JPH0713528B2

JPH0713528B2 - パルス燃焼器

Info

Publication number: JPH0713528B2
Application number: JP63100697A
Authority: JP
Inventors: 捷祐石黒; 信義横山
Original assignee: パロマ工業株式会社
Priority date: 1988-04-22
Filing date: 1988-04-22
Publication date: 1995-02-15
Anticipated expiration: 2010-02-15
Also published as: US5020987A; JPH01269803A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、燃焼により高温の燃焼ガスを発生させて水や
油の加熱等に使用するパルス燃焼器に関する。

（従来技術）この種のパルス燃焼器は、燃焼室の入口側に燃料ガス
（以下単にガスという）と空気を吸入する吸入装置を設
けると共に燃焼室とその出口側に設けたテールパイプに
より共鳴系を構成し、この共鳴周波数に応じて吸入装置
から吸入されたガスが間欠的に燃焼して生じた燃焼ガス
は、大半が燃焼室とテールパイプの間を往復しながら、
テールパイプ内を流れて周囲の液体を加熱等した後、外
部に排出される。ガスの燃焼にはガスよりも多量の空気
を必要とするので、従来の吸入装置では第６図に示す如
く、燃焼室に連通される混合室１の吸入側に設けた座板
２の中央部にはガス弁35を有するガス供給筒23aを接続
すると共に、その周囲には環状に配置された多数の半径
方向スリット状の空気取入口３を形成している。そして
スペーサ６を介して座板２に固定されたバックアッププ
レート５と座板２の間には薄板よりなる環状のバルブプ
レート４を設けて、空気取入口３を通って給気チャンバ
７から混合室１に向かう空気流は許容するが逆方向の空
気流は阻止するようにしている。また、パルス燃焼器の
始動時にはブロワ（第１図の符号19参照）を作動させて
給気チャンバ７内の圧力を上昇させているが、始動後は
ブロワを停止して混合室１内に間欠的に生ずる負圧によ
り空気取入口３より空気を吸入するようにしている。

（発明が解決しようとする課題）このような従来技術においては、燃焼室内でガスが間欠
的に燃焼する都度、燃焼室内の高温高圧の燃焼ガスの一
部はフレームトラップ（第１図及び第２図の符号27参
照）を通って混合室内に逆流してバルブプレート４を座
板４に繰り返し当接すると共に高温に曝すので、バルブ
プレート４は損耗し易く、衝突による騒音も大となる。
また始動後はブロワを停止しているので、吸気チャンバ
７内の圧力はほゞ一定であり、このためガス供給量を減
少させてもそれに応じて空気供給量は減少しないのでガ
ス供給量に応じて空燃比が変動し、このため作動可能な
最大ガス供給量に対する最小ガス供給量の比率（以下単
にターンダウン比という）は1/2程度が限度であって、
それ以下にすることができない。

本発明は、空気取入口に設けるバルブプレートを不要と
して、耐久性が高く騒音も小さいパルス燃焼器を提供す
ることを目的とし、またターンダウン比の限度を広げる
ことができるパルス燃焼器を提供することを目的とす
る。

（課題を解決するための手段）このために、本発明によるパルス燃焼器は、添付図面に
例示する如く、燃焼室10を形成し出口側にテールパイプ
11aを有するハウジング11と、一側が前記ハウジング11
の入口側に固定されて内部に前記燃焼室10と連通する混
合室20を形成する筒状体21と、この筒状体に設けられて
前記混合室20内にガスを供給するガス供給筒24と、前記
筒状体21に形成されて前記混合室20内に空気を供給する
空気取入口25と、この空気取入口の前記混合室20と反対
側に連通される給気チャンバ16を形成するシュラウド17
と、前記給気チャンバ16に空気を供給するブロワ19を備
えてなるパルス燃焼器において、前記筒状体21には前記
空気取入口25の前記混合室20側に間隔をおいて同側から
見た場合同空気取入口の大部分と重合してこれを覆って
同混合室20内の瞬間的高圧による同混合室から前記給気
チャンバ16への逆流を一時的に阻止する板状のデフレク
タ30を固定し、前記ブロワ19はパルス燃焼器の作動中は
継続して運転するよう構成したことを特徴とするもので
ある。前記ガス供給筒24に連通されたガス供給路43には
ガス供給量を制御するガス弁45を設け、更に前記ガス供
給量の増減に応じて前記給気チャンバ16内の圧力を増減
させる制御装置50を備えることが望ましく、またこの制
御装置50は前記ガス弁45の開度と前記ブロワ19の回転速
度を連動して制御することが望ましい。

（作用）ガス供給筒24からのガスと空気取入口25からの空気は混
合室20内で混合し、燃焼室10内に短かい周期で間欠的に
吸入されて燃焼して高温の燃焼ガスを生じる。この間欠
的燃焼により瞬間的に燃焼室10内に生じた高圧のガス
は、一部が混合室20内に逆流するが、そのまゝ直ちに空
気取入口25から給気チャンバ17内に逆流することはデフ
レクタ30により阻止され、またデフレクタ30を迂回する
逆流は気体の慣性により阻止され、更に給気チャンバ17
内は常にブロワ19から空気が供給されて正圧に保たれて
いるので、燃焼の際に瞬間的に給気チャンバ17内に逆流
する燃焼ガスの量は僅かである。しかしながら、僅かの
逆流はあるので燃焼室10内に瞬間的に生ずる最大圧力
は、従来に比して低下する。これと同時に高圧の燃焼ガ
スはテールパイプ11aにも流れるので燃焼室10内の圧力
は低下し、所定の圧力以下となればガス供給筒23aから
のガスと空気取入口25からの空気は再び混合室20内に吸
入され、混合して燃焼室10内に吸入されて瞬間的に燃焼
し、このような吸入と燃焼を短かい周期で繰り返してパ
ルス燃焼器は作動する。また請求項２及び３の発明は、
ガス供給量の増減に応じて給気チャンバ16内の圧力を増
減させることにより、幅広いガス供給量範囲にわたり混
合室20内に生ずる混合気の混合比を適正な値に保つこと
ができる。

（発明の効果）上述の如く、本発明によれば、損耗し易くまた騒音を生
じ易いバルブプレートを空気取入口に用いることなくパ
ルス燃焼器を作動させることができるので、耐久性を向
上させ、また燃焼室内の最大圧力が低下することと相ま
って、全般的に騒音を低下させることができる。更に、
給気チャンバ内の圧力を制御することにより幅広いガス
供給量範囲にわたり混合比を適正な値に保つことができ
るので、ターンダウン比を大きくすることができ、加熱
量の調整範囲を広げることができる。

（実施例）以下に、添付図面に示す実施例により、本発明の説明を
する。

第１図及び第２図に示す如く、加熱槽13（一部分のみを
示す）に液密的に固着した取付板14の内面には燃焼室10
を形成するハウジング11がフランジ部11bを介して液密
に固定され、フランジ部11bに開口した燃焼室10の入口
には使用するガス種に応じた寸法形状の燃焼室ヘッド12
が挿入されている。取付板14の外面には燃焼室ヘッド12
と同軸上に筒状体21の一側面が気密に固定され、この一
側面の中央に形成した丸孔21a内には円板状のセラミッ
クスに多数のスリットを形成したフレームトラップ27が
保持されている。中央部にガス供給筒24を一体的に形成
した保持部材23の一側には環状の座板22を内外縁におい
てねじ止め固定し、この座板22を間に挟んで保持部材23
は筒状体21の他側面にボルト止めされている。座板22は
実質的に筒状体21の一部をなすものであり、このような
筒状体21により形成された混合室20は、フレームトラッ
プ27と燃焼室ヘッド12を介して燃焼室10と連通されてい
る。燃焼室10の出口側には内部を通る燃焼ガスにより加
熱槽13内の液体を加熱する細長いテールパイプ11aが接
続されている。また、ハウジング11のフランジ部11bに
は点火栓15が貫通して設けられ、その先端は燃焼室10内
に位置している。

保持部材23の半径方向に延びる部分には、ガス供給筒24
を囲む環状空間23aと開口23bが形成されている。主とし
て第３図に示す如く、座板22にはガス供給筒24を囲む環
状に配置されて環状空間23aに開口された多数の半径方
向スリットよりなる空気取入口25が形成されている。ま
た、座板22には、中間ボス部を有するねじ31とナットな
らびにスペーサ32と小ねじ33により所定の間隔をおいて
混合室20側に板状のデフレクタ30が固定されている。デ
フレクタ30は混合室20側から見た場合、図示の如く、全
ての空気取入口25よりも広い範囲に重合して此等を覆う
ような幅広の環状に形成されている。

第１図に示す如く、加熱槽13の外側には、筒状体21、保
持部材23及びガスチャンバケーシング41を覆うシュラウ
ド17が設けられている。シュラウド17は、間に砂を充填
した２重の筒よりなり一側面が加熱槽13の外側面に取付
けられた筒状部17aと、その他側面に気密に取り付けら
れる側板17bよりなり、このシュラウド17と加熱槽13に
より給気チャンバ16が形成されている。給気チャンバ16
には回転速度に応じて送風量が変化するブロワ19から吸
気管18を介して空気が供給され、これにより給気チャン
バ16内の圧力を変化させるようになっている。混合室20
は空気取入口25、環状空間23a及び開口23bを介して給気
チャンバ16と連通されている。

第１図に示す如く、ガス供給筒24には、メインノズル44
及びガス弁45を設けたガス供給管43と、ガスチャンバケ
ーシング41と、ガス吸入弁35を介してガスが供給され、
このガスはガス供給筒24の先端にねじ止めされたガスデ
ィストリビュータ26に形成した小孔を介して混合室20内
に送り込まれる。板金製のガスチャンバハウジング41は
ろう付けされた出口部材41a及び入口部材41bを有し、ガ
ス供給管43は接続管42を介して入口部材41bにろう付け
されている。ガス吸入弁35は、出口部材41aにねじ込み
固定されて多数の放射状の供給孔36aを有する弁本体36
と、スペーサ39を介して弁本体36に同軸的にねじ止めさ
れたバックアッププレート38と、中心の孔内にスペーサ
39を挿入して弁本体36とバックアッププレート38の間を
往復動自在に支持されたバルブプレート37よりなり、混
合室20内の圧力がガスチャンバハウジング41内よりも低
圧の場合は供給孔36aを通ったガスはバルブプレート37
を押し開けて混合室20内に流入し、混合室20内の圧力が
高圧の場合はバルブプレート37が弁本体36に当接して混
合室20側からのガスの逆流を阻止するものである。出口
部材41a及び弁本体36は、第１図及び第２図に示す如
く、ガス供給筒24内に気密に嵌合され、押しねじにより
固定されている。

第１図に示す制御装置50は、給気チャンバ16の内圧が第
４図に示す如くガス供給量の増大に応じて増大するよう
にガス弁45の開度とブロワ19の回転速度を連動して制御
するものである。

次に本実施例の作動につき説明する。

バルス燃焼器の始動の際には、制御装置50はガス弁45の
開度とブロワ19の回転速度をそれぞれ始動に適した値に
設定すると同時に図示を省略した点火装置を作動させて
点火栓15の先端に火花を生ぜしめる。ガス吸入弁35を通
ってガス供給筒24から供給されたガスと、空気取入口25
を通って給気チャンバ16から供給された空気は混合室20
内で混合し、フレームトラップ27及び燃焼室ヘッド12を
通って燃焼室10内に導入され、点火栓15の火花により点
火され、瞬間的に燃焼して高温高圧の燃焼ガスを生じ
る。この燃焼ガスは燃焼室ヘッド12及びフレームトラッ
プ27を通って混合室10内に逆流し、更にガス供給筒24か
らガスチャンバケーシング41内へ、また空気取入口25か
ら給気チャンバ16内に逆流しようとする。しかしながら
ガス供給筒24内の逆流はガス吸入弁35により阻止され、
また混合室20内の瞬間的高圧による空気取入口25からの
直接的逆流には、これと重合するデフレクタ30により先
ず阻止され、デフレクタ30を迂回する逆流は気体の慣性
により一時的に阻止されるので、次の吸入サイクルまで
の間に空気取入口25から逆流する気体の量は僅かであ
る。この間に燃焼室10内の高温高圧の燃焼ガスはテール
パイプ11aに流れ、加熱槽13の液体を加熱して大気中に
放出される。これにより燃焼室10内の圧力は低下し、ガ
スチャンバケーシング41内のガス圧及び給気チャンバ16
内の空気圧以下となれば、混合室20内を経ての燃焼室10
内へのガス及び空気の導入が開始され、燃焼室10とテー
ルパイプ11aよりなる共鳴系の作用により燃焼室10内の
圧力は一層低下し、負圧となって燃焼室10内への混合気
の導入が促進されると共にテールパイプ11a内の燃焼ガ
スは燃焼室10内に逆流し、その中の残留火炎により燃焼
室10内の混合気は再び瞬間的に燃焼し、このような混合
気の吸入と燃焼を短かい周期（例えば毎秒100サイクル
程度）で繰り返して本パルス燃焼器は作動する。点火栓
15は本パルス燃焼器の始動時にのみ作動させればよい。

本実施例によれば、高温高圧の燃焼ガスの一部が逆流す
る混合室20内に、往復動して空気の逆流を阻止するバル
ブプレートを設ける必要がないので、このようなバルブ
プレートの当接及び損耗による騒音や耐久性の低下を防
ぐことができる。また、デフレクタ30により覆われた空
気取入口25は多少の逆流を許すので、燃焼室10内の圧力
は第５図の実線に示す如く変動し、従来の圧力変動（破
線で図示）に比して最大圧力が大幅に低下したものとな
り、これによってパルス燃焼器の騒音は全音域にわたり
一層減少する。なお、ガス吸入弁35はバルブプレート37
を有しているが、ガスディストリビュータ26に覆われた
ガス供給筒24内に設けられており、逆流する高温の燃焼
ガスが到達するおそれは少ないので損耗が問題となるこ
とは少なく、また比較的小さいのでその当接による騒音
も小さい。しかしながら、ガス吸入弁35の代りに、空気
取入口25のようなデフレクタを重合させたガス吸入口を
用いてもよい。

また、本実施例においてはガス弁45によりガス供給量を
制御してパルス燃焼器の加熱量を調節しているが、第４
図に示す如く、給器チャンバ16の内圧をガス供給量に応
じて変化させているので、幅広いガス供給範囲にわたり
混合比を適正な値に保つことができ、ターンダウン比を
1/3程度にまで広げることができる。この混合比の適否
は燃焼ガスのCO/CO₂比により判断することができるが、
本実施例のCO/CO₂比は第４図の実線に示す如く最低値付
近の幅が広いものとなる。これに対し、従来技術におい
ては始動時以外は給気チャンバ16の内圧は一定（ほゞ大
気圧）であり、ガス供給量の減少に応じて充分に空気量
が減少しないので次第に空気が過剰となる。従ってCO/C
O₂比は第４図の破線に示す如く最低値付近の幅が狭いも
のとなり、従ってターンダウン比は1/2程度が限度とな
る。第４図には参考のためパルス燃焼器の作動周波数も
示した。

なお、上記実施例においては、ブロワ19の回転速度を制
御することにより給気チャンバ16内の圧力を制御してい
るが、給気管18内に設けたダンパ弁あるいは給気チャン
バ16を大気に連通する開口に設けたダンパ弁等の開度を
制御装置により変化させて給気チャンバ16の内圧を制御
してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本発明によるパルス燃焼器の一実施例
を示し、第１図は全体の断面図、第２図は主要部の拡大
断面図、第３図は第２図のIII−III断面図、第４図はガ
ス供給量に対する給気チャンバの内圧等の特性図、第５
図は燃焼室内圧の変動を示す図、第６図は従来技術の吸
入装置の部分断面図である。符号の説明 10……燃焼室、11……ハウジング、11a……テールパイ
プ、16……給気チャンバ、17……シュラウド、19……ブ
ロワ、20……混合室、21……筒状体、24……ガス供給
筒、25……空気取入口、30……デフレクタ、43……ガス
供給路、45……ガス弁、50……制御装置。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】燃焼室を形成し出口側にテールパイプを有
するハウジングと、一側が前記ハウジングの入口側に固
定されて内部に前記燃焼室と連通する混合室を形成する
筒状体と、この筒状体に設けられて前記混合室内にガス
を供給するガス供給筒と、前記筒状体に形成されて前記
混合室内に空気を供給する空気取入口と、この空気取入
口の前記混合室と反対側に連通される給気チャンバを形
成するシュラウドと、前記給気チャンバに空気を供給す
るブロワを備えてなるパルス燃焼器において、前記筒状
体には前記空気取入口の前記混合室側に間隔をおいて同
側から見た場合同空気取入口の大部分と重合してこれを
覆って同混合室内の瞬間的高圧による同混合室から前記
給気チャンバへの逆流を一時的に阻止する板状のデフレ
クタを固定し、前記ブロワはパルス燃焼器の作動中は継
続して運転するよう構成したことを特徴とするパルス燃
焼器。
【請求項２】前記ガス供給筒に連通されたガス供給路に
はガス供給量を制御するガス弁を設け、更に前記ガス供
給量の増減に応じて前記給気チャンバ内の圧力を増減さ
せる制御装置を備えてなる請求項１記載のパルス燃焼
器。
【請求項３】前記制御装置は前記ガス弁の開度と前記ブ
ロワの回転速度を連動して制御する請求項２記載のパル
ス燃焼器。