JPH07132051A - シュガーレス硬質コーティング方法及びこれにより得られた製品 - Google Patents

シュガーレス硬質コーティング方法及びこれにより得られた製品

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JPH07132051A
JPH07132051A JP6103106A JP10310694A JPH07132051A JP H07132051 A JPH07132051 A JP H07132051A JP 6103106 A JP6103106 A JP 6103106A JP 10310694 A JP10310694 A JP 10310694A JP H07132051 A JPH07132051 A JP H07132051A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、粉末状態の多価アルコールを用
い、製品の表面に硬質コーティングを容易にかつ迅速に
形成可能にする硬質コーティング方法を目的とする。 【構成】 この方法は、一方では、ソルビトール、マル
チトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトー
ル、ラクチトール及びイソマルトの中から選ばれた1つ
の多価アルコールを少なくとも90%含むシロップを塗
布すること、又他方では、この同じ多価アルコールの純
度が95%より上である一定量のパウダーを粉末形状で
塗布することから成り、これらの塗布は強制乾燥を行な
うことなく実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉末状態の多価アルコ
ールを用い、製品の表面に硬質コーティングを容易にか
つ迅速に形成可能な改良された硬質コーティング方法を
目的とする。
【0002】本発明はまた、この方法を応用して得られ
る硬質コーティング及びコーティングされた製品にも関
する。
【0003】本発明に関係する多価アルコールは、ソル
ビトール、マルチトール、アンニトール、キシリトー
ル、エリトリトール、ラクチトール及びイソマルトから
なるグループの中から選ばれた糖アルコールである。こ
れらの製品は、それぞれ、D−グルコース、マルトー
ス、フルクトース又はレブロース、キシロース、エリト
ロース、ラクトース及びイソマルツロース(isomaltulos
e)の水素添加によってそれぞれ工業的に得られる。
【0004】人間の食品のみならず薬学製剤及び食事療
法用製剤においてもそれが代用しようとしているサッカ
ロースに認められる風味よりも一般に劣る甘い風味をも
つ多価アルコールは、虫歯の元とならない。さらに、糖
のカロリー値の約3分の1と見積られるカロリー値のみ
を有するという利点を有する。
【0005】これらの多価アルコールは全て、多様な純
度をもつ粉末状で市販されている。アルファーD−グル
コピラノシル−1−6−ソルビトールとアルファーD−
グルコピラノシル−1−6−マンニトールの等分子混合
物に相応するイソマルトという特定のケースにおいて、
純度という概念は、本発明においては、化学的意味より
も広いもので解釈される。この概念は、対象のパウダー
の乾燥材料に関する上述の異性体分子の数量の和に相応
する。市販のイソマルトパウダーは、本発明の意味にお
いて95%を上まわる純度を示すことになる。
【0006】上述の多価アルコールのうち、今日ソルビ
トールのみが高純度のシロップの形で商品化されてい
る。これは、この多価アルコールの可溶性がその他の引
用された多価アルコールに比べて非常に高いという事実
によって説明がつく。非常に純度の高いこのようなソル
ビトールシロップは、例えば出願人によってNEOSO
RBR70/05及びNEOSORBR70/02の商標
で販売されている。以下に記すような方法は、上述の多
価アルコールにも応用することができる。
【0007】硬質コーティングは、糖菓及び薬剤の分野
を含む数多くの分野において利用されている作業であ
る。この作業は、着香料、甘味料、ビタミン、酵素、酸
味料、植物ベースの製品といった添加剤の業界にも関連
しうる。この作業は、さまざまな理由で保護を提供する
ため、或いは視覚的又は味覚的に人を魅きつけるものに
するため、固体又は粉末製品の表面に硬質コーティング
を作り上げることから成る。
【0008】硬質コーティングは、糖菓又はチューイン
ガムの場合につねに非常に好まれるカリカリと音のする
甘い層を得ることを目的としている。
【0009】このコーティングにはつねに結晶化可能な
材料を含むシロップを利用する必要がある。
【0010】硬質で結晶質のコーティングはこのシロッ
プを塗布した後、高温で乾燥した空気による乾燥によっ
てこのシロップが持つ水分を蒸発させることによって得
られる。所望の肥大率を得るためには、このサイクルを
約10回から80回というきわめて多くの回数繰り返す
ことが必要となる。
【0011】肥大率というのは、製品の最終重量に関係
づけされた、初期重量に対する作業終了時点で考慮され
た製品の重量の増大のことである。
【0012】硬質コーティングは、その他のコーティン
グ技術によっても行なうことができる。特に、以下のよ
うな技術がとり上げられるだろう。
【0013】アラビアゴム、変性でんぷん及びセルロー
ス、マルトデキストリンなどの一般に非吸湿性で結晶化
不可能な材料からなるシロップが利用される技術である
ゴム液塗布(又はワニス塗り)が使用される。この技術
は、コーティングすべき製品上にシロップを1度か2度
塗布した後、酸素、水又は脂肪性物質の移動に対するバ
リヤを成すガラス状のフィルムを作り出すことを可能に
する。この方法においては、これらの結晶化不可能なシ
ロップと一緒に、シロップがもつ水分を固定させるよう
な形でさまざまな性質のパウダーを利用することも可能
である。さらにその他のケースでは、溶剤に溶かされた
又は液化された多価アルコール又は糖が利用される。硬
質でかつ壊れやすいガラス状のコーティングは、このと
き、冷却又は溶剤の蒸発によって得られる。
【0014】ソフトコーティング化は、製品の表面に非
常に柔軟でソフトなコーティングを作り上げることから
成る。このコーティングは、一方では一般にでんぷん加
水分解生成物などの結晶化不可能なシロップ、そして他
方では一般に結晶化されたサッカロースのパウダーを繰
返し塗布することによって得られる。コーティングは通
常厚みの大きいものである。この技術における肥大率は
約10〜80%、時にはそれ以上である。シロップの構
成材料が通常パウダーのものと異なるという点に留意す
べきである。
【0015】本発明で使用する硬質コーティングという
語には又、糖衣がけ及びフロスティングといったきわめ
て類似の技術も含まれている。
【0016】糖衣がけは、硬質コーティングで用いられ
るものに比べてより希釈されている結晶化可能なシロッ
プの1回又は2回の塗布又は充填から成る。その目的は
往々にして、コーティングされた製品の表面の外観を完
璧なものにすることにある。
【0017】一方、フロスティングは、製品の外観を改
善することのみならず、製品を大気中の湿気から絶縁す
ることをも目的としている。この技術は、結晶可能なシ
ロップが用いられるという点で、硬質コーティングに似
ている。基本的な差異は、実施されるサイクル数が1回
か2回又は3回にすぎないという点にある。
【0018】本発明において、いわゆる硬質コーティン
グ、糖衣がけ、フロスティングならびにこれらの技術の
組合せに関心が寄せられている。硬質コーティングには
往々にしてその後1回の糖衣がけが行われる。これらの
コーティング過程のうちの複数のものが、ソルビトー
ル、マンニトール、キシリトール、水素添加されたでん
ぷんの加水分解生成物、マルチトール、ラクチトール、
エリトリトール及び水素添加されたイソマルツロースと
いった多価アルコールを利用して応用された。これらに
ついては文献内で豊富に記述されている。これらは大き
く2つのカテゴリに分類することができる。
【0019】方法の第1のグループは、特にソルビトー
ル及びキシリトールについて一般に広く工業的に利用さ
れている。これらの方法は、硬質コーティングに類似し
ており、コーティングしたい製品つまり一般には糖菓の
表面に対してシロップ又は結晶化可能な懸濁液を塗布す
ることから成る。ここで”結晶化可能な”という語は、
製品の表面に塗布される多価アルコールのシロップ又は
懸濁液が上述の多価アルコールのいずれか1つについて
充分濃度が高く、そのためコーティング用タービン内で
空気を用いて水を蒸発させることによって結晶質のコー
ティングが得られるようになっているということを意味
していると考えなくてはならない。
【0020】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】このよ
うな方法は、何度にもわたり記述されてきた。例を挙げ
ると、当該出願人が名義人であり、ソルビトールに関す
るものである特許EP37407号がある。同様に、こ
れも当該出願人が名義人である特許EP201412
号、及び特許EP273000及びUS4792453
も挙げることができ、これらはそれぞれ硬質コーティン
グにおけるマルチトール、キシリトール及びイソマルト
の利用に関するものである。
【0021】これらの方法は、糖を用いた伝統的な方法
と同じく多数のサイクルを含むということを特徴として
いる。反復するこれらのサイクルの各々はつねに、コー
ティングすべき製品の移動する土台上への多価アルコー
ルのシロップの墳霧という第1の段階、製品の表面での
このシロップの均質な分散を可能にする第2の段階、そ
して最後に、シロップが有する水分の蒸発ひいては塗布
された多価アルコールの結晶化を確実に行なう高温乾燥
空気の吹きつけによる乾燥という第3の段階を含んでい
る。
【0022】従って、これらの方法が一般に極めて緩慢
であるという欠点をもつということは容易に理解でき
る。このことは、個別の状態にとどまるべき製品が塊状
にかたまった状態にならないようにするため、非常に少
量のシロップを時間的に間隔をあけて何回も墳霧しなけ
ればならないという事実によって説明がつく。この量は
コーティングすべき製品1キログラムにつき約10〜3
0グラムであり、これは製品1キログラムにつき6〜2
0グラムの多価アルコール取り込み量に相当する。かく
して、品物の重量を約20%増大させるためには、数時
間さらには数日が必要である。
【0023】確かに、この重大な欠陥は、コーティング
用タービンの容量を増大するか又は墳霧、分散及び乾燥
のシーケンスの各々を最大限短縮する形で現場設備を自
動化するか、さらにはタービンの工場生産保有数を増大
することによって補正される。しかしこれらの補正対策
が、問題を根本から除去するものではなく必然的に無視
できない額の追加費用の形で現われることから非常に部
分的なものでしかない、ということに充分理解できる。
【0024】これらの方法のもう1つの重大な欠点は、
上述のような各サイクルの際に、エネルギーばかりでな
く特に時間も浪費する高温乾燥空気の吹きつけによる乾
燥の段階を必要とするという点にある。実際、この段階
は、1回のサイクルの所要時間のほぼ半分に当たる時
間、持続する。この乾燥段階の時間を短縮することは、
得られた連続的層を乾燥させることで結晶質の硬質コー
ティングを調製するためにこの段階を回避することが不
可能であることから、困難ひいては不可能である。
【0025】シロップの利用をパウダーの利用と組合わ
せる2番目のカテゴリーの多価アルコールによるコーテ
ィング方法が存在する。シロップ用の主要な多価アルコ
ールが、パウダー内に主要なものとして存在する多価ア
ルコールと同じか性質的に異ならないものである、とい
うことに留意されたい。
【0026】ソフトなコーティングにより類似するこの
カテゴリの方法は、なおも、以下で詳述する本発明と大
きく異なっている。
【0027】このような方法については、文献中に充分
記述されている。特に以下のものによって開示されてい
る方法を挙げることができる。
【0028】45%〜90%のソルビトールを含むコー
ティングに関する米国特許4238510号に記載され
た方法;糖菓製品のコーティングは、タービン内での高
温乾燥空気による乾燥及び多価アルコールのシロップ及
びソルビトールとマンニトールのパウダー混合物の塗布
によって得られる。この方法は、数日を要しつねに非常
に長いものである。その上、柔らかい表面コーティング
を調製することしかできず、一般に消費者が望むような
硬質でかりかりと音を立てるコーティングは全く調製で
きない。
【0029】ソルビトールによるコーティングに関する
特許出願明細書W091/09989に記載された方
法;この方法は、ソフトなコーティング方法に類似して
いるものの、前述の当該出願人の特許EP37407号
において記述されているものの要領で硬質で壊れやすい
きわめて結晶質のコーティングされた層を得ることしか
真の目標としていない。多数のコーティングサイクルの
各々に際して乾燥を行なうことが必要であることから、
この方法は、重大な時間的節約を生み出す可能性はある
もののなお完全に満足のいくものではない。
【0030】
【課題を解決するための手段】出願人は、上述の欠点を
もたない、すなわち次のような利点を全て有する、糖の
代用作用物質として有利な多価アルコールを利用する硬
質コーティング方法を完成することがつねに求められて
きたということに気づき、以下の優位点を有する方法を
発明するに至った。:非常に迅速であり、そのため著し
い時間の節約ひいては大きな容量の節約を可能にすると
いう利点;工業的に設置するのが簡単であるという利
点;非常に品質が高く、べとつかず、経時的に著しく外
観又は感触が変化しないコーティングされた製品の調製
を可能にするという利点。
【0031】最終製品の質がそのために低下することな
く、硬質で結晶質のコーティングの生成を可能にする、
既知の方法を時間面及びエネルギー面で経済的なものに
することを目的に、技術的現状を改善することを望み、
当該出願人は、予想外にも、又驚くべきことに、当業者
が習慣的に作ってきたもの及びかかる結果を得るべく先
行技術において与えられた推奨事項に従って行なうのが
合理的であったものとは反対に、コーティングの各サイ
クルの際に空気吹きつけによる乾燥段階を行なう必要は
なく、製品の包装の前のわずか数時間の待機を利用し
て、きわめて硬質で壊れやすく同様に歯に触れてカリカ
リ音を立てるコーティングを得ることができることを確
認した。
【0032】非常に純度の高い多価アルコールのパウダ
ーと、その可溶性乾燥材料に関して同じ多価アルコール
を半分以上含む結晶化可能なシロップを各サイクルに際
して組合わせることによって、この目標が達成される。
本発明に従った方法は、時間及びエネルギーを浪費する
高温乾燥空気流束による乾燥という多数の段階がもはや
必要でなくなることから、先行技術のものに比べて時間
もエネルギーも短縮される。得られる節約は、望まれる
肥大率が高いだけなおさら大きいものである。
【0033】満足のいく品質的結果すなわちコーティン
グされた製品に対する優れた接着性を示しながらべたつ
かず又経時的に安定したコーティングを得るために、出
願人は、一方ではその可溶性乾燥材料において90%以
上の1つの多価アルコールを含むシロップと、他方では
この同じ多価アルコールについて95%以上の純度を示
すパウダーを利用するのが適切であることを確認した。
【0034】従って本発明は、製品の表面にタービンを
用いて硬質でかつカリカリと音を立てるコーティングを
作り出すことを可能にする硬質コーティング方法であ
り、その可溶性乾燥材料において、ソルビトール、マル
チトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトー
ル及びイソマルトの中から選ばれた1つの多価アルコー
ル90重量%以上で構成されているシロップを塗布する
段階と、この同じ多価アルコールについて純度が95重
量%より上のパウダーを粉末形状で塗布する少なくとも
1つの段階と、塗布されたシロップとパウダーを均一に
分散させる段階とからなる少なくとも一つのサイクルを
有し、前記塗布段階は任意の順序で実施される、硬質コ
ーティング方法において、このサイクルには空気流束に
よる強制乾燥段階が含まれないことを特徴とする方法に
関する。
【0035】適用されるパウダーの純度は、好ましくは
98%より上、より好ましくは99%より上である。こ
のような製品は市販されている。例えば、ソルビトール
についてはNEOSORBR、キシリトールについては
XYLISORBR、イソマルトについてはPALAT
INITR、 マルチトールについてはMALTISOR
R、マンニトールについてはPEARLITOLRそし
てラクチトールについてはL ACTYRという商標で販
売されているパウダーが知られている。
【0036】多価アルコールのシロップに関しては、ソ
ルビトールの場合、NEOSORBR70/05の商標
で市販されている製品、又さらに良いのはNEOSOR
R70/02という製品を直接利用することができ
る。あらゆる場合において、用いられるシロップは、本
発明に従った方法に適合する、多価アルコールパウダー
を原料に調製可能である。
【0037】本発明の一般的な実施態様に従うと、コー
ティングすべき製品は、遠心脱水すなわち、コーティン
グ用タービンの中での回転運動に付される。このタービ
ンは、通常の形状すなわち、回転軸が傾斜したチューリ
ップ形状又は水平軸を伴う円筒形状を有していてよい。
このとき好ましくはつねにタービンへの導入の前又は後
で除塵されている製品は、コーティング作業を容易にす
るため好ましくは球形、円筒形又は卵形をしているが、
クッション形又はドロップの形をしていてもよい。
【0038】本発明に基づく方法は、非常に多様な製品
のコーティングを可能にする、つまり、例えばチューイ
ンガム、タブレット、菱形菓子、ゼリー、洋酒入りボン
ボン、チューイングペースト、ハードキャンディ、チョ
コレート製品といった糖菓などの食料品だけではなく、
丸剤、錠剤、家畜用製品といった薬学又は獣医学製品、
植物顆粒などの食事療法用製品、種又は種子、塊状粉末
肥料或いは又パンのような食料品又は洗剤といった工業
製品の製造を特に目的とする酵素又は微生物ベースの添
加剤、ビタミン、着香料、フレーバー、酸味料、甘味料
又はさまざまな有効成分で構成された粉末添加剤であ
る。
【0039】本発明の一般的実施態様に従うと、この方
法は、選ばれた多価アルコールのシロップを用いて移動
中の製品の表面を均等にスプレーすることから成る。こ
れらの製品は場合によっては従来の技術に従って予めゴ
ム液塗布しておくことができるという点に留意された
い。次に粉末の形で、高純度の同じ多価アルコールのパ
ウダーを一定量付加する。パウダーを分散させた後、新
たにスプレー−パウダー付加のサイクルを実施すること
ができる。この場合、第2のサイクルは好ましくは、製
品表面の乾燥を可能にするため第1のサイクルから数分
の間隔をおく。本発明に従った方法が、粉末の形で高純
度の多価アルコールパウダーを少なくとも1回、好まし
くは2回塗布することを必要とするということに留意さ
れたい。これらの塗布は、本発明において1つのサイク
ルでは一回の多価アルコールシロップの塗布として定義
づけされることを了解した上で、同一のサイクルの際に
又は異なるサイクルの際に実施することができる。
【0040】その一般的実施態様において本発明に基づ
く方法は、つねに、先行技術の方法に比べはるかに短い
ものである。例えば、50%前後の非常に高い肥大率が
3時間以内で得られる。さらに低い率つまり約20%の
率については、最大に半分未満の時間つまり一般に約1
時間、すなわち結晶化可能なシロップのみを利用する先
行技術の方法の6分の1を見込んでおけば十分である。
【0041】利用すべき高純度の多価アルコールパウダ
ーに関しては、250ミクロン以上の直径の粒子を10
%未満、40ミクロン未満の直径の粒子を10%未満有
する細かいパウダーを利用するのが好ましい。理想的な
パウダーは80ミクロンから100ミクロンの間の平均
直径を有する。
【0042】シロップの温度は一般に室温であるが、シ
ロップの分散の規則性を高めるために、コーティングシ
ロップの粘度を300センチポイズ未満にまで低下させ
ることを可能にする、より高い温度を選択することが可
能である。
【0043】正常な条件下では、シロップの乾燥材料
は、その温度及び選ばれた多価アルコールの性質に応じ
て40%〜85%である。これらのシロップは、理想的
なものとなるためには0.5〜5%のゼラチン、アラビ
アゴム又は変性セルロースそして場合によっては0.5
〜2%の炭酸カルシウム、酸化チタン又は食品着色料と
いった色素を含むことができる。
【0044】しかしながら、90%を越える、好ましく
は92%を越えるさらに好ましくは95%を越える単一
の多価アルコールを含むシロップがつねに利用される;
なおこれらの率は可溶性乾燥材料に関して計算される。
これらのシロップは、90%より上の純度をもつパウダ
ーから調製できる。
【0045】製品をコーティングするために必要なサイ
クル数は、硬質コーティングについては1〜10回、糖
衣がけについては1〜3回、そしてフロスティングにつ
いては1〜5回である。各サイクルは、フロスティング
又は硬質コーティングの場合50%〜85%の乾燥材料
をもつシロップ5〜35ミリリットルをスプレーし、そ
して糖衣がけの場合には40〜60%の乾燥材料のシロ
ップ15〜50ミリリットルをスプレーすることからな
る。1キログラムの製品をコーティングするために各サ
イクルで有効な量に相応するこれらの数量は、製品の性
質特にその多孔度に応じて変化する。一回又は複数回の
サイクル中にもたらされる多価アルコールパウダーの量
は、一般にコーティングすべき製品1キログラムあたり
5〜70グラムであり、糖衣がけの際には最も低い値が
好まれる。
【0046】2つのサイクルの間の分散段階は、好まし
くは、最初の塗布の際には好ましくは約5分間持続す
る。この時間は、漸進的に削減でき、コーティングの終
りでわずか約2分に達しうる。
【0047】最終硬質コーティング内の多価アルコール
の含有量は、フロスティングまたは硬質コーティングの
場合には95〜99.5%好ましくは98〜99.5%
に達する。この含有量は、糖衣がけの場合80%強にす
ぎない。
【0048】商品化を目的とした製品のコーティングに
おいて粉末の形でもたらされる多価アルコールパウダー
の量に関していうと、これは、フロスティング及び硬質
コーティングについては一般に65〜90%、糖衣がけ
については40〜80%である。
【0049】本発明に従った方法は、コーティングすべ
き1つの選ばれた物について、先行技術に基づく既知の
もう1つの糖衣作業又はコーティング作業の前又は後に
行なうことができる。同じ物について、コーティングさ
れた層の一部分のために第1の多価アルコールを又もう
1つの部分のために第2の多価アルコールを選ぶことに
より本発明に従った方法を応用することも可能である。
【0050】最後に、従来の糖衣がけは製品の外観を改
善することができる。その視覚的外観を改善しながら、
コーティングに不浸透性を与えることを目的とした脂肪
性物質又はワックスの使用も同様に考慮することができ
る。
【0051】上記本発明の利用により、包装の前の数時
間の貯蔵後、カリカリという音を立てるコーティングを
もつ製品を得ることが可能となる。高温乾燥は必ずしも
必要ではない。好ましくは、製品は単に乾燥した環境内
で数時間保存されるだけである。
【0052】本発明は同様に、新しい製品として、95
%より上好ましくは98%より上さらに好ましくは99
%より上の純度をもつ多価アルコールパウダー5%以
上、好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%〜
99.5%で構成されている、製品を保護するか又は美
化することを目的とする表面の硬質コーティングに関す
る。多価アルコールは、マルチトール、マンニトール、
キシリトール、エリトリトール及びイソマルトの中から
選択される。この硬質コーティングは、シロップのみを
用いて硬質コーティングを行なって得ることのできるも
のに比べて非常に高い結晶度を示す。例えば、マルチト
ールの場合、本発明に従った硬質コーティングは、12
0ジュール/グラムより上、通常は145ジュール/グ
ラム前後の融解エンタルピー並びに145℃以上の融解
ピークを有する。比較を目的として、マルチトールに関
する特許EP201412の教示に従って作業した場
合、良くても110ジュール/グラムのエンタルピー及
び140℃の最高融解ピークを達成することしかできな
い。
【0053】一般に、本発明に基づくコーティングの結
晶度は、その融解エンタルピーが、その最も安定した又
は最も一般的な商業的結晶状態において考慮したとき、
それを構成する多価アルコールのものの70%以上好ま
しくは80%以上であるようなものである。従って、例
えば比較用多価アルコールとして、ガンマ形状の結晶化
ソルビトール及びラクチトール1水和物を選択する。
【0054】以上に記述した本発明に従った方法の利用
手段は、本発明を限定するものではなく、有利で好まし
い実施手段に関するものである。この方法の実施の柔軟
性及び迅速性ならびに以上に列挙したその数多くのその
他の利点は、おそらく、以下に続く実施例に照らし合わ
せてより良く理解できることだろう。
【0055】
【実施例】
(実施例I) 本発明に従った方法と先行技術に基づく方法の比較 1.使用製品 多価アルコールすなわちシロップLYCASINR80
/55とソルビトールパウダーNEOSORBRP60
で配合組成決定され、幅約1センチメートルに対して長
さ2センチメートルのクッション(長方形)の形をした
チューインガムを、カリカリという音を立てる硬質コー
ティングを得るため本発明に従った方法に基づいてコー
ティングする。
【0056】比較の対象として、同じ製品を、特許EP
037407(実施例4,試験NO.16 )、特許出願WO
91109989(実施例1)及び特許US42385
10(実施例1)の中で記された方法に従って、ソルビ
トールでコーティングする。
【0057】本発明の実施に際しては、以下のものを利
用する;NEOSORBR70/02という商標で市販
されている70%の乾燥材料を有するソルビトールシロ
ップ。
【0058】このシロップに、その乾燥材料において2
%のゼラチンを添加する。このシロップは60℃で使用
される。
【0059】及び、NEOSORBRP100の商標で
市販されている非常に高純度のソルビトールの細かいパ
ウダー。
【0060】上記特許及び特許出願で開示されている方
法を再現するためには、以下のものを利用する:特許E
P037407に記述されている方法の場合においては
40℃の温度で非常に高純度のソルビトールシロップN
EOSORBR70/02のみ。
【0061】特許出願W091/09989において記
述されている方法に従って、ゴム液塗布、強制コーティ
ング及び硬質コーティングに際して20℃で利用されて
いる懸濁液AI及びAIIを調製するためにはシロップN
EOSORBR 70/02、又強 制コーティング段階
中はソルビトールパウダーNEOSORBRP100。
【0062】特許US4238510に記されている、
2つのシロップを処方するためのソルビトールシロップ
NEOSORBR70/02及び粉末組成物を調製する
ためのソルビトールパウダーNEOSORBRP10
0;なお、シロップは、指示通り49℃に維持される。
【0063】2.条件 本発明の硬質でカリカリ音をたてるコーティングを実施
するため、チューインガムのクッション(長方形)1キ
ログラムを20回/分の速度で回転中のコーティング装
置内に入れる。
【0064】ソルビトールシロップを一回目に15ミリ
リットルの割合で適用する。1〜2分後ソルビトールパ
ウダーを30グラム量を添加する。空気流束による乾燥
を行なうことなく、1分間クッションの表面を乾燥させ
る。
【0065】このサイクルを、塗布のテンポ及び投入量
を増大させながら5回くり返す。最後のサイクルの際に
投入されるシロップ量は35ミリリットルである一方、
パウダーの量は50グラムである。
【0066】最終的にクッションは15分間回転運動状
態に置かれる。30%の肥大率に対して、コーティング
の合計持続時間は50分である。
【0067】先行技術の方法に関して;同等の肥大率を
得るためには、特許EP037407に記されている方
法に従うと、60サイクルが実施されなくてはならな
い。必要な時間は約6時間である。
【0068】出願明細書W091/09989中に記さ
れているように作業を進める場合には、17サイクルで
類似の肥大率を得ることができる。結果は約2時間で得
られる。
【0069】特許US4238510に示されている指
示に従うと、同等の厚みのコーティングを得るには10
サイクルで充分であるが、これに到達するために必要な
時間は、仕上げに進む前に得られた層を乾燥させるため
コーティングを停止させる必要があることを考慮に入れ
て、少なくとも24時間である。
【0070】3.得られた製品の特徴 上述の2つのタイプの製品のコーティングのカリカリ性
と硬さを、製造後1日目、2日目及び7日目に比較す
る。
【0071】感覚器刺激性データ コーティングされた4つのタイプのチューインガムの歯
ざわり感触を、目かくし試験1回あたり7人の試食審査
員が評価する。
【0072】US4238510の方法に従ってコーテ
ィングしたチューインガムは、製造後1日目及び7日目
の両方においてカリカリ特性が不充分であるとして不合
格と判断されている。
【0073】1日目に、審査員は、他の3つの製品の間
にわずかな差異を見つけ、最も満足のいく製品は、特許
EP037407に従って得たものであり、次に出願明
細書W091/09989の指示に従って調製された製
品が続いている。本発明に従った製品は、歯ざわり硬度
がやや低いと思われる。
【0074】2日目と7日目に、これら3つのタイプの
チューインガムは、全く同一と判断された。
【0075】インストロン硬度データ 剛性テーブル上に置かれたコーティングされたチューイ
ンガムの中にパンチを押し込むことから成る試験を利用
する装置を用いて1日目に硬度を測定する。コーティン
グされた製品のコーティングが破断するまで時間の経過
に応じての圧壊力を記録する。
【0076】5回の測定について平均して得られた硬度
は、特許US4238510に従った製品については約
5mm-1 EP037407に従った製品については17mm-1
び出願明細書WO91/09989に従った製品につい
ては15.5mm-1であるのに対し、本発明に従って得
られた製品については約15mm-1に等しいことがわか
ったため、得られた硬度データは上述の結果を裏付けて
いる。
【0077】換言すると、本発明に基づく製品は、1日
後、先行技術のものと同一である。製品は、この面で先
行技術の最も優れた技術に従って作業する場合に必要な
時間の2分の1の時間で得ることができる。乾燥の工程
は全く必要としない。
【0078】従って、本発明に基づく方法は、先行技術
で記述された技法との関係において時間及びエネルギー
面で非常に経済的である。
【0079】(実施例II)イソマルト、マルチトール及
びキシリトールを使用する本発明に従った硬質コーティ
ング方法
【0080】実施例Iに記述されている方法を再度用
い、ソルビトールのシロップ及びパウダーを次のものと
置換して同じチューインガムを用いる:PALATIN
ITRという商標で市販されているイソマルトのパウダ
ー及び乾燥材料65%で1%の酸化チタンとこのパウダ
ーから調製したイソマルトシロップ。なおシロップは6
0℃で適用される。
【0081】XYLISORBRという商標で当該出願
人が商品化しているキシリトールパウダー及び乾燥材料
75%でこのパウダーから調製されたキシリトールシロ
ップ。シロップは60℃の温度で適用される。MALT
ISORBRという商標で当該出願人が商品化している
マルチトールパウダー及び乾燥材料65%でこのパウダ
ーから調製されたマルチトールシロップ。シロップは同
じく60℃の温度で適用される。
【0082】約25%の肥大率で3つのケースにおいて
1時間以内に得られたコーティング製品は、実施例Iの
試食審査員により試食される前に2日間貯蔵される。
【0083】感触に関しては、イソマルト及びマルチト
ールベースの製品は、きわめてカリカリ特性をもつと判
断されている。キシリトールを用いたコーティング製品
は、充分に硬質ではあるもののカリカリ特性が比較的低
いコーティングを当している。
【0084】一方味に関しては、キシリトール及びマル
チトールを用いてコーティングされた製品が群を抜いて
好ましい。
【0085】全体的に、マルチトールでコーティングさ
れたチューインガムが、感覚器刺激性に関して最も優れ
た特徴を示すようである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製品の表面に遠心脱水によって硬質コー
    ティングを形成可能な硬質コーティング方法であり、 その可溶性乾燥材料に関して、ソルビトール、マルチト
    ール、マンニトール、キシリトール、エリトリトール及
    びイソマルトの中から選ばれた1つの多価アルコール9
    0重量%以上で構成されているシロップを塗布する段階
    と;上記で選ばれたものと同じ多価アルコールに関して
    純度が95重量%より上のパウダーを粉末形状で塗布す
    る少なくとも1つの段階と、 塗布されたシロップ及びパウダーを均一に分散させる段
    階とからなる少なくとも一つのサイクルを有し、 前記の塗布段階は任意の順序で実施される硬質コーティ
    ング方法において、 このサイクルは空気流束による強制乾燥段階が含まれて
    いないことを特徴とする硬質コーティング方法。
  2. 【請求項2】 塗布されるパウダーの純度が98%より
    上好ましくは99%より上であることを特徴とする、請
    求の範囲第1項に記載の硬質コーティング方法。
  3. 【請求項3】 塗布されるシロップが、塗布される多価
    アルコールのパウダーから調製されることを特徴とす
    る、請求の範囲第1項又は第2項に記載の硬質コーティ
    ング方法。
  4. 【請求項4】 塗布されるパウダーからなるシロップも
    また、0.5〜5%のゼラチン、アラビアゴム又は改質
    セルロース及び場合によっては0.5〜2%の炭酸カル
    シウム、酸化チタン又は食用溶剤などの色素を含んでい
    ることを特徴とする、請求の範囲第3項に記載の硬質コ
    ーティング方法。
  5. 【請求項5】 コーティングすべき又はすでにコーティ
    ングされている製品が食料品、家畜用品、薬剤又は獣医
    用製剤、食事療法用製品、種又は種子、粉末肥料或いは
    酵素、微生物、ビタミン、着香料、フレーバー、酸味
    料、甘味料又は有効成分をベースとした添加剤であるこ
    とを特徴とする、請求の範囲第1項に記載のコーティン
    グ方法。
  6. 【請求項6】 製品を保護するか又は美しくすることを
    目的とする表面コーティングであり、純度が95%より
    上好ましくは98%より上さらに好ましくは99%より
    上である多価アルコールのパウダー5%以上、好ましく
    は15%以上、より好ましくは20〜99.5%で構成
    されており、この多価アルコールがマルチトール、マン
    ニトール、キシリトール、エリトリトール、ラクチトー
    ル及びイソマルトの中から選択されている表面コーティ
    ング。
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