JPH0713162U - 魚釣用両軸受型リールの釣糸案内装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 魚釣用両軸受型リールの釣糸捲取り操作時
に、釣糸案内装置の左右往復動作用により握持している
手の指が誤って釣糸案内装置とリール側板間に挾まれて
負傷することを防止する。 【構成】 魚釣用両軸受型リールにおいて釣糸案内装置
１０を左右に往復動するトラバースカム軸８に設けた歯
車１２を直接ハンドル軸５の駆動歯車６で駆動するか又
は中間歯車１３・１４を介して駆動する場合において、
前記歯車１２又は中間歯車１４を出力軸に対して摩擦連
結してトラバースカム軸８に大きな回転抵抗が生じたと
き前記摩擦連結部を滑らせトラバースカム軸８の回動を
停止して釣糸案内装置１０の移動を阻止して指を強圧す
ることを防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は魚釣用両軸受型リールにおけるスプールに釣糸を平行に捲回誘導する 釣糸案内装置の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

魚釣用両軸受型リールにおいて、スプールに釣糸を平行に捲回する手段として 、スプールの前側上部に架設されたトラバースカム軸に釣糸案内装置の摺動子を 係合せしめ前記トラバースカム軸の一端又は他端に設けた歯車をハンドル軸に設 けた駆動歯車により連動して回動せしめ釣糸案内装置を左右に往復摺動すること が行なわれているが、魚がかかったときの捲取り操作に夢中のあまり誤ってリー ルを握持した手の指を左右に往復摺動する案内装置とリール側板との間に挾んで しまう危険性がある。そこでこのような欠陥を防止するために実公平４ー１７０ ０４号公報にみられるように釣糸案内装置をカバー体で覆うことが知られている 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら前記カバー方式は、釣糸案内装置への糸通しやバックラッシュ発 生時の糸解し作業を迅速容易に行なうことが困難であると共に構造も複雑になる 等の問題点がある。本考案はこれらの現状に鑑み、カバー体等を設けることなく 簡易な構成により指挾みを防止するようにした魚釣用両軸受型リールの釣糸案内 装置を提供することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記目的を達成するために、リール側板間に支持されたトラバースカ ム軸に釣糸案内装置を左右に往復動自在に設け、前記トラバースカム軸をハンド ル軸の駆動歯車により連動回動せしめるようにした魚釣用両軸受型リールにおい て、前記トラバースカム軸に設けた歯車を該トラバースカム軸に対して摩擦連結 したことを特徴とするものである。また前記摩擦連結した歯車はトラバースカム 軸に設ける代りに、中間歯車を出力軸に対して摩擦連結することもできる。

【０００５】

【作用】

釣糸案内装置を左右に往復動するトラバースカム軸又は中間歯車に設けられた 摩擦連結した歯車は、魚釣り操作中に誤って指が釣糸案内装置とリール側板との 間に挾まれトラバースカム軸に回転抵抗が作用するとその摩擦連結部が滑り出力 軸側のトラバースカム軸への回動伝達作用は停止され、釣糸案内装置の移動は中 止される。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を図面について説明すると、両軸受型リールのリール側板１・ ２間にはスプール３を有するスプール軸４が支持され、該スプール軸４は公知の ようにハンドル軸５に設けられた駆動歯車６と噛合するピニオン７によって回動 できるように構成されている。またスプール３の前部上側におけるリール側板１ ・２間にはトラバースカム軸８が回動可能に支持されると共に該トラバースカム 軸８には、その外側に設けられた案内筒９に左右に摺動自在に嵌着した釣糸案内 装置１０の摺動子が係合すると共に更にトラバースカム軸８の一端には摩擦部材 １１で摩擦連結しかつ前記駆動歯車６に噛合した歯車１２が設けられている。

【０００７】 本考案の実施例は上記のように構成されているので、ハンドル軸５の回動によ り駆動歯車６はスプール３を連動回動せしめると同時に歯車１２を介してトラバ ースカム軸８を回動して釣糸案内装置１０を案内筒９上を左右に往復動して釣糸 をスプール３に平行に捲回するものであり、この捲回操作中に誤って指がリール 側板１・２と釣糸案内装置１０との間に挾まれるとトラバースカム軸８の回転抵 抗によって歯車１２の摩擦連結は滑りトラバースカム軸８への回動伝達作用は停 止され、釣糸案内装置１０の移動を中止せしめて指を挾むことを防止するもので ある。

【０００８】 図２に示す実施例は、前記歯車１２をトラバースカム軸８のリール側板２側に 摩擦連結するように設けると共に前記歯車１２をリール側板２内のスプール軸４ に設けた中間歯車１３・１４を介して連動するようにしたものである。また図３ に示す実施例は、前記実施例の中間歯車１４を、トラバースカム軸８に固着した 歯車１２′に噛合しかつ軸筒１５を有する第１歯車１４′と前記軸筒１５に嵌着 して摩擦部材１１で摩擦連結しかつスプール軸４の中間歯車１３に噛合する第２ 歯車１４″とで構成し、指が案内装置１０とリール側板１又は２との間に挾まり トラバースカム軸８に回転抵抗が作用すると第２歯車１４″と出力軸である軸筒 １５との間が滑り、案内装置１０の移動を停止せしめるものである。なお図中１ ６は第１歯車１４′の支持軸である。

【０００９】

【考案の効果】

本考案は魚釣用両軸受型リールの釣糸案内装置を左右に往復動するトラバース カム軸に設けた歯車又は該歯車を連動回動する中間歯車を摩擦結合してトラバー スカム軸に指が挾まることによる大きな回転抵抗が生ずるとトラバースカム軸の 回動が停止するようにしたので、魚釣り操作中に誤って釣糸案内装置とリール側 板間に指を挾むことがあっても、指を傷めたり、傷付けたりすることを確実に防 止できると共にスプールに捲着した釣糸の位置と釣糸案内装置とを一致させる調 節操作も釣糸案内装置を保持固定することにより容易にでき、しかもその構成も 簡易である優れた特徴と実用性を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例の一部切欠平面図。

【図２】本考案の第２実施例の一部切欠平面図。

【図３】本考案の第３実施例の一部切欠平面図。

【符号の説明】

１・２ リール側板 ４ スプール軸 ５ ハンドル軸 ６ 駆動歯車 ８ トラバースカム軸 １０ 釣糸案内装置 １１ 摩擦部材 １２ 歯車 １２′ 歯車 １３・１４ 中間歯車 １４′ 第１歯車 １４″ 第２歯車 １５ 軸筒

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 リール側板間に支持されたトラバースカ
   ム軸に釣糸案内装置を左右に往復動自在に設け、前記ト
   ラバースカム軸をハンドル軸の駆動歯車により連動回動
   せしめるようにした魚釣用両軸受型リールにおいて、前
   記トラバースカム軸に設けた歯車を該トラバースカム軸
   に対して摩擦連結したことを特徴とする魚釣用両軸受型
   リールの釣糸案内装置。
2. 【請求項２】 リール側板間に支持されたトラバースカ
   ム軸に釣糸案内装置を左右に往復動自在に設け、前記ト
   ラバースカム軸をハンドル軸の駆動歯車により連動回動
   せしめるようにした魚釣用両軸受型リールにおいて、前
   記トラバースカム軸を連動回動せしめる中間歯車を出力
   軸に対して摩擦連結したことを特徴とする魚釣用両軸受
   型リールの釣糸案内装置。