JPS6222293Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、垂直型連続鋳造設備の垂直部ガスカ
ツターで発生する切断スケールを効率的に回収
し、ガスカツター下方の設備上および設備周辺へ
の堆積によるトラブル防止と、堆積スケール清掃
のための労力を排除することを目的とするもので
ある。

従来、比較的切断スケール発生量の多い垂直型
ブルーム連続機の垂直部でのガスカツターには、
スケール回収のためのドラフト用フードが装備し
てある。これを図によつて説明すると、第３図に
おいてａは鋳造パスラインの垂直部における鋳片
であり、図に矢印で示す方向に移動する。１はガ
スカツターであり、前記鋳片ａの移動と同一速度
で切断が完了するまで追従するようになつてい
る。２はドラフト用フードであり、前記ガスカツ
ター１によつて鋳片ａを切断する際に発生するス
ケールを吸引回収するために設けてある。なお、
３は吸引のためのダクトであり、４はスケール回
収管であり、５はスケールを落下させるための噴
水シヤワーである。

しかるに、斯かる従来のドラフト用フード２
は、鋳造開始時に鋳造パスラインに沿つて装入さ
れるダミーバーの横振れによる接触あるいは鋳造
中の鋳片ａの曲り発生時の接触等による破損防止
のため、第３図に具体的に図示する如く鋳造パス
ラインからほぼ150mm程度後退した位置に先端が
来るようにしてある。そのため、フード２の先端
と鋳片ａとの隙間からスケールが多量に落下し、
下部装置上およびその周辺に堆積附着して種々の
トラブルの原因となるので、堆積したスケールの
除去清掃のため定期的に鋳造を中止する必要があ
り、これが稼動率向上のネツクとなつていた。ま
た、スケール堆積の位置によつては、設備故障を
誘発し兼ねないという問題もあつた。

本考案は、上述の如き従来装置で問題とされて
いた欠点を改善するために創案されたものであつ
て、従来のドラフト用フードの先端に、新たに回
収フード外部に設けた揺動装置によつて揺動可能
に軸支されたスケール回収板とを設けることによ
り、ダミーバーの挿入・引抜時等には前記スケー
ル回収板を後退位置に置き、連続鋳造が開始され
てガスカツターによる切断が行われる際には、こ
のスケール回収板を前進させて鋳片との間の隙間
を極力減少させることによつて、切断スケールの
下方への落下を防止するものである。

次に、本考案の連鋳片ガス切断スケール回収装
置を、第１図、第２図に示す実施例に基づいて説
明する。既に説明した第３図の従来装置と変りの
ない構造の部材については同一符号を用いてあ
る。ａは鋳片であり、矢印で示す鋳造パスライン
に沿つて下方へ移動する。なお、第２図に鎖線で
示すｂはダミーバー挿入・引抜時又は鋳片ａの横
振れ発生時の横振れ範囲の想定線である。１はガ
スカツタであり、２のスケール回収フードであ
り、３はダクトであり、４はスケール回収管であ
つて、これらの部材の構造は従来装置と変りがな
くそのまま利用することができる。５のシヤワー
は本考案においては必ずしも必要ではない。６の
揺動装置およびスケール回収板１１は共に本考案
において重要な作用をなすものであり、その構成
について詳説すると、揺動装置６は前記スケール
回収フード２の先端の側壁等の適宜位置に、固定
軸７で固定されるが、鋳造パスラインに向つて進
退可能なピストン８を備える。このピストン８は
空気圧・油圧等の流体圧によるもの、又は電動モ
ータ、ラツク・ピニオン等の機構によるものであ
つてもよいことは、改めて言うまでもない。しか
して、このピストン８の先端には連結部材９の一
端がピン９により回動可能に連結され、該連結部
材９の他端にはスケール回収フード先端と鋳片間
の間隙から落下するスケールを回収フードに導く
適当な長さと巾を有するスケール回収板１１が、
揺動軸１０により軸支されている。この場合、該
スケール回収板１１に必要な長さは、鋳片ブーム
ａをガス切断するとき飛散するスケール回収に充
分な長さ（同時にこれはスケール回収ホツパー２
の開口幅に該当する）であり、又必要な幅とは前
記スケール回収ホツパー２の開口端と鋳片ブルー
ムａ間の隙間ほぼ150mmを覆うに充分な幅であ
る。更に、このスケール回収板１１の鋳中ブルー
ムａと接する端部にはステンレス鋼板、セラミツ
クス等の耐熱板１２を固定することが好ましい。
１３は前記スケール回収板１１の両側部に取付け
てあるフラツシングノズルであつて、図示を省略
してある水源より高圧水が供給され、切断スケー
ルを回収ホツパー２内へ落下させるために設けら
れている。１４は前記ピストン８の長さ調整のた
めその中間に介在させたタンバツクルである。

尚、前記揺動軸１０の固定に用いるピン等に、
一定強度のシヤーピンを用いることにより、鋳片
ブルームａの横振れ接触、切断スケールの附着固
片に起因する回収装置本体の鋳片ａとの一体化下
降等の不測事故に際し、このシヤーピンが切れて
設備破壊を防止することができる。

次に、以上の構成になる本考案の連鋳片ガス切
断スケールの回収装置の操作方法について説明す
る。本考案のガス切断スケール回収装置は、垂直
型連続鋳造設備の垂直部ガスカツターの対応位置
に設置するものであり、鋳造開始に当りダミーバ
ーの挿入・引抜きの際にはこれとスケール回収板
１１とが接触しないようにしなければならないか
ら、連続鋳造開始時には揺動装置６の作動装置に
よりピストン８を後退させ、第２図に実線で示す
位置に置く、次いで鋳造が進行しガスカツター１
による鋳片ブルームａのガス切断が行われるよう
になつた時に、今度はピストン８を前進させてス
ケール回収板１１を第２図鎖線位置まで前進させ
る。こうすれば鋳片ブルームａと該スケール回収
板１１前縁部間の間隙は20〜30mm程度に狭くする
ことができる。これと同時に、ブラツシングノズ
ル１３より高圧水を噴出すれば、ガス切断により
発生するスケールはスケール回収ホツパー２内に
回収される。仮に、移動中の鋳片ブルームの横振
れ、固着等があつても前述のシヤーピンを用いて
おくことにより装置本体の破損防止も可能であ
る。

次に、本考案の切断スケール回収装置を用いる
ことにより奏せられる効果を拳げる。

(i) スケールが装置下部へ落下しなくなるから、
これの除去、清掃の手間が省ける。

(ii) 前記堆積スケール除去が不要となるので、鋳
造停止がなく稼動率が従来より大幅に上昇す
る。

(iii) 堆積スケールに起因する装置の故障がなくな
る。

〓 堆積スケール除去装置も不要となる。

【図面の簡単な説明】

第１〜２図は本考案装置の実施例を示し、第１
図は平面図、第２図は側断面図である。第３図は
従来装置の側断面図である。 ２……スケール回収ワード、３……ダクト、４
……スケール回収管、６……揺動装置、７……固
定軸、８……ピストン、９……連結部材、９……
ピン、１０……揺動軸、１１……スケール回収
板、１２……耐熱板、１３……フラツシングノズ
ル、１４……タンバツクル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 垂直型連続鋳造機のガスカツター部に設けられ
   たスケール回収フード先端に、該スケール回収フ
   ード先端と鋳片間の開口部を開閉自在に揺動する
   スケール回収板を軸支し、該スケール回収板の揺
   動装置をスケール回収フードまたはその近傍に設
   けたことを特徴とする連鋳片ガス切断スケールの
   回収装置。