JPH0714395B2 - 骨癒合手術用内固定金属板 - Google Patents

骨癒合手術用内固定金属板

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JPH0714395B2
JPH0714395B2 JP4180468A JP18046892A JPH0714395B2 JP H0714395 B2 JPH0714395 B2 JP H0714395B2 JP 4180468 A JP4180468 A JP 4180468A JP 18046892 A JP18046892 A JP 18046892A JP H0714395 B2 JPH0714395 B2 JP H0714395B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は人体の折れた骨の癒合手
術時に使用する内固定金属板に係り、特に骨折状態によ
って金属内固定物を骨にしっかり固定させるように設け
た内固定金属板に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】一般的に事故により骨に骨折が生じた場
合、骨が元どおり回復あるいは活動するにおいて差し支
えがないようにするためのいろいろな治療法があるが、
例えば骨にひび（crack)が入る等単純な骨折の場合には
ギブス等で骨折した骨が元どおり癒合されるように骨折
の部位を動かないようにする手段である。
【０００３】しかし骨折状態が複雑であり、かつ折れた
骨が互いに外れる等、骨折した状態のままで癒合ができ
ない場合には外科的手術を施して骨折した骨を直接元ど
おりに合わせるように観血整復処置を施した後、金属内
固定物をもって整復された骨をその状態の通り支持する
ようになる。
【０００４】ところが上記の金属内固定手術を施術する
において使用する金属内固定物はいろいろあるが、一般
的に骨の骨折した部分に直接取り付けて骨を支持し、骨
折の治療を助ける内固定金属板を広く使用している。
【０００５】かかる内固定金属板は、固定しようとする
部分の骨の形に従って長さと太さが異なり、その形も直
線型、Ｔ字型、Ｙ字型等、いろいろな形態がある。
【０００６】しかし従来の内固定金属板は図７の通りプ
レート１の前面から背面まで長さ方向に沿って多数のね
じ孔２が所定の間隙を置いて設けられている構造からな
り、骨折の部分を上下にわたるような状態で上記のねじ
孔２を通じて骨８ａ，８ｂの中にねじ７を打ち付けて骨
折した骨の上・下部分を図８及び図９の通り、固定支持
するようになっている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】この際に上記の内固定
金属板１をもって骨折した骨８をしっかり固定するため
に通常の骨折した部分の下方と上方各々に３つ乃至４つ
程度のねじ７を打ち込んでいる。これは内固定金属板１
を骨折した骨８にしっかりと付けて固定させるためのも
のである。
【０００８】また、図１０の通り骨折の状態がねじの挿
入方向と同方向か、あるいは図１１（ａ）の通り、くさ
び型（Butterfly)割れ８からなっている場合及び図１１
（ｂ）の通り、複雑骨折の場合には通常の金属板内固定
手術だけでは骨折の部位をしっかり支持することが出来
ないので、即ちねじ７を骨８にしっかり打ち込めないの
で、追加してプレート１と骨８とをワイヤ９で縛って固
定する必要があり、特に図５の通り骨髄腔内に金属挿入
物が挿入されている高関節前置換処置後に大腿骨の金属
挿入物の先端部に骨折が生じた時には、上記の金属挿入
物が挿入されている部分にはねじが挿入されないので該
部分はワイヤだけで固定させているが、ワイヤが内固定
金属板と骨とをしっかり固定できないのでいろいろいな
問題点がある。
【０００９】例えば、図１０の通り内固定金属板１をワ
イヤ９で巻いて縛る場合、骨折した部分に付着した内固
定金属板１と骨８との外側の周辺にワイヤ９を巻かなけ
ればならないので、骨８と内固定金属板１との側面に掛
けられる部分のワイヤ９は上記の内固定金属板１の厚さ
のほど骨８の表面から所定の間隔Ｓを置いて縛られる。
【００１０】また上記の間隔Ｓは内固定金属板１の厚さ
に比例して大きくなり、またワイヤ９は内固定金属板１
または骨８のいずれにも支持されずに、単にこれらの外
側に巻かれている状態なので内固定金属板１の上に掛け
られるように縛られているワイヤ９の束が緩くて内固定
金属板１を骨にしっかり固定させることが出来ない。
【００１１】また上記のワイヤ９が内固定金属板１また
は骨８の何処でも最初に縛られた特定の位置をそのまま
に維持するように支持されていないと共に骨８は同一直
径の円筒形ではなく各々の部位ごとに直径が異なり、内
固定金属板１と同材質の金属からなっているワイヤ９が
内固定金属板１の上でよく滑るため、上記の通り内固定
金属板１と骨８とをともに巻くと骨の直径が小さくなる
方へワイヤ９が滑って降りるので、手術後該当部分の再
生のために運動療法で運動すると、施術部分の動きによ
りワイヤ９が内固定金属板１に固定されないので、内固
定金属板の固定が不安定になり、手術の部位が揺れて不
癒合及び遅延癒合を起こす。
【００１２】また、複雑骨折の場合、砕けた骨を互いに
合わせて観血整復した後、骨折の部分を内固定金属板で
内固定させる間整復された骨を整復されたままで施術す
る間一時的に支持するためにボーンフォセプ（bone for
cep)やボーンクランプ（bonecramp）で整復された部分
を噛んでつかまった状態で内固定金属板を付着しなけれ
ばならないが、該機器等の障害により上記のボーンフォ
セプ（bone forcep)やボーンクランプ（bone cramp）が
設置された骨折部分の近くにはねじを打ち込めない。従
って、上記の骨折した部分の近くにねじを打ち込むため
には整復された部分をつかまっている上記のボーンフォ
セプ（bone forcep)やボーンクランプ（bone cramp）を
一時的に解くと、すでに整復された骨等が相互外れる場
合が多いので、整復された骨を一時的にしっかりつかま
った状態のままにねじを固定させるための手段が切実に
要求されている。
【００１３】ここに本発明は上記の通り諸問題点を解消
し、骨折治療用金属板を骨折の部位に一層しっかり固定
するための骨癒合手術用内固定金属板を提供するにその
目的がある。
【００１４】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明は、いろいろな形態からなっており、かつ正
面と背面を貫通して所定の間隔を置いてねじ孔が形成さ
れた既存の内固定金属板において、ねじ孔と孔との間ご
とに両方の側面を貫通するワイヤ用の孔を開けて、該孔
にワイヤを貫通・挿入し得るようになったことを特徴と
する構造からなっている。
【００１５】ここで上記のワイヤ孔は、一般的に内固定
金属板を骨に縛るワイヤが該金属板の厚さによって２回
または１回通過できる大きさからなっている。
【００１６】従って、上記のような構造の内固定金属板
で骨折の部位を固定させるときにはまずねじ孔を通じて
ねじを打ち込んで金属プレートと骨との相対的な動きを
抑制した後、必要によって上記のワイヤ孔を通じてワイ
ヤを挿入した状態のままに観血整復された舌形骨片また
は粉砕骨片を縛ることによって全体骨折部に内固定金属
板をしっかり固定・支持することができ、上記の通りワ
イヤ孔にワイヤを差し込んだ状態のままに骨を縛ること
によって骨の表面が不規則であるか、あるいは部位によ
って直径が相違している場合にもワイヤの束がいつもし
っかり元の位置に位置し、内固定金属板と骨との結束力
をいつも一定に維持して骨がしっかり固定・支持され
る。
【００１７】また、特に複雑骨折の場合、小さい割れに
砕けた骨片を観血整復した後、内固定金属板をもって内
固定させる過程において、上記の内固定金属板のワイヤ
孔に差し込まれたワイヤで整復された部分をまず縛って
支持した後、ねじを打ち込むことによって整復された部
分の骨折が相互外れるとか抜けないようにしながら、ね
じをよく固定することができる。
【００１８】そして骨折状態によってねじが挿入できな
いとか、上記の通り骨髄腔内に挿入施術または高関節前
置換処置後、大腿骨に骨折等が生じた場合にねじを打ち
込めない前置換処置部位にはワイヤだけで内固定金属板
をしっかり固定できるので、いかなる部位でも、いかな
る状態の骨折でもワイヤとねじだけで内固定金属板をよ
り一層しっかり固定できる。
【００１９】
【実施例】以下、本発明に添付した例示図面を参照して
詳しく説明する。
【００２０】図１は本発明による内固定金属板１の斜視
図として、該内固定金属板１は薄厚の長方形断面の長い
ストリップ形態からなっており、幅の広い正面３と背面
４を貫通して多数のねじ孔２が長さ方向に沿って所定の
間隔を置いて形成され、該ねじ孔２と孔との間に幅の狭
い側面６を貫通して多数のワイヤ孔５が開けている構造
からなっている。
【００２１】上記の構造からなっている本発明による内
固定金属板１は図２の通り骨８の折れた部分を横に掛け
られるようにするが、骨折線ｌを境界として上部下方の
部分に各々３個乃至４個程度のねじ孔２を配置し、該ね
じ孔２にねじ７を差し込んで骨８の中に打ち込んで固定
させる。
【００２２】上記の骨折線ｌを境界として上部下方に配
置された３〜４個のじね孔２の全部にねじ７が打ち込め
る場合には、該ねじ７だけでも内固定金属板１と骨８と
をしっかり固定できるので別途のワイヤ１０を使用して
内固定金属板１と骨８とを縛る必要がない。
【００２３】しかしながら、手術条件と骨折の部位また
は骨折の状態によって一部ねじ孔２にねじ７を打ち込め
ない場合が生ずる。
【００２４】即ち、例えば図４の通り骨８が長さ方向に
沿って一定の方向性を維持せずに、歪んで折れた場合に
は内固定金属板１をどの方向より付着しても骨折線ｌの
一部がねじ孔２と一直線になるので、該ねじ孔２を通じ
て挿入されるねじ７が骨折線ｌに沿って挿入され、挿入
されるねじ７によって骨８が一層細かく砕けるだけで、
ねじ７が内固定金属板１を骨８に十分の強度で付着・支
持することが出来ない。
【００２５】また、場合によっては骨折線ｌが捩れなく
て一直線になっても骨８の強度と内固定金属板１の付着
位置による支持強度を考慮して図４のような状態で内固
定金属板１を付着するしかない場合もあるので、この際
にもねじ７だけで全体内固定金属板１をしっかり固定で
きない。
【００２６】また上記の説明の通り、図５の金属挿入物
のない骨折線ｌの下側にはねじ７で固定できるが、骨の
中に金属挿入物９のある骨折線ｌの上側は該挿入物９の
ためにねじ７を打ち込めない。
【００２７】上記の通り、骨８の中にねじ７を打ち込め
ないとか、ねじ７を打ち込んでも内固定金属板１を十分
な結束力でつかまれない部分には補助的に内固定金属板
１の両方側面６を貫通して開けたワイヤ孔５にワイヤ１
０を挿入し、該ワイヤ１０で骨８の該当部分をつかまっ
て縛ると十分な数のねじ７が打ち込めなかった部分が支
持することが出来る。
【００２８】この際、上記の各ワイヤ孔５に差し込まれ
て骨８の円周面に巻かれたワイヤ１０は図４の通り骨８
と内固定金属板１との間隔Ｓが十分に狭まることによっ
て内固定金属板１を骨８に一層密着することができる一
方、ワイヤ１０がワイヤ孔５の中に差し込まれて支持さ
れていることによって、縛られた状態のワイヤ１０が骨
８の長さ方向に沿って上・下に移動せずに、元の位置に
固定される。従って、該ワイヤ１０がいつも一定の張力
で内固定金属板１を固定する。
【００２９】一方、図６（ａ）、（ｂ）の通り骨折片８
ｃが楔形とか、多数の骨折片８ｃで砕けた複雑骨折の場
合には該骨折片８ｃを相互合わせて出来るだけ元どおり
観血整復させた後、従来の如く別途のbone crampやbone
forcep で該整復された部分を固定せずに、直接内固定
金属板１を付けて該整復された部分にワイヤ８で縛った
後、他部分（両方の縁）にはねじ７を打ち込んで内固定
金属板１を固定させる。
【００３０】また上記のワイヤ孔５の大きさは金属板１
の幅と厚さに従って２本または１本のワイヤが挿入され
る大きさになっており、２本の大きさの孔も必要によっ
て１本または２本を挿入して固定力を調節することが出
来る。
【００３１】
【発明の効果】以上の通り本発明による内固定金属板は
両方側面を貫通してワイヤ孔が形成されていることによ
ってワイヤを上記のワイヤ孔を貫通して挿入させた状態
で骨の周りに巻いて縛ることができるので、ねじの使用
が不可能な骨折の部分を簡単で、かつしっかり固定する
ことができるため、複雑骨折や骨髄内に金属挿入物が挿
入された部分の骨折等が骨癒合で処理できるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による内固定金属板の斜視図。
【図２】本発明による内固定金属板の使用状態の分離斜
視図。
【図３】図１の内固定金属板を用いて骨癒合施術した後
の側面図。
【図４】図３のIV−IV線の断面図。
【図５】骨髄腔内に挿入された内固定物の先端部に再び
骨折が生じた場合、本発明の内固定金属板を用いて癒合
を施術する過程を示した概略図。
【図６】本発明の内固定金属板を用いて各種の複雑な骨
折を骨癒合施術した状態の側面図。
【図７】従来の内固定金属板の斜視図。
【図８】従来の内固定金属板を用いて骨癒合施術する過
程を図２と同様の状態で示した斜視図。
【図９】従来の内固定金属板を用いて骨癒合施術した状
態の正面図。
【図１０】図８のIX−IX線の断面図。
【図１１】従来の内固定金属板を用いて各種の複雑な骨
折を骨癒合施術した状態の側面図。
【符号の説明】
１ 内固定金属板 ２ ねじ孔 ３ 正面 ４ 背面 ５ ワイヤ孔 ７ ねじ ８ 骨 ｌ 骨折線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】所定の厚さの断面を有する長いストリップ
    状の金属片からなり、幅の広い正面（３）と背面（４）
    を貫通して多数のねじ孔（２）が長さ方向に沿って所定
    の間隔を置いて形成された骨癒合手術用内固定金属板
    （１）において、上記の各ねじ孔（２）の間ごとに幅の
    狭い両方側面（６）を貫通するように多数のワイヤ孔
    （５）が設けられ、ワイヤ（１０）がしっかり固定でき
    るように構成されていることを特徴とする骨癒合手術用
    内固定金属板。
JP4180468A 1991-06-14 1992-06-15 骨癒合手術用内固定金属板 Expired - Fee Related JPH0714395B2 (ja)

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