線80への通電継続作動時間を短くするように設定しているので、例えば夜明け前の冷え込みが小さく、窓ガラスが曇り難いまたは凍り難い場合には、継続作動時間が短くなり、熱線80の過剰な通電による乗員の顔の火照りや足寒さ等の快適性低下を抑制できる。
【0086】
(第3実施形態)
上記第2実施形態のステップS310では、IGオン時点から所定時間前までの最も低い外気温TAMに応じて熱線80への通電継続作動時間を設定しているのに対し、本実施形態では、図11のステップS320に示すように、IGオン時の車室内温度TRに応じて継続作動時間を設定している。
【0087】
具体的に、本実施形態では、IGオン時の車室内温度TRが低ければ低いほど上記継続作動時間を長くするように設定しているまた、本実施形態では、IGオン時の車室内温度TRが10℃以上であれば、熱線80への通電を行わないように設定されている。
【0088】
なお、夜明け前の冷え込みから外気温度TAMが上昇するのに遅れて、車室内温度TRも上昇する。因みに、車室内温度TRの検出には赤外線センサを用いて好適である。
【0089】
以上により、本実施形態のように制御しても、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0090】
(第4実施形態)
上記第2実施形態のステップS310では、IGオン時点から所定時間前までの最も低い外気温TAMに応じて熱線80への通電継続作動時間を設定しているのに対し、本実施形態では、図12のステップS330に示すように、車外から受信した着霜、窓曇りに関する情報に応じて、継続作動時間を設定している。
【0091】
なお、ステップS330に示す着霜、窓曇りに関する情報は、現地域の霜度合であり、このような情報をインターネットにより受信するようにして好適である。また、車両に搭載されたナビゲーションシステムが有する情報を受信するようにしてもよい。また、周囲の他の車から着霜、窓曇りに関する情報を受信するようにしてもよい。
【0092】
そして、本実施形態のステップS330では、霜度合が大きいほど上記継続作動時間を長くするように設定しており、霜無しとの情報を受信した場合には、熱線80への通電を行わないように設定されている。
【0093】
以上により、本実施形態のように制御しても、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0094】
(第5実施形態)
上記第2実施形態のステップS310では、IGオン時点から所定時間前までの最も低い外気温TAMに応じて熱線80への通電継続作動時間を設定しているのに対し、本実施形態では、図13のステップS340に示すように、IGオン時点から所定時間前までの最も低い外気温TAMと、IGオン時の外気温TAMとの両外気温TAMに応じて、継続作動時間を設定している。
【0095】
具体的に、本実施形態では、IGオン時点から所定時間前までの最も低い外気温TAMが低いほど、上記継続作動時間を長くするように設定し、かつ、IGオン時の外気温TAMが低いほど、上記継続作動時間を長くするように設定している。なお、本実施形態における上記所定時間は5時間に設定されている。
【0097】
また、本実施形態では、ワイパー作動時には、上記継続作動時間を短くするように補正する、補正手段としてのステップS350を備えている。本実施形態では、ステップS350のマップに示すように、ワイパー作動時間に応じて補正係数を決定し、ワイパー作動時間が長いほど上記継続作動時間を短くするように補正している。これにより、ワイパー作動により着霜が解消される場合、上記継続作動時間は極力短くされるので、快適性の悪化を最小限に抑えることができる。
【0098】
(第6実施形態)
本実施形態では、上記第5実施形態の図13に示すフローチャートに、図14に示すステップS420、S430を追加しており、これらのステップS420、S430は、車外からのエンジン始動信号送信によりエンジンを始動させた場合には、上記継続作動時間(熱線通電時間)を長くするように補正する補正手段である。
【0099】
ステップS420では、上述のように車外からエンジンを始動させるリモートスタートがなされたか否かを判定し、リモートスタートがなされていると判定された場合には、ステップS430にて車両のドアが開いたか否かを判定する。そして、ステップS430にて車両のドアが開いていないと判定されれば、乗員は未だ乗車していないとみなし、ステップS510にて熱線リレー81をONして熱線80への通電を行う。
【0100】
なお、ステップS420にてリモートスタートがなされていないと判定された場合や、ステップS430にてドアが開いたと判定された場合には、ステップS200にリターンされる。
【0101】
このように本実施形態によれば、ここで、無人のリモートスタートの場合には快適性が低下するような空調装置の作動を行っても差し支えないので、防曇、防霜効果を優先させて、上記継続作動時間を長くするようにして好適である。
【0102】
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、ステップS300にて、窓が曇り易いまたは凍り易い度合に応じて、DEFモードとしての空調装置の作動を強制的に継続させる継続作動時間を設定しているが、本発明の実施にあたり、窓が曇り易いまたは凍りやすい上記度合に応じて、コンプレッサー稼働率を変化させるように設定してもよいし、DEF吹出口20、30からの吹出空調風の風量割合を変化させるように設定してもよいし、ヒータコア42による加熱度合を変化させるように設定してもよい。或いは、第2〜第6実施形態における熱線80による加熱度合を変化させるように設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る、車両用空調装置の全体構成を示した全体構成図である。
【図2】第1実施形態に係る、車両の計器盤を車室内側から見た斜視図である。
【図3】第1実施形態に係る、エアコン操作パネルを示す正面図である。
【図4】第1実施形態に係る、エアコンECUの制御プログラムを示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態に係る、目標吹出温度に対するブロワ制御電圧特性を示した特性図である。
【図6】第1実施形態に係る、外気温度に対する目標エバ後温度を示した特性図である。
【図7】第1実施形態に係る、目標吹出温度に対する吹出口モード特性を示した特性図である。
【図8】第1実施形態に係る、防曇制御プログラムを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態に係る、ウインドウ熱線の回路図である。
【図10】第2実施形態に係る、防曇制御プログラムを示すフローチャートである。
【図11】本発明の第3実施形態に係る、防曇制御プログラムを示すフローチャートである。
【図12】本発明の第4実施形態に係る、防曇制御プログラムを示すフローチャートである。
【図13】本発明の第5実施形態に係る、防曇制御プログラムを示すフローチャートである。
【図14】本発明の第6実施形態に係る、防曇制御プログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
41…エバポレータ(防曇手段)、42…ヒータコア(防曇、防霜手段)、
80…ウインドウ熱線(防曇、防霜手段)。

Claims (10)

  1. 車両の窓ガラスを加熱して車両の窓ガラスの曇りおよび着霜を防止する防曇・防霜手段(42、20、30、24、34、80)と、
    車両起動時または空調起動時から所定時間前までのうち最も低温となる外気温度または最も低温となる車室内温度に基づいて前記防曇・防霜手段の作動を制御する制御手段(10)とを備え、
    前記制御手段は、前記最も低温となる外気温度または前記最も低温となる車室内温度が低下するほど前記防曇・防霜手段の窓ガラス加熱能力を大きくすることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記制御手段は、前記車両起動時または空調起動時から所定時間前までのうち最も低温となる外気温度または最も低温となる車室内温度と、車両起動時または空調起動時における外気温度または車室内温度との両方に基づいて前記防曇・防霜手段の作動を制御するようになっており、
    前記制御手段は、前記最も低温となる外気温度または前記最も低温となる車室内温度が低くなるほど、また車両起動時または空調起動時における外気温度または車室内温度が低くなるほど前記防曇・防霜手段の窓ガラス加熱能力を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 車両の窓ガラスを加熱して車両の窓ガラスの曇りおよび着霜を防止する防曇・防霜手段(42、20、30、24、34、80)と、
    車両起動時または空調起動時における外気温度または車室内温度に基づいて前記防曇・防霜手段の作動を制御する制御手段(10)とを備え、
    前記制御手段は、前記車両起動時または空調起動時における外気温度または車室内温度が低下するほど前記防曇・防霜手段の窓ガラス加熱能力を大きくすることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 前記制御手段は、前記防曇・防霜手段の作動時間を長くすることにより前記窓ガラス加熱能力を大きくすることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 前記制御手段は、車両のワイパー作動時には、前記作動時間を短くするように補正することを特徴とする請求項に記載の車両用空調装置。
  6. 前記制御手段は、車外からのエンジン始動信号送信によりエンジンを始動させた場合には、前記作動時間を長くするように補正することを特徴とする請求項に記載の車両用空調装置。
  7. 前記防曇・防霜手段は、前記窓ガラスに向けて加熱空調風を吹き出すデフロスタ吹出手段(42、20、30、24、34)であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  8. 前記防曇・防霜手段は、前記窓ガラスに備えられて通電により当該窓ガラスを加熱するウインド熱線(80)であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  9. 車両の窓ガラスを加熱して車両の窓ガラスの曇りおよび着霜を防止する防曇・防霜手段(42、20、30、24、34、80)の作動をコンピュータ(10)を用いて制御するためのコンピュータプログラムであって、
    車両起動時または空調起動時から所定時間前までのうち最も低温となる外気温度または最も低温となる車室内温度が低下するほど前記防曇・防霜手段の作動時間を長くするように決定する第1手順(S300、S310、S340)と、
    前記第1手順にて決定された前記作動時間の間、前記防曇・防霜手段を作動させる第2手順(S400、S500、S410、S510)とを前記コンピュータ(10)に実行させるためのコンピュータプログラム。
  10. 車両の窓ガラスを加熱して車両の窓ガラスの曇りおよび着霜を防止する防曇・防霜手段(42、20、30、24、34、80)の作動をコンピュータ(10)を用いて制御するためのコンピュータプログラムであって、
    車両起動時または空調起動時における外気温度または車室内温度が低下するほど前記防曇・防霜手段の作動時間を長くするように決定する第1手順(S320)と、
    前記第1手順にて決定された前記作動時間の間、前記防曇・防霜手段を作動させる第2手順(S410、S510)とを前記コンピュータ(10)に実行させるためのコンピュータプログラム。
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