JPH07138886A - 熱融着縫製可能な防水シート - Google Patents
熱融着縫製可能な防水シートInfo
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- JPH07138886A JPH07138886A JP6105464A JP10546494A JPH07138886A JP H07138886 A JPH07138886 A JP H07138886A JP 6105464 A JP6105464 A JP 6105464A JP 10546494 A JP10546494 A JP 10546494A JP H07138886 A JPH07138886 A JP H07138886A
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- waterproof sheet
- acrylic resin
- waterproof
- vinylidene fluoride
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C66/00—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
- B29C66/70—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
- B29C66/71—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined
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- Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 防汚性、耐候性に優れ、さらに熱融着縫製が
可能な防水シートの提供。 【構成】 繊維性基布の少なくとも1面に天然ゴム、合
成ゴム又は合成樹脂から防水層を形成して基体を形成
し、この基体の上面側に上面アクリル樹脂層およびその
上に最外層としてフッ化ビニリデン樹脂層を形成し、基
体の下面側に、最外層として下面アクリル樹脂層を形成
して熱融着縫製可能な防水シートを得る。
可能な防水シートの提供。 【構成】 繊維性基布の少なくとも1面に天然ゴム、合
成ゴム又は合成樹脂から防水層を形成して基体を形成
し、この基体の上面側に上面アクリル樹脂層およびその
上に最外層としてフッ化ビニリデン樹脂層を形成し、基
体の下面側に、最外層として下面アクリル樹脂層を形成
して熱融着縫製可能な防水シートを得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱融着縫製可能な防水
シート、特に防汚性及び耐候性に優れ、熱融着縫製の可
能な防水シートに関する。
シート、特に防汚性及び耐候性に優れ、熱融着縫製の可
能な防水シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、繊維性基布の片面又は両
面に軟質塩化ビニル(PVC)樹脂層を有する柔軟なシ
ートが、エヤドーム等の大型テントに使用されている。
このようなシートは、加工性、経済性、防炎性等の点に
おいてPVCに固有の長所を有するが、一方でかかるテ
ントは長期間屋外に曝露されるものであるところから、
配合される安定剤等について十分な吟味がなされていた
としても、長年月の間に次第に樹脂の分解を来たし、ま
た可塑剤が表面移行して次第に表面が粘着性となり、ま
たその表面上に塵埃等が付着して汚染される等の重大な
欠点を有していた。
面に軟質塩化ビニル(PVC)樹脂層を有する柔軟なシ
ートが、エヤドーム等の大型テントに使用されている。
このようなシートは、加工性、経済性、防炎性等の点に
おいてPVCに固有の長所を有するが、一方でかかるテ
ントは長期間屋外に曝露されるものであるところから、
配合される安定剤等について十分な吟味がなされていた
としても、長年月の間に次第に樹脂の分解を来たし、ま
た可塑剤が表面移行して次第に表面が粘着性となり、ま
たその表面上に塵埃等が付着して汚染される等の重大な
欠点を有していた。
【0003】この対策として、PVC層の上面にアクリ
ル樹脂フィルム層を形成して、従来のPVC層のみの積
層品の欠点をカバーし、所定の効果を得ている。しかし
ながら、積層品の使用状態により、強く揉まれる等の条
件下ではアクリル樹脂フィルム層に亀裂を生じ、積層品
の耐用期間を著るしく短縮せしめる結果となることもあ
り、この対策は十分なものとなるには至っていない。
ル樹脂フィルム層を形成して、従来のPVC層のみの積
層品の欠点をカバーし、所定の効果を得ている。しかし
ながら、積層品の使用状態により、強く揉まれる等の条
件下ではアクリル樹脂フィルム層に亀裂を生じ、積層品
の耐用期間を著るしく短縮せしめる結果となることもあ
り、この対策は十分なものとなるには至っていない。
【0004】そこで、このような積層シートの表面を、
フッ化ビニリデン樹脂/アクリル樹脂/PVC樹脂から
なるフィルムを貼着することにより構成し、フッ化ビニ
リデン樹脂層を外表面とすることにより、耐候性や耐汚
染性を改良する方法が試みられた。ところがこのような
防水シートをミシンにより縫製して使用する場合には縫
目から漏水するという問題がある。またミシン縫製は作
業能率も悪いために、その代りに高周波又は熱風を利用
して熱融着縫製を行うことがしばしばあるけれども、上
記フッ化ビニリデン樹脂層を外表面とする積層シートを
熱融着縫製を用いて接合しようとしても、フッ化ビニリ
デン樹脂層は接着しないという問題がある。従ってこの
シートもまた更に改良が望まれていた。
フッ化ビニリデン樹脂/アクリル樹脂/PVC樹脂から
なるフィルムを貼着することにより構成し、フッ化ビニ
リデン樹脂層を外表面とすることにより、耐候性や耐汚
染性を改良する方法が試みられた。ところがこのような
防水シートをミシンにより縫製して使用する場合には縫
目から漏水するという問題がある。またミシン縫製は作
業能率も悪いために、その代りに高周波又は熱風を利用
して熱融着縫製を行うことがしばしばあるけれども、上
記フッ化ビニリデン樹脂層を外表面とする積層シートを
熱融着縫製を用いて接合しようとしても、フッ化ビニリ
デン樹脂層は接着しないという問題がある。従ってこの
シートもまた更に改良が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた防汚
性と耐候性とを具備しているだけでなく、熱融着縫製が
可能で、しかも耐久性の高い防汚性を有する極めて有用
な防水シートを提供しようとするものである。
性と耐候性とを具備しているだけでなく、熱融着縫製が
可能で、しかも耐久性の高い防汚性を有する極めて有用
な防水シートを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明により熱融着縫製
が可能であって、さらに防汚性および耐候性に優れた防
水シートが提供される。本発明の熱融着縫製可能な防水
シートは、繊維性基布と、その表面又は表裏両面に形成
され、かつ天然ゴム、合成ゴム又は合成樹脂からなる防
水層とを有する防水シート基体を有し、この基体の上面
側にはその最外層としてフッ化ビニリデン樹脂層が形成
され、かつこの最外層の下に連続して上面アクリル樹脂
層が形成されており、また前記基体の下面側にはその最
外層として下面アクリル樹脂層が形成されていることを
特徴とするものである。本発明の防水シートは、その上
面最外層のフッ化ビニリデン樹脂層と下面最外層の下面
アクリル樹脂層とを重ね合せると、これを熱融着により
強固に接合し縫製することができる。
が可能であって、さらに防汚性および耐候性に優れた防
水シートが提供される。本発明の熱融着縫製可能な防水
シートは、繊維性基布と、その表面又は表裏両面に形成
され、かつ天然ゴム、合成ゴム又は合成樹脂からなる防
水層とを有する防水シート基体を有し、この基体の上面
側にはその最外層としてフッ化ビニリデン樹脂層が形成
され、かつこの最外層の下に連続して上面アクリル樹脂
層が形成されており、また前記基体の下面側にはその最
外層として下面アクリル樹脂層が形成されていることを
特徴とするものである。本発明の防水シートは、その上
面最外層のフッ化ビニリデン樹脂層と下面最外層の下面
アクリル樹脂層とを重ね合せると、これを熱融着により
強固に接合し縫製することができる。
【0007】
【作用】本発明の防水シートの一例の構成を、図1を参
照しながら説明する。図1に示す本発明防水シートは、
繊維性基布1と、その表裏両面に、天然ゴム、合成ゴム
又は合成樹脂から形成された防水層2,2′とを有する
基体1aを有し、この防水層2の側の上面最外層にはフ
ッ化ビニリデン樹脂層3が形成され、これら防水層2と
フッ化ビニリデン樹脂層3との間には、これらの層と連
続して上面アクリル樹脂層4が形成されている。一方、
防水層2′の側の下面最外層にはこの防水層2′に連続
して下面アクリル樹脂層5が形成されている。
照しながら説明する。図1に示す本発明防水シートは、
繊維性基布1と、その表裏両面に、天然ゴム、合成ゴム
又は合成樹脂から形成された防水層2,2′とを有する
基体1aを有し、この防水層2の側の上面最外層にはフ
ッ化ビニリデン樹脂層3が形成され、これら防水層2と
フッ化ビニリデン樹脂層3との間には、これらの層と連
続して上面アクリル樹脂層4が形成されている。一方、
防水層2′の側の下面最外層にはこの防水層2′に連続
して下面アクリル樹脂層5が形成されている。
【0008】本発明防水シートの他の態様においては、
上記の如き防水層2,2′を省略し、上、下面アクリル
樹脂層4,5を、繊維性基布1の表裏面の各々に直接形
成して、これを防水層とすることができる。あるいは、
上記防水層2と上面アクリル樹脂層4との間に任意の他
の層を形成することもでき、また防水層2′と下面アク
リル樹脂層5との間に他の任意の層を形成することもで
きる。また、防水層2′を省略してもよく、あるいは防
水層2′を省略し、これに代えて他の任意の層を形成し
てもよい。
上記の如き防水層2,2′を省略し、上、下面アクリル
樹脂層4,5を、繊維性基布1の表裏面の各々に直接形
成して、これを防水層とすることができる。あるいは、
上記防水層2と上面アクリル樹脂層4との間に任意の他
の層を形成することもでき、また防水層2′と下面アク
リル樹脂層5との間に他の任意の層を形成することもで
きる。また、防水層2′を省略してもよく、あるいは防
水層2′を省略し、これに代えて他の任意の層を形成し
てもよい。
【0009】即ち、本発明の防水シートに必須の要件
は、繊維性基布を内層として有すること、防水層が存在
すること、基体の上面には最外層にフッ化ビニリデン樹
脂層が形成され、その下に連続して上面アクリル樹脂層
が形成されていること、及び基体下面には最外層に下面
アクリル樹脂層が形成されていることである。
は、繊維性基布を内層として有すること、防水層が存在
すること、基体の上面には最外層にフッ化ビニリデン樹
脂層が形成され、その下に連続して上面アクリル樹脂層
が形成されていること、及び基体下面には最外層に下面
アクリル樹脂層が形成されていることである。
【0010】以下、本発明を更に具体的に説明する。本
発明の防水シートに用いられる繊維性基布は、天然繊
維、例えば、木綿、麻など、無機繊維、例えば、ガラス
繊維、カーボン繊維、金属繊維など、再生繊維、例え
ば、ビスコースレーヨン、キュプラなど、半合成繊維、
例えば、ジ−およびトリ−アセテート繊維など、及び合
成繊維、例えば、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン6
6等)繊維、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレー
ト等)繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポ
リ塩化ビニル繊維、ポリオレフィン繊維など、から選ば
れる少なくとも1種からなるものである。
発明の防水シートに用いられる繊維性基布は、天然繊
維、例えば、木綿、麻など、無機繊維、例えば、ガラス
繊維、カーボン繊維、金属繊維など、再生繊維、例え
ば、ビスコースレーヨン、キュプラなど、半合成繊維、
例えば、ジ−およびトリ−アセテート繊維など、及び合
成繊維、例えば、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン6
6等)繊維、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレー
ト等)繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポ
リ塩化ビニル繊維、ポリオレフィン繊維など、から選ば
れる少なくとも1種からなるものである。
【0011】基布中の繊維は、短繊維紡績糸条、長繊維
糸条、スプリットヤーン、テープヤーンなどのいずれの
形状のものであってもよく、また基布は、織物、編物、
不織布又はこれらの複合布のいずれであってもよい。一
般には、本発明の防水シートに用いられる繊維はポリエ
ステル繊維であるのが好ましく、この繊維は長繊維(フ
ィラメント)の形状にあるのが好ましく、かつ平織布を
形成しているのが好ましい。また、平行に並べたたて糸
とよこ糸とを交差するように重ね、これらをからみ糸で
押えて構成された織物は、特に好ましい。繊維性基布
は、得られる防水シートの機械的強度を高いレベルに維
持するために有用である。
糸条、スプリットヤーン、テープヤーンなどのいずれの
形状のものであってもよく、また基布は、織物、編物、
不織布又はこれらの複合布のいずれであってもよい。一
般には、本発明の防水シートに用いられる繊維はポリエ
ステル繊維であるのが好ましく、この繊維は長繊維(フ
ィラメント)の形状にあるのが好ましく、かつ平織布を
形成しているのが好ましい。また、平行に並べたたて糸
とよこ糸とを交差するように重ね、これらをからみ糸で
押えて構成された織物は、特に好ましい。繊維性基布
は、得られる防水シートの機械的強度を高いレベルに維
持するために有用である。
【0012】本発明においては、繊維性基布の表面又は
表裏両面に防水層を形成して防水シート基体とするので
あるが、この防水層の材料としては、天然ゴム、ネオプ
レンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、ハイパ
ロンその他の合成ゴム、またはPVC樹脂、エチレン−
酢酸ビニルコポリマー(EVA)樹脂、アクリル樹脂、
シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン(PE)
樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエステル樹
脂、フッ素含有樹脂その他の合成樹脂を用いることがで
きる。このような材料からなる防水層は、得られる防水
シートに所望の防水性並びに難燃性や機械的強度を与え
るのに十分な厚さ、例えば、0.05mm以上の、好まし
くは0.05〜1.0mmの厚さを有する。
表裏両面に防水層を形成して防水シート基体とするので
あるが、この防水層の材料としては、天然ゴム、ネオプ
レンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、ハイパ
ロンその他の合成ゴム、またはPVC樹脂、エチレン−
酢酸ビニルコポリマー(EVA)樹脂、アクリル樹脂、
シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン(PE)
樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエステル樹
脂、フッ素含有樹脂その他の合成樹脂を用いることがで
きる。このような材料からなる防水層は、得られる防水
シートに所望の防水性並びに難燃性や機械的強度を与え
るのに十分な厚さ、例えば、0.05mm以上の、好まし
くは0.05〜1.0mmの厚さを有する。
【0013】これらの防水層は、上記の如きゴム又は樹
脂のフィルム、溶液、ペースト又はストレートなどを用
い、公知の方法、例えば、トッピング、カレンダリン
グ、コーティング、ディッピングなどの方法によって、
繊維性基布上に形成することができる。これらのゴム又
は樹脂中には、可塑剤、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤
などや他の機能付与剤が含まれていてもよい。
脂のフィルム、溶液、ペースト又はストレートなどを用
い、公知の方法、例えば、トッピング、カレンダリン
グ、コーティング、ディッピングなどの方法によって、
繊維性基布上に形成することができる。これらのゴム又
は樹脂中には、可塑剤、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤
などや他の機能付与剤が含まれていてもよい。
【0014】本発明に有用な上、下面アクリル樹脂層を
構成するアクリル樹脂としては、アクリル酸もしくはメ
タクリル酸のC1 〜C4 アルコールのエステルを主構成
モノマーとする重合体もしくは共重合体を主成分とする
樹脂が好ましい。このようなアクリル酸エステル系樹脂
の主構成モノマーとしては、具体的には、メチルアクリ
レート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、
エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピ
ルメタクリレート、ブチルアクリレート及びブチルメタ
クリレートであり、特にメチルアクリレート及びメチル
メタクリレートが好ましい。また、これらの主構成モノ
マーと共重合させるコモノマーとしては、例えば、アク
リル酸もしくはメタクリル酸のC1 〜C12アルコールの
エステル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエンなどのモノ
マーがある。
構成するアクリル樹脂としては、アクリル酸もしくはメ
タクリル酸のC1 〜C4 アルコールのエステルを主構成
モノマーとする重合体もしくは共重合体を主成分とする
樹脂が好ましい。このようなアクリル酸エステル系樹脂
の主構成モノマーとしては、具体的には、メチルアクリ
レート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、
エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピ
ルメタクリレート、ブチルアクリレート及びブチルメタ
クリレートであり、特にメチルアクリレート及びメチル
メタクリレートが好ましい。また、これらの主構成モノ
マーと共重合させるコモノマーとしては、例えば、アク
リル酸もしくはメタクリル酸のC1 〜C12アルコールの
エステル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエンなどのモノ
マーがある。
【0015】これらの共重合体は、ランダム共重合体に
限定されるものではなく、グラフト共重合体であっても
よい。例えば、メチルメタクリレート重合体にフッ化ビ
ニリデンを添加後、これをグラフト重合させた重合体な
どを使用することもできる。また、アミノ基、イミノ
基、エチレンイミン残基、アルキレンジアミン残基を含
むアクリレートを用いることもできるが、アジリジニル
基を含有するアクリレートを用いる場合に特に好ましい
結果を与える。
限定されるものではなく、グラフト共重合体であっても
よい。例えば、メチルメタクリレート重合体にフッ化ビ
ニリデンを添加後、これをグラフト重合させた重合体な
どを使用することもできる。また、アミノ基、イミノ
基、エチレンイミン残基、アルキレンジアミン残基を含
むアクリレートを用いることもできるが、アジリジニル
基を含有するアクリレートを用いる場合に特に好ましい
結果を与える。
【0016】上、下面アクリル樹脂層には、アクリル樹
脂との相溶性が良好な他の樹脂が少量含有されていても
よい。特に、PVC樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂は、
いずれも、アクリル樹脂との相溶性が良好であるので、
有用である。また、上、下面アクリル樹脂層には、耐久
性ある耐候性を与えるために紫外線吸収剤(UVA)が
配合されてもよい。UVAの配合量は入射される紫外線
を約50%以上遮断し得るように定めるのが好ましい。
この紫外線遮断量は、UVAを含有する上、下面アクリ
ル樹脂層中のUVAの濃度とこの層の厚さにより定まる
が、UVA濃度があまり低い場合には上、下面アクリル
樹脂層の厚さを増大させる必要があり、従ってこの上、
下面アクリル樹脂層のUVA濃度は好ましくは0.3%
以上、より好ましくは1.0%以上とすべきである。
脂との相溶性が良好な他の樹脂が少量含有されていても
よい。特に、PVC樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂は、
いずれも、アクリル樹脂との相溶性が良好であるので、
有用である。また、上、下面アクリル樹脂層には、耐久
性ある耐候性を与えるために紫外線吸収剤(UVA)が
配合されてもよい。UVAの配合量は入射される紫外線
を約50%以上遮断し得るように定めるのが好ましい。
この紫外線遮断量は、UVAを含有する上、下面アクリ
ル樹脂層中のUVAの濃度とこの層の厚さにより定まる
が、UVA濃度があまり低い場合には上、下面アクリル
樹脂層の厚さを増大させる必要があり、従ってこの上、
下面アクリル樹脂層のUVA濃度は好ましくは0.3%
以上、より好ましくは1.0%以上とすべきである。
【0017】しかし、この上面アクリル樹脂層中のUV
A濃度が高すぎると、上面最外層を構成するフッ化ビニ
リデン樹脂層との界面にブリードし、この層との接着力
を低下させることがあるので好ましくない。もちろん、
UVAの種類によりアクリル樹脂及びフッ化ビニリデン
樹脂との相溶性が異なるのでその濃度の上限は異なるけ
れども、フッ化ビニリデン樹脂に対しても比較的高い親
和性を有するベンゾトリアゾール系のUVAを用いる場
合でも、その添加量が30PHR を超えると両層の界面に
おいて剥離し易くなるので、30PHR 以下程度にとどめ
るのが好ましい。UVAとしては、ベンゾトリアゾール
系のものばかりでなく、ベンゾフェノン系、サリチル酸
エステル系のもの、又はこれらと他の樹脂とを共重合さ
せたもののいずれをも用いることができ、特に限定され
るものではない。
A濃度が高すぎると、上面最外層を構成するフッ化ビニ
リデン樹脂層との界面にブリードし、この層との接着力
を低下させることがあるので好ましくない。もちろん、
UVAの種類によりアクリル樹脂及びフッ化ビニリデン
樹脂との相溶性が異なるのでその濃度の上限は異なるけ
れども、フッ化ビニリデン樹脂に対しても比較的高い親
和性を有するベンゾトリアゾール系のUVAを用いる場
合でも、その添加量が30PHR を超えると両層の界面に
おいて剥離し易くなるので、30PHR 以下程度にとどめ
るのが好ましい。UVAとしては、ベンゾトリアゾール
系のものばかりでなく、ベンゾフェノン系、サリチル酸
エステル系のもの、又はこれらと他の樹脂とを共重合さ
せたもののいずれをも用いることができ、特に限定され
るものではない。
【0018】本発明に係る防水シートにおいて、その基
体の上面側において、上記上面アクリル樹脂層の上に、
最外層としてフッ化ビニリデン樹脂層が形成される。フ
ッ化ビニリデン樹脂としては、フッ化ビニリデン単一重
合体の他、フッ化ビニリデンを70モル%以上含有し、
これと共重合可能な単量体、例えば、4フッ化エチレ
ン、3フッ化エチレン、フッ化ビニル、3フッ化塩化エ
チレン、フロロクロロビニリデン、6フッ化ビニリデン
などから選ばれる1種以上の単量体を共重合させて得ら
れる共重合体が用いられる。
体の上面側において、上記上面アクリル樹脂層の上に、
最外層としてフッ化ビニリデン樹脂層が形成される。フ
ッ化ビニリデン樹脂としては、フッ化ビニリデン単一重
合体の他、フッ化ビニリデンを70モル%以上含有し、
これと共重合可能な単量体、例えば、4フッ化エチレ
ン、3フッ化エチレン、フッ化ビニル、3フッ化塩化エ
チレン、フロロクロロビニリデン、6フッ化ビニリデン
などから選ばれる1種以上の単量体を共重合させて得ら
れる共重合体が用いられる。
【0019】場合によっては、これらの単重合体又は共
重合体と良好な相溶性を有する他の樹脂を加えた混合物
とすることもできる。このようなフッ化ビニリデン樹脂
との相溶性の良好な樹脂としては、例えば、メチルメタ
クリレートもしくはメチルアクリレートを主体とする重
合体もしくは共重合体、又はシアノエチル化エチレン−
ビニルアルコール共重合体などがある。しかし、これら
他の樹脂成分の含有量は、構成樹脂量の30PHR 以内と
することが好ましい。
重合体と良好な相溶性を有する他の樹脂を加えた混合物
とすることもできる。このようなフッ化ビニリデン樹脂
との相溶性の良好な樹脂としては、例えば、メチルメタ
クリレートもしくはメチルアクリレートを主体とする重
合体もしくは共重合体、又はシアノエチル化エチレン−
ビニルアルコール共重合体などがある。しかし、これら
他の樹脂成分の含有量は、構成樹脂量の30PHR 以内と
することが好ましい。
【0020】このフッ化ビニリデン樹脂層中には、必要
に応じて、安定剤、滑剤等の加工助剤およびUVAを含
有させてもよい。特に、UVAの添加は、アクリル樹脂
層との接合面付近におけるアクリル樹脂の光劣化を防止
する意味から好ましい。しかし、フッ化ビニリデン樹脂
と均一相に相溶し得るUVAの量はあまり多くなく、一
般には3%以下の量である。また、フッ化ビニリデン樹
脂層は一般には極めて薄いので、この層のUVAのみで
防水層を完全に保護することはあまり期待できない。
に応じて、安定剤、滑剤等の加工助剤およびUVAを含
有させてもよい。特に、UVAの添加は、アクリル樹脂
層との接合面付近におけるアクリル樹脂の光劣化を防止
する意味から好ましい。しかし、フッ化ビニリデン樹脂
と均一相に相溶し得るUVAの量はあまり多くなく、一
般には3%以下の量である。また、フッ化ビニリデン樹
脂層は一般には極めて薄いので、この層のUVAのみで
防水層を完全に保護することはあまり期待できない。
【0021】本発明の防水シートにおいて、フッ化ビニ
リデン樹脂層は防水シートの表層のみを保護するもので
あるので、0.3〜10μmの厚さを有するのが好まし
く、1〜5μmであるのが更に好ましい。一方、上面ア
クリル樹脂層の厚さは、好ましくは0.5〜30μm、
更に好ましくは2〜20μmであり、一般にはフッ化ビ
ニリデン樹脂層の厚さよりも大きいことが好ましい。
リデン樹脂層は防水シートの表層のみを保護するもので
あるので、0.3〜10μmの厚さを有するのが好まし
く、1〜5μmであるのが更に好ましい。一方、上面ア
クリル樹脂層の厚さは、好ましくは0.5〜30μm、
更に好ましくは2〜20μmであり、一般にはフッ化ビ
ニリデン樹脂層の厚さよりも大きいことが好ましい。
【0022】本発明の防水シートを製造するに際して
は、例えば、繊維性基布の表面又は表裏両面に防水層を
形成した基体を先ず製造し、次いでその上面にアクリル
樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂を順次に塗布してもよ
く、また別法として基体上表面に別途製造されたフッ化
ビニリデン樹脂/アクリル樹脂の積層フィルムを貼着し
てもよい。このフッ化ビニリデン樹脂/アクリル樹脂積
層フィルムの厚さが薄く、作業性に問題が生ずる場合に
は、30〜50μmの厚さを有するPVCフィルム等を
支持体としてさらに含むフッ化ビニリデン樹脂/アクリ
ル樹脂/PVC樹脂からなる積層フィルムを作り、これ
を上記基体に貼着することもできる。このような積層フ
ィルムの製造方法には、特に限定はなく、例えば、各層
形成用樹脂を複合Tダイス又は複合円筒ダイスから複合
流動させて、フラットシート又は円筒物を共押出しし、
通常の方法で引取り、更に必要に応じて熱処理する方法
が、各層間接着性や生産性の面からみて望ましい。
は、例えば、繊維性基布の表面又は表裏両面に防水層を
形成した基体を先ず製造し、次いでその上面にアクリル
樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂を順次に塗布してもよ
く、また別法として基体上表面に別途製造されたフッ化
ビニリデン樹脂/アクリル樹脂の積層フィルムを貼着し
てもよい。このフッ化ビニリデン樹脂/アクリル樹脂積
層フィルムの厚さが薄く、作業性に問題が生ずる場合に
は、30〜50μmの厚さを有するPVCフィルム等を
支持体としてさらに含むフッ化ビニリデン樹脂/アクリ
ル樹脂/PVC樹脂からなる積層フィルムを作り、これ
を上記基体に貼着することもできる。このような積層フ
ィルムの製造方法には、特に限定はなく、例えば、各層
形成用樹脂を複合Tダイス又は複合円筒ダイスから複合
流動させて、フラットシート又は円筒物を共押出しし、
通常の方法で引取り、更に必要に応じて熱処理する方法
が、各層間接着性や生産性の面からみて望ましい。
【0023】本発明の防水シートにおいて、基体下面の
最外層を構成する下面アクリル樹脂層は、上面アクリル
樹脂層について前述したのとほぼ同様に、その厚さや材
料を選択することができる。この場合、防水シート下面
は直射日光に曝露されることが少ないので、下面アクリ
ル樹脂層については上面程にはUVAの配合の必要性は
なく、配合を省略することもできる。また、この層は、
前述した如きフィルムの貼着によるほか、コーティング
によっても形成することができる。
最外層を構成する下面アクリル樹脂層は、上面アクリル
樹脂層について前述したのとほぼ同様に、その厚さや材
料を選択することができる。この場合、防水シート下面
は直射日光に曝露されることが少ないので、下面アクリ
ル樹脂層については上面程にはUVAの配合の必要性は
なく、配合を省略することもできる。また、この層は、
前述した如きフィルムの貼着によるほか、コーティング
によっても形成することができる。
【0024】このようにして得られる本発明の防水シー
トは、防汚性及び耐候性に優れるとともに、熱融着縫製
が可能となる。即ち、この防水シート2枚を重ね合せ、
上面最外層のフッ化ビニリデン樹脂層と下面最外層の下
面アクリル樹脂層とを互に接触させておき、これらを超
音波加熱、高周波加熱又は熱風により融着接合させるの
である。このようにして熱融着縫合を行う場合、従来の
防水シートの如く、基体下面最外層に下面アクリル樹脂
層を有していない防水シートにおいてはその接着力が0
〜3kg/3cmと極めて小さかったのであるが、本発明の
防水シートの場合には接着力は6〜10kg/3cmとな
り、実用上必要とされている約5kg/3cmを超える好ま
しい値となる。
トは、防汚性及び耐候性に優れるとともに、熱融着縫製
が可能となる。即ち、この防水シート2枚を重ね合せ、
上面最外層のフッ化ビニリデン樹脂層と下面最外層の下
面アクリル樹脂層とを互に接触させておき、これらを超
音波加熱、高周波加熱又は熱風により融着接合させるの
である。このようにして熱融着縫合を行う場合、従来の
防水シートの如く、基体下面最外層に下面アクリル樹脂
層を有していない防水シートにおいてはその接着力が0
〜3kg/3cmと極めて小さかったのであるが、本発明の
防水シートの場合には接着力は6〜10kg/3cmとな
り、実用上必要とされている約5kg/3cmを超える好ま
しい値となる。
【0025】また、基体下面最外層に下面アクリル樹脂
層を有していない従来の防水シートにおいては上述の熱
融着縫製に際して好ましい接着力を与えるような樹脂か
らなる接着用フィルムを接合を必要とする部位の2枚の
防水シート間に挾み込んで融着接合させることも考えら
れるけれども、この場合には防水シート表裏面と接着用
フィルムとの密着性に欠けるため、防水シート相互の接
着力は3〜4kg/3cm程度となり、また融着作業に際し
て必要部位の位置決めに難点があり、作業上好ましくな
い。また、本発明の下面最外層をなす下面アクリル樹脂
連続層に代えて、下面アクリル樹脂層を基体下面側に部
分的(不連続)に形成することも考えられるが、この場
合縫製時にアクリル樹脂を接合の必要な部分に塗布する
等の作業が煩わしく、作業性を低下させ、作業環境を害
する。従って、本発明の防水シートの如く、最初から基
体下面全面に連続層として下面アクリル樹脂層を形成し
ておくならば、防水シートそれ自体の製造も安価にかつ
簡単に行うことができ、また縫製を防水シートのあらゆ
る部分において行うことができるという利点がある。
層を有していない従来の防水シートにおいては上述の熱
融着縫製に際して好ましい接着力を与えるような樹脂か
らなる接着用フィルムを接合を必要とする部位の2枚の
防水シート間に挾み込んで融着接合させることも考えら
れるけれども、この場合には防水シート表裏面と接着用
フィルムとの密着性に欠けるため、防水シート相互の接
着力は3〜4kg/3cm程度となり、また融着作業に際し
て必要部位の位置決めに難点があり、作業上好ましくな
い。また、本発明の下面最外層をなす下面アクリル樹脂
連続層に代えて、下面アクリル樹脂層を基体下面側に部
分的(不連続)に形成することも考えられるが、この場
合縫製時にアクリル樹脂を接合の必要な部分に塗布する
等の作業が煩わしく、作業性を低下させ、作業環境を害
する。従って、本発明の防水シートの如く、最初から基
体下面全面に連続層として下面アクリル樹脂層を形成し
ておくならば、防水シートそれ自体の製造も安価にかつ
簡単に行うことができ、また縫製を防水シートのあらゆ
る部分において行うことができるという利点がある。
【0026】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に説明す
る。実施例1 下記組織: 目付:360g/m2 を有するビニロン繊維帆布を基布として用い、これを湯
通しし、乾燥した。
る。実施例1 下記組織: 目付:360g/m2 を有するビニロン繊維帆布を基布として用い、これを湯
通しし、乾燥した。
【0027】次に、この基布を、下記組成: PVC樹脂 …80重量部 ブチルベンジルフタレート …68重量部 エポキシ化大豆油 …7重量部 炭酸カルシウム …20重量部 カドミウムバリウム系安定剤…3重量部 顔料 …8重量部 トルエン(溶剤) …130重量部 を有する加工液に浸漬した後、ローラー間で付着量10
0%に絞り、90℃で1分間乾燥し、次いで180℃で
1分間熱処理してPVCをゲル化固着して防水シート基
体を作成した。この防水シート基体の防水層の厚さは
0.3mmであった。
0%に絞り、90℃で1分間乾燥し、次いで180℃で
1分間熱処理してPVCをゲル化固着して防水シート基
体を作成した。この防水シート基体の防水層の厚さは
0.3mmであった。
【0028】この防水シート基体の上表面に、呉羽化学
工業株式会社製のKFCシート〔フッ化ビニリデン樹脂
(2〜3μm)/アクリル樹脂(2〜4μm)/PVC
樹脂(45μm)〕を、そのPVC面が防水シート基体
上表面に重なるように積層し、加熱により貼着させた。
更に、この防水シート基体の下面側に三菱レイヨン株式
会社製のアクリル樹脂フィルム(厚さ:25μm)を加
熱貼着させて、本発明の防水シートとした。
工業株式会社製のKFCシート〔フッ化ビニリデン樹脂
(2〜3μm)/アクリル樹脂(2〜4μm)/PVC
樹脂(45μm)〕を、そのPVC面が防水シート基体
上表面に重なるように積層し、加熱により貼着させた。
更に、この防水シート基体の下面側に三菱レイヨン株式
会社製のアクリル樹脂フィルム(厚さ:25μm)を加
熱貼着させて、本発明の防水シートとした。
【0029】また、比較のために、基体下面に下面アク
リル樹脂フィルムを貼着しなかったことを除き上記と全
く同様にして、従来品としての防水シートを製造した。
リル樹脂フィルムを貼着しなかったことを除き上記と全
く同様にして、従来品としての防水シートを製造した。
【0030】これら2つの防水シート試料のそれぞれに
ついて、前記本文中で述べたようにして端部3cmを重ね
合せ、この重ね合せ部分に出力2kW、周波数40.68
MHzの高周波発振機により、高周波処理を3秒間施し
た。このようにして得られた熱融着縫製防水シートの接
合部分の平均剥離強力は、本発明防水シートの場合8.
5kg/3cmであり、比較防水シートの場合1.5kg/3
cmであった。即ち、本発明防水シートは、十分実用に耐
え得る接合強度を有していたが、比較防水シートの接合
強度は実用に耐えないものであった。
ついて、前記本文中で述べたようにして端部3cmを重ね
合せ、この重ね合せ部分に出力2kW、周波数40.68
MHzの高周波発振機により、高周波処理を3秒間施し
た。このようにして得られた熱融着縫製防水シートの接
合部分の平均剥離強力は、本発明防水シートの場合8.
5kg/3cmであり、比較防水シートの場合1.5kg/3
cmであった。即ち、本発明防水シートは、十分実用に耐
え得る接合強度を有していたが、比較防水シートの接合
強度は実用に耐えないものであった。
【0031】また、防水シートの接合すべき部分を対向
させて重ね合せ、ライスター熱風溶接機を用い、幅3cm
の偏平な熱風吹出口を有するノズルを重ね合せ部の間に
差し込み、ノズルを防水シート面に沿って防水シートの
縫合方向に移動させながら、ノズルから400℃の熱風
を当て、ほぼ3cmの幅で樹脂を溶融させた。この溶融操
作に引き続いて、重ね合せ部分を加圧ローラーによりプ
レスし、融着縫製した。このようにして得られた2種の
融着縫製防水シートの剥離強力も、それぞれ上記高周波
ウエルダー縫製により得られた2種の防水シートの剥離
強力と全く同様であった。
させて重ね合せ、ライスター熱風溶接機を用い、幅3cm
の偏平な熱風吹出口を有するノズルを重ね合せ部の間に
差し込み、ノズルを防水シート面に沿って防水シートの
縫合方向に移動させながら、ノズルから400℃の熱風
を当て、ほぼ3cmの幅で樹脂を溶融させた。この溶融操
作に引き続いて、重ね合せ部分を加圧ローラーによりプ
レスし、融着縫製した。このようにして得られた2種の
融着縫製防水シートの剥離強力も、それぞれ上記高周波
ウエルダー縫製により得られた2種の防水シートの剥離
強力と全く同様であった。
【0032】実施例2 実施例1で用いたものと同じ基布に、ハイパロン樹脂防
水層、シリコーン樹脂防水層、EVA樹脂防水層及びウ
レタン樹脂防水層のそれぞれを形成して基体を形成し、
その上表面にソニー・ケミカル社製アクリル系接着剤S
C462を用いて実施例1で使用したKFCフィルムを
貼着した。また、基体下面全面に接着剤SC462を5
μmの厚さに塗布し下面アクリル樹脂層を形成して、本
発明に係る防水シートを作成した。また、比較例とし
て、それぞれ基体下面に、下面アクリル層を形成しない
防水シートを作成して、比較防水シートとした。
水層、シリコーン樹脂防水層、EVA樹脂防水層及びウ
レタン樹脂防水層のそれぞれを形成して基体を形成し、
その上表面にソニー・ケミカル社製アクリル系接着剤S
C462を用いて実施例1で使用したKFCフィルムを
貼着した。また、基体下面全面に接着剤SC462を5
μmの厚さに塗布し下面アクリル樹脂層を形成して、本
発明に係る防水シートを作成した。また、比較例とし
て、それぞれ基体下面に、下面アクリル層を形成しない
防水シートを作成して、比較防水シートとした。
【0033】これらの防水シートをそれぞれ実施例1に
述べたと同様の高周波ウエルダー縫製に供した。その結
果、得られた縫製部の剥離強力は下記の通りであった。 防水層 本発明シート 比較シート ハイパロン樹脂 7.5kg/3cm 0.5kg/3cm シリコーン樹脂 7.0kg/3cm 0 EVA樹脂 8.0kg/3cm 1.0kg/3cm ウレタン樹脂 8.0kg/3cm 1.0kg/3cm また、アクリル樹脂により基布の両面に防水層を形成し
て基体を形成し、この基体の上面にKFCシートを上記
と同様に貼着し、高周波ウエルダー縫製した。得られた
防水シート縫製部の剥離強力は8.5kg/3cmであっ
た。
述べたと同様の高周波ウエルダー縫製に供した。その結
果、得られた縫製部の剥離強力は下記の通りであった。 防水層 本発明シート 比較シート ハイパロン樹脂 7.5kg/3cm 0.5kg/3cm シリコーン樹脂 7.0kg/3cm 0 EVA樹脂 8.0kg/3cm 1.0kg/3cm ウレタン樹脂 8.0kg/3cm 1.0kg/3cm また、アクリル樹脂により基布の両面に防水層を形成し
て基体を形成し、この基体の上面にKFCシートを上記
と同様に貼着し、高周波ウエルダー縫製した。得られた
防水シート縫製部の剥離強力は8.5kg/3cmであっ
た。
【0034】
【発明の効果】上記からもわかるように、本発明に係る
防水シートは、その上表面にフッ化ビニリデン樹脂保護
層を有するから、優れた防汚性、耐候性及び耐久性を保
持し、さらにその下面側表面全面に下面アクリル樹脂層
を有することから、簡便かつ低廉な高周波、超短波又は
加熱融着縫製が可能な防水シートとして有用であり、本
発明の工業的価値は極めて大である。
防水シートは、その上表面にフッ化ビニリデン樹脂保護
層を有するから、優れた防汚性、耐候性及び耐久性を保
持し、さらにその下面側表面全面に下面アクリル樹脂層
を有することから、簡便かつ低廉な高周波、超短波又は
加熱融着縫製が可能な防水シートとして有用であり、本
発明の工業的価値は極めて大である。
【図1】図1は、本発明の防水シートの一例を模式的に
示す断面説明図。
示す断面説明図。
1…繊維性基布 1a…基体 2,2′…防水層 3…フッ化ビニリデン樹脂層 4…上面アクリル樹脂層 5…下面アクリル樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 33:04
Claims (11)
- 【請求項1】 繊維性基布と、その表面又は表裏両面に
形成され、かつ天然ゴム、合成ゴム又は合成樹脂からな
る防水層とを有する防水シート基体を有し、この基体の
上面側にはその最外層としてフッ化ビニリデン樹脂層が
形成され、かつこの最外層の下に連続して上面アクリル
樹脂層が形成されており、また、前記基体の下面側には
その最外層として下面アクリル樹脂層が形成されている
ことを特徴とする熱融着縫製可能な防水シート。 - 【請求項2】 前記基体上面において、前記防水層上に
上面アクリル樹脂層が形成され、その上にフッ化ビニリ
デン樹脂層が形成されている請求項1に記載の防水シー
ト。 - 【請求項3】 前記基体下面において、前記防水層上に
下面アクリル樹脂層が形成されている請求項1又は2に
記載の防水シート。 - 【請求項4】 前記上下面アクリル樹脂層が、それぞれ
防水層を形成している請求項1に記載の防水シート。 - 【請求項5】 前記防水層が0.05〜1.0mmの厚さ
を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の防水シー
ト。 - 【請求項6】 前記上面および下面アクリル樹脂層が、
それぞれアクリル酸もしくはメタクリル酸のC1 〜C4
アルコールのエステルを主構成モノマーとする重合体も
しくは共重合体を主成分とする樹脂からなる請求項1〜
5のいずれか1項に記載の防水シート。 - 【請求項7】 前記上面および下面アクリル樹脂層が、
それぞれ0.5〜30μmの厚さを有する請求項1〜6
のいずれか1項に記載の防水シート。 - 【請求項8】 前記上面および下面アクリル樹脂層の厚
さが、それぞれ2〜20μmである請求項7に記載の防
水シート。 - 【請求項9】 前記フッ化ビニリデン樹脂層が、フッ化
ビニリデン単一重合体、又はフッ化ビニリデンを70モ
ル%以上含有する共重合体を主成分とする樹脂からなる
請求項1〜8項のいずれか1項に記載の防水シート。 - 【請求項10】 前記フッ化ビニリデン樹脂層が0.3
〜10μmの厚さを有する請求項1〜9のいずれか1項
に記載の防水シート。 - 【請求項11】 前記フッ化ビニリデン樹脂層の厚さが
1〜5μmである請求項10に記載の防水シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6105464A JPH0823110B2 (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | 熱融着縫製可能な防水シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6105464A JPH0823110B2 (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | 熱融着縫製可能な防水シート |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59109836A Division JPS60252781A (ja) | 1984-05-30 | 1984-05-30 | 熱融着縫製可能な防水シ−トおよびその縫製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07138886A true JPH07138886A (ja) | 1995-05-30 |
JPH0823110B2 JPH0823110B2 (ja) | 1996-03-06 |
Family
ID=14408306
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6105464A Expired - Lifetime JPH0823110B2 (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | 熱融着縫製可能な防水シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0823110B2 (ja) |
-
1994
- 1994-05-19 JP JP6105464A patent/JPH0823110B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0823110B2 (ja) | 1996-03-06 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |