JPH07131115A - 半導体レーザ素子 - Google Patents
半導体レーザ素子Info
- Publication number
- JPH07131115A JPH07131115A JP30128993A JP30128993A JPH07131115A JP H07131115 A JPH07131115 A JP H07131115A JP 30128993 A JP30128993 A JP 30128993A JP 30128993 A JP30128993 A JP 30128993A JP H07131115 A JPH07131115 A JP H07131115A
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- JP
- Japan
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- semiconductor laser
- active layer
- laser device
- laser element
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高温動作特性および信頼性を向上させた半導
体レーザ素子を提供する。 【構成】 InP基板11上に、導電型のことなるクラ
ッド層12、18で挟み込まれた活性層13を設けてな
る半導体レーザ素子において、活性層13とp型クラッ
ド層18の間に、InAsy P1-y (0<y≦1)井戸
層16と、GaxIn1-x P(0≦x≦1)障壁層17
からなる多重量子障壁構造15を設ける。
体レーザ素子を提供する。 【構成】 InP基板11上に、導電型のことなるクラ
ッド層12、18で挟み込まれた活性層13を設けてな
る半導体レーザ素子において、活性層13とp型クラッ
ド層18の間に、InAsy P1-y (0<y≦1)井戸
層16と、GaxIn1-x P(0≦x≦1)障壁層17
からなる多重量子障壁構造15を設ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体レーザ素子に関
し、特に低しきい値、温度特性などに優れた特性を有す
る半導体レーザ素子に関する。
し、特に低しきい値、温度特性などに優れた特性を有す
る半導体レーザ素子に関する。
【0002】
【従来技術】多重量子障壁(Multi-Quantum Barrier:M
QB)構造は、半導体中のキャリアとしての電子を量子
力学的な波動として反射することで、実際のへテロ障壁
よりも高い実効障壁高さを実現するものである。このM
QB構造を半導体レーザ素子に用いると、活性層からク
ラッド層へのキャリア漏れを少なくすることができ、レ
ーザ特性を向上させることができる。図2(a)、
(b)は、それぞれ従来のMQB構造を用いた半導体レ
ーザ素子の断面図とエネルギーバンド構造図である。図
中、1はn−InP基板、2はn−InPクラッド層、
3はノンドープGaInAsP(λg =1.55μm)
活性層、4はp−InPトンネル電流防止層、5はMQ
B構造、8はp−InPクラッド層、9はp−GaIn
As(P)コンタクト層である。MQB構造は、p−G
aInAs(またはGaInAsP)井戸層6(厚さ:
8原子層)とp−InP障壁層7(厚さ:8原子層)か
ら構成されている。なお、障壁層をp−AlInAs
(またはAlGaInAs)で構成してもよい。
QB)構造は、半導体中のキャリアとしての電子を量子
力学的な波動として反射することで、実際のへテロ障壁
よりも高い実効障壁高さを実現するものである。このM
QB構造を半導体レーザ素子に用いると、活性層からク
ラッド層へのキャリア漏れを少なくすることができ、レ
ーザ特性を向上させることができる。図2(a)、
(b)は、それぞれ従来のMQB構造を用いた半導体レ
ーザ素子の断面図とエネルギーバンド構造図である。図
中、1はn−InP基板、2はn−InPクラッド層、
3はノンドープGaInAsP(λg =1.55μm)
活性層、4はp−InPトンネル電流防止層、5はMQ
B構造、8はp−InPクラッド層、9はp−GaIn
As(P)コンタクト層である。MQB構造は、p−G
aInAs(またはGaInAsP)井戸層6(厚さ:
8原子層)とp−InP障壁層7(厚さ:8原子層)か
ら構成されている。なお、障壁層をp−AlInAs
(またはAlGaInAs)で構成してもよい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
半導体レーザ素子には次のような問題があった。即ち、 1)MQB構造をGaInAs−InP系とすると、図
2(b)からわかるように、伝導帯のバンドオフセット
(ΔEc )がΔEc =0.35ΔEg (ΔEg :GaI
nAsとInPのエネルギーギャップ差)と小さいた
め、活性層からクラッド層へのキャリア漏れの抑制に限
界があり、高温動作特性の向上にも限界がある。 2)MQB構造をGaInAs−Al(Ga)InAs
系とすると、伝導帯のバンドオフセット(ΔEc )がΔ
Ec =0.72ΔEg (ΔEg :GaInAsとAl
(Ga)InAsのエネルギーギャップ差)と大きく、
MQB効果が大きくなるが、障壁層にAlを含むため、
素子の信頼性が低下する。
半導体レーザ素子には次のような問題があった。即ち、 1)MQB構造をGaInAs−InP系とすると、図
2(b)からわかるように、伝導帯のバンドオフセット
(ΔEc )がΔEc =0.35ΔEg (ΔEg :GaI
nAsとInPのエネルギーギャップ差)と小さいた
め、活性層からクラッド層へのキャリア漏れの抑制に限
界があり、高温動作特性の向上にも限界がある。 2)MQB構造をGaInAs−Al(Ga)InAs
系とすると、伝導帯のバンドオフセット(ΔEc )がΔ
Ec =0.72ΔEg (ΔEg :GaInAsとAl
(Ga)InAsのエネルギーギャップ差)と大きく、
MQB効果が大きくなるが、障壁層にAlを含むため、
素子の信頼性が低下する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決した半導体レーザ素子を提供するもので、InP基板
上に、導電型のことなるクラッド層で挟み込まれた活性
層を設けてなる半導体レーザ素子において、活性層とp
型クラッド層の間に、InAsy P1-y (0<y≦1)
井戸層と、Gax In1-x P(0≦x≦1)障壁層から
なる多重量子障壁構造を設けてなることを特徴とするも
のである。
決した半導体レーザ素子を提供するもので、InP基板
上に、導電型のことなるクラッド層で挟み込まれた活性
層を設けてなる半導体レーザ素子において、活性層とp
型クラッド層の間に、InAsy P1-y (0<y≦1)
井戸層と、Gax In1-x P(0≦x≦1)障壁層から
なる多重量子障壁構造を設けてなることを特徴とするも
のである。
【0005】
【作用】上述のように、活性層とp型クラッド層の間
に、InAsy P1-y (0<y≦1)井戸層と、Gax
In1-x P(0≦x≦1)障壁層からなるMQB構造を
設けると、以下のような理由により、レーザ特性が向上
する。即ち、 1)伝導帯のバンドオフセットがΔEc =0.7ΔEg
(ΔEg :InAsy P1-y とGax In1-x Pとのエ
ネルギーギャップ差)となるため、GaInAs−Al
(Ga)InAs系と同等の高い値が得られる。 2)MQB構造にAlを含まないため、高い信頼性が得
られる。 なお、InP基板上に、上記MQB構造を形成すると、
井戸層には圧縮歪みを生じ、障壁層には引っ張り歪みを
生じるが、井戸層の歪量はε=+3.227y%、障壁
層の歪量はε=−7.1x%であるので、組成x、yを
適切に選択することにより、全体としての歪みを小さく
し、良質な結晶性を得ることができる。
に、InAsy P1-y (0<y≦1)井戸層と、Gax
In1-x P(0≦x≦1)障壁層からなるMQB構造を
設けると、以下のような理由により、レーザ特性が向上
する。即ち、 1)伝導帯のバンドオフセットがΔEc =0.7ΔEg
(ΔEg :InAsy P1-y とGax In1-x Pとのエ
ネルギーギャップ差)となるため、GaInAs−Al
(Ga)InAs系と同等の高い値が得られる。 2)MQB構造にAlを含まないため、高い信頼性が得
られる。 なお、InP基板上に、上記MQB構造を形成すると、
井戸層には圧縮歪みを生じ、障壁層には引っ張り歪みを
生じるが、井戸層の歪量はε=+3.227y%、障壁
層の歪量はε=−7.1x%であるので、組成x、yを
適切に選択することにより、全体としての歪みを小さく
し、良質な結晶性を得ることができる。
【0006】
【実施例】以下、図面に示した実施例に基づいて本発明
を詳細に説明する。図1(a)、(b)は、それぞれ本
発明にかかる半導体レーザ素子の一実施例の断面図とエ
ネルギーバンド構造図である。図中、11はn−InP
基板、12は厚さ0.5μmのn−InPクラッド層、
13は厚さ0.15μmのノンドープGaInAsP
(λg =1.55μm)活性層、14は厚さ80原子層
のノンドープまたはp−InPトンネル電流防止層、1
5はMQB構造、18は厚さ2μmのp−InPクラッ
ド層、19は厚さ0.5μmのp−GaInAs(P)
コンタクト層である。MQB構造15は、厚さ8原子層
のノンドープまたはp−InAs0.4 P0.6 井戸層16
と、厚さ8原子層のGa0.18In0.82P障壁層17を1
0周期重ねて構成されている。
を詳細に説明する。図1(a)、(b)は、それぞれ本
発明にかかる半導体レーザ素子の一実施例の断面図とエ
ネルギーバンド構造図である。図中、11はn−InP
基板、12は厚さ0.5μmのn−InPクラッド層、
13は厚さ0.15μmのノンドープGaInAsP
(λg =1.55μm)活性層、14は厚さ80原子層
のノンドープまたはp−InPトンネル電流防止層、1
5はMQB構造、18は厚さ2μmのp−InPクラッ
ド層、19は厚さ0.5μmのp−GaInAs(P)
コンタクト層である。MQB構造15は、厚さ8原子層
のノンドープまたはp−InAs0.4 P0.6 井戸層16
と、厚さ8原子層のGa0.18In0.82P障壁層17を1
0周期重ねて構成されている。
【0007】本実施例は、有機金属気相成長(MOCV
D)法により作製することができる。活性層13の幅を
1.5μm、共振器長300μmとし、共振器端面に9
5%の高反射膜を施して素子を作製した。その結果、し
きい値電流が4mA、25℃〜85℃でのしきい値電流
の特性温度が90°Kという改善した特性が得られた。
また、信頼性試験を行ったところ、85℃、5mWの一
定出力駆動において、5000時間を経過しても駆動電
流の増加率は10%以下であった。なお、MQB構造が
ない場合には、特性温度が90°Kであり、MQB構造
にAlを含む場合の上記条件における駆動電流の増加率
は約50%であった。なお、本発明は上記実施例に限定
されず、活性層として歪量子構造を用いてもよく、ま
た、トンネル電流防止層としてGa0.1 In0.9 P層を
用いてもよい。
D)法により作製することができる。活性層13の幅を
1.5μm、共振器長300μmとし、共振器端面に9
5%の高反射膜を施して素子を作製した。その結果、し
きい値電流が4mA、25℃〜85℃でのしきい値電流
の特性温度が90°Kという改善した特性が得られた。
また、信頼性試験を行ったところ、85℃、5mWの一
定出力駆動において、5000時間を経過しても駆動電
流の増加率は10%以下であった。なお、MQB構造が
ない場合には、特性温度が90°Kであり、MQB構造
にAlを含む場合の上記条件における駆動電流の増加率
は約50%であった。なお、本発明は上記実施例に限定
されず、活性層として歪量子構造を用いてもよく、ま
た、トンネル電流防止層としてGa0.1 In0.9 P層を
用いてもよい。
【0008】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、I
nP基板上に、導電型のことなるクラッド層で挟み込ま
れた活性層を設けてなる半導体レーザ素子において、活
性層とp型クラッド層の間に、InAsy P1-y (0<
y≦1)井戸層と、Gax In1-x P(0≦x≦1)障
壁層からなる多重量子障壁構造を設けているため、活性
層からクラッド層へのキャリア漏れを抑制するので、高
温動作特性および信頼性が向上するという優れた効果が
ある。
nP基板上に、導電型のことなるクラッド層で挟み込ま
れた活性層を設けてなる半導体レーザ素子において、活
性層とp型クラッド層の間に、InAsy P1-y (0<
y≦1)井戸層と、Gax In1-x P(0≦x≦1)障
壁層からなる多重量子障壁構造を設けているため、活性
層からクラッド層へのキャリア漏れを抑制するので、高
温動作特性および信頼性が向上するという優れた効果が
ある。
【図1】(a)、(b)は、それぞれ本発明にかかる半
導体レーザ素子の一実施例の断面図とエネルギーバンド
構造図である。
導体レーザ素子の一実施例の断面図とエネルギーバンド
構造図である。
【図2】(a)、(b)は、それぞれ従来のMQB構造
を用いた半導体レーザ素子の断面図とエネルギーバンド
構造図である。
を用いた半導体レーザ素子の断面図とエネルギーバンド
構造図である。
11 n−InP基板 12 n−InPクラッド層 13 活性層 14 トンネル電流防止層 15 MQB構造 16 井戸層 17 障壁層 18 p−InPクラッド層 19 コンタクト層
Claims (1)
- 【請求項1】 InP基板上に、導電型のことなるクラ
ッド層で挟み込まれた活性層を設けてなる半導体レーザ
素子において、活性層とp型クラッド層の間に、InA
sy P1-y (0<y≦1)井戸層と、Gax In1-x P
(0≦x≦1)障壁層からなる多重量子障壁構造を設け
てなることを特徴とする半導体レーザ素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30128993A JPH07131115A (ja) | 1993-11-05 | 1993-11-05 | 半導体レーザ素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30128993A JPH07131115A (ja) | 1993-11-05 | 1993-11-05 | 半導体レーザ素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07131115A true JPH07131115A (ja) | 1995-05-19 |
Family
ID=17895046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30128993A Pending JPH07131115A (ja) | 1993-11-05 | 1993-11-05 | 半導体レーザ素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07131115A (ja) |
-
1993
- 1993-11-05 JP JP30128993A patent/JPH07131115A/ja active Pending
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