JPH07109517B2 - 光導電性部材 - Google Patents

光導電性部材

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JPH07109517B2
JPH07109517B2 JP60138221A JP13822185A JPH07109517B2 JP H07109517 B2 JPH07109517 B2 JP H07109517B2 JP 60138221 A JP60138221 A JP 60138221A JP 13822185 A JP13822185 A JP 13822185A JP H07109517 B2 JPH07109517 B2 JP H07109517B2
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hydrogen
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    • G03G5/08Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic
    • G03G5/082Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic and not being incorporated in a bonding material, e.g. vacuum deposited
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] この発明は、電子写真感光体等に使用され、帯電特性、
光感度特性及び耐環境性等が優れた光導電性部材に関す
る。
[発明の技術的背景とその問題点] 従来、電子写真感光体の光導電層を形成する材料とし
て、CdS、ZnO、Se、Se-Te若しくはアモルファスシリコ
ン等の無機材料又はポリ−N−ビニルカルバゾール(PV
Cz)若しくはトリニトロフルオレン(TNF)等の有機材
料が使用されている。しかしながら、これらの従来の光
導電性材料においては、光導電特性上、又は製造上、種
々の問題点があり、感光体システムの特性をある程度犠
牲にして使用目的に応じてこれらの材料を使い分けてい
る。
例えば、Se及びCdSは、人体に対して有害な材料であ
り、その製造に際しては、安全対策上、特別の配慮が必
要である。従って、製造装置が複雑となるため製造コス
トが高いと共に、特に、Seは回収する必要があるため回
収コストが付加されるという問題点がある。また、Se又
はSe-Te系においては、結晶化温度が65℃と低いため、
複写を繰り返している間に、残電等により光導電特性上
の問題が生じ、このため、寿命が短いので実用性が低
い。
更に、ZnOは、酸化還元が生じやすく、環境雰囲気の影
響を著しく受けるため、使用上、信頼性が低いという問
題点がある。
更にまた、PVCz及びTNF等の有機光導電性材料は、発癌
性物質である疑いが持たれており、人体の健康上問題が
あるのに加え、有機材料は熱安定性及び耐摩耗性が低
く、寿命が短いという欠点がある。
一方、アモルファスシリコン(以下、a−Siと略す)
は、近時、光導電変換材料として注目されており、太陽
電池、薄膜トランジスタ及びイメージセンサへの応用が
活発になされている。このa−Siの応用の一環として、
a−Siを電子写真感光体の光導電性材料として使用する
試みがなされており、a−Siを使用した感光体は、無公
害の材料であるから回収処理の必要がないこと、他の材
料に比して可視光領域で高い分光感度を有すること、表
面硬度が高く耐摩耗性及び耐衝撃性が優れていること等
の利点を有する。
このa−Siは、カールソン方式に基づく感光体として検
討が進められているが、この場合に、感光体特性として
抵抗及び光感度が高いことが要求される、しかしなが
ら、この両特性を単一層の感光体で満足させることが困
難であるため、光導電層と導電性支持体との間に障壁層
を設け、光導電層上に表面電荷保持層を設けた積層型の
構造にすることにより、このような要求を満足させてい
る。
ところでa−Siは、通常、シラン系ガスを使用したグロ
ー放電分解法により形成されるが、この際に、a−Si膜
中に水素が取り込まれ、水素量の差により電気的及び光
学的特性が大きく変動する。即ち、a−Si膜に侵入する
水素の量が多くなると、光学的バンドギャップが大きく
なり、a−Siの抵抗が高くなるが、それにともない、長
波長光に対する光感度が低下してしまうので、例えば、
半導体レーザを搭載したレーザビームプリンタに使用す
ることが困難である。また、a−Si膜中の水素の含有量
が多い場合は、成膜条件によって、(SiH2n及びSiH2
等の結合構造を有するものが膜中で大部分の領域を占め
る場合がある。そうすると、ボイドが増加し、シリコン
ダングリングボンドが増加するため、光導電特性が劣化
し、電子写真感光体として使用不能になる。逆に、a−
Si中に侵入する水素の量が低下すると、光学的バンドギ
ャップが小さくなり、その抵抗が小さくなるが、長波長
光に対する光感度が増加する。しかし、水素含有量が少
ないと、シリコンダングリングボンドと結合してこれを
減少させるべき水素が少なくなる。このため、発生する
キャリアの移動度が低下し、寿命が短くなると共に、光
導電特性が劣化してしまい、電子写真感光体として使用
し難いものとなる。
なお、長波長光に対する感度を高める技術として、シラ
ン系ガスとゲルマンGeH4とを混合し、グロー放電分解す
ることにより、光学的バンドギャップが狭い膜を生成す
るものがあるが、一般に、シラン系ガスとGeH4とでは、
最適基板温度が異なるため、生成した膜は構造欠陥が多
く、良好な光導電特性を得ることができない。また、Ge
H4の廃ガスは酸化されると有毒ガスとなるので、廃ガス
処理も複雑である。従って、このような技術は実用性が
ない。
[発明の目的] この発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであっ
て、帯電能が高く、光導電特性が優れた光導電性部材を
提供することを目的とする。
[発明の概要] この発明に係る光導電性部材は、導電性支持体と、前記
導電性支持体上に設けられ、水素を含有するとともに、
周期律表第III族又は第V族の元素を10-3〜10原子%、
炭素、窒素、酸素の少なくとも一種以上を0.1〜20原子
%の濃度で含有するマイクロクリスタルシリコンよりな
り、0.01〜10μmの厚みを有する障壁層と、前記障壁層
の上に設けられ、水素を0.1〜30原子%、周期律表第III
族又は第V族の元素を10-7〜10-3原子%含有するマイク
ロクリスタルシリコンよりなり、0.1μm以上の厚みを
有する第1の光導電性層と、前記第1の光導電性層の上
に設けられ、水素を含有するとともに、炭素を0.1〜20
原子%含有するアモルファスシリコンよりなり、2μm
以上の厚みを有する第2の光導電性層と、前記第2の光
導電性層の上に設けられ、炭素、窒素、酸素の少なくと
も一種以上を10〜50原子%含有するアモルファスシリコ
ンよりなり、0.1〜2μmの厚みを有する表面層とを有
する。
[発明の実施例] 以下、この発明について具体的に説明する。この発明の
特徴は、従来のa−Siの替りにμC−Siを使用したこと
にある。
μC−Siは、以下のような物性上の特徴により、a−Si
及びポリクリスタリンシリコン(多結晶シリコン)から
明確に区別される。即ち、X線回折測定においては、a
−Siは、無定形であるため、ハローのみが現れ、回折パ
ターンを認めることができないが、μC−Siは、2θが
27乃至28.5°付近にある結晶回折パターンを示す。ま
た、ポリクリスタリンシリコンは暗抵抗が106Ω・cmで
あるのに対し、μC−Siは1011Ω・cm以上の暗抵抗を有
する。このμC−Siは粒径が約数十オングストローム以
上である微結晶が集合して形成されている。
このようなμC−Siを有する光導電層は、a−Siと同様
に、高周波グロー放電分解法により、シランガスを原料
として、導電性支持体上にμC−Siを堆積させることに
より製造することができる。この場合に、支持体の温度
をa−Siを形成する場合よりも高く設定し、高周波電力
もa−Siの場合よりも高く設定すると、μC−Siを形成
しやすくなる。また、支持体温度及び高周波電力を高く
することにより、シランガスなどの原料ガスの流量を増
大させることができ、その結果、成膜速度を早くするこ
とができる。また、原料ガスのSiH4及びSi26等の高次
のシランガスを水素で希釈したガスを使用することによ
り、μC−Siを一層高効率で形成することができる。
第1図は、この発明に係る光導電性部材を製造する装置
を示す図である。ガスボンベ1,2,3,4には、例えば、夫
々SiH4,B26,H2,CH4等の原料ガスが収容されている。
これらのガスボンベ1,2,3,4内のガスは、流量調整用の
バルブ6及び配管7を介して混合器8に供給されるよう
になっている。各ボンベには、圧力計5が設置されてお
り、この圧力計5を監視しつつ、バルブ6を調整するこ
とにより、混合器8に供給する各原料ガスの流量及び混
合比を調節することができる。混合器8にて混合された
ガスは反応容器9に供給される。反応容器9の底部11に
は、回転軸10が鉛直方向の回りに回転可能に取りつけら
れており、この回転軸10の上端に、円板状の支持台12が
その面を回転軸10に垂直にして固定されている。反応容
器9内には、円筒状の電極13がその軸中心を回転軸10の
軸中心と一致させて底部11上に設置されている。感光体
のドラム基体14が支持台12上にその軸中心を回転軸10の
軸中心と一致させて載置されており、このドラム基体14
の内側には、ドラム基体加熱用のヒータ15が配設されて
いる。電極13とドラム基体14との間には、高周波電源16
が接続されており、電極13及びドラム基体14間に高周波
電流が供給されるようになっている。回転軸10はモータ
18により回転駆動される。反応容器9内の圧力は、圧力
計17により監視され、反応容器9は、ゲートバルブ18を
介して真空ポンプ等の適宜の排気手段に連結されてい
る。
このように構成される装置により感光体を製造する場合
には、反応容器9内にドラム基体14を設置した後、ゲー
トバルブ19を開にして反応容器9内を約0.1トル(Tor
r)の圧力以下に排気する。次いで、ボンベ1,2,3,4から
所要の反応ガスを所定の混合比で混合して反応容器9内
に導入する。この場合に、反応容器9内に導入するガス
流量は、反応容器9内の圧力が0.1乃至1トルになるよ
うに設定する。次いで、モータ18を作動させてドラム基
体14を回転させ、ヒータ15によりドラム基体14を一定温
度に加熱すると共に、高周波電源16により電極13とドラ
ム基体14との間に高周波電流を供給して、両者間にグロ
ー放電を形成する。これにより、ドラム基体14上にマイ
クロクリスタリンシリコン(μC−Si)が堆積する。な
お、原料ガス中にN2O,NH3,NH3,NO2,N2,CH4,C24,O2
ス等を使用することにより、これらの元素をμC−Si中
に含有させることができる。
このように、この発明に係る光導電性部材は従来のa−
Siを使用したものと同様に、クローズドシステムの製造
装置で製造することができるため、人体に対して安全で
ある。また、この光導電性部材は、耐熱性、耐湿性及び
耐摩耗性が優れているため、長期に亘り繰り返し使用し
ても劣化が少なく、寿命が長いという利点がある。さら
に、GeH4等の長波長増感用ガスが不要であるので、廃ガ
ス処理設備を設ける必要がなく、工業的生産性が著しく
高い。
μC−Siには、水素を0.1乃至30原子%含有させること
が好ましい。これにより、暗抵抗と明抵抗とが調和のと
れたものになり、光導電特性が向上する。μC−Si層へ
の水素のドーピングは、例えば、グロー放電分解法によ
る場合は、SiH4及びSi26等のシラン系の原料ガスと、
水素等のキャリアガスとを反応容器内に導入してグロー
放電させるか、SiF4及びSiCl4等のハロゲン化ケイ素
と、水素ガスとの混合ガスを使用してもよいし、また、
シラン系ガスと、ハロゲン化ケイ素との混合ガスで反応
させてもよい。更に、グロー放電分解法によらず、スパ
ッタリング等の物理的な方法によってもμC−Si層を形
成することができる。
μC−Siに、窒素N、炭素C及び酸素Oから選択された
少なくとも1種の元素をドーピングすることが好まし
い。これにより、μC−Siの暗抵抗を高くして光導電特
性を高めることができる。これらの元素はμC−Siの粒
界に析出し、またシリコンダングリングボンドのターミ
ネータとして作用して、バンド間の禁制帯中に存在する
状態密度を減少させ、これにより、暗抵抗が高くなると
考えられる。
この発明においては、導電性支持体と光導電層との間
に、μC−Siよりなる障壁層を配設する。この障壁層
は、導電性支持体と、光導電層との間の電荷の流れを抑
制することにより、光導電性部材の表面における電荷の
保持機能を高め、光導電性部材の帯電能を高める。カー
ルソン方式においては、感光体表面に正帯電させる場合
には、支持体側から光導電層へ電子が注入されることを
防止するために、障壁層をp型にする。一方、感光体表
面に負帯電させる場合には、支持体側から光導電層へ正
孔が注入されることを防止するために、障壁層をn型に
する。
μC−Siをp型にするためには、周期律表の第III族に
属する元素、例えば、ホウ素B、アルミニウムAl、ガリ
ウムGa、インジウムIn、及びタリウムTl等をドーピング
することが好ましく、μC−Si層をn型にするために
は、周期律表の第V族に属する元素、例えば、窒素N、
リンP、ヒ素As、アンチモンSb、及びビスマスBi等をド
ーピングすることが好ましい。このp型不純物又はn型
不純物のドーピングにより、支持体側から光導電層へ電
荷が移動することが防止される。
光導電層の上に表面層を設けることが好ましい。光導電
層のμC−Siは、その屈折率が3乃至4と比較的大きい
ため、表面での光反射が起きやすい。このような光反射
が生じると、光導電層に吸収される光量の割合いが低下
し、光損失が大きくなる。このため、表面層を設けて反
射を防止することが好ましい。また表面層を設けること
により、光導電層が損傷から保護される。さらに、表面
層を形成することにより、帯電能が向上し、表面に電荷
がよくのるようになる。表面層を形成する材料として
は、a−SiN;H、a−SiO;H、及びa−SiC;H等の無機化
合物がある。
この出願に係る発明の特徴は、光導電層が、その少なく
とも一部が水素を含有するμC−Siからなる第一層と、
水素及び炭素を含有するa−Siからなる第二層とを有す
ることにある。第2図、第3図及び第4図は、この発明
を具体化した光導電性部材の断面図であり、第2図にお
いては、導電性支持体21上に、光導電層が形成されてお
り、この光導電層は、その少なくとも一部が水素を含有
するμC−Siからなる第一層23と、この第一層の上に形
成された水素及び炭素を含有するa−Siからなる第二層
24とを有する。一方、第3図においては、第一層23及び
第二層24を有する光導電層と、支持体21との間に、障壁
層22が形成されている。第4図においては、光導電層の
上に、表面層25が形成されている。
光導電層の第一層23は、主としてμC−Siで形成されて
いるが、μC−Si自体は、若干、n型である。このた
め、主としてこのμC−Siからなる第一層に周期律表の
第III族に属する元素をライトドープ(10-7乃至10-3
子%)することが好ましい。これにより、第一層23は、
i型(真性)半導体になり、暗抵抗が高くなり、SN比と
帯電能が向上する。また、第一層23には、C,O,Nのうち
の少なくとも一種の元素を含有することが好ましい。こ
れにより、光導電性部材の電荷保持機能を一層高めるこ
とができる。
障壁層22は、暗時に支持体21から光導電層への電子又は
正孔の注入を阻止し、光照射時には、光導電層で発生す
る電荷を高効率で支持体21側に通過させる機能を有す
る。この障壁層22は電荷の移動度が高く走行性が良好で
あるのでμC−Siで形成する。障壁層22には、周期律表
第III族又は第V族に属する元素がドーピングされてお
り、これにより、障壁層22がp型又はn型の半導体にな
っている。その含有量は、10-3乃至10原子%であること
が好ましい。また、障壁層22に、C,O,Nのうち少なくと
も1種以上の元素を、0.1乃至20原子%の範囲で含有さ
せると、電荷ブロッキング能が一層向上するので、電子
写真特性上、好ましい。さらに、障壁層22の膜厚は、0.
01乃至10μmであることが好ましく、更に好ましくは0.
1乃至2μmである。
第3図に示すように、第二層24の上に表面層25を形成し
た光導電性部材においては、この表面層25が、C,O,Nの
うち、少なくとも1種以上の元素を含有するa−Siで形
成されている。これにより、光導電層の表面が保護さ
れ、耐環境性が向上すると共に、帯電能が向上する。こ
のC,O,Nの含有量は、10乃至50原子%であることが好ま
しい。
この発明においては、第一層23が主として水素を含有す
るμC−Siからなり、第二層が水素及び炭素を含有する
a−Siからなることを特徴とする。可視光に対する光感
度は、Cを含有するa−Siからなる第二層24が高く、近
赤外光に対する光感度は主としてμC−Siからなる第一
層23が高い。このような第一層及び第二層を積層するこ
とによって、光導電層(第一層23及び第二層24)が高抵
抗になり、帯電能が向上すると共に、可視光から近赤外
光(例えば、半導体レーザの発振波長である790nm付
近)に亘る高範囲の領域で光感度が極めて高くなる。こ
れにより、PPC(普通紙複写機)及びレーザプリンタの
双方にこの光導電性部材を使用することが可能になる。
第二層24内のC及び第一層23内のC,O,Nの濃度は0.1乃至
20原子%であることが好ましい。第一層23と、第二層24
との層厚比は、適宜選択すればよいが、第一層23は0.1
μm以上、第二層24は2μm以上であることが好まし
い。この第一層及び第二層が積層して得られる光導電層
は3乃至80μm、好ましくは10乃至50μmの層厚を有す
る。
次に、この発明の実施例について説明する。
実施例 導電性基板としてのAl製ドラムを洗浄し乾燥させた後、
反応容器内を拡散ポンプで排気しつつ、350℃に加熱し
た。約1時間後、反応容器内の真空度が3×10-5トルに
達し、ドラム温度が安定した。次いで、300SCCMの流量
のSiH4ガス、このSiH4ガス流量に対する流量比が5×10
-4のB26ガス、60SCCMのCH4ガス、及び200SCCMのアル
ゴンガスを混合して反応容器に供給した。13.56MHzで20
0ワットの高周波電力を印加して2分間グロー放電させ
た。次いで、CH4ガスの流量を30SCCMに低下させて30秒
間成膜し、その後、CH4ガスの流量を10SCCMにして30秒
間成膜し、障壁層21を形成した。このときの反応容器内
圧力は約0.8トルであり、得られた層厚は1.2μmであっ
た。この障壁層はマイクロクリスタルシリコンよりな
り、かつこの障壁層中には7.6原子%の炭素、0.03原子
%のホウ素が含有されていた。次に、全てのガスを停止
させてガスパージを15分間実施した。その後、SiH4の流
量を600SCCM、水素ガスの流量を500SCCM、B26のSiH4
に対する流量比を8×10-8になるように設定し、反応圧
力が1.5トル、高周波電力が350ワットで50分間成膜し、
25μm厚のμC−Siを有する第一層23を形成した。この
第一層は、ホウ素を2×10-6原子%と、水素を15原子%
含有していた。次いで、SiH4ガスを600SCCM、CH4ガスを
150SCCM流し、5分間保持した。ガスの流量が安定して
から、高周波電力を350ワットにして、反応圧力が1.2ト
ルの状態で10分間成膜し、Cを含有するa−Siからなる
第二層を5μm形成した。この第二層には、炭素が12原
子%含有されていた。次いで、すべてのガスを停止し、
容器内を15分間ガスパージした後、SiH4ガスの流量を10
0SCCM、CH4ガスの流量を400SCCMに設定して、200ワット
の高周波電力を5分間印加し、0.7トル下で1.5μmの層
厚のアモルファスシリコンからなる表面層を形成した。
この表面層中には、炭素が33原子%含まれていた。この
ようにして成膜した感光体に対し、790nmの発振波長の
半導体レーザを搭載したレーザプリンタで画像を形成し
たところ、解像度が高く、濃度及びかぶり共に欠点がな
い鮮明な画像を形成することができた。また、電子写真
特性も光感度が10erg/cm2と極めて良好であった。さら
に、25℃及び55%湿度の環境下で繰返し試験を実施した
ところ、表面電位が1000回後に30V低下し、残留電位が4
0erg/cm2の露光量で1000回後に2V低下した。このよう
に、この発明においては、電位の変動が少なく耐久性が
優れた感光体を得ることができる。
[発明の効果] 以上説明したように、本願発明では、マイクロクリスタ
ルシリコンよりなる第1の光導電性層に周期率表第III
族又は第V族の元素を10-7〜10-3原子%含有させてマイ
クロクリスタルシリコン層の暗抵抗を高めている。また
この第1の光導電性層の上には第2の光導電性層とし
て、炭素を0.1〜20原子%含有するアモルファスシリコ
ン層を設けることにより、マイクロクリスタルシリコン
層上に暗抵抗の高い層を形成し、十分な帯電能を得るよ
うに構成している。またこのような2層構造の光導電性
層にあって、第2の光導電性層は2μm以上の厚みを有
しているので、第2の光導電性層で十分な帯電能を確保
でき、第1の光導電性層を0.1μm以上設ければ、十分
な量のキャリアを発生させることができる。さらに本発
明のように、マイクロクリスタルシリコンよりなる第1
の光導電性層と、アモルファスシリコンよりなる第2の
光導電性層とを積層させた場合には、マイクロクリスタ
ルシリコンの光の反射率が大きいので、マイクロクリス
タルシリコン層の表面で光が反射されやすく、同時に第
1の光導電性層などの表面でも光が反射されていると、
これらの反射光同士が干渉を生じることになってしま
う。しかし本発明にあっては、第2の光導電性層に対し
炭素を0.1〜20原子%含有させ、特に可視光を吸収する
機能を持たせるとともに、第2の光導電性層を透過させ
るようにしてたので、第2の光導電性層表面での光の反
射量が減少し、しいてはこの光と第1の光導電性層表面
で反射された光との干渉による影響を削減することがで
きるという効果を奏する。また第2の光導電性層を透過
させるようにしても第1の光導電性層は長波長にまで渡
る広い分光感度を有しているので、アモルファスシリコ
ン層で吸収されにくい長波長の光はもちろん、アモルフ
ァスシリコン層で吸収されなかった光は第1の光導電性
層で吸収され、十分な光感度を持たせることができる。
従って本願発明によれば、このような第1、第2の光導
電性層を積層させたことにより、帯電能および光感度に
優れ、かつ入射する光の干渉が起きない光導電性部材を
提供する事ができる。さらに本願発明にあっては、炭
素、窒素、酸素の少なくとも一種以上を10〜50原子%含
有するアモルファスシリコンよりなり、0.1〜2μmの
厚みを有する表面層と、水素を含有し、周期率表第III
族又は第V族の元素を10-3〜10原子%、炭素、窒素、酸
素の少なくとも一種以上を0.1〜20原子%の濃度で含有
するマイクロクリスタルシリコンよりなり、0.01〜10μ
mの厚みを有する障壁層を設けている。このように光導
電性層の上下に、所定の表面層、障壁層を設けたことに
より、光導電部材の帯電能が一層向上するという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る光導電性部材の製造装置を示す
図、第2図,第3図及び第4図はこの発明の実施例に係
る光導電性部材を示す断面図である。 1,2,3,4;ボンベ、5;圧力計、6;バルブ、7;配管、8;混合
器、9;反応容器、10;回転軸、13;電極、14;ドラム基
体、15;ヒータ、16;高周波電源、19;ゲートバルブ、21;
支持体、22;障壁層、23;第一層、24;第二層、25;表面
層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉澤 秀二 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 (72)発明者 三谷 渉 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 (72)発明者 山本 万里子 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 (72)発明者 池末 龍哉 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 東芝自動 機器エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−196262(JP,A) 特開 昭59−121050(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体と、 前記導電性支持体上に設けられ、水素を含有するととも
    に、周期律表第III族又は第V族の元素を10-3〜10原子
    %、炭素、窒素、酸素の少なくとも一種以上を0.1〜20
    原子%の濃度で含有するマイクロクリスタルシリコンよ
    りなり、0.01〜10μmの厚みを有する障壁層と、 前記障壁層の上に設けられ、水素を0.1〜30原子%、周
    期律表第III族又は第V族の元素を10-7〜10-3原子%含
    有するマイクロクリスタルシリコンよりなり、0.1μm
    以上の厚みを有する第1の光導電性層と、 前記第1の光導電性層の上に設けられ、水素を含有する
    とともに、炭素を0.1〜20原子%含有するアモルファス
    シリコンよりなり、2μm以上の厚みを有する第2の光
    導電性層と、 前記第2の光導電性層の上に設けられ、炭素、窒素、酸
    素の少なくとも一種以上を10〜50原子%含有するアモル
    ファスシリコンよりなり、0.1〜2μmの厚みを有する
    表面層とを有することを特徴とする光導電性部材。
JP60138221A 1985-06-25 1985-06-25 光導電性部材 Expired - Lifetime JPH07109517B2 (ja)

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