JPH07140158A - 車輪速センサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機能部品を収納するハウジングと上部の成形
部分とを同じ樹脂で一体に成形し、取付用ブラケットを
一体に接合し、ポールピースの突出部にシールを入れて
完全密封し、車輪速センサの作業性、高品質、コスト低
減を図る。 【構成】 第一の樹脂１０で磁石２、鉄心３’、ボビン
４、巻線コイル５、ヨーク６等を固定し、その外周をハ
ウジング１’で囲みこのハウジング１’を第二の樹脂成
形部１１と一体に形成する。ハウジング１’と第二の樹
脂成形部１１の接合部には取付用ブラケット１２が一体
に接合され、ポールピース７の貫通部には密封シール１
４が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動車車輪などの回
転体の回転数や回転速度を検知するための車輪速センサ
に関する。

【０００２】

【従来の技術】回転体の回転速度等を検知する車輪速セ
ンサに採用される回転検出方式には、例えば電磁発電方
式、磁気抵抗素子あるいはホール素子を使用する方式等
種々のものが知られている。かかる車輪速センサは一般
に車輪支持部等の適宜位置に取り付けられ、車輪と共に
回転し車輪速センサに回転出力を誘起させるためにセン
サロータ（エキサイタとも呼ばれる）と対にして用いら
れる。

【０００３】上記種々の方式による従来の車輪速センサ
のうち電磁発電方式のものは、一般に非磁性体の筒状ハ
ウジング内に設けられる磁石、鉄心、ポールピース、上
記鉄心の外周に嵌合されるボビンの上に巻かれた巻線コ
イルなどから成り、代表的な例を図３に示す。

【０００４】図３はポールピース突出形のものであり、
１はハウジング、２は磁石、３は鉄心、４はボビン、５
は巻線コイル、６はヨーク、７はポールピースであり、
Ｘはセンサロータである。センサロータＸは、図示のよ
うに外縁に山と谷が交互に形成された歯車上の円板から
成る。

【０００５】さらに、この車輪速センサは取り付け用の
ブラケット１２を銅ろう付け１２’で固定し、磁気回路
を構成し、外部に突出するポールピース７をレーザ溶接
１３で固定した中空状のケース１内に鉄心３と磁石２、
ヨーク６、端子８をモールド部材１０で固定し、このモ
ール部材にコイル５を巻装し、第２のモールド部材１１
でモールドされている。

【０００６】このように配置構成した車輪速センサに対
して、回転体の回転によりセンサロータが回転すると、
その回転により鉄心を貫く磁気の大きさが変化し、巻線
コイルの両端に交流電圧が発生する。この交流電圧は出
力線から出力され、図示省略の検出回路における二値化
回路によりパルス信号として検出され、このパルス信号
を計数することにより回転速度等が得られる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の車輪速センサは、ブラケットを固定するために
銅ろう付けを行い、外部突出のポールピースを固定する
ためレーザ溶接を行い、またケース内に磁石、ポールピ
ース、コイル他の部品を組み込んだ後に、開口部より熱
硬化性の樹脂を注入して、固定、保持、及び気密性確保
を行っていたが、この方式では、ケースにブラケットを
固定するため銅ろう付け、外部ポールピースを固定する
ためのレーザ溶接など、作業が煩雑かつ工程に長時間を
要し、ケース内に充填した樹脂とケースの熱膨張率の差
から高低温繰り返した時に気密性が低下するなどの種々
の問題があった。

【０００８】この発明は、上記従来の車輪速センサの種
々の問題に留意して、非磁性体の金属製のハウジングに
代えて樹脂製のハウジングに機能部品を収納し、作業性
がよく、取付用ブラケットなどを安定して取り付け、密
封性も高い、経済的な車輪速センサを提供することを課
題をする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する手段
としてこの発明は、ハウジング内に磁石、ポールピー
ス、鉄心、出力端子などを含む機能部品を第一の樹脂で
固定し、その出力端子に出力線の端部を接続して外周を
第二の樹脂で成形して成り、上記ハウジングは第二の樹
脂成形体と一体に形成すると共に第二の樹脂成形体に取
付用のブラケットを接合して設け、ポールピースは外部
突出形とし鉄心と一体に形成すると共に、ハウジング貫
通部の内側に密封シールを設けて成る車輪速センサとし
たのである。

【００１０】

【作用】以上の構成としたこの発明の車輪速センサは、
原則として従来のものと同様に作用する。但し、ポール
ピースは鉄心と一体に作られているから出力信号が従来
より大きくなり、より正確な車輪速信号が得られる。

【００１１】ハウジングは第二の樹脂成形体と同じ材料
で一体に形成されているから、作業性がよく、ブラケッ
トを一体に接合しているから、丈夫であり、故障が少な
くなる。又、密封シールにより密封性も完全である。

【００１２】

【実施例】以下、この発明の実施例について図面を参照
して説明する。図１は実施例の車輪速センサの主要断面
図である。１’はハウジング、２は磁石、３’は鉄心、
４はボビン、５は巻線コイル、６はヨーク、７はポール
ピースである。これら機能部品は従来例と原則として同
じであり、詳細な説明は省略する。

【００１３】但し、ハウジング１’、鉄心３’は後で説
明するように若干異なっている。

【００１４】上記機能部品（２〜７）は、端子８と共に
第一の樹脂１０で固定され、端子８には出力線９の端部
が半田で固定接続され、その外周を第二の樹脂成形部１
１で固定されている。

【００１５】そして、ハウジング１’は第二の樹脂成形
部１１と同材料で一体に成形されている。又、取付用の
ブラケット１２はハウジング１’と第二の樹脂成形部１
１による固定部との境界部で第二の樹脂成形部に接合し
て設けられている。

【００１６】さらに、鉄心３’は突出形のポールピース
７と一体成形され、ポールピース７のハウジング１’下
底を貫通する部分では、ハウジング１’内を密封するた
めのＯ−リングによる密封シール１４が設けられてい
る。

【００１７】上記の構成とした実施例の車輪速センサ
は、従来例と同様に車輪速信号を出力する。ポールピー
ス７の部分は鉄心３’と一体であるため、従来のように
ポールピースを別体として設ける場合より磁力線が大き
くなり、より出力信号は大きくなり、感度のよいセンサ
として作用する。上記ハウジング１’は、まず磁石２〜
ポールピース７の機能部品及び端子８をハウジング１’
と同形状の金型内に入れて、例えばポッティング成形法
により樹脂１０を入れて固定し、成形後は金型を引き抜
く。そして、密封シール１４を挿入した状態で第二の樹
脂成形部１１と同じ樹脂を所定の厚さに、例えば射出成
形などにより成形してハウジング１’に相当する部分を
成形すると共に、上部の樹脂成形部１１をも成形する。

【００１８】その際ブラケットにも樹脂成形部１１と接
合して一体に構成する。図３の（ｂ）に示しているよう
に、ブラケット１２には上部の樹脂成形部１１とハウジ
ング１’が一体に連結されるように、開口１２ａはハウ
ジング１’の外径に相当する穴が穿設され、適宜ヶ所に
樹脂の通り溝１２ｂが複数ヶ（図示の例では三ヶ所）設
けられている。通り溝１２ｂを介してハウジング１’と
上部の樹脂成形部１１が一体化される。

【００１９】

【効果】以上詳細に説明したように、この発明の車輪速
センサは機能部品を収納するハウジングをその上部の第
二の樹脂成形部と同じ材料で一体に形成し、ハウジング
との接合部に取付用ブラケットを一体に接合し、鉄心と
一体のポールピースの貫通部には密封シールを設けて、
完全密封した構成としたから、加工成形が容易で、機密
性に優れ、鉄心と一体のポールピースであるため出力が
大きく、経済的な車輪速センサが得られるという利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の車輪速センサの主要断面図

【図２】同上の鉄心とポールピース及び取付ブラケット
の具体例の図

【図３】従来例の車輪速センサの主要断面図

【符号の説明】

１’ ハウジング ２ 磁石 ３’ 鉄心 ４ ボビン ５ 巻線コイル ６ ヨーク ７ ポールピース ８ 端子 ９ 電線 １０ 第一の樹脂 １１ 第二の樹脂成形部 １２ 取付用ブラケット １４ 密封シール

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハウジング内に磁石、ポールピース、鉄
   心、出力端子などを含む機能部品を第一の樹脂で固定
   し、その出力端子に出力線の端部を接続して外周を第二
   の樹脂で成形して成り、上記ハウジングは第二の樹脂成
   形体と一体に形成すると共に第二の樹脂成形体に取付用
   のブラケットを接合して設け、ポールピースは外部突出
   形とし鉄心と一体に形成すると共に、ハウジング貫通部
   の内側に密封シールを設けて成る車輪速センサ。