JP3469704B2 - 圧力噴霧式燃焼装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、石油給湯機、石油
温水暖房熱源機、石油暖房機等に使用される圧力噴霧式
燃焼装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来一般に、この種の圧力噴霧式燃焼装
置は、例えば、特開平２−２４７４０８号公報に開示さ
れているように、送風機から燃焼空気が送り込まれるバ
ーナチューブと、このバーナチューブ内に設けられ、液
体燃料を噴出する液体燃料噴出ノズルと、一次空気孔を
有し、前記液体燃料噴出ノズルを取り囲んで設けられた
内筒と、二次空気孔を有し、前記内筒に連続してバーナ
チューブ内に設けられた燃焼筒と、三次空気孔を有し、
前記燃焼筒の先端部とバーナチューブの先端部とを連結
する環状の連結板と、前記燃焼筒の前方に設けられ、液
体燃料噴出ノズルに対して略直角な面を有する保炎板と
を備えることにより、着火直後のばい塵の発生を抑制し
ていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の圧力噴霧式燃焼装置では、保炎板に複数本の金
属支持棒の一端部を保持させ、これら複数本の金属支持
棒の他端部を、燃焼筒の先端部とバーナチューブの先端
部とを連結する環状の連結板に固定ネジを用いて固定す
る構造であるため、各部品の連結部分が熱応力を受けて
外れ易く、耐久性に劣る上、部品点数が多く、しかも、
金属支持棒の一端部を保持する保炎板の保持構造も複雑
であった。

【０００４】そこで、保炎板に複数の板状の取付けアー
ムを一体に設けることにより、耐久性が高められるばか
りでなく、部品点数の削減並びに構造の簡素化が図れる
が、この場合、取付けアームが金属支持棒よりも幅広と
なって、火炎によって加熱された保炎板や取付けアーム
の熱が固定ネジに伝わり、固定ネジが熱劣化を生じ易く
なる不具合があった。

【０００５】本発明は、上述の実情に鑑みてなされたも
のであり、保炎板を備えた圧力噴霧式燃焼装置におい
て、耐久性の向上、部品点数の削減、及び構造の簡素化
を図ることができるようにすることを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の本発明
では、送風機から燃焼空気が送り込まれるバーナチュー
ブと、このバーナチューブ内に設けられ、液体燃料を噴
出する液体燃料噴出ノズルと、一次空気孔を有し、前記
液体燃料噴出ノズルを取り囲んで設けられた内筒と、二
次空気孔を有し、前記内筒に連続してバーナチューブ内
に設けられた燃焼筒と、三次空気孔を有し、前記燃焼筒
の先端部とバーナチューブの先端部とを連結する環状の
連結板と、前記燃焼筒の前方に設けられ、液体燃料噴出
ノズルに対して略直角な面を有する保炎板とを備えた圧
力噴霧式燃焼装置において、前記保炎板には固定具によ
って連結板に固定される複数の取付けアームが一体に設
けられ、かつ、これら複数の取付けアームの内面に沿っ
てバーナチューブ内の空気を噴出する空気噴出孔が前記
連結板に設けられている構成である。

【０００７】請求項２に記載の本発明では、送風機から
燃焼空気が送り込まれるバーナチューブと、このバーナ
チューブ内に設けられ、液体燃料を噴出する液体燃料噴
出ノズルと、一次空気孔を有し、前記液体燃料噴出ノズ
ルを取り囲んで設けられた内筒と、二次空気孔を有し、
前記内筒に連続してバーナチューブ内に設けられた燃焼
筒と、三次空気孔を有し、前記燃焼筒の先端部とバーナ
チューブの先端部とを連結する環状の連結板と、前記燃
焼筒の前方に設けられ、液体燃料噴出ノズルに対して略
直角な面を有する保炎板とを備えた圧力噴霧式燃焼装置
において、前記保炎板には固定具によって連結板に固定
される複数の取付けアームが一体に設けられ、かつ、こ
れら複数の取付けアームの内面に沿ってバーナチューブ
内の空気を噴出する空気噴出孔が前記連結板に設けら
れ、さらに、前記複数の取付けアームの縁部と保炎板の
縁部には、それぞれ外向きのバーリング縁が設けられて
いる構成である。

【０００８】請求項１の圧力噴霧式燃焼装置において
は、保炎板には固定具によって連結板に固定される複数
の取付けアームが一体に設けられているので、保炎板と
取付けアームとの連結部分がなくなり、従来のように、
熱応力の集中で連結部分が外れる心配がないばかりでな
く、部品点数が削減され、構造も簡素化される。また、
複数の取付けアームの内面に沿ってバーナチューブ内の
空気を噴出する空気噴出孔が連結板に設けられているの
で、取付けアームが空気噴出孔から噴出する空気によっ
て冷却され、そのため、保炎板や取付けアームの高温部
の熱が固定具に伝わるのを抑制でき、固定具の熱劣化が
防止される。

【０００９】請求項２の圧力噴霧式燃焼装置において
は、複数の取付けアームの縁部と保炎板の縁部には、そ
れぞれ外向きのバーリング縁が設けられているので、こ
れらバーリング縁にて取付けアームや保炎板が補強さ
れ、それらの熱変形を防止できる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態例を図
１ないし図５の図面に基づいて説明する。図１〜図５に
おいて、１は石油給湯機の外装体であり、この外装体１
内の一側には内部に燃焼室２が形成された瞬間加熱型の
熱交換器３が設置されており、この熱交換器３の側部下
方には、出力を約９，０００〜４０，０００ｋｃａｌ／
ｈの範囲内で調節可能な燃焼量可変式の圧力噴霧式燃焼
装置４が横向きに取り付けられており、この圧力噴霧式
燃焼装置４は送風ダクト５を介して送風機６と連通して
いる。また、前記熱交換器３内の上部にはフィン付きパ
イプ７が配設されており、このフィン付きパイプ７の一
端は給水管８を介して給水口９に、他端は給湯管１０を
介して給湯口１１に接続されている。

【００１１】さらに、前記熱交換器３の上側には消音用
マフラー１２が連設されており、この消音用マフラー１
２の上側には排気出口筒１３が外装体１の天板１Ａを貫
通する形で設けられている。また、前記送風機６の給気
入口６Ａには給気ダクト１４の下端部が接続されてお
り、この給気ダクト１４の上端部は外装体１の天板１Ａ
を貫通して外部に臨ませている。

【００１２】次に本発明による圧力噴霧式燃焼装置４に
ついて詳述する。圧力噴霧式燃焼装置４は、送風機６か
ら燃焼空気が供給される円筒状のバーナチューブ１５
と、後部が前記送風ダクト５内に突出した状態で前部が
前記バーナチューブ１５内に収容され、周壁及び底壁に
複数の一次空気孔１６Ａ、１６Ａ、１６Ｂが設けられた
内筒１７と、この内筒１７の底壁を貫通して噴出口部１
８Ａを内筒１７内に臨ませることにより、内筒１７で取
り囲まれた液体燃料噴出ノズル１８と、点火プラグ１９
と、液体燃料噴出ノズル１８及び点火プラグ１９を内筒
１７に固定する取付具２０と、周壁に多数の二次空気孔
２１、２１、２２、２２を有し、前記内筒１７先端の漏
斗状のリング板部１７Ａに連続してバーナチューブ１５
内に設けられた燃焼筒２４と、前記噴出ノズル１８の噴
出口部１８Ａよりも前方に位置して燃焼筒２４の基端部
に形成されたスタビライザ２５と、前記バーナチューブ
１５の先端部と燃焼筒２４の先端部とを連結する環状の
連結板２６とから構成されている。前記環状の連結板２
６は、図３に示すように、多数の三次空気孔２７、２７
が環状に配列して設けられており、また、前記燃焼筒２
４はスタビライザ２５側から先端部側に向かって内径を
３段に拡大させている。

【００１３】前記バーナチューブ１５の基端部には、外
向きフランジ１５Ａが設けられ、この外向きフランジ１
５Ａは、図２に示すように、取付板２８の傾斜部２８Ａ
にネジ（図示せず）止め装着されており、そして、前記
取付板２８を前記熱交換器３の側壁に設けた取付口筒２
９の取付フランジ２９Ａに固定することにより、前記圧
力噴霧式燃焼装置４は、先端部が前記燃焼室２に向かっ
て斜め下方に傾斜するように取付口筒２９に取り付けら
れており、その傾斜角度θは、水平線イに対して約１〜
５度に設定されている。

【００１４】前記内筒１７の周壁下部には、内筒１７の
周壁に設けた複数の一次空気孔１６Ａ、１６Ａのうち、
最も下の位置にある一次空気孔１６Ａに対応するように
樋３０が取り付けられており、この樋３０は内筒１７の
一次空気孔１６Ａから流出した液体燃料を受けてバーナ
チューブ１５内に導くように、その長さが設定されると
ともに、それの基部側から先端の滴液側に向かって下向
き傾斜している。

【００１５】また、前記樋３０の滴液側の先端部よりも
送風ダクト５側に位置する前記バーナチューブ１５の内
底部には、高さが約４〜６ｍｍに設定された堰３１が設
けられ、この堰３１は外向きフランジ１５Ａの近くのバ
ーナチューブ１５の基端部側の一部をプレス加工により
内向きに突出して設けたものである。

【００１６】３２は着火直後のばい塵の発生を抑制して
着火時の排気ガス性能を向上させる保炎板であり、この
保炎板３２は、互いに対向する位置から外向きに張り出
した円孤板状の二つの取付けアーム３３、３３を有し、
これら取付けアーム３３、３３は、耐熱ステンレス鋼板
によって保炎板３２と一体成形されている。そして、前
記取付けアーム３３、３３の外側端には、それぞれ固定
片部３３Ａ、３３Ａが折曲形成され、これら固定片部３
３Ａ、３３Ａを前記連結板２６に固定ネジ３４、３４で
締着固定することで、前記保炎板３２を液体燃料噴出ノ
ズル１８と略直角の状態で燃焼筒２４の前方に配置して
いる。

【００１７】また、前記連結板２６には、前記した多数
の三次空気孔２７、２７とは別に、前記取付けアーム３
３、３３のそれぞれの内面に沿ってバーナチューブ１５
内の空気を噴出する空気噴出孔３５、３５が設けられ、
これら空気噴出孔３５、３５は、図３及び図４に示すよ
うに、取付けアーム３３の根本部に対応する位置に開け
られており、その口径は前記三次空気孔２７、２７より
も大きく約２〜３ｍｍに設定されている。また、前記保
炎板３２と二つの取付けアーム３３、３３の両縁部に
は、それぞれ外向きのバーリング縁３６、３６が保炎板
３２から取付けアーム３３にかけて連続して設けられて
いる。

【００１８】次に、上述した圧力噴霧式燃焼装置４の動
作について説明する。着火時は、点火プラグ１９が動作
するとともに、燃料ポンプが運転して灯油などの液体燃
料が液体燃料噴出ノズル１８に送られる。また、送風機
６の運転により、送風ダクト５を介して燃焼空気がバー
ナチューブ１５内に供給され、一次空気が一次空気孔１
６Ａ、１６Ｂを通り内筒１７内に流れる。そして、一次
空気は液体燃料噴出ノズル１８から噴出した液体燃料と
ともにスタビライザ２５の中心の開口２５Ａを通り燃焼
筒２４内へ流れる。また、二次空気孔２１、２２を通っ
た二次空気は燃焼筒２４内に流れ、燃焼筒２４内にて液
体燃料と一次空気との混合燃料と混ざり、点火プラグ１
９によって着火されて燃焼し、火炎が燃焼筒２４の先端
から噴出する。そして、燃焼筒２４から噴出した火炎の
周りには三次空気孔２７、２７を通った三次空気が供給
され、燃焼が促進される。そして、上述した着火の際
に、液体燃料噴出ノズル１８から噴出された燃料と空気
との混合体が保炎板３２にて行手を遮られ、火炎が燃焼
筒２４の前方の燃焼室２全体に広がる前に燃焼筒２４の
先端近くで保炎されるため、着火後、速やかに安定燃焼
に移行し、着火直後のばい塵の発生が抑制される。

【００１９】本実施形態例では、燃焼筒２４の前方に配
置された保炎板３２には、固定ネジ３４、３４よって連
結板２６に固定される二つの取付けアーム３３、３３が
保炎板３２と一体成形されているので、熱応力が分散さ
れて保炎板３２と取付けアーム３３が分離することがな
く、耐久性が向上する上、部品点数を削減でき、しか
も、保炎板の取付構造の簡素化が図れる。

【００２０】また、前記連結板２６には、多数の三次空
気孔２７、２７とは別に、二つの取付けアーム３３、３
３のそれぞれの内面に沿ってバーナチューブ１５内の空
気を噴出する空気噴出孔３５、３５が設けられているの
で、取付けアーム３３を空気噴出孔３５から噴出する空
気によって冷却でき、保炎板３２や取付けアーム３３の
高温部の熱が固定ネジ３４に伝わるのを抑制でき、その
ため、固定ネジ３４は空気噴出孔３５を設けない場合と
比較して、約５０〜１００℃の温度低下となり、固定ネ
ジ３４の熱劣化を防止することが可能となり、固定ネジ
３４の取り外しが不可能となったり、固定ネジ３４の損
傷で保炎板３２が脱落するのを未然に防止することがで
きる。

【００２１】また、前記保炎板３２と二つの取付けアー
ム３３、３３の両縁部には、それぞれ外向きのバーリン
グ縁３６、３６が保炎板３２から取付けアーム３３にか
けて連続して設けられているので、バーリング縁３６、
３６にて取付けアーム３３や保炎板３２の強度が高めら
れ、それらの熱変形を防止できる。

【００２２】

【発明の効果】請求項１の圧力噴霧式燃焼装置において
は、保炎板には固定具によって連結板に固定される複数
の取付けアームが一体に設けられているので、熱応力が
分散されて保炎板と取付けアームが分離することがなく
なり、耐久性を向上できるばかりでなく、部品点数の削
減、及び取付構造の簡素化が図れ、しかも、複数の取付
けアームの内面に沿ってバーナチューブ内の空気を噴出
する空気噴出孔が連結板に設けられているので、取付け
アームを空気噴出孔から噴出する空気によって冷却で
き、そのため、固定具の熱劣化を防止することが可能と
なり、固定具の取り外しが不可能となったり、固定具の
損傷で保炎板が脱落するのを未然に防止することができ
る。

【００２３】請求項２の圧力噴霧式燃焼装置において
は、複数の取付けアームの縁部と保炎板の縁部には、そ
れぞれ外向きのバーリング縁が設けられているので、こ
れらバーリング縁にて保炎板や取付けアームが補強され
て、強度が高められるため、保炎板や取付けアームの熱
変形を抑制できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態例を示す圧力噴霧式燃焼装
置を説明する説明図である。

【図２】同じく圧力噴霧式燃焼装置の断面図である。

【図３】同じく保炎板を取り付けた状態の連結板の底面
図である。

【図４】同じく保炎板を取り付けた状態の連結板の断面
図である。

【図５】同じく本発明の圧力噴霧式燃焼装置を搭載した
石油給湯機を説明する説明図である。

【符号の説明】

４ 圧力噴霧式燃焼装置 ６ 送風機 １５ バーナチューブ １６Ａ 一次空気孔 １６Ｂ 一次空気孔 １７ 内筒 １８ 液体燃料噴出ノズル ２１ 二次空気孔 ２２ 二次空気孔 ２４ 燃焼筒 ２６ 連結板 ２７ 三次空気孔 ３２ 保炎板 ３３ 取付けアーム ３５ 空気噴出孔 ３４ 固定ネジ（固定具） ３６ バーリング縁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F23D 11/24 - 11/30

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 送風機から燃焼空気が送り込まれるバー
   ナチューブと、このバーナチューブ内に設けられ、液体
   燃料を噴出する液体燃料噴出ノズルと、一次空気孔を有
   し、前記液体燃料噴出ノズルを取り囲んで設けられた内
   筒と、二次空気孔を有し、前記内筒に連続してバーナチ
   ューブ内に設けられた燃焼筒と、三次空気孔を有し、前
   記燃焼筒の先端部とバーナチューブの先端部とを連結す
   る環状の連結板と、前記燃焼筒の前方に設けられ、液体
   燃料噴出ノズルに対して略直角な面を有する保炎板とを
   備えた圧力噴霧式燃焼装置において、前記保炎板には固
   定具によって連結板に固定される複数の取付けアームが
   一体に設けられ、かつ、これら複数の取付けアームの内
   面に沿ってバーナチューブ内の空気を噴出する空気噴出
   孔が前記連結板に設けられていることを特徴とする圧力
   噴霧式燃焼装置。
2. 【請求項２】 送風機から燃焼空気が送り込まれるバー
   ナチューブと、このバーナチューブ内に設けられ、液体
   燃料を噴出する液体燃料噴出ノズルと、一次空気孔を有
   し、前記液体燃料噴出ノズルを取り囲んで設けられた内
   筒と、二次空気孔を有し、前記内筒に連続してバーナチ
   ューブ内に設けられた燃焼筒と、三次空気孔を有し、前
   記燃焼筒の先端部とバーナチューブの先端部とを連結す
   る環状の連結板と、前記燃焼筒の前方に設けられ、液体
   燃料噴出ノズルに対して略直角な面を有する保炎板とを
   備えた圧力噴霧式燃焼装置において、前記保炎板には固
   定具によって連結板に固定される複数の取付けアームが
   一体に設けられ、かつ、これら複数の取付けアームの内
   面に沿ってバーナチューブ内の空気を噴出する空気噴出
   孔が前記連結板に設けられ、さらに、前記複数の取付け
   アームの縁部と保炎板の縁部には、それぞれ外向きのバ
   ーリング縁が設けられていることを特徴とする圧力噴霧
   式燃焼装置。