JPH0714156A - 磁気ディスク用基板の製造方法 - Google Patents

磁気ディスク用基板の製造方法

Info

Publication number
JPH0714156A
JPH0714156A JP15772193A JP15772193A JPH0714156A JP H0714156 A JPH0714156 A JP H0714156A JP 15772193 A JP15772193 A JP 15772193A JP 15772193 A JP15772193 A JP 15772193A JP H0714156 A JPH0714156 A JP H0714156A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hardened layer
abrasive grains
work cloth
substrate
vickers hardness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15772193A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Yasuda
晋一 保田
Yasunari Yamanobe
康徳 山野辺
Tadahito Kanaizuka
唯人 金井塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP15772193A priority Critical patent/JPH0714156A/ja
Publication of JPH0714156A publication Critical patent/JPH0714156A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ヘッドの浮上量を低く設定してもヘッド
クラッシュが起り難い磁気ディスク用基板の製造方法を
提供すること。 【構成】 硬化層11が形成されたディスク状基板10
を回転させ、かつ、粒径の揃った研摩砥粒と界面活性剤
が少なくとも含まれた水溶液(加工液30)を硬化層表
面に供給しながら上記硬化層に対しこの硬化層よりビッ
カース硬度の低い加工布2を圧接すると共に、硬化層と
加工布間に介在する上記研摩砥粒を硬化層と加工布の両
面へそのビッカース硬度の比に対応した深さ分それぞれ
めり込ませて硬化層表面に微細なテクスチャ溝を形成す
ることを特徴とする。この方法によれば、テクスチャ加
工中、上記硬化層に対する加工布の圧接力が若干変動し
ても硬化層に対する研摩砥粒のめり込み量は略一定に保
たれるため、適度な深さでかつ深さの揃った良好なテク
スチャ溝を簡便に形成することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テクスチャ加工により
粗面化された硬化層を備えCSS方式(コンタクト・ス
タート・アンド・ストップ方式)を採用した磁気ディス
ク装置等に適用される磁気ディスクに係り、特に、磁気
ヘッドの浮上量を低く設定してもヘッドクラッシュが起
り難い磁気ディスク用基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】情報処理システムにおける外部記憶装置
の中で、上記CSS方式(コンタクト・スタート・アン
ド・ストップ方式)を採用した磁気ディスク装置等に適
用される磁気ディスクにおいては、非操作時に上記磁気
ディスクと磁気ヘッド面とが面接触し、また、操作開始
時と停止時において磁気ディスクと磁気ヘッド面とが接
触摺動する。
【0003】そこで、非操作時における磁気ディスク面
への磁気ヘッドの吸着現象を防止し、かつ接触摺動時に
おける磁気ディスクと磁気ヘッド双方のダメージを最小
にしてその耐摩耗性を向上させると共に、磁気記録層の
磁気異方性を円周方向に付与することを目的として、従
来においては非磁性基板に設けられた硬化層表面をテク
スチャ加工して上記表面に同心円状の微細なテクスチャ
溝を形成している。
【0004】すなわち、この種の磁気ディスクを製造す
るには、高純度アルミニウム、セラミックス等から成る
非磁性基板表面に酸化アルミニウム、Ni−Pメッキ等
の硬化層を形成し、この硬化層表面にラップ加工、ポリ
ッシュ加工を施して鏡面加工した後、上記テクスチャ加
工を施して硬化層表面に微細なテクスチャ溝を形成す
る。次に、上記硬化層表面にクロム、クロム合金等非磁
性金属材料から成る下地層を形成し、かつ、この下地層
上に強磁性材料から成る磁気記録層を形成すると共に、
カーボン、SiO2 等から成る保護層と潤滑膜を順次形
成して図4に示すような磁気ディスクを得ている。尚、
図中、aは非磁性基板、bは硬化層、cは下地層、dは
磁気記録層、eは保護層、fは潤滑膜をそれぞれ示して
いる。
【0005】そして、従来におけるテクスチャ加工にお
いては、上記硬化層が形成された非磁性基板を回転さ
せ、かつ、ポリエチレン、レーヨン等の合成樹脂製フィ
ルムあるいは編み目状に織り上げられた織布等の表面に
アルミナ、ダイヤモンド等の研摩砥粒を強固に結着させ
た加工布を硬化層表面に接触させると共に、上記加工布
の背面側からゴムローラ等の押圧手段にて圧接させる方
法が採られており、上記硬化層表面をダイヤモンド等の
研摩砥粒により研摩処理して同心円状の微細なテクスチ
ャ溝を形成していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来適用さ
れている加工布においては上記織布等の表面に樹脂膜を
介して多層の研摩砥粒が結着された構造になっているた
め、上記硬化層に対する加工布の圧接強度がこの硬化層
表面に形成されるテクスチャ溝の粗さに直接影響を及ぼ
す。このため、加工布の圧接力が強いと硬化層表面が粗
くなり過ぎてその表面に不要な微小突起が多数形成され
ることがあった。そして、硬化層表面に微小突起が形成
されるとこの突起に起因して磁気ディスク表面にも突起
物が形成されてしまうため、磁気ヘッドの浮上量を低く
設定することが困難になりその出力低下を招くと共に磁
気ヘッドが上記突起物に衝突するいわゆるヘッドクラッ
シュが起り易くなる欠点があった。そして、一旦ヘッド
クラッシュが起ると記録されたデータが失われかつ磁気
ヘッドや磁気ディスクが回復不能になるまで破壊される
ことがあった。また、反対に上記加工布の圧接力が弱い
と硬化層表面の粗面化が不十分となり磁気ヘッドが磁気
ディスク表面に吸着され易くなる欠点があった。このよ
うに上記硬化層に対する加工布の圧接力が直接作用し、
その圧接力が僅かに変化するだけで硬化層表面に形成さ
れるテクスチャ溝の粗さが大きく変化してしまうためテ
クスチャ加工時における加工布の圧力調整が繁雑となる
問題点があった。
【0007】また、従来適用されている加工布において
は研摩砥粒が織布等の表面に強固に結着されているた
め、テクスチャ加工中、上記硬化層表面に対し表面に露
出する研摩砥粒の同一箇所が当接することになる。そし
て、他の部位に較べて突出した角部を有する研摩砥粒が
存在した場合、上記角部に接した硬化層表面部位に切り
込み深さの大きいテクスチャ溝が形成されてしまうた
め、上記加工布の圧力調整を適正に行っても適度な深さ
でかつ深さの揃った良好なテクスチャ溝が形成されなく
なる問題点があった。
【0008】他方、従来適用されている加工布は、上述
したように織布等の表面に樹脂膜を介して多層の研摩砥
粒が結着された構造になっているため、研磨処理に利用
されない研摩砥粒が存在する分その無駄が多く有効利用
を図れない問題があり、かつテクスチャ加工時の摩擦熱
により上記樹脂膜が軟化しこれが硬化層に付着し易い欠
点があった。そして、付着した樹脂膜には硬化層の削り
かす等が取り込まれ易く、かつ、これを水洗などで除去
することは困難なため、この付着した樹脂膜に起因して
ヘッドクラッシュ等が起り易くなる問題点があり、更
に、テクスチャ加工時の摩擦熱に起因して上記硬化層の
熱劣化を引起こし易い問題点もあった。
【0009】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、磁気ディスクの
表面粗さを容易に制御可能とし、これにより磁気ヘッド
の吸着現象やヘッドクラッシュ等を引き起こすことなく
磁気ヘッドの浮上量を低く設定可能な磁気ディスク用基
板の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1に係る
発明は、円盤状の非磁性基板表面に硬化層を形成し、こ
の硬化層表面をテクスチャ加工して微細なテクスチャ溝
を形成する磁気ディスク用基板の製造方法を前提とし、
硬化層が形成された非磁性基板を回転させ、かつ、粒径
の揃った研摩砥粒と界面活性剤が少なくとも含まれた水
溶液を硬化層表面に供給しながら上記硬化層に対しこの
硬化層よりビッカース硬度の低い加工布を圧接すると共
に、硬化層と加工布間に介在する上記研摩砥粒を硬化層
と加工布の両面へそのビッカース硬度比に対応した深さ
分それぞれめり込ませて硬化層表面に微細なテクスチャ
溝を形成することを特徴とするものである。
【0011】そして、この請求項1記載の発明に係る製
造方法によれば、水溶液に含まれた界面活性剤の作用に
より研摩砥粒は均一に分散され上記硬化層表面に単一層
の形態で供給される。そして、硬化層と加工布間に供給
された単一層の研摩砥粒はその粒径が揃っており、か
つ、硬化層と加工布の両面に対しそのビッカース硬度比
に対応した深さ分それぞれめり込まれるため、テクスチ
ャ加工中、上記硬化層に対する加工布の圧接力が若干変
動しても硬化層に対する研摩砥粒のめり込み量は略一定
に保たれ、適度な深さでかつ深さの揃った良好なテクス
チャ溝を簡便に形成することが可能となる。すなわち、
図3に示すように非磁性基板10上に設けられた硬化層
11と加工布2との間に介在する研摩砥粒3の上記硬化
層11と加工布2へのめり込み量d1とd2はこれ等硬化
層11と加工布2のビッカース硬度の比に比例する。そ
して、硬化層11と加工布2間に供給される研摩砥粒3
は単一層でありかつその粒径も揃っているため、テクス
チャ加工中、上記硬化層11に対する加工布2の圧接力
が若干変動しても硬化層11に対する研摩砥粒3のめり
込み量は略一定に保たれることから、上述したように適
度な深さでかつ深さの揃った良好なテクスチャ溝を簡便
に形成することが可能となる。また、硬化層と加工布間
に供給された単一層の研摩砥粒は、上記加工布が硬化層
表面を擦るにつれて硬化層表面を転がりかつ表面を削り
取りながら線状のテクスチャ溝を形成する。従って、適
用された研摩砥粒中に突出した角部を有する研摩砥粒が
若干含まれている場合にも、この研摩砥粒の角部を含む
全面が硬化層表面に対し転がり接触されるため、適度な
深さでかつ深さの揃った良好なテクスチャ溝を形成する
ことが可能となる。
【0012】また、上記研摩砥粒は単一層の形態で適用
されるため研摩砥粒の使用料を大幅に低減することが可
能となる。更に、テクスチャ加工中、硬化層が形成され
た非磁性基板は上記研摩砥粒と界面活性剤が含まれた水
溶液により常に冷却されるため、硬化層と加工布間に摩
擦熱が生じても従来法に較べて非磁性基板や加工布の温
度上昇分が小さい。従って、上記摩擦熱に起因した硬化
層の熱劣化を防止できると共に、加工布にあっては研摩
砥粒を結着させる樹脂が適用されていないため硬化層に
樹脂膜が付着する恐れもない。このため、テクスチャ加
工後において非磁性基板表面を水洗処理することにより
非磁性基板表面に残留する硬化層の削りかすや研摩砥粒
等を完全に取り除くことが可能となる。
【0013】このような技術的手段において上記非磁性
基板としては、材質、大きさ、製法等は特に限定され
ず、例えば、ガラス製、アルミ合金製、アルミニウム
製、樹脂製等従来広く利用されている円盤状の基板が適
用される。また、この非磁性基板表面に形成される硬化
層は、材質、厚み、形成法等は特に限定されず、例え
ば、無電解メッキ法により形成されたNi−P合金層や
Ni−Cu−P合金層、及び、酸化法により形成された
酸化アルミ層等が挙げられる。
【0014】また、この発明のテクスチャ加工で使用さ
れる加工布は研摩砥粒が結着された従来の加工布とは異
なり、上記硬化層のビッカース硬度より低いビッカース
硬度を有する合成樹脂フィルム若しくは織布、あるい
は、上記ビッカース硬度を有する合成樹脂製繊維が植毛
された合成樹脂フィルム若しくは織布が適用される。そ
して、上記加工布におけるビッカース硬度は、適用され
る研摩砥粒の粒径、上記硬化層のビッカース硬度、及
び、この硬化層に形成されるテクスチャ溝の設定深さ等
を考慮して適宜設定される。
【0015】次に、上記硬化層表面に供給される加工液
は、粒径の揃った研摩砥粒と界面活性剤が少なくとも含
まれた水溶液が適用される。そして、上記研摩砥粒とし
ては、ダイヤモンド粉、炭化珪素(SiC)粉、立方晶
窒化硼素(C−BN)粉、アルミナ(Al23)粉等が
適用でき、特に、ダイヤモンド粉が好ましい。この研摩
砥粒の平均粒度を選択することにより希望とする基板表
面粗さに調整できる。また、上記界面活性剤には公知の
各種界面活性剤が適用でき、通常、加工液中に5重量%
以下の割合で含まれる。また、この界面活性剤を含む水
溶液に対し上記研摩砥粒は、通常、5重量%以下の割合
で添加される。そして、界面活性剤には上記研摩砥粒を
水溶液中で均一に分散させる作用がありこの作用により
加工液が保存される際には研摩砥粒の沈降が防止され、
また、テクスチャ加工を行う際には研摩砥粒粒子の重な
りが防止され上記硬化層と加工布間に単一層の研摩砥粒
を供給することが可能となる。
【0016】また、上記硬化層表面に研摩砥粒と界面活
性剤が少なくとも含まれた水溶液(加工液)を供給する
方法は任意であり、例えば、ノズルにより上記加工液を
硬化層と加工布間に適量供給する方法を採ってもよい
し、あるいは、硬化層と接する前の加工布に対しロー
ル、ブラシ等の塗布手段により上記加工液を塗布し、加
工液が塗布された加工布を介して上記硬化層表面に供給
する方法を採ってもよい。尚、上記加工布が合成樹脂製
繊維が植毛された合成樹脂フィルム若しくは織布で構成
されている場合には上記繊維表面に単一層の研摩砥粒が
吸着されて硬化層表面へ供給され、また、上記加工布が
所定のビッカース硬度を有する合成樹脂フィルム若しく
は織布で構成されている場合にはこれ等表面に単一層の
研摩砥粒が吸着されて硬化層表面へ供給される。そし
て、後者の加工布を適用した場合には上記加工液中にポ
リビニルアルコール等の水溶性樹脂を配合することが望
ましい。すなわち、この水溶性樹脂の作用により単一層
の研摩砥粒が上記合成樹脂フィルム若しくは織布表面に
仮接着され、かつ、テクスチャ加工後においては硬化層
表面に付着した水溶性樹脂が水洗処理により簡便に除去
できるからである。
【0017】次に、上記硬化層表面に対し加工布を圧接
する手段については従来法で適用されているゴムローラ
等の圧接手段がそのまま利用できる。また、加工布の供
給方法についても、加工布を帯状に加工しこれをロール
に巻き付けかつ新しい面を少しづつ繰り出して硬化層表
面へ供給する従来の方法が利用できる。また、上記加工
布の繰り出し速度を適宜調整しかつ揺動させながら供給
することにより硬化層表面にクロスハッチ状のテクスチ
ャ溝を形成する従来法を適用してもよい。
【0018】次に、請求項2に係る発明は、そのビッカ
ース硬度が650程度の硬化層に対し請求項1に係る発
明を適用して適度な深さでかつ深さの揃ったテクスチャ
溝を形成できる条件を特定した発明に関する。
【0019】すなわち、請求項2に係る発明は、請求項
1記載の発明に係る磁気ディスク用基板の製造方法を前
提とし、粒径4μm以下の研摩砥粒が適用され、かつ、
上記加工布のビッカース硬度が硬化層のビッカース硬度
の1/20倍〜1/10倍に設定されていることを特徴
とするものである。
【0020】そして、このような条件に従って請求項1
記載の発明に係るテクスチャ加工を施すことにより、ビ
ッカース硬度が650程度の硬化層に対し適度な深さで
かつ深さの揃ったテクスチャ溝を簡便に形成することが
可能となる。
【0021】この場合、加工布のビッカース硬度が硬化
層のビッカース硬度の1/20倍未満であると研摩砥粒
が加工布側にめり込み過ぎてしまいテクスチャ加工が不
十分となり、また、加工布のビッカース硬度が硬化層の
ビッカース硬度の1/10倍を越えるとテクスチャ溝が
深くなり過ぎてしまう弊害を生ずる。
【0022】他方、その粒径が4μmを越える大きな研
摩砥粒が含まれると上記硬化層表面にヘッドクラッシュ
の原因となる微小突起が形成され易くなる。従って、研
摩砥粒の粒径は実質的に4μm以下であることが必要で
ある。また、研摩砥粒の平均粒度、粒度分布を適宜選択
することにより基板表面粗さを制御でき、例えば、粒径
が1〜3μmの粒子の体積基準による粒度分布割合が9
0%以上となるように設定することにより、テクスチャ
か高溝の凹凸ピッチ、深さがより均一になり更に好まし
い結果を得ることが可能となる。
【0023】また、請求項3に係る発明は請求項2に係
る方法を実施する際に適用される加工布を特定した発明
に関する。
【0024】すなわち、請求項3に係る発明は、請求項
1又は2記載の発明に係る磁気ディスク用基板の製造方
法を前提とし、上記加工布が、ナイロンフィルム若しく
は織布、又は、ナイロン繊維が植毛された合成樹脂フィ
ルム若しくは織布で構成されていることを特徴とするも
のである。
【0025】そして、上記加工布の具体例としては、繊
維が植毛されておらずかつそのビッカース硬度が硬化層
のビッカース硬度の1/20倍〜1/10倍のナイロン
フィルム、そのビッカース硬度が硬化層のビッカース硬
度の1/20倍〜1/10倍であるナイロン繊維が植毛
されたレーヨン織物、同様のビッカース硬度を有するナ
イロン繊維が植毛されたポリエチレンフィルム等が挙げ
られる。
【0026】そして、請求項1〜3記載の発明に係る製
造方法に従ってテクスチャ加工が施された磁気ディスク
用基板には、磁気特性の調整のためにCr層、Cr合金
層等の非磁性金属材料からなる下地層が形成され、この
上に所定の強磁性材料から成る磁気記録層が形成され
る。この磁気記録層としては公知の強磁性体薄膜を適用
することができ、例えば、γ−Fe23系、Co系、C
oNi系、CoCr系、CoCrTa系、Fe系のスパ
ッタ膜、蒸着膜、メッキ膜等が挙げられる。この磁気記
録層上には、従来と同様にカーボン膜等から成る保護膜
が形成され、更にこの上にフロロカーボン系の潤滑剤を
塗布して形成された潤滑膜が順次設けられて目的とする
磁気ディスクが製造される。
【0027】
【作用】請求項1に係る発明によれば、水溶液に含まれ
た界面活性剤の作用により研摩砥粒は均一に分散され硬
化層表面に単一層の形態で供給される。そして、硬化層
と加工布間に供給された単一層の研摩砥粒はその粒径が
揃っており、かつ、硬化層と加工布の両面に対しそのビ
ッカース硬度の比に対応した深さ分それぞれめり込まれ
るため、テクスチャ加工中、上記硬化層に対する加工布
の圧接力が若干変動しても硬化層に対する研摩砥粒のめ
り込み量は略一定に保たれ、適度な深さでかつ深さの揃
った良好なテクスチャ溝を簡便に形成することが可能と
なる。
【0028】また、硬化層と加工布間に供給された単一
層の研摩砥粒は上記加工布が硬化層表面を擦るにつれて
硬化層表面を転がりかつ表面を削り取りながら線状のテ
クスチャ溝を形成する。従って、適用された研摩砥粒中
に突出した角部を有する研摩砥粒が若干含まれている場
合にもこの研摩砥粒の角部を含む全面が硬化層表面に対
し転がり接触されるため、適度な深さでかつ深さの揃っ
た良好なテクスチャ溝を形成することが可能となる。
【0029】更に、上記研摩砥粒は単一層の形態で適用
されるため従来法に較べて研摩砥粒の使用量を大幅に低
減することが可能となる。また、テクスチャ加工中、硬
化層が形成された非磁性基板は上記研摩砥粒と界面活性
剤が含まれた水溶液により常に冷却されるため、硬化層
と加工布間に摩擦熱が生じても従来法に較べて非磁性基
板や加工布の温度上昇分が小さい。従って、上記摩擦熱
に起因した硬化層の熱劣化を防止できると共に、加工布
にあっては研摩砥粒を結着させる樹脂が適用されていな
いため硬化層に樹脂膜が付着する恐れもない。このた
め、テクスチャ加工後において非磁性基板表面を水洗処
理することにより非磁性基板表面に残留する硬化層の削
りかすや研摩砥粒等を完全に取り除くことが可能とな
る。
【0030】他方、請求項2に係る発明によれば、粒径
4μm以下の研摩砥粒が適用され、かつ、加工布のビッ
カース硬度が硬化層のビッカース硬度の1/20倍〜1
/10倍に設定され、また、請求項3に係る発明によれ
ば、加工布がナイロンフィルム若しくは織布又はナイロ
ン繊維が植毛された合成樹脂フィルム若しくは織布で構
成されているため、ビッカース硬度が650程度の硬化
層に対し適度な深さでかつ深さの揃ったテクスチャ溝を
簡便に形成することが可能となる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。
【0032】[実施例1]外径65mm、内径20m
m、厚さ1.27mmのアルミニウム合金材料から成る
ディスク状基板10の全面に、公知の無電解メッキ法に
よりNi−P合金層から成る厚さ15μmの硬化層11
を形成した。この硬化層11に対し、ラップ加工及びポ
リッシュ加工を施してその表面粗さRa=2nmの鏡面
とした。このディスク状基板10表面(すなわち硬化層
11)のビッカース硬度は650であった。
【0033】次に、上記ディスク状基板10の中心を軸
にしてこのディスク状基板10を350rpmで回転さ
せる(図2参照)と共に、図1に示すようにその両端が
リールに巻き取られた帯状の加工布2を上記ディスク状
基板10表面に供給し、かつ、加工布2の背面側からウ
レタンゴム製ロール4で2kgfの力で押圧すると共
に、ディスク状基板10と加工布2との間にノズル5か
ら研摩砥粒が含まれた加工液30を供給しながら、20
秒間、上記ディスク状基板10表面のテクスチャ加工を
行った。
【0034】ここで、上記研摩砥粒には平均粒径2μ
m、最大粒径4μmのダイヤモンド砥粒が適用され、か
つ、上記加工液にはこの研摩砥粒が濃度3重量%で分散
され界面活性剤(アルキルエーテルスルホン酸ナトリウ
ム)が濃度3重量%含まれた水溶液を適用している。他
方、加工布2については、外径0.05mm、長さ0.
5mm、繊維硬度5g/d、ビッカース硬度50のナイ
ロン繊維を、幅38mmのレーヨン織物に植毛密度84
g/m2 で植毛した加工布が適用されている。
【0035】尚、上記硬化層11のビッカース硬度とナ
イロン繊維のビッカース硬度については日本電気製薄膜
硬度計(MHA−400)により測定されている。測定
にはダイヤモンド針(尖端半径R=0.05μmで対稜
角80°の三角圧子のもの)を用いた。また、ダイヤモ
ンド針の荷重は、硬化層11の測定には約1g、加工布
2の測定には約4mgとし、押し込み深さは0〜0.4
μmの領域とした。このビッカース硬度は、その数値が
大きい程硬度が高いことを示す。
【0036】次に、テクスチャ加工が施された上記ディ
スク状基板10についてその半径方向の表面粗さRa
(nm)を以下の測定方法により測定した。すなわち、
尖端の曲率半径が0.5μmのダイヤモンドスタイラス
を有する触針式の粗さ計を用いて測定した。その測定
は、針の荷重2mg、操作幅0.5μmで針を移動させ
たときの信号を2000ポイント/mmの割合でコンピ
ュータに取り込み、ディスク状基板10表面の粗さを算
出して行った。尚、表面粗さRaは大き過ぎるとヘッド
クラッシュが起こり易くなり、小さ過ぎるとヘッドの吸
着の問題が生じ、その値としては6〜7nmが好まし
い。この結果を以下の表1に示す。
【0037】次に、表面粗さRa(nm)が測定された
ディスク状基板10上に、DCマグネトロンスパッタリ
ング法により、基板温度=300℃、Arガス圧=10
mTorr、DC投入電力=5W/cm2 の条件でCr
膜を500Åの厚さに製膜し下地層を形成した。更に、
ディスク状基板10とスパッタリング用ターゲットとの
間に150Vの負バイアス電圧を加えて、上記下地層上
に厚さ300ÅのCoCrTaから成る磁気記録層を製
膜した。次に、この磁気記録層上に、上記下地層の製膜
と同一の条件でカーボン保護膜を製膜し、かつ、この上
にスピンコート法により厚さ約30Åの潤滑剤を塗布し
て潤滑膜を形成し目的とする磁気ディスクを製造した。
【0038】『ヘッドクラッシュ特性』得られた磁気デ
ィスクについて実際にディスクを回転させ、磁気ヘッド
の浮上量に対するヘッドクラッシュ特性を評価した。
【0039】このヘッドクラッシュ特性の評価は、20
00rpmでディスクを回転させ、ディスクの半径20
〜45mmの表面に圧力センサが取り付けられた磁気ヘ
ッドを浮上させ、浮上高さに対するヘッドクラッシュ特
性を測定して行った。この結果についても以下の表1に
示す。
【0040】尚、ヘッドクラッシュ特性は、0.10μ
m以上の浮上高さでヘッドクラッシュが生じたものを
×、0.09μm以上の浮上高さでヘッドクラッシュが
生じたものを△、0.07μm以上の浮上高さでヘッド
クラッシュが生じたものを○、0.05μm以上の浮上
高さでヘッドクラッシュが生じたものを◎の記号でそれ
ぞれ示している。
【0041】[実施例2]実施例1において使用された
上記加工布2が、外径0.03mm、長さ0.5mm、
繊維硬度5g/d、ビッカース硬度55のナイロン繊維
を幅38mmのポリエステルテープに植毛密度84g/
2 で植毛した加工布である点を除き実施例1と略同一
である。
【0042】尚、加工布のビッカース硬度、加工布の上
記硬化層に対する硬度比(以下、基板との硬度比と略称
する)、Ra(nm)、及び、ヘッドクラッシュ特性を
下記の表1に示す。
【0043】[実施例3]実施例1において使用された
上記加工布2が、外径0.03mm、長さ0.5mm、
繊維硬度5g/d、ビッカース硬度45のナイロン繊維
を幅38mmのレーヨン織物に植毛密度84g/m2
植毛した加工布である点を除き実施例1と略同一であ
る。
【0044】尚、加工布のビッカース硬度、基板との硬
度比、Ra(nm)、及び、ヘッドクラッシュ特性を下
記の表1に示す。
【0045】[実施例4]実施例1において使用された
上記加工布2が、ビッカース硬度50、厚さ0.1m
m、幅38mmのナイロンフィルムで構成されている点
と、同じく実施例1において適用された加工液内に10
重量%のポリビニルアルコールが更に添加されている点
を除き実施例1と略同一である。
【0046】尚、加工布のビッカース硬度、基板との硬
度比、Ra(nm)、及び、ヘッドクラッシュ特性を下
記の表1に示す。
【0047】[実施例5]実施例1において使用された
上記加工布2が、ビッカース硬度43、厚さ0.3m
m、幅38mmのナイロンフィルムで構成されている点
と、同じく実施例1において適用された加工液内に10
重量%のポリビニルアルコールが更に添加されている点
を除き実施例1と略同一である。
【0048】尚、加工布のビッカース硬度、基板との硬
度比、Ra(nm)、及び、ヘッドクラッシュ特性を下
記の表1に示す。
【0049】[実施例6]実施例1において使用された
上記加工布2が、ビッカース硬度41、厚さ0.5m
m、幅38mmのナイロンフィルムで構成されている点
と、同じく実施例1において適用された加工液内に10
重量%のポリビニルアルコールが更に添加されている点
を除き実施例1と略同一である。
【0050】尚、加工布のビッカース硬度、基板との硬
度比、Ra(nm)、及び、ヘッドクラッシュ特性を下
記の表1に示す。
【0051】[比較例1]実施例1において使用された
上記加工布2が、外径0.05mm、長さ0.6mm、
繊維硬度1g/d、ビッカース硬度22のレーヨン繊維
を幅38mmのレーヨン織物に植毛密度80g/m2
植毛した加工布である点を除き実施例1と略同一であ
る。
【0052】尚、加工布のビッカース硬度、基板との硬
度比、Ra(nm)、及び、ヘッドクラッシュ特性を下
記の表1に示す。
【0053】[比較例2]実施例1において使用された
上記加工布2が、ビッカース硬度66、厚さ0.5m
m、幅38mmのポリエステルフィルムで構成されてい
る点と、同じく実施例1において適用された加工液内に
10重量%のポリビニルアルコールが更に添加されてい
る点を除き実施例1と略同一である。
【0054】尚、加工布のビッカース硬度、基板との硬
度比、Ra(nm)、及び、ヘッドクラッシュ特性を下
記の表1に示す。
【0055】
【表1】 『確認』表1に示された実施例1〜6の結果から明らか
なように、基板との硬度比の値が1/20〜1/10の
範囲にある加工布を適用して本発明に係る製造方法を実
施することによりRa(nm)及びヘッドクラッシュ特
性が良好な磁気ディスクを得られることが確認できる。
【0056】これに対し、基板との硬度比の値が上記範
囲外の加工布を適用した比較例1〜2の場合、Ra(n
m)については実施例と略同一の結果が得られたが、ヘ
ッドクラッシュ特性については実施例より劣ることが確
認された。
【0057】
【発明の効果】請求項1〜3に係る発明によれば、テク
スチャ加工中、硬化層に対する加工布の圧接力が若干変
動しても硬化層に対する研摩砥粒のめり込み量を略一定
に保つことができ、かつ、適用された研摩砥粒中に突出
した角部を有する研摩砥粒が若干含まれている場合にも
この研摩砥粒の角部を含む全面が硬化層表面に対し転が
り接触されるため適度な深さでかつ深さの揃った良好な
テクスチャ溝を簡便に形成することが可能となる。
【0058】また、上記研摩砥粒は単一層の形態で適用
されるため従来法に較べて研摩砥粒の使用料を大幅に低
減することが可能となり、かつ、テクスチャ加工後にお
いて非磁性基板表面を水洗処理することにより非磁性基
板表面に残留する硬化層の削りかすや研摩砥粒等を完全
に取り除くことが可能となる。
【0059】従って、磁気ヘッドの吸着現象が起こり難
くかつ磁気ヘッドの浮上量を低く設定してもヘッドクラ
ッシュが起こり難い磁気ディスク用基板を簡便に製造で
き、しかも従来法に較べて製造コストの低減が図れる効
果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るテクスチャ加工を示す説明図。
【図2】実施例に係るテクスチャ加工を示す平面図。
【図3】図1の部分拡大図。
【図4】磁気ディスクの構成を示す断面図。
【符号の説明】
2 加工布 4 ロール 5 ノズル 10 ディスク状基板 11 硬化層 30 加工液

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円盤状の非磁性基板表面に硬化層を形成
    し、この硬化層表面をテクスチャ加工して微細なテクス
    チャ溝を形成する磁気ディスク用基板の製造方法におい
    て、 硬化層が形成された非磁性基板を回転させ、かつ、粒径
    の揃った研摩砥粒と界面活性剤が少なくとも含まれた水
    溶液を硬化層表面に供給しながら上記硬化層に対しこの
    硬化層よりビッカース硬度の低い加工布を圧接すると共
    に、硬化層と加工布間に介在する上記研摩砥粒を硬化層
    と加工布の両面へそのビッカース硬度比に対応した深さ
    分それぞれめり込ませて硬化層表面に微細なテクスチャ
    溝を形成することを特徴とする磁気ディスク用基板の製
    造方法。
  2. 【請求項2】粒径4μm以下の研摩砥粒が適用され、か
    つ、上記加工布のビッカース硬度が硬化層のビッカース
    硬度の1/20倍〜1/10倍に設定されていることを
    特徴とする請求項1記載の磁気ディスク用基板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】上記加工布が、ナイロンフィルム若しくは
    織布、又は、ナイロン繊維が植毛された合成樹脂フィル
    ム若しくは織布で構成されていることを特徴とする請求
    項1又は2記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
JP15772193A 1993-06-28 1993-06-28 磁気ディスク用基板の製造方法 Pending JPH0714156A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15772193A JPH0714156A (ja) 1993-06-28 1993-06-28 磁気ディスク用基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15772193A JPH0714156A (ja) 1993-06-28 1993-06-28 磁気ディスク用基板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0714156A true JPH0714156A (ja) 1995-01-17

Family

ID=15655924

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15772193A Pending JPH0714156A (ja) 1993-06-28 1993-06-28 磁気ディスク用基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0714156A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004171756A (ja) 磁気ディスク基板のテクスチャ加工方法
US6893702B2 (en) Magnetic recording medium substrate, method of producing the same, and method of evaluating magnetic recording medium
US5207759A (en) Texturing slurry and method
JP3185971B2 (ja) 研摩布及びその製造方法とテクスチャ加工方法
JPH07244947A (ja) 磁気ディスク装置、磁気ディスクおよび磁気ディスクの製造方法
US5223304A (en) Process for fabricating magnetic disks
JPH0714156A (ja) 磁気ディスク用基板の製造方法
US5540973A (en) Magnetic recording medium and a method for manufacturing such medium
JPH0750012A (ja) 磁気ディスクの製造方法
JP3467162B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH0896355A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2874385B2 (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JP3433883B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH04222925A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH05274663A (ja) 磁気ディスクの製造方法
JPH0696436A (ja) 磁気記録媒体
JPH064861A (ja) 薄膜磁気ディスクの製造方法
JP2001006162A (ja) 磁気ディスク用基板の製造方法
JPH06295432A (ja) 磁気記録媒体
JPH11144238A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH08161738A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH05151563A (ja) 磁気デイスクの製造方法
JPH06231453A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2002312928A (ja) 磁気ディスク基板用テクスチャリング加工液
JPH0554171B2 (ja)