JPH08233221A - ガス燃焼装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 二次空気の取り入れを改良し、高負荷燃焼条
件下でも燃焼を安定させたガス燃焼装置を提供する。 【構成】 ガス２を噴出するノズル３と一次空気４を吸
引するベルマウス５とガス２と一次空気４の混合ガスが
通過するバーナースロート６とバーナースロート６の下
流側に設けられ外周部近傍に多数の炎孔１６を穿設した
バーナーヘッド８からなるガスバーナーを燃焼筒１０内
で燃焼させるガス燃焼装置において、炎孔１６の外周に
周等分して燃焼筒１０と直交する適数個の二次空気横孔
１５を設け、別途前記炎孔１６の外周に周等分して燃焼
筒１０に平行な適数個の二次空気縦孔１４を設け、二次
空気を分離して取り入れる構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガスバーナーの改良を
加えたガスＦＦ暖房器等に用いるガス燃焼装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のガス燃焼装置としては、図４に示
すように、ガスパイプ１から入るガス２を噴出するノズ
ル３と、ノズル３からのガス２の噴出により一次空気４
を吸引するベルマウス５と、ガス２と一次空気４の混合
ガスが通過するバーナースロート６と、バーナースロー
ト６の下流側に設けられたバーナーヘッド２２と、この
バーナーヘッド２２の外周部近傍に混合ガスを噴出し燃
焼させる多数の混合ガス噴出口２３を設けたガスバーナ
ーにおいて、混合ガス噴出口２３への混合ガス供給路の
途中で混合ガス噴出口２３から離れた位置２４に、金網
等からなる多孔部材２５を混合ガス供給路横断状態に配
置し、バーナーヘッド２２の上方の燃焼部へはバーナー
ヘッド２２の外周に設けた複数個の二次空気孔２６から
二次空気を供給する構成とし、多孔部材２５の噴出抑制
作用により、混合ガス噴出口２３に形成される一次火炎
を安定させ、二次空気孔２６から供給される二次空気に
より、二次火炎の安定をはかったものがある（例えば特
開平３−２４７９０９号公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術では、
金網等の多孔部材２５の噴出抑制作用により、混合ガス
噴出口２３から混合ガス噴出力をある程度減勢するこ
と、および、多孔部材２５の乱流化促進作用によりガス
２と一次空気４の混合をある程度良好にすることは出来
るが、高負荷燃焼化等においては、一層高い安定燃焼が
要求され、金網等の多孔部材２５では変形により通路径
は縮小傾向となり、供給ガス２中に含まれている不純物
や埃が金網等や多孔部に蓄積し、不完全燃焼を引き起こ
したり、円形のバーナーヘッド２２の外周部近傍に多数
の混合ガス噴出口２３を設けているため、バーナーヘッ
ド２２の中央部は混合ガス噴出口２３に形成された火炎
により輻射熱を受け過熱されるため、バーナーヘッド２
２が熱変形して燃焼に悪影響を及ぼすことがあった。

【０００４】また、二次空気はバーナーヘッド２２の外
周に設けた複数個の二次空気孔２６から一義的に供給さ
れるが、高負荷燃焼化等においては、二次火炎の傾きや
長さ等のバランスを取るのは困難で、二次火炎が開き過
ぎ燃焼筒にあたるとススや一酸化炭素を発生し、二次火
炎が内側へより過ぎるとその輻射熱によってもバーナー
ヘッド２２の中央部が過熱されるという問題があった。

【０００５】上記に関し、アメリカＡＮＳＩ規格では安
全性を重視し、金網をバーナー構造の中に用いてはなら
ないという項目もあり、本発明では、二次空気の取り入
れ構造を改善し、金網等の多孔部材を用いないで、安定
燃焼出来るガス燃焼装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するためになされたもので、ガスを噴出するノズルと
一次空気を吸引するベルマウスとガスと一次空気の混合
ガスが通過するバーナースロートとバーナースロートの
下流側に設けられ外周部近傍に多数の炎孔を穿設したバ
ーナーヘッドからなるガスバーナーを燃焼筒内で燃焼さ
せるガス燃焼装置において、バーナーヘッドの外周部近
傍に穿設した多数の炎孔の外周に周等分して燃焼筒と直
交する適数個の二次空気横孔を設け、別途多数の炎孔の
外周に周等分して燃焼筒に平行な適数個の二次空気縦孔
を設け、二次空気を分離して取り入れる構成とした。

【０００７】また、前記適数個の二次空気横孔に対し、
適数個の二次空気縦孔は周等分方向で一致させた構成と
する。

【０００８】または、前記適数個の二次空気横孔に対
し、適数個の二次空気縦孔は周等分方向で千鳥配置構成
としてもよい。

【０００９】

【作用】本発明では上述のように構成したことにより、
多数の炎孔の外周に周等分して燃焼筒と直交して設けた
適数個の二次空気横孔は、多数の炎孔で形成された一次
火炎に二次空気を供給するとともに、一次火炎及び二次
火炎を燃焼筒中央部に集める作用をし、多数の炎孔の外
周に周等分して燃焼筒に平行に設けた適数個の二次空気
縦孔は、一次火炎に二次空気を供給するとともに、一次
火炎及び二次火炎を燃焼筒に沿わせる作用をする。

【００１０】従って、二次空気を分離する横孔と縦穴の
通路比率を、燃焼装置の能力や目的に合わせて決定させ
ることで、二次火炎の立上り角度を適正に決めるととも
に、乱流化促進作用を拡大し、一次火炎の根本に対する
ふらつきを防止し、バランスよく安定燃焼させる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図を用いて説明す
る。

【００１２】図１は本発明の一実施例を示すガス燃焼装
置の断面図であり、図２は同じく二次空気取り入れ構造
を示す斜視図であり、図３は同じく別の二次空気取り入
れ構造を示す斜視図である。

【００１３】図１、図２において、ガスパイプ１から入
るガス２を噴出するノズル３と、ノズル３からのガス２
の噴出により一次空気４を吸引するベルマウス５と、ガ
ス２と一次空気４の混合ガスが通過するバーナースロー
ト６と、バーナースロート６の上に設けたバーナー頭部
７と、バーナー頭部７に載置したバーナーヘッド８と、
バーナースロート６とバーナーヘッド８の中間で混合ガ
スを整流する整流板９からガスバーナーが構成されてい
る。

【００１４】１０はこのガスバーナーを載置し燃焼室を
構成する円形筒型の燃焼筒であり、１１は燃焼筒１０内
バーナーヘッド８の外周上側に設けた保炎リングであ
り、１２は燃焼筒１０内のバーナーヘッド８の上方に位
置するように燃焼筒１０に設けた点火ユニットである。

【００１５】保炎リング１１の外周でバーナー頭部７の
燃焼筒１０と直交する平面に周等分して二次空気１３を
取り入れる適数個の二次空気縦孔１４を穿設し、これら
の二次空気縦孔１４と周等分方向で一致させた構成と
し、二次空気縦孔１４の外周でバーナー頭部７の燃焼筒
１０に平行な立ち上げ壁面に二次空気１３を取り入れる
適数個の二次空気横孔１５を穿設してある。言い替える
と、前記適数個の二次空気縦孔１４は炎孔１６の外周に
周等分して燃焼筒１０に平行に設け、前記適数個の二次
空気横孔１５は炎孔１６の外周に周等分して燃焼筒１０
と直交させて設けたことになる。

【００１６】前記バーナーヘッド８は円形の金属板を複
数枚重ねて構成してあり、円形の外周部近傍に多数の炎
孔１６が穿設されている。整流板９は金属板をプレス打
ち抜き加工等にて成形し、下全面に適数の抜き孔１９を
穿設し、上面中央に開口２０を穿設し混合ガス整流分室
２１を形成している。

【００１７】次に本実施例の作用について説明する。

【００１８】ガス２はガスパイプ１より入り、ノズル３
から噴出すると同時に、ベルマウス５より一次空気４を
吸引し、ガス２と一次空気４の混合ガスはバーナースロ
ート６を通り、整流板９の混合ガス整流分室２１で整流
され、バーナーヘッド８の外周部近傍に配備した多数の
炎孔１６から噴出しバーナーヘッド８上に一次火炎１７
を形成し、二次空気１３を適数個の二次空気縦孔１４か
らと、二次空気横孔１５からとに分離して、保炎リング
１１を乗り越えて炎孔１６の外周部から取り入れ、一次
火炎１７を炎孔１６面上に安定させるので、円形筒型の
燃焼筒９内で二次火炎１８を形成し安定燃焼させる。

【００１９】また、図３は別の二次空気取り入れ構造を
示す斜視図であり、バーナー頭部７の燃焼筒１０と直交
する平面に周等分して二次空気１３を取り入れる適数個
の二次空気縦孔１４を穿設し、これらの二次空気縦孔１
４と周等分方向で千鳥配置構成として二次空気縦孔１４
の外周でバーナー頭部７の燃焼筒１０に平行な立ち上げ
壁面に二次空気１３を取り入れる適数個の二次空気横孔
１５を穿設してあり、二次空気１３を適数個の二次空気
縦孔１４からと二次空気横孔１５からとに分離して、保
炎リング１１を乗り越えて炎孔１６の外周部から取り入
れ、一次火炎１７を炎孔１６面上に安定させるので、円
形筒型の燃焼筒９内で二次火炎１８を形成し安定燃焼さ
せる。

【００２０】以上により、多数の炎孔１６の外周に周等
分して燃焼筒１０と直交して設けた適数個の二次空気横
孔１５は、多数の炎孔１６で形成された一次火炎１７に
二次空気１３を供給するとともに、一次火炎１７及び二
次火炎１８を燃焼筒１０中央部に集める作用をし、多数
の炎孔１６の外周に周等分して燃焼筒１０に平行に設け
た適数個の二次空気縦孔１４は、一次火炎１７に二次空
気１３を供給するとともに、一次火炎１７及び二次火炎
１８を燃焼筒１０に沿わせる。

【００２１】従って、二次空気１３を分離する二次空気
横孔１５と二次空気縦孔１４の通路比率を、燃焼装置の
能力や目的に合わせて決定させることで、二次火炎１８
の立上り角度を適正に決めるとともに、乱流化促進作用
を拡大し、一次火炎１７の根本に対するふらつきを防止
し、高負荷燃焼化等においても、二次火炎１８の傾きや
長さ等のバランスが取れ、二次火炎１８の燃焼筒１０接
触によるススや一酸化炭素の発生を防止し、二次火炎１
８の内側寄り過ぎによるバーナーヘッド８や炎孔１６の
過熱を防止し、バランスよく安定燃焼させる。

【００２２】なお、二次空気１３を取り入れる適数個の
二次空気縦孔１４を穿設する燃焼筒１０と直交する平面
と、二次空気１３を取り入れる適数個の二次空気横孔１
５を穿設する燃焼筒１０に平行な立ち上げ壁面はバーナ
ー頭部７に構成することに限定するものでなく、燃焼筒
１０内のバーナーヘッド８の外側近傍に別途設けても同
等の作用効果がある。

【００２３】さらに、適数個の二次空気縦孔１４を穿設
する燃焼筒１０と直交する平面と、適数個の二次空気横
孔１５を穿設する燃焼筒１０に平行な立ち上げ壁面を、
独立して形成し二次空気縦孔１４と二次空気横孔１５を
周等分方向で角度を可変な構成としてもよい。

【００２４】

【発明の効果】以上本発明によれば、バーナーヘッドの
外周部近傍に穿設した多数の炎孔の外周に周等分して燃
焼筒と直交する適数個の二次空気横孔を設け、別途多数
の炎孔の外周に周等分して燃焼筒に平行な適数個の二次
空気縦孔を設け、二次空気を分離して取り入れる構成と
したので、二次空気横孔は一次火炎及び二次火炎を燃焼
筒中央部に集める効果を有し、二次空気縦孔は一次火炎
及び二次火炎を燃焼筒に沿わせる上方へ押し上げ、二次
火炎が燃焼筒に当たってススを発生するのを防止する効
果を有する。

【００２５】また、二次空気を分離する二次空気横孔と
二次空気縦孔の通路比率を、燃焼装置の能力や目的に合
わせて適正に決定させることにより、二次火炎の立上り
角度を決めることが出来るとともに、乱流化促進作用を
拡大し、一次火炎の根本に対するふらつきを防止するこ
とが出来、、高負荷燃焼条件下でも、二次火炎の傾きや
長さ等のバランスが取れ、二次火炎の燃焼筒接触による
ススや一酸化炭素の発生を防止し、二次火炎の内側より
過ぎによるバーナーヘッドや炎孔の過熱を防止し、安定
燃焼を継続させることが出来、極めて信頼性の高いガス
燃焼装置を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すガス燃焼装置の断面図
である。

【図２】同じく二次空気取り入れ構造を示す斜視図であ
る。

【図３】同じく別の二次空気取り入れ構造を示す斜視図
である。

【図４】従来例を示すガス燃焼装置の断面図である。

【符号の説明】

８ バーナーヘッド １０ 燃焼筒 １４ 二次空気縦孔 １５ 二次空気横孔 １６ 炎孔

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガスを噴出するノズルと一次空気を吸引
   するベルマウスとガスと一次空気の混合ガスが通過する
   バーナースロートとバーナースロートの下流側に設けら
   れ外周部近傍に多数の炎孔を穿設したバーナーヘッドか
   らなるガスバーナーを燃焼筒内で燃焼させるガス燃焼装
   置において、前記バーナーヘッド（８）の外周部近傍に
   穿設した多数の炎孔（１６）の外周に周等分して燃焼筒
   （１０）と直交する適数個の二次空気横孔（１５）を設
   け、別途前記多数の炎孔（１６）の外周に周等分して燃
   焼筒（１０）に平行な適数個の二次空気縦孔（１４）を
   設け、二次空気を分離して取り入れる構成としたことを
   特徴とするガス燃焼装置。
2. 【請求項２】 前記適数個の二次空気横孔（１５）に対
   し、前記適数個の二次空気縦孔（１４）は周等分方向で
   一致させた構成としたことを特徴とする請求項１記載の
   ガス燃焼装置。
3. 【請求項３】 前記適数個の二次空気横孔（１５）に対
   し、前記適数個の二次空気縦孔（１４）は周等分方向で
   千鳥配置構成としたことを特徴とする請求項１記載のガ
   ス燃焼装置。