JPH07136755A - 鋳造機の溶湯充填制御方法 - Google Patents

鋳造機の溶湯充填制御方法

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Publication number
JPH07136755A
JPH07136755A JP28656093A JP28656093A JPH07136755A JP H07136755 A JPH07136755 A JP H07136755A JP 28656093 A JP28656093 A JP 28656093A JP 28656093 A JP28656093 A JP 28656093A JP H07136755 A JPH07136755 A JP H07136755A
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JP
Japan
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molten metal
holding furnace
differential pressure
cavity
casting
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Application number
JP28656093A
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English (en)
Inventor
Masahiro Taguchi
正浩 田口
Kenji Sogabe
健司 曽我部
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 保持炉内の溶湯を良好にキャビティ内に供給
することにより、鋳造中のトラブルを低減させる。 【構成】 本発明に係る鋳造機の溶湯充填制御方法は、
溶湯を貯留する保持炉14の内部空間と、金型12内に
形成されたキャビティとの間に差圧を発生させ、その差
圧を利用して保持炉14内の溶湯を溶湯通路15を通し
てキャビティに供給する鋳造機の溶湯充填制御方法にお
いて、保持炉14内の湯面レベルを非接触式の距離セン
サー16を使用して検出する工程と、湯面レベルに基づ
いて、差圧目標値の時間的変化特性であるプログラムパ
ターンを設定する工程と、設定されたプログラムパター
ンに追従するように、保持炉14の内部空間とキャビテ
ィ間の差圧を制御する工程とを有している。このため、
正確な湯面レベルに基づいてプログラムパターンを設定
でき、保持炉内とキャビティ間の差圧が適正な差圧目標
値に追従して制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶湯を貯留する保持炉
の内部空間と、鋳型内に形成されたキャビティとの間に
差圧を発生させ、その差圧を利用して前記保持炉内の溶
湯を溶湯通路を通して前記キャビティに供給する鋳造機
の溶湯充填制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これに関する従来の技術が実開平1−6
0761号公報に記載されている。この公報に記載され
た吸引鋳造機は、保持炉の内部空間が大気に開放されて
おり、その保持炉と溶湯通路によって接続されている金
型のキャビティ内が真空ポンプにより減圧されるように
なっている。この構造により、前記キャビティ内が減圧
されると、保持炉の内部空間とキャビティ間に差圧が発
生し、この差圧によって保持炉内の溶湯が溶湯通路を介
してキャビティに吸引充填される。ここで、前記キャビ
ティは吸引管によって真空ポンプに連通されており、そ
の吸引管の途中には圧縮空気配管が接続されている。こ
れにより、前記真空ポンプの作動中に圧縮空気配管から
吸引管に流入される空気の流量を加減することにより、
前記キャビティ内の減圧度、即ち、前記保持炉の内部空
間とキャビティ間の差圧を制御することができる。
【0003】前記吸引鋳造機では、溶湯をキャビティに
吸引する際に、前記保持炉内とキャビティ間の差圧が予
め決められた差圧目標値の時間的変化特性(以下、プロ
グラムパターンという)に追従して変化するように差圧
制御が行われる。ここで、前記プログラムパターンは、
前記保持炉の湯面レベルからキャビティまでの高さに基
づいて実験的、経験的に最適条件が定められる。なお、
前記キャビティの高さは一定であるために、前記プログ
ラムパターンは結果的には湯面レベルに基づいて定めら
れる。このため、前記吸引鋳造機では、保持炉に溶湯が
供給された段階で、その時の湯面レベルを接触式の湯面
センサーによって計測し、その計測値に基づいてプログ
ラムパターンを設定している。そして、そのプログラム
パターンに従って保持炉内とキャビティ間の差圧制御を
行いながら初回の鋳造を行う。さらに、次回以後の鋳造
では、一回の鋳造(1ショット)において湯面が低下す
る量を経験値から予測し、その予測した湯面レベルに基
づいて最初に設定されたプログラムパターンを補償す
る。そして、補償後の前記プログラムパターンに従って
保持炉内とキャビティ間の差圧を制御しながら溶湯の供
給を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の溶湯充填制御方法によると、次回以後の鋳造で
は、予測した湯面レベルに基づいてプログラムパターン
を補償する方式である。このため、外乱等により予測し
た湯面レベルが実際の湯面レベルから大きく外れた場合
には、正確でない湯面レベルに基づいて前記プログラム
パターンが補償されることになる。したがって、補償さ
れたプログラムパターンが適正なプログラムパターンか
ら外れてしまう。ここで、前記外乱としては、例えば、
保持炉の内壁面にノロ等が付着して、前記保持炉の内容
積が変化した場合等が考えられる。この結果、保持炉内
とキャビティ間の差圧が適切でないプログラムパターン
に追従することになり、溶湯が吸引が良好に行われず、
鋳造中に金型面から溶湯が吹き出したり、型にハリツキ
等が発生する恐れがある。本発明の技術的課題は、各々
の鋳造直前に湯面レベルを計測できるようにして、この
計測値に基づいてプログラムパターンを設定できるよう
にすることにより、適正なプログラムパターンに従って
保持炉内とキャビティ間の差圧を変化させて、キャビテ
ィ内に良好に溶湯を供給しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、以下の
特徴を有する鋳造機の溶湯充填制御方法によって解決さ
れる。即ち、請求項1に記載された鋳造機の溶湯充填制
御方法は、溶湯を貯留する保持炉の内部空間と、鋳型内
に形成されたキャビティとの間に差圧を発生させ、その
差圧を利用して前記保持炉内の溶湯を溶湯通路を通して
前記キャビティに供給する鋳造機の溶湯充填制御方法に
おいて、前記保持炉内の湯面レベルを距離センサーを使
用して計測する工程と、計測された湯面レベルに基づい
て、充填毎の差圧目標値の時間的変化特性であるプログ
ラムパターンを設定する工程と、設定された前記プログ
ラムパターンに追従するように、保持炉の内部空間とキ
ャビティ間の差圧を制御する工程と、を有している。ま
た、請求項2に記載された鋳造機の溶湯充填制御方法
は、請求項1に記載された鋳造機の溶湯充填制御方法に
おいて、前記保持炉内の湯面レベルは、非接触式の距離
センサーにより計測される。
【0006】
【作用】請求項1に記載された発明によると、複数回の
鋳造が連続して行われる場合でも、各々の鋳造直前に計
測された湯面レベルに基づいて差圧目標値の時間的変化
特性であるプログラムパターンが設定される。このた
め、前回の鋳造において外乱等により湯面レベルが予想
に反して大きく変動した場合であっても、この湯面レベ
ル変動の影響を受けることなく適正なプログラムパター
ンが設定される。したがって、適正なプログラムパター
ンに追従して、保持炉内とキャビティ間の差圧が制御さ
れることになり、前記保持炉内の溶湯が良好にキャビテ
ィ内に供給される。また、請求項2に記載された発明に
よると、保持炉内の湯面レベルは非接触式の距離センサ
ーによって計測されるために、常時、湯面レベルの監視
が可能になる。このため、複数回の鋳造が連続して行わ
れる場合でも、各々の鋳造直前の湯面レベルを確実に計
測することができる。さらに、センサー本体に溶湯が接
触しないため、従来の接触式の湯面センサーと比較して
ノロや凝固金属等の影響を受けることがなく、測定精度
が向上する。
【0007】
【実施例】以下、図1〜図3に基づいて本発明の第1実
施例に係る鋳造機の溶湯充填制御方法の説明を行う。こ
こで、図1は、前記鋳造機の全体系統図を表している。
前記鋳造機10は、定盤(図示されていない)上に載置
された金型12を備えており、この金型12が型締めさ
れた状態で内部にはキャビティ(図示されていない)が
形成される。また、前記キャビティの壁面には圧力発信
器12pがセットされており、キャビティ内の圧力が検
出できるようになっている。また、金型12の下面に
は、前記キャビティに溶湯を導くための筒状のストーク
15が接続されている。さらに、前記金型12を載置す
る定盤の真下には、溶湯(アルミニウム合金)を貯留す
る上部開放型容器である保持炉14が設置されており、
その保持炉14内の溶湯に前記ストーク15の先端が浸
漬されるようになっている。
【0008】前記保持炉14は、その上部開口が炉蓋1
4bによって塞がれており、その炉蓋14bの上方で、
かつ、前記定盤の下側に、前記保持炉14内の湯面レベ
ルを連続的に計測するための非接触タイプの距離センサ
ー16が設置されている。なお、前記保持炉14は上部
開口が炉蓋14bによって塞がれた状態でも、内部空間
は大気に開放されている。前記距離センサー16は、レ
ーザー式の距離測定器であり、溶湯表面の酸化膜や、ノ
ロ、熱気、色、濃淡等の影響を受けることなく、0.1mm
単位の計測が可能となっている。また、前記距離センサ
ー16は、溶湯からの輻射熱対策として、その本体部お
よび制御ケーブルがケース16cに収納された状態で規
定位置に位置決めされており、前記ケース16cの内側
が空気により冷却されている。さらに、前記保持炉14
の炉蓋14bには、レーザーの通過位置に開口14kが
形成されており、その開口14kに耐熱ガラス14xが
嵌め込まれている。また、前記距離センサー16の制御
ケーブルは、後記する電子制御装置30に接続されてお
り、その距離センサー16からの湯面レベル信号が電子
制御装置30内のプログラム設定部32に入力されるよ
うになっている。なお、本実施例に係る鋳造機10で
は、距離センサー16を二セット(図には一セットのみ
記載)設置することにより設備の信頼性向上を図ってい
る。
【0009】前記金型12内のキャビティは、溶湯が通
過できない隙間(図示されていない)を介して吸引管2
2と連通しており、その吸引管22の基端部に真空ポン
プ24が接続されている。さらに、前記吸引管22の途
中には圧縮空気を供給するための送気管26の先端が接
続されており、その送気管26の基端部にコンプレッサ
ー26pが接続されている。また、前記送気管26に
は、前記コンプレッサー26pの出側に圧縮空気の圧力
を一定に保持するための圧力レギュレータ26rが取付
けられており、その圧力レギュレータ26rの下流側に
空気の流量を調節するための流量調節弁26vが設置さ
れている。ここで、前記流量調節弁26vは、電子制御
装置30内のPID制御部34からの出力信号によって
遠隔操作されるようになっている。そして、前記真空ポ
ンプ24が作動された状態で、流量調節弁26vによっ
て吸引管22に供給される空気流量を調節することによ
り、前記キャビティ内の減圧度、即ち、前記保持炉14
の内部空間とキャビティ間の差圧を制御できるようにな
っている。
【0010】また、前記金型12内のキャビティは、溶
湯が通過できない隙間(図示されていない)を介して緊
急排気管27と連通している。前記緊急排気管27は、
前記キャビティを大気に開放するため配管であり、その
配管途中に遮断弁27zが取付けられている。前記遮断
弁27zは、前記キャビティに設けられた圧力発信器1
2pからの信号によって作動する構造であり、前記圧力
発信器12pが正圧を検出した状態で開くようになって
いる。さらに、前記圧力発信器12pから出力されたキ
ャビティ内の圧力信号は、前記電子制御装置30内のP
ID制御部34に入力される。
【0011】前記電子制御装置30は、保持炉14の内
部空間とキャビティ間の差圧をプログラム制御するため
の装置であり、プログラム設定部32と、PID制御部
34とを備えている。前記プログラム設定部32は、前
記保持炉14の湯面レベルに基づいて、差圧目標値の時
間的変化特性であるプログラムパターンを決定するとと
もに、前記プログラムパターンの差圧目標値に応じた信
号を出力する部分であり、この出力信号がPID制御部
34に入力される。前記PID制御部34は、プログラ
ム設定部32からの出力信号に基づいて、保持炉14の
内部空間とキャビティ間の差圧を実際に制御する部分で
あり、差圧目標値と差圧測定値との偏差をPID演算
し、その演算値に応じた信号を出力する。そして、前記
PID制御部34からの出力信号が、前述のように、流
量調節弁26vに入力されてこの流量調節弁26vの開
度調整が行われる。なお、前記差圧測定値には、前記圧
力発信器12pにより検出されたキャビティ内の圧力と
大気圧との差圧が使用される。
【0012】前記プログラム設定部32において決定さ
れるプログラムパターンは、保持炉14の湯面レベルか
ら金型12のキャビティまでの高さに基づいて実験的、
経験的に最適な条件が定められる。なお、前記キャビテ
ィの高さは一定であるために、結果的には、湯面レベル
に基づいて前記プログラムパターンは決定される。図2
には、前記プログラム設定部32によって決定されたプ
ログラムパターンの具体例が示されている。図2におけ
る特性Iは、保持炉14内に所定量の溶湯が供給された
状態における湯面レベルに基づいて決定されたプログラ
ムパターン、即ち、初回の鋳造で使用されるプログラム
パターンを表している。特性Iにおいて、点O〜点A1
の変化部は、溶湯を保持炉14から金型12の湯溜まり
部(図示されていない)まで供給する際の差圧目標値の
変化を表しており、変化点A1における差圧a1は溶湯
が前記湯溜まり部のレベルまで到達するのに必要な値に
設定されている。さらに、点A1〜点B1の変化部は、
湯溜まり部に到達した溶湯をキャビティまで供給する際
の差圧目標値の変化を表しており、変化点B1における
差圧b1は溶湯がキャビティの上限レベルまで到達する
のに必要な値に設定されている。また、点B1以降は、
キャビティ内に供給された溶湯をその位置に保持する際
の差圧目標値の変化を表しており、前記キャビティ内の
溶湯が凝固するまで差圧が緩やかに上昇するようになっ
てる。
【0013】特性IIは、二回目の鋳造において使用され
るプログラムパターンであり、初回の鋳造により湯面レ
ベルが低下した分を補償している。即ち、初回の鋳造直
前の湯面レベルから二回目の鋳造直前の湯面レベルがL
1だけ低下すれば、二回目の鋳造においては、湯面レベ
ルが全体的にL1だけ上昇するように、変化点(A2,
B2)における差圧が設定される。したがって、変化点
A2における差圧a2は、a2=a1+ρ×L1で表さ
れる。ここで、ρは、溶湯の比重である。また、変化点
B2における差圧b2は、b2=b1+ρ×L1で表さ
れる。なお、特性IIの時間に対する差圧目標値の変化率
は、特性I と等しい値に設定される。特性III は、三回
目の鋳造において使用されるプログラムパターンであ
り、初回の鋳造及び二回目の鋳造により湯面レベルが低
下した分を補償している。即ち、二回目の鋳造直前の湯
面レベルから三回目の鋳造直前の湯面レベルがL2だけ
低下すれば、三回目の鋳造においては、湯面レベルが全
体的にL1+L2だけ上昇するように、変化点(A3,
B3)における差圧が設定される。したがって、変化点
A3における差圧a3は、a3=a1+ρ×(L1+L
2)で表される。また、変化点B3における差圧b3
は、b3=b1+ρ×(L1+L2)で表される。な
お、特性III の時間に対する差圧目標値の変化率も、特
性I 、特性IIと等しい値に設定される。なお、図示され
ていないが、四回目以降の鋳造において使用されるプロ
グラムパターンも上記した方法で決定される。
【0014】次に、本実施例に係る鋳造器10の溶湯充
填制御方法の説明を行う。先ず、図1に示されるよう
に、金型12が型締めされて所定位置にセットされる
と、距離センサー16からの湯面レベル信号に基づいて
プログラムパターンがプログラム設定部32において設
定される。今回の場合、特性I が設定されたものと仮定
して以下の説明を行う。特性I に示されるように、鋳造
開始時には、前記差圧目標値は、所定時間、零に保持さ
れるために、プログラム設定部32から差圧目標値が零
に相当する信号がPID制御部34に出力される。PI
D制御部34は、差圧目標値と差圧測定値との偏差をP
ID演算し、その演算値に相当する信号を流量調節弁2
6vに出力する。この結果、流量調節弁26vは所定開
度まで開かれて、送気管26から前記吸引管22に所定
量の空気が流入し、前記キャビティに真空ポンプ24か
らの吸引力が作用しなくなる。これによって、前記キャ
ビティ内の圧力が大気圧に等しくなるように制御され
る。なお、この時、キャビティ内の圧力が正圧になる
と、圧力発信器12pからの信号により遮断弁27zが
開放されて、キャビティ内の空気は緊急排気管27から
外部に放出される。
【0015】このようにして所定時間が経過し、点O〜
点A1の変化部において差圧目標値が所定の傾きで増加
すると、PID制御部34は差圧目標値に差圧測定値が
追従するように流量調節弁26vの開度を徐々に閉じ
る。これによって、送気管26から吸引管22に流入す
る空気量が減少して真空ポンプ24の吸引力がキャビテ
ィに作用するようになり、保持炉14の内部空間とキャ
ビティ間の差圧が所定の割合で増加する。この結果、保
持炉14内の溶湯がストーク15に吸引されて上昇し、
前記差圧がa1まで増加した状態で、溶湯は金型12の
湯溜まり部のレベルまで到達する。さらに、差圧目標値
の変化に追従して前記差圧がa1〜b1〜のように増加
する過程で、溶湯はキャビティ内に吸引されてその位置
に保持される。なお、前記保持炉14内の溶湯がキャビ
ティに吸引される際に、保持炉14内の湯面レベルは前
記距離センサー16によって連続的に計測される。図3
は、鋳造中における保持炉14の内部空間とキャビテイ
間の実際の差圧変化(PV)の様子を、プログラムパタ
ーン(特性I )と比較して表したものである。
【0016】このようにして、初回の鋳造が終了する
と、この状態における保持炉14内の湯面レベルに基づ
いて、次の鋳造において使用されるプログラムパターン
(特性II)がプログラム設定部32において設定され
る。そして、初回の鋳造の場合と同じように、プログラ
ム設定部32は特性II(点O〜点A2〜点B2〜)に従
って差圧目標値を増加させながら、その差圧目標値に応
じた信号をPID制御部34に出力する。そして、PI
D制御部34が、その差圧目標値に追従するように保持
炉14内とキャビティ間の差圧を制御することにより、
保持炉14内の溶湯がキャビティ内に吸引される。以
後、同様な方法で、鋳造が繰り返し実行される。そし
て、複数回の鋳造により保持炉14内の湯面レベルが下
限レベルよりも低下すると、新たな溶湯が前記保持炉1
4に供給される。
【0017】このように、本実施例によると、保持炉1
4内の湯面レベルはレーザー式の距離センサー16によ
って計測されるために、連続的に湯面レベルの監視が可
能になる。このため、複数回の鋳造が連続して行われる
場合でも、各々の鋳造直前の湯面レベルを確実に計測す
ることができる。さらに、センサー本体に溶湯が接触し
ないため、従来のように、ノロや凝固金属等の影響を受
けることがなく、測定精度が向上する。また、外乱等に
より前回の鋳造で湯面レベルが予想に反して大きく変動
した場合であっても、鋳造の直前に計測された実際の湯
面レベルに基づいてプログラムパターンが設定されるた
め、そのプログラムパターンが最適なプログラムパター
ンから外れることがない。したがって、適正なプログラ
ムパターンに従って、保持炉14内とキャビティ間の差
圧が制御されることになり、前記保持炉14内の溶湯が
良好にキャビティ内に供給される。さらに、連続的に湯
面レベルの監視が可能であるために、鋳造中に湯面レベ
ルが下限値に達するような場合でも、保持炉14内に溶
湯を供給しながら鋳造を続行することが可能になり、途
中で鋳造を中止する必要がなくなる。また、前記距離セ
ンサー16は非接触タイプであるために、設置条件の自
由度が高い。さらに、距離センサー16を保持炉14の
外部に設置することができるために、炉蓋14bの開口
14kを極力小さくでき、また、その開口14kも耐熱
ガラス14xで塞がれるために、保持炉14の断熱効果
が向上する。このため、溶湯が冷え難くなり、保温のた
めのエネルギーコストが低減する。なお、本実施例にお
いては、レーザー式の距離センサー16を使用している
が、超音波式の距離センサーや高周波式の距離センサー
を使用することも可能である。
【0018】図4は、本発明の第2実施例に係る溶湯充
填制御方法を実施するために使用される鋳造機100の
全体系統図を表している。第1実施例の鋳造機10が吸
引鋳造を行うための鋳造機であるのに対して、本実施例
に係る鋳造機100は低圧鋳造を行うための鋳造機であ
り、金型112内のキャビティが大気に開放されるとと
もに、保持炉114内が圧縮空気で加圧されるような構
造になっている。ここで、前記保持炉114内の湯面レ
ベルは、第1実施例の場合と同様に、レーザー式の距離
センサー116によって計測され、保持炉114内の圧
力は圧力発信器112pによって検出される。さらに、
前記保持炉114には、その内部空間を加圧するための
送気管122の先端が接続される。
【0019】前記送気管122には、上流側(基端部
側)から減圧弁126r、流量調節弁126vおよびサ
ージタンク126aが取付けられており、その送気管1
22の基端部が圧縮空気源126sに接続されている。
ここで、前記流量調節弁126vは、電子制御装置13
0内のPID制御部134からの出力信号によって遠隔
操作されるようになっている。この構造により、前記圧
縮空気源126sから供給された圧縮空気は、減圧弁1
26rによって所定圧力にまで減圧され、さらに、前記
流量調節弁126vによって圧力調節された状態で保持
炉114に供給される。これによって、保持炉114内
の圧力制御、即ち、保持炉114の内部空間とキャビテ
ィ間の差圧制御が行われる。なお、保持炉114内の圧
力は圧力発信器112pによって前記PID制御部13
4に入力される。
【0020】前記電子制御装置130は、保持炉114
の内部空間とキャビティ間の差圧をプログラム制御する
ための装置であり、第1実施例の場合と同様に、プログ
ラム設定部132と、PID制御部134とを備えてい
る。前記プログラム設定部132は、前記保持炉114
の湯面レベルに基づいて、差圧目標値の時間的変化特性
であるプログラムパターンを決定するとともに、前記プ
ログラムパターンの差圧目標値に応じた信号を出力する
部分であり、この出力信号がPID制御部134に入力
される。前記PID制御部134は、プログラム設定部
32からの出力信号に基づいて、保持炉114の内部空
間とキャビティ間の差圧を実際に制御する部分であり、
差圧目標値と差圧測定値との偏差をPID演算し、その
演算値に応じた信号を出力する。そして、前記PID制
御部34からの出力信号が、前述のように、流量調節弁
126vに入力されてこの流量調節弁126vの開度調
整が行われる。なお、前記差圧測定値には、前記圧力発
信器112pにより検出された保持炉114内の圧力と
大気圧との差圧が使用される。また、差圧目標値の時間
的変化特性であるプログラムパターンは、第1実施例の
場合と同様に、保持炉114の湯面レベルに基づいて決
定される。
【0021】次に、本実施例に係る鋳造器100の溶湯
充填制御方法の説明を行う。先ず、図4に示されるよう
に、金型112が型締めされて所定位置にセットされる
と、距離センサー16からの湯面レベル信号に基づいて
プログラムパターンがプログラム設定部132において
設定される。そして、前記プログラム設定部132から
プログラムパターンの差圧目標値に応じた信号がPID
制御部34に出力される。前記PID制御部34は、差
圧目標値と差圧測定値との偏差をPID演算し、その演
算値に相当する信号を流量調節弁126vに出力する。
この結果、流量調節弁126vの開度調整が行われて、
保持炉114の内部圧力、即ち、保持炉114の内部圧
力とキャビティ間の差圧が差圧目標値の変化に応じて所
定の割合で増加する。これによって、保持炉14内の溶
湯がストーク15内に押し上げられながらキャビティに
供給される。このように、本実施例においても、保持炉
114内の湯面レベルはレーザー式の距離センサー11
6によって連続的に高精度で計測されるために、第1実
施例の場合と同様に、保持炉114内の溶湯が良好にキ
ャビティ内に供給される。
【0022】
【発明の効果】本発明によると、鋳造直前に湯面レベル
を計測できるために、その湯面レベルに基づいて設定さ
れたプログラムパターンが適正なプログラムパターンか
ら外れることがなくなる。そして、保持炉内とキャビテ
ィ間の差圧が前記プログラムパターンに追従して良好に
制御される。このため、保持炉内の溶湯がキャビティ内
に良好に供給されて、金型面から溶湯が吹き出したりす
るなどのトラブルが発生しない。また、不良品の発生率
も低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る溶湯充填方法を実施
するための鋳造機の全体系統図である。
【図2】プログラム設定部によって決定されたプログラ
ムパターンの具体例を表すグラフである。
【図3】保持炉内とキャビティ間の実際の差圧変化の様
子をプログラムパターンと比較したグラフである。
【図4】本発明の第2実施例に係る溶湯充填方法を実施
するための鋳造機の全体系統図である。
【符号の説明】
10 鋳造機 12 金型 12p 圧力発信器 14 保持炉 15 ストーク 16 距離センサー 24 真空ポンプ 26v 流量調節弁 30 電子制御装置 32 プログラム設定器 34 PID制御部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶湯を貯留する保持炉の内部空間と、鋳
    型内に形成されたキャビティとの間に差圧を発生させ、
    その差圧を利用して前記保持炉内の溶湯を溶湯通路を通
    して前記キャビティに供給する鋳造機の溶湯充填制御方
    法において、 前記保持炉内の湯面レベルを距離センサーを使用して計
    測する工程と、 計測された湯面レベルに基づいて、充填毎の差圧目標値
    の時間的変化特性であるプログラムパターンを設定する
    工程と、 設定された前記プログラムパターンに追従するように、
    前記保持炉の内部空間とキャビティ間の差圧を制御する
    工程と、を有することを特徴とする鋳造機の溶湯充填制
    御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された鋳造機の溶湯充填
    制御方法において、 前記保持炉内の湯面レベルは、非接触式の距離センサー
    により計測されることを特徴とする鋳造機の溶湯充填制
    御方法。
JP28656093A 1993-11-16 1993-11-16 鋳造機の溶湯充填制御方法 Pending JPH07136755A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6247521B1 (en) 1996-08-15 2001-06-19 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Pressure difference control method for filling a cavity with melt
JP2009255133A (ja) * 2008-04-17 2009-11-05 Tanida Gokin Kk 差圧鋳造装置
JP2020163399A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 宇部興産機械株式会社 鋳造装置

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