JPH0713748B2 - 光導電性部材 - Google Patents

光導電性部材

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JPH0713748B2
JPH0713748B2 JP60138212A JP13821285A JPH0713748B2 JP H0713748 B2 JPH0713748 B2 JP H0713748B2 JP 60138212 A JP60138212 A JP 60138212A JP 13821285 A JP13821285 A JP 13821285A JP H0713748 B2 JPH0713748 B2 JP H0713748B2
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gas
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秀二 吉澤
渉 三谷
万里子 山本
龍哉 池末
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    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
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    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/08Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic
    • G03G5/082Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic and not being incorporated in a bonding material, e.g. vacuum deposited
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] この発明は、電子写真感光体等に使用され、帯電特性、
光感度特性及び耐環境性等が優れた光導電性部材に関す
る。
[発明の技術的背景とその問題点] 従来、電子写真感光体の光導電層を形成する材料とし
て、CdS、ZnO,Se,Se-Te若しくはアモルファスシリコン
等の無機材料又はポリ−N−ビニルカルバゾール(PVC
z)若しくはトリニトロフルオレン(TNF)等の有機材料
が使用されている。しかしながら、これらの従来の光導
電性材料においては、光導電特性上、又は製造上、種々
の問題点があり、感光体システムの特性をある程度犠牲
にして使用目的に応じてこれらの材料を使い分けてい
る。
例えば、Se及びCdSは、人体に対して有害な材料であ
り、その製造に際しては、安全対策上、特別の配慮が必
要である。従って、製造装置が複雑となるため製造コス
トが高いと共に、特に、Seは回収する必要があるため回
収コストが付加されるという問題点がある。また、Se又
はSe-Te系においては、、結晶化温度が65℃と低いた
め、複写を繰り返している間に、残電等により光導電特
性上の問題が生じ、このため、寿命が短いので実用性が
低い。
更に、ZnOは、酸化還元が生じやすく、環境雰囲気の影
響を著しく受けるため、使用上、信頼性が低いという問
題点がある。
更にまた、PVCz及びTNF等の有機光導電性材料は、発癌
性物質である疑いが持たれており、人体の健康上問題が
あるのに加え、有機材料は熱安定性及び耐摩耗性が低
く、寿命が短いという欠点がある。
一方、アモルファスシリコン(以下、a−Siと略す)
は、近時、光導電変換材料として注目されており、太陽
電池、薄膜トランジスタ及びイメージセンサへの応用が
活発になされている。このa−Siの応用の一環として、
a−Siを電子写真感光体の光導電性材料として使用する
試みがなされており、a−Siを使用した感光体は、無公
害の材料であるから回収処理の必要がないこと、他の材
料に比して可視光領域で高い分光感度を有すること、表
面硬度が高く耐摩耗性及び耐衝撃性が優れていること等
の利点を有する。
このa−Siは、カールソン方式に基づく感光体として検
討が進められているが、この場合に、感光体特性として
抵抗及び光感度が高いことが要求される、しかしなが
ら、この両特性を単一層の感光体で満足させることが困
難であるため、光導電層と導電性支持体との間に障壁層
を設け、光導電層上に表面電荷保持層を設けた積層型の
構造にすることにより、このような要求を満足させてい
る。
ところで、a−Siは、通常、シラン系ガスを使用したグ
ロー放電分解法により形成されるが、この際に、a−Si
膜中に水素が取り込まれ、水素量の差により電気的及び
光学的特性が大きく変動する。即ち、a−Si膜に侵入す
る水素の量が多くなると、光学的バンドギャップが大き
くなり、a−Siの抵抗が高くなるが、それにともない、
長波長光に対する光感度が低下してしまうので、例え
ば、半導体レーザを搭載したレーザビームプリンタに使
用することが困難である。また、a−Si膜中の水素の含
有量が多い場合は、成膜条件によって、(SiH2)n及びSi
H2等の結合構造を有するものが膜中で大部分の領域を占
める場合がある。そうすると、ボイドが増加し、シリコ
ンダングリングボンドが増加するため、光導電特性が劣
化し、電子写真感光体として使用不能になる。逆に、a
−Si中に侵入する水素の量が低下すると、光学的バンド
ギャップが小さくなり、その抵抗が小さくなるが、長波
長光に対する光感度が増加する。しかし、水素含有量が
少ないと、シリコンダングリングボンドと結合してこれ
を減少させるべき水素が少なくなる。このため、発生す
るキャリアの移動度が低下し、寿命が短くなると共に、
光導電特性が劣化してしまい、電子写真感光体として使
用し難いものとなる。
なお、長波長光に対する感度を高める技術として、シラ
ン系ガスとゲルマンGeH4とを混合し、グロー放電分解す
ることにより、光学的バンドギャップが狭い膜を生成す
るものがあるが、一般に、シラン系ガスとGeH4とでは、
最適基板温度が異なるため、生成した膜は構造欠陥が多
く、良好な光導電特性を得ることができない。また、Ge
H4の廃ガスは酸化されると有毒ガスとなるので、廃ガス
処理も複雑である。従って、このような技術は実用性が
ない。
[発明の目的] この発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであっ
て、キャリアの移動度を低下させることなく、長波長光
に対しても感度を有する光導電性部材を提供することを
目的とする。
[発明の概要] この発明に係る光導電性部材は、導電性支持体と、この
導電性支持体の上に形成された障壁層と、この障壁層の
上に形成された光導電層と、を有する光導電部材におい
て、前記光導電層は、その少なくとも一部が水素を含有
するマイクロクリスタリンシリコンで形成されており、
このマイクロクリスタリンシリコンの平均粒径が層厚方
向で変化していることを特徴とする。
この発明は、前述の従来技術の欠点を解消し、優れた光
導電特性(電子写真特性)と耐環境性とを兼備した光導
電性部材を開発すべく本願発明者等が種々実験研究を重
ねた結果、マイクロクリスタリンシリコン(以下、μC
−Siと略す)を光導電性部材の少なくとも一部に使用す
ることにより、この目的を達成することができることに
想到して、この発明を完成させたものである。
[発明の実施例] 以下、この発明について具体的に説明する。この発明の
特徴は、従来のa−Siの替りにμC−Siを使用したこと
にある。つまり、光導電層の全ての領域又は一部の領域
がマイクロクリスタリンシリコン(μC−Si)で形成さ
れているか、マイクロクリスタリンシリコンとアモルフ
ァスシリコン(a−Si)との混合体で形成されている
か、又はマイクロクリスタリンシリコンとアモルファス
シリコンとの積層体で形成されている。また機能分離型
の光導電性部材においては、電荷発生層にμC−Siを使
用している。
μC−Siは、以下のような物性上の特徴により、a−Si
及びポリクリスタリンシリコン(多結晶シリコン)から
明確に区別される。即ち、X線回折測定においては、a
−Siは、無定形であるため、ハローのみが現れ、回折パ
ターンを認めることができないが、μC−Siは、2θが
27乃至28.5°付近にある結晶回折パターンを示す。ま
た、ポリクリスタリンシリコンは暗抵抗が106Ω・cmで
あるのに対し、μC−Siは1011Ω・cm以上の暗抵抗を有
する。このμC−Siは粒径が約数十オングストローム以
上である微結晶が集合して形成されている。
μC−Siとa−Siとの混合体とは、μC−Siの結晶領域
がa−Si中に混在していて、μC−Si及びa−Siが同程
度の体積比で存在するものをいう。また、μC−Siとa
−Siとの積層体とは、大部分がa−Siからなる層と、μ
C−Siが充填された層とが積層されているものをいう。
このようなμC−Siを有する光導電層は、a−Siと同様
に、高周波グロー放電分解法により、シランガスを原料
として、導電性支持体上にμC−Siを堆積させることに
より製造することができる。この場合に、支持体の温度
をa−Siを形成する場よりも高く設定し、高周波電力も
a−Siの場合よりも高く設定すると、μC−Siを形成し
やすくなる。また、支持体温度及び高周波電力を高くす
ることにより、シランガスなどの原料ガスの流量を増大
させることができ、その結果、成膜速度を早くすること
ができる。また、原料ガスのSiH4及びSi2H6等の高次の
シランガスを水素で希釈したガスを使用することによ
り、μC−Siを一層高効率で形成することができる。
第1図は、この発明に係る光導電性部材を製造する装置
を示す図である。ガスボンベ1,2,3,4には、例えば、夫
々SiH4,B2H6,H2,CH4等の原料ガスが収容されてい
る。これらのガスボンベ1,2,3,4内のガスは、流量調整
用のバルブ6及び配管7を介して混合器8に供給される
ようになっている。各ボンベには、圧力計5が設置され
ており、この圧力計5を監視しつつ、バルブ6を調整す
ることにより、混合器8に供給する各原料ガスの流量及
び混合比を調節することができる。混合器8にて混合さ
れたガスは反応容器9に供給される。反応容器9の底部
11には、回転軸10が鉛直方向の回りに回転可能に取りつ
けられており、この回転軸10の上端に、円板状の支持台
12がその面を回転軸10に垂直にして固定されている。反
応容器9内には、円筒状の電極13がその軸中心を回転軸
10の軸中心と一致させて底部11上に設置されている。感
光体のドラム基体14が支持台12上にその軸中心を回転軸
10の軸中心と一致させて載置されており、このドラム基
体14の内側には、ドラム基体加熱用のヒータ15が配設さ
れている。電極13とドラム基体14との間には、高周波電
源16が接続されており、電極13及びドラム基体14間に高
周波電流が供給されるようになっている。回転軸10はモ
ータ18により回転駆動される。反応容器9内の圧力は、
圧力計17により監視され、反応容器9は、ゲートバルブ
18を介して真空ポンプ等の適宜の排気手段に連結されて
いる。
このように構成される装置により感光体を製造する場合
には、反応容器9内にドラム基体14を設置した後、ゲー
トバルブ19を開にして反応容器9内を約0.1トル(Tor
r)の圧力以下に排気する。次いで、ボンベ1,2,3,4から
所要の反応ガスを所定の混合比で混合して反応容器9内
に導入する。この場合に、反応容器9内に導入するガス
流量は、反応容器9内の圧力が0.1乃至1トルになるよ
うに設定する。次いで、モータ18を作動させてドラム基
体14を回転させ、ヒータ15によりドラム基体14を一定温
度に加熱すると共に、高周波電源16により電極13とドラ
ム基体14との間に高周波電流を供給して、両者間にグロ
ー放電を形成する。これにより、ドラム基体14上にマイ
クロクリスタリンシリコン(μC−Si)が堆積する。な
お、原料ガス中にN2O,NH3,NH3,NO2,N2,CH4,C
2H4,O2ガス等を使用することにより、これらの元素を
μC−Si中に含有させることができる。
このように、この発明に係る光導電性部材は従来のa−
Siを使用したものと同様に、クローズドシステムの製造
装置で製造することができるため、人体に対して安全で
ある。また、この光導電性部材は、耐熱性、耐湿性及び
耐摩耗性が優れているため、長期に亘り繰り返し使用し
ても劣化が少なく、寿命が長いという利点がある。さら
に、GeH4等の長波長増感用ガスが不要であるので、廃ガ
ス処理設備を設ける必要がなく、工業的生産性が著しく
高い。
μC−Siには、水素を0.1乃至30原子%含有させること
が好ましい。これにより、暗抵抗と明抵抗とが調和のと
れたものになり、光導電特性が向上する。μC−Si層へ
の水素のドーピングは、例えば、グロー放電分解法によ
る場合は、SiH4及びSi2H6等のシラン系の原料ガスと、
水素等のキャリアガスとを反応容器内に導入してグロー
放電放電させるか、SiF4及びSiCl4等のハロゲン化ケイ
素と、水素ガスとの混合ガスを使用してもよいし、ま
た、シラン系ガスと、ハロゲン化ケイ素との混合ガスで
反応させてもよい。更に、グロー放電分解法によらず、
スパッタリング等の物理的な方法によってもμC−Si層
を形成することができる。なお、μC−Siを含む光導電
層は、光導電特性上、1乃至80μmの膜厚を有すること
が好ましく、更に膜厚を5乃至50μmにすることが望ま
しい。
光導電層は、実質的に全ての領域をμC−Siで形成して
もよいし、a−SiとμC−Siとの混合体又は積層体で形
成してもよい。帯電能は、積層体の方が高く、光感度
は、その体積比にもよるが、赤外領域の長波長領域では
混合体の方が高く、可視光領域では両者はほとんど同一
である。このため、感光体の用途により、実質的に全て
の領域をμC−Siにするか、又は混合体若しくは積層体
で構成すればよい。
μC−Siに、窒素N、炭素C及び酸素Oから選択された
少なくとも1種の元素をドーピングすることが好まし
い。これにより、μC−Siの暗抵抗を高くして光導電特
性を高めることができる。これらの元素はμC−Siの粒
界に析出し、またシリコンダングリングボンドのターミ
ネータとして作用して、バンド間の禁制帯中に存在する
状態密度を減少させ、これにより、暗抵抗が高くなると
考えられる。
この発明においては、導電性支持体と光導電層との間
に、障壁層を配設する。この障壁層は、導電性支持体
と、光導電層との間のキャリアの流れを抑制することに
より、光導電性部材の表面におけるキャリアの保持機能
を高め、光導電性部材の帯電能を高める。カールソン方
式においては、感光体表面に正帯電させる場合には、支
持体側から光導電層へ電子が注入されることを防止する
ために、障壁層をp型にする。一方、感光体表面に負帯
電させる場合には、支持体側から光導電層へ正孔が注入
されることを防止するために、障壁層をn型にする。ま
た、障壁層として、絶縁性の膜を支持体の上に形成する
ことも可能である。障壁層はμC−Siを使用して形成し
てもよいし、a−Siを使用して障壁層を構成することも
可能である。
μC−Si及びa−Siをp型にするためには、周期律表の
第III族に属する元素、例えば、ホウ素B、アルミニウ
ムAl、ガリウムGa、インジウムIn、及びタリウムTl等を
ドーピングすることが好ましく、μC−Si層をn型にす
るためには、周期律表の第V族に属する元素、例えば、
窒素N、リンP、ヒ素As、アンチモンSb、及びビスマス
Bi等をドーピングすることが好ましい。このp型不純物
又はn型不純物のドーピングにより、支持体側から光導
電層へ電荷が移動することが防止される。
光導電層の上に表面層を設けることが好ましい。光導電
層のμC−Siは、その屈折率が3乃至4と比較的大きい
ため、表面での光反射が起きやすい。このような光反射
が生じると、光導電層に吸収される光量の割合いが低下
し、光損失が大きくなる。このため、表面層を設けて反
射を防止することが好ましい。また、表面層を設けるこ
とにより、光導電層が損傷から保護される。さらに、表
面層を形成することにより、帯電能が向上し、表面に電
荷がよくのるようになる。表面層を形成する材料として
は、Si3N4、SiO2、SiC、Al2O3、a−SiN;H、a−SiO;
H、及びa−SiC;H等の無機化合物及びポリ塩化ビニル及
びポリアミド等の有機材料がある。
電子写真感光体に適用される光導電性部材としては、上
述のごとく、支持体上に障壁層を形成し、この障壁層上
に光導電層を形成し、この光導電層の上に表面層を形成
したものに限らず、支持体の上に電荷輸送層(CTL)を
形成し、電荷輸送層の上に電荷発生層(CGL)を形成し
た機能分離型の形態に構成することもできる。この場合
に、電荷輸送層と、支持体との間に、障壁層を設けても
よい。電荷発生層は、光の照射によりキャリアを発生す
る。この電荷発生層は、層の一部又は全部がマイクロク
リスタリンシリコンμC−Siでできており、その厚さは
0.1乃至10μmにすることが好ましい。電荷輸送層は電
荷発生層で発生したキャリアを高効率で支持体側に到達
させる層であり、このため、キャリアの寿命が長く、移
動度が大きく輸送性が高いことが必要である。電荷輸送
層はa−Siで形成してもよく、またμC−Siで形成して
もよい。暗抵抗を高めて帯電能を向上させるために、周
期律表の第III族又は第V族のいずれか一方に属する元
素をライトドーピングすることが好ましい。また、帯電
能を一層向上させ、電荷輸送層と電荷発生層との両機能
を持たせるために、C,N,Oの元素のうち、いずれか1種
以上を含有させてもよい。電荷輸送層は、その膜厚が薄
過ぎる場合及び厚過ぎる場合はその機能を充分に発揮し
ない。このため、電荷輸送層の厚さは3乃至80μmであ
ることが好ましい。障壁層を設けることにより、電荷輸
送層と電荷発生層とを有する機能分離型の光導電性部材
においても、その電荷保持機能を高め、帯電能を向上さ
せることができる。なお、障壁層をp型にするか、又は
n型にするかは、その帯電特性に応じて決定される。こ
の障壁層は、a−Siで形成してもよく、またμC−Siで
形成してもよい。
この出願に係る発明の特徴は、光導電層の少なくとも一
部がμC−Siで形成されており、その平均粒径が層厚方
向について変化していることにある。第2図及び第3図
は、この発明を具体化した光導電性部材の断面図であ
り、第2図においては、導電性支持体21上に障壁層22が
形成され、障壁層22上に光導電層23が形成されている。
一方、第3図においては、導電性支持体21の上に障壁層
22が形成され、障壁層22の上に、光導電層23及び表面層
24がこの順に積層されている。光導電層23は、少なくと
もその一部がμC−Siからなる。
障壁層は、μC−Si又はa−Siで形成することができ
る。この障壁層22には、周期律表第III族又は第V族に
属する元素がドーピングされており、これにより障壁層
22がp型又はn型の半導体になっている。その含有量
は、10-3乃至10原子%であることが好ましい。また、障
壁層22に、C,O,Nのうち少なくとも1種以上の元素を、
0.1乃至20原子%の範囲で含有させると、電荷ブロッキ
ング能が一層向上するので、電子写真特性上、好まし
い。
光導電層は主としてμC−Siで形成されているが、μC
−Si自体は、若干、n型である。このため、このμC−
Si層に周期律表の第III族に属する元素をライトドープ
(10-7乃至10-3原子%)することが好ましい。これによ
り、光導電層23は、i型(真性)半導体になり、暗抵抗
が高くなり、SN比と帯電能が向上する。また、光導電層
23には、C,O,Nから選択された少なくとも一種の元素
を、0.1乃至10原子%の範囲で含有させることが好まし
い。これにより、帯電能を向上させることができる。更
に、光導電層は、3乃至80μmの膜厚を有することが好
ましく、更に好ましくは、10乃至40μmである。μC−
Si中に水素を含有させることが、光導電特性を向上させ
る上で好ましい。この場合に、水素はマイクロクリスタ
リンシリコンの粒子間の境界に存在するアモルファスシ
リコン中に、又はμC−Siの粒子の周囲を取りまいて存
在しており、Si原子と結合していると考えられる。この
水素量は、通常、0.1乃至30原子%、好ましくは、1乃
至10原子%である。
また、光導電層23の上に形成された表面層24は、C,O,N
のうち、少なくとも1種以上の元素を含有するa−Siで
形成されている。これにより、光導電層の表面が保護さ
れ、耐環境性が向上すると共に、帯電能が向上する。こ
のC,O,Nの含有量は、10乃至50原子%であることが好ま
しい。更に、表面層24及び障壁層22の膜厚は、0.01乃至
10μmであることが好ましく、更に好ましくは、0.1乃
至2μmである。
この発明においては、光導電層23を形成しているμC−
Siの平均粒径が層厚方向で変化していることを特徴とす
る。μC−Siは暗抵抗がa−Siに比して若干低く、光吸
収係数が可視光で小さく赤外光で大きいという性質を有
する。一方、μC−Siは結晶粒径が大きい程、結晶とし
ての性質、即ちμC−Siに特有の性質が強くなり、結晶
粒径が小さい程、アモルファスとしての性質、即ちa−
Siに特有の性質が強くなる。このため、μC−Siの結晶
化度を層厚方向について変化させることにより、光導電
層23の抵抗を高めて帯電能を向上させると共に、可視光
から近赤外領域(例えば、半導体レーザの発振波長であ
る790nm付近)までの高範囲に亘って、高感度化するこ
とができる。これにより、PPC(普通紙複写機)及びレ
ーザプリンタの双方にこの光導電性部材を使用すること
が可能になる。
μC−Siの平均粒径は10から400オングストロームの範
囲内で変化することが好ましく、更に一層暗抵抗を高く
して光感度を高めるためには、平均粒径を20乃至100オ
ングストロームの範囲で変化させることが好ましい。平
均粒径は層厚方向について、支持体21側から表面層24に
向けて低下させてもよいし、逆に、高くしてもよい。し
かし、支持体21側で平均粒径が大きく、表面にいくに従
って平均粒径が小さくなるパターンの場合は、長波長感
度が高くなるので、特に、半導体レーザプリンタに使用
する際に有効である。
なお、このように平均粒径を変化させて成膜するために
は、SiH4等のシラン系ガスと水素ガスとの混合ガスを使
用して高周波グロー放電分解し、徐々に水素ガスの流量
を減少させていくか、又は高周波電力を減少させていけ
ばよい。
次に、この発明の実施例について説明する。
実施例1 導電性基板としてのAl製ドラムを洗浄し乾燥させた後、
反応容器内を拡散ポンプで排気しつつ、350℃に加熱し
た。約1時間後、反応容器内の真空度が3×10-5トルに
達し、ドラム温度が安定した。次いで、300SCCMの流量
のSiH4ガス、このSiH4ガス流量に対する流量比が5×10
-4のB2H6ガス、60SCCMのCH4ガス、及び200SCCMのアルゴ
ンガスを混合して反応容器に供給した。13.56MHzで200
ワットの高周波電力を印加してグロー放電させ、障壁層
21を形成した。このときの反応容器内圧力は約0.8トル
であり、得られた層厚は1.5μmであった。次に、全て
のガスを停止させてガスパージを15分間実施した。その
後、SiH4の流量を600SCCM、水素ガスの流量を500SCCM、
B2H6のSiH4に対する流量比を8×10-8になるように設定
し、反応圧力が1.5トル、高周波電力が450ワットで15分
間成膜した。次いで、高周波電力を0にして水素ガスの
流量を400SCCMに下げ、他のガスと共に5分間流した。
ガスの流量が安定してから、高周波電力を450ワットに
して、反応圧力が1.4トルの状態で15分間成膜した。そ
の後、高周波電力を0にし、水素ガスの流量を400SCCM
に低下させて5分間保持した。流量が安定して反応圧力
が1.4トルになったところで、高周波電力を450ワット印
加して15分間成膜した。次いで、高周波電力を0にして
水素ガスを300SCCMに低下させ、5分間保持した。流量
が安定した後、450ワットの高周波電力を印加して15分
間成膜した。このときの反応圧力は1.35トルであった。
その後、高周波電力を0にして水素ガスの流量を200SCC
Mに下げ、5分間保持した。次いで、高周波電力を印加
し、反応圧力が1.2トルで30分間成膜した。このように
して得られた光導電層においては、X線回折により、2
8.3°の回折角に現れる(111)面のピークの半値幅から
平均粒径を計算すると、平均粒径が、支持体側から表面
に向けて、75,60,35,28オングストロームで変化してい
ることが判明した。光導電層の層厚は25μmであった。
次いで、全てのガスを停止し、15分間パージした後、10
0SCCMのSiH4ガスと、400SCCMのN2ガスを流し、反応圧力
0.7トル及び高周波電力200ワットという条件で表面層を
成膜した。このようにして成膜した感光体に対し、790n
mの発光波長の半導体レーザを搭載したレーザプリンタ
で画像を形成したところ、解像度が高く、濃度及びかぶ
り共に欠点がない鮮明な画像を形成することができた。
また、電子写真特性も半減露光量が8erg/cm2と極めて良
好であった。
実施例2 導電性基板としてのAl製ドラムを洗浄し乾燥させた後、
反応容器内を拡散ポンプで排気しつつ、300℃に加熱し
た。約1時間後、反応容器内の真空度が3×10-5トルに
達し、ドラム温度が安定した。次いで、300SCCMの流量
のSiH4ガス、このSiH4ガス流量に対する流量比が5×10
-4のB2H6ガス、60SCCMのN2ガス、及び200SCCMのアルゴ
ンガスを混合して反応容器に供給した。13.56MHzで200
ワットの高周波電力を印加してグロー放電させ、障壁層
21を形成した。このときの反応容器内圧力は約0.8トル
であり、得られた層厚は1.2μmであった。次に、全て
のガスを停止させてガスパージを15分間実施した。その
後、SiH4の流量を600SCCM、水素ガスの流量を500SCCM、
B2H6のSiH4に対する流量比を8×10-8になるように設定
し、反応圧力が1.5トル、高周波電力が400ワットで50分
間成膜した。次いで、高周波電力を0にして水素ガスの
流量を300SCCMに下げ、他のガスと共に5分間流した。
ガスの流量が安定してから、高周波電力を400ワットに
して、反応圧力が1.35トルの状態で30分間成膜した。そ
の後、高周波電力を0にし、水素ガスを停止し、替り
に、アルゴンガスを500SCCMで流し、流量が安定してか
ら反応圧力が1.5トルになったところで、高周波電力を4
00ワット印加して20分間成膜した。このようにして得ら
れた光導電層をX線回折したところ、支持体21側から順
に、平均粒径が、60,32オングストロームであり、表面
側は測定不能であった。光導電層の層厚は32μmであっ
た。このようにして成膜した感光体に対し、790nmの発
光波長の半導体レーザを搭載したレーザプリンタで画像
を形成したところ、解像度が高く、濃度及びかぶり共に
欠点がない鮮明な画像を形成することができた。また、
電子写真特性も790nmでの半減露光量が9.5erg/cm2と極
めて良好であった。
[発明の効果] この発明によれば、光導電層として、層厚方向に向かっ
て平均粒径の異なるμC−Siを用いているので、キャリ
アの移動度を低下させることなく長波長光にまで高光感
度を有する光導電性部材を得ることが出来る。しかも、
高い帯電性を有し、かつ残留電位の低い、優れた帯電特
性を有する光導電性部材が提供される。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る光導電性部材の製造装置を示す
図、第2図及び第3図はこの発明の実施例に係る光導電
性部材を示す断面図である。 1,2,3,4;ボンベ、5;圧力計、6;バルブ、7;配管、8;混合
器、9;反応容器、10;回転軸、13;電極、14;ドラム基
体、15;ヒータ、16;高周波電源、19;ゲートバルブ、21;
支持体、22;障壁層、23;光導電層、24;表面層。
フロントページの続き (72)発明者 三谷 渉 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 (72)発明者 山本 万里子 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 (72)発明者 池末 龍哉 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 東芝自動 機器エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−121050(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体と、この導電性支持体の上に
    形成された障壁層と、この障壁層の上に形成された光導
    電層と、を有する光導電性部材において、前記光導電層
    は、その少なくとも一部が水素を含有するマイクロクリ
    スタリンシリコンで形成されており、このマイクロクリ
    スタリンシリコンの平均粒径が層厚方向で変化している
    ことを特徴とする光導電性部材。
  2. 【請求項2】前記光導電層は、ハロゲン元素を含有する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の光導電
    性部材。
  3. 【請求項3】前記光導電層は、周期律表の第III族又は
    第V族に属する元素を含有することを特徴とする特許請
    求の範囲第1項又は第2項に記載の光導電性部材。
  4. 【請求項4】前記光導電層は、炭素、酸素及び窒素から
    選択された少なくとも一種の元素を含有することを特徴
    とする特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか1項
    に記載の光導電性部材。
  5. 【請求項5】前記光導電層は、マイクロクリスタリンシ
    リコンの領域とアモルファスシリコンの領域とが混在し
    ていることを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第4
    項のいずれか1項に記載の光導電性部材。
  6. 【請求項6】前記光導電層は、マイクロクリスタリンシ
    リコンの層とアモルファスシリコンの層とが積層されて
    いることを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第4項
    のいずれか1項に記載の光導電性部材。
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