JPH0712824Y2 - 換気扇カバー及びその取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、使い捨て方式で種々のサイズの換気扇枠体に
取付け可能な換気扇カバー及びその取付構造に関する。

［従来の技術と考案が解決しようとする課題］ 従来、塵芥や異物の流入による羽根の損傷、モータの負
荷の増大や故障を防止するため、室内等の換気口または
換気扇枠体に換気扇カバーが取付けられている。この換
気扇カバーは、通常、方形状の換気扇枠体に適合した所
定寸法の枠体と、該枠体と一体に取付けられたフィルタ
とで構成されている。

一方、例えば、家庭の台所用換気扇、レンジフード用換
気扇や業務用換気扇等では、自ずから換気量が異なる。
従って、換気扇枠体は換気量等に応じて種々の規定寸法
に形成されている。しかしながら、上記構造の換気扇カ
バーは所定寸法に形成されているので、大きさの異なる
換気扇枠体等に対処できず、多種類の換気扇カバーを用
意する必要がある。また枠体とフィルタが一体化した換
気扇カバーは、その構造が複雑であり、コスト高とな
る。

上記の点に鑑み、ウーリーナイロン製の筒状の生地のう
ち一方の開口部を結束し、他方の開口部の周縁部を袋状
とし、該袋状部にゴム紐を通したフィルタが提案されて
いる（実開昭59-25029公報参照）。

しかしながら、このフィルタは、ナイロン製生地で形成
されているため、換気扇の吸引力により、フィルタが換
気扇に吸込まれる虞がある。従って、換気扇の羽根が損
傷したり、モータの負荷が増大したり、故障したりする
原因ともなり、排気が阻害される場合がある。また換気
扇に前記従来のフィルタを適用すると、結束部を有して
いるため、外観が著しく損われる。さらには、ナイロン
製生地で形成されたフィルタは燃え易く、安全性が十分
でない。

本考案は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その
目的は、種々のサイズの換気扇枠体に容易に取付けるこ
とができるとともに、取付状態で外観が良好で、かつ安
価な換気扇カバーを提供することにある。

また、本考案の目的は、換気扇枠体の大きさが異なって
いても、枠体とフィルタとで構成された換気扇カバーを
容易に取付けることができると共に、柔軟なフィルタで
あっても外観が良好で、換気扇へ吸込まれることがない
換気扇カバーの取付構造を提供することにある。

［課題を解決するための手段及び作用］ 本考案の換気扇カバーは、換気扇枠体に取付けられる平
面状の支持枠部材と、該支持枠部材を被冠し、かつ周縁
部が収縮可能であると共に、前記支持枠部材に対して着
脱可能なフィルタとからなり、上記支持枠部材が、外枠
を備えた格子状部材と、前記外枠の対向する辺又は部位
に形成され、かつ前記外枠に対して起立可能な細幅の折
曲片と、前記外枠と換気扇枠体との間に空間を形成する
ための支持部を介して、前記折曲片に折曲可能に形成さ
れた先端部とで構成され、この先端部に、換気扇枠体の
前面又は側部に取付可能な取付手段が取付けられてい
る。

前記フィルタは、支持枠部材も含めて換気扇枠体の側部
も被冠可能である。

上記支持枠部材は平面状であるにも拘わらず、細幅の折
曲片を外枠から起立させることにより、立体化できる。
しかも、折曲片が細幅であるため、取付け手段により、
換気扇枠体の前面又は側部に、折曲片の先端部を取付け
ると、外枠の周縁側部に、開口部を形成できる。上記支
持枠部材は、換気扇枠体が大きい場合には、細幅の折曲
片の先端部を折曲して換気扇枠体の前面に取付けられ、
換気扇枠体が小さい場合には、細幅の折曲片の先端部を
折曲げることなく換気扇枠体の側部に取付けられる。そ
のため、換気扇枠体の前面又は側部に取付け可能な折曲
片の先端部により、１つの支持枠部材を、大きさの異な
る換気扇枠体に取付けることができる。

また、フィルタは周縁部が収縮可能であるため、支持枠
部材の立体化に伴なって形成された側部の開口部、およ
び立体形状化した支持枠部材全体を含めて、フィルタで
被冠でき、前記開口部も換気に有効に利用できるととも
に、大きさが異なる換気扇枠体も容易に被冠できる。

さらに、折曲片が細幅であっても、外枠の対向する辺又
は部位に形成されているので、格子状の支持枠部材とと
ともに、フィルタを全体に亘り強固に支持できる。さら
に本考案の換気扇カバーのフィルタはシート状であり、
支持枠部材も平面状であるため、換気扇カバーを取付け
た状態での外観を損ねることもない。また、平面状の支
持枠部材が格子状部材で構成されているため、周縁部が
収縮可能なフィルタを全体に亘り確実に支持できる。ま
た、支持枠部材及びフィルタが各別に構成されているの
で、支持枠部材とフィルタを一体化する必要がなく、立
体形状に予め成形した支持枠部材に比べて安価である。

本考案の換気扇カバーの取付構造は、換気扇枠体に、平
面状の支持枠部材を介して、周縁部が収縮可能なフィル
タが着脱可能に取付けられた構造であって、上記支持枠
部材が、外枠を備えた格子状部材で構成されており、前
記外枠の対向する辺又は部位に形成された細幅の折曲片
が前記外枠に対して起立され、前記折曲片のうち支持部
を介して折曲可能に形成された先端部が、取付け手段に
より、換気扇枠体の前面又は側部に取付けられ、前記支
持部により、前記外枠と換気扇枠体との間に空間が形成
されている。

上記換気扇カバーの取付け構造によれば、前記のよう
に、支持枠部材及びフィルタよりなる換気扇カバーを、
大きさの異なる換気扇枠体に取付けることができるとと
もに、換気扇カバーの側部の開口部も換気に利用でき
る。また、フィルタが柔軟であっても、支持部を介して
換気扇枠体に取付けられた、格子状部材を含む平面状の
支持枠部材により、フィルタ全体が確実に支持され、換
気に伴なって波打ったり換気扇へ吸込まれることがな
い。さらに、フィルタの周縁部の収縮力が支持枠部材に
作用するので、換気扇カバーの取付け保持性を高めるこ
とができる。

［実施例］ 以下に、添付図面に基づいて本考案を詳細に説明する。

第１図は、本考案の換気扇カバー及びその取付構造の一
実施例を示す分解斜視図であり、第２図は、換気扇枠体
と支持枠部材との取付構造の一例を示す分解斜視図であ
る。なお、第１図に示す例では、換気扇枠体の側部に支
持枠部材を取付け、第２図に示す例では、換気扇枠体の
前面に支持枠部材を取付けている。

この実施例の換気扇カバーは、換気扇枠体１に着脱自在
に取付けられる格子状の支持枠部材４、及び周縁部が収
縮可能であるとともに、前記支持枠部材４に対して着脱
可能なフィルタ９より構成されている。なお、換気扇枠
体１は、換気口２を有しており、枠体１内には換気扇３
が配設される。

前記支持枠部材４は平面状に形成され、外枠を備えた格
子状部材で構成されている。支持枠部材４のうち外枠の
対向する辺又は部位には、前記外枠に対して起立可能な
細幅の折曲片５が形成されている。この折曲片５には、
折曲溝６が形成されていると共に、前記換気扇枠体１と
当接する先端部７には、取付け手段として、着脱自在に
取付可能な面ファスナや両面粘着テープ８が設けられて
いる。前記折曲片５のうち、前記先端部７を余す部位
は、前記外枠と換気扇枠体１との間に空間を形成するた
めの支持部として機能する。すなわち、前記細幅の折曲
片５には、支持部を介して折曲可能な先端部７が形成さ
れている。上記支持枠部材４は、紙、プラスチックなど
の種々の材料を、打抜きなどの成形手段により一体に形
成できる。

またフィルタ９は、周縁開口部10に形成された環状挿通
孔11と、該環状挿通孔11内に配された伸縮性紐状体（図
示せず）とを有している。

より詳細には、フィルタ９は、その中央部を余した周縁
部が全周に亘り内方へ折曲され、開口部10を有する袋状
に形成されている。また換気口への取付状態において波
形や山形等の余裕部が生じるのを防止するため、上記フ
ィルタ９の中央部は、前記平面状の支持枠部材４で支持
された状態において平面部9aを構成する。またフィルタ
９のうち開口部10の縁部は、フィルタ９と固着又は縫合
することにより、環状挿通孔11が形成されている。この
環状挿通孔11には、フィルタ９の周縁部の長さよりも短
く、伸縮性を有する材料、例えば、合成ゴム等からなる
環状の上記紐状体が配されている。

なお、フィルタ９は、通気性を有する材料で形成されて
いればよいが、難燃性不織布で形成されているのが好ま
しい。難燃性不織布としては、種々の材料が使用できる
が、ポリビニルアルコールマトリックス中にポリ塩化ビ
ニルがフィブリル状に存在する難燃性繊維と、補強繊
維、例えばポリエステル繊維とで形成されているのが好
ましい。

本実施例の換気扇カバーの取付構造は、前記換気扇カバ
ーを換気扇枠体１に取付けることにより構成される。

すなわち、外枠の折曲片５を起立させることにより平面
状の支持枠部材４を立体形状とし、換気扇枠体１が小さ
い場合には、第１図に示されるように、先端部７を折曲
げることなく、折曲片５の先端部７に取付けられた両面
粘着テープ８を、換気扇枠体１の側部の取付部位1aに取
付けることができる。また換気扇枠体１が大きい場合に
は、第２図に示されるように、支持枠部材４の折曲片５
に形成された折曲溝６に沿って先端部７を折曲げ、折曲
片５の先端部７に取付けられた両面粘着テープ８を、換
気扇枠体１の前面の取付部位1bに取付けることができ
る。すなわち、先端部７の折曲げの有無により、大きさ
の異なる換気扇枠体１に対しても、１つの支持枠部材４
を取付けることができる。

支持枠部材４を換気扇枠体１に取付けると、細幅の折曲
片５の支持部により、支持枠部材４を支持できるととも
に、外枠と換気扇本体１との間には空間が形成され、換
気扇カバーの周縁側部には、支持部間に開口部が形成さ
れる。

またフィルタ９は、紐状体を伸長させ、開口部10を大き
くした状態で、換気扇枠体１を被冠し、換気扇枠体１の
端部等に紐状体を封止した状態で紐状体を解放すること
により、容易に取付けることができるとともに、フィル
タ９を交換することも容易である。しかも、取付状態で
は、紐状体の収縮力により、支持枠部材４の保持性を高
めることができる。なお、フィルタ９の大きさや紐状体
の伸縮力を調整することにより、異なる大きさの換気扇
枠体１にも容易に取付け可能である。またフィルタ９の
紐状体は、取付状態において、支持枠部材４の折曲片５
の端部などに封止させてもよく、換気扇枠体１と該換気
扇枠体１が取付けられた壁との隙間などに掛止させても
よい。後者の場合、フィルタは、支持枠部材４も含めて
換気扇枠体１の側部も被冠可能であるため、換気扇枠体
１の汚染も抑制できる。

フィルタ９で被冠すると、換気扇カバーの周縁側部に、
前記支持部により形成された開口部も換気に利用でき、
フィルタ９の有効面積を大きくできる。そのため、圧力
損失の増加及びフィルタ９の汚染を抑制し、長期間に亘
り塵芥等を円滑且つ効率よく除去できる。

本考案の換気扇カバーの取付構造において、フィルタ９
が、格子状部材を含む平面状の支持枠部材４を介して換
気扇枠体１に取付けられるので、フィルタ９全体を確実
に支持でき、柔軟なフィルタ９であっても、換気扇３の
吸引力により換気口２に吸引されることがない。またフ
ィルタ９や換気扇３が汚れても、フィルタ９を容易に交
換でき、換気扇枠体１に対して着脱自在な支持枠部材４
を外すことにより、容易に清掃できる。

さらには、換気扇カバーは、フィルタ９の中央部が平面
部9aを構成するので、美観を損ねることがない。さらに
は、フィルタ９が難燃性不織布で形成されているため、
台所等の換気口に取付けても、安全である。

なお、支持枠部材は、外枠を備えた格子状部材で構成さ
れていればよく、支持枠部材のうち外枠は、換気口及び
換気扇枠体の種類に応じて、適宜の形状に形成できる。
支持枠部材のうち外枠に対して起立可能に形成された折
曲片は、外枠の対向する辺又は部位に適宜数形成するこ
とができる。なお、第１図及び第２図に示されるよう
に、折曲片を折曲して起立させ、先端部を折曲げること
により、換気扇枠体との当接面積を確保し、取付手段に
よる支持枠部材の保持性を高めるため、折曲片には少な
くとも１つの折曲溝が形成されているのが好ましい。取
付手段は、上記実施例の面ファスナや両面粘着テープに
限らず、マグネットなどであってもよい。

また上記フィルタは、難燃性繊維に限らず、通気性を有
する網状体、好ましくは繊維状合成樹脂を素材とする網
状体で形成できる。フィルタは、その周縁部が収縮可能
であればよい。前記伸縮性紐状体は、環状挿通孔に収容
された状態で配されている必要はなく、縫合等の適宜の
手段によりフィルタの周縁部と少なくとも部分的に一体
に設けてもよい。紐状体は、伸縮性を有する材料に限ら
ず、非伸縮性の材料で形成されていてもよい。すなわ
ち、前記環状挿通孔に開口部を設け、該開口部から紐状
体の両端部を引出した状態で挿通孔に紐状体を挿通して
もよい。この場合、換気扇カバーは、支持枠部材を介し
て、フィルタが被冠した状態で上記紐状体の両端部を締
結することにより、換気扇枠体に、容易に取付けること
ができる。

フィルタの中央部は、美観を損なわず、換気口へ吸引さ
れるのを抑制できる範囲で波形等の余裕部を形成しても
よい。

［考案の効果］ 本考案の換気扇カバーは、平面状の支持枠部材を立体化
して換気扇枠体に取付けることができる。そのため、輸
送・保管容積を小さくでき、安価である。また、種々の
サイズの換気扇枠体に取付けることができ、立体形状化
した支持枠部材全体をフィルタで被冠できる。また、外
枠と換気扇枠体との間に空間を形成でき、側部の開口部
もフィルタで被冠できるので、フィルタの有効面積を大
きくでき、圧力損失の増加及びフィルタの汚染を抑制
し、長期間に亘り塵芥等を円滑且つ効率よく除去でき
る。さらに、格子状部材を備えた平面状の支持枠部材に
より、フィルタを全体に亘り支持できるので、取付状態
で外観が良好である。

フィルタが支持枠部材も含めて換気扇枠体の側部も被冠
可能である場合には、支持枠部材のみならず、換気扇枠
体の汚染も抑制できる。

本考案の換気扇カバーの取付構造によれば、換気扇枠体
の大きさが異なっていても、前記換気扇カバーを容易に
取付けることができると共に、フィルタの有効面積を大
きくでき、柔軟なフィルタであっても外観が良好であ
り、かつ換気扇へ吸込まれることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の換気扇カバー及び換気扇カバーの取付
構造の一実施例を示す分解斜視図、 第２図は換気扇枠体と支持枠部材との取付構造の一例を
示す分解斜視図である。 （１）……換気扇枠体、（４）……支持枠部材、（５）
……折曲片、（６）……折曲溝、（７）……先端部、
（８）……両面粘着テープ、（９）……フィルタ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】換気扇枠体に取付けられる平面状の支持枠
   部材と、該支持枠部材を被冠し、かつ周縁部が収縮可能
   であると共に、前記支持枠部材に対して着脱可能なフィ
   ルタとからなり、上記支持枠部材が、外枠を備えた格子
   状部材と、前記外枠の対向する辺又は部位に形成され、
   かつ前記外枠に対して起立可能な細幅の折曲片と、前記
   外枠と換気扇枠体との間に空間を形成するための支持部
   を介して、前記折曲片に折曲可能に形成された先端部と
   で構成され、この先端部に、換気扇枠体の前面又は側部
   に取付可能な取付手段が取付けられていることを特徴と
   する換気扇カバー。
2. 【請求項２】フィルタが支持枠部材も含めて換気扇枠体
   の側部も被冠可能である請求項１記載の換気扇カバー。
3. 【請求項３】換気扇枠体に、平面状の支持枠部材を介し
   て、周縁部が収縮可能なフィルタが着脱可能に取付けら
   れた構造であって、上記支持枠部材が、外枠を備えた格
   子状部材で構成されており、前記外枠の対向する辺又は
   部位に形成された細幅の折曲片が前記外枠に対して起立
   され、前記折曲片のうち支持部を介して折曲可能に形成
   された先端部が、取付け手段により、換気扇枠体の前面
   又は側部に取付けられ、前記支持部により、前記外枠と
   換気扇枠体との間に空間が形成されていることを特徴と
   する換気扇カバーの取付構造。