JPH0713187A - 高分子分散液晶記録媒体及び情報再生方法及び装置 - Google Patents

高分子分散液晶記録媒体及び情報再生方法及び装置

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JPH0713187A
JPH0713187A JP16218093A JP16218093A JPH0713187A JP H0713187 A JPH0713187 A JP H0713187A JP 16218093 A JP16218093 A JP 16218093A JP 16218093 A JP16218093 A JP 16218093A JP H0713187 A JPH0713187 A JP H0713187A
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JP16218093A
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Masahito Okabe
岡部将人
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子分散液晶記録媒体の情報再生において
コントラストを改善するとともに、粒状ノイズを低減化
する。 【構成】 樹脂中に液晶を分散、固定した高分子分散液
晶層を電極上に形成した液晶記録媒体に照射する読み取
り光として紫外光または青色光を用い、その透過光によ
り記録情報を読み取るようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂中に液晶を分散、
固定した高分子分散液晶記録媒体およびその情報再生方
法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スメクチック液晶をUV硬化型樹脂中に
分散、固定した高分子/液晶複合膜は、作製した状態で
はスメクチック液晶が無配向状態で、液晶と樹脂との屈
折率の違いから散乱により不透明であり、電圧を印加す
ると液晶が電界の方向に配向し、ポリマーの屈折率と一
致することから散乱がなくなり透明になることが知られ
ている。また、この複合膜はメモリー性があり、一度印
加し、液晶を配向させた後、電界を取り除いても配向状
態は維持される。この配向状態は媒体を加熱して液晶層
を等方相にすることにより、室温に冷却後再び無配向状
態にすることができる。この複合膜をITO等の透明電
極を蒸着したガラス上に形成し、やはり、ITO電極を
蒸着したガラス上に形成した光導電層を空気ギャップを
介して対向した状態で、光導電層側から再像露光を行
い、同時に両電極間に電圧を印加することにより、高解
像度の画像記録をアナログ調に行うことができる。この
とき、光の当たった部分では光導電層の抵抗が下がり、
電流量が暗部に比べて増大し、対向した液晶媒体部分に
暗部に比して余計に電圧がかかり、液晶が配向し、透明
になることにより画像を記録することができる。
【0003】図1はこのような高分子分散液晶媒体を用
いた画像記録装置の構成を示すものである。図中、10
は感光体、20は液晶記録媒体をそれぞれ示している。
感光体10は透明支持体11上に透明電極12、光導電
層13が順次積層され、液晶記録媒体20は支持体21
上に電極22、高分子分散型液晶層23が順次積層され
ている。光導電層としては無機導電層としてアモルファ
スセレン、アモルファスシリコン等、有機光導電層とし
てポリビニルカルバゾールにトリニトロフルオレノンを
添加した単層のものや、電荷発生層としてアゾ系の顔料
をポリビニルブチラール等の樹脂に分散したものと電荷
移動層としてヒドラゾン誘導体をポリカーボネート等の
樹脂と混合したものを積層したもの等が使用可能であ
る。液晶記録媒体の電極22はITO等の透明電極や、
A1電極等の不透明なものが使用できる。
【0004】このような感光体10と液晶記録媒体20
を対向配置し、図示するように、電源30により両電極
12、22間に電圧を印加し、書き込み光として可視光
を照射すると、露光強度に応じて光導電層13の導電性
が変化して、液晶層23にかかる電圧が変化し、液晶層
の配向状態が変化し、印加電圧をOFFして電界を取り
除いた後もその状態が維持され、画像情報の記録が行わ
れる。
【0005】また、図2(a)に示すように液晶記録媒
体をコロナ帯電機32を用いて、全面に電圧を印加し液
晶を配向させ、全面を透明にさせた後、図2(b)に示
すようにサーマルヘッド33を用いて、液晶層を部分的
に加熱することにより、無配向状態にすることにより情
報を記録することもできる。
【0006】このようにして記録された記録情報は、図
3に示すような読み取り装置で電気信号に変換すること
ができる。即ち、光源4の光はフィルター5を介して適
当な波長の光のみが液晶記録媒体20に照射され、液晶
記録媒体では記録情報に応じて透過率が異なるためここ
で変調され、この変調光をCDDラインセンサ等の光電
変換装置6で受光し、電気信号に変換される。この電気
信号は必要に応じて、CRTやプリンターで出力するこ
とができる。
【0007】また、図4、図5に示すように、感光体と
液晶記録媒体とを積層して一体化した情報記録記録媒体
も提案されている。図4は、透明支持体11上に透明電
極12、光導電層13を積層した感光体10と、透明電
極層15上に高分子分散型液晶層23を積層した液晶記
録媒体20とを一体にした情報記録媒体であり、図5
は、感光体10と液晶記録媒体20とを誘電体中間層1
6を介して一体化した情報記録媒体である。一体型情報
記録媒体の場合、光導電層が無機物質であれば誘電体の
中間層は特に必要ではないが、有機光導電層を使用した
場合には中間層が必要な場合もある。この場合、中間層
としてはSiO2等の無機の酸化膜やサイトップ(商品
名;(株)旭ガラス社製)等のふっ素系樹脂を塗布した
ものや、ポリパラキシリレン等が用いられる。
【0008】この一体型情報記録媒体の記録は、図6に
示すように、電源30により透明電極層12、22間に
電圧を印加して情報記録媒体に可視光の書き込み光を照
射すると、光の強度に応じて光導電層13の導電性が変
化し、液晶層23にかかる電界が変化するため、書き込
み光強度に応じて液晶媒体の配向状態が変化し、電界O
FF後もその状態が維持される。記録された情報読み取
りは、例えば、図7に示すように、光源4によって読み
取り光を情報記録媒体に照射することによって行われ
る。光源4としてはキセノンランプ、ハロゲンランプ等
の白色光源やレーザ光等が用いられる。入射した光は情
報記録媒体で変調され、フォトダイオード、CCDライ
ンセンサ等の光電変換装置6で電気信号に変換される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高分子分散
型液晶層は、配向状態の透過率と無配向状態の透過率の
差が小さく、読み取り光として白色光を使用した場合、
コントラストが低くて読み取り画像があまり良好でない
という問題がある。すなわち、高分子分散型液晶層は、
図8に示すような分光特性を有している。図8におい
て、T1は未配向状態の液晶層の透過率特性、T2は配
向状態の液晶層の透過率特性を示している。特性T1か
ら分かるように、可視光から赤外光の領域の光に対して
は、無配向状態でも透過率が高く、配向状態とのコント
ラスト比(T1とT2の比)が小さイため良好な画像が
得られず、S/N比の低い電気信号しか得ることができ
ない。そのため、白色光を読み出し光にして画像読み取
りを行った場合、未反応部分でも可視光、赤外光が透過
してしまい、十分なコントラストが得られない。
【0010】また、従来の感光体は、紫外または青色領
域の吸収が大きく、感光体と液晶記録層を積層した情報
記録媒体では紫外または青色領域の光が感光体層を透過
しないため、画像読み取りができないという問題があっ
た。
【0011】また、記録画像を高解像度で読みとろうと
したとき、液晶層とポリマーの相分離の状態により、銀
塩ネガフィルムの粒状ノイズに似たノイズが測定され、
全体的にザラついた画像になってしまうという問題があ
る。
【0012】本発明は上記課題を解決するためのもの
で、コントラストを改善するとともに、粒状ノイズを低
減化することができる高分子分散液晶記録媒体及びその
情報再生方法及び装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の感光体と液晶記
録層を積層した一体型情報記録媒体は、光導電層が青ま
たは紫外領域のある波長の光を透過する特性を有するよ
うにしたことを特徴とするものである。有機の感光体は
電荷発生層と電荷輸送層の2層で形成されているが、電
荷発生層の膜厚は十分薄く、いかなる吸収特性のものを
用いても画像読み取りを阻害するものではない。電荷輸
送層は膜厚が厚いため、その吸収特性により画像読み取
りの読み出し光が制限される。本発明は電荷輸送層を5
μmから30μmの厚さに形成したときに青色または紫
外光領域のある波長の光を透過するような電荷輸送物質
を電荷輸送層に用いることを特徴とする。
【0014】電荷輸送層は紫外または青色光の波長域の
全域で透過する必要はなく、この領域のある波長の光を
透過すれば良い。ここで、紫外光としては320nmか
ら400nm、青色光としては400から500nmの
領域とする。また、透過率はできるだけ高い方が望まし
いが、電荷発生層、電荷輸送層を積層した状態で1%以
上透過していれば良く、できれば10%以上透過するも
のが望ましい。
【0015】一体型情報記録媒体の記録読み取りに関し
ては、読み出し光の波長は感光体の吸収特性に合わせて
決められるものであり、感光体を透過する光で最も短波
長の波長を読み出し光とする。
【0016】また、本発明は、読み取り信号の読み取り
光の波長依存性を調べた結果、青、緑、赤の順にコント
ラストの大きな画像信号が得られ、また、粒状ノイズは
緑色領域で最も大きく観測され、その結果、画像読み取
り光のうち赤、緑光を除いた光で読み取ることにより、
通常よりも良好な画像が得られることを見出した。即
ち、本発明は読み取り光を青色にすることにより、良好
な画像信号を得ることを特徴とする。
【0017】また、本発明は、読み取り光として紫外光
を液晶記録媒体に照射し、その透過光により記録情報を
読み取るようにしたことを特徴とする。図8からわかる
ように、400nm以下の紫外光では、無配向状態の透
過率が低く、透過状態とのコントラスト比が大きくな
り、良好な画像を得ることができる。液晶記録媒体に紫
外光を照射するには、光源と液晶記録媒体との間に紫外
光のみを透過するフィルタを設置することで実現でき
る。このようなフィルターとしては、無機の誘電体層を
積層した干渉フィルター、色ガラスフィルター、これら
複数枚を組み合わせたもの等が用いることができる。
【0018】一般にこれら干渉フィルターは透過率が低
く、光電変換素子で十分な変調光を受光するには光源か
らかなりの強度の光を照射する必要があり、このような
光源を使用すると、熱を発生し、エネルギー効率が悪く
望ましくない。また、光電変換素子の受光強度が低い
と、蓄積時間が長くなり、読み取り時間が長くなり、S
/Nが低下する問題がある。
【0019】本発明は、情報記録媒体と光電変換器の間
に石英ガラス、または蛍石からなる結像レンズを配置し
たこと、また光電変換器の窓材に石英ガラスまたは蛍石
を用いたことを特徴とする。変調光を光電変換素子に結
像する目的で設置されているレンズは紫外領域で透過率
が低く、特に360nm以下の領域で急激に透過率が低
下する。これはレンズの材質によるものであり、レンズ
の材質を石英ガラスや蛍石等の紫外光を良く吸収するも
のを用いることにより、弱い光源でも十分な強度の光を
受光することができる。同様に光電変換素子の窓材も、
紫外光の強度を弱くする原因となるため、この窓材も石
英等を使用し、反射防止膜を形成することにり光源の負
荷を軽減することができる。
【0020】また、本発明は、照明光学系の一部に、青
色および/または紫外光のみを反射するコールドミラー
を配置したことを特徴とする。紫外を透過するフィルタ
ーに直接光源からの光を照射すると、照射のエネルギー
が強すぎてフィルターが劣化する可能性がある。このた
め、コールドミラーにより赤外および可視光の光をある
程度カットした光を照射することにより、光によるダメ
ージを軽減することが期待できる。
【0021】
【作用】本発明は、一体型液晶記録媒体を用いた場合
は、光導電層を青または紫外光に対して透明に形成し、
読み出し光の波長を青または紫外光とすることにより、
液晶層に記録した情報を十分なコントラストで読み出す
ことができる。
【0022】また、本発明は、光源としては、ハロゲ
ン、キセノンランプ等の白色のものが用いられ、光源と
液晶媒体の間に青色のフィルタを設置し、液晶媒体に青
色の光のみが入射するようにする。液晶媒体を透過した
光は光電変換装置により電気信号に変換され、CRTや
プリンタに出力される。青色フィルタとしては、350
〜500nmの波長の光を透過するものが良く、好まし
くは350〜400nmの光を選択的に透過するものが
好ましい。
【0023】
【実施例】
(実施例1)多官能モノマー(商品名:M−400、東
亜合成化学(株)社製)4.5gとスメクチック液晶
(商品名:S−6、メルク社製)5.5gを混合し、キ
シレン10gに溶解させ50%溶液を作製した。この溶
液に重合開始剤として、ダロキュア1173(商品名、
メルク社製)0.3gと界面活性剤としてFC−430
(住友3M製)0.1gを加えた後、図1に示すよう
に、ITO透明電極12を約1000Å厚に蒸着したガ
ラス基板11(抵抗率100Ω/□)上にスピンナーで
塗布して高分子/液晶複合層13とし、約50℃に保っ
た真空オーブンで乾燥し、約300mJ/cm2 のUV
光を照射したところ、膜厚6μmの白色不透明の液晶記
録媒体1が得られた。
【0024】(実施例2)図1に示すように、実施例1
で得た液晶記録媒体20と、ITO透明電極22を設け
たガラス21上に積層型有機感光層(電荷発生層、電荷
輸送層)を塗布した感光体10を、約10μmのポリイ
ミドのスペーサーフィルム(図示せず)を介して対向さ
せ、感光体側から画像露光を行い、同時に電源30によ
り900Vの矩形電圧を80msec印加したところ、
液晶記録媒体20上に画像が形成された。
【0025】(実施例3)実施例2の方法で記録した画
像を、ニコン社製フィルムスキャナ(商品名:LS−3
500)で読み取り、昇華転写プリンター(商品名:S
P−5500、JVC製)で出力した。RGBおよび白
色光の4通りの読み取り光で読み取った画像を比較した
結果、B光で読み取ったもので最も良好な画像が得られ
た。
【0026】(実施例4)実施例1の液晶記録媒体1を
10μm厚さのポリイミドフィルムのスペーサを介し
て、AL電極を蒸着したガラスと対向し、800Vの電
圧を0.1sec印加したところ、液晶が配向して透明
になった。配向して透明になった部分と、未配向部分の
透過率の波長依存性を調べたところ、図8に示すよう
に、配向部分の透過率T2と未配向部分の透過率T1が
得られた。測定は島津社製の分光機(UV−240)に
より行った。図8から分かるように、未配向部分の透過
率が長波長ほど高くなるため、コントラストは短波長ほ
ど大きくなる。また、320nm以下の短波長ではIT
Oガラスの吸収が大きくコントラストが得られないた
め、320〜500nm、好ましくは330〜400n
m付近で最もコントラストが大きくなる結果となった。
【0027】(実施例5)配向部分の変調度(コントラ
スト)、未配向部分の粒状ノイズの大きさをRGB各波
長領域で測定し比較した。
【0028】測定は浜松ホトニクス社のCCDカメラシ
ステム(商品名:C−1000)で行った。図3に示す
ように、液晶記録媒体1上にRGBカラーフィルター5
を通して光源4からの光を照射し、光源は媒体入射時の
強度が同様になるように調節した。カラーフィルタとし
ては図9に示すような透過率特性のものを使用した。透
過光を光学顕微鏡で拡大し、媒体上で約2μmのサンプ
リング間隔で光電変換装置6で測定した。ノイズの大き
さは次式で定義した。
【0029】N2 =Σ(T−Tav )2 /L 但し、L:サンプル数、Tav:平均透過率 コントラストは、図10に示すようにR光を1としたと
きの相対値で、B領域で最も大きくなった。一方、図1
1に示すように、ノイズの大きさはR光を1としたとき
の相対値でG領域で最もノイズが大きく観測され、B領
域で最も良好であった。
【0030】図10、図11の結果よりS/Nの特性は
図12に示すように、B領域で極めて良好な結果が得ら
れた。
【0031】〔情報記録媒体の作製〕 (実施例6)電荷発生物質として下記構造を有するピロ
ロピロール系顔料3部と、ポリビニルブチラール樹脂1
部とを、1,2ジクロロエタン196部と混合し、混合
機により十分混練を行い、塗布液を作製した。
【0032】
【化1】
【0033】この溶液をITO透明電極(膜厚500
Å、抵抗;80Ω/□)を有するガラス基板上のITO
側の面に塗布し、100℃、1時間乾燥して膜厚0.3
μmの電荷発生層を形成した。次に、電荷輸送物質とし
て、下記構造を有するエナミン誘導体3部とポリスチレ
ン樹脂1部とをジクロロメタン:1,1,2−トリクロ
ロエタン=68:102の混合溶媒170部と混合、溶
解し、塗布液を作製した。この溶液を上記電荷発生層上
に塗布し、80℃、2時間乾燥して膜厚10μmの電荷
輸送層を形成した。
【0034】
【化2】
【0035】このようにして作製した感光体の吸収スペ
クトルを観測した。吸収スペクトル測定は島津製作所製
UV─240を用いた。測定結果は図13の特性Aに示
す通りであり、420nm以上の波長で10%以上の透
過率を有している。
【0036】(実施例7)実施例6の光導電層の電荷輸
送層上に下記構造を有するジパラキシリレンを真空下で
気化重合させ、ポリ(モノクロロパラキシリレン)を膜
厚0.6μmで製膜し、誘電体層を形成した。
【0037】
【化3】
【0038】更にこの誘電体層上にジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート4部、スメクチック液晶S6
(商品名:メルク社製)6部、ふっ素系活性剤フロラー
ドFC─430(商品名:3M社製)0.2部、光重合
開始剤『ダロキュア1173』(商品名:メルク社製)
0.2部の混合液をキシレンにて固形分30%に調整し
た。この溶液を誘電体上に50μmのギャップ厚さブレ
ードコータで塗布し、これを50℃に保持し、0.3m
J/cm2 のUV光を照射し、膜厚約6μmの情報記録
層を有する情報記録媒体を作製した。この情報記録層上
に透明電極としてスパッタ法でITOを約200Å積層
し、本発明の情報記録媒体を作製した。
【0039】〔情報記録方法〕 (実施例8)実施例7で作製した情報記録媒体の光導電
層側からグレースケールを露光すると、同時に直流電圧
600Vを両電極間に、光導電層側を正になるように6
0msec印加したところ、グレースケールに対応した
透過像が情報記録媒体に形成された。露光には可視領域
の光を用いた。
【0040】〔情報読み出し装置〕 (実施例9)光源には青色または紫外光あるいはその両
方を含むものが使用される。ここで紫外光とは320n
mから400nm程度の波長領域をさす。このような光
源としては、キセノンランプ、水銀キセノンランプ、ハ
ロゲンランプ等が用いられる。光源と情報記録媒体の間
には青または紫外のバンドパスフィルタが配置され、不
必要な波長の光はカットされる。バンドパスフィルタの
中心波長は320nm以上であり、光導電層の透過率に
応じて設定する必要がある。中心波長はできるだけ34
0nmに近い方が望ましく、また光導電層の透過率がで
きるだけ高いほうが良く、10%以上透過することが望
ましい。フィルタの半値幅は特に制限はなく、5〜50
nm程度のものが望ましい。このようなフィルタとして
は色ガラスフィルタや干渉フィルタが使用でき、これら
の複数の組み合わせであってもよい。情報記録媒体を透
過した読み出し光はCCDラインセンサ等の光電変換装
置に投影され、電気信号に変換される。読み出し光はC
CDセンサに等倍に投影される必要はなく、任意の倍率
に投影することができる。
【0041】〔情報の読み取り〕 (実施例10)光源にキセノンランプを用い、フィルタ
として図14の特性干渉フィルタを用いた情報読み取り
装置で、実施例7の情報記録媒体に実施例8の方法でグ
レースケールを記録し、これをCCDラインセンサ上に
等倍に投影し、電気信号に変換し、感熱昇華プリンタで
出力したところ、高コントラストな良質な画像を得るこ
とができた。
【0042】(比較例1)実施例10と同様な情報読み
取り装置を用い、実施例10で使用したフィルタを用い
ず、読み出し光を直接、実施例8の情報記録媒体に照射
し、読み取りを行い感熱昇華性プリンタで出力したとこ
ろ、あまりコントラストのない画像が得られた。
【0043】(比較例2)電荷発生層として実施例6と
同様にピロロピロール系の顔料を用い、電荷輸送層とし
てブタジエン系の化合物を用い、実施例6と同様の方法
でITO電極のついた電極ガラス基板上に光導電層を形
成した。この光導電層の吸収スペクトルを測定した結
果、図13の特性Bが得られた。
【0044】(比較例3)比較例2の光導電層の電荷輸
送層上に実施例7と同様の方法で誘電体層、高分子分散
液晶層、透明電極を積層し、情報記録媒体を作製した。
【0045】(比較例4)比較例3の情報記録媒体を実
施例8と同様の方法で露光、電圧印加したところ、グレ
ースケールに対応した透過像が形成された。この透過像
を実施例10の読み取り装置でよみとったところ、透過
光量が少なく、良好な画像が得られなかった。
【0046】(比較例5)比較例4の情報記録媒体を比
較例1と同様にフィルタ無しの読み取り装置で読み取っ
たところ、コントラストの低い画像が得られた。
【0047】〔情報記録媒体の作製〕 (実施例11)高分子液晶記録媒体は以下のように作製
した。
【0048】ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト4部、スメクチック液晶S6(商品名;メルク社製)
6部、フッ素系活性材フロラードFC−430(商品
名;3M社製)0.2部、光重合開始材『ダロキュア1
173』(商品名;メルク社製)0.2部の混合物をキ
シレンにて固形分30%に調整した。
【0049】この溶液をITO透明電極(膜厚約500
Å、抵抗;80Ω/□)を有するガラス基板上のITO
側の面に50μmのギャップ厚さブレードコーターで塗
布し、これを50℃に保持し、0.3mJ/cm2 のU
V光を照射して、膜厚約6μmの情報記録層を有する情
報記録媒体を作製した。この情報記録媒体断面を熱メタ
ノールを用いて、液晶を抽出し、乾燥させた後、走査型
電子顕微鏡(日立製作所(株)製、S−800、100
00倍)で内部構造を観察したところ、層の表面は0.
6μm厚の紫外線硬化型樹脂で覆われ、層内部は粒径
0.1μmの樹脂粒子が充填している構造を有している
ことがわかった。
【0050】〔感光体の作製方法〕 (実施例12)以下のように感光体を作製した。
【0051】電荷発生物質として下記構造を有するフル
オレノンアゾ顔料3部と、ポリエステル樹脂1部とを、
ジオキサン:シクロヘキサン=1:1の混合溶媒196
部と混合し、混合機により十分混練を行い、塗布液を作
製した。
【0052】
【化4】
【0053】この溶液をITO透明電極(膜厚約500
Å、抵抗;80Ω/□)を有するガラス基板上のITO
側の面に塗布し、100℃、1時間乾燥して膜厚約0.
3μmの電荷発生層を形成した。
【0054】次に、電荷輸送物質として、下記構造を有
するパラジメチルスチルベン3部とポリスチレン樹脂1
部とを、ジクロロメタン:1、1、2−トリクロロエタ
ン=68:102の混合溶媒170部と混合、溶解し、
塗布液を作製した。この溶液を上記電荷発生層上に塗布
し、80℃、2時間乾燥して膜厚10μmの電荷輸送層
を形成した。
【0055】
【化5】
【0056】〔情報の記録〕 (実施例13)このようにして得られた、情報記録媒体
および感光体を、約10μmの空隙を介して対向配置
し、感光体の透明支持体側から約33msec画像露光
すると同時に、感光体と液晶記録媒体の電極間に、感光
体側が正になるように約700Vの電圧を60msec
印加した。電源OFF後、両者を引き離し、液晶記録媒
体を観察したところ、露光情報に応じて変調しているの
が確認された。
【0057】〔画像の読み取り〕次に、このようにして
得られた画像の読み取り方法について説明する。
【0058】図15は、液晶記録媒体で変調された透過
光を光電変換素子に投影するようすをしめしている。光
源40により、液晶記録媒体20に照射された透過光
は、結像用レンズ50により、光電変換素子60の面に
結像される。光電変換素子60としては、CCDエリア
センサも用いられるが、解像度等の点で、CCDライン
センサが望ましい。CCDラインセンサを用いた場合、
センサ上に投影されるのは、記録画像情報の一部である
ため、全体を読み取るためには、液晶記録媒体を移動さ
せるか、またはCCDラインセンサを移動する必要があ
り、後者の場合には照射光学系とCCDラインセンサ読
み取り光学系を同時に移動させるようにする。本発明の
装置では、CCDラインセンサにより1ライン読み取る
ごとに、1ラインに相当する距離だけ液晶記録媒体を矢
印の方向に移動させるようにした。液晶記録媒体を設置
するステージはステッピッグモーターにより駆動させ
た。
【0059】また、光学系を調整することにより、液晶
記録媒体の画像を、図のBのように等倍に投影したり、
図のAのように任意の倍率に拡大することも可能であ
る。このように、拡大投影することにより、CCDセン
サの解像度よりも高精度な読み取りをすることができ
る。
【0060】図16及び図17は読み取り装置の略図で
ある。光源40の光は、コールドミラー43により、
青、紫外光のみを取り出すか、または直接、赤外カット
フィルター42、紫外バンドパスフィルター41に照射
され、紫外の特定の光だけが液晶記録媒体20に照射さ
れる。
【0061】光源40としては、高圧キセノンランプ
(浜松ホトニクス社製:L2274)を用いた。他に水
銀キセノンランプ、ハロゲンランプ等が使用できる。
【0062】コールドミラーはANDOVER社製:3
75FV−86−50、赤外カットフィルターはシグマ
光機:HAF−50S−50H、紫外バンドパスフィル
ターはANDOVER社製:350FS−25−50を
それぞれ用いた。用いた紫外バンドパスフィルターの特
性は図14に示すようなものである。
【0063】紫外バンドパスフィルターは、図14の特
性のものに限定されるものではなく、液晶記録媒体の作
製条件や、記録した画像により最適なフィルターの特性
は多少異なる。良好な画像を得るために使用できるフィ
ルターの特性としては、中心波長が330〜400nm
の範囲で、半値幅が50nm以下のものが使用できる。
このような特性のフィルターとしては、誘電体薄膜を積
層した干渉計フィルターや、色ガラスフィルターとこれ
ら複数を組み合わせたものが使用できる。
【0064】透過光を光電変換素子面に結像するレンズ
は、紫外光を透過する必要があり、石英ガラスや蛍石を
材料にしたレンズ系を使用することできる。このような
レンズとして(株)ニコン社製:UVニッコール105
mmF4.5Sを使用した。液晶記録媒体に紫外光を照
射したときと白色光を照射したときのヒストグラムを図
18に示す。光源の強度を調整して、配向状態の信号が
同じになるようにした。このように紫外光を照射するこ
とにより、白色光を照射するよりダイナミックレンジが
広がることが示された。
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、液晶記録
媒体の読み取り光として青色光または紫外光を使用する
ことにより、コントラストを改善することができるとと
もに、粒状ノイズを低減化させてS/N特性の優れた画
像読み取りを行うことが可能となり、また、ダイナミッ
クレンジを広げることができる。また、一体型情報記録
媒体の光導電層を青または紫外光に対して透明に形成
し、読み出し光の波長を青または紫外光にすることによ
り液晶層に記録した情報を十分なコントラストで読み出
すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 液晶記録媒体への画像の記録方法を示す図で
ある。
【図2】 熱による液晶記録媒体への書込みを説明する
図である。
【図3】 記録画像読み取り方法を説明する図である。
【図4】 一体型液晶記録媒体を示す図である。
【図5】 一体型液晶記録媒体を示す図である。
【図6】 一体型液晶記録媒体への書込み方法を説明す
る図である。
【図7】 一体型液晶記録媒体の読み取り方法を説明す
る図である。
【図8】 高分子分散型液晶記録層の透過率特性を示す
図である。
【図9】 フィルタ特性を説明する図である。
【図10】 R,G,B光による読み取りにおけるコン
トラスト相対値を示す図である。
【図11】 R,G,B光による読み取りにおけるノイ
ズ相対値を示す図である。
【図12】 R,G,B光による読み取りにおけるS/
N比を示す図である。
【図13】 感光体層の吸収スペクトル測定結果を示す
図である。
【図14】 画像読み取り装置のバンドパスフィルター
の透過率測定を示す図である。
【図15】 読み取り方法を説明する図である。
【図16】 読み取り方法を説明する図である。
【図17】 読み取り方法を説明する図である。
【図18】 紫外光、白色光照射時のヒストグラムを示
す図である。
【符号の説明】
10…感光体、11…透明支持体、12…透明電極、1
3…光導電層、20…液晶記録媒体、21…ガラス基
板、22…透明電極、23…高分子分散液晶記録層。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導電層を有する感光体と高分子中に液
    晶を分散、固定した高分子分散液晶層を電極上に形成し
    た液晶記録媒体とを一体に積層し、電圧印加露光により
    情報を書き込む一体型情報記録媒体において、光導電層
    が紫外または青色領域の一部または全域の波長の光を透
    過する特性を有することを特徴とする高分子分散液晶記
    録媒体。
  2. 【請求項2】 樹脂中に液晶を分散、固定した高分子分
    散液晶層を電極上に形成した液晶記録媒体に記録した情
    報の再生方法において、読み取り光として紫外光または
    青色光を液晶記録媒体に照射し、その透過光により記録
    情報を読み取るようにしたことを特徴とする高分子分散
    液晶記録媒体の情報再生方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の方法において、読み取り
    光は330〜500nmの範囲の波長光であることを特
    徴とする高分子分散液晶記録媒体の情報再生方法。
  4. 【請求項4】 樹脂中に液晶を分散固定した、高分子分
    散液晶層を電極上に形成した液晶記録媒体に記録した情
    報の再生装置において、情報記録媒体に青色光または紫
    外光を照射するための照明光学系と、情報記録媒体から
    の透過光を検出する光電変換器とを備えたことを特徴と
    する高分子分散液晶記録媒体の情報再生装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の情報再生装置において、
    情報記録媒体と光電変換器の間に石英ガラス、または蛍
    石からなる結像レンズを配置したことを特徴とする高分
    子分散液晶記録媒体の情報再生装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の情報再生装置において、
    光電変換器の窓材に石英ガラスまたは蛍石を用いたこと
    を特徴とする高分子分散液晶記録媒体の情報再生装置。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の情報再生装置において、
    照明光学系の一部に、青色および/または紫外光のみを
    反射するコールドミラーを配置したことを特徴とする高
    分子分散液晶記録媒体の情報再生装置。
  8. 【請求項8】 光導電層を有する感光体と高分子中に液
    晶を分散、固定した高分子分散液晶層を電極上に形成し
    た液晶記録媒体とを積層した一体型情報記録媒体に対し
    て読み取り光を照射し、情報記録媒体の透過光を読み取
    るようにした記録情報読み取り装置において、光導電層
    が紫外または青色領域の一部または全域の波長の光を透
    過する特性を有していることを特徴とする高分子分散液
    晶記録媒体の情報再生装置。
JP16218093A 1992-06-30 1993-06-30 高分子分散液晶記録媒体及び情報再生方法及び装置 Pending JPH0713187A (ja)

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JP17303092 1992-06-30
JP5-101280 1993-04-27
JP4-173030 1993-04-27
JP10128093 1993-04-27
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2814855C1 (ru) * 2022-12-13 2024-03-05 федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Государственный университет просвещения" Принтер для пассивной электронной перезаписывающей бумаги на основе азо-красителей с использованием эффекта фотоориентации

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