JPH0713086B2 - 色調改良方法 - Google Patents

色調改良方法

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JPH0713086B2
JPH0713086B2 JP61072512A JP7251286A JPH0713086B2 JP H0713086 B2 JPH0713086 B2 JP H0713086B2 JP 61072512 A JP61072512 A JP 61072512A JP 7251286 A JP7251286 A JP 7251286A JP H0713086 B2 JPH0713086 B2 JP H0713086B2
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清雄 加藤
靖郎 服部
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は重合体に関わる各種の色調、例えば重合体自体
の色調、加工成型時の色調あるいは最終製品の色調の改
良方法に関する。
〔従来の技術〕
共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロツク共
重合体は、比較的ビニル芳香族炭化水素含有量が少ない
場合、透明で加硫をしなくても加硫された天然ゴム或い
は合成ゴムと同様の弾性を常温にて有し、しかも高温で
熱可塑性樹脂と同様の加工性を有することから、履物、
プラスチツク改質、アスフアルト、粘接着分野等で広く
利用されている。又、比較的ビニル芳香族炭化水素含有
量が多い場合は、透明で耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂
が得られることから、食品包装容器分野を中心に近年そ
の使用量が増加すると同時に用途も多様化しつつある。
しかしながら、かかるブロツク共重合体は色調が劣り、
成形品が黄色味を呈すという欠点を有する。そのためこ
の欠点を改良する方法がいくつか試みられている。例え
ば、特公昭54−2679号公報には活性ブロツク共重合体の
炭化水素溶媒に、水/炭酸ガス/フエノール性酸化防止
剤を加えた後に150〜200℃の範囲の温度で処理して溶媒
を直接脱溶媒する方法が記載されており、特公昭55−74
59号公報にはブロック共重合体の炭化水素溶液を加熱、
もしくは加熱水と混合して溶剤をストリツピングする以
前に有機酸化合物の水溶液と接触させる方法が記載され
ている。又特開昭58−168612号公報には重合体にホウ酸
を添加した後安定剤を添加して重合体を回収する方法が
記載されている。
〔問題点〕
しかしながら、これらの方法により重合体自体の色調は
改良されるものの、一般に透明性に劣り、更に多湿雰囲
気下に長期間放置したり、温水に浸漬すると白濁して透
明性が失われるという問題点を有する。
また、重合体自体の色調は改良されるものの加工成型時
の成型品が再び着色する、あるいは最終製品としての成
型品を長期保存すると着色するといつた問題に対しては
未解決であつた。
この様な現状において、本発明者らはこれら色調に関す
る問題について検討を進めた結果、重合体溶液を安定剤
に添加した後溶媒を除去して残存溶媒量を特定量以下と
し、その後に、開始剤として使用した有機リチウム化合
物に対して0.05〜5当量の芳香族カルボン酸を実質的に
水の不存在下に配合添加することによりその目的が一挙
に達成されることを見い出し、本発明を完成するに到つ
た。
〔問題点解決の手段〕
即ち、本発明は、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物
を開始剤として共役ジエンまたは共役ジエンとビニル芳
香族炭化水素を重合せしめて得られた重合体溶液に a) 安定剤、又は安定剤と停止剤を添加した後に、 b) 重合体溶液から溶媒を除去し、しかる後、 c) 開始剤として使用した有機リチウム化合物に対し
て0.05〜5当量の芳香族カルボン酸を実質的に水の不存
在下に配合する ことを特徴とする重合体の製造方法を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の方法においては、炭化水素溶媒中、有機リチウ
ム化合物を開始剤として共役ジエン又は、これとビニル
芳香族炭化水素を重合せしめて重合体溶液を製造する。
共役ジエン又はこれとビニル芳香族炭化水素の重合体は
公知のいずれかの方法で製造することができる。例えば
共役ジエンとビニル芳香族炭化水素を不活性な炭化水素
溶媒中で有機リチウム化合物によりアニオン重合するこ
とによつて製造することができる。
共役ジエン及びビニル芳香族炭化水素をモノマーとする
場合、得られる重合体中の共役ジエンとビニル芳香族炭
化水素との組成比は特に制限はないが、一般に99.9:0.1
〜0.1:99.9、好ましくは98:2〜5:95の範囲で変化させる
ことができる。共役ジエン及びビニル芳香族炭化水素か
らなる重合体は、ランダム共重合体であつてもブロツク
共重合体であつてもよく、これらは公知のいずれかの方
法で不活性な炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物によ
りアニオン重合することにより製造できる。
例えば、ランダム共重合体は米国特許3094514号明細書
に記載されている様に、共役ジエン及びビニル芳香族炭
化水素の混合物を通常の重合速度より遅い速度で重合器
に供給することによつて製造できる。又、米国特許3451
988号明細書に記載されている様に、後述する極性化合
物やランダム化剤の存在下に共役ジエンとビニル芳香族
炭化水素の混合物を共重合させてランダム共重合体を製
造することができる。
一方、ブロツク共重合体の製造方法としては、例えば特
公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭
46−32415号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭48−
2423号公報、特公昭48−4106号公報、特公昭56−28925
号公報、特公昭51−49567号公報などに記載された方法
があげられる。これらの方法により、ブロツク共重合体
は一般式、 (A−B)n,AB−A)n,BA−B)n (上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主とする
重合体ブロツクであり、Bは共役ジエンを主とする重合
体ブロツクである。AブロツクとBブロツクとの境界は
必ずしも明瞭に区別される必要はない。又、nは1以上
の整数である。) で表わされる線状ブロツク共重合体、あるいは一般式、 〔(B−A)nm+2X,〔(A−B)nm+2X 〔(B−AnBm+2X,〔(A−BnAm+2X (上式において、A,Bは前記と同じであり、Xは例えば
四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化大豆油などのカ
ツプリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物等の
開始剤の残基を示す。m及びnは1以上の整数であ
る。) で表わされるラジアルブロツク共重合体として得られ
る。尚、上式において、ビニル芳香族炭化水素を主とす
る重合体ブロツクとはビニル芳香族炭化水素を50重量%
以上含有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共
重合体ブロツク又はビニル芳香族炭化水素単独重合体ブ
ロツクを示し、共役ジエンを主とする重合体ブロツクと
は共役ジエンを50重量%を超える量で含有する共役ジエ
ンとビニル芳香族炭化水素との共重合体ブロツク又は共
役ジエン単独重合体ブロツクを示す。共重合体ブロツク
中のビニル芳香族炭化水素は均一に分布していても、又
テーパー状に分布していてもよい。
この様にして得られたブロツク共重合体はビニル芳香族
炭化水素の含有量が60重量%以下、好ましくは55重量%
以下の場合は熱可塑性弾性体としての特性を示し、ビニ
ル芳香族炭化水素の含有量が60重量%を超える場合、好
ましくは65重量%以上の場合は熱可塑性樹脂としての特
性を示す。
本発明の方法で用いるビニル芳香族炭化水素としてはス
チレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p
−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α
−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラ
センなどがあるが、特に一般的なものとしてはスチレン
が挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合し
て使用してもよい。
本発明で用いる共役ジエンとは、1対の共役二重結合を
有するジオレフインであり、たとえば1,3−ブタジエ
ン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,
3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的なものとし
ては1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げられる。これ
らは1種のみならず2種以上混合して使用してもよい。
炭化水素溶媒としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、イ
ソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂
肪族炭化水素、、シクロペンタン、メチルシクロペンタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシ
クロヘキサン等の脂環式炭化水素、或いはベンゼン、ト
ルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素
などが使用できる。これらは1種のみならず2種以上混
合して使用してもよい。有機リチウム化合物は、分子中
に1個以上のリチウム原子を結合した有機モノリチウム
化合物であり、例えばエチルリチウム、n−プロピルリ
チウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、
sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサ
メチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプ
レニルジリチウムなどがあげられる。これらは1種のみ
ならず2種以上混合して使用してもよい。
本発明においては重合速度の調整、重合した共役ジエン
部のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)の変
更、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素の反応性比の調
整などの目的で極性化合物やランダム化剤を使用するこ
とができる。極性化合物やランダム化剤としては、エー
テル類、アミン類、チオエーテル類、ホスホルアミド、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウムまたはナトリ
ウムのアルコキシドなどがあげられる。適当なエーテル
類の例はジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフエ
ニルエーテル及びテトラヒドロフラン、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチ
ルエーテルである。アミン類としては第三級アミン、例
えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチ
ルエチレンジアミンの外、環状第三級アミンなども使用
できる。ホスフイン及びホスホルアミドとしてはトリフ
エニルホスフイン及びヘキサメチルホスホルアミドがあ
る。ランダム化剤としてはアルキルベンゼンスルホン酸
カリウムまたはナトリウム、カリウムまたはナトリウム
プトキシドなどがあげられる。
本発明の方法において重合体を製造する際の重合温度は
一般に−40℃ないし150℃、好ましくは40℃ないし120℃
である。重合に要する時間は条件によつて異なるが、通
常は48時間以内であり、特に好適には1ないし10時間で
ある。また、重合係の雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガ
スをもつて置換することが望ましい。重合圧力は、上記
重合温度範囲でモノマー及び溶媒を液相に維持するに充
分な圧力の範囲で行えばよく、特に限定されるものでは
ない。さらに重合系内には触媒及びリビングポリマーを
不活性化させるような不純物、たとえば水、酸素、炭酸
ガスなどが混入しないように留意する必要がある。
この様にして得られた重合体の重量平均分子量は、一般
に5,000〜5,000,000、好ましくは10,000〜1,000,000で
ある。又重合体溶液中の炭化水素の量は、一般に重合体
100重量部に対して50重量部〜2000重量部である。尚、
重合体の性質によつては重合体が炭化水素溶媒に不溶で
懸濁状の状態で得られる場合もあるが、本発明において
はこれらも重合体溶液とよぶことにする。
上記で得られた重合体溶液に安定剤、又は安定剤と停止
剤を添加する。これらをこの段階で添加するのは、次の
工程で溶媒を除去する際に重合体が酸化的劣化や熱的劣
化を起こすのを防止する上で有効である。これらはその
まま重合体溶液に添加しても、また炭化水素溶媒に溶解
して添加してもよい。安定剤としては、従来から使用さ
れてきた公知の安定剤のいずれでもよく、フエノール
系、有機ホスフエート系、有機ホスフアイト系、アミン
系、イオウ系等の種々の公知の酸化防止剤が使用され
る。安定剤は一般に重合体100重量部に対して0.001〜10
重量部の範囲で使用される。停止剤としては有機リチウ
ム化合物によつて製造されたリビング重合体を失活させ
ることができる公知の停止剤が使用できるが、好適なも
のは水、アルコール(メタノール、エタノール、プロパ
ノール等)、多価アルコール(エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、グリセリン等)及びこれらの混合
物である。これらは、一般に重合体100重量部に対して
0.01〜10重量部の範囲で使用される。停止剤は安定剤を
添加する前に添加してもよいし、安定剤と同時に添加し
てもよい。
次に安定剤、又は安定剤と停止剤を添加した重合体溶液
から溶媒を除去する。この際、溶媒は残存溶媒量が重合
体100重量部に対して30重量部以下、好ましくは10重量
部以下になるまで除去するのが耐失透性に優れた重合体
を得る上で好ましい。重合体溶液から溶媒を除去する方
法は公知のいずれの方法でもよく、例えば溶液を加熱し
て溶媒を蒸発させる方法、溶液を水又は温水に分散さ
せ、水蒸気を吹き込んで溶媒を蒸発させる方法(スチー
ムストリツピング法)、メタノール等の沈殿剤を多量に
添加して重合体を沈殿させて溶媒と分離する方法、溶液
を真空乾燥する方法、フララツシユ塔などで溶媒の一部
を蒸発させた後、更にベント式押出機で溶媒を除去する
方法などが採用できる。
次に上記の方法で溶媒を除去した重合体に、開始剤とし
て使用した有機リチウム化合物に対して0.05〜5当量、
好ましくは0.2〜2当量、更に好ましくは0.3〜0.9当量
の芳香族カルボン酸を実質的に水の不存在下に配合す
る。ここで用いる芳香族カルボン酸としては安息香酸、
クロロ安息香酸、アミノ安息香酸、ケイ皮酸、フエニル
酢酸、あるいはこれらの混合物などがあげられる。そし
て芳香族カルボン酸の配合量が所定量以下では本発明の
目的とする各種の色調改良効果は不十分であり、逆に必
要以上の配合は温水浸漬時の白化性を悪化させ、重合体
の熱安定性を低下させ、更に加工時の悪臭の原因とな場
合もある。本発明において芳香族カルボン酸と芳香族カ
ルボン酸以外の有機酸を併用することができる。併用で
きる有機酸としては炭素数10以上の高級脂肪酸、ロジン
酸、オキシカルボン酸等が挙げられる。かかる高級脂肪
酸の具体例としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リ
ノール酸、リノレン酸、リシノール酸、ベヘン酸、牛脂
脂肪酸あるいはこれらの混合物があげられる。ロジン酸
はその水添物でもよい。オキシカルボン酸としては、分
子中に少なくとも1つのヒドロキシ基と少なくとも1つ
のカルボキシル基を有する化合物であり、例えばグリコ
ール酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、オキシ吉
草酸、2−ヒドロキシステアリン酸、サリチル酸、o−
オキシケイ皮酸、あるいはこれらの混合物などがあげら
れる。芳香族カルボン酸と併用できるこれらの酸の添加
量は使用する芳香族カルボン酸の当量以下である必要が
ある。これ以上の添加は重合体の熱安定性の低下、ある
いは温水浸漬時の白化性の悪化がみられ好ましくない。
また、本発明において重合体溶液への芳香族カルボン酸
の添加は実質的に水の非存在下で行なわれる必要があ
る。例えばこれら添加物中には不純物あるいは結晶水等
の形で水が存在するが、ここでいう実質的に水の非存在
下とは、水の量が重合体溶液中の活性リビング末端に対
して1/2当量、好ましくは1/5、更に好ましくは1/10当量
以下であることをいう。これ以上の水の存在は本発明の
効果、特に温水浸漬時の白化性を損なうことになる。
上記の芳香族カルボン酸を添加した重合体は従来公知の
混練機で均一に混合するのが好ましい。混練機としては
オープンロール、インテンシブミキサー、インターナル
ミキサー、コニーダー、二軸ローター付の連続混練機、
押出機等が用いられる。尚、本発明の方法において、芳
香族カルボン酸を添加した後、重合体中に残存している
溶媒を更に除去したい場合には、前記の溶媒除去方法の
いずれかの方法を採用して除去すればよい。
本発明の方法の最も好ましい実施態様は、安定剤、又
は安定剤と停止剤を添加した重合体溶液から溶媒を加熱
蒸発させる方法かスチームストリツピング法により重合
体中の残存溶媒量を重合体100重合部に対して5重量%
以下、好ましくは1重量%以下にした後、芳香族カルボ
ン酸を添加して押出機(ベント式押出機を含む)で混練
する方法、或いは安定剤、又は安定剤と停止剤を添加
した重合体溶液からフラツシユ塔で溶媒の一部を蒸発さ
せた後、ベント式押出機で残存溶媒を更に除去して重合
体を回収する方法において、重合体中の残存溶媒量が重
合体100重量部に対して5重量部以下、好ましくは1重
量部以下になる工程で安息香酸を添加する方法があげら
れる。
本発明の方法によつて得られた重合体には目的に応じて
種々の添加剤を添加することができる。例えば、オイル
等の軟化剤、可塑剤、耐電防止剤、滑剤、紫外線吸収
剤、難燃剤、顔料、無機充填剤、有機繊維・無機繊維、
カーボンブラツクなどの補強剤、他の熱可塑性樹脂など
が添加剤として使用できる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
尚、実施例で使用したブロツク共重合体は次のようにし
て製造した。得られた重合体溶液の、重合体と溶媒との
重量比はいずれも1:4であつた。
〔ブロツク共重合体(A)〕
窒素ガス雰囲気下において、1,3−ブタジエン15重量部
とスチレン20重量部を含むn−ヘキサン溶液にn−ブチ
ルリチウムを0.11重量部添加し、70℃で2時間重合した
後、さらに1,3−ブタジエン45重量部とスチレン20重量
部を含むn−ヘキサン溶液を加えて70℃で2時間重合し
た。得られた重合体は、スチレン含有量40重量%のB−
A−B−A構造のブロツク共重合体であつた。
〔ブロツク共重合体(B)〕
窒素ガス雰囲気下において、スチレン15重量部を含むシ
クロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.11重量部を
添加し70℃で1時間重合した後、1,3−ブタジエン70重
量部を含むシクロヘキサン溶液を添加して70℃で2時間
重合した。その後、更にスチレン15重量部を含むシクロ
ヘキサン溶液を加えて70℃で1時間重合した。得られた
重合体は、スチレン含有量30重量%のA−B−A構造の
ブロツク共重合体であつた。
〔ブロツク共重合体(C)〕
窒素ガス雰囲気下において、スチレン30重量部とテトラ
ヒドロフラン0.3重量部を含むシクロヘキサン溶液にn
−ブチルリチウムを0.08重量部添加し、70℃で1時間重
合した後、更に1,3−ブタジエン20重量部とスチレン50
重量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で2時間
重合した。得られた重合体はスチレン含有量80重量%の
A−B−A構造のブロツク共重合体であつた。
〔ブロツク共重合体(D)〕
窒素ガス雰囲気下において、1,3−ブタジエン15重量部
とスチレン20重量部を含むn−ヘキサン溶液にn−ブチ
ルリチウムを0.07重量部添加し、70℃で2時間重合した
後、更に1,3−ブタジエン15重量部とスチレン50重量部
を含むn−ヘキサン溶液及びn−ブチルリチウム0.02重
量部を加えて70℃2時間重合した。得られた重合体はス
チレン含有量70重量%のB−A−B−A構造のブロツク
共重合体とB−A構造のブロツク共重合体からなる混合
物であり、しかも得られた重合体溶液は懸濁状あつた。
〔ブロツク共重合体(E)〕
窒素ガス雰囲気下において、スチレン75重量部を含むシ
クロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.15重量部添
加し、70℃で1時間重合した後、1,3−ブタジエン25重
量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で2時間重
合した。その後エポキシ化大豆油を5重量部添加してス
チレン含有量75重量%のラジアル構造のブロツク共重合
体を得た。
〔ブロツク共重合体(F)〕
窒素ガス雰囲気下において、1,3−ブタジエン80重量部
とスチレン20重量部を含むn−ヘキサン溶液にn−ブチ
ルリチウムを0.08重量部添加し、70℃で2時間重合し
た。得られた重合体はスチレン含有量20重量%のB−A
構造のブロツク共重合体であつた。
実施例1〜4及び比較例1〜4 前記で製造したブロツク共重合体(C)の溶液に安定剤
として4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフエノール
及びトリスノニルフエニルフオスフアイトを重合体100
重量部に対してそれぞれ0.5重量部添加した後、重合体
中の残存溶媒の量が第1表に示した量になるまで溶媒を
加熱除去した。その後、第1表に示した配合処法に従つ
て芳香族カルボン酸を添加し、30mmφ押出機で押出して
ペレツトとした。尚、重合体中の残存溶媒の量が多い場
合は、残存溶媒量が約1重量%以下になるまで溶媒を加
熱除去した後押出機にかけた。ペレツトを180℃でプレ
ス成形して厚さ2mmのシートを作成し、縦3cm、横4cmの
試験片の色調、透明性、温水浸漬時の白化性を測定し
た。その結果を第1表に示す。
*1:重合体100重量部に対する残存溶媒量又は配合量を
示す。
*2:日本電色工業株式会社製ND−V6B型総合視覚測定器
のb値を測定して色調を調べた。b値が大きい程みかけ
の黄色度が大きい。
b値が5未満 ◎ b値が5〜10 ○ b値が10を超える × *3:ASTM D−1003に準拠して曇度を測定した。
曇度が5未満 ◎ 曇度が5〜10 ○ 曇度が10を超える × *4:60℃の温水を張つた恒温槽中に試験片を完全に浸
し、150分間静置した後、各試験片の曇度をASTM −1003
に準拠して測定し、安定剤のみを添加して溶媒を除去し
て得た各重合体の試験片の曇度との差を求め、耐失透性
を判断した。この差が大きい程耐性透失が悪い。
曇度の差が+5未満 ◎ 曇度の差が+5〜+15 ○ 曇度の差が+15を超える × *5:30m/mφ押出機を使用してペレツトを再度押出して
ペレツトの色調変化・変化後の色調を測定した。表示は
*2と同じ基準にて表示した。
実施例5〜8 実施例1〜4においてブロツク共重合体(C)の溶液に
安定剤を添加する前に予めイソプロピルアルコールをブ
ロツク共重合体100重量部に対して0.5重量部添加する以
外は、実施例1〜4と同様の方法で各試験片を作成し
た。得られた試験片はそれぞれ実施例1〜4と同等の色
調、透明性及び耐失透性を示した。
比較例5及び6 実施例1において安息香酸の添加を水0.2及び1.0重量部
(Liに対して8.9及び44.4当量)の存在下に実施した。
得られた試験片はいずれも白化性が極めて悪いものであ
つた(評価ランクは×)。
実施例9〜16 実施例1、2と同様の方法で得た残存溶媒が0.5重量部
以下の重合体に、第2表に示した配合処法に従つて、芳
香族カルボン酸を200℃の40mmφ押出機で混練配合し
た。その後得られた各重合体の色調、透明性、白化性、
色調安定性を測定した。その結果を第2表に示す。
実施例17 窒素ガス雰囲気下において1,3−ブタジエン75重量部、
スチレン25重量部を含むn−ヘキサンに、n−ブチルリ
チウム0.07重量部、テトラメチルエチレンジアミンを0.
4重量部添加し、50℃で6時間重合した。得られた重合
体溶液に4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフエノー
ルと水をそれぞれ、1重量部添加した後、重合体溶液を
約120℃に加熱し、フラツシユ塔で残存溶媒が20重量部
(重合体100重量部に対して)になるまで溶媒を除去し
た。その後、この重合体に0.1重量部の安息香酸を添加
し、ベント押出機で押出すと同時に残存溶媒をベント部
より除去した。この様にして得られた重合体は、色調、
透明性、耐失透性の良好な重合体であつた。
実施例18 窒素ガス雰囲気下において1,3−ブタジエン100重量部を
含むn−ヘキサンにn−ブチルリチウムを0.05重量部添
加し70℃で4時間重合した。得られた重合体溶液に4−
メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフエノールを1重量部
添加した後、残存溶媒が約1重量部になるまで溶媒を加
熱除去した。このポリブタジエン100重量部に安息香酸
を0.2重量部添加し、60℃の8φインチロールで10分間
混練した結果、色調のよいポリブタジエンが得られた。
〔効 果〕
本発明の方法で得られた重合体は、透明で色調に優れる
ためその特徴を生かして、シート、フイルム、各種形状
の射出成形品、中空成形品、圧空成形品、真空成形品等
多種多様の成形品として活用できる。特に本発明の方法
で得られた重合体は、温水浸漬時の白化が少なく優れる
ため多湿雰囲気下で使用したり、水と接触する様な用途
分野、例えば食品容器、食品包装材料、玩具類、医療用
品等に有効に利用できる。又、加工時、保存時の色調安
定性にも優れる。本発明の方法は、共役ジエンとビニル
芳香族炭化水素とのブロツク共重合体の他、共役ジエン
重合体、ビニル芳香族炭化水素重合体共役ジエンとビニ
ル芳香族炭化水素とのランダム共重合体にも利用でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 9/00 KDB 25/04 KFX

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を開
    始剤として共役ジエンまたは共役ジエンとビニル芳香族
    炭化水素を重合せしめて得られた重合体溶液に a) 安定剤、又は安定剤と停止剤を添加した後に、 b) 重合体溶液から溶媒を除去し、しかる後、 c) 開始剤として使用した有機リチウム化合物に対し
    て0.05〜5当量の芳香族カルボン酸を実質的に水の不存
    在下に配合する ことを特徴とする重合体の色調改良方法。
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