JPH0343551Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、換気扇の前面吸気側を覆つて、油煙
や蒸気に含まれるミスト状の油滴や塵埃等による
換気扇の汚損を防止する換気扇カバーに関するも
のである。

〔従来の技術〕

一般に、家庭用の換気扇は、長期間に亙る使用
中において、フレームやフアンの表面に油滴や塵
埃等が粘着状態で付着する。このような汚れは至
つて落ちにくく、清掃の際には強力な洗浄力を有
する洗剤を用いる必要があり、また相当な手間を
要していた。

このような実情に鑑み、従来より使い捨てタイ
プの換気扇カバーが種々提案されているが、これ
ら従来の換気扇カバーは、そのいずれもアルミニ
ウムシートや合成樹脂シートを塑性加工してなる
成型品であつて、換気扇フレームの前面形状に適
合する方形または円形の端面形状を有するカバー
本体の中央部に、換気扇のフレームの前面に開口
したフアン吸引口に適合する大径の通孔を形成す
ると共に、該通孔に不織布等のフイルターを張設
した基本構造を有し、多くは通孔が形成されるカ
バー本体中央部を前方に突出する形状として、保
形強度を高め、また取付時においてフアン及びそ
の回転軸にフイルター面が接触しないようにして
いる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし乍ら、上記のように構成された従来の換
気扇カバーは、いずれもアルミニウムシートや合
成樹脂シートからなる成型品であるため、適合し
て装着し得る換気扇は一機種ないし数機種に留ま
る。このため様々な形状、寸法を有する各種換気
扇に対応させるためには、形状・寸法の異なる多
種類のものを用意する必要があり、使用者にとつ
ても所有の換気扇に適合する品種のカバーを選択
しなければならないという不都合があつた。

また、換気扇フレームには接着テープやコイル
スプリング或は磁石片等を用いて固定状に装着さ
れるものであるが、成型品であるため保形性が大
きく、カバー本体の裏面が換気扇フレームの表面
に馴染みにくい。このため装着状態において、カ
バー本体の裏面は換気扇フレームの表面からやや
浮き上がつた状態となつて、僅かに隙間が生じ、
この隙間から油煙や塵埃等が侵入してフレーム表
面等に付着することにもなる。

更に、装着状態において、換気扇本体との間に
デザイン上の違和感が生じるのを避けられず、換
気扇の美観を損なうなどの問題点があつた。

本考案は、上記のような従来の問題点を解決す
るためになされたもので、換気扇の形状・寸法を
選ばず装着することができ、しかも装着状態にお
いて、換気扇フレームの表面に隙間なく密着して
僅かな油煙や塵埃の侵入も許さない上に、換気扇
に調和してデザイン上の美観を損なうこともない
ものであり乍ら、簡便にして安価な換気扇カバー
の提供を目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は実施例の
図面に示すように、換気扇フレームＤの前面から
側周面にまで連続して被覆し得る形状に形成され
た熱収縮性樹脂フイルムよりなるカバー本体２の
中央部に、換気扇フレームＤの前面に開口したフ
アン吸引口Ｅに適合する通孔３を穿設し、この通
孔３に不織布等のフイルター４を張設したことを
特徴とするものである。

また、前記フイルター４を張設した通孔３にフ
イルター４を受止する枠片５をカバー本体２と一
体に設け、該枠片５によりフイルター４を補強す
るようにしてもよい。

〔作用〕

上記構成の本考案の換気扇カバーは、換気扇フ
レームＤのフアン吸引口Ｅとカバー本体２の通孔
３に張設したフイルター４とを位置合わせした状
態で、該フレームＤ前面にカバー本体２の中央部
を沿わせると共に、周辺部を換気扇フレームＤの
側周面に沿わせ、該カバー本体２の周端部適宜箇
所を両面粘着テープ等を用いてフレームＤの周壁
裏面等に止着した後、例えばヘアードライヤー等
の加熱手段を用いて熱風を吹き付けて、カバー本
体２を熱収縮させることにより、換気扇フレーム
Ｄの表面に沿つて密着変形させた状態で装着され
るものである。また、換気扇には電源オン・オフ
用の操作紐や操作釦等がフレームＤから引き出さ
れ、或は突出しているが、これら操作部上を覆う
カバー本体部分は、鋏やカツター等を用いて切取
つて簡単に取除くことができる。

このようにカバー本体２は未使用時には、扁平
なシート状を呈しており、多数枚を積層して嵩低
くすることができる。そして、使用時には換気扇
の形状・寸法を選ぶことなく、簡便な加熱手段を
用い、たいした手間もなく該換気扇のフレームＤ
に沿う形状に収縮成形することができる。しかも
換気扇への装着状態においては、フレームＤの前
面から側周面に亙る表面全面に隙間なく密着し、
油煙や塵埃等の侵入を阻止するだけでなく、換気
扇の形状と調和して、該換気扇のデザイン上の美
観を損なわない。

その上、カバー本体２は薄いフイルムからなる
ものであるため、換気扇フレームＤから容易に剥
がして新しいものと取替えることができる。

更に、フイルター４を枠片５で補強するように
すると、換気扇の起動によつて生じる風圧でフイ
ルター４が変形し、フアン吸引口Ｅ内に吸込まれ
てフアン等に接触する危険性をなくすことができ
る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳細に説
明する。第１図〜第４図において、Ａは本実施例
に係る換気扇カバー１が取付けられる換気扇で、
フアンＢを内装した本体枠Ｃの前面にフレームＤ
を嵌装してなり、該フレームＤは方形状とした前
壁D₁の四側縁から後方に適宜幅の側壁D₂…を延
設すると共に、前壁D₁の中央部に大径のフアン
吸引口Ｅを穿設して構成されている。

前記換気扇カバー１のカバー本体２は、厚さ20
〜100μ程度の二軸延伸熱収縮性合成樹脂フイル
ムを所定寸法の方形に裁断したものである。該カ
バー本体２の寸法は、換気扇フレームＤの前壁
D₁の表面から各側壁D₂…の表面まで連続して被
覆し得る大きさに形成されている。そして、該カ
バー本体２の中央部には前記フレームＤの前面に
開口したフアン吸引口Ｅに適合する円形の通孔３
が穿設され、この通孔３にフイルター４が張設さ
れている。

前記フイルター４は換気扇Ａの起動時に、フア
ンＢにより吸引される油煙や蒸気中に含まれるミ
スト状の汚れ成分を捕集するもので、不織布、空
孔率の高い発泡ウレタン、その他任意のシート状
空気濾過材料が使用され、前記通孔周縁のフイル
ム部分にヒートシートまたは接着剤により貼着さ
れるものである。

また、フイルター４が張設される通孔３には、
フイルター４を受止する枠片５がカバー本体２と
一体に形成されている。この枠片５は、換気扇カ
バー１の換気扇Ａへの装着時において、換気扇４
の起動によつて生じるフアンＢの風圧によりフイ
ルター４がフアンＢ側に変形するのを防止するも
ので、これによりフイルター４のフアンＢやフア
ン回転軸B₁への接触が防止される。尚、これら
枠片５の形状は図示例では十字状条片からなるも
のとしているが、その他任意の形状を採り得るも
のであり、また比較的吸引力の小さい小型の換気
扇に使用するものでは特に設ける必要もない。

更に、フイルター４とカバー本体２の通孔周り
との貼着部ａは、換気扇Ａのフアン吸引口Ｅの周
縁外方に位置するように、前記通孔３をフアン吸
引口Ｅよりもやや大径にすることが望ましく、こ
のようにすると前記貼着部ａはフアンＢの風圧を
直接受けることがないので、長期使用によるフイ
ルター４の剥離を防止することができる。

上記構成の換気扇カバー１を換気扇Ａに装着す
る時は、第３図に示すように、まず換気扇Ａから
フレームＤを取外した後、該フレームＤのフアン
吸引口Ｅの前面に、カバー本体２の通孔３に張設
したフイルター４を位置合わせし、この状態から
フレーム前壁D₁の表面にカバー本体２の中央部
を重ね合わせると共に、周辺部をフレーム各側壁
D₂…の表面に沿わせ、更にカバー本体周端部を
側壁D₂…の裏面側に折返して、この折返し周端
部１ａの適宜複数箇所を側壁D₂…の裏面に両面
粘着テープＦ等を用いて止着し、これによつて換
気扇Ａの室内側に露出するフレームＤの表面全面
をカバー本体２で覆う。

次いで第４図に示すように、例えばヘアードラ
イヤー等の加熱手段を用いてカバー本体２の表面
全面に亙つて熱風を吹付けると、短時間の内にカ
バー本体２が全体的に熱収縮して換気扇フレーム
Ｄの外形に沿う形状に変形し、該フレームＤの前
壁D₁及び各側壁D₂…の表面に隙間なく密着した
状態で一体的に装着されるのである。

尚、前述のように、カバー本体２の周端部１ａ
をフレーム側壁D₂…の裏面側に折返して、この
周端折返し部分１ａを該側壁D₂…に固定するこ
とにより、カバー本体２の熱収縮時、該本体２は
周端折返し部分１ａ，１ａ…間に固定支持され
て、フレームＤの各部を完全に被覆する形で収縮
変形することになるが、カバー本体２の寸法がや
や不足する場合は、フレームＤの各側壁D₂…の
後端部に粘着テープＦ等により固定するようにし
てもよい。

ところで、換気扇Ａの種類によつては、フアン
Ｂの回転軸B₁が、フアン吸引口Ｅの前方開口端
より更にやや前方に突出しているものがあるが、
このような換気扇Ａに本考案の換気扇カバー１を
装着する場合、例えば第５図に示すような取付補
助具６を使用することにより、該回転軸B₁にカ
バー本体２の中央部が接触することなく取付ける
ことができる。即ち、前記取付補助具６は換気扇
Ａのフアン吸引口Ｅより大径で、フアン回転軸
B₁のフレーム前面からの突出量よりも大きい幅
寸法を有する合成樹脂製のリング体からなるもの
であつて、具体的には、換気扇Ａの機種に合わせ
て直径が15〜35cm、幅が１〜５cm程度の範囲内に
寸法設定される。

尚、カバー本体２の通孔３にフイルター受止用
の枠片を設けていない換気扇カバーを用いる時
は、前記取付補助具６を構成するリング体にフイ
ルター４を受止する枠片６ａを一体に設けるよう
にするとよい。

この取付補助具６を用いてフアン回転軸B₁が
フレーム前面より突出している換気扇Ａに換気扇
カバー１を装着する時は、該補助具６をフアン吸
引口Ｅ周りに設置したうえで、上述の要領でフレ
ームＤ上に被覆した後、ヘアードライヤー等を用
いてカバー本体２を熱収縮させることにより、第
６図に示すように、該カバー本体２は補助具６の
外形に沿つて収縮変形して、該補助具６を設置位
置で固定支持し、またフイルター４はフアン回転
軸B₁に接触することなく補助具６の前端周縁に
張設されるものである。

尚、前記取付補助具６は図示例のような円形リ
ング状のものに限られるものではなく、装着する
換気扇のフアン吸引口Ｅの形状に合わせて、適宜
方形枠状、或は菱形枠状のものを使用するように
するとよい。

また、図示してはいないが、換気扇カバー１の
取付補助具６を、入れ子式に嵌合する２個のリン
グ体により構成し、内側リング体をフアン吸引口
Ｅ上に設置し、この内側リング体上に換気扇カバ
ー１を被覆した後、該フイルター４の前面から外
側リング体を嵌め込んで、両リング体間にフイル
ター４の周縁部を挟持させることにより、該フイ
ルター４を緊張保持するようにすれば、該フイル
ター４をより確実に補強することができる。

更に、第２図に示すように、換気扇には電源オ
ン・オフ用の操作紐Ｈが引き出され、或は操作釦
（図示せず）がフレームＤから突出しているが、
換気扇Ａに被せたカバー本体２は下部が該操作部
上に被さるため、鋏やカツター等を用いてカバー
本体２を部分的に切取り除去し、この切取部から
操作紐Ｈを引き出し、或は操作釦を露出させるよ
うにする。

上述のようにして換気扇Ａに装着された換気扇
カバー１を、耐用期間が過ぎて取り替える時は、
フレームＤから引裂くようにして剥離することで
簡単に取外すことができる。

尚、既述実施例ではカバー本体２を方形状に形
成し、フイルター４が張設された通孔３を円形に
形成しているが、本考案では、これらカバー本体
２や通孔３の形状は上記のように限定されるもの
ではなく、要するに装着しようとする換気扇Ａの
フレームＤ及びフアン吸引口Ｅの形状に適合させ
るようにすればよい。

また、カバー本体２を構成する熱収縮性樹脂と
しては、透明または不透明のいずれも使用できる
ものであるが、中でも透明樹脂を用いた場合は、
換気扇フレームＤの色彩や模様等はカバー本体２
を透かして視認でき、換気扇カバー１の装着によ
つて、フレームＤの美観が損なわれることはな
い。更に、同熱収縮性樹脂フイルムとして、一軸
延伸フイルムを使用することも可能である。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の換気扇カバーに
よるときは、カバー本体２を熱収縮性樹脂フイル
ムにより構成したので、未使用時には扁平なシー
ト状を呈しており、多数枚を積層して嵩低くする
ことができ、運搬や保管或は店頭における陳列販
売の際に至つて好都合である。そして、使用時に
は簡便な加熱手段を用いることにより、たいした
手間もなく短時間で換気扇のフレームＤに沿う形
状に収縮成形されるので、どのような形状や寸法
の換気扇フレームにも装着できるうえに、換気扇
フレームＤから容易に引き剥がすことができて簡
単に取替えられる。しかも、換気扇に装着した状
態では、換気扇の形状と調和して、該換気扇のデ
ザイン上の美観を損なわない。

また、前記カバー本体２は換気扇フレームＤの
前面から側周面にまで連続して被覆し得る形状を
有するものとしたので、フレームＤの前面から側
周面に亙る表面全面に隙間なく密着し、優れた汚
れ防止機能を発揮するものである。

しかも、カバー本体２用の熱収縮性樹脂フイル
ムに通孔３を設け、この通孔３に不織布等のフイ
ルター４材料を張設するだけの簡単な構造である
ため、簡便にして安価に製造できるものとなつ
た。

また、フイルター４を張設した通孔３にフイル
ター４を受止する枠片５をカバー本体２と一体に
設け、該枠片５によりフイルター４を補強するよ
うにすることにより、換気扇の起動時に生じる風
圧によつてフイルター４がフアン吸引口Ｅ内に吸
込まれてフアン等に接触するのを確実に防止する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第６図は本考案の実施例を示し、第１
図は正面図、第２図はこの実施例の換気扇カバー
と、装着しようとする換気扇とを分離して示す斜
視図、第３図は換気扇フレームへの装着途中を示
す縦断側面図、第４図は換気扇に装着された状態
を示す縦断側面図、第５図は取付補助具の斜視
図、第６図は取付補助具を介して装着した状態を
示す要部縦断側面図である。 ２……カバー本体、３……通孔、４……フイル
ター、５……枠片、Ｄ……換気扇フレーム、Ｅ…
…フアン吸引口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 換気扇フレームＤの前面から側周面にまで連
   続して被覆し得る形状に形成された熱収縮性樹
   脂フイルムよりなるカバー本体２の中央部に、
   換気扇フレームＤの前面に開口したフアン吸引
   口Ｅに適合する通孔３を穿設し、この通孔３に
   不織布等のフイルター４を張設したことを特徴
   とする換気扇カバー。 フイルター４を張設した通孔３に、該フイル
   ター４を受止する枠片５をカバー本体２と一体
   に設けてなる請求項記載の換気扇カバー。