JP3005794U - 眼鏡枠のパッド取り付け部品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 眼鏡のパッド取り付け部品に、部品点数が少
ない新規な構造を得て、組立が容易で、装用感に優れた
眼鏡を提供する。 【構成】 パッド足のパッド取り付け側端部に、パッド
取り付け部分とパッド足の間に湾曲を形成し、さらに、
カギ形状に湾曲し、先端が側面に接近する構造の線材か
ら成るパッド取り付け部分を備え、パッド取り付け部分
の先端を、パッド芯に設けた孔に通して、パッド取り付
け部分でパッドを保持する。材質としてはポリアリルサ
ルホン樹脂、ポリフェニルサルホン樹脂、金属を用い
る。ブリッジと左右のパッド取り付け部品の一体成形も
可能である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、眼鏡のパッド取り付け構造に関する。詳しくは、パッド足を含むパ ッド取り付け構造を有する部品に関する。

【０００２】

【従来の技術】

眼鏡は、レンズを固定するフロントに備えたテンプルにより支持される構造を 有する。枠材により、プラスチック枠、金属枠、コンビネーション枠に分類され る他、枠形状によりツーポイント枠、みぞほり枠などがある。

【０００３】 プラスチック製のフロントに、パッドをリムないしブリッジに直に固定し、一 体化させるものの他は、金属製のパッド足およびパッド箱を介し、パッドに備え たパッド芯をパッド箱に収めてネジで固定し、パッド足をフロントに固定してい る。

【０００４】 フロントがプラスチック製の場合は、パッド足を埋設し、さらには接着剤を併 用して接続する。いわゆるツーポイントでは、レンズにネジ穴を開けて、パッド 足にはネジ穴を有する座金を備えてネジ止めしている。フロントが金属製の場合 は、パッド足をロー付け等により接続している。

【０００５】 従来の眼鏡のパッド取り付け部品について一例を挙げて、図面とともに説明す る。図１は、従来の眼鏡のパッド取り付け部品の一例を示す説明図である。金属 製のパッド足１の先端には、ロー付けにより接続されたパッド箱２を有する。パ ッド足１は、フロントが金属製である場合はロー付けにより、フロントが樹脂製 である場合は埋設等により接続される。パッド足１とパッド箱２も、ロー付け等 により接続される。

【０００６】 パッド箱２は、パッド芯を収めて固定する部材で、パッド芯の収容部にネジ孔 を有する。直接皮膚に接するパッド４には樹脂を用いて、装用感の向上を図って いる。パッド４には、パッド箱２に収容する突状のパッド芯があり、そこにネジ を通じる孔が設けられている。パッド芯には、パッドと一体成形された樹脂製の ものと、パッドに埋設された金属製のものがある。ネジ３は、パッド箱２にパッ ドを固定する部品である。

【０００７】 パッド芯をパッド箱に収め、ネジで固定すると、図２に示すようにパッド取り 付け構造が完成する。パッドは、ネジでパッド箱に接続されているが、パッド芯 がパッド箱の収容部より小さく、パッド芯の孔はネジより大きくして、パッドが 揺動できるようにしている。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように従来の眼鏡は、パッド取り付け部品にパッド足およびパッド箱、 パッド、ネジを用いている。パッドは、パッド芯をパッド箱に収めてネジ止めし 、パッド足はフロントにロー付けしている。

【０００９】 一方、パッドは、小型の部品で構成されるが、眼鏡の荷重負担が大きい箇所で あるため、ロー離れを起こすことがある。また、パッドはネジで固定されている が、眼鏡の着脱の繰り返しにより、パッドをパッド箱に固定するネジが緩んで、 パッドが脱落する場合がある。

【００１０】 パッドの揺動では眼鏡使用者の個人差には対応できないため、パッド足の変形 によりパッドの傾斜を調整する必要がある。そのため、調整を重ねると、金属製 のパッド足が変形による疲労から破損する恐れがある。

【００１１】 パッド取り付け構造は、パッド足、パッド箱、パッド、ネジ等、部品点数が多 い。小型部品の組立は容易ではない上、金属製のパッド足とパッド箱の接続にロ ー付けを必要とする等、完成に要する作業工程が多く、コストにも反映されてい る。眼鏡は、軽量化して装用感を改善するためにも、コストを押さえて組立を容 易にするためにも、部品点数を減らすことが望ましい。

【００１２】 本考案は、眼鏡のパッド取り付け部品に、部品点数が少ない新規な構造を得て 、組立が容易で、装用感に優れた眼鏡を提供することを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために本考案では、パッド足のパッド取り付け端部をカ ギ形状に湾曲させた部品を用いる。このカギ形状の先端が、パッドの取り付け用 孔に差し込まれる。この場合、カギ形状の部分は先端部より少し中に入った部分 の方が部材の間隔が広いので、一旦、差し込まれたパッドは抜け落ちにくい。ま た、線材の間隔が広くなっているので、パットの回転揺動も可能である。

【００１４】 本考案の形状のパッド取り付け部品は、金属でも作ることができるが、ポリフ ェニルサルホン樹脂、ポリアリルサルホン樹脂を用いて一体成型により作ること ができる。とくにポリフェニルサルホン樹脂およびポリアリルサルホン樹脂は、 機械的強度、超弾性、耐衝撃性、耐薬品性に優れているため、部品の細線化が可 能で、使用による変質も起こらず、優れた機能を有する。

【００１５】

【実施例】

本考案のパッド取り付け部品の一例を図面とともに詳細に説明する。図３は本 考案の眼鏡のパッド取り付け部品の一例を示す説明図である。本考案のパッド取 り付け部品は、パッド足５、パッド取り付け部分６から成り、この例ではブリッ ジ７が一体化されている。パッド足５とパッド取り付け部分６の間には、屈曲部 が形成されている。本考案のパッド取り付け部品には、従来と同様のパッド芯８ を備えたパッド９が接続される。

【００１６】 本考案のパッド取り付け部品は、図４に示すように、パッド９のパッド芯８の 孔にパッド取り付け部分６の先端を挿入すれば、パッドの取付が完了する。パッ ド取り付け部分６の先端の間隔が狭いため、取り付けたパッド９はパッド芯８に より、パッド取り付け部分のカギ形状の間隔が広い部分に保持される。保持され たパッドは回転、揺動が可能である。

【００１７】 本考案のパッド取り付け部品の他の実施例を図面とともに説明する。図５は本 考案のパッド取り付け部品の他の実施例を示す説明図である。この実施例では、 左右のリムのそれぞれ接続される一対の部品から成るパッド取り付け部品を金属 枠にロー付けで固定したものである。

【００１８】 図のようにパッド足は、リムにロー付けで固定されており、カギ形状のパッド 取り付け部分には、パッド取り付け部分先端から挿入したパッド芯によりパッド が保持されている。

【００１９】

【考案の効果】

上記のように本考案のパッド取り付け部品によれば、パッド箱、ネジが不要で ある。そのため、パッド箱のロー離れや、ネジの緩みや脱落などの問題が解消し 、部品点数が減り、ロー付け箇所も少なくなる。本考案のパッド取り付け部品を 用いることにより、軽量な眼鏡が得られ、眼鏡を組み上げる作業が容易になる。 眼鏡作製に要する作業工程が省力化し、コストが削減できる。パッド足に続くカ ギ形状に湾曲したパッド取り付け部分に、パッド芯を通じてパッドを保持する構 造であるため、パッドの取り外し、取り替えが容易で、眼鏡支持部材の清潔を保 つことが出来る。

【００２０】 パッドの揺動が自在で、パッド足部分に湾曲を形成し、あるいは、ポリフェニ ルサルホン樹脂、ポリアリルサルホン樹脂等を用いることにより、弾性が増すた め、装用感に優れた眼鏡が提供できる。パッドの揺動に自由度が大きく、装着性 が良好であるため、調整範囲が小さくなる。パッド足の変形による調整が減るた め、疲労による破損も起こり難くなるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の眼鏡のパッド取り付け部品の一例を示す
説明図である。

【図２】従来の眼鏡のパッド取り付け部品の一例を示す
説明図である。

【図３】本考案の眼鏡のパッド取り付け部品の一例を示
す説明図である。

【図４】本考案のパッド取り付け部品の実施例を示す説
明図である。

【図５】本考案のパッド取り付け部品の実施例を示す説
明図である。

【符号の説明】

１ パッド足 ２ パッド箱 ３ ネジ ４ パッド ５ パッド足 ６ パッド取り付け部分 ７ ブリッジ ８ パッド芯 ９ パッド １０ パッド足 １１ パッド取り付け部分

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 眼鏡枠部品において、パッド芯の孔に通
   じる線状部材をカギ形状に湾曲したパッド取り付け部を
   備えたことを特徴とするパッド取り付け部品。
2. 【請求項２】 眼鏡枠部品において、パッド芯の孔に通
   じる金属からなる線状部材をカギ形状に湾曲したパッド
   取り付け部を備えたことを特徴とするパッド取り付け部
   品。
3. 【請求項３】 眼鏡枠部品において、パッド芯の孔に通
   じるポリフェニルサルホン樹脂からなる線状部材をカギ
   形状に湾曲したパッド取り付け部を備えたことを特徴と
   するパッド取り付け部品。
4. 【請求項４】 眼鏡枠部品において、パッド芯の孔に通
   じるポリアリルサルホン樹脂からなる線状部材をカギ形
   状に湾曲したパッド取り付け部を備えたことを特徴とす
   るパッド取り付け部品。
5. 【請求項５】 眼鏡枠部品において、パッド芯の孔に通
   じる線状部材をカギ形状に湾曲させたパッド取り付け部
   を備え、前記パッド取り付け部とパッド足との間に屈曲
   部を備えたことを特徴とするパッド取り付け部品。
6. 【請求項６】 眼鏡枠部品において、パッド芯の孔に通
   じる金属からなる線状部材をカギ形状に湾曲させたパッ
   ド取り付け部を備え、前記パッド取り付け部とパッド足
   との間に屈曲部を備えたことを特徴とするパッド取り付
   け部品。
7. 【請求項７】 眼鏡枠部品において、パッド芯の孔に通
   じるポリフェニルサルホン樹脂からなる線状部材をカギ
   形状に湾曲させたパッド取り付け部を備え、前記パッド
   取り付け部とパッド足との間に屈曲部を備えたことを特
   徴とするパッド取り付け部品。
8. 【請求項８】 眼鏡枠部品において、パッド芯の孔に通
   じるポリアリルサルホン樹脂からなる線状部材をカギ形
   状に湾曲させたパッド取り付け部を備え、前記パッド取
   り付け部とパッド足との間に屈曲部を備えたことを特徴
   とするパッド取り付け部品。