JPH0713899Y2 - 連続鋳造機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、連続鋳造機におけるローラエプロン上面に
推積するパウダー等を除去することのできる連続鋳造機
に関するものである。

［従来技術］ 連続鋳造機においては、鋳片と鋳型との肌別れを良くす
る為に鋳型内の溶鋼表面にパウダーを投入しているが、
このパウダーは鋳型と鋳片との間を通過する過程で高温
にさらされて灰状物又は固状物となって、一部が鋳型直
下のローラエプロン上面に落下して堆積し、また、鋳型
と鋳片との間を通過せず、粉末の状態で鋳型の外側より
ローラエプロン上面に落下して堆積していた。

そして、堆積したパウダーの一部はローラエプロン上部
の鋳片とロールとの間に塊状となって落下し、それらの
間に噛込まれていた。

しかし、従来では操業中にローラエプロン上面に堆積す
る前記パウダー等を除去することについて特に対策は構
じられておらず、操業開始前或いは操業中断時に作業者
によって除去しており、高所でしかも狭いスペースでの
危険な作業となっている。

［考案が解決しようとする課題］ この為、従来では長時間の操業において前記ローラエプ
ロン上面に堆積したパウダー等が鋳片とローラとの間に
落下して、鋳片とロールとの間に噛込まれ鋳片及びロー
ルの表面に噛込み傷を生じさせ、鋳片表面の該当部所に
溶削等の手入れを施さなければならず多大の労力を必要
とし、また、ロールの寿命（耐用時間）が短くなり保守
保全の面で設備費が高くなり問題となっていた。

本考案は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、ローラエプロン上
面に落下しようとするパウダー等を圧縮空気で吹き飛ば
すことによって、ローラエプロン上部の鋳片とロールと
の間に落下させないようにしようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案の連続鋳造機は、鋳型下方のローラエプロンにお
いて、該ローラエプロンの上面に近接かつ、鋳片を囲繞
するように圧縮気体噴射ノズルを複数個設置し、該ノズ
ルの噴射方向をローラエプロン上面に対して略平行にす
ると共に、前記複数個のノズルによって環状の噴射流が
形成されるように設けたことにある。

［実施例］ 本考案の一実施例を第１図乃至第５図を参照して説明す
る。

１はタンディッシュ（図示せず）の直下に設けられた鋳
型で、該鋳型１にはタンディッシュの底部に設けたノズ
ルを介して溶鋼２が注ぎ込まれるようになっている。

３は鋳型１の下方に設けられたローラエプロンで、該ロ
ーラエプロン３は鋳型１の直下に設けられた上部フレー
ム４と、該上部フレーム４の下面に固設され支柱５と、
該支柱５及び上部フレーム４の夫々に回転可能に支持さ
れた複数個のロール（ガイドローラ）６とから構成され
ている。

７はロール６に支持された鋳片,8は溶鋼２の表面に供給
されるパウダーである。10はローラエプロン上面９（上
部フレーム４の上面）に堆積しようとするパウダー等
（鋳片７の側壁より剥がれたスケール及び灰状物又は固
状物となったパウダーも含む。）である。

11は上部フレーム４に形成された鋳片貫通用の開口部
で、該開口部11は鋳片７のパスライン上で鋳片７の外形
より大きく形成されている。

12は空気供給配管で、該空気供給配管12の先端にスリッ
ト状に開口した噴出口13を有するノズル14を形成してお
り、第３図に示す如くローラエプロン上面９に、鋳片７
を囲繞するようにコーナの４ケ所付近に配設されてい
る。

ノズル14はローラエプロン上面９に近接した状態で、か
つ、ノズル14の噴射方向をローラエプロン上面に対して
略平行になるように、また、複数個のノズル14によって
鋳片７を囲繞するような環状の噴射流が形成されるよう
に設けられている。前記空気供給配管12は空気圧源（図
示せず）が接続され、先端のノズル14の噴出口13より圧
縮空気を噴射する。

尚、上記実施例ではノズル14をローラエプロン上面９の
コーナ部付近４ケ所に設けたものを例示したが、これに
限定されることなく、鋳片の形状，ローラエプロン上面
の形状によりノズルの設置場所及びノズル数を適宜選択
できることはいうまでもない。

［作用］ ローラエプロン上面９に堆積又は落下しようとするパウ
ダー等10を除去する場合について説明する。

鋳造開始に先立ってノズル14より圧縮空気の噴射を開始
しておく。その後、ダミーバーヘッドの下降により鋳片
７が鋳型１より引抜かれロール６に支持され始める。こ
の時、鋳片７の側壁より剥がれたスケール及び灰状物，
固状物になったパウダーや鋳片１の外側より落下したパ
ウダーは、ローラエプロン上面９に落下，堆積し始め
る。しかし、ローラエプロン上面９にはノズル14の噴出
口13より圧縮空気が噴射されて環状の空気流を形成して
いるので、パウダー等がローラエプロン上面９に落下，
堆積しようとしても全てが圧縮空気により吹飛されてロ
ーラエプロン上面９より除去され、ローラエプロン上部
の鋳片７とロール６との間に落下することはない。

従って、鋳片及びロールの表面はパウダー等による噛込
み傷を生じない。

［考案の効果］ 本考案によればローラエプロン上面に落下，堆積しよう
とするパウダー等を、環状の空気流を形成した圧縮空気
により容易に吹き飛ばすことができるので、ローラエプ
ロン上部の鋳片とロールとの間にパウダー等の噛込みは
生じない。その結果、鋳片については手入れが不要とな
り、ロールについては寿命が延びて保守保全が容易とな
る。

また、ノズルを付加するだけであるから構造が簡単であ
り、既設の設備にも容易に取付けることができる等多大
の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一部切載正面図，第２図は第１図のＡ
部拡大図，第３図は第２図のIII線に沿う断面図，第４
図は第３図のＢ部拡大図，第５図は第４図のＶ線に沿う
断面図である。 １……鋳型、３……ローラエプロン ７……鋳片、８……パウダー ９……ローラエプロン上面 10……パウダー等、14……ノズル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】連続鋳造機の鋳型下方のローラエプロンに
   おいて、該ローラエプロンの上面に近接かつ、鋳片を囲
   繞するように圧縮気体噴射ノズルを複数個設置し、該ノ
   ズルの噴射方向をローラエプロン上面に対して略平行に
   すると共に、前記複数個のノズルによって環状の噴射流
   が形成されるように設けたことを特徴とする連続鋳造
   機。