JPH07132841A - 自動車の操舵制御装置 - Google Patents

自動車の操舵制御装置

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JPH07132841A
JPH07132841A JP5282706A JP28270693A JPH07132841A JP H07132841 A JPH07132841 A JP H07132841A JP 5282706 A JP5282706 A JP 5282706A JP 28270693 A JP28270693 A JP 28270693A JP H07132841 A JPH07132841 A JP H07132841A
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hydraulic oil
steering mechanism
pressure
power
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Shigeru Kamiyama
繁 上山
Nobuhiro Totoki
信弘 十時
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動操舵運転時に、パワーシリンダに対して
迅速に作動油を供給するとともに、その供給圧力が高く
なり過ぎるのを防止する。 【構成】 ステアリングホイール1の操作力をアシスト
するパワーステアリング機構3と、車両の走行状況に応
じた操舵を自動的に行う自動操舵機構4と、上記パワー
ステアリング機構3もしくは自動操舵機構4から供給さ
れる作動油によってステアリングシャフト1を駆動する
パワーシリンダ2とを備えた自動車用の操舵装置であっ
て、上記ステアリングリング機構3および自動操舵機構
4に作動油を供給する油圧ポンプ9からなる共通の油圧
源と、自動操舵機構3の作動時に上記油圧源からパワー
シリンダ2に供給される作動油の圧力を調節する圧力制
御手段33を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステアリングの操作力
をアシストするパワーステアリング機構と、車両の走行
状況に応じた操舵を自動的に行う自動操舵機構とを有す
る自動車の操舵制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平4−205505号
公報に示されるように、ステアリング装置のステアリン
グロッドに設けられたパワーシリンダと、このパワーシ
リンダに対する油圧の給排を行うスプールバルブとを有
するパワーステアリング機構によってステアリングホイ
ールの操作力をアシストするように構成された自動車の
操舵制御装置において、上記スプールバルブの両端部に
臨むように一対の油圧室を形成するとともに、この油圧
室にパイロット圧を供給する自動操舵用バルブを設ける
ことにより、上記スプールバルブのスプールをその軸方
向に駆動して自動車の走行状況に対応した自動操舵運転
を行うようにしたものが知られている。また、上記スプ
ールバルブに代えてロータリバルブをパワーステアリン
グ機構に設けることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように自動操舵
運転時に、パワーステアリング機構を構成するロータリ
バルブ等を介してパワーシリンダに対する作動油の給排
制御を実行するように構成した場合には、ステアリング
ホイールの操作力に応じた適度のアシスト力を付与する
機能と、自動車の走行状況に対応した適正な角度に舵角
を設定する機能とを両立させることが困難であるという
問題がある。
【0004】すなわち、上記ロータリバルブは、ステア
リングホイールの操作力およびエンジン回転数等に応じ
てパワーシリンダに供給される作動油の圧力を制御する
圧力制御バルブからなっている。そして、上記自動操舵
運転時には、優れた操舵応答性を得るためにパワーシリ
ンダを迅速に作動させるとともに、上記パワーシリンダ
に供給される作動油の圧力が過大になるのを防止する必
要があり、このような機能を上記ロータリバルブに持た
せることは困難であった。
【0005】例えば、上記パワーシリンダを迅速に作動
させるために、図12の破線に示すように、バルブ開度
の増大に応じて作動油の供給圧力を急激に上昇させるよ
うに構成した場合には、上記パワーシリンダに供給され
る作動油の最大圧力が大きくなり過ぎるという問題があ
る。これに対して上記最大圧力を抑制するため、図12
の実線で示すように、バルブ開度の増大に応じて作動油
の供給圧力を徐々に上昇させるように構成した場合に
は、自動操舵運転時にパワーシリンダに対して迅速に作
動油を供給することができないという問題がある。
【0006】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、自動操舵運転時に、パワーシリンダ
に対して迅速に作動油を供給することができるととも
に、この作動油の供給圧力が高くなり過ぎるのを防止す
ることができる自動車の操舵制御装置を提供することを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
ステアリングホイールの操作力をアシストするパワース
テアリング機構と、車両の走行状況に応じた操舵を自動
的に行う自動操舵機構と、上記パワーステアリング機構
もしくは自動操舵機構から供給される作動油によってス
テアリングシャフトを駆動するパワーシリンダとを備え
た自動車用の操舵装置であって、上記パワーステアリン
グ機構および自動操舵機構に作動油を供給する共通の油
圧源と、自動操舵機構の作動時に上記油圧源からパワー
シリンダに供給される作動油の圧力を制御する圧力制御
手段とを設けたものである。
【0008】請求項2に係る発明は、パワーステアリン
グ機構に設けられたパワーステアリング用の制御バルブ
と、自動操舵機構に設けられた自動操舵用の制御バルブ
とを並列に設置するとともに、この自動操舵用の制御バ
ルブの下流側に、パワーシリンダに供給される作動油の
圧力を予め設定された基準値以下に規制する圧力制御手
段を設けたものである。
【0009】請求項3に係る発明は、自動操舵機構に油
圧源から供給される作動油を蓄える蓄圧手段を設け、自
動操舵運転時に上記蓄圧手段からパワーシリンダに作動
油を供給するように構成したものである。
【0010】請求項4に係る発明は、油圧源から吐出さ
れた作動油の供給流量をパワーステアリング機構の作動
特性に対応させて調節する流量調節手段を設けるととも
に、自動操舵運転時に、上記流量調節手段による作動油
の流量調節作用を規制するように構成したものである。
【0011】請求項5に係る発明は、油圧源から吐出さ
れた作動油の供給流量をエンジン回転数に応じて調節す
る流量調節手段を設けたものである。
【0012】請求項6に係る発明は、ステアリングホイ
ールの操作力をアシストするパワーステアリング機構
と、車両の走行状況に応じた操舵を自動的に行う自動操
舵機構と、上記パワーステアリング機構もしくは自動操
舵機構から供給される作動油によってステアリングシャ
フトを駆動するパワーシリンダとを備えた自動車用の操
舵装置であって、上記ステアリング機構および自動操舵
機構に作動油を供給する共通の油圧源を設けるととも
に、この油圧源から供給される作動油の圧力を上記パワ
ーステアリング機構の作動時と、自動操舵機構の作動時
とで変更する圧力変更手段を設けたものである。
【0013】
【作用】上記請求項1記載の発明によれば、共通の油圧
源から吐出された作動油がパワーステアリング機構もし
くは自動変速機構を介してパワーシリンダに供給され、
通常時には、パワーステアリング運転状態に適合した圧
力に設定された作動油がパワーステアリング機構を介し
てパワーシリンダに供給されて適正な操舵アシスト力が
得られることになる。また、自動操舵運転時には、圧力
制御手段によって自動操舵運転状態に適合した圧力に制
御された作動油が自動操舵機構を介してパワーシリンダ
に供給されて適正な操舵が行われる。
【0014】上記請求項2記載の発明によれば、自動操
舵運転時には、油圧源から供給された作動油が、自動操
舵運転用の制御バルブに供給されてその流通経路等が制
御された後に圧力制御手段の設置部に供給され、自動操
舵運転状態に適合した圧力に制御されてパワーシリンダ
に供給されることになる。
【0015】上記請求項3記載の発明によれば、自動操
舵運転時に、蓄圧手段によって蓄えられた作動油が、自
動操舵運転用の制御バルブを介して圧力制御手段の設置
部に迅速に供給されることになる。
【0016】上記請求項4記載の発明によれば、パワー
ステアリング運転時には、流量調節手段によって作動油
の供給流量がパワーステアリング機構の作動特性に応じ
て調節されることにより、自動車の運転状態に適合した
操舵アシスト力が得られることになる。また、自動操舵
運転時には、上記流量調節手段の作動が規制され、圧力
制御手段により所定圧に制御された作動油がパワーシリ
ンダに迅速に供給されることになる。
【0017】上記請求項5記載の発明によれば、パワー
ステアリング運転時には、作動油の供給流量が流量調節
手段によって調節されることにより、エンジン回転数の
変化に対応して操舵アシスト力が変動することが防止さ
れることになる。
【0018】上記請求項6記載の発明によれば、共通の
油圧源から吐出された作動油がパワーステアリング機構
もしくは自動変速機構を介してパワーシリンダに供給さ
れ、通常時には、パワーステアリング運転状態に適合し
た圧力の作動油がパワーステアリング機構を介してパワ
ーシリンダに供給されるように上記作動油の圧力が圧力
変更手段によって適正値に設定されることになる。ま
た、自動操舵運転時には、上記作動油の供給圧力が圧力
変更手段によって自動操舵運転状態に適合した値に変更
されることにより、上記自動操舵機構によって適正な操
舵が行われることになる。
【0019】
【実施例】図1は本発明に係る自動車の操舵制御装置の
実施例を示している。この操舵制御装置は、ステアリン
グ装置を構成するステアリングロッド1と、このステア
リングロッド1をその軸方向に摺動変位させるパワーシ
リンダ2と、このパワーシリンダ2に供給される作動油
の圧力を制御して上記ステアリングロッド1に付与され
る操舵アシスト力を制御するパワーステアリング機構3
と、上記パワーシリンダ2に供給される作動油の流通経
路を制御してステアリングロッド1の作動位置を制御す
る自動操舵機構4と、ステアリングホイールの操作角度
を検出する舵角センサ49とが設けられている。
【0020】上記パワーシリンダ2は、ステアリングロ
ッド1に外嵌されたシリンダ本体5と、上記ステアリン
グロッド1に固着されてシリンダ本体5の内部を左右の
油圧室6,7に区画するピストン8とを有している。そ
して、例えば上記シリンダ本体5の右方の油圧室7に作
動油が供給されると、左方の油圧室6内の作動油が外部
に導出されてステアリングロッド1が左方に摺動するよ
うになっている。
【0021】また、上記パワーステアリング機構3は、
図外のエンジンによって駆動される油圧ポンプ9と、こ
の油圧ポンプ9の吐出口に接続された作動油の供給ライ
ン10と、この供給ライン10上に設けられた温度計1
1、オイルフィルター12および切替バルブ13と、上
記供給ライン10に供給された作動油の圧力を制御する
パワーステアリング用の制御バルブ14と、この制御バ
ルブ14と上記パワーシリンダ2の両油圧室6,7とを
接続する作動油の給排ライン15,16と、上記制御バ
ルブ14とリザーブタンク17とを接続する作動油の排
出ライン18と、この排出ライン18上に設けられたオ
イルクーラ19とを有している。
【0022】そして上記油圧ポンプ9から切替バルブ1
3および供給ライン10を介して上記パワーステアリン
グ用の制御バルブ14に供給された作動油が、この制御
バルブ14によって圧力制御された後に、上記両給排ラ
イン15,16の何れか一方を介してパワーシリンダ2
に供給される。また、このパワーシリンダ2から導出さ
れた作動油が、両給排ライン15,16の他方から上記
制御バルブ14を介してリザーブタンク17内に排出さ
れるようになっている。
【0023】なお、上記油圧ポンプ9から供給ライン1
0に吐出された作動油は、その温度が上記温度計11に
よって計測され、この計測結果に応じて上記オイルクー
ラ19が作動することにより、上記作動油が所定温度に
冷却されるように構成されている。
【0024】上記パワーステアリング用の制御バルブ1
4は、図2ないし図4に示すように、ステアリングシャ
フトからなる入力軸20に直結されたロータ21と、ウ
ォームシャフトからなる出力軸22に連結されるととも
に、上記ロータ21に外嵌されたスリーブ23と、上記
作動油の供給ライン10、給排ライン15,16および
排出ライン18の接続口10a,15a,16a,18
aが形成されたバルブケース24とを有するロータリバ
ルブからなっている。そしてステアリングホイールの操
作力に応じ、上記入力軸20と出力軸22とを連結する
トーションバー25が捩じり変形して上記ロータ21と
スリーブ23との間に相対角変化が生じるこにより、作
動油の供給方向の切り替えと圧力制御とが実行されるよ
うに構成されている。
【0025】すなわち、ステアリングホイールが所定の
操作位置に保持されて上記スリーブ23が図3に示す中
立位置にある場合には、上記両給排ライン15,16の
接続口15a,16aがスリーブ23の外周面に形成さ
れた凹部23aを介して互いに連通するとともに、上記
供給ライン10の接続口10aと、排出ライン18の接
続口18aとが相連通するように構成されている。これ
によって上記中立位置においては、パワーシリンダ2の
両油圧室6,7が上記両給排ライン15,16を介して
互いに接続され、上記両油圧室6,7間の作動油の流れ
が許容されることになる。また、上記供給ライン10を
介して制御バルブ14に供給された作動油が、排出ライ
ン18を介してリザーブタンク17に戻されることにな
る。
【0026】また、ステアリングホイールが操作されて
上記ロータ21とスリーブ23との間に相対角変化が生
じると、例えば図4に示すように、上記供給ライン10
の接続口10aがスリーブ23の凹部23aを介して一
方の給排ライン16の接続口16aに連通するととも
に、上記排出ライン18の接続口18aがスリーブ23
の凹部23aを介して他方の給排ライン15の接続口1
5aに連通した状態となる。
【0027】上記操作位置においては、供給ライン10
からパワーステアリング機構3の制御バルブ14および
給排ライン16を介してパワーシリンダ2の右方の油圧
室7内に作動油が供給されるとともに、左方の油圧室6
内の作動油が上記給排ライン15および制御バルブ14
を介して排出ライン18に導出される。これによって上
記ピストン8およびステアリングロッド1が図の左側に
付勢されて操舵アシスト力が得られることになる。
【0028】上記の例と逆方向にステアリングハンドル
が操作されると、供給ライン10から上記制御バルブ1
4および給排ライン15を介してパワーシリンダ2の左
方の油圧室6内に作動油が供給されるとともに、右方の
油圧室7内の作動油が上記給排ライン16および制御バ
ルブ14を介して排出ライン18に導出される。これに
よって上記ステアリングロッド1を図の右側に付勢する
操舵アシスト力が得られることになる。
【0029】また、上記ステアリングホイールの操作量
が変化してロータ21とスリーブ23との相対角変化量
が増減すると、スリーブ23の凹部23aを介して連通
する上記供給ライン10と、給排ライン15,16の一
方との連通面積が変化して上記作動油の供給圧力が調節
される。さらに、同様にして上記排出ライン18と、給
排ライン15,16の他方との連通面積が変化して上記
作動油の排出抵抗が調節される。この結果、ステアリン
グホイールの操作状態に対応した操舵アシスト力が得ら
れることになる。
【0030】上記給排ライン15,16上には、図1に
示すように、両給排ライン15,16を同時に開閉する
一対の開閉バルブ26,27が並列に設置されている。
この両開閉バルブ26,27は、通常時に開放状態とな
って上記両給排ライン15,16と、制御バルブ14と
を導通させ、後述する自動操舵機構4の作動時に、上記
開閉バルブ26,27が閉止状態となって上記パワーシ
リンダ2の油圧室6,7から導出された作動油が上記制
御バルブ14に導出されるのを阻止するように構成され
ている。
【0031】上記自動操舵機構4は、一端部が上記切替
バルブ13に接続された作動油の供給ライン28と、こ
の供給ライン28に導入された作動油の流量および供給
経路を制御して上記パワーシリンダ2の作動位置を制御
する自動操舵用の制御バルブ29と、この制御バルブ2
9と上記パワーステアリング機構2の給排ライン15,
16とを連結する連結ライン30,31と、上記制御バ
ルブ29とパワーステアリング機構3の排出ライン18
とを連結する排出ライン32とを有している。
【0032】そして自動操舵運転時には、上記切替バル
ブ13が図の左方に駆動されてこの切替バルブ13から
供給ライン28に作動油が導入され、この作動油が自動
操舵用の制御バルブ29から上記両連結ライン30,3
1および両給排ライン15,16の何れか一方を介して
パワーシリンダ2に導入されるとともに、このパワーシ
リンダ2から導出された作動油が、両給排ライン15,
16および両連結ライン30,31の他方から上記制御
バルブ29および排出ライン32,18を介してリザー
ブタンク17内に排出されるようになっている。
【0033】上記自動操舵機構4の両連結ライン30,
31には、上記供給ライン28および自動操舵用の制御
バルブ29を介して供給された作動油の圧力を制御する
圧力制御手段33と、チェック弁を有するリリーフ通路
34とがそれぞれ設けられている。そして自動操舵運転
時に、制御バルブ29を介して供給された作動油の一部
を上記リリーフ通路34からリザーブタンク17側に導
出することにより、パワーシリンダ2に供給される作動
油の最大圧力が上記圧力制御手段33によって規制され
るようになっている。
【0034】なお、図例では、リリーフ通路34を制御
バルブ29に接続し、この制御バルブ29を介して作動
油をリザーブタンク17側に排出するようになっている
が、上記リリーフ通路34をリザーブタンク17に連通
する排出ライン18に直接接続した構造としてもよい。
【0035】また、上記両連結ライン30,31には、
上記パワーシリンダ2から導出された作動油の制御バル
ブ29への流入を阻止するチェックバルブ35と、この
チェックバルブ35をバイパスするバイパスライン36
とがそれぞれ設けられ、このバイパスライン36には、
上記パワーシリンダ2から導出された作動油の制御バル
ブ29への流入を許容するチェックバルブ37と、オイ
ルフィルタ38とが設けられている。これによって上記
パワーシリンダ2から導出された作動油が上記制御バル
ブ29に供給される際には、必ずオイルフィルタ38を
通過するように構成されている。
【0036】上記自動操舵用の制御バルブ29は、図5
および図6に示すように、上記供給ライン28、両連結
ライン30,31および上記排出ライン32の接続口2
8a,30a,31a,32aが形成されたバルブ本体
39と、このバルブ本体39内に摺動自在に設置された
スプール40と、このスプール40を中立位置に付勢す
るコイルスプリング41,41と、上記スプール40を
摺動変位させる比例ソレノイド42,42とを有してい
る。上記スプール40が中立位置に保持された通常時に
は、上記各接続口28a,30a,31a,32aがス
プール40によって閉止されて上記パワーシリンダ2に
対する作動油の供給および上記リザーブタンク17に対
する作動油の排出が遮断されるようになっている。
【0037】そして、後述のコントローラから出力され
る制御信号に応じて上記比例ソレノイド42が作動し、
図6に示すように、上記スプール40が一方に摺動する
と、このスプール40に形成された段部40aを介して
上記両連結ライン30,31の接続口30a,31aの
一方が、供給ライン28の接続口28aに連通するとと
もに、上記接続口30a,31aの他方が、バルブ本体
39に形成された連通孔43を介して排出ライン32の
接続口32aに連通した状態となって上記パワーシリン
ダ2に対する作動油の供給および排出が行われることに
なる。
【0038】また、上記スプール40の摺動方向を逆転
させることにより、上記供給ライン28および排出ライ
ン32に連通する連結ライン30,31が変化し、これ
に応じてパワーシリンダ2に対する作動油の流れが反転
する。さらに、上記比例ソレノイド42によってスプー
ル40の摺動量が制御されることにより、上記供給ライ
ン28と、連通ライン30,31の一方との連通面積が
変化してパワーシリンダ2に対する作動油の供給流量が
調節されるように構成されている。
【0039】このようにして上記パワーシリンダ2の油
圧室6,7に対する作動の供給方向および流量が調節さ
れてパワーシリンダ2の作動位置、つまりピストン8の
変位位置が制御されることにより、走行路の境界線部と
一定距離を維持しつつ走行する等の自動操舵運転が行わ
れることになる。なお、この自動操舵運転時に、ステア
リングホイールが操作された場合には、手動操作に応じ
てステアリング機構に付与される操舵力により、上記自
動操舵機構4の駆動力に抗して転舵が行われることにな
る。
【0040】上記切替バルブ13は、コントローラから
出力される制御信号に応じて選択的に切替制御されるこ
とにより、パワーステアリング運転時に、パワーステア
リング機構3の供給ライン10を連通状態とするととも
に、自動操舵機構4の供給ライン28を遮断状態とし、
自動操舵運転時に、上記パワーステアリング機構3の供
給ライン10を遮断状態とするとともに、自動操舵機構
4の供給ライン28を連通状態とするように構成されて
いる。
【0041】また、上記圧力制御手段33は、図7およ
び図8に示すように、リリーフ通路34の接続口34
a,34bが形成されたバルブ本体44と、このバルブ
本体44内に摺動自在に設置された弁体45と、この弁
体45によって上記リリーフ通路34の上流側接続口3
4aを閉止させる方向に上記弁体45を付勢するコイル
スプリング46と、このコイルスプリング46の後端支
持位置を変化させることによってその付勢力を調節する
比例ソレノイド47とを有する圧力制御バルブからなっ
ている。
【0042】上記圧力制御手段33は、通常時に図7に
示すように、上記弁体45が上記接続口34aを閉止す
ることにより、上記リリーフ通路34を介して作動油が
リザーブタンク17側に排出されるのを阻止するように
構成されている。そして、上記給排通路30,31を通
ってパワーシリンダ2側に供給される作動油の圧力が高
くなると、図8に示すように、上記弁体45が作動油に
押圧され、上記コイルスプリング46の付勢力に抗して
後退する。
【0043】この結果、リリーフ通路34の上流側接続
口34aからバルブ本体44内に作動油が流入してリリ
ーフ通路34の下流側接続口34bからリザーブタンク
17側に流出することにより、パワーシリンダ2に供給
される作動油の最大圧力が調節されることになる。ま
た、この実施例では、比例ソレノイド47によって上記
コイルスプリング46の付勢力を調節することにより、
上記圧力制御手段33によって規制される作動油の供給
圧力を制御するようになっている。
【0044】図9は、上記自動操舵機構4の制御を実行
する制御部を示している。この制御部には、マイクロコ
ンピュータを有する制御ユニット48と、ステアリング
ホイールの操舵角度を検出する舵角センサ49と、車速
を検出する車速センサ50と、方向指示器の作動状態を
検出する指示器センサ51と、白線等からなる走行路の
境界線部と車体と間の距離を検出する距離センサ52
と、自動操舵運転を行うことを選択するマニュアルスイ
ッチ53が設けられている。
【0045】そして上記マニアルスイッチ53がON状
態で、しかも車両が走行ラインから逸脱する可能性が高
い場合に、上記切替バルブ13を自動操舵運転位置に切
り替える切替信号と、上記パワーステアリング機構3の
開閉バルブ26,27を閉止状態とする制御信号と、車
体から上記境界線部までの距離を一定にするように上記
自動操舵機構4の制御バルブ29および圧力制御手段3
3を作動させる制御信号と、ブザー等からなる警報器5
4を作動させる指令信号とが制御ユニット48から出力
されるように構成されている。
【0046】上記制御ユニット48によって実行される
自動操舵運転の制御動作を図10に示すフローチャート
に基づいて説明する。上記制御動作がスタートすると、
まずステップS1において、マニュアルスイッチ53が
ON状態であるか否かを判定する。この判定結果がNO
である場合には、自動操舵制御の必要がないのでそのま
まリターンする。
【0047】上記ステップS1でYES判定された場合
には、ステップS2において、上記各センサ49,5
0,52の出力信号に基づいて現在の車速V0、走行路
の境界線部までの距離Lおよび舵角θhを読み込んだ
後、ステップ3において、上記舵角をθhを微分するこ
とにより、操舵速度dθhを算出する。
【0048】次にステップS4において、上記指示器セ
ンサ51の出力信号に基づいて方向指示器がOFF状態
であるか否かを判定する。この判定結果がNOとなって
方向指示器が作動状態にあることが確認された場合に
は、運転者が自動操舵運転を望んでいない状態であるこ
とが明確なため、ステップ6において、自動操舵運転の
制御状態を解除する。この結果、運転者によるステアリ
ングホイールの操作に応じ、パワーステアリング機構3
のアシスト力が得られる通常の運転状態となる。
【0049】また、上記ステップS4でYESと判定さ
れた場合には、ステップS5において、舵角θh、操舵
速度dθhをパラメータとして設定されたマップに基づ
いて車両の運転状態が所定領域にあるか否かを判定す
る。すなわち、舵角θhおよび操舵速度dθhが予め設
定されたしきい値以上の運転状態にあるか否かが判定さ
れる。上記ステップS5でYESと判定されて車両が上
記所定領域の運転状態にあることが確認された場合に
は、方向指示器がON状態でなくても、何らかの原因で
運転者が走行路を逸脱しようとする意思が明確であると
考えられるので、ステップS6に進み、自動操舵運転を
解除する。
【0050】上記ステップS5でNOと判定されて車両
の運転状態が上記所定領域にないことが確認された場合
には、ステップS7において、車体から走行路の境界線
部までの距離Lが、予め設定された第1しきい値L1よ
りも小さいか否かを判定する。この判定結果がYESで
ある場合には、車両が走行路を逸脱する可能性が高いた
め、ステップS8において、上記警報器53をON状態
とする制御信号を出力した後、ステップS9において、
車体から走行路の境界線部までの距離Lが、上記第1し
きい値L1よりも小さな値に設定された第2しきい値L
2よりも小さいか否かを判定する。
【0051】上記ステップS9でYESと判定されて車
体から上記境界線部までの距離Lが上記第2基準値L2
よりも小さいことが確認された場合には、上記距離Lを
確保するように自動操舵運転を実行する制御信号を自動
操舵機構4に出力する。すなわち、上記作動油の供給ラ
イン10に設けられた切替バルブ13を自動操舵機構4
側に切り替えるとともに、パワーステアリング機構3の
開閉バルブ26,27をそれぞれ閉止状態とした後、車
両の走行状況に対応させて上記制御バルブ29の比例ソ
レノイド42を作動させることにより、上記距離Lを一
定値に維持するように車両の転舵状態を制御する。
【0052】また、必要に応じて上記圧力制御手段33
の比例ソレノイド47を作動させることにより、上記パ
ワーシリンダ2に供給される作動油の最大圧力を調節し
て操舵速度を制御する。なお、上記ステップS6あるい
はステップS9における判定結果がNOである場合に
は、それぞれ上記ステップS1にリターンする。
【0053】このように共通の油圧ポンプ9からなる油
圧源によってパワーステアリング機構3および自動操舵
機構4に作動油を供給するように構成したため、簡単な
構成で操舵力をアシストするパワーステアリング運転
と、走行状況応じて舵角を一定に維持するようにパワー
シリンダ2の作動位置を制御する自動操舵運転とをそれ
ぞれ適正に行うことができる。
【0054】そして自動操舵機構4の作動時に、自動操
舵用の制御バルブ29からパワーシリンダ2に供給され
る作動油の圧力を圧力制御手段33によって制御するよ
うに構成したため、上記パワーシリンダ2を適正圧力で
迅速に作動させることができ、操舵応答性を良好状態に
維持しつつ、自動操舵運転時に過大な操舵力が上記パワ
ーシリンダ2からステアリングロッド1に付与されると
いう事態の発生を防止することができる。
【0055】すなわち、図11に示すように、バルブ開
度の増大に応じて作動油の供給圧力が急激に上昇するよ
うに、上記自動操舵機構4の制御バルブ29の作動特性
を設定することにより、上記自動操舵機構4が作動状態
となった時点で油圧ポンプ9から吐出された作動油を迅
速にパワーシリンダ2に供給することができる。また、
上記作動油の最大圧力を圧力制御手段33によって規制
するように構成したため、上記のように制御バルブ29
の作動特性を設定したにも拘らず、上記パワーシリンダ
2の最大駆動力を抑制して過大な操舵力が上記ステアリ
ングロッド1に付与されるのを防止することができる。
【0056】したがって、図12の実線で示すように、
バルブ開度の増大に応じて作動油の供給圧力を徐々に上
昇させるように構成した場合のように、自動操舵運転時
の操舵応答性が低下したり、図12の破線で示すよう
に、バルブ開度の増大に応じて作動油の供給圧力を急激
に増大させように構成した場合のように、上記パワーシ
リンダ2に供給される作動油の圧力が過大になるという
事態の発生を確実に防止することができる。
【0057】また、上記のように自動変速機構4の制御
バルブ29の下流側に圧力制御手段33を配設した構成
によると、圧力制御手段を制御バルブ29の上流側に配
設した場合に比べ、圧力制御手段33に供給される作動
油の圧力ゲインを高い値に設定できるため、上記パワー
シリンダ2を迅速に作動させて自動操舵運転時の操舵応
答性を向上させることができる。しかも、上記圧力制御
手段33によって適正圧に制御された作動油により、上
記パワーシリンダ2を作動させることができるため、上
記制御バルブ29内において作動油の供給圧力が降下す
ることに起因してパワーシリンダ2の作動圧が変動する
ことを効果的に防止することができる。
【0058】図13に示すように、自動変速機構4の供
給ライン28上に、油圧ポンプ9から吐出された作動油
を蓄えるプラダ形、ピストン形、金属べーローズ形、直
圧形、ばね式もしくはおもり式アキュームレータ等から
なる蓄圧手段55を設けた構造としてもよい。このよう
に構成した場合には、自動操舵機構4の作動直後に、上
記蓄圧手段55に蓄えられた高圧の作動油が上記制御バ
ルブ29等を介してパワーシリンダ2に供給されること
になるため、上記操舵応答性をさらに向上させることが
できる。
【0059】また、図14に示すように、上記パワース
テアリング機構3の供給ライン10上に、作動油の流量
を調節する流量調節バルブ56と、この流量調節バルブ
56の設置部をバイパスするバイパスライン57とを設
けるとともに、このバイパスライン57に開閉バルブ5
8を設けた構造としてもよい。そして、パワーステアリ
ング運転時には、上記開閉バルブ58を閉止状態として
上記供給ライン10を通って供給される作動油の流量
を、油圧ポンプ9の吐出圧に応じて制御し、かつ自動操
舵運転時には、開閉バルブ58を開放状態として上記流
量調節バルブ56の機能を停止させるように構成しても
よい。
【0060】上記流量調節バルブ56からなる流量調節
手段は、例えば図15に示すように、油圧ポンプ9の吐
出口に連通するポンプポート59、油圧ポンプ9の吸入
口に連通するサクションポート60および上記供給ライ
ン10に連通する接続口61が形成されたバルブ本体6
2と、このバルブ本体62内に摺動自在に設置された弁
体63と、この弁体63内に設けられた圧力調節ばね6
4と、上記弁体63をその先端部側に付勢する流量調節
ばね65とを有している。
【0061】上記油圧ポンプ9の吐出圧の低い通常時に
は、上記弁体63に形成されたメータリングオリフィス
66を介して上記ポンプポート59と供給ライン10の
接続口61とが連通し、油圧ポンプ9から吐出された作
動油の全てが上記供給ライン10の下流側に供給される
ようになっている。そして、上記油圧ポンプ9の吐出圧
が高くなると、図16に示すように、流量調節ばね64
の付勢力に抗して上記弁体63が後退して上記ポンプポ
ート59とサクションポート60とが連通し、油圧ポン
プ9から吐出された作動油の一部が油圧ポンプ9の吸入
口に戻されることになる。
【0062】これによってパワーステアリング運転時に
は、図17に示すように、エンジン回転数が一定値に上
昇して上記流量調節バルブ56が作動状態となった時点
で、この流量調節バルブ56を通過する作動油の流量が
一定値となる。したがって、車両の走行状態に応じて変
動するエンジン回転数の影響を受けて操舵アシスト力が
変化することを防止し、安定したステアリング操作を行
うことができる。
【0063】また、自動操舵運転時には、上記開閉バル
ブ58を閉止状態として上記流量調節バルブ56の機能
を停止させることにより、上記自動変速機構4の制御バ
ルブ29に供給される作動油の流量を十分に確保し、パ
ワーシリンダ2を迅速に作動させて操舵応答性を向上さ
せることができる。
【0064】なお、上記のようにエンジン回転数に応じ
て作動油の流量を調節するようにした構成に代え、車両
の走行速度等に応じて上記油圧ポンプ9からパワーステ
アリング機構3の制御バルブ14を介してパワーシリン
ダ2に供給される作動油の流量を調節するように構成し
てもよい。
【0065】また、上記実施例では、自動操舵機構4の
制御バルブ29と、パワーシリンダ2との間に圧力制御
手段33を設けているが、上記制御バルブ29の上流側
に位置する作動油の供給ライン28上に、圧力制御手段
を設けた構造としてもよい。また、図18に示すよう
に、上記供給ライン28に連通する作動油の排出ライン
18上にリリーフバルブからなる圧力制御手段67を設
けた構造としてもよい。このように構成した場合には、
単一の圧力制御手段によってパワーシリンダ2の両油圧
室6,7に供給される作動油の圧力をそれぞれ制御する
ことができ、油圧制御回路の構造を簡略化することがで
きる。
【0066】また、パワーステアリング機構3の給排ラ
イン15,16上に開閉バルブ26,27が設けられて
なる上記構成に代え、図18に示すように、パワーステ
アリング機構3の給排ライン15,16と、自動操舵機
構4の給排ライン30,31との接続部に切替バルブ6
8,69を設け、パワーステアリング運転時と、自動操
舵運転時とでこの切替バルブ68,69を切替操作する
ことにより、上記パワーシリンダ2に連通する給排ライ
ンを変更するように構成してもよい。
【0067】また、エンジンから上記油圧ポンプ9に伝
達される駆動力の減速比を変化させる可変機等からなる
圧力変更手段を設けた構造とすることもできる。そし
て、パワーステアリング機構3の作動時と、自動操舵機
構4の作動時とで、上記油圧ポンプ9の回転速度を変化
させることにより、パワーステアリング運転時に、適正
な操舵アシスト力を付与するとともに、自動操舵運転時
に、過大な圧力の作動油がパワーシリンダ2に供給され
るのを防止しつつ、パワーシリンダ2に適正圧の作動油
が迅速に供給されるように、この作動油の供給圧力を上
記圧力変更手段によって変更するようにしてもよい。
【0068】さらに、上記実施例では、パワーステアリ
ング機構3の制御バルブ14としてロータリーバルブを
用いているが、これに代えてスプールバルブタイプ等の
従来周知の制御バルブを用いてもよい。さらに、上記比
例ソレノイド42によって駆動されるように構成された
自動操舵機構4の制御バルブ29に代え、パイロット油
圧によって駆動される制御バルブ等を使用した構造とし
てもよい。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、共通の
油圧源によってパワーステアリング機構および自動操舵
機構に作動油を供給するように構成するとともに、自動
操舵機構の作動時に、自動操舵用の制御バルブからパワ
ーシリンダに供給される作動油の圧力を圧力制御手段に
よって制御するように構成したため、上記自動操舵用の
制御バルブから供給される作動油の圧力を迅速に上昇さ
せるように、その作動特性を設定することにより、自動
操舵運転時に、上記パワーシリンダを適正圧力で迅速に
作動させることができ、操舵応答性を効果的に向上させ
ることができる。
【0070】そして自動操舵用の制御バルブからパワー
シリンダに供給される作動油の圧力が上記圧力制御手段
によって規制されるため、上記パワーシリンダに供給さ
れる作動油の圧力が過大になることに起因して自動操舵
運転時における手動操舵機能が損なわれたり、パワーシ
リンダのシール性が損なわれたりするという事態の発生
を防止することができる。
【0071】また、パワーステアリング機構の制御バル
ブと、自動操舵機構の制御バルブとを並列に設けるとと
もに、この自動操舵機構の制御バルブの下流側に圧力制
御手段を配設するように構成した場合には、自動操舵運
転時に上記圧力制御手段の設置部に高圧の作動油を迅速
に供給することができるため、上記圧力制御手段を制御
バルブの上流側に配設した場合に比べて上記パワーシリ
ンダを迅速に作動させ、自動操舵運転時の操舵応答性を
向上させることができるという利点がある。
【0072】また、自動変速機構の油圧回路に油圧源か
ら吐出された作動油を蓄える蓄圧手段を設けた構成によ
ると、自動操舵機構の作動直後に、上記蓄圧手段に蓄え
られた高圧の作動油を上記パワーシリンダに迅速に供給
することができるため、上記油圧源の駆動力を有効に利
用して自動操舵運転時の操舵応答性をさらに向上させる
ことができる。
【0073】また、上記油圧源から吐出された作動油の
供給流量をパワーステアリング機構の作動状態に対応さ
せて調節する流量調節手段を設けるとともに、自動操舵
運転時に、上記流量調節手段による作動油の流量調節作
用を規制するように構成した場合には、パワーステアリ
ング運転時に、上記流量調節手段によって作動油の供給
流量を調節することにより、運転状態に適合した操舵ア
シスト力を得ることができるとともに、自動操舵運転時
に、上記流量調節手段の機能を停止させることにより、
油圧源から吐出された作動油をパワーシリンダに迅速に
供給して操舵応答性を向上させることができるという利
点がある。
【0074】また、パワーステアリング運転時に、上記
流量調節手段によって作動油の供給流量をエンジン回転
数に応じて制御するように構成した場合には、車両の走
行状態に応じて変動するエンジン回転数の影響を受ける
ことなく、上記作動油の供給流量を一定に維持すること
ができるため、操舵アシスト力が変化することを防止し
て安定したステアリング操作を行うことができる。
【0075】また、エンジンから油圧ポンプに伝達され
る駆動力の減速比を変化させる可変減速機等からなる圧
力変更手段を設けた構成によると、この圧力変更手段に
よって上記パワーステアリング機構の作動時と、自動操
舵機構の作動時とで、上記油圧ポンプ等の油圧源から供
給される作動油の圧力を変化させることにより、パワー
ステアリング運転時に、適正な操舵アシスト力を付与す
ることができるとともに、自動操舵運転時に、過大な圧
力の作動油がパワーシリンダに供給されるのを防止しつ
つ、パワーシリンダに作動油を迅速に供給することがで
きるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車の操舵制御装置の実施例を
示す油圧回路図である。
【図2】パワーステアリング用の制御バルブの具体構造
を示す縦断面図である。
【図3】上記パワーステアリング用の制御バルブの横断
面図である。
【図4】上記パワーステアリング用の制御バルブの作動
状態を示す横断面図である。
【図5】自動操舵用の制御バルブの具体構造を示す断面
図である。
【図6】上記自動操舵用の制御バルブの作動状態を示す
断面図である。
【図7】圧力制御手段の具体構造を示す断面図である。
【図8】上記圧力制御手段の作動状態を示す断面図であ
る。
【図9】油圧回路の制御部の構成を示すブロック図であ
る。
【図10】上記操舵制御装置の制御動作を示すフローチ
ャートである。
【図11】自動操舵用の制御バルブの作動特性と供給油
圧との関係を示すグラフである。
【図12】従来例に係る自動操舵用の制御バルブの作動
特性を示すグラフである。
【図13】本発明に係る自動車の操舵制御装置の別の実
施例を示す油圧回路図である。
【図14】上記操舵制御装置のさらに別の実施例を示す
油圧回路図である。
【図15】上記油圧回路に設けられた流量調節手段の具
体構造を示す断面図である。
【図16】上記流量調節手段の作動状態を示す断面図で
ある。
【図17】上記流量調節手段の作動特性を示すグラフで
ある。
【図18】上記操舵制御装置のさらに別の実施例を示す
油圧回路図である。
【符号の説明】
1 ステアリングロッド 2 パワーシリンダ 3 パワーステアリング機構 4 自動操舵機構 9 油圧ポンプ(油圧源) 14 パワーステアリング用の制御バルブ 29 自動操舵用の制御バルブ 33,67 圧力制御手段 55 蓄圧手段 56 量流調節手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールの操作力をアシス
    トするパワーステアリング機構と、車両の走行状況に応
    じた操舵を自動的に行う自動操舵機構と、上記パワース
    テアリング機構もしくは自動操舵機構から供給される作
    動油によってステアリングシャフトを駆動するパワーシ
    リンダとを備えた自動車用の操舵装置であって、上記パ
    ワーステアリング機構および自動操舵機構に作動油を供
    給する共通の油圧源と、自動操舵機構の作動時に上記油
    圧源からパワーシリンダに供給される作動油の圧力を制
    御する圧力制御手段とを設けたことを特徴とする自動車
    の操舵制御装置。
  2. 【請求項2】 パワーステアリング機構に設けられたパ
    ワーステアリング用の制御バルブと、自動操舵機構に設
    けられた自動操舵用の制御バルブとを並列に設置すると
    ともに、この自動操舵用の制御バルブの下流側に、パワ
    ーシリンダに供給される作動油の圧力を予め設定された
    基準値以下に規制する圧力制御手段を設けたことを特徴
    とする請求項1記載の自動車の操舵制御装置。
  3. 【請求項3】 自動操舵機構に油圧源から供給される作
    動油を蓄える蓄圧手段を設け、自動操舵運転時に上記蓄
    圧手段からパワーシリンダに作動油を供給するように構
    成したことを特徴とする請求項1記載の自動車の操舵制
    御装置。
  4. 【請求項4】 油圧源から吐出された作動油の供給流量
    をパワーステアリング機構の作動特性に対応させて調節
    する流量調節手段を設けるとともに、自動操舵運転時
    に、上記流量調節手段による作動油の流量調節作用を規
    制するように構成したことを特徴とする請求項1記載の
    自動車の操舵制御装置。
  5. 【請求項5】 油圧源から吐出された作動油の供給流量
    をエンジン回転数に応じて調節する流量調節手段を設け
    たことを特徴とする請求項4記載の自動車の操舵制御装
    置。
  6. 【請求項6】 ステアリングホイールの操作力をアシス
    トするパワーステアリング機構と、車両の走行状況に応
    じた操舵を自動的に行う自動操舵機構と、上記パワース
    テアリング機構もしくは自動操舵機構から供給される作
    動油によってステアリングシャフトを駆動するパワーシ
    リンダとを備えた自動車用の操舵装置であって、上記ス
    テアリング機構および自動操舵機構に作動油を供給する
    共通の油圧源を設けるとともに、この油圧源から供給さ
    れる作動油の圧力を上記パワーステアリング機構の作動
    時と、自動操舵機構の作動時とで変更する圧力変更手段
    を設けたことを特徴とする自動車の操舵制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008534373A (ja) * 2005-03-31 2008-08-28 キャタピラー インコーポレイテッド 電気液圧操舵制御システム

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