JP3008213U - 眼 鏡 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ツーポイント枠において、ロー付け箇所が少
なく、調整が容易で、レンズの安定支持が可能な枠部品
を得て、丈夫で軽量な眼鏡を提供する。 【構成】 ネジ穴を有するレンズ止めと、レンズ止めか
らブリッジに至る部分に、レンズに加工した凹状の切り
欠きに装着される曲部を有するブリッジ部品、ネジ穴を
有するレンズ止めと、レンズ止めからヨロイに至る部分
に、レンズに加工した凹状の切り欠きに装着される曲部
を有するヨロイ部品を用いて、枠構成部品を固定するネ
ジ穴と側面に凹状の切り欠きを有するレンズを固定支持
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ヨロイ、ブリッジを任意の位置に取付可能なリムレス眼鏡枠に関す る。詳しくは、ツーポイント眼鏡枠のレンズとヨロイ、ブリッジとの接続構造に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の眼鏡の形態には、さまざまな種類があり、材質およびレンズの支持構造 によって分類することが出来る。フロントの主要部分を構成する材質によって、 プラスチック枠と金属枠、プラスチックと金属のコンビネーション枠の形態があ る。プラスチック枠、金属枠およびコンビネーション枠は、いずれもレンズをリ ムで支持固定する眼鏡枠である。他方、リムを用いずにレンズを固定する形態の 眼鏡枠には、ふちなし枠とみぞほり枠が挙げられる。

【０００３】 ふちなし枠は、シャシーを用いるものと用いないものに分けられる。シャシー を用いるものは、リムバーないしブローバーを、レンズに空けたネジ穴にネジ等 で固定し、レンズを支持する枠である。シャシーを用いないものは、一般的にツ ーポイント枠と呼ばれ、ブリッジやヨロイ等をレンズに空けたネジ穴に直にネジ 等で固定して、レンズを支持する枠である。みぞほり枠は、レンズの下部に外周 に彫った溝にバンド等を通じ、ブローバー等にレンズを吊止して保持する枠であ る。

【０００４】 以上のような各種眼鏡枠は、装用感の向上や新しいデザインの追求を目的とし て考案されている。装用感の向上には、眼鏡の適合状態と眼鏡の軽量化が重要で ある。適合状態の優れた眼鏡を得るには、眼鏡枠の中から使用者の顔形状、視力 矯正の目的にいちばん近いものを選び、さらに部品を変形させて顔の形状、目的 に合わせた微調整を行う方法が採られている。軽量化は、おもに軽質枠材の利用 や、部品構造や部品点数の減少により実現されている。

【０００５】 新しいデザインは、装用感を向上するために眼鏡枠の形態が変わった結果とし て出現する場合もあるが、装飾性の希求から案出されることも多い。また、目立 たない眼鏡が求められることが多い。

【０００６】 このように眼鏡枠に装用感の向上と新しいデザインが求められる中、最近では いわゆるツーポイント枠の需要が増えている。リムやシャシーがなく、各部品が 小型化できるため、軽量で目立たない眼鏡が得られる枠種として期待されている 。

【０００７】 従来のツーポイント枠について図面とともに説明する。図１は、従来のツーポ イント枠の一例を示す斜視図である。レンズ１、レンズ止め３とレンズあて４を 有するブリッジ２、レンズ止め５とレンズあて６を有するヨロイ７、その他パッ ド足およびパッド箱、パッド、テンプル等の部品で構成されている。

【０００８】 ブリッジ、ヨロイは、レンズの所定の箇所に空けられたネジ穴にレンズ止めと ネジ等を用いて固定する。パッド足およびパッド箱は、ブリッジのレンズ止めの 固定位置を保持するレンズあての部分にロー付けにて接続している。ヨロイには 丁番を介してテンプルがネジ止めされる。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

前述の通り、眼鏡枠は、軽量化等による装用感の向上を含めてデザインの多様 化が進められる中で、いわゆるツーポイント枠は、リムを用いる他の種類の眼鏡 枠と比べて、もとより構成部品が軽小で部品点数が少なく、眼鏡の装用に伴う印 象変化を抑えることが出来るため、他種の眼鏡枠では困難とされるような装飾的 効果や装用感を期待されている。

【００１０】 ツーポイント枠は、ブリッジやヨロイと、レンズ止め、レンズあてをロー付け して作製した構成部品をレンズに接続する際、レンズあてで固定位置を支持し、 ネジを用いて、レンズ止めをレンズのネジ穴に固定している。このような接続構 造である上、もともと各部品が小さく、枠を構成する部品点数も少ないため、構 成部品にかかる強度の負担が大きい。ツーポイント枠は、他種の眼鏡枠より技術 的に強度不足の問題が大きく、ロー離れを起こしやすい。

【００１１】 一般に金属部品のロー付け箇所は、強度不安があるため、ロー付け工程を極力 減らして、強度の維持と省力化をはかることが望ましい。特にツーポイント枠は 、強度不足を解消するため、ロー付け箇所が少ない部品が求められている。

【００１２】 軽量化を図るには、軽質材や強度のある材料を用いて、軽小な部品を作製する のが有効であるが、ツーポイント枠は強度の維持を最優先させる必要があるため 、枠材として利用できる材料が限られている。ツーポイント枠は、技術的に各部 品の軽量化が難しいが、他種の眼鏡枠からは得られにくい効果を期待されており 、部品の軽小化、強度の向上が求められている。

【００１３】 ツーポイント枠は、レンズあてでレンズ側面を支えて、レンズ止めをネジで固 定する接続構造である。デザインにかなりの制約がある上、ブリッジやヨロイの 接続位置は一箇所に定まっており、変更できない。レンズの切り出しやネジ穴の 加工誤差に大きく影響され、レンズあてがレンズカーブが厳密に一致しないと固 定状態が安定しない。微小な加工誤差からガタつきを生じて、ネジが緩み、脱落 することがある。

【００１４】 眼鏡を組み上げた後は、必要に応じて部品の変形による微調整が行われること が多いが、ツーポイント枠では変形による強度低下も問題となる。レンズを支持 固定するレンズあては、レンズの側面を面で支持する形状を成しているため、変 形が容易でなく、調整可能な量も少ない。

【００１５】 本考案は、ツーポイント枠において、ロー付け箇所が少なく、調整が容易で、 レンズの安定支持が可能な枠部品を得て、丈夫で軽量な眼鏡を提供することを目 的とする。

【００１６】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、本考案のツーポイント枠は、枠構成部品として 、ネジ穴を有するレンズ止めと、レンズ止めからブリッジに至る部分に、レンズ に加工した凹状の切り欠きに嵌着される曲部を有するブリッジ部品、ネジ穴を有 するレンズ止めと、レンズ止めからヨロイに至る部分に、レンズに加工した凹状 の切り欠きに嵌着される曲部を有するヨロイ部品を用いて、枠構成部品を固定す るネジ穴と側面に凹状の切り欠きを有するレンズを固定支持する。

【００１７】 ブリッジ部品またはヨロイ部品に備えるレンズ止めは、従来通りにレンズの一 方の面に接し、レンズの他方の面からネジ止めされる。しかし、本考案のブリッ ジ部品またはヨロイ部品は、レンズあてがなく、レンズ止めからブリッジまたは ヨロイに至る部分において、レンズ止めが接するレンズの一方の面から、ネジを 差し込むレンズの他方の面へ向かって、レンズ側面に沿う方向に曲がる曲部をレ ンズ装着部としている。

【００１８】 一方、本考案のツーポイント枠に用いるレンズは、ブリッジ部品またはヨロイ 部品に備えるレンズ止めを固定するネジ穴と、ブリッジ部品またはヨロイ部品の レンズ装着部を嵌着する凹状の切り欠きを加工する必要がある。本考案のブリッ ジ部品またはヨロイ部品は、レンズあてがないので、レンズに加工するネジ穴と 凹状の切り欠きの位置により、適宜固定位置を任意に定めることも可能である。

【００１９】 本考案のツーポイント枠について図面ととともに詳細を説明する。図２は本考 案のツーポイント枠の一例を示す斜視図である。ブリッジ３０とヨロイ２０のレ ンズ装着部が、レンズ１０の切り欠きに嵌着され、レンズ止めとネジ穴がネジで 固定されている。

【００２０】 レンズ１０は、図３に示すようにブリッジを固定するためのネジ穴１１と切り 欠き１３、ヨロイを固定するためのネジ穴１２と切り欠き１４が加工されている 。図の例では、ブリッジ、ヨロイともレンズの高い位置に固定するものである。 本考案のツーポイント枠は、適宜ブリッジ、ヨロイの固定位置を決めることが出 来る。

【００２１】 この切り欠き部はヨロイとブリッジの一部と嵌合する形状をなしており、ネジ 穴１１、１２を通してネジ留めされることで眼鏡が組み立てられる。図４および 図５はレンズの切り欠き部付近の拡大図である。

【００２２】 図６はヨロイの斜視図である。レンズ止め２１からヨロイ部２３に至る箇所に 、レンズ装着部２２を有する。レンズ装着部２２は図のように曲部で構成されて おり、レンズ止め２１とレンズ装着部２２の形状や配置は、レンズに加工するネ ジ穴と凹状の切り欠きに一致する。一例に示すヨロイは、レンズ止め２１からレ ンズ装着部２２、ヨロイ部２３までの一体成形部品である。図７はレンズとヨロ イの結合部の拡大図である。

【００２３】 図８はブリッジの斜視図である。レンズ止め３１からブリッジ部３３に至る箇 所にレンズ装着部３２を有する。レンズ止め３１はブリッジ部３３の両端にあり 、図中のパッド足３４およびパッド３５の向きからわかるように、この一例では レンズの裏側に接して、レンズ表側からネジ止めするものである。

【００２４】 レンズ装着部３２は図のように、曲部で構成され、やはりレンズ止め３１とレ ンズ装着部３２の形状や配置は、レンズに加工するネジ穴と凹状の切り欠きに一 致する。一例に示すブリッジは、レンズ止め３１、レンズ装着部３２までを一体 成形し、パッド足３４をブリッジにロー付けして形成した部品である。図９はレ ンズとブリッジの結合部の拡大図である。

【００２５】 この他に、ブリッジはパッド足３４、レンズ止め３１からレンズ装着部３２、 ブリッジ部３３までの一体成形部品とすることもできる。

【００２６】 また、図１０に示すようにブリッジ部３３とレンズ止め３１を一体成形し、図 １１に示すようにパッド足３４、レンズ装着部３２、レンズ止め３１を一体成形 し、ブリッジ部３３とパッド足３４をレンズに同じネジで取り付けることもでき る。

【００２７】 図１２は本考案のツーポイント枠の他の一例を示す斜視図である。図１２に示 すツーポイント枠は、図２に示したツーポイント枠と同様の部品を用いているが 、ヨロイを異なる位置に固定したものである。本考案のツーポイント枠の構成部 品は、レンズあてがないため、部品の固定位置は制約がなく、視力矯正や装飾等 の目的により任意の位置に固定することが出来る。

【００２８】 以上、本考案のツーポイント枠について一例を挙げて説明したが、本考案はこ の一例には限定されず、レンズ止めとネジを用いて枠構成部品をレンズに直に固 定する眼鏡枠部品について適用が考えられる。また、ヨロイないしブリッジの一 方のみの適用も可能である。

【００２９】

【考案の効果】

上記のように本考案のツーポイント枠の構成部品は、レンズあてがなく、レン ズに加工した凹状の切り欠きに嵌着する曲部を有し、曲部の嵌着、レンズ止めお よびネジで固定している。レンズあてがないため、組み合わせるレンズは、玉型 形状に制限されず、任意のレンズを用いることが出来、特別なレンズ加工機が不 要となる。また構成部品を、レンズ周囲の任意の箇所に固定することが出来るな ど、調整範囲の広い眼鏡が得られる。

【００３０】 従来のツーポイント枠の構成部品に必要だったレンズあてがないため、デザイ ンの自由度も大きくなる。レンズあてがない分、ロー付け箇所が減るため、作業 工程が省力化でき、ロー離れの問題も解消する。レンズあてがなくなる分、部品 形状が簡略化され、一体成形が可能となるなど、作業工程の省力化によりコスト が低減する。レンズあてによるデザインの制約が解消し、新規な形態のツーポイ ント枠を提供できる。

【００３１】 レンズあてによるレンズと構成部品の制約がなくなり、別個に設計されたレン ズと枠構成部品を組み合わせて用いることが可能となる。レンズと枠構成部品の 組み合わせも枠構成部品の取付位置も自在であるため、使用者の個性に適合する 装用感に優れた眼鏡が得られる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のツーポイント枠の一例を示す斜視図であ
る。

【図２】本考案のツーポイント枠の一例を示す斜視図で
ある。

【図３】本考案のツーポイント枠に用いるレンズを示す
斜視図である。

【図４】本考案のツーポイント枠に用いるレンズの部分
拡大図である。

【図５】本考案のツーポイント枠に用いるレンズの部分
拡大図である。

【図６】本考案のツーポイント枠のヨロイの一例を示す
斜視図である。

【図７】本考案のツーポイント枠のヨロイとレンズの結
合を示す部分拡大図である。

【図８】本考案のツーポイント枠のブリッジの一例を示
す斜視図である。

【図９】本考案のツーポイント枠のブリッジとレンズの
結合を示す部分拡大図である。

【図１０】本考案のツーポイント枠のブリッジの一例を
示す斜視図である。

【図１１】本考案のツーポイント枠のパッド足部の一例
を示す斜視図である。

【図１２】本考案のツーポイント枠の他の一例を示す斜
視図である。

【符号の説明】

１ レンズ ２ ブリッジ ３ レンズ止め ４ レンズあて ５ レンズ止め ６ レンズあて ７ ヨロイ １０ レンズ １１ ネジ穴 １２ ネジ穴 １３ 切り欠き １４ 切り欠き ２０ ヨロイ ２１ レンズ止め ２２ レンズ装着部 ２３ ヨロイ部 ３０ ブリッジ ３１ レンズ止め ３２ レンズ装着部 ３３ ブリッジ部 ３４ パッド足 ３５ パッド

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 枠構成部品を直接、レンズに固定するツ
   ーポイント眼鏡枠において、凹状の切り欠きとネジ穴を
   有するレンズと、ネジ穴を有するレンズ止めを備えるブ
   リッジ部品であって、当該レンズ止めからブリッジに至
   る部分に前記レンズの凹状の切り欠きに嵌着される曲部
   を有するブリッジ部品、ネジ穴を有するレンズ止めを備
   えるヨロイであって、当該レンズ止めからヨロイに至る
   部分に前記レンズに加工した凹状の切り欠きに嵌着され
   る曲部を有するヨロイ部品との組み合わせから成ること
   を特徴とする眼鏡。
2. 【請求項２】 枠構成部品を直接、レンズに固定するツ
   ーポイント眼鏡枠において、凹状の切り欠きとネジ穴を
   有するレンズと、ネジ穴を有するレンズ止めを備えるパ
   ッド足部品であって、当該レンズ止めからパッド足に至
   る部分に前記レンズの凹状の切り欠きに嵌着される曲部
   を有するパッド足部品と、ブリッジとレンズ止めを一体
   成形したブリッジ部品との組み合わせから成ることを特
   徴とする眼鏡。
3. 【請求項３】 枠構成部品を直接、凹状の切り欠きとネ
   ジ穴を有するレンズに固定するリムレス眼鏡枠におい
   て、ネジ穴を有するレンズ止めを備えるブリッジ部品で
   あって、該レンズ止めからブリッジに至る部分が前記レ
   ンズの凹状の切り欠きに嵌着される曲部を有することを
   特徴とする眼鏡部品。
4. 【請求項４】 枠構成部品を直接、凹状の切り欠きとネ
   ジ穴を有するレンズに固定するリムレス眼鏡枠におい
   て、ネジ穴を有するレンズ止めを備えるヨロイであっ
   て、該レンズ止めからヨロイに至る部分に前記レンズに
   加工した凹状の切り欠きに嵌着される曲部を有すること
   を特徴とする眼鏡部品。
5. 【請求項５】 枠構成部品を直接、凹状の切り欠きとネ
   ジ穴を有するレンズに固定するリムレス眼鏡枠におい
   て、ネジ穴を有するレンズ止めを備えるパッド足部品で
   あって、当該レンズ止めからパッド足に至る部分に前記
   レンズの凹状の切り欠きに嵌着される曲部を有すること
   を特徴とする眼鏡部品。