JPH07140844A

JPH07140844A - 画像形成装置の回転部材の角速度検出装置

Info

Publication number: JPH07140844A
Application number: JP5174727A
Authority: JP
Inventors: Masato Kobayashi; 正人小林; Hiroshi Kato; 博加藤; Takashi Hoshino; 高志星野; Hiroshi Osawa; 浩大沢; Hiroyuki Sawai; 裕之沢井; Kenji Kanzaki; 健治神崎; Mamoru Kido; 衛城戸; Noribumi Sato; 紀文佐藤; Minoru Kasama; 稔笠間; Toshio Anzai; 敏雄安齋
Original assignee: Fuji Xerox Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date: 1993-06-22
Filing date: 1993-06-22
Publication date: 1995-06-02

Abstract

(57)【要約】【目的】感光体ドラム等の回転部材に対してエンコー
ダ装置を配置し、角速度の変化の情報を得る装置におい
て、円板等の回転体に対応させて軸の回転中心に対して
対向する位置に２つのセンサ部材を配置し、エンコーダ
の円板の取り付け誤差等の情報を除去して、正確な角速
度の変化の値を得るようにする。【構成】感光体ドラムの軸に対して、円板３１に等間
隔にスリット等のマークを設けた被検知部３２を配置し
たエンコーダ装置３０を設け、前記円板３１の周囲に、
軸の回転中心に対して対向する位置にセンサ部材３５、
３６を配置する。前記センサ部材から得られる角速度の
情報Ａ、Ｂを、制御装置３７に入力して２つの信号を演
算処理し、円板の取り付け位置の誤差成分を除去し、真
の回転角速度成分のみを得て、感光体ドラムに対する駆
動モータ２５に回転変動が生じないような駆動パルスを
出力させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カラー電子写真複写機
における感光体等の回転を制御する装置に関し、特に、
感光体の軸に設けた回転部材に対して、回転中心に対し
て対向する位置に２個の検知部材を配置し、各検知手段
の信号を平均化する状態で、感光体の正確な回転信号を
得ることができるようにする画像形成装置の回転部材の
角速度検出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】カラー電子写真複写機等の装置において
は、例えば、特開平２−２３８４８０号公報等に示され
るように、用紙を転写ドラムに支持した状態で、その転
写ドラムに対応させて配置した感光体ドラムからカラー
トナー画像を転写する方式の装置が知られている。ま
た、前記転写ドラムを使用する方式とは別に、例えば、
実開昭６３−１５５１４７号公報等のように、複数のカ
ラートナー画像を担持する感光体ドラムを１列に配置
し、前記感光体ドラムからの画像の転写部に沿って、用
紙を搬送するベルト搬送機構を設けることも知られてい
る。前記ベルト搬送機構を設けてなるカラー電子写真複
写機では、ベルトに対して用紙を静電的に吸着して保持
する機構を設け、給紙トレイから送り出される用紙を、
感光体ドラムに形成されるトナー画像にタイミングを合
わせて、レジスト機構を設けた給紙装置を介してベルト
に供給する手段を用いている。前記給紙装置では、例え
ば、実開昭６３−２６６５３号公報等に示されるよう
に、レジストローラ装置と、その上流側に配置するプリ
レジストローラ装置を所定の間隔を介して配置し、前記
レジストローラ装置の若干上流側にゲート部材を配置
し、用紙にループを形成する作用を行って用紙の先端部
を整合させ、ベルト装置に向けて給紙する作用が行われ
る。

【０００３】前述したように、複数の感光体を１列状に
配置する形式のカラー電子写真複写機は、図９に示され
るように構成されるもので、カラー電子写真複写機１
は、４つの感光体ドラム２、２ａ……を１列状に配置
し、それぞれの感光体ドラムに対してカラートナー画像
を形成する機構を配置している。前記カラートナー画像
を形成する機構は、一般の電子写真方式を用いた複写機
の場合と同様に、現像装置３、クリーニング装置４、帯
電コロトロン５、転写コロトロン６、および、書き込み
装置７から構成される。そして、帯電コロトロン５によ
り一様な帯電が行われた感光体ドラム２に対して、書き
込み装置７からレーザビームによる書き込みが行われて
静電潜像を形成し、その静電潜像に対して現像装置３か
らトナーを供給して、カラートナー画像として可視像化
する。その後で、前記感光体ドラムに形成されたカラー
トナー画像は、転写コロトロン６からの放電により用紙
に転写し、その後で感光体ドラムに残留するトナーをク
リーニング装置４により除去して、次のカラートナー画
像の形成の作用に対応させるようにする。

【０００４】前記図９に示される例では、４つの感光体
ドラム２、２ａ……を、搬送ベルト１５による用紙の移
動経路に沿って配置しており、イエロー、マゼンタ、シ
アン、ブラックのカラートナー画像を、それぞれの感光
体ドラムに形成するような機構を構成している。また、
前記各感光体ドラムに対応させて設けられる書き込み装
置７〜７ｃは、図示を省略した画像情報出力装置で色毎
の情報に分解されて出力されるカラー画像の情報によ
り、感光体ドラムに対して各色に対応する画像情報を出
力する。さらに、前記各感光体ドラムに対しては、搬送
ベルトにより搬送される用紙の速度に対応させて、画像
情報を出力し、用紙に対して転写するカラートナー画像
にズレが生じないように制御しながら、カラートナー画
像を形成し、用紙に転写する動作を行う。

【０００５】前述したように構成されるカラー電子写真
複写機において、用紙を搬送するために設けられる搬送
ベルト１５は、前後に配置されるプーリ１６、１６ａに
掛け渡され、一方のプーリを駆動するようにしている。
また、前記搬送ベルト１５に対して、その戻り部に複数
のガイドロール１７……を配置し、そのうちの１つのガ
イドロールをテンションプーリとして用いることができ
る。そして、前記搬送ベルト１５に対してガイドロール
により、一定の値の張力を付与する状態で、プーリによ
り駆動し、用紙を一定の速度で画像転写部に沿わせて移
動させる。また、前記搬送ベルトによる用紙の搬送部の
上流部には、ベルトを帯電させるための帯電コロトロン
と押圧ローラ部材からなる用紙付着部材１３を配置して
いる。そして、給紙トレイ１０から給紙装置１１を介し
て供給される用紙Ｐは、レジスト装置１２を用いて整合
作用を付与し、用紙付着部材１３を用いて帯電された搬
送ベルト１５に用紙を静電気により付着させて、搬送作
用を行うようにする。また、複数の感光体ドラム２、２
ａ……から、カラートナー画像を重ねて転写した後で、
用紙を定着装置８を通して定着し、コピーを排出トレイ
９に向けて排出させるようにする。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前記図９に示されるよ
うなカラー電子写真複写機においては、用紙の移動速度
に対して、感光体ドラムの回転速度を一致させるように
して、各感光体ドラムを駆動することが必要とされる。
また、感光体ドラムを駆動するためには、各感光体ドラ
ムに対して駆動モータを配置し、減速ギヤ装置等を介し
て、感光体ドラムに対する駆動を行うような機構が用い
られる。ところが、感光体ドラムをギヤ装置を用いて駆
動する機構では、モータの回転速度のムラの影響を受け
ることや、ギヤを軸に取り付ける際の偏心やギヤの歯の
噛み合いに際して生じる振動等が影響して、回転速度が
変動するという問題がある。さらに、感光体ドラムの回
転に影響を与える振動としては、クリーニング装置のブ
ラシの回転振動や、現像装置の現像ローラの回転ムラ等
があり、それ等の感光体ドラムに対応させて配置する部
材からの振動等が、感光体ドラムを定速で回転させる際
の障害となって出現する。

【０００７】そこで、前述したような感光体ドラムの回
転ムラを防止するために、例えば、特開昭６２−１７８
９８２号公報や特開昭５６−１３２８６６号公報等に示
されるように、エンコーダからの情報を用いる手段を設
けることが提案されている。前記従来例のうち、特開昭
６２−１７８９８２号公報に示される例においては、サ
ーボモータ速度制御用のパルスを発生させるためのロー
タリーエンコーダを、感光体の軸に直接連結する機構を
用いており、さらに、感光体ドラムの軸に対して、カッ
プリングを介して直接エンコーダを取り付けるようにし
ている。ところが、前記従来例のように、軸に対してカ
ップリングを介してエンコーダを取り付ける手段を用い
る場合には、前記カップリングの機械的な取り付け位置
の誤差や、取り付けのガタ等により、感光体ドラムの角
速度の検知の誤差が生じることが避けられないものとな
る。

【０００８】前記従来例とは別に、特開昭５６−１３２
８６６号公報に示される例では、透明回転板にスリット
を設けたものを感光体ドラムの軸に直接取り付ける手段
を用いている。しかし、前記従来例では、透明回転板の
取り付け孔と、軸とのはめ合い隙間等があると、回転板
の偏心による角速度の検出誤差が生じることは避けられ
ない。前記問題に加えて、エンコーダを軸に設けた状態
で、エンコーダの円板にそりが生じたり、エンコーダの
円板に形成する光学パターンをスリット等の目盛りによ
り形成する際に、前記目盛の間隔等にムラがあったりす
ることにより、検知情報に乱れが生じることがあり、前
記取り付け誤差等による偏心の他に、補正を要する情報
が入るために、検知情報の補正が面倒である。

【０００９】

【発明の目的】本発明は、前述したような従来の感光体
ドラムの駆動制御機構の問題を解消するもので、感光体
ドラムの軸に対してエンコーダ装置を取り付けるととも
に、前記エンコーダ装置の円板部材に対して、２個の検
出部材を軸に対して対向する位置に配置し、演算装置に
おいて検知部材から得られる検知信号を平均化すること
により、エンコーダ装置の回転体の取り付け誤差や回転
信号のムラ等を解消し、角速度の検知の動作を正確に行
い得るような装置を提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、電子写真方式
を用いて、感光体にトナー画像を形成する装置に関す
る。本発明においては、前記感光体等の回転部材の回転
軸に結合されて一体に回転する回転体に、等ピッチで光
学パターンを形成し、前記回転体に設けた光学パターン
を検出するために、前記回転体の回転中心に対して対向
する位置に２つの検出手段を配置し、前記２つの検出手
段から得られる信号を演算する手段を配置している。ま
た、本発明においては、前記２つの検出手段を、回転部
材の回転軸を支承する構造部材を介して支持すること、
および、回転軸に対して軸受けを介して設けた支持部材
を介して支持する手段を用いることができる。

【００１１】

【作用】前述したように構成される本発明のエンコーダ
装置においては、２つのセンサにより検知される軸の回
転の情報を、制御装置において演算することにより、誤
差成分を打ち消して、回転ムラ等の情報のみを正確に得
るようにする。また、前記回転軸に設ける回転体は、円
板に対してリング状の光学パターンを形成したものを用
いることの他に、任意の被検知用のマークを設けたもの
を用いることが可能である。そして、それ等のマークを
２つの光学センサにより検知した情報を、制御装置で処
理することにより、回転体の取り付け誤差等の情報に影
響されない角速度の情報を得ることを可能にする。

【００１２】

【実施例】図示される例にしたがって、本発明の画像形
成装置の回転部材の角速度検出装置を説明する。まず、
本発明において、カラー電子写真複写機を図９に示され
るように、４つの感光体ドラムを１直線状に配置し、各
感光体ドラムからの画像転写部に沿わせて、用紙を搬送
するベルトを配置し、用紙にカラートナー画像を重ねて
転写する機構を構成する場合について説明する。本発明
においては、カラートナー画像を形成するための感光体
ドラムに対して、図１に示されるように、駆動と回転の
制御を行う機構を配置している。前記図１に示される装
置において、感光体ドラム２に対する駆動系の構成を示
しているもので、感光体ドラム２の軸２０は、カラー電
子写真複写機のフレーム２１に対して軸受２２を介して
支持し、フレームの外側に駆動装置を設けている。

【００１３】本発明の回転部材の１つの例として示す感
光体ドラム２の軸２０には、フレーム２１の内側に、軸
２０の位置決め部材２３を配置し、感光体ドラムの支持
位置を一定に規制する手段を構成している。また、前記
フレーム２１の外側に配置する駆動装置では、モータ２
５と、中間ギヤ２６による駆動伝達手段を設け、軸２０
に固定した入力ギヤ２７に対する駆動を行うようにす
る。さらに、前記軸２０に対して、エンコーダ装置３０
の円板３１とブレーキ装置２８とを設けておき、エンコ
ーダ装置３０により感光体ドラムの回転速度の検知を行
うとともに、ブレーキ装置２８により感光体ドラムに対
して一定の負荷を付与しながら回転させることにより、
回転ムラが生じることを防止する機構を構成している。

【００１４】前記軸２０の端部には、感光体ドラムの径
よりも大径な回転慣性体２９を配置している。前記回転
慣性体２９は、図示されるように、軸に固定する円板２
９ａに対して、外周部に多数の薄い板部材を重ねて設け
たウェイト部材２９ｂを固定保持させている。前記ウェ
イト部材２９ｂは、鉄板等の比重の大きな金属板をリン
グ状に形成したものを用い、円板２９ａに対して任意の
枚数重ねて配置し、固定ネジ等を用いて一体に取り付け
る。したがって、前述したように、感光体ドラム２の軸
２０に対して、回転慣性体２９を固定保持させ、両部材
を一体に回転させることにより、回転慣性体の回転モー
メントを大きな値に設定することができる。そして、モ
ータ２５からギヤ装置を介して感光体ドラムを回転させ
る際に、前記感光体ドラムに与えられる回転振動を加え
るような作用に対して、回転慣性体の回転により振動を
減衰させることができる。

【００１５】例えば、感光体ドラムに対しては、ギヤの
噛み合いや、感光体ドラムに対して配置するクリーニン
グ装置のブラシの押圧作用、現像装置の現像ローラによ
る回転振動等が加えられるが、そのような感光体ドラム
に対する振動の原因を打ち消すように、回転慣性体によ
る定速回転の作用が発揮されることになる。なお、前記
感光体ドラムに対する駆動系において、軸２０にはブレ
ーキ装置２８を配置して、感光体ドラムの回転に対し
て、一定の値のブレーキ作用を付与することによって、
駆動系に一定の値の負荷を付与することを行い、感光体
ドラムの回転変動が発生しにくい状態に形成している。
また、前記感光体ドラムの回転速度を検知するために、
エンコーダ装置３０を設けており、前記エンコーダ装置
から出力される感光体ドラムの角速度の情報を用いて、
モータ２５に対する印加パルスの制御の作用等を行うこ
とや、感光体ドラムに対する画像の書き込みのタイミン
グを設定することができるようにする。

【００１６】前記図１に示される例において、感光体ド
ラム２の軸２０には、取り付け部材３３を介して、エン
コーダ装置３０の円板３１を取り付けている。本発明の
エンコーダ装置３０は、図２に示されるように、感光体
ドラムの軸２０に取り付けられている円板３１に対し
て、その円周部に近接する位置に、放射方向に多数のマ
ークを等間隔に形成したリング状の被検知部３２を形成
したものを用いており、円板としては、薄い金属製の円
板に対して、エッチング等の手段によりスリットを形成
し、前記スリットをマークとして用いることができる。
そして、前記図１に示されたような駆動機構を用いて、
感光体ドラムに対する駆動を行う際に、エンコーダの円
板３１が感光体ドラムとともに回転し、円板３１に対し
て配置する２つのセンサ部材３５、３６により、被検知
部のマークを検知した情報を出力させるようにする。

【００１７】前記図１、２に示されるエンコーダにおい
て、２つのセンサ部材を軸の回転中心に対して対向する
位置に配置しているので、その２つのセンサ部材から得
られる回転部材の回転の情報を制御装置に入力し、その
検知値を平均化することにより、軸の回転角速度の変化
（回転ムラ）の情報を容易に得ることかできる。そし
て、本発明においては、それぞれの検知部材から得られ
る信号を、演算器で平均化することによって、エンコー
ダの円板のそりや、円板に設ける被検知部のパターンの
乱れ等が原因となる検知情報の誤差等を容易に補正する
ことができる。また、円板の軸に対する取り付け状態に
よって、はめ合い隙間が生じるとともに、偏心すること
による情報の乱れも容易に補正することができるので、
比較的安価なエンコーダ装置を用いても、感光体ドラム
の角速度情報を高精度で得ることができる。

【００１８】前述したようにして、円板３１に対して被
検知部３２を設けたエンコーダ装置３０においては、そ
の円板の周囲に配置する２つのセンサ部材３５、３６か
ら得られる検知信号Ａ、Ｂは、制御装置３７に入力さ
れ、制御装置に設定したプログラムにしたがって、信号
の処理を行い、モータ２５に対する駆動信号を出力させ
るようにする。前記センサ部材から得られる軸の角速度
の検知信号Ａ、Ｂは、制御装置の演算手段により、
｛（Ａ＋Ｂ）／２｝の式を用いて平均化し、軸の真の角
速度としてＣＰＵ３８に入力される。そして、前記演算
過程を経てＣＰＵ３８に入力された角速度の値に応じ
て、制御装置にあらかじめ設定しているプログラムにし
たがってモータの駆動に対する補正信号を出力し、感光
体ドラムに対して配置するモータに対して、補正信号に
もとづいた駆動パルスを出力させ、感光体ドラムの軸を
駆動することができるようにする。

【００１９】前記図１に示されるように、本発明におい
ては、２つのセンサ３５、３６をセンサ支持部材３４に
取り付け、前記支持部材３４をサブフレーム２４に支持
させる手段を用いている。そして、前述したような支持
手段を用いる場合には、前記サブフレーム２４が、フレ
ーム２１とともに軸受２２に対して位置決めされるの
で、回転体としての円板３１が、軸２０に対して偏心し
た状態で取り付けられていても、センサは軸の回転中心
に対して不動の位置にあるので、検知情報を演算するこ
とにより、誤差成分の補正を容易に行うことができる。
また、本発明においては、前記図１の場合とは別のセン
サに対する支持手段を構成することができる。例えば、
図３に示されるように、回転軸２０に対して取り付ける
円板３１に対して、２のセンサ３５、３６を支持部材３
４を介して設けるが、前記支持部材３４は、軸２０に対
して単独の軸受２２ａを介して支持させている。さら
に、前記支持部材３４が軸とともに回転することを阻止
するために、フレーム２１からスタッド３４ａを配置し
て、円板に対するセンサの位置決めを行う手段を用いて
いる。そして、前述したようなセンサの支持手段を構成
する場合には、軸２０が曲がっている状態でも、円板と
センサとが軸に対して別個に影響されないことになり、
正確な検知情報を得ることができる。

【００２０】前記図２に示されるように、エンコーダ部
材３０に配置する２つのセンサ部材３５、３６から得ら
れる各成分の信号Ａ、Ｂのそれぞれは、図４の図表に示
されるように、真の角速度の成分Ａ１、Ｂ１と、円板の
偏心成分Ａ２、Ｂ２を含む値である。つまり、センサ部
材３５から得られる信号Ａの波形は、Ａ１とＡ２の２つ
の成分を含んだものであり、センサ部材３６から得られ
る信号Ｂの波形は、Ｂ１とＢ２の２つの成分を含んでい
る。前記図表において、前記真の角速度成分Ａ１、Ｂ１
は、軸の回転角速度の信号であるから、Ａ１＝Ｂ１であ
り、２つのセンサ部材３５、３６から得られる信号Ａ、
Ｂが一致しない状態では、円板の偏心成分Ａ２、Ｂ２の
影響を受けている状態となっている。また、円板が軸に
対して偏心した状態で取り付けられている場合でも、本
発明の検知部材としての２つのセンサは、回転軸の中心
に対して対称的な位置に配置されていることから、前記
センサにより得られる情報の偏心の影響の情報Ａ２、Ｂ
２は、（Ａ２−Ｂ２）の演算によって０となる。したが
って、本発明のエンコーダ装置においては、２つのセン
サの取り付け位置を前述したように設定することによ
り、円板３１の偏心成分の信号を打ち消して、感光体ド
ラムの軸の真の角速度成分のみを得ることができる。

【００２１】前述したように、２つのセンサを軸に対し
て対称的な位置に配置して、円板にて角速度の検知を行
う場合に、実際に得られる回転変動の波形は、図５ない
し図８に示されるような値で得られる。前記図５と図６
に示されるグラフは、２つのセンサ部材から出力される
回転信号Ａ、Ｂの波形を示しており、縦軸に角速度を時
間積分した変位を、横軸に時間をとって、軸が１回転す
る間の円板の被検知部に対する検知信号を示している。
そこで、前記２つの検知信号Ａ、Ｂを、制御装置で
｛（Ａ＋Ｂ）／２｝の式を用いて演算した値が、図７の
グラフに示されるようになる。前記図７に示されるグラ
フで示される値は、図８に示されるように、高精度のエ
ンコーダ装置を用いて軸の角速度の検知を行った場合の
グラフと比較すると、ほぼ同一の値を得ることができ
る。つまり、本発明のように、２つのセンサ部材を回転
中心に対して対称に配置して、その検知値を演算処理す
ることによっても、高精度のエンコーダ装置を用いて測
定した場合と同様な情報を得ることができる。

【００２２】したがって、前記図５ないし図８に示され
るように、各センサ部材から得られる軸の角速度の変動
値の情報を、制御装置において演算処理を行うことによ
り、図４の図表に示されるように、検知信号から円板の
取り付け誤差や偏心等の情報を除去して、軸の角速度の
変動値のみを正確に得ることができるものとなる。ま
た、本発明の装置では、円板に設けたスリット等の被検
知部を検知するために、特に高価で検知精度の高い検知
手段を用いる必要がなく、比較的安価なセンサ部材を使
用することができる。そして、制御装置に組み込むプロ
グラム等は、一般の電子写真複写機での制御手段に対し
て、感光体ドラムの回転情報の制御を組み込む際に、２
つのセンサ部材からの情報を演算処理するだけのプログ
ラムを追加して設定するのみで対処することができる。

【００２３】なお、前述したような画像形成装置の回転
部材の角速度検出装置は、感光体として、感光体ドラム
を使用する場合のみでなく、感光体ベルトを用いた画像
形成装置に対しても適用することが可能であり、その場
合には、ベルトを駆動する軸に対してエンコーダ装置を
配置することができる。さらに、前記回転部材として
は、透明なガラスのような円板部材を使用することがで
きるもので、そのガラス板に形成するマークは、特に高
精度に形成する必要がなく、比較的安価なものとして構
成することが可能である。また、前記２つのセンサ部材
３５、３６としては、円板が不透明な金属で構成されて
いる場合には、スリットの検知を行うために、発光ダイ
オードと受光部材とを対向させて配置した光センサ手段
を用いることができる。また、不透明な板部材に対し
て、スリットを形成せずに放射状の線を描いたもので回
転部材を構成する場合には、反射型センサを用いること
も可能である。

【００２４】

【発明の効果】本発明の画像形成装置の回転部材の角速
度検出装置は、感光体等の回転部材の回転軸に対して、
被検知用のマーク等を設けた円板を取り付け、前記円板
に対して２つのセンサ部材を回転中心に対して対向させ
る位置に配置する機構を構成することにより、円板の取
り付け位置を特に厳密に設定しなくても、感光体の回転
の情報を正確に得ることができる。また、本発明におい
ては、２つのセンサ部材を軸の回転中心に対して対向す
る位置に配置しているので、その２つのセンサ部材から
得られるエンコーダ装置の回転の情報を制御装置に入力
し、その検知値を平均化することにより、軸の回転ムラ
の情報を容易に得ることができる。そして、本発明にお
いては、それぞれの検知部材から得られる信号を、演算
器で平均化することによって、エンコーダの円板のそり
や、円板に設ける被検知部のパターンの乱れ等が原因と
なる検知情報の誤差等を容易に補正することができる。
また、エンコーダの回転体の軸に対する取り付け状態に
より、はめ合い隙間が生じること等により偏心した場合
にも、その偏心による情報の乱れも容易に補正すること
ができるので、比較的安価なエンコーダ装置を用いて
も、感光体ドラム等の角速度の変動の情報を高精度で得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】感光体ドラムの駆動装置の構成を示す側面図
である。

【図２】本発明の回転体とセンサ部材とおよび制御装
置の構成を示す説明図である。

【図３】本発明の回転体の取り付け方式の別の実施例
の説明図である。

【図４】２つのセンサ部材から出力される信号と、演
算処理した信号の関係を示す図表である。

【図５】１つのセンサより得られる検知値の状態を示
すグラフである。

【図６】別のセンサより得られる検知値の状態を示す
グラフである。

【図７】２つの信号を演算した場合の波形の状態を示
すグラフである。

【図８】高精度エンコーダ装置により得られる検知値
の状態を示すグラフである。

【図９】感光体ドラムを複数用いた一般的なカラー電
子写真複写機の説明図である。

【符号の説明】

１カラー電子写真複写機、２感光体ドラム、
８定着装置、１０給紙トレイ、１５搬
送ベルト、２０感光体軸、２１フレーム、
２５駆動モータ、２７駆動ギヤ、２９回
転慣性体、３０エンコーダ装置、３１円
板、３２被検知部、３５・３６センサ部材、
３７制御装置、３８ＣＰＵ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者大沢浩神奈川県海老名市本郷2274番地富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者沢井裕之神奈川県海老名市本郷2274番地富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者神崎健治神奈川県海老名市本郷2274番地富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者城戸衛神奈川県海老名市本郷2274番地富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者佐藤紀文神奈川県海老名市本郷2274番地富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者笠間稔神奈川県海老名市本郷2274番地富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者安齋敏雄神奈川県海老名市本郷2274番地富士ゼロックス株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】電子写真方式を用いて感光体にトナー画
像を形成する装置において、前記感光体等の回転部材の回転軸に結合されて一体に回
転する回転体に、等ピッチで光学パターンを形成し、前記回転軸に設けた光学パターンを検出するために、前
記回転軸の回転中心に対して対向する位置に２つの検出
手段を配置し、前記２つの検出手段から得られる信号を演算する手段を
配置することを特徴とする画像形成装置の回転部材の角
速度検出装置。
【請求項２】前記２つの検出手段は、回転部材の回転
軸を支承する構造部材を介して支持し、前記回転軸に設けた光学パターンを検出するために、前
記回転軸の回転中心に対して対向する位置に配置するこ
とを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置の回転部
材の角速度検出装置。
【請求項３】前記２つの検出手段は、回転軸に対して
軸受けを介して設けた支持部材を介して支持するととも
に、前記回転軸を支承する構造部材との間で、前記支持部材
の回転を阻止する手段を介して支持させることを特徴と
する請求項１に記載の画像形成装置の回転部材の角速度
検出装置。