JP3030137B2 - ゆでめん機 - Google Patents

ゆでめん機

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  • Regulation And Control Of Combustion (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルス燃焼機を熱源と
して湯槽内の水を加熱するゆでめん機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、熱効率の高いパルス燃焼機を
熱源としたゆでめん機が知られている。例えば、特開昭
64−75816号のゆでめん機の燃焼制御装置があ
る。この技術は、タイマを用いて燃焼時間と停止時間の
比率を変えることにより燃焼量の調節を行なうものであ
る。つまり、ゆでめん機における設定温度の維持,変更
等の湯温コントロールは、タイマのダイヤルを調節して
燃焼時間の割合を変更すること(オン,オフ制御)で行
なわれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】麺をおいしくゆで上げ
るためには、湯温を97℃から98℃の範囲に維持する
ことが要求される。ところが、上記のタイマによるオ
ン,オフ制御では、タイマのダイヤル調整によるもので
あるため、正確な湯温コントロールは難しく、実際には
使用者の勘により打ち水(補水)等にて温度調整するも
のであった。従って、打ち水が足りなかったり麺の量が
少ない場合には、100℃に沸騰してしまい、麺にいた
みが生じてしまう。逆の場合には、麺がゆで上がらな
い。
【0004】ところで、このようなオン,オフ制御を行
なっている理由として、パルス燃焼機自体の燃焼性能が
挙げられる。従来からのパルス燃焼機は、定常燃焼時に
おいては自己着火や燃焼用空気の自然吸引等の利点を生
かして一定のサイクルで爆発燃焼を繰り返すもので、燃
料ガスおよび燃焼用空気の供給源側に燃焼排気が逆流し
ないようにフラッパバルブ等の逆流防止弁が設けられて
いる。このようなパルス燃焼機では、インプット量は燃
焼室や供給路のボリュームによって決定してしまい、燃
焼幅(ターンダウン比)を広くとることができない。従
って、ゆでめん機で湯温制御を行なおうとした場合に
は、上述したオン,オフ制御を採用せざるを得ないので
ある。
【0005】このため、インプット量を変更する種々の
制御形態を採用することができず、必然的に制御能力が
劣ってしまう。本発明のゆでめん機は上記課題を解決
し、ターンダウン比の大きなパルス燃焼を実現すること
で、種々の制御形態に適用できるようにすることを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の第1のゆでめん機は、燃料ガスと燃焼用空気と
の混合気を燃焼室に送給して脈動的な爆発燃焼を繰り返
すパルス燃焼機を熱源として湯槽内の水を加熱するゆで
めん機において、少なくとも燃焼用空気の供給路には、
爆発燃焼による逆流を防止する逆流防止弁を備えずに、
燃焼時に燃焼用空気を常時燃焼室側に送り出す送風機を
え、上記燃焼室への燃料ガス供給量を調整するガス量
制御手段と、上記燃焼室への燃焼用空気供給量を調整す
る空気量制御手段とを設けたことを要旨とする。
【0007】更に、本発明の第2のゆでめん機は、第1
のゆでめん機に、上記湯槽内の湯温を検出する温度セン
サを備え、上記検出した湯温に基づき、上記燃焼室への
燃料ガス供給量および燃焼用空気供給量を調整すること
を要旨とする。
【0008】
【作用】上記構成を有する本発明のゆでめん機は、燃料
ガスと燃焼用空気とを燃焼室に送給して脈動的な爆発燃
焼を繰り返すパルス燃焼機を備え、燃焼熱により湯槽内
の水を加熱して麺をゆで上げる。燃焼用空気の供給路に
は、燃焼室での爆発燃焼による燃焼排気の逆流を防止す
る逆流防止弁を備えずに、燃焼用空気を常時燃焼室側に
送り出す送風機を備え、逆流した燃焼排気を混合ガスに
希釈して燃焼室に供給する。従って、従来のような単に
燃焼室の負圧により燃焼用空気を自然吸引するものと異
なり常時強制供給であるため、インプット量がボリュー
ム(容量)から一義的に決定されるものでなくなり、
ス量制御手段と空気量制御手段とにより燃料ガスと燃焼
用空気の供給圧を変更してターンダウン比を大きくとる
ことができる。この結果、従来のオン,オフ制御に代え
て、燃焼時のインプット量を可変にする制御が可能とな
る。
【0009】更に、本発明の第2のゆでめん機では、こ
の特徴を生かして湯槽内の湯温に基づいてインプット量
を変更する。つまり、温度センサにより湯槽内の湯温を
検出し、この湯温に基づいて、ガス量制御手段および空
気量制御手段がそれぞれ燃料ガスおよび燃焼用空気の供
給量を調整する。この結果、精度の高い湯温制御が可能
となる。尚、燃焼用空気量の調整は、送風機の回転数制
御や流路の開度調整等が挙げられる。
【0010】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明確
にするために、以下本発明のゆでめん機の好適な実施例
について説明する。図1は、一実施例としてのゆでめん
機の概略構成図である。ゆでめん機は、うどん,そば等
の麺類をてぼ(ざる状の容器)に入れて投入する湯槽1
と、この湯槽1内の水(湯)を加熱する熱源としてのパ
ルス燃焼機2とを備える。
【0011】パルス燃焼機2は、湯槽1内に設けられる
円筒形の燃焼室3と、燃焼室3からの高温燃焼排気の排
気通路となるテールパイプ4と、燃焼室3の吸入側に設
けられる混合室5と、混合室5の吸入側に設けられるエ
アチャンバ6とを備える。エアチャンバ6には途中にフ
ァン7を設けた送風ダクト8が連通され、ファン7によ
り吸引した燃焼用空気をエアチャンバ6に送り出すよう
構成されている。
【0012】エアチャンバ6と混合室5とは、両者の軸
心から離れた位置に形成された筒状の開口部9により連
通されている。更に、燃焼ガスの供給管であるガス供給
管10が挿通され、その先端が「L」字状に曲折されて
開口部9の中心に配設される。このガス供給管10に
は、上流側から順に元電磁弁11,主電磁弁12,比例
電磁弁13,ガスチャンバ14が設けられる。
【0013】混合室5と燃焼室3とは、軸心位置に形成
された円孔15により連通される。そして、この円孔1
5には燃焼室3から混合室5への逆火を防止するフレー
ムトラップ16が装着される。燃焼室3の側壁には、燃
焼開始時に混合ガスに点火する点火プラグ17と、炎検
出素子であるフレームロッド18が設けられる。
【0014】燃焼室3で発生した燃焼排気の通路となる
テールパイプ4は、燃焼室3の周壁の両側からそれぞれ
1本ずつ左右対称に設けられ(図面では、重なり合って
手前側1本しか表示されない)、湯槽1内で蛇行状に配
設される。更に、このテールパイプ4の下流側には排気
マフラー19が設けられると共に、燃焼室3およびテー
ルパイプ4の外壁を通して湯槽1内の湯と熱交換された
後の燃焼排気を機外へ放出するよう排気系が構成されて
いる。
【0015】一方、湯槽1への給水系としては、給水栓
21を備えた給水管22が湯槽1の上部開口にまで配管
され、排水系としては、湯槽1の上側面に接続される溢
水管27と、湯槽1低面に接続され排湯栓28を備えた
排湯管23が配管される。
【0016】湯槽1の上開口部には、てぼを挿入支持す
るてぼ枠(図示略)が着脱自在に設けられる。また、湯
槽1の内側側面には、湯温を検出する温度センサ24
(本実施例ではサーミスタを用いる)が設けられる。
【0017】また、本体ケース内(図示略)の任意の位
置には、パルス燃焼制御を司るコントローラ25が設け
られる。このコントローラ25は、周知の算術論理演算
回路を構成するCPU,ROM,RAM(図示略)と、
温度センサ24,フレームロッド18からの信号を入力
する入力インタフェース(図示略)と、比例電磁弁1
3,元電磁弁11,主電磁弁12,ファン7,点火用イ
グナイタ26に制御信号等を出力する出力インタフェー
ス,駆動回路(図示略)等を備えるマイクロコンピュー
タである。
【0018】次に、本実施例のゆでめん機、特にパルス
燃焼機2の動作について説明する。混合室5には、比例
電磁弁13により設定される量の燃料ガスが開口部9中
心から送給されると共に、ファン7の回転数により設定
される量の燃焼用空気が開口部9周囲から送給される。
こうして同時に送給された燃料ガス,燃焼用空気は、混
合室5で充分混合されフレームトラップ16を通過して
燃焼室3に送られ、点火プラグ17のスパークにより着
火して爆発燃焼する。この爆発燃焼により生じた高温,
高圧の燃焼排気は、爆発圧によりテールパイプ4に排出
されると同時に、一部はフレームトラップ16を通過し
て混合室5に逆流する。
【0019】爆発燃焼が終了すると、排気時の慣性によ
る燃焼室3の負圧と、燃料ガス,燃焼用空気の供給源側
の圧力により、燃焼排気を希釈した混合ガスが再度燃焼
室3に送られ、燃焼室3の高温残留燃焼排気により自然
着火して爆発燃焼する。こうして、燃焼,排気,吸気を
連続的に繰り返し、燃焼室3,テールパイプ4に生じた
熱により湯槽1内の水を加熱する。
【0020】この場合、燃焼排気の逆流を防止するフラ
ッパバルブ等を設けていないためファン7を常時駆動さ
せて、逆流した燃焼排気を混合ガスに希釈して燃焼室3
に供給する。従って、従来から用いられていたパルス燃
焼機のような、単に燃焼室の負圧により燃焼用空気を自
然吸引するものと異なり、強制供給であるため供給圧を
変更して燃焼幅(ターンダウン比)を大きくとることが
できる。
【0021】そこで、本実施例のゆでめん機では、図2
に示すように、湯槽1内の湯の温度を検出する温度セン
サ24の検出信号に基づいて、燃料ガスおよび燃焼用空
気の供給量を調整する。つまり、湯温の基準値を97〜
98℃として、常に基準値を維持するように比例電磁弁
13の開度およびファン7の回転数を制御する。本実施
例では、コントローラ25の演算により、検出温度の基
準値に対する偏差,時間的温度変化等に応じてフィード
バック制御する周知のPID制御を行なう。
【0022】従って、湯槽1内の湯温を適切な温度に維
持することができ、麺の投入により湯温が低下しても短
時間で最適温度に復帰させることができる。従って、従
来のように使用者の勘でタイマ調節(燃焼時間と停止時
間の比率調節)したり打ち水調節する必要がなくなり、
非常に使い勝手の良いものとなる。また、麺のゆで上が
り状態も非常に良好となる。
【0023】また、本実施例に用いたパルス燃焼機2で
は、爆発燃焼による逆圧の影響を以下のように低減して
いるため、ファン圧やガス圧を高くする必要がない。つ
まり、混合室5に逆流する燃焼排気がフレームトラップ
16通過時に消炎すると共に熱が奪われて圧力低下する
こと、混合室5,エアチャンバ6,ガスチャンバ14の
ボリュームにより逆圧を充分緩衝できること、開口部9
が軸心から偏心しているため逆圧が供給源側に直接加わ
らないこと等により供給源への影響が少なくなる。この
ため、インプット量の調整が一層容易となる。
【0024】更に、フラッパバルブ等の逆流防止弁を備
えていないため、低騒音,低振動化を図ることができ、
耐久性も向上する。
【0025】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものでなく、
様々な態様で実施し得ることは勿論である。例えば、本
実施例では燃料ガス供給側にも逆流防止弁を設けていな
いが、必要に応じて設けてもよい。また、燃焼用空気の
供給路に開度制御可能なダンパを設けて燃焼用空気供給
量を調整してもよい。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明のゆでめん機
は、ターンダウン比の大きなパルス燃焼を実現できるた
め、種々の制御形態に柔軟に対応できるという優れた効
果を奏する。また、湯温に基づいて燃料ガス供給量,燃
焼用空気供給量を調整した場合には、精度の高い湯温コ
ントロールが図られ、使用者にとって非常に使い勝手の
よいものとなる。また、麺のゆであがり状態も良好とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例としてのゆでめん機の概略構成図であ
る。
【図2】湯温制御を表す説明図である。
【符号の説明】
1…湯槽,2…パルス燃焼機,3…燃焼室,7…ファ
ン,13…比例電磁弁,24…温度センサ,25…コン
トローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23C 11/04 A23L 1/16 A47J 27/14 F24C 3/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料ガスと燃焼用空気との混合気を燃焼室
    に送給して脈動的な爆発燃焼を繰り返すパルス燃焼機を
    熱源として湯槽内の水を加熱するゆでめん機において、 少なくとも燃焼用空気の供給路には、爆発燃焼による逆
    流を防止する逆流防止弁を備えずに、燃焼時に燃焼用空
    気を常時燃焼室側に送り出す送風機を備え、 上記燃焼室への燃料ガス供給量を調整するガス量制御手
    段と、 上記燃焼室への燃焼用空気供給量を調整する空気量制御
    手段とを設けたこと を特徴とするゆでめん機。
  2. 【請求項2】上記請求項1記載のゆでめん機であって、 上記湯槽内の湯温を検出する温度センサを備え、 上記検出した湯温に基づき、上記燃焼室への燃料ガス供
    給量および燃焼用空気供給量を調整すること を特徴とす
    るゆでめん機。
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