JPH07139206A - 二段式駐車装置 - Google Patents

二段式駐車装置

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JPH07139206A
JPH07139206A JP28916293A JP28916293A JPH07139206A JP H07139206 A JPH07139206 A JP H07139206A JP 28916293 A JP28916293 A JP 28916293A JP 28916293 A JP28916293 A JP 28916293A JP H07139206 A JPH07139206 A JP H07139206A
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lifting
vehicle
rail
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健太郎 小松
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隆広 森下
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岩雄 石井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 容易に拡張・縮小あるいは移動させることが
できて十分に駐車用地の有効利用を図ることができ、チ
ェン等が切れたときには昇降パレットの落下を防止する
ことができる二段式駐車装置を提供する。 【構成】 二段式駐車装置GSでは、本体部2が、基本
部材を締結ボルトで連結して組み立てる分割組立構造と
されている。このため、既設の二段式駐車装置GSに対
して、1つの内側車両収容部3を構成する分の基本部材
を連結・解離することによって、車両収容部3を1つ増
減させることができ、該二段式駐車装置GSを容易に拡
張・縮小することができる。また、本体部2が地面1に
固着されない直置き構造とされ、二段式駐車装置GSを
容易に移動させることができる。このため、駐車用地を
有効に利用することができる。また、チェンが切れたと
きには昇降パレット落下防止手段により昇降パレット4
の落下が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車を上下二段に駐
車させることができる二段式駐車装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用の駐車場としては、従来より土
地を整地しあるいは舗装した上で、該土地を1台分ごと
に区画あるいは線引きした平面的な駐車場が広く用いら
れているが、近年、駐車場用地の不足に伴い、土地の有
効利用を図るために自動車を立体的に駐車させるように
した立体駐車装置が普及しつつある。
【0003】具体的には、例えば、自動車を上下2段に
収容し、平面的な駐車場に比べて、単位面積当たりで約
2倍の自動車を駐車させられるようにした二段式駐車装
置が実用化されている。かかる二段式駐車装置におい
て、最も単純なものは、地面に設けられた基礎上に構築
された本体部内に、複数の車両収容部を左右方向に並べ
て形成し、各車両収容部に夫々上下方向に移動すること
ができる昇降パレットを設け、各車両収容部において夫
々本体部床面と昇降パレットとに車両を載せるようにし
ている。
【0004】しかしながら、このような単純な二段式駐
車装置では、ある昇降パレットの下方に自動車が置かれ
ていると、この自動車を一時的に駐車装置外に移動させ
ないことには該昇降パレットに対して自動車を出し入れ
することができないので、自動車の出し入れに手間がか
かるといった問題がある。
【0005】そこで、各車両収容部に夫々上下方向に移
動することができる昇降パレットを設ける一方、本体部
床面付近で複数の車両収容部にわたって左右方向に移動
することができる横行パレットを設け、両パレットに車
両を載せるようにした二段式駐車装置が提案されている
(例えば、特開昭57−21671号公報、特開昭61
−211460号公報参照)。このように昇降パレット
と横行パレットとが設けられた従来の二段式駐車装置に
おいては、普通、横行パレットの設置台数は車両収容部
の数(昇降パレットの設置台数)よりも1つだけ少なくさ
れ、これによって任意の車両収容部を、横行パレットが
配置されていない状態、すなわち昇降パレットに対して
自動車の出し入れが可能な状態にすることができるよう
になっている。
【0006】なお、車両収容部を1つしか設けない場合
は、横行パレットを左右に移動させることができないの
で、横行パレットを設けないタイプの二段式駐車装置、
すなわち昇降パレットに対して自動車を出し入れする際
にその下方の自動車を駐車装置外に出さざるをえないタ
イプの二段式駐車装置とするほかはない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、既設の二段
式駐車装置の右隣又は左隣に空き地がある場合、この空
き地に駐車装置を増設するといった計画がたてられるこ
とがあるが、このような場合、従来の二段式駐車装置で
はその拡張が極めて困難であるため、既設の二段式駐車
装置の隣に新たに別の二段式駐車装置を設けざるをえな
い。この場合、駐車台数を2台だけ増やすときには、前
記したとおり、昇降パレットに対して自動車を出し入れ
する際にその下方の自動車を一時的に駐車装置外に出す
タイプの二段式駐車装置を設けるほかはないので、新設
分については自動車の出し入れに手間がかかるといった
問題が生じる。
【0008】また、駐車台数を3台以上増やすときに
は、昇降パレットと横行パレットとを備えたタイプの二
段式駐車装置を設けることができるので、自動車の出し
入れには手間はかからないものの、既設、新設の両二段
式駐車装置に、夫々、横行パレットを移動させるための
スペースを確保しなければならないので、1つの大きな
二段式駐車装置を設置する場合に比べて駐車可能台数が
1台分少なくなり、十分に土地の有効利用を図ることが
できないといった問題が生じる。
【0009】かつ、従来の二段式駐車装置では、本体部
が地面に設けられたコンクリート基礎等に固着されるの
で、該二段式駐車装置を移動させることは極めて困難で
ある。このため、例えば既設の二段式駐車装置の左右に
夫々比較的狭い空き地があるような場合に、この二段式
駐車装置を左右のいずれかに寄せて比較的広い空き地を
つくり、ここに駐車装置を増設するなどといった手法で
土地の有効利用を図ることができない。また、従来の二
段式駐車装置ではその縮小は不可能であり、このため既
設の二段式駐車装置が配置されている土地の一部を他の
目的に利用しようとすれば、既設の二段式駐車装置を全
部撤去せざるをえない。
【0010】さらに、従来の二段式駐車装置において
は、普通、昇降パレットがチェン等を介して本体部によ
って支持(釣支)されるようになっているが、このチェン
が切れたときには昇降パレットが落下するので、該昇降
パレットに載せられた自動車、あるいはその下方に置か
れた自動車に損傷が生じるといった問題がある。
【0011】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、容易に拡張・縮小あるいは
移動させることができて十分に駐車用地の有効利用を図
ることができ、かつ昇降パレットを支持するチェン等が
切れたときには昇降パレットの落下を防止することがで
きる二段式駐車装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、第1の発明は、基盤上に配置され、内部に複数の車
両収容部が左右方向に並んで形成された本体部を備えて
いて、各車両収容部内に、夫々、本体部によって上下方
向に移動可能に支持された昇降パレットと、該昇降パレ
ットより下側で本体部によって左右方向に移動可能に支
持された横行パレットとが配置されている二段式駐車装
置において、本体部が、車両収容部を1つづつ増減する
ことができるようになっていることを特徴とする二段式
駐車装置を提供する。なお、「基盤」とは、整地された土
地、建物の床面、ビルの屋上等、本体部を傾斜させずに
支持することができる平坦でかつ強固な支持体を意味す
るものとする。また、「左右方向」とは、二段式駐車装置
を正面からみての左右方向を意味するものとする。
【0013】第2の発明は、第1の発明にかかる二段式
駐車装置において、本体部が、夫々いずれか1つの車両
収容部に帰属する複数の基本部材で構成され、かつ組み
立てられたときには隣接することになる基本部材同士を
互いに連結することによって組み立てられる分割組立構
造とされていて、既設の二段式駐車装置に対して、1つ
の車両収容部に対応する分の基本部材を連結・解離する
ことによって、車両収容部を1つづつ増減することがで
きるようになっていることを特徴とする二段式駐車装置
を提供する。
【0014】第3の発明は、第2の発明にかかる二段式
駐車装置において、本体部が、基盤に固着されない直置
き構造とされていることを特徴とする二段式駐車装置を
提供する。
【0015】第4の発明は、第2又は第3の発明にかか
る二段式駐車装置において、横行パレットが、本体部内
で左右方向に延びて敷設されるレールの上を走行するこ
とによって左右方向に移動することができるようになっ
ていて、該レールが、各車両収容部ごとに分割されてい
ることを特徴とする二段式駐車装置を提供する。
【0016】第5の発明は、第4の発明にかかる二段式
駐車装置において、レールが、隣接する車両収容部の境
界近傍では欠損されていて、該欠損部に、本体部の柱の
下端部に取り付けられたベースプレートが配置され、該
ベースプレートがレールとして機能するようになってい
ることを特徴とする二段式駐車装置を提供する。
【0017】第6の発明は、第2〜第4の発明のいずれ
か1つにかかる二段式駐車装置において、昇降パレット
が吊り具を介して本体部によって支持される一方、昇降
パレットに本体部の柱に当接して該昇降パレットの上下
方向の移動に伴って回転する回転部材が設けられてい
て、吊り具が切れたときには、回転部材と本体部の柱と
の間にくい込んで回転部材の回転を止め、これによって
昇降部材の落下を防止する昇降パレット落下防止手段が
設けられていることを特徴とする二段式駐車装置を提供
する。なお、「吊り具」とは、リンクプレートチェン、ロ
ーラチェン、ワイヤロープ等、重量物を釣支することが
できる曲げ変形自在な紐状体を意味するものとする。
【0018】第7の発明は、第6の発明にかかる二段式
駐車装置において、吊り具が、本体部の柱の内部に収容
され、該柱の外部には露出しないように配置されている
ことを特徴とする二段式駐車装置を提供する。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する
が、本実施例においては、図1、図4又は図5中の
1、X2方向を夫々「左」、「右」といい、図2〜図5中の
1、Y2方向を夫々「前」、「後」といい、図1〜図3又は
図5中のZ1、Z2方向を夫々「上」、「下」ということにす
る。図1と図2とに示すように、本発明にかかる二段式
駐車装置GSは、整地ないしは舗装された水平でかつ平
坦な地面1の上に設置されている。そして、この二段式
駐車装置GSには、該駐車装置GSの骨格をなし、地面
1上に直置きされたすなわち地面1には固着されていな
い本体部2が設けられ、この本体部2内に5つの車両収
容部3が左右方向すなわちX1,X2方向に並んで形成さ
れている。ただし、図1では紙面の都合により、二段式
駐車装置GSの一部の図示を省略している。なお、地面
1は、特許請求の範囲に記載された「基盤」に相当する。
このように、二段式駐車装置GS(本体部2)は、地面1
に固着されない直置き構造とされているので、必要があ
れば左右方向又は前後方向に容易に移動させることがで
き、駐車用地を有効に利用することができる。
【0020】各車両収容部3内には、夫々、後で説明す
る各種チェン10,12,53を介して本体部2によって
上下方向すなわちZ1,Z2方向に移動可能に支持された
昇降パレット4が配置されている。そして、昇降パレッ
ト4より下側において本体部2内には、後で説明するレ
ール24,25を介して本体部2によって左右方向に移
動可能に支持された4台の横行パレット5が配置されて
いる。ここで、横行パレット5の設置台数(4台)は、車
両収容部3の数すなわち昇降パレット4の設置台数(5
台)よりも1つだけ少なくされている。したがって、各
横行パレット5を左右方向に適当に移動させることによ
って、任意の車両収容部3を、横行パレット5が配置さ
れていない状態、すなわち昇降パレット4をほぼ本体部
2の床部まで下降させることができる状態にすることが
できる。なお、昇降パレット4の前端部において、その
左右の端部には夫々該昇降パレット4を支持するための
前側支持部4aが設けられている。また、昇降パレット
4の後端部において、その左右の端部には夫々該昇降パ
レット4を支持するための後側支持部4bが設けられて
いる。
【0021】各昇降パレット4と各横行パレット5と
は、夫々、平面視では略長方形であって、その上面に自
動車6を1台づつ載せることができるようになってい
る。したがって、二段式駐車装置GSは、最大で9台の
自動車を駐車させることができることになる。この二段
式駐車装置GSへの自動車の出し入れは、横行パレット
5については単に任意の横行パレット5の正面から自動
車6を出し入れするだけでよい。他方、昇降パレット4
については、まず各横行パレット5を適当に左右に移動
させ、自動車6の出し入れを行おうとしている昇降パレ
ット4の下方に横行パレット5が配置されていない状態
をつくった上で、該昇降パレット4を下降させて自動車
6の出し入れを行い、この後該昇降パレット4を上昇さ
せればよい。
【0022】各昇降パレット4は、基本的には、その平
面視における4隅でチェン10,12,53を介して本体
部2によって、その上面が水平に保たれるように支持
(釣支)されている。なお、これらのチェン10,12,5
3のかわりにワイヤロープを用いてよい。図12及び図
13にも示しているように、平面視で昇降パレット4の
右・後側の1隅に設けられた後側支持部4bには、リン
クアーム7とリンク部材8とを介して、電動式のチェン
ブロック9に巻きかけられた吊り上げチェン10の一端
が連結されている。本実施例では、吊り上げチェン10
にはローラチェンを用いているが、他の種類のチェンを
用いることができるのはもちろんである。また、本実施
例ではかかる昇降パレット4の吊り上げ構造を、吊り上
げチェン10を1本だけ設けるいわゆる1列構造として
いるが、吊り上げチェン10を並んで2本設ける2列構
造として、耐久性を高めるようにしてもよい。
【0023】ここで、チェンブロック9(モータ)が正回
転すると吊り上げチェン10が巻き上げられ、これに伴
って昇降パレット4が上昇するようになっている。他
方、チェンブロック9が逆回転すると吊り上げチェン1
0が巻き下げられ、これに伴って昇降パレット4が自重
で下降するようになっている。なお、吊り上げチェン1
0の先端側の部分(昇降パレット4と連結された側と反
対側)は、本体部2に取り付けられたチェンボクス11
内に収容されるようになっている。
【0024】昇降パレット4の右側側部と左側側部とに
は、夫々、一端が昇降パレット4の前側支持部4aに連
結される一方、他端が昇降パレット4の後側支持部4b
に連結された連動チェン12が設けられている。本実施
例では、連動チェン12にはリンクプレートチェンを用
いているが、他の種類のチェンを用いることができるの
はもちろんである。なお、本実施例では連動チェン12
は1列構造とされているが、連動チェン12を2列構造
としてその耐久性を高めるようにしてもよい。この連動
チェン12は、夫々、本体部2によって回転自在に支持
された、第1,第2,第3スプロケット13,14,15に
巻きかけられている。ここで、連動チェン12の前側の
端部は上側から前側支持部4aに連結され、その後側の
端部は下側から後側支持部4bに連結されている。な
お、連動チェン12は昇降パレット4の昇降を何ら妨げ
ない。そして、連動チェン12は、吊り上げチェン10
と協働して、昇降パレット4の前端部を支持するととも
に、昇降パレット4の前後の傾動を係止して該昇降パレ
ット4を水平に保つ機能を有している。
【0025】図10及び図11にも示すように、本体部
2の各車両収容部3の後部には夫々、上端が後で説明す
る後側横梁36に固定された上側連結部51に連結さ
れ、下端が後で説明する後ベース28に固定された下側
連結部52に連結された横揺れ防止チェン53が設けら
れている。ここで、横揺れ防止チェン53は、夫々昇降
パレット4の後端部に設けられた第1,第2背面スプロ
ケット54,55に巻きかけられている。なお、横揺れ
防止チェン53は、昇降パレット4の昇降を何ら妨げな
い。本実施例では、横揺れ防止チェン53にはリンクプ
レートチェンを用いているが、他の種類のチェンを用い
ることができるのはもちろんである。そして、この横揺
れ防止チェン53は、吊り上げチェン10と協働して、
昇降パレット4の後端部を支持するとともに、昇降パレ
ット4の左右の傾動すなわち横揺れを係止して該昇降パ
レット4を水平に保つ機能を有している。
【0026】昇降パレット4の前側支持部4aには、本
体部2の前柱33(H鋼)の後壁に、これを前後からはさ
むようにして当接し、昇降パレット4の昇降に伴って回
転する第1前側回転部材16と第2前側回転部材17と
が設けられている。さらに、昇降パレット4の後側支持
部4bには、本体部2の後柱34(H鋼)の前壁に、これ
を前後からはさむようにして当接し、昇降パレット4の
昇降に伴って回転する第1後側回転部材18と第2後側
回転部材19とが設けられている。これらの回転部材1
6〜19は、昇降パレット4の昇降時に、該昇降パレッ
ト4の姿勢を安定させるとともに、昇降パレット4と本
体部2の柱33,34との間の摩擦抵抗を低減するため
に設けられている。
【0027】図3に示すように、横行パレット5の、前
端部近傍における左右端付近には夫々前側車輪21が設
けられている。また、横行パレット5の、後端部よりや
や前寄りの位置における左右端付近には夫々後側車輪2
3が設けられている。ここで、対応する前側車輪21と
後側車輪23とは車軸20で連結されている。そして、
右側の後側車輪23はモータ22によって駆動されよう
になっている。したがって、前記したとおり右側の前側
車輪21と後側車輪23とは車軸20で連結されている
ので、右側の前側車輪21と後側車輪23とは駆動輪と
なり、左側の前側車輪21と後側車輪23とは非駆動輪
(従動輪)となる。前側車輪21は、鉄道等で用いられて
いる普通のタイプの軌道走行用車輪であって、左右方向
に延びて敷設された略矩形の横断面をもつ前側レール2
4に載せられている。他方、後側車輪23は、レールに
対して逆V字形の接触面をもつプーリ状の車輪であっ
て、左右方向に延びて敷設された逆V字形の接触面をも
つアングル状の後側レール25に載せられている。な
お、前側レール24は後で説明する前ベース26の上面
に取り付けられ、後側レール25は後で説明する中間ベ
ース27の上面に取り付けられている。そして、横行パ
レット5は、後で説明するモータ22を正回転又は逆回
転させることによって、レール24,25上を右方向又
は左方向に走行(移動)することができるようになってい
る。
【0028】このように、後側車輪23をプーリ状の車
輪としているのは、後側車輪23と後側レール25との
間の接触面積を大きくするためである。このように、接
触面積が大きくなるので、駆動輪である右側の後側車輪
23のスリップが防止され、横行パレット5の走行性能
が高められる。なお、前側車輪21を普通のタイプの車
輪としているのは、両車輪21,23間の間隔、あるい
は両レール24,25間の間隔にずれが生じたときにか
かるずれを吸収するためである。なお、前側車輪21と
後側車輪23とを車軸20で連結せず、互いに独立して
回転できる構造としてもよい。このようにすれば、横行
パレット5の構造が簡素化される。
【0029】ところで、二段式駐車装置GSは、夫々い
ずれか1つの車両収容部3に帰属する複数の基本部材
(複数種)で構成され、かつ組み立てられたときには隣接
することになる基本部材同士を互いに連結することによ
って組み立てられる分割組立構造とされている。このた
め、既設の二段式駐車装置GSに、内側(左右端以外)の
1つの車両収容部3(以下、これを内側車両収容部3と
いう)に帰属する基本部材に対応する分の基本部材を連
結・解離することによって、車両収容部3を1つづつ増
減することができ、これによって二段式駐車装置GSを
容易に拡張・縮小することができるようになっている。
【0030】以下、かかる本体部2の分割組立構造につ
いて説明する。図4と図5とに示すように、本体部2
は、床部Fと、該床部Fの上に取り付けられる支持部S
とで構成されている。そして、床部Fは、基本的には、
5枚の前ベース26と、5枚の中間ベース27と、5枚
の後ベース28と、対応する前ベース26と中間ベース
27とを連結しかつ隣接する前ベース26同士あるいは
隣接する中間ベース27同士を連結する6本の前側連結
梁31と、対応する中間ベース27と後ベース28とを
連結しかつ隣接する中間ベース27同士あるいは隣接す
る後ベース28同士を連結する6本の後側連結梁32と
で構成されている。なお、これらの各ベース26〜28
及び各連結梁31,32は、夫々、基本部材の1種であ
り、これらの配置形状は図4に示されているとおりであ
る。
【0031】ここで、前ベース26としては、右端に配
置される右側前ベース26rと、左端に配置される左側
前ベース26hと、これらの間に配置される内側前ベー
ス26mの3種のものが用いられるようになっている。
また、中間ベース27としては、右端に配置される右側
中間ベース27rと、左端に配置される左側中間ベース
27hと、これらの間に配置される内側中間ベース27m
の3種のものが用いられるようになっている。さらに、
後ベース28としては、右端に配置される右側後ベース
28rと、左端に配置される左側後ベース28hと、これ
らの間に配置される内側後ベース28mの3種のものが
用いられるようになっている。
【0032】支持部Sは、基本的には、6本の前柱33
と、6本の後柱34と、左右に隣合う前柱33の間に配
置される5本の前側横梁35と、左右に隣合う後柱34
の間に配置される5本の後側横梁36と、対応する前柱
33と後柱34との間に配置される6本の縦梁37とで
構成されている。なお、これらの各柱33,34及び各
梁35〜37は、夫々、基本部材の1種であり、これら
の配置形状は図5に示されているとおりである。ここ
で、各柱33,34及び各梁35〜37は、夫々、H鋼
すなわちH字形の横断面をもつ鋼材で形成されている。
【0033】前柱33としては、右端に配置される右側
前柱33rと、左端に配置される左側前柱33hと、これ
らの間に配置される内側前柱33mの3種のものが用い
られるようになっている。また、後柱34としては、右
端に配置される右側後柱34rと、左端に配置される左
側後柱34hと、これらの間に配置される内側後柱34m
の3種のものが用いられるようになっている。
【0034】ここで、各前柱33(33r,33h,33m)
の下端部には、夫々、これらを対応する前ベース26
(26r,26h,26m)にボルト締結するためのベースプ
レート38(38r,38h,38m)が溶接等により取り付
けられている。また、各後柱34(34r,34h,34m)
の下端部には、夫々、これらを対応する後ベース28
(28r,28h,28m)にボルト締結するためのベースプ
レート39(39r,39h,39m)が溶接等により取り付
けられている。なお、床部Fと支持部Sとは、前柱33
の各ベースプレート38を床部FのAで示す部分にボル
ト締結するとともに、後柱34の各ベースプレート39
を床部FのBで示す部分にボルト締結することによって
連結される。
【0035】各基本部材26〜28,31〜37がどの
車両収容部3に帰属するか、換言すれば各車両収容部3
がどの基本部材で構成されているかは、例えば次のよう
にして定められる。すなわち、1つの車両収容部3のみ
の構成部分となる基本部材は、その車両収容部3に帰属
する。また、隣接する2つの車両収容部3に共通する基
本部材は、右側の車両収容部3に帰属する。なお、3つ
以上の車両収容部3に共通する基本部材が存在しないの
は、図4、図5より明らかである。
【0036】したがって、右端の車両収容部3は、1枚
の右側前ベース26rと、1枚の右側中間ベース27r
と、1枚の右側後ベース28rと、2本の前側連結梁3
1と、2本の後側連結梁32と、1本の右側前柱33r
と、1本の内側前柱33mと、1本の右側後柱34rと、
1本の内側後柱34mと、1本の前側横梁35と、1本
の後側横梁36と、2本の縦梁37とで構成されている
ことになる。そして、左端の車両収容部3は、1枚の左
側前ベース26hと、1枚の左側中間ベース27hと、1
枚の左側後ベース28hと、1本の前側連結梁31と、
1本の後側連結梁32と、1本の左側前柱33hと、1
本の左側後柱34hと、1本の前側横梁35と、1本の
後側横梁36と、1本の縦梁37とで構成されているこ
とになる。また、各内側車両収容部3は、夫々、1枚の
内側前ベース26mと、1枚の内側中間ベース27mと、
1枚の内側後ベース28mと、1本の前側連結梁31
と、1本の後側連結梁32と、1本の内側前柱33m
と、1本の内側後柱34mと、1本の前側横梁35と、
1本の後側横梁36と、1本の縦梁37とで構成されて
いることになる。
【0037】そして、組み立てられたときには互いに隣
接することになる基本部材同士は、すべて何らかのかた
ちで互いに連結され、かかる連結によって本体部2が組
み立てられている。以下、基本部材間の具体的な連結構
造について説明する。図6と図7とに示すように、各前
ベース26には、夫々、前柱取付用ボルト穴41とスカ
ート取付用ボルト穴42と連結梁取付用ボルト穴(図示
せず)とが設けられている。また、各中間ベース27に
は、夫々、連結梁取付用ボルト穴(図示せず)が設けられ
ている。さらに、各後ベース28には、夫々、後柱取付
用ボルト穴43と連結梁取付用ボルト穴(図示せず)とが
設けられている。また、後で説明するように、各前ベー
ス26の上面には夫々、各車両収容部3毎に分割された
前側レール24が溶接され、他方各中間ベース27の上
面には夫々、各車両収容部3毎に分割された後側レール
25が溶接されている。なお、右側中間ベース27rと
左側中間ベース27h(図4参照)とにはレール止め44
が設けられている。
【0038】ここで、右端に配置された前側連結梁31
の前端部は、締結ボルト48を用いて右側前ベース26
rの右端部に連結される一方、該前側連結梁31の後端
部は締結ボルト48を用いて右側中間ベース27rの前
側右端部に連結されている。なお、図示していないが、
左端に配置された前側連結梁31も同様である。また、
右端に配置された後側連結梁32の前端部は、締結ボル
ト48を用いて右側中間ベース27rの後側右端部に連
結される一方、該後側連結梁32の後端部は締結ボルト
48を用いて右側後ベース28rの右端部に連結されて
いる。なお、図示していないが、左端に配置された後側
連結梁32も同様である。
【0039】右端又は左端以外の前側連結梁31の前端
部は、隣接する前ベース26(26r,26h,26m)の当
接部において、締結ボルト48を用いて両前ベース26
に連結される一方、該前側連結梁31の後端部は、隣接
する中間ベース27(27r,27h,27m)の当接部にお
いて、締結ボルト48を用いて両中間ベース27に連結
されている。また、右端又は左端以外の後側連結梁32
の前端部は、隣接する中間ベース27の当接部におい
て、締結ボルト48を用いて両中間ベース27に連結さ
れる一方、該後側連結梁32の後端部は、隣接する後ベ
ース28(28r,28h,28m)の当接部において、締結
ボルト48を用いて両後ベース28に連結されている。
なお、各締結ボルト48は、夫々、対応するボルト穴4
1,42,43を通して所定の基本部材を連結するのはも
ちろんである。
【0040】このようにして、各ベース26〜28と各
連結梁31,32とが格子状に連結されて本体部2の床
部Fが組み立てられている。なお、後で説明するよう
に、隣接する前ベース26同士はさらに前柱33のベー
スプレート38によっても連結され、かつ隣接する後ベ
ース28同士はさらに後柱34のベースプレート39に
よっても連結されるので、床部Fの連結構造は極めて強
固である。
【0041】図8〜図13に示すように、互いに隣接す
る柱33,34と梁35〜37との当接部、具体的に
は、前柱33の左右方向に突き出た部分と前側横梁35
との当接部と、前柱33の後方へ突き出た部分と縦梁3
7との当接部と、後柱34の左右方向に突き出た部分と
後側横梁36との当接部と、後柱34の前方へ突き出た
部分と縦梁37との当接部とは、夫々、複数の連結プレ
ート40を用いて連結されている。具体的には、各連結
プレート40の一方の半部は、4本の締結ボルトを用い
て柱33,34の左右方向又は前後方向に突き出た部分
に締結され、該連結プレート40の他方の半部は、4本
の締結ボルトを用いて隣接する梁35〜37に締結され
ている。このようにして、各柱33,34と各梁35〜
37とが連結され、本体部2の支持部Sが組み立てられ
ている。
【0042】図14と図15とに示すように、右側前柱
33rの下端部に取り付けられたベースプレート38r
は、4本の締結ボルト46を用いて右側前ベース26r
の右端部付近の所定の位置に連結されている。また、図
示していないが、右側後柱34rの下端部に取り付けら
れたベースプレート39rも、同様に4本の締結ボルト
を用いて右側後ベース28rの右端部付近の所定の位置
に連結されている。なお、図示していないが、左端部に
おいても同様に、左側前柱33hのベースプレート38h
と左側前ベース26hとが連結され、左側後柱34hのベ
ースプレート39hと左側後ベース28hとが連結されて
いる。
【0043】また、右端又は左端以外の前柱33mの下
端部に取り付けられたベースプレート38mは、隣接す
る前ベース26の当接部付近の所定の位置において、4
本の締結ボルト46を用いて両前ベース26に連結され
ている。図示していないが、右端又は左端以外の後柱3
4mの下端部に取り付けられたベースプレート39mも同
様に、隣接する後ベース28の当接部付近の所定の位置
において、4本の締結ボルトを用いて両後ベース28に
締結されている。このようにして、各柱33,34が、
対応する各ベース26,28に連結され、床部Fと支持
部Sとが連結されて本体部2が組み立てられている。な
お、各前ベース26の前部には、夫々、地面1と床部F
との段差をなくして自動車6の出し入れを容易にするた
めのスカート45が、6本の取付ボルト47を用いて取
り付けられている。
【0044】このように、本体部2が分割組立構造とさ
れているので、二段式駐車装置GSは、容易に拡張又は
縮小することができ、駐車用地の有効利用を図ることが
できる。以下、5つの車両収容部3を備えた既設の二段
式駐車装置GSについて、車両収容部3を左側に1つ増
やす場合を例にとって、その拡張方法を説明する。この
場合、まず左端の車両収容部3(以下、これを左端車両
収容部3という)に配置されている昇降パレット4、横
行パレット5等の可動物ないしは付属物を取り外す。続
いて、左端車両収容部3に属する基本部材と、左端から
2番目に位置する内側車両収容部3(以下、これを単に
内側車両収容部3という)に属する基本部材とを連結し
ている締結ボルトあるいは連結プレートをすべて取り外
し、本体部2を、左端車両収容部3に属する基本部材の
みからなる第1組立体と、左端車両収容部3には属しな
い基本部材のみからなる第2組立体とに分割する。
【0045】次に、1つの内側車両収容部3に帰属する
基本部材に対応する新たな基本部材、換言すれば1つの
内側車両収容部3を組み立てることができる基本部材、
すなわち1枚の内側前ベース26mと、1枚の内側中間
ベース27mと、1枚の内側後ベース28mと、1本の前
側連結梁31と、1本の後側連結梁32と、1本の内側
前柱33mと、1本の内側後柱34mと、1本の前側横梁
35と、1本の後側横梁36と、1本の縦梁37とを準
備する。
【0046】そして、このように準備した各基本部材
を、既設の内側車両収容部3と同様の配置で、第2組立
体の左側に締結ボルト46,48及び連結プレート40
を用いて順次連結する。これによって、左端部の構造が
第2組立体と同様であり、かつ第2組立体よりも車両収
容部3が1つ多い新たな第3組立体が得られる。
【0047】次に、第1組立体の右端部と第3組立体の
左端部とを、締結ボルト46,48と連結プレート40
とを用いて連結する。これによって、車両収容部3を6
つ備えた本体部2が得られる。そして、この新たな本体
部2の左端と左から2番目のの車両収容部3に夫々、昇
降パレット4、横行パレット5等の可動物ないしは付属
物を配置すれば、二段式駐車装置GSの拡張が完了し、
最大で11台の自動車を駐車させることができる二段式
駐車装置GSとなる。
【0048】このようにして、二段式駐車装置GSを、
容易に拡張することができる。なお車両収容部3を2つ
以上増やす場合は、その増やす数に応じて、第1組立体
と第2組立体との間に追加・連結する基本部材を増やせ
ばよい。また、右側に車両収容部3を拡張する場合も、
左右が入れ替わる点を除けば、その手順は上記の場合と
同様であるのはもちろんである。
【0049】また、二段式駐車装置GSを縮小する場
合、例えば左側の車両収容部3を1つ減らす場合は、左
から2番目の車両収容部3すなわち最も左側の内側車両
収容部3に属する基本部材を、該当する締結ボルト4
6,48を取り外して取り除いた後(解離した後)、残っ
た2つの組立体をもとどおりに組み立てれば、車両収容
部3が1つ少ない二段式駐車装置GSすなわち、最大で
7台の自動車を駐車させることができる二段式駐車装置
GSが得られる。このように、二段式駐車装置GSはそ
の拡張・縮小が極めて容易であり、したがって駐車用地
の有効利用を図ることができる。
【0050】図6及び図7から明らかなとおり、前側レ
ール24及び後側レール25も、夫々、各車両収容部3
毎に分割された分割組立構造とされているが、以下レー
ル24,25の敷設構造について説明する。図6と図1
6とに示すように、前側レール24は、各車両収容部3
毎に分割され、各前側レール24は、夫々、対応する前
ベース26の上面の所定の位置に溶接されている。そし
て、図6から明らかなとおり、左右方向にみて、前側レ
ール24は、前ベース26よりは短くなっており、この
ため前ベース26の左端部付近と右端部付近とでは、夫
々、前側レール24が欠損している部分(レール欠損部)
が生じている。
【0051】図14及び図15から明らかなとおり、各
前ベース26のレール欠損部にはベースプレート38が
配置されている。ここで、ベースプレート38は、左右
方向については、ちょうどレール欠損部を埋めるように
配置される一方、前後方向についてはその後端面Lが前
側レール24の後端面と一致するように配置されてい
る。かつ、ベースプレート38の高さは、前側レール2
4の高さと同一とされている。したがって、横行パレッ
ト5の前側車輪21は、前側レール24又はベースプレ
ート38の上で、左右に支障なく円滑に転がることがで
きる。
【0052】このように、前側レール24を前ベース2
6の左右の両端部付近で欠損させるのは、前側レール2
4の前ベース26への溶接を容易にするためである。す
なわち、かかるレール欠損部を設けない場合は、前側レ
ール24を前ベース26の左右の両端面で溶接しなけれ
ばならないが、このようにすると溶接がむずかしくな
り、かつ前ベース26の左右の端面に歪みが生じるから
である。つまり、このようにレール欠損部を設けること
によって、前側レール24を容易に前ベース26に溶接
することができ、かつ隣接する前ベース26同士の当接
性を良くすることができることになる。
【0053】図7と図17とに示すように、後側レール
25も、各車両収容部3毎に分割され、各後側レール2
5は、夫々、対応する中間ベース27の上面の所定の位
置に溶接されている。なお、後側レール25は、逆V字
状の接触面をもつアングルで形成されているので、該後
側レール25の中間ベース27への溶接は容易であり、
したがって中間ベース27の左右端においても容易に溶
接することができる。このため、後側レール25の場合
は、前側レール24の場合のようなレール欠損部あるい
は該レール欠損部を埋める手段が設けられていない。
【0054】以下、横行パレット5の駆動機構を説明す
る。図18に示すように、右側の後側車輪23は駆動軸
59に取り付けられ、この駆動軸59は、固定部材57
を介して横行パレット5に固定された車輪支持部材58
によって回転自在に支持されている。なお、駆動軸59
の前端部は車軸20の後端部に連結されている。他方、
モータ22は取付部材60を介して横行パレット5に取
り付けられ、このモータ22の出力軸61の前端部には
ドライブギヤ62が取り付けられている。また、駆動軸
59の後端部には、ドライブギヤ62と噛み合うドリブ
ンギヤ63が取り付けられている。このため、モータ2
2の出力軸61が回転すると、この回転力がドライブギ
ヤ62とドリブンギヤ63と駆動軸59とを介して右側
の後側車輪23(駆動輪)に伝達され、さらに車軸20を
介して右側の前側車輪21に伝達され、これによって横
行パレット5が左右方向に走行(移動)する。なお、モー
タ22の回転方向を切り替えることによって、横行パレ
ット5の走行方向を切り替えることができるのはもちろ
んである。
【0055】ところで、二段式駐車装置GSにおいて
は、吊り上げチェン10、連動チェン12あるいは横揺
れ防止チェン53が切れたときに、昇降パレット4の落
下、下降あるいは傾動を防止するための3種の昇降パレ
ット落下防止手段が設けられているが、以下これらの昇
降パレット落下防止手段について説明する。
【0056】図19と図20とに示すように、昇降パレ
ット4の前側支持部4aのチェンボルト71に連結され
ている左右の連動チェン12が切れたときには、夫々左
右の第1前側回転部材16の回転をくい止めることによ
って、昇降パレット4の落下、下降あるいは傾動を防止
する第1の昇降パレット落下防止手段が設けられてい
る。なお、第1の昇降パレット落下防止手段は、各昇降
パレット4の前端部近傍の左右両端に設けられている。
この第1の昇降パレット落下防止手段は、回動軸72に
よってP1,P2方向に回動可能に支持された第1回転抑
止部材73(ツメ)と、上端部が連動チェン12に連結さ
れ下端部が第1回転抑止部材73のアーム部73sに連
結された連結部材74と、上端部が留め具76を用いて
アーム部73sに連結され下端部が留め具77を用いて
前側支持部4aに固定された第1コイルスプリング75
とで構成されている。なお、第1コイルスプリング75
は、通常時すなわち連動チェン12が切れていないとき
には、P4方向に引き伸ばされた状態にあり、したがっ
てアーム部73sを常時P3方向に付勢している。また、
連結部材74はアーム部73sをP6方向に支えて、アー
ム部73sのP5方向への変位を抑止している。
【0057】ここで、通常時においては、図19及び図
20にその状態が示されているように、第1回転抑止部
材73はP2側に回動した位置に配置され、このとき第
1回転抑止部材73は第1前側回転部材16の回転を何
ら規制しない。そして、連動チェン12が切れたときに
は、連結部材74の上端部が連動チェン12によって支
持されなくなるので、連結部材74はアーム部73sの
変位を何ら規制しなくなる。したがって、第1回転抑止
部材73は、第1コイルスプリング75のP3方向の付
勢力によってP1方向に回動させられ、第1前側回転部
材16と前柱33の後壁との間にくい込み、第1前側回
転部材16の回転をくい止める。このため、前側支持部
4aすなわち昇降パレット4の落下、下降あるいは傾動
が防止される。
【0058】図21と図22とに示すように、リンクア
ーム7とリンク部材8とを介して、昇降パレット4の後
側支持部4bの連結部81に連結されている吊り上げチ
ェン10が切れたときには、右側の第2後側回転部材1
9の回転をくい止めることによって、昇降パレット4の
落下、下降あるいは傾動を防止する第2の昇降パレット
落下防止手段が設けられている。なお、第2の昇降パレ
ット落下防止手段は、各昇降パレット4の右後端部に設
けられている。
【0059】この第2の昇降パレット落下防止手段は、
回動軸82によってS1,S2方向に回動可能に支持され
た第2回転抑止部材83(ツメ)と、上端部がリンク部材
8に連結され下端部が第2回転抑止部材83のアーム部
83sに連結されたワイヤロープ84と、上端部が留め
具86を用いてアーム部83sに連結され下端部が留め
具87を用いて後側支持部4bに固定された第2コイル
スプリング85とで構成されている。なお、第2コイル
スプリング85は、通常時にはS4方向に引き伸ばされ
た状態にあり、したがってアーム部83sを常時S3方向
に付勢している。また、ワイヤロープ84は、アーム部
83sをS6方向に支えて、アーム部83sのS5方向への
変位を抑止している。
【0060】ここで、通常時においては、図21及び図
22にその状態が示されているように、第2回転抑止部
材83はS2側に回動した位置に配置され、このとき第
2回転抑止部材83は第2後側回転部材19の回転を何
ら規制しない。そして、吊り上げチェン10が切れたと
きには、ワイヤロープ84の上端部がリンク部材8(吊
り上げチェン10)によって支持されなくなるので、ワ
イヤロープ84はアーム部83sの変位を何ら規制しな
くなる。したがって、第2回転抑止部材83は、第2コ
イルスプリング85のS3方向の付勢力によってS1方向
に回動させられ、第2後側回転部材19と後柱34の前
壁との間にくい込み、第2後側回転部材19の回転をく
い止める。このため、昇降パレット4の落下、下降ある
いは傾動が防止される。
【0061】図23と図24とに示すように、横揺れ防
止チェン53が切れたときには、左側の第2後側回転部
材19の回転をくい止めることによって、昇降パレット
4の落下、下降あるいは傾動を防止する第3の昇降パレ
ット落下防止手段が設けられている。なお、第3の昇降
パレット落下防止手段は、各昇降パレット4の左後端部
に設けられている。この第3の昇降パレット落下防止手
段には、第2の昇降パレット落下防止手段の場合と同様
の、回動軸82と、第2回転抑止部材83(ツメ)と、第
2コイルスプリング85と留め具86,87とが設けら
れているが、これらの各部材82,83,85,86,87
については、説明の重複を避けるため、個々の説明は省
略する。
【0062】そして、第3の昇降パレット落下防止手段
には、さらに、回転軸91によって回転可能に支持され
る一方横揺れ防止チェン53と噛み合うスプロケット9
2と、上側アーム部93と軸部94と下側アーム部95
とが固着されてなる連結アーム90と、上端部が下側ア
ーム部95に連結され下端部が後側支持部4bに取り付
けられた取付部96に連結された第3コイルスプリング
97とが設けられている。なお、第3コイルスプリング
97は、通常時にはT2方向に引き伸ばされた状態にあ
り、したがって下側アーム部95を常時T1方向に付勢
している。また、軸部94は後側支持部4bによって
3,T4方向に回動可能に支持されている。かつ、上側
アーム部93の上端部は回転軸91に連結されている。
【0063】ここで、通常時においては、図23及び図
24にその状態が示されているように、連結アーム90
(上側アーム部93)は横揺れ防止チェン53の張力によ
ってT4側に回動した位置に配置される。このとき、下
側アーム部95は第2回転抑止部材83のアーム部83
sに当接し、アーム部83sのS5方向の変位を抑止して
いる。したがって、第2回転抑止部材83はS2側に回
動した位置に配置され、第2回転抑止部材83は第2後
側回転部材19の回転を何ら規制しない。
【0064】そして、横揺れ防止チェン53が切れたと
きには、該チェン53によっては連結アーム90(上側
アーム部93)がT4方向に引っ張られなくなるので、第
3コイルスプリング97のT1方向の付勢力によって連
結アーム90がT3方向に回動する。このとき、下側ア
ーム部95が第2回転抑止部材83のアーム部83sと
当接しなくなり、下側アーム部95はアーム部83sの
変位を何ら規制しなくなる。したがって、第2回転抑止
部材83は、第2コイルスプリング85のS3方向の付
勢力によってS1方向に回動させられ、第2後側回転部
材19と後柱34の前壁との間にくい込み、第2後側回
転部材19の回転をくい止める。このため、昇降パレッ
ト4の落下、下降あるいは傾動が防止される。
【0065】このように、二段式駐車装置GSにおいて
は、どのチェン10,12,53が切れた場合でも、対応
する昇降パレット落下防止手段によって、昇降パレット
4の落下、下降あるいは傾動が確実に防止され、二段式
駐車装置GSあるいは自動車6に損傷が生じない。
【0066】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、車両収容部
を1つづつ増減させることができるので、既設の二段式
駐車装置を容易に拡張又は縮小することができ、駐車用
地を有効に利用することができる。
【0067】第2の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、本体部が分
割組立構造とされていて、既設の二段式駐車装置に対し
て、1つの車両収容部に対応する分の基本部材を連結・
解離させることによって、車両収容部を1つづつ増減す
ることができるので、既設の二段式駐車装置の拡張又は
縮小が極めて容易となり、駐車用地を一層有効に利用す
ることができる。
【0068】第3の発明によれば、基本的には第2の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、本体部が、
基盤に対して固着されない直置き構造とされているの
で、既設の二段式駐車装置を容易に移動させることがで
き、駐車用地をさらに有効に利用することができる。
【0069】第4の発明によれば、基本的には第2又は
第3の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、横
行パレットを走行させるためのレールが、各車両収容部
ごとに分割されているので、レールを各車両収容部に属
する基本部材に予め取り付けることができ、二段式駐車
装置の組み立て又は解体が極めて容易となる。
【0070】第5の発明によれば、基本的には第4の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、レールが隣
接する車両収容部の境界近傍では欠損されていて、該欠
損部がレールして機能するベースプレートで埋められる
ので、横行パレットの走行性を損なうことなく、レール
の基本部材への取り付け(溶接)を容易化することができ
る。
【0071】第6の発明によれば、基本的には第2〜第
4の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得られ
る。さらに、吊り具が切れたときには、昇降パレット落
下防止手段が回転部材と本体部の柱との間にくい込んで
回転部材の回転を止め、これによって昇降部材の落下
(下降、傾動を含む)を防止するので、二段式駐車装置あ
るいは自動車に損傷が生じない。
【0072】第7の発明によれば、基本的には第6の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、吊り具が本
体部の柱の外部に露出しないので、吊り具と柱付近の他
の物体(例えば、自動車)との干渉が防止され、かつ二段
式駐車装置の美観が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる二段式駐車装置の正面図であ
る。
【図2】 図1に示す二段式駐車装置の側面図である。
【図3】 模式化した横行パレットの一部断面側面図で
ある。
【図4】 本体部を構成する床部の連結構造を示す模式
図である。
【図5】 本体部を構成する支持部の連結構造を示す模
式図である。
【図6】 本体部の床部の前部の平面図である。
【図7】 本体部の床部の後部の平面図である。
【図8】 二段式駐車装置の上部の正面図である。
【図9】 二段式駐車装置の下部の正面図である。
【図10】 二段式駐車装置の上部の背面図である。
【図11】 二段式駐車装置の下部の背面図である。
【図12】 二段式駐車装置の側面図である。
【図13】 二段式駐車装置の背面図である。
【図14】 本体部の連結構造を示す、床部の右前部の
平面図である。
【図15】 本体部の連結構造を示す、床部の中前部の
平面図である。
【図16】 前側レール付近における床部の一部断面側
面図である。
【図17】 後側レール付近における床部の一部断面側
面図である。
【図18】 横行パレットの駆動機構の側面図である。
【図19】 第1の昇降パレット落下防止手段まわりに
おける二段式駐車装置の側面図である。
【図20】 第1の昇降パレット落下防止手段まわりに
おける二段式駐車装置の正面図である。
【図21】 第2の昇降パレット落下防止手段まわりに
おける二段式駐車装置の側面図である。
【図22】 第2の昇降パレット落下防止手段まわりに
おける二段式駐車装置の背面図である。
【図23】 第3の昇降パレット落下防止手段まわりに
おける二段式駐車装置の側面図である。
【図24】 第3の昇降パレット落下防止手段まわりに
おける二段式駐車装置の背面図である。
【符号の説明】
GS…二段式駐車装置 F…床部 S…支持部 1…地面 2…本体部 3…車両収容部 4…昇降パレット 5…横行パレット 10…吊り上げチェン 12…連動チェン 16…第1前側回転部材 19…第2後側回転部材 24…前側レール 25…後側レール 26…前ベース 27…中間ベース 28…後ベース 31…前側連結梁 32…後側連結梁 33…前柱 34…後柱 35…前側横梁 36…後側横梁 37…縦梁 38…ベースプレート 53…横揺れ防止チェン 73…第1回転抑止部材 83…第2回転抑止部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基盤上に配置され、内部に複数の車両収
    容部が左右方向に並んで形成された本体部を備えてい
    て、 各車両収容部内に、夫々、本体部によって上下方向に移
    動可能に支持された昇降パレットと、該昇降パレットよ
    り下側で本体部によって左右方向に移動可能に支持され
    た横行パレットとが配置されている二段式駐車装置にお
    いて、 本体部が、車両収容部を1つづつ増減することができる
    ようになっていることを特徴とする二段式駐車装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された二段式駐車装置に
    おいて、 本体部が、夫々いずれか1つの車両収容部に帰属する複
    数の基本部材で構成され、かつ組み立てられたときには
    隣接することになる基本部材同士を互いに連結すること
    によって組み立てられる分割組立構造とされていて、 既設の二段式駐車装置に対して、1つの車両収容部に対
    応する分の基本部材を連結・解離することによって、車
    両収容部を1つづつ増減することができるようになって
    いることを特徴とする二段式駐車装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された二段式駐車装置に
    おいて、 本体部が、基盤に固着されない直置き構造とされている
    ことを特徴とする二段式駐車装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載された二段
    式駐車装置において、 横行パレットが、本体部内で左右方向に延びて敷設され
    るレールの上を走行することによって左右方向に移動す
    ることができるようになっていて、 該レールが、各車両収容部ごとに分割されていることを
    特徴とする二段式駐車装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された二段式駐車装置に
    おいて、 レールが、隣接する車両収容部の境界近傍では欠損され
    ていて、 該欠損部に、本体部の柱の下端部に取り付けられたベー
    スプレートが配置され、該ベースプレートがレールとし
    て機能するようになっていることを特徴とする二段式駐
    車装置。
  6. 【請求項6】 請求項2〜請求項4のいずれか1つに記
    載された二段式駐車装置において、 昇降パレットが吊り具を介して本体部によって支持され
    る一方、昇降パレットに本体部の柱に当接して該昇降パ
    レットの上下方向の移動に伴って回転する回転部材が設
    けられていて、 吊り具が切れたときには、回転部材と本体部の柱との間
    にくい込んで回転部材の回転を止め、これによって昇降
    部材の落下を防止する昇降パレット落下防止手段が設け
    られていることを特徴とする二段式駐車装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載された二段式駐車装置に
    おいて、 吊り具が、本体部の柱の内部に収容され、該柱の外部に
    は露出しないように配置されていることを特徴とする二
    段式駐車装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013163922A (ja) * 2012-02-10 2013-08-22 Daiichi Sekkei Service Kk 機械式駐車装置及びその組立工法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0412212U (ja) * 1990-05-18 1992-01-31

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