JP3003718U - メガネフレームの鼻当てパット支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 メガネフレームの鼻当てパットを取着する為
の支持構造において、該支持構造や製作が簡単であると
共に、メガネを着用しても疲れが少なく、更に着用した
メガネが位置ズレしない鼻当てパットの支持構造の提
供。 【構成】 鼻当てパットの裏面には円筒バネから成る止
め金具を突出し、止め金具の先端には複数枚のバネ片１
１を円筒状にして円筒部１２よりも外径を大きくして形
成し、フロントフレームから延びた脚先端には円筒部１
２よりも大きくてバネ片外径よりも小さい孔を有すリン
グ１４を形成し、また止め金具の円筒部１２にはコイル
バネ１３を遊嵌してリング１４に止め金具を挿通する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はメガネフレームの鼻当てパットを支持する構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

メガネは顔に掛けることで機能し得るもので、顔に掛ける際、該メガネは２本 のツルと両鼻当てパットにより耳と鼻で支えられる。近年のメガネフレームはチ タン等の軽い材質が用いられ、かつレンズもプラスチックをコーティングしたも ので、ガラスレンズに比べて軽くなった訳であるが、メガネ全体の重量はフロン トフレーム部に偏在していることもあり、このように軽量化されたメガネであっ ても長時間にわたって着用していれば鼻両脇に痛みを感じる。

【０００３】 又、軽いメガネであっても滑り落ちようとする現象は同じく発生し、該メガネ が多少なりとも滑り落ちればツルが引張られて耳元も痛くなる。さらに滑り落ち ることによりレンズの焦点がズレてしまい、見えにくくなると同時に視力も一層 低下する。鼻当てパットはリムの一部から伸びた金具先端にロウ付けされた箱に ビスを介して軸支されるもので、該鼻当てパットには多少なりの自由度が与えら れ、上記ビスを中心軸とする揺動並びにビス孔を大きくすることでの動きが与え られ、それぞれの鼻にある程度フィットするようになっている。

【０００４】 しかし、鼻の形状が極めて異なる人にとっては、従来の鼻当てパットの動き具 合ではフィットしないこともあり、そのため金具を曲げて調整しているが、鼻当 てパットが鼻の両脇に完全フィットしただけで、メガネの位置ズレを完全に防止 することは出来ない。例えば、体を激しく動かす仕事をする場合、特に運動を行 なう場合等には、鼻当てパットが浮き上がって鼻から離れ、簡単に位置ズレを生 じてしまう。すなわち鼻当てパットが浮き上がってしまえば、フロントフレーム はその位置が定まらずして、位置ズレを生じることは当然である。

【０００５】 また該鼻当てパットの位置を調整するために、支持金具を曲げるならば、ロウ 付けが外れてしまうことも多い。更に、従来の鼻当てパット支持構造は、パット に埋着されて裏側から突出した止め金具を箱にビスを介して揺動可能に軸支する ものであるが、該箱の製作には多くの工程を必要とし、小さなビスを螺合して組 立する作業も面倒である。

【０００６】

【本考案が解決しようとする課題】

このように従来の鼻当てパットには上記のごとき問題がある。本考案が解決し ようとする課題はこれら問題点であって、いかなる形状をした鼻にも支持金具を 曲げることなく正確にフィットし、また体を動かしても鼻から滑り落ちて位置ズ レすることはなく、そして製作や組立も簡単な鼻当てパットの支持構造を提供す る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る鼻当てパット支持構造は次の特徴をもって構成している。すなわ ち鼻当てパットの裏面から止め金具を突出しているが、この止め金具は円筒バネ からなって従来に比べて長く、更に外径は伸縮可能な形態としている。一方、フ ロントフレームから延びた脚先端には所定の内径を有すリングが形成され、該リ ングには上記円筒バネの止め金具が挿通して止着される。そしてリングとパット 間にはコイルバネが介在し、パットの動きによって伸縮する。上記円筒バネはそ の外径が伸縮する為に、リングに先端を押圧するならば縮んでリングに挿通して 取着される。

【０００８】

【作用】

このように本考案の鼻当てパットはバネを介して支持された構造である。勿論 、コイルバネのみでは安定しない為に、バネのガイドとして円筒バネから成る止 め金具を有している。そして鼻当てパットは表面に作用する面圧の大きさに応じ てコイルバネを変形してその位置を変え得る。逆に体の動きによってフロントフ レームが浮上しようとした場合、すなわち鼻から離れようとした場合、鼻当てパ ットはコイルバネの復元力に基づく伸長によって、鼻の肌面から離れることはな く、その結果、位置ズレを生じることを防止する。また止め金具は円筒バネを縮 めて脚先端のリングに挿入し、該止め金具はリングに遊嵌状態にある為に、鼻当 てパットの自由度は大きく、あらゆる形状の鼻にフィットする様に、その向きを 変え得る。以下、本考案に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【０００９】

【実施例】

図１は一般的なメガネフレームの一形態であり、フロントフレーム１はレンズ ２、２を保持・固定するリム３、３が連結板４を介して左右対称にロウ付けされ 、両サイドにはヨロイ５、５が固定され、さらに上記連結板４の下方には鼻当て パット６、６が取着されることで構成している。そして該ヨロイ５にはツル７が 蝶番８を介して開閉自在に連結されている。

【００１０】 ところで、上記鼻当てパット６の詳細を表わしているのが図２である。９はパ ット、１０は止め金具を示し、該止め金具１０は円筒バネから成っており、先端 は外径を大きくしていて、外周からの力により縮むことが出来る。すなわち、湾 曲したバネ片１１、１１…は円筒状を成して先端は細く尖っている。そして円筒 部１２にはコイルバネ１３が遊嵌し、該コイルバネ１３は軸方向に圧縮すること が出来る。ここで、パット９は従来と同じであり、硬質樹脂であったり、軟質の シリコン樹脂であったりする。

【００１１】 図３は止め金具１０をリング１４に挿通して鼻当てパットを取着した場合であ る。該リング１４は所定の大きさの孔を有し、この孔の大きさは複数枚から成る バネ片１１、１１…の外径Ｄよりは小さく、円筒部１２の外径よりは大きく成っ ている。したがって、リング１４を止め金具１０の先端に押し当てるならば各バ ネ片１１、１１…は変形して外径Ｄは小さく成り、リング１４はバネ片１１、１ １…を通過して円筒部１２へ入る。ここで、同図では止め金具の先端にのみバネ 片を形成しているが、円筒部１２まで延ばしてもよく、そうすることでリング１ ４への挿通がより簡単になる。

【００１２】 円筒部１２に入ったリング１４は上記コイルバネ１３をある程度圧縮し、しか もパット９の表面１５に外圧Ｐが作用するならば、該コイルバネ１３は更に圧縮 して縮む。勿論、外圧Ｐを取り除くならばコイルバネ１３は伸長して、パット９ は元の位置に戻される。更に、円筒部１２はリング１４の孔よりも小さくて、隙 間が残されている為に、該円筒部１２はコイルバネ１３を部分的に圧縮してあら ゆる方向を向くことが出来る。したがって、パット９の向きも自由になる。

【００１３】 すなわち、パット９表面１５に作用する圧力はコイルバネ１３を圧縮して後退 し、また、その向きは該コイルバネを部分的に圧縮して変化する。リング１４は 脚の先端に形成されるものであり、該脚はレンズを保持するリム、または両リム を連結する連結板に固定されている。以上述べたように、本考案の鼻当てパット 支持構造はパットには先端にバネ片を有した円筒バネを設け、該円筒バネにはコ イルバネを遊嵌するとともに脚先端に形成したリングに挿通して止着したもので あって、次のような効果を得ることが出来る。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は鼻当てパットをバネでもって支持したもので、該パットはその裏側か ら突出した止め金具が脚先端に形成されたリングをガイドとしてスライドし、ま た該止め金具は所定の範囲内で上下並びに左右方向に揺動する為に、あらゆる鼻 にフィットするようにその位置を変えることが出来る。そして止め金具に遊嵌し たコイルバネは、鼻当てパットを突出させるようにバネ力を付勢する為に、パッ トの表面は鼻の肌面から離れることはなく、パットがいかなる方向に向いていて もコイルバネは部分的に縮んで、鼻とは所定の圧力にて接する。

【００１５】 したがって、体を急激に動かす場合に、フロントフレームが慣性にて鼻から浮 上しようとするが、この場合にもパット表面に作用する押し圧力が低下するなら ば、コイルバネは伸長して該パットを常に鼻の肌面に位置させることになり、メ ガネの位置ズレを防止する。また該コイルバネのバネ力は上記のごとくメガネの 位置ズレを防止するのみならず、該メガネの重みを軽減し、疲れを和らげること が出来る。一方、円筒バネから成る上記止め金具は先端のバネ片を変形すること が出来る為に、脚先端に形成したリングには止め金具を押圧するだけで取着する ことが出来る為に、鼻当てパットの組み付け作業はいたって簡単となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一般のメガネフレーム。

【図２】本考案の鼻当てパットを示す。

【図３】本考案に係る実施例であり、鼻当てパットの支
持構造。

【符号の説明】 １ フロントフレーム ２ レンズ ３ リム ４ 連結板 ５ ヨロイ ６ 鼻当てパット ７ ツル ８ 蝶番 ９ パット 10 止め金具 11 バネ片 12 円筒部 13 コイルバネ 14 リング 15 表面 16 脚

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 メガネのフロントフレームに取着し、該
   フロントフレーム部を支える鼻当てパットにおいて、パ
   ットの裏面には円筒バネからなる止め金具を突出し、該
   止め金具の少なくとも先端には複数枚のバネ片を筒状に
   して円筒部よりも外径を大きくして形成し、一方、フロ
   ントフレームから延びた脚先端には上記円筒部より大き
   くてバネ片外径よりも小さい孔を有すリングを形成し、
   また止め金具の円筒部にはコイルバネを遊嵌してリング
   に止め金具を挿通したことを特徴とするメガネフレーム
   の鼻当てパット支持構造。