JPH07138423A - ポリオレフィン樹脂組成物及びポリオレフィン一軸延伸フィルム - Google Patents

ポリオレフィン樹脂組成物及びポリオレフィン一軸延伸フィルム

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JPH07138423A
JPH07138423A JP28359693A JP28359693A JPH07138423A JP H07138423 A JPH07138423 A JP H07138423A JP 28359693 A JP28359693 A JP 28359693A JP 28359693 A JP28359693 A JP 28359693A JP H07138423 A JPH07138423 A JP H07138423A
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polyolefin
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stretched film
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信行 高橋
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偉生利 松本
Yasunao Yamada
保直 山田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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TOYO SEIKI JUSHI KAKO KK
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた初期引裂性及び直進引裂性を有するポ
リオレフィン一軸延伸フィルム、及び該一軸延伸フィル
ムの原料として有用な樹脂組成物を提供する。 【構成】 アイソタクチックインデックスが0.960
以上、メルトフローレートが6〜10g/10minで
ある結晶性ポリプロピレン100重量部、メルトフロー
レートが1〜50g/10min、密度が0.900〜
0.940g/cm3 であるポリエチレン2〜10重量
部及び分子量が5000〜25000であるアタクチッ
クポリプロピレン0.5〜3重量部を含むポリオレフィ
ン樹脂組成物から得られた未延伸フィルムを3〜10倍
に延伸してなるポリオレフィン一軸延伸フィルム、及び
上記樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィン樹脂組
成物及び該樹脂組成物から得られるポリオレフィン一軸
延伸フィルムに関する。詳しくは、優れた初期引裂性及
び直進引裂性を有するポリオレフィン一軸延伸フィルム
の製造原料として有用なポリオレフィン樹脂組成物、及
び、該樹脂組成物から得られる優れた初期引裂性及び直
進引裂性を有し、主として包装用フィルムに適するポリ
オレフィン一軸延伸フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、包装用フィルムとして、単層また
は多層フィルムが用いられている。ところが、これらの
包装用フィルムにおいて初期引裂性が悪いと人手等によ
り容易に開封することが困難となり、鋏、ナイフ等で切
り込みを入れた後に開封することが必要となる。また、
直線引裂性に劣るフィルムを用いた包装体を開封する
と、斜めに切れたり、引裂箇所のフィルム端面が毛羽立
ちして見栄えを悪くする欠点がある。
【0003】更に、初期引裂性及び直進引裂性が劣るフ
ィルムを用いた包装体は開封する場合、開封箇所以外の
他の箇所に余分な応力が掛り、被包装物品が変形したり
包装体が破損することがあり、被包装物品の脱落、漏
洩、飛散等により手及び周辺を汚染する等の問題が生じ
る。
【0004】これらの欠点を解決するために、引裂性が
改良された包装用フィルムが提案されている。例えば、
特開平3−277528号公報には、縦方向に平行な引
裂強度が3g以上、200g以下の範囲にあり、全ヘイ
ズが2%以下で、内部ヘイズ(H1)と表面のヘイズ
(H2)とから求めたヘイズ差(2・H2−H1)が
1.5以下の結晶性ポリオレフィン樹脂よりなるフィル
ム状物であることを特徴とする縦裂き可能な高透明フィ
ルム状物が開示されている。
【0005】この縦裂き可能な高透明フィルム状物は、
高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密
度ポリエチレン、立体規則性の単独重合ポリプロピレン
または共重合ポリプロピレン、ポリブテン−1、エチレ
ンまたはプロピレンを主成分とし、これと他のα−オレ
フィンまたは極性ビニルモノマーとの共重合体等の結晶
性ポリオレフィン樹脂またはこれらの混合物を溶融成膜
し、該樹脂の融点以下の温度において一対以上のロール
間で圧延することにより得られることが記載されてい
る。
【0006】また、特公昭53−17632号公報に
は、ポリプロピレン30〜98重量%とエチレン・プロ
ピレン共重合体もしくはエチレン・酢酸ビニール共重合
体70〜2重量%からなる重合体混合物により形成され
た未延伸フィルムを、縦方向に1〜2.5倍、横方向に
5倍以上延伸し、フィルムの縦方向、横方向及び厚さ方
向の各屈折率に特定の関係を有する、横方向引裂性の良
好なフィルムの製造方法が開示されている。
【0007】さらに、特公昭56−21581号公報に
は、少なくとも10重量%のエチレン−プロピレン共重
合体、10〜50重量%のポリエチレン及び0〜80重
量%のポリプロピレンからなるフィルムであって、縦方
向および横方向の各屈折率に特定の関係を有する横方向
引裂性を有するフィルムが開示されている。該フィルム
は、上記組成からなる未延伸フィルムを縦方向(一軸)
または縦方向と横方向(二軸)に延伸することにより得
られることが記載されている。
【0008】しかし、上記刊行物に開示されたフィルム
は、いずれも初期引裂性及び直進引裂性の改良度が充分
でなく、包装体用フィルムとしては満足できるものでは
ない。かかる背景から、優れた開封性を有する包装体を
得るために用いられる初期引裂性及び直進引裂性が良好
な包装体用フィルムが強く望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題を解決し、優れた初期引裂性及び直進引裂性を有
し、主として包装用に用いられるポリオレフィン一軸延
伸フィルム、及び該一軸延伸フィルムの原料に適するポ
リオレフィン樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の結晶性ポリプ
ロピレン、特定のポリエチレン、及び特定のアタクチッ
クポリプロピレンを特定の重量比で配合したポリオレフ
ィン樹脂組成物から得られるポリオレフィン一軸延伸フ
ィルムが優れた初期引裂性及び直進引裂性を有すること
を見出し、本発明に到った。
【0011】即ち、本発明の第一発明は、アイソタクチ
ックインデックスが0.960以上、メルトフローレー
トが6〜10g/10minである結晶性ポリプロピレ
ン100重量部、メルトフローレートが1〜50g/1
0min、密度が0.900〜0.940g/cm3
あるポリエチレン2〜10重量部及び分子量が5000
〜25000であるアタクチックポリプロピレン0.5
〜3重量部を含むことを特徴とするポリオレフィン樹脂
組成物である。また、本発明の第二発明は、前記ポリオ
レフィン樹脂組成物を成形して得られた未延伸フィルム
を3〜10倍に延伸してなるポリオレフィン一軸延伸フ
ィルムである。
【0012】本発明のポリオレフィン樹脂組成物の特徴
は、3種類の特定のポリオレフィン樹脂を特定の重量比
で配合したことにあり、特に、アタクチックポリプロピ
レンを0.5〜3重量部の範囲で含むことにある。該ポ
リオレフィン樹脂組成物から得られた未延伸フィルムを
3〜10倍に一軸延伸することにより、優れた初期引裂
性及び直進引裂性を有するポリオレフィン一軸延伸フィ
ルムが得られるものである。本発明のポリオレフィン一
軸延伸フィルムは優れた初期引裂性及び直進引裂性を有
するが故に、特に包装用フィルムとして好適に用いら
れ、易開封性の包装体が得られる。以下、本発明につい
て詳細に説明する。
【0013】先ず、本発明の第一発明であるポリオレフ
ィン樹脂組成物について詳細に説明する。本発明のポリ
オレフィン樹脂組成物は、特定の結晶性ポリプロピレン
(以下、PPという)、特定のポリエチレン(以下、P
Eという)、及び特定のアタクチックポリプロピレン
(以下、APPという)を特定の重量比で混合すること
により得られる。
【0014】上記3種類のポリオレフィン樹脂を混合す
る方法には、特に制限はなく、公知の混合方法が用いら
れる。例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダ
ー、バンバリーミキサー、タンブラーミキサー等公知の
混合機を用いて、室温またはその近傍の温度において混
合する方法が挙げられる。混合した後、ミキシングロー
ル、一軸または二軸スクリュー押出機等を用いて混練、
溶融した後、得られたシート状物またはストランドを粉
砕、切断する等してペレット状に成形してもよい。各樹
脂が既にペレット状に成形されている場合は、各樹脂を
混合してそのまま用いてもよい。
【0015】本発明に使用するPPは、結晶性ポリプロ
ピレンであって、アイソタクチックインデックス(以
下、IIXという)が0.960以上、メルトフローレ
ート(以下、MFRという)が6〜10g/10min
の範囲のものである。好ましくは、IIXが0.970
以上、MFRが7〜8g/10minの範囲のものであ
る。
【0016】本発明におけるIIXとは、PPを沸騰n
−ヘプタンで抽出し、その不溶部分を重量%で示した値
である。従って、IIXが0.960以上であるポリプ
ロピレンとは、沸騰n−ヘプタンに可溶部分が4重量%
未満のポリプロピレンであって、後述するn−ヘプタン
に可溶性のAPPとは異質の重合体であることを意味す
る。
【0017】PPのIIXは、ポリオレフィン一軸延伸
フィルムの引張強度に関係し、IIXが小さいと引張強
度が低下する。かかる観点から本発明においては上記範
囲のIIXのものが用いられる。また、MFRはフィル
ムの成形性に関係するので上記範囲のものが用いられ
る。
【0018】本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、P
Pを100重量部含むが、PPの含有量はポリオレフィ
ン一軸延伸フィルムの引張強度、引裂性及び透明性に影
響を及ぼし、少ないと引張強度、引裂性及び透明性が低
下する。
【0019】本発明に使用するPEは、MFR1〜50
g/10min、密度0.900〜0.940g/cm
3 の範囲のものである。好ましくは、MFR30〜40
g/10分の範囲のものである。MFRが上記範囲を外
れると成形性が低下し、その上、得られるポリオレフィ
ン一軸延伸フィルムの直進引裂性が低下する。PEの密
度は得られるポリオレフィン一軸延伸フィルムの透明
性、初期引裂性及び直進引裂性に影響し、特に初期引裂
性及び直進引裂性に影響を及ぼす。従って、密度が0.
900〜0.940g/cm3 の範囲にある低密度ポリ
エチレンが用いられる。密度とMFRが上記範囲であれ
ばエチレンの単独重合体である低密度ポリエチレン、エ
チレンと他のα−オレフィンとの共重合体である線状ポ
リエチレンが使用される。
【0020】PEの配合割合は、得られるポリオレフィ
ン一軸延伸フィルムの透明性及び直進引裂性に影響を及
ぼし、少ないと直進引裂性が低下し、多いと透明性が低
下する。かかる観点から、PEの配合割合は、PP10
0重量部に対し2〜10重量部の範囲から適宜選択され
る。好ましくは4〜6重量部である。
【0021】尚、本発明におけるPP及びPEのMFR
値は、JIS K−7210に規定される方法に準拠
し、試験温度190±0.5℃、試験荷重2160gの
条件下で測定した値である。
【0022】本発明に使用する、APPは、ポリプロピ
レンまたはプロピレン共重合体を製造する際に副生する
非結晶性のポリプロピレンであり、非ゴム弾性を示し、
n−ヘプタン可溶性の重合体である。ポリプロピレン
は、多くの場合n−ヘプタンを分散媒体とする懸濁重合
法で製造され、n−ヘプタンに溶解しないアイソタクチ
ック部分よりなる結晶性ポリプロピレンは固液分離さ
れ、n−ヘプタンに溶解するアタクチック部分(AP
P)は溶媒回収装置において底部から固体として析出す
る。通常、溶媒回収装置において析出するAPPは、低
沸点成分等の不純物を含み、成形品にボイド等が生成す
る原因となるので、これらを除去するために、本発明に
用いるAPPは、溶剤回収装置でスチームストリッピン
グされ、更に脱水加工されたものが好ましい。APPの
分子量が低いと溶融粘度が低下し、高いと溶融粘度が増
加して成形性に影響を及ぼす。かかる成形性の点で、本
発明に使用するAPPの分子量は、5000〜2500
0の範囲のものである。
【0023】APPの添加量は、得られるポリオレフィ
ン一軸延伸フィルムの直進引裂性に影響を及ぼし、添加
量が少ないと良好な直進引裂性が得られず、また、逆に
多いと引裂性が過剰となり、フィルムを製造する際にス
リットリワインド工程、印刷工程、ラミネート工程等に
おいてフィルムが裂けて作業に支障をきすことがある。
かかる点を考慮して、APPの添加量は、PP100重
量部に対し0.5〜3重量部の範囲から適宜選択され
る。
【0024】なお、本発明のポリオレフィン樹脂組成物
には、必要に応じて熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、アンチブロッキング剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、
染料等、公知の他の添加剤を加えてもよい。これらの他
の添加剤の混合方法は、樹脂を混合する際に採用する前
記の方法によればよい。
【0025】以下に、本発明のポリオレフィン一軸延伸
フィルムの製造について詳細に説明する。本発明のポリ
オレフィン一軸延伸フィルムは、上記のポリオレフィン
樹脂組成物から未延伸フィルムを成形し、得られた未延
伸フィルムを縦方向または横方向に一軸延伸することに
より得られる。
【0026】未延伸フィルムの成形方法には特に制限は
なく、公知の成形方法が採用される。例えば、Tダイ式
押出成形法、円形ダイによるインフレーション成形法、
カレンダー成形法等が挙げられる。好ましくは、Tダイ
が装着された一軸または二軸スクリュー式押出機による
押出成形方法が採用される。押出温度は190〜260
℃の範囲から選択される。
【0027】押出機ダイより吐出されたフィルム状物
は、空冷、冷却ロール等を用いて冷却され、未延伸フィ
ルムとされる。好ましい冷却方法は、表面温度が20〜
50℃の範囲に制御された冷却ロールにより急冷する方
法である。冷却ロールの温度が20℃未満であるとロー
ル表面の結露等によりフィルムの表面状態を悪くするこ
とがあるので好ましくない。また、50℃を超えるとフ
ィルムの透明性が悪くなるので好ましくない。未延伸フ
ィルムの厚みは、一般的には60〜700μm程度であ
ることが好ましい。
【0028】未延伸フィルムを延伸する方法としては、
ロール延伸による縦一軸延伸法またはテンター延伸によ
る横一軸延伸法の採用が挙げられる。好ましくは、ロー
ル延伸による縦一軸延伸法である。ロール延伸による場
合、未延伸フィルムを予熱ロールにより加熱した後、周
速の異なる一対または二対以上のロール間で縦方向に一
段延伸、または二段以上の多段延伸をする。延伸温度が
低いと延伸の際にフィルムが切れることがあり、また、
高いとフィルムがベタツキ、延伸ロールに巻きつき易く
なり、作業性が低下する傾向がある。かかる点を考慮
し、延伸温度は上記混合物の融点以下の温度、具体的に
は95〜150℃の範囲から選択されることが好まし
い。更に好ましくは100〜120℃の範囲である。
【0029】延伸倍率が低いと良好な引張強度、引裂性
等が発現せず、また得られる延伸フィルムの厚み精度が
悪くなる傾向を示す。延伸倍率が高いと延伸の際にフィ
ルムが切れることがあり、作業性が悪くなるばかりでな
く、引裂性が過剰となり、延伸フィルムの特性が実用的
範囲を外れることがある。かかる観点から、本発明のポ
リオレフィン一軸延伸フィルムは、3〜10倍、好まし
くは4〜6倍の範囲で延伸される。
【0030】延伸フィルムは熱収縮し易いので、通常延
伸温度以上、例えば100〜150℃の温度で0.1〜
10秒間熱処理を行い、10%以下、好ましくは2〜4
%程度熱収縮をさせておくことが好ましい。
【0031】ポリオレフィン一軸延伸フィルムの厚さ
は、特に制限はないが、該フィルムが主として包装用と
して用いられる場合には、包装対象物や複合化する対象
フィルムによって異なるが、通常20〜70μm程度で
あることが好ましい。
【0032】上記のようにして得られる本発明のポリオ
レフィン一軸延伸フィルムは、優れた初期引裂性と直進
引裂性を有するので、良好な開封性を有する包装用フィ
ルムとして最適である。特に、飴、ビスケット等の固形
菓子、砂糖、食塩等の粉末調味料及び液状調味料類等の
食品包装用フィルム、粉末洗剤、入浴剤等の生活用品包
装用フィルム、現像液、感光液等の産業用資材包装用フ
ィルム等として好適であり、これらの内装及び外装用に
用いられる。
【0033】本発明のポリオレフィン一軸延伸フィルム
を使用した包装体は容易且つ簡単に開封可能である。従
って、該包装体の開封に際し余分な応力を要しないの
で、被包装物品を変形することなしに開封することがで
きる。また、余分な応力により開封箇所以外を破損する
ことがないので、被包装物品の脱落、漏洩、飛散等が防
止され、人手、周辺を汚染することがない。更に、開封
不良、汚染等による不快感から生じる精神的ストレスを
解消することも可能にし、包装用フィルムとして最適で
ある。
【0034】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。但し、本発明はもとより下記の実施例によって
制約を受けるものではない。なお、実施例に示した測定
項目の試験方法及び評価法は下記の通りである。 (1)初期引裂性 JIS K−7128に規定されるエルメンドルフ引裂
法に準拠し、2号試験片を採用して厚み25μmのフィ
ルムの引裂強度を測定する(g/25μm)。判定方法
は、次の如くする。
【0035】良好・・・引裂強度が2g以下であるもの
を初期引裂性良好とする。
【0036】不良・・・引裂強度が2gを超えるものを
初期引裂性不良とする。 (2)直進引裂性 JIS K−6772の9.4項に規定される引裂試験
方法に準拠して測定する。但し、9.4.2項に規定さ
れるサンプル寸法と測定法を下記のように一部変更す
る。 試験試料の寸法 フィルムを延伸方向(以下、MD方向という)に340
mm、延伸方向と直角方向に(以下、TDという)20
mmに切り取り、30枚以上の試験片を作製する。試験
片の短辺の中央から長辺に平行に内部へ長さ約40mm
の切り込みを入れ試験試料とする。 測定方法 試験試料を9.4.2項に規定される方法に従って引裂
き、引裂かれた試験試料の引裂開始箇所の幅と引裂終了
箇所の幅を測定する。引裂かれた30枚の各試験試料の
引裂開始箇所の幅の平均値(A)と、引裂終了箇所の幅
の平均値(B)とを求め、下記式(1)[数1]
【0037】
【数1】 により直進引裂性[C(%)]を求める。判定方法は次
の如くする。
【0038】良好・・・C値が10%以下のものを直進
引裂性良好と判定する。
【0039】不良・・・C値が10%を超えるものを直
進引裂性不良と判定する。 (3)透明性評価方法 ヘイズメータ(日本電色工業(株)社製、積分球式)を
用いて、JIS K−6714に規定される方法に準拠
して測定し、全光線透過量に対する乱光線透過量の割合
によって評価する。
【0040】良好・・・ヘイズ値が5%以下のものを良
好と判定する。
【0041】不良・・・ヘイズ値が5%を超えるものを
不良と判定する。 (4)引張強度 JIS K−7113に規定される方法に準拠して測定
し、フィルムのMD方向の引張強度を示す。 (5)伸度 JIS Kー7113に規定される方法に準拠して測定
し、フィルムのMD方向の伸度を示す。
【0042】実施例1〜4、比較例1〜6 PP(三井東圧化学(株)製、商品名:三井ノーブレ
ン、IIX:0.965、MFR:7.5g/10mi
n)、PE(宇部興産(株)製、商品名:UBEポリエ
チレン、MFR:30g/10min、密度:0.91
4g/cm3 )、及び、APP(千葉ファインケミカル
(株)製、商品名:サンアタック、分子量:1500
0)をそれぞれ[表1]に示す配合割合(重量部)で用
い、さらに、帯電防止剤(花王(株)製、商品名:エレ
ストマスター〓326)を0.3重量部(純品換算)を
ブレンダーを用いて室温において混合してポリオレフィ
ン樹脂組成物を得た。
【0043】得られた各ポリオレフィン樹脂組成物をT
ダイを装備した押出機(65mmΦ)を用いて、樹脂温
度220℃で溶融、混練し、Tダイより吐出させ、表面
温度が20℃に制御された冷却ロールで急冷し、厚み1
00μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルム
を102℃の加熱ロールで予熱し、周速の異なる一対の
ロール間で4倍に延伸し、厚み25μmの縦方向に一軸
延伸されたポリオレフィン一軸延伸フィルムを得た。次
いで、該一軸延伸フィルムを135℃において1秒間熱
処理を行ない、更に、該一軸延伸フィルムの両面にコロ
ナ放電処理を施し、二次加工適性を付与しロール状に巻
き取った。次いで、幅500mmにスリットリワインド
した。スリットリワインドしたポリオレフィン一軸延伸
フィルムの引張強度、伸度、透明性、初期引裂性、及び
直進引裂性を上記の方法により評価した。
【0044】その結果、実施例1〜4で得られた一軸延
伸フィルムは、引張強度、伸度、初期引裂性、直進引裂
性及び透明性はいずれも良好であった。
【0045】比較例1で得られた一軸延伸フィルムは、
初期引裂性は良好であった。しかし、引張強度が低いこ
とが起因し、裂け性が過剰となり引裂中に横裂けが発生
し、直進引裂性は悪かった。また、スリットリワインド
する際に、フィルムの裂けが多発し作業性が悪く実用的
でなかった。透明性も悪かった。
【0046】比較例2で得られた一軸延伸フィルムは、
引張強度及び透明性は良好であったが、初期引裂性及び
直進引裂性が悪かった。特に、直進引裂性は裂けの途中
にひっかかる箇所があり、また、裂けた断面がぎざぎざ
状となる現象が生じた。
【0047】比較例3〜6で得られた一軸延伸フィルム
は、引張強度、透明性は良好であったが、初期引裂性及
び直進引裂性は悪かった。特に比較例4で得られた一軸
延伸フィルムは、引裂途中で横裂けが発生した。
【0048】実施例1〜4、比較例1〜6で用いた各樹
脂の配合割合(重量部)を[表1]に示す。また、得ら
れた各ポリオレフィン一軸延伸フィルムの特性評価結果
を[表2]に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、優れた初期引裂性及び
直進引裂性を有するポリオレフィン一軸延伸フィルム、
及び、該一軸延伸フィルムの原料資材として有用なポリ
オレフィン樹脂組成物が得られる。本発明のポリオレフ
ィン一軸延伸フィルムは、優れた初期引裂性及び直進引
裂性を有するのでこれを包装用フィルムとして用いると
易開封性の包装体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 23:00 (72)発明者 山田 保直 愛知県西春日井郡西春町大字西之保字宮前 44番地

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アイソタクチックインデックスが0.9
    60以上、メルトフローレートが6〜10g/10mi
    nである結晶性ポリプロピレン100重量部、メルトフ
    ローレートが1〜50g/10min、密度が0.90
    0〜0.940g/cm3 であるポリエチレン2〜10
    重量部及び分子量が5000〜25000であるアタク
    チックポリプロピレン0.5〜3重量部を含むことを特
    徴とするポリオレフィン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 アイソタクチックインデックスが0.9
    60以上、メルトフローレートが6〜10g/10mi
    nである結晶性ポリプロピレン100重量部、メルトフ
    ローレートが1〜50g/10min、密度が0.90
    0〜0.940g/cm3 であるポリエチレン2〜10
    重量部及び分子量が5000〜25000であるアタク
    チックポリプロピレン0.5〜3重量部を含むポリオレ
    フィン樹脂組成物から得られた未延伸フィルムを3〜1
    0倍に延伸してなるポリオレフィン一軸延伸フィルム。
  3. 【請求項3】 引張強度が20kg/mm2 以上、エル
    メンドルフ引裂強度が2g以下、直進引裂性が10%以
    下であることを特徴とする請求項2記載のポリオレフィ
    ン一軸延伸フィルム。
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