JPH071417U - メガネフレームの鼻当てパット取着構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品点数が少なく、構造も簡単であって、組
付けがワンタッチで行い得る鼻当てパットの取着構造の
提供。 【構成】 本考案の鼻当てパットの取着は、脚の先端に
形成したボール又は軸受けに、鼻当てパットに形成した
軸受け又はボールを互いに嵌合して連結し、脚の中間に
は応力の逃がし部（湾曲部）を形成している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はメガネフレームの鼻当てパットを支持するための構造に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

メガネはフロントフレームの中央に取着した鼻当てパットと、該フロントフレ ームの両サイドに取着したツルとで顔に掛けられる。鼻当てパットは鼻に当接し て支持され、ツルは顔の両脇から耳にかけて延びている。ところで、鼻当てパッ トは鼻になじむことが出来るように、樹脂製で滑らかな曲面を有し、また、方向 が変わるようにある程度の自由度（ガタ付き）を持っている。

【０００３】 図４は従来の鼻当てパット(イ) を取着している構造を示しているが、該鼻当て パット(イ) に埋設した止め金具(ロ) は裏面から突出し、フロントフレームから延 びている脚先端に固定した箱(ハ) に取着されている。上記止め金具(ロ) には孔(ニ ) が貫通しており、該孔(ニ) には箱(ハ) に止着したビス(ホ) が挿通しているが、 ビス(ホ) は孔(ニ) より細くなっているため、鼻当てパット(イ) はある程度ガタ付 き、その方向が変わり得る。

【０００４】 このように、鼻当てパット(イ) はその向きを変えることにより、色々な形状の 鼻になじませてフロントフレームを支持することが出来る訳であるが、同図に示 す従来の鼻当てパット取着構造は複雑であり、そのため、製作や組立て作業に時 間がかかり、コスト的にも高くなってしまう。特に上記ビス(ホ) は細くて小さい ために、取扱いにくく、鼻当てパットの取着作業にも熟練を要す。

【０００５】

【本考案が解決しようとする課題】

このように、従来の鼻当てパットの取着には上記のごとき問題がある。本考案 が解決しようとする課題はこれら問題点であって、構造が簡単で、組立てが容易 な鼻当てパット取着構造を提供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の鼻当てパット取着構造は次の特徴をもって構成している。本考案は従 来の箱脚を用いないで、片方にボール軸を設け、他方にはボールを包み込む軸受 けを形成した鼻当てパット取着構造とする。軸受けは弾性に富む樹脂製とし、ボ ール軸は同じく樹脂製であったり、金属製であったりする。軸受けは中央に入口 孔と切欠き溝が形成されていて、そのためボール軸は軸受けに着脱可能としてい る。また、脚は曲げたり、たわみ変形する際に基部に大きな曲げモーメントが作 用して破損しないように、曲げ応力の逃がし部（湾曲部位）を形成している。

【０００７】 ところで、鼻当てパットを支える脚は金属製フレームに金属製の脚をロウ付け する場合、また樹脂製フレームに金属製脚を埋着して止着したり、樹脂製の脚を 一体成形する場合、更にレンズ止着用のリムを用いないで、両レンズを概略門型 とした連結部材を使用して互いに連結する場合も同じく、この連結部材が樹脂製 であれば脚は樹脂製で一体成形され、金属質の場合は金属製フレームの時と同じ ように、金属製の脚をロウ付けする。以下、本考案に係る実施例を図面に基づい て詳細に説明する。

【０００８】

【実施例】

図１は連結部材１を用いて構成したメガネを示している。連結部材１は左右の レンズ２、２を連結するための部材であって、該レンズ２、２は連結部材１の側 片３、３に外周を当接し、側片３、３から外方向へ突出した止着片４、４にビス 止めされている。また、レンズ２の外側には同じように止着片５を介してビス止 めしたヨロイ６が取着され、ヨロイ６にはツル７が蝶番８を介して折畳み可能に 連結している。したがって、このメガネにはレンズ２、２を保持するためのリム を用いていない。

【０００９】 ところで、上記連結部材１には鼻当てパット９が取着されるが、該鼻当てパッ ト９は側片３の裏側から延びる脚先端に止着される。図２はこの連結部材１の裏 側を斜視図にて示している。連結部材１は概略門型を成した形状で、上片１０の 両端を下方へ屈曲した両側片３、３、を有し、側片３、３、の裏面には止着片４ 、４を、更に止着片４、４からは脚１１、１１が延びていて、これらは樹脂を材 質とした一体成形品である。

【００１０】 脚１１は樹脂製である場合は勿論のこと、金属製の場合であっても、湾曲変形 することの出来る材質及び適当な太さとなっている。しかし、脚１１が湾曲変形 した際の曲げモーメントが基部に作用して破損しないように、中間にて応力の逃 がし部となる湾曲部位を有している。そして、脚先端にはボール１２を形成して おり、このボール１２は鼻当てパット９側に設けた軸受けに嵌入する。鼻当てパ ット９は樹脂製の一体成形品であり、上記軸受けも同時成形される。

【００１１】 図３は鼻当てパット９を示しているが、同図に示すように鼻当てパット９の裏 側には軸受け１３が形成され、軸受け１３は上記ボール１２が嵌入するための空 洞１４を有し、また空洞１４には入口孔１５と切欠き溝１６、１６を形成し、上 記ボール１２を入口孔１５へ押込むことにより、ボール１２は該空洞１４へ嵌入 することが出来る。すなわち、従来のような小さいビスを螺合して止着する必要 がなく、ワンタッチ方式にて鼻当てパット９の取着を可能とする。図３に示す軸 受け１３はその入口孔１５を鼻当てパット９の背面方向に形成しているが、この 方向は限定されず、前記脚１１の先端形状によって自由に変化する。

【００１２】 ところで、前記実施例は連結部材１に脚１１、１１を一体成形したものであり 、該脚１１、１１は上片１０及び側片３、３と同一材質の樹脂製となるが、上記 連結部材１を金属製としてもよい。勿論、金属製の連結部材１であれば、金属製 の脚１１、１１をロウ付け加工する。同じように左右にリムを形成したフロント フレームでは、リムに上記脚１１、１１をロウ付けし、また、樹脂製のフロント フレームの場合には、上記脚１１、１１をフロントフレームの成形と同時に埋着 してしまう。

【００１３】 そして、これらいずれの場合であっても、鼻当てパット９は樹脂製とし、該鼻 当てパット９と同時成形した軸受け１３に、脚１１先端のボール１２を嵌入して 止着する。勿論、軸受け１３とボール１２を逆にして、鼻当てパット９側にボー ル１２を形成し、脚１１側に軸受け１３を形成することも出来る。脚１１に軸受 け１３を形成した場合には、ボール１２が嵌入出来るように変形可能な樹脂製と する。以上述べたように、本考案の鼻当てパット取着構造は、湾曲自由な脚の先 端にボール又は軸受けを形成し、鼻当てパットは互いに連結する軸受け又はボー ルを成形したもので、次のような効果を得ることが出来る。

【００１４】

【考案の効果】

本考案の鼻当てパットは球状のボールと該ボールが嵌入する軸受けにて取着さ れるため、脚先端への鼻当てパット取着作業はワンタッチ方式で可能となる。従 来のような小ネジを使用せず、組立て作業が簡略化されるのみならず、部品点数 も削減されるために製作コストは大幅に低下する。また、樹脂製の軸受けはボー ルがガタ付くことなく包み込み、鼻当てパットを任意の方向に向けることが出来 、あらゆる形状の鼻にフィットする。そして、脚は湾曲変形可能であって、鼻当 てパットの位置を微調整する場合に該脚を曲げ変形しても、曲げ応力が脚の基部 に集中して折れないように、中間には応力の逃がし部となる湾曲部位を形成して いる。

【図面の簡単な説明】

【図１】連結部材を用いたメガネ。

【図２】連結部材に脚を一体成形した本考案の実施例。

【図３】本考案の鼻当てパットの実施例。

【図４】従来の鼻当てパット取着構造。

【符号の説明】

１ 連結部材 ２ レンズ ３ 側片 ４ 止着片 ５ 止着片 ６ ヨロイ ７ ツル ８ 蝶番 ９ 鼻当てパット 10 上片 11 脚 12 ボール 13 軸受け 14 空洞 15 入口孔 16 切欠き溝

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右のレンズを互いに連結する概略門型
   の連結部材であって、該連結部材の裏側に湾曲した脚を
   設け、脚の先端にはボール又は軸受けを形成し、一方の
   鼻当てパットは該パットと一体成形した軸受け又はボー
   ルを有し、軸受けはボールが嵌入するための空洞と入口
   孔及び切欠き溝を形成し、更に上記脚は曲げ応力を逃が
   すための湾曲部位を中間に形成したことを特徴とするメ
   ガネフレームの鼻当てパット取着構造。
2. 【請求項２】 フロントフレームのリムに脚の端を止着
   し、該脚先端にはボール又は軸受けを形成し、一方の鼻
   当てパットは該パットと一体成形した軸受け又はボール
   を有し、軸受けはボールが嵌入するための空洞と入口孔
   及び切欠き溝を形成し、更に上記脚は曲げ応力を逃がす
   ための湾曲部位を中間に形成したことを特徴とするメガ
   ネフレームの鼻当てパット取着構造。
3. 【請求項３】 上記フロントフレームと脚を一体成形し
   た請求項２記載のメガネフレームの鼻当てパット取着構
   造。