JPH0714117U

JPH0714117U - エンジンの排気マフラ

Info

Publication number: JPH0714117U
Application number: JP4721893U
Authority: JP
Inventors: 猛河合
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1993-08-06
Filing date: 1993-08-06
Publication date: 1995-03-10

Abstract

(57)【要約】【目的】マフラの消音性能を高め、振動騒音を低減す
る。【構成】マフラ本体１内に隔壁２を介して複数の膨張
室３・３を区画形成し、隔壁２に多数の通気孔６・６を
開けるとともに、隔壁板７に多数のバーリング孔８を開
け、バーリング孔８・８同士が互いに背中合わせになる
ように一対の隔壁板７・７を接合し、この一対の隔壁板
７・７で隔壁２を構成し、背中合わせのバーリング孔８・
８で通気孔６を構成する。このため、通気孔６が長くな
って通気抵抗が増す。また、隔壁２が厚くなって振動し
難くなるので、振動騒音が低減する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はエンジンの排気マフラに関し、詳しくは、消音性能を高め、振動騒音を低減させ、安価に製作できるものを提供する。

【０００２】

【考案の背景】

本考案の対象となるエンジンの排気マフラの基本構造は、図１又は図４に示すように、マフラ本体１内に隔壁２を介して複数の膨張室３・３を区画形成し、隔壁２に多数の通気孔６・６を開け、マフラ１の排気入口４を膨張室３・３及び隔壁２の通気孔６を介して排気出口５に連通した形式のものである。

【０００３】

【従来の技術】

この形式の従来技術としては、図４に示すように、隔壁２を一枚の隔壁板７で構成し、隔壁板７にプレス加工により多数の通気孔６を打ち抜き形成したものが一般的である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術では、単板状の隔壁２に打ち抜かれた通気孔６では、その孔長が隔壁板７の肉厚の寸法しか確保できないため、通気抵抗が小さくなり、マフラ１の消音性能を充分に高められない。但し、通気抵抗を大きくするため、通気孔６の孔径を小さくすることも考えられるが、プレス加工のために技術的な限界がある。また、単板の隔壁板７は振動し易くて騒音の要因となるため、マフラ１の消音性能の向上には不利である。尚、隔壁板７の板厚を厚くして振動を低減することも考えられるが、プレス加工で通気孔６を打ち抜く必要から、やはり限界がある。本考案は、マフラの消音性能を高めて、振動を低減することを技術的課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を達成するための手段を、実施例を示す図１〜図３により以下に説明する。即ち、本考案は前記基本構造のエンジンの排気マフラにおいて、上記隔壁２を、重ね合わせた一対の隔壁板７・７で構成し、この一対の隔壁板７・７の各表面から筒状周壁１０を有するバーリング孔８・８をそれぞれ隆起させ、各バーリング孔８・８同士を背中合わせで連通させて上記通気孔６を形成したことを特徴とするものである。上記バーリング孔８は、矢突き孔を含む概念であり、バーリング加工により、矢で突いた如く板の一方に筒状周壁１０が突き出た形態の孔をいう。

【０００６】

【作用】

背中合わせのバーリング孔８・８で通気孔６を構成するので、通気孔６の孔長を筒状周壁１０の高さの略２倍に長く確保できる。このため、排気が通気孔６を通る際の通気抵抗が高くなり、排気は次の膨張室３にスッと抜けずに、排気音のエネルギーは有効に低下する。また、接合した２枚の隔壁板７・７で隔壁２を構成するので、従来技術のような単板状の隔壁板に比べて振動し難く、騒音を低減できる。

【０００７】

【考案の効果】

(1)背中合わせのバーリング孔で通気孔を構成するので、通気孔の孔長が長くなって通気抵抗が増し、マフラの消音性能を高められる。 (2)接合した２枚の隔壁板で隔壁を構成するので、その肉厚が従来技術より厚くなり、振動し難く、振動騒音が低減する。 (3)バーリング加工で通気孔を開けた隔壁板を一対接合するだけなので、従来技術と同様に薄板状の隔壁を使用でき、製造コストを低く保持できる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて述べる。図１はマフラの縦断左側面図、図２は同マフラの縦断正面図、図３は同マフラの要部拡大縦断面図である。図１に示すように、マフラ本体１内に一つの隔壁２を介して２個の膨張室３・３を区画形成し、隔壁２に多数の通気孔６を開け、マフラ１の排気入口４を膨張室３・３及び隔壁２の通気孔６を介して排気出口５に連通する。

【０００９】即ち、図１に示すように、マフラ本体１のケーシング１１の前後方向の中央に隔壁２を縦向きにカシメ付け、排気導入管１２の一端の排気入口４を前方の第一膨張室３に連通する。図中の符号１６は、排気導入管１２の他端のフランジ部で、これをエンジンの排気ポートに接続する。また、図１及び図２に示すように、上記第一膨張室３から隔壁２を介して後方の第二膨張室３にわたって湾曲状の排気導出管１５を貫設し、排気導出管１５の排気出口５に防爆用のスチールネット１３を内設するとともに、排気導出管１５の奥端に多数の透孔１４を開けて第二膨張室３に連通する。

【００１０】また、図３及び図２に示すように、円形薄板状の隔壁板７にバーリング加工を施して多数のバーリング孔８を開け、バーリング孔８の円筒状周壁１０が互いに背中合わせになるように一対の隔壁板７・７をスポット溶接で接合し、重ね合わせた一対の隔壁板７・７で上記隔壁２を構成するとともに、背中合わせのバーリング孔８・８で上記通気孔６を構成する。

【００１１】このマフラでは、エンジンの排気は、図１に矢印で示すように、排気導入管１２の排気入口４から第一膨張室３に入って一次膨張し、隔壁２の通気孔６を介して第二膨張室３に入って二次膨張した後、透孔１４から排気導出管１５を経て排気出口５から排出される。

【００１２】通気孔６の孔長はバーリング孔８の円筒状周壁１０の高さの略２倍になるので、通気孔６の通気抵抗が高くなって排気は通気孔６から第二膨張室３にスッと抜けずに、排気音のエネルギーは有効に低下する。また、接合した２枚の隔壁板７・７で隔壁２を構成するので、隔壁２の肉厚が厚くなって振動し難くなる。このため、本実施例のマフラの消音性能は有効に高められる。

【００１３】尚、本考案は、隔壁板７にバーリング加工を施して背中合わせに接合することを特徴とするので、上記実施例に限らず、複数個の隔壁２と３個以上の膨張室３を有するものであっても差し支えない。また、本考案は火花点火エンジン、ディーゼルエンジンを問わず適用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例を示すマフラの縦断左側面図である。

【図２】同マフラの縦断正面図である。

【図３】同マフラの要部拡大縦断面図である。

【図４】従来技術を示す図３の相当図である。

【符号の説明】

１…マフラ本体、２…隔壁、３…膨張室、４…排気入
口、５…排気出口、６…通気孔、７…隔壁板、８…バー
リング孔、１０…バーリング孔の筒状周壁。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】マフラ本体(１)内に隔壁(２)を介して複
数の膨張室(３)・(３)を区画形成し、隔壁(２)に多数の
通気孔(６)・(６)を開け、マフラ(１)の排気入口(４)を
膨張室(３)・(３)及び隔壁(２)の通気孔(６)を介して排
気出口(５)に連通したエンジンの排気マフラにおいて、上記隔壁(２)を、重ね合わせた一対の隔壁板(７)・(７)
で構成し、この一対の隔壁板(７)・(７)の各表面から筒
状周壁(１０)を有するバーリング孔(８)・(８)をそれぞ
れ隆起させ、各バーリング孔(８)・(８)同士を背中合わ
せで連通させて上記通気孔(６)を形成した、ことを特徴
とするエンジンの排気マフラ。