JPH0712767A - 匂いセンサ - Google Patents

匂いセンサ

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JPH0712767A
JPH0712767A JP15740393A JP15740393A JPH0712767A JP H0712767 A JPH0712767 A JP H0712767A JP 15740393 A JP15740393 A JP 15740393A JP 15740393 A JP15740393 A JP 15740393A JP H0712767 A JPH0712767 A JP H0712767A
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JP
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odor
sensitive film
film
sensor
heating means
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JP15740393A
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English (en)
Inventor
Hiroo Miyamoto
裕生 宮本
Masakazu Kato
雅一 加藤
Katsuaki Umibe
勝晶 海部
Minoru Saito
稔 斎藤
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複雑な測定系なしで使用でき、かつ、感応特
性の安定性が従来より優れる匂いセンサを提供するこ
と。 【構成】 アルミナセラミックス等から成る基板11上
に、金の厚膜で構成した櫛形電極13を具える。基板1
1上に櫛形電極13に接するように、フタロシアニン類
の蒸着膜で構成した感応膜15を具える。感応膜15を
加熱するための加熱手段を例えば基板裏面に設けても良
い。感応膜15を覆うように、水分を吸着しかつ匂いを
含む気体を透過する保護膜を設けても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、匂いセンサに関する
もので、特に燻燃状態(燃焼前期の未だくすぶっている
状態)の火災すなわち初期状態の火災を検出するための
防災システム等に用いて好適な匂いセンサに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】誤報のない防災システムの実現を図るた
めには、何種類かのセンサを組み合わせて、火炎、煙な
どの複数の火災要素を検知し、これにより火災発生の有
無を総合的に判断できる防災システムが有効である。そ
のため、従来からこのような防災システムが種々提案さ
れている。
【0003】例えば、特開昭48−96097号公報に
は、イオン感知器等の火災感知器のほかに、温度感知
器、火炎感知器等の検知要素を含み、これらから得た複
数情報の総合判断のもとに火災を検知して防災の一連の
処理を自動的に行わせる火災自動処理システムが開示さ
れている。
【0004】また、特開昭54−83800号公報に
は、煙、イオン、可燃性ガス、周囲温度のうちの一つの
要素を検知した場合には準火災と判断して警報を発し、
それらすべての要素を検知した場合は真火災であること
を報知するようにした火災感知システムが開示されてい
る。
【0005】また、特公平2−18758号公報には、
煙濃度、温度、COガス濃度等用のの複数のセンサから
得たアナログデータに基づいて、火災と判断する閾値に
達するまでの時間、または所定時間経過したときの到達
値を予測演算し、その結果に基づいて火災の発生を判断
する火災報知装置が開示されている。
【0006】このような防災システムを構築する上で必
須となる火災要素検出用の各種のセンサとして、火災時
の熱をバイメタルや缶の中の空気の膨張によって感知す
るタイプの熱センサ、火災時に発生する煙の散乱を感知
するタイプの煙センサが実用化され、多量に使用されて
いる。さらに、火災時の炎から発する赤外線を感知する
光センサ、燃焼時の空気の振動を測定する振動センサな
ども研究されている。さらに、匂いセンサの研究も行わ
れている。その理由は、例えば文献I(火災Vol.3
7 No.4 pp.3−8(1987))に開示のよ
うに、火災初期時、特に燻燃状態では匂いのあるガスが
多量に発生すること、そして、これらガスを検知できれ
ば初期消火の可能性がきわめて高まるという指摘からも
理解できるように、匂いセンサが火災報知のための有力
なセンサの一つになり得るからである。
【0007】このような匂いセンサとして利用し得る従
来のセンサ若しくはそれを構築するヒントとなりそうな
方法として、例えば次の(a)〜(d)に示すセンサ若
しくは方法があった。
【0008】(a)酸化物半導体を用いた匂いセンサ
(例えば特開昭54−114296号公報)。
【0009】(b)酸化錫半導体にアルカリ土類金属を
担持させた検知部を具えた匂いセンサ(例えば、特開平
1−259250号公報)。
【0010】(c):液晶を利用したもの、:空気
を高電圧でイオン化してイオン電流の変化を見るもの、
:β−カロチン等の有機半導体を用いるもの、:犬
の嗅覚細胞の膜電位を測定するもの、:人の脳波を記
録するもの、:二分子膜と水晶振動子とを組み合わせ
たもの、:植物の葉肉細胞の膜電位を測定するもの、
:サーミスタと膜とを併用するもの(〜いずれ
も、特開平1−259250号の従来技術の項。)。
【0011】(d):二分子膜に苦み或いは匂い物質
が吸着したときのNaCl水溶液中のこの二分子膜の膜
電位或いは膜抵抗の変化を電気化学的に検出する方法、
:水晶振動子上にキャストした二分子膜に匂い物質が
吸着したときの水晶振動子の振動数の変化を検出する方
法(例えば特開昭63−222248号公報)。
【0012】上記例示の各センサや方法のうちの酸化物
半導体を用いるものは、COやNOX などの無機のガス
センサとして実績がある。ただし、上記例示の各センサ
や方法のうちの、有機物を用いているもの例えば(c)
のうちのいくつかのものや、(d)のように二分子膜を
用いたものの方が、酸化物半導体を用いたものより、匂
い物質のセンサとして期待できると考えられる。それ
は、匂い物質が主に有機物であること、及び、一般に類
似したもの同士は親和性が高いことから、有機物の匂い
物質に対しては有機物を用いたセンサの方が良好な感応
特性が期待できると考えられるからである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機物
を用いた従来のセンサや方法(例えば、上記(c)項や
(d)項のもの)は、いずれも、匂いの測定のために複
雑な測定装置が必要なためシステムを低価格で作製でき
ないという問題点や、匂いセンサにおける匂いを感知す
る感応膜の特性劣化が著しいという問題点があった。
【0014】具体例でいえば、(d)のの方法では、
塩の水溶液中にセンサを浸す必要があること、匂い物質
を含む空気を塩の水溶液中に吹き込んで匂い物質をこの
水溶液に溶解させておく必要があること、塩の水溶液が
必要なこと、さらに、対電極や参照電極が必要なことな
ど、複雑な測定系が必要である。また、(d)のの方
法では、水晶振動子の振動数の変化を測定する高精度な
装置が必要である。また、嗅覚細胞、二分子膜及び植物
の歯肉細胞などは特性劣化が早い。
【0015】この発明はこのような点に鑑みなされたも
のであり、従ってこの発明の第一の目的は、火災時、特
に燻燃時特有の匂いを検出する際に用いて好適な匂いセ
ンサであって、従来よりセンサの構成および測定系が簡
単にできる匂いセンサを提供することにある。また、こ
の発明の第二の目的は前記第一の目的に加え感応膜の特
性劣化が従来より少ない匂いセンサを提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】この第一の目的の達成を
図るため、この出願に係る発明者は、匂いセンサの感応
膜を構成するに好適な有機材料の検討を進めてゆくうち
に、有機材料の中には匂い物質が作用すると電気特性が
変化するものがあることに気付いた。そして、このよう
な電気特性の変化は、感応膜に接する電極を設けてこの
電極と簡易な測定装置とにより簡単に測定でき、しかも
この電気特性の変化により匂いのセンシングができるこ
とに気がついた。
【0017】従って、この出願の第一発明によれば、匂
いに感応して電気特性が変化する有機薄膜で構成した感
応膜(以下、「感応膜」と略称することもある。)と、
該感応膜の電気特性を測定するための電極とを具えたこ
とを特徴とする。なお、この第一発明さらに第二及び第
三発明において電気特性とは、電気抵抗値若しくは電流
値で示される電気伝導度、または、容量値、さらに交流
の場合のインピーダンスなどであることができる(複数
種の特性の場合も含む)。
【0018】また、この出願の第二発明は、主に以下の
(a) および(b) の問題に対処するべくなされたものであ
る。
【0019】(a).匂いセンサが検出すべき匂いを検出し
た後、匂い物質の種類によっては測定雰囲気中に匂い物
質がなくなっても感応膜から匂い物質がなかなか脱離し
ない場合がありその場合は新しいセンシングを開始でき
るまでに長時間を要する場合が生じるという問題。
【0020】(b).匂いセンサを例えば火災発生の監視の
ため長期に使用している際に不可避的に匂い物質が吸着
(例えば空気中の微量の匂い物質が吸着)して該感応膜
の感応特性がドリフトするという問題。
【0021】感応膜からの匂い物質の脱離(消滅)を促
進させ感応膜を再生させる方法、上記ドリフトを解消す
る方法として、この出願に係る発明者の詳細な実験によ
れば、:匂いに感応して電気特性が変化する有機薄膜
で構成した感応膜に新鮮な空気を送風機で送る方法、又
は、:この感応膜を高温度にさらす方法が有効である
ことが分かった。しかし、前者の方法では、送風機を設
ける等構成が複雑となるし、ましてや、火災感知システ
ムに使用された場合匂いセンサは多数個使用されそれら
全てに送風機をもうけることは実用的でない。
【0022】そこで、この第二発明によれば、匂いに感
応して電気特性が変化する有機薄膜の薄膜で構成した感
応膜と、該感応膜の電気特性を測定するための電極と、
前記感応膜を加熱するための加熱手段とを具えたことを
特徴とする。
【0023】また、この出願の第三発明は、第一若しく
は第二発明の匂いセンサを例えば火災発生の監視のため
長期に使用している際に感応膜に水分が吸着して該感応
膜の感応特性がドリフトした場合等の対策を考慮してな
されたもので、匂いに感応して電気特性が変化する有機
薄膜で構成した感応膜と、該感応膜の電気特性を測定す
るための電極と、前記感応膜を覆う保護体であって水分
を吸着しかつ匂いを含む気体は透過する保護体と、該保
護体を加熱するための加熱手段とを具えたことを特徴と
する。
【0024】ここで、第一〜第三発明の実施に当たり、
感応膜及び電極を基板上に形成する場合、用いる基板は
匂いセンサの設計に応じ任意に決定される形状および材
質のものとできる。例えば、形状については、平面形状
とか曲面形状など任意の形状とできる。基板を用いる場
合それは絶縁性を有するものが好ましい。また、特に第
二および第三発明の場合では、加熱手段との関係から、
耐熱性をも有するものが好ましい。例えば、アルミナな
どのセラミック、ポリカーボネートなどのプラスチッ
ク、或いは、ポリイミドなどの可撓性のものなどは第一
〜第三発明での基板の構成材料として好適である。しか
し、これら第一〜第三発明では、基板を用いない場合が
あっても良い。例えば、正負の電極を板状体のものと
し、かつ、両電極を絶縁物で保持し、このような電極を
感応膜で被覆(例えばディツプコート)するような態様
も考えられるからである。
【0025】また、第一〜第三発明の実施に当たり、感
応膜をフタロシアニン類の薄膜で構成するのが好適であ
る。ここで、これら発明でいうフタロシアニン類は、無
金属フタロシアニンをはじめ、例えば文献II(The Phth
alocyanines ,著者F.H.Moser,A.L.Thomas, 出版社CR
C Press,Inc.(1983))に開示されている各種の
金属フタロシアニンであることができる。フタロシアニ
ン類の薄膜の形成には、真空蒸着法をはじめとして、O
MBD(有機分子線蒸着)法やラングミュア・ブロジェ
ット法、ミセル電界法など各種の薄膜形成法を用いるこ
とが出来る。
【0026】また、第一〜第三発明において、感応膜の
形状、該感応膜の電気特性を測定するための電極の形
状、この電極の構成材料および、これら感応膜と電極と
の配置関係は、匂いセンサの設計に応じた任意の形状、
構成材料および配置関係とできる。電極の構成材料とし
て、たとえば、金、銅、アルミニウム等の金属はもちろ
ん、導電性高分子などの有機材料も用い得る。
【0027】なお、第二および第三発明の実施に当た
り、加熱手段は匂いセンサの設計に応じた任意の位置に
設けることが出来る。例えば、基板の感応膜や保護体が
設けられた面側にこれら膜に接して又はこれら膜とは非
接触で設けるとか、基板の感応膜や保護体が設けられた
面とは反対面の適所に設けるとか、基板中に埋め込んで
設けるなど、種々の設け方とできる。また、加熱手段を
構成する材料は特に限定されない。例えば、ニクロムま
たは白金などとできる。また、加熱手段に電力を供給す
るための通電手段の構成およびこの通電手段による通電
のタイミングなどは、第二若しくは第三発明の匂いセン
サを用いるシステムに依存するものであって特に限定さ
れるものではなく、任意好適なものとできる。さらにこ
の第二および第二発明でいう加熱手段とは、加熱温度を
検知するための感温素子たとえばサーミスタなどを含む
ものであっても良い。感温素子で得られるデータをフィ
ードバックすることで温度制御をより細かく行い得るか
らである。
【0028】また、第三発明の実施に当たり、保護体を
加熱するための加熱手段とは別に、感応膜を加熱するた
めの加熱手段を設けることも出来る。その場合、保護体
用と感応膜用というように別々の加熱手段を設けても良
いし、或いは、両者に兼用の加熱手段としても良い。た
だし、両者に兼用の加熱手段とする方が、センサの小型
化が図り易く、しかも加熱手段への通電装置の簡易化が
図り易いと考えられるので好適である。両者に兼用の加
熱手段を設ける場合で、両膜の加熱条件をそれぞれ適正
に違える必要がある場合は、感応膜および保護体それぞ
れへの加熱効果に違いがでるように、この加熱手段の配
置位置や形状をそれなりに工夫するのが良い。なおこの
場合も、加熱手段に電力を供給するための通電手段の構
成およびこれからの通電のタイミングなどは、第三発明
の匂いセンサを用いるシステムに依存するものであって
特に限定されるものではなく、任意好適なものとでき
る。さらにこの場合も、加熱手段は、加熱温度を検知す
るための感温素子たとえばサーミスタなどを含むもので
あっても良い。
【0029】さらにこの第三発明の実施に当たり、前記
保護体の膜厚は匂いセンサの感応性を損ねることなくか
つ保護体の機能が発現される範囲で任意好適な厚さと出
来る。これに限られないが、例えば、0.1mm〜10
mmの範囲とできる。また、前記保護体として、吸湿材
をバインダにより結合させたものを用いるのが好適であ
る。バインダとしては、任意好適なものを用いることが
出来るが、特に樹脂は好適である。このような樹脂は種
々のものを用い得るが、加熱手段を用いる関係から耐熱
性を有する樹脂が良い。例えば、ポリカーボネート、エ
ポキシ、ポリエステル、ポリアクリル、フッ素樹脂など
の各樹脂は好適である。あるいは、前記保護体として、
吸湿材を焼結させたものを用いることもできる。ここ
で、前記吸湿材としては、合成ゼオライト(多孔性のも
のも含む)、活性炭、シリカゲル、活性アルミナなどを
挙げることが出来る。特に多孔性の合成ゼオライトは、
水分子程度の小さな分子のみ吸着し匂いを含む空気は吸
着しない程度の孔を多数有しているのでこの発明の吸湿
材として好適である。用いる吸湿材の平均粒径は、これ
に限られないが、10μm〜1mmが望ましい。保護体
の形成方法としては、様々な方法が挙げられる。たとえ
ば、溶媒に樹脂のペレット溶解させたものに吸湿材を混
合して保護体形成用液を調製し、これを、感応膜、電極
および加熱手段の形成が済んだ基板表面に、ディップコ
ータ、バーコータ、スピンコータ等により塗布し乾燥さ
せる方法はその一例である。あるいは、樹脂と吸湿材と
を、感応膜、電極および加熱手段の形成が済んだ基板表
面に付着させた後、両者を加熱融合させて塗布膜を得る
いわゆる粉体コーティング法もその一例である。
【0030】
【作用】この出願の第一発明の構成によれば、感応膜に
匂い物質を含む雰囲気が触れるとこの感応膜中に匂い物
質が拡散してこの感応膜の電気特性が変化する。この電
気特性の変化はこのセンサに備わる電極によって外部に
とり出せるのでこれにより匂いの検出ができる。また、
感応膜が有機材料で構成されているのでそうでない場合
に比べ、有機物から成る匂い物質に対しての感応性が高
いと考えられる。そのため、ppmオーダの匂い濃度の
検出能も期待できる。また、感応膜を構成する有機材料
の選び方により匂い物質に対する特異性を制御できると
考えられる。
【0031】感応膜をフタロシアン類の薄膜で構成する
場合、フタロシアニン類は、耐候性、耐薬品性に優れた
顔料として実績があり、また、顔料としてばかりでなく
電子写真感光体や光電変換素子さらに非線形光学素子な
どとしてエレクトロニクス分野や光エレクトロニクス分
野で広く応用かつ実用化されているように、その安定
性、信頼性について保証された材料である、このため、
従来より安定な感応特性を示す匂いセンサが得られる。
【0032】また、この出願の第二発明の構成によれ
ば、感応膜を必要な時に加熱することができる。感応膜
に吸着していた匂い物質はこの加熱により感応膜から脱
離するので感応膜の感応特性を本来のものに復帰させる
ことができる。加熱手段をセンサに組み込むことはセン
サの構成をさほど複雑にはしないので実用的である。感
応膜をフタロシアニン類の薄膜で構成した場合、フタロ
シアニン類は例えば400℃近くまで加熱しても分解や
昇華が起こらず、かつ、加熱処理後冷却した感応膜の感
応特性は加熱前と変わらないことを確認している(詳細
は後述の第二発明の実施例参照)ので、好ましい。
【0033】また、この出願の第三発明の構成によれ
ば、感応膜が所定の保護体によって保護された構成の匂
いセンサが得られる。この保護体は水分を吸着し匂いは
透過するものであるため、感応膜に水分が及ぶことを防
止若しくは保護体が無い場合に比べ軽減する。そのた
め、感応膜の水分に起因する感応特性のドリフトを防止
する。さらに、この第三発明の匂いセンサでは、保護体
を加熱するための加熱手段を設けてあるので、保護体に
吸着された水分の保護体からの脱離ができ、保護体の再
生を必要に応じ行える。また、この加熱手段は感応膜の
再生にも使用出来る。
【0034】
【実施例】以下、図面を参照して第一〜第三発明の匂い
センサの各実施例についてそれぞれ説明する。なお、説
明に用いる各図はこの発明を理解出来る程度に各構成成
分の寸法、形状及び配置関係を概略的に示してあるにす
ぎない。また、各図において同様な構成成分については
同一の番号を付して示し、それらの重複説明は場合によ
り省略する。また、以下の実施例中で説明する材料、成
膜条件、膜厚や大きさなどを示す数値はこの発明の範囲
内の一例にすぎない。
【0035】1.第一発明の説明 図1は、第一発明の第1〜第3実施例として以下にそれ
ぞれ説明する各匂いセンサ10の、基本的な構造を説明
するための上面図および断面図である。ここで、上面図
とは、匂いセンサ10をそれに備わる感応膜15側の上
方から見た平面図であり、断面図は、この匂いセンサを
上面図中のI−I線に沿って切って示した断面図である
(以下の第二および第三発明において同じ)。
【0036】第1〜第3の各実施例の匂いセンサは、基
本的な構造は以下に説明するように共通としてある。す
なわち、基板11上に、第1の電極13aと第2の電極
13bとで構成された櫛形電極13であって後述の感応
膜の電気特性を測定するための櫛形電極13を具え、こ
の櫛形電極13の櫛歯の部分上を覆うようにフタロシア
ニン類の薄膜で構成した感応膜15を具えた構造として
ある。なお、第1〜第3のいずれの実施例でも櫛形電極
13の櫛の歯の幅wおよび櫛の歯間の距離gはそれぞれ
200μmとしている。
【0037】1−1.第一発明の第1実施例 基板11として、大きさが10×20mmで厚さが1m
mのアルミナセラミック板11を用いる。このアルミナ
セラミック基板11上に、スクリーン印刷法で金ペース
トを印刷しさらにこれを焼成して、金の厚膜による櫛形
電極13を形成する。このように櫛形電極13を形成し
た基板を真空蒸着装置の成膜室に入れ、この櫛形電極1
3の所定部分上にこの場合、鉛フタロシアニンの薄膜を
真空蒸着法で形成して、膜厚0.4μmの感応膜15を
形成する。なお、鉛フタロシアニンは同仁化学研究所社
製を用いた。また、蒸着は、上記鉛フタロシアニンをア
ルミナ製るつぼに入れ、このるつぼを抵抗線加熱により
加熱することにより鉛フタロシアニンを昇華させること
で行う。また、この蒸着時、基板の加熱や冷却は行わな
かった。また、蒸着時の真空度が10-3Pa以下となる
よう、かつ、蒸着速度が0.5〜2.0オングストロー
ム/秒となるように、蒸着機を制御した。
【0038】次に、この実施例の匂いセンサを以下に説
明するように評価する。用いた測定系は次のようなもの
とした。図2はその系の説明図である。もちろんこの系
は一例にすぎない。
【0039】容積が6リットルのガラス製チャンバ21
の中に第一発明の実施例の匂いセンサ10を入れる。こ
のガラス製チャンバ21は、その壁の一部に換気用ファ
ン21aと、匂い物質投入用の開閉自在の窓21bとを
具え、かつ、内部に攪拌用ファン21cを具えたものと
している。匂いセンサ10はリード線10aを介しチャ
ンバ21外の測定装置20と接続してある。この実施例
では、センサ10に備わる電極13の第1および第2電
極13a,13b間に直流電圧を印加しこれにより感応
膜15に流れる電流から感応膜15の直流抵抗を測定す
るいわゆる二端子法で感応膜15の抵抗値の変化を測定
することとする(詳細は後述。)。そのため、測定装置
20として横河ヒュレットパッカード社製の絶縁抵抗計
HP−4329Aを用いる。また、このガラス製チャン
バ21中にろ紙23を入れる。このろ紙23は各種の匂
い物質をおくために使用する。また、燻燃状態の匂いを
発生させて燻燃臭に対する匂いセンサ10の特性を測定
する実験を行うために、丸めたろ紙25と、このろ紙を
加熱するためのニクロム線27とをガラス製チャンバ2
1内に入れる。このニクロム線27へはチャンバ21外
の電源29より必要に応じ電力を供給出来る構成として
ある。チャンバ21内の濾紙23には、マイクロシリン
ジ31によって匂い物質33を供給することとしてい
る。
【0040】次に、匂いセンサ10の、トリエチルアミ
ン、ベンズアルデヒド、エタノールおよびクロロホルム
の4種の匂い物質それぞれに対する応答と、燻燃臭に対
する応答とを測定する。匂い物質の場合はチャンバ21
内のその濃度が100ppmになる分量の匂い物質をチ
ャンバ21内に導入する。また、燻燃臭は、ろ紙25に
焦げが生じてろ紙25から目視できる程度に白煙が生じ
る程度にニクロム線27に流す電流値を制御する。ただ
し、燻燃臭を生じさせた際に発生する物質の種類が何で
あるかやその濃度に関する分析は行わなかった。
【0041】匂いセンサ10に備わる電極13の第1電
極13aおよび第2電極13b間に直流10Vを印加し
た状態で感応膜15の抵抗値の変化を、匂い物質等を供
給する前から供給した後までにわたって測定する。ただ
し、匂いを発生させた時から5分経過した時から換気用
ファン21aを作動させその後はチャンバ21内を新鮮
な空気で換気しながら抵抗値変化を測定する。この測定
を各匂い物質毎および燻燃臭についてそれぞれ行う。こ
れら測定結果を図3にまとめて示す。ただし、図3では
横軸に時間をとり、チャンバ21内に匂いを発生させた
後の感応膜15の抵抗値を発生前の同抵抗値(初期抵抗
値)で正規化した値を縦軸にとっている。なお、この第
1実施例のセンサの感応膜の初期抵抗値は5×107 Ω
であった。また、図3の横軸の0で示した位置は匂いを
発生させた時を示し、5で示した位置の矢印は換気用フ
ァン21aを作動させた時を示す。
【0042】トリエチルアミンに対しては素早く抵抗値
の増加が見られたのに対し、ベンズアルデヒドに対して
は抵抗値の緩やかな減少が見られた。また燻燃臭に対し
ては抵抗値はいったん減少した後増加することが分かっ
た。しかし、エタノールおよびクロロホルムそれぞれに
対しては抵抗値の変化は見られなかった。また、抵抗値
の変化を生じさせた匂いを換気によって減じた場合、時
間の長短はあるものの、抵抗値は初期抵抗値に回復する
ことが分かった。
【0043】上述の実験から明らかなように、第1実施
例の匂いセンサは、匂いの種類によって異なる応答を示
すので、匂い物質に対して特異的に応答し得るものであ
るといえる。
【0044】1−2.第一発明の第2実施例 この第2実施例では、基板11として、大きさが10×
20mmで厚さが0.1mmのポリイミドフィルムを用
いる。また、電極13として銅箔より成る櫛形電極をポ
リイミドフィルム上に形成する。また、感応膜15を膜
厚が0.18μmのインジウムフタロシアニンの蒸着膜
で構成した感応膜とする。ただし、インジウムフタロシ
アニンはこの出願の出願人に係る特開昭59−4405
4号公報に開示の方法で合成したものを用いる。また、
インジウムフタロシアニンの蒸着は、蒸着速度を0.1
〜0.3オングストローム/秒としたこと以外は、第1
実施例と同様な条件で行う。
【0045】次に、この第2実施例の匂いセンサの、ト
リエチルアミン、ベンズアルデヒド、エタノールおよび
クロロホルムの4種の匂い物質それぞれに対する応答
と、燻燃臭に対する応答とを、第1実施例の場合と同様
な方法および手順によりそれぞれ測定する。この結果を
図4に図3と同様な表記方法によって示した。ただし、
インジウムフタロシアニンの蒸着膜で構成した感応膜の
初期抵抗値は4×1010Ωであった。
【0046】この第2実施例の匂いセンサも、匂い物質
に対し特異的に応答するものであることが分かる。
【0047】1−3.第一発明の第3実施例 この第3実施例では、基板11として、大きさが10×
20mmで厚さが1mmのポリカーボネイト板を用い
る。また、電極13として銅箔より成る櫛形電極をポリ
カーボネイト板上に形成する。また、感応膜15を膜厚
が0.53μmの無金属フタロシアニンの蒸着膜で構成
した感応膜とする。ただし、無金属フタロシアニンはコ
ダック社製のものを用いる。また、無金属フタロシアニ
ンの蒸着は、蒸着速度を0.1〜0.5オングストロー
ム/秒としたこと以外は、第1実施例と同様な条件で行
う。
【0048】次に、この第3実施例の匂いセンサの、ト
リエチルアミン、ベンズアルデヒド、エタノールおよび
クロロホルムの4種の匂い物質それぞれに対する応答
と、燻燃臭に対する応答とを、第1実施例の場合と同様
な方法および手順によりそれぞれ測定する。この第3実
施例の匂いセンサでは、トリエチルアミンに対してほと
んど応答が見られなかったが、燻燃臭や残りの匂い物質
に対しては第2実施例のセンサの場合と同じ傾向の応答
が見られた。このことから、この第3実施例の匂いセン
サも、匂い物質に対し特異的に応答するものであること
が分かる。
【0049】2.第二発明の説明 第一発明の匂いセンサは上述のごとく有用なものであっ
た。しかし、これを長期間放置しておくと匂い物質が不
可避的に感応膜に吸着して感応特性がドリフトする場合
がある、また、匂い物質の種類によっては匂いが消えた
後もその物質が感応膜からなかなか脱離しない場合が生
じ新たなセンシングの支障になる場合もある。したがっ
て、感応膜から匂い物質を積極的に脱離させ得る構成が
あれば有用である。この第二発明はその例である。以
下、いくつかの実施例により具体的に説明する。
【0050】2−1.第二発明の第1実施例 図5は、第二発明の第1実施例のセンサ40の構造を説
明するための上面図、下面図および断面図である。
【0051】この第1実施例の匂いセンサ40は基板1
1上に、第1の電極13aと第2の電極13bとで構成
された櫛形電極13であって後述の感応膜の電気特性を
測定するための櫛形電極13を具え、この櫛形電極13
の櫛歯の部分上を覆うようにフタロシアニン類の薄膜で
構成した感応膜15を具えた構造としてある。さらに、
基板11の裏面の感応膜15と対応する領域辺りに、感
応膜15を加熱するための加熱手段41を具えた構造と
してある。
【0052】なお、この第二発明の第1実施例では、基
板11、電極13および感応膜15それぞれを、第一発
明の第1実施例と同様なもので構成している。すなわ
ち、基板11をアルミナセラミック板で構成し、電極1
3を厚膜印刷により形成した金の櫛形電極で構成し、感
応膜15を膜厚0.4μmの鉛フタロシアニンの蒸着膜
で構成している。また、加熱手段41は、予めアルミナ
セラミックス板11の裏面にスパッタ法によりニッケル
とクロムとの合金より成る薄膜を形成し、これを公知の
方法で図5の下面図に示すごとくパターニングして得た
薄膜抵抗線で構成している。薄膜抵抗線の線幅w0 はこ
の場合400μmとしてある。
【0053】次に、この第二発明の第1実施例の匂いセ
ンサ40を、第一発明の第1実施例の項で説明した測定
系(図2を用い説明したもの)を用いかつ第一発明の第
1実施例での評価方法に準じた方法で評価する。ただ
し、第一発明の評価実験では匂い発生時から5分経過後
に換気用ファン21a(図2参照)を作動させ新鮮な空
気による換気を行っていたが、この第二発明の評価実験
では匂い発生時から5分経過後に換気用ファン21a
(図2参照)を作動させて新鮮な空気による換気を開始
すると同時に加熱手段41に通電して感応膜15を加熱
するようにする。そして、匂いを発生させる前から匂い
を発生させた後で上記換気および加熱を開始した後8分
経過するまでの間の感応膜の抵抗値変化を、測定する。
なお、加熱手段41による加熱により基板11の温度が
上昇するがこの温度は基板上に予め接触させておいた熱
電対(図示せず)により測定する。この実施例の加熱手
段41では、これに通電を開始したときから5分経過後
に基板11の温度は140℃となることが分かった。加
熱手段41への通電はこの時に停止した。
【0054】上述の測定で得られた結果の一例として、
匂い物質がベンズアルデヒドの場合の結果を図6に図3
と同様な表記方法により示した。ただし、図6において
実線で示した特性は、匂い発生後5分経過したときに換
気用ファン21a(図2参照)および加熱手段41を作
動させた場合の感応特性(実施例の特性)であり、破線
で示した特性は加熱手段41を作動させなかった場合の
感応特性(比較例の特性)である。
【0055】この図6から明らかなように、加熱手段4
1による加熱を行なった場合の方が、行なわなかった場
合に比べ、感応膜からの匂い物質の消滅が速くなされる
ことが分かる。このことから、加熱手段41が匂いセン
サの再生に有効なものでることが分かる。
【0056】また、この実施例の匂いセンサ40を匂い
のない室内(意図的に匂いを発生させていない一般的な
室内の意味。)に約10時間放置した後に感応膜15の
抵抗値を測定したところ、その抵抗値は放置開始時の抵
抗値より約1割増加していることが分かった。これは、
感応膜15に空気中の微量の匂い物質が吸着したためと
考えられる。そこで、加熱手段41に5分間通電して基
板の温度を140℃まで上昇させたところ、感応膜の抵
抗値は初期値にもどった。このことから、加熱手段41
が、匂いセンサの応答特性のドリフトの解消に有効なも
のであることが分かる。
【0057】2−2.第二発明の第2実施例 上述の第二発明の第1実施例では感応膜15を加熱する
ための加熱手段41を感応膜15に非接触の状態で設け
ていた。この第2実施例では、加熱手段41を感応膜1
5に接触させた状態で設けた例を説明する。図7はその
説明に供する上面図および断面図である。
【0058】この第2実施例の匂いセンサ50では、ア
ルミナセラミック基板11の一方の面に櫛形電極13を
設け、さらに基板11の櫛形電極13を設けたと同一面
の櫛形電極13の周囲に、感応膜15を加熱するための
加熱手段41を設け、これら電極13および加熱手段を
覆うようにフタロシアニン類の薄膜で構成した感応膜1
5を設けた構成としてある。ただし、この実施例の場
合、櫛形電極13についてもニッケルとクロムの合金膜
をパターニングして形成したものとしている。また、感
応膜15は第一発明の第2実施例と同じ条件で形成した
膜厚が0.18μmのインジウムフタロシアニンの蒸着
膜で構成している。この感応膜15の初期抵抗値も第一
発明の第2実施例同様4×1010Ωであった。電極13
を、金の厚膜電極や銅箔の電極に比べて抵抗が高いニッ
ケル−クロム合金膜で構成したにもかかわらず、銅箔の
電極を用いた場合同様の電気抵抗が得られているのは、
感応膜15の抵抗値が電極13の抵抗に比べ格段に高い
ことによる。
【0059】この第二発明の第2実施例の匂いセンサ
を、上述の第二発明の第1実施例の評価方法により評価
する。その結果の一例として、匂い物質がベンズアルデ
ヒドの場合の結果を図8に図6と同様な表記方法により
示した。この図8においても、実線で示す特性が実施例
のものであり、破線で示す特性が比較例のものである。
【0060】この図8から明らかなように、加熱手段4
1を感応膜15と接触した状態で設けた場合も、加熱手
段41が匂いセンサの再生に有効なことが分かる。ただ
し、この第2実施例の場合、加熱手段41直上の感応膜
部分が変色してしまうことが分かった。このような変色
が生じるのは、加熱手段41と接している感応膜部分が
加熱手段の配置の関係上必要以上に高温となるためと考
えられる。つまり、匂い測定に有効な感応膜部分(すな
わち櫛形電極13上に形成されている感応膜部分)を匂
い物質の消去に有効な温度まで加熱するためには、この
部分の加熱が基板11からの熱による2次的加熱である
ため、基板11の温度自体をその温度にまで上げる必要
があり、そのため加熱手段41と接している感応膜部分
の温度が基板温度よりかなり高温になってしまうためと
考えられる。このことから、基板11の同一面に電極1
3と加熱手段41とを配置する場合は、感応膜15は加
熱手段上に設けないようにするのが好ましい。
【0061】3.第三発明の説明 匂いの吸着により電気特性が変化する有機薄膜で構成し
た感応膜を有する匂いセンサの当該感応膜に、湿気(水
分)が吸着した場合、感応膜の特性が劣化する場合があ
るので、その対策が望まれる。そこで、この第三発明で
は、感応膜を覆う保護体であって水分を吸着しかつ匂い
を含む気体は透過する保護体と、該保護体を加熱するた
めの加熱手段とをさらに具えたことを特徴とする。図9
(A)および(B)は感応膜15上に設ける保護体60
の典型的な例を説明するための模式的な断面図である。
特に、図9(A)の場合は、感応膜15上に、吸湿材6
1をバインダ63により結合させて構成した保護体60
を設けた例を模式的に示している。また、図9(B)の
場合は、感応膜15上に吸湿材を焼結させて構成した保
護体60aを設けた例を模式的に示している。以下、第
三発明のより具体的な例を説明する。
【0062】3−1.第三発明の第1実施例 図10は第三発明の第1実施例の匂いセンサ70の説明
に供する上面図、下面図および断面図である。図10に
おいて、71は保護体60を加熱するための加熱手段で
ある。ただし、この例の場合、加熱手段71は感応膜1
5を加熱するための加熱手段41を兼ねることもでき
る。
【0063】この実施例の匂いセンサでは、第二発明の
第1実施例において説明したセンサ(加熱手段41を除
いて考えれば第一発明の第1実施例のセンサ)の感応膜
上にこれを覆うように保護体60を設けた構成としてあ
る。なお、保護体60はこの場合以下のように形成す
る。多孔性合成ゼオライトとしてのメルク社製のモレキ
ュラーシーブ(0.4μmの細孔を有するもの)をボー
ルミルで粉砕して吸湿材61とする。この吸湿材61の
平均粒径は50μmであった。次に、この吸湿材61を
バインダー63としての市販のエポキシ系接着材(この
場合耐熱温度が160℃のもの)と混合する。基板11
上に電極13、感応膜15および加熱手段71(41)
の形成の済んだ試料の感応膜15形成面にこの感応膜1
5を覆うように、上記吸湿材61およびエポキシ系接着
剤の混合物を塗布しさらにこれを乾燥させて保護体60
を得る。この場合の保護体60は膜厚が500μmのも
のであった。
【0064】このように保護体60を具える実施例のセ
ンサ70の、トリエチルアミン、ベンズアルデヒド、エ
タノールおよびクロロホルムの4種の匂い物質それぞれ
に対する応答と、燻燃臭に対する応答とを、第一発明の
第1実施例の場合と同様な方法および手順によりそれぞ
れ測定する。この第三発明の匂いセンサは保護体60を
有しているといえど、各種の匂いに対し第一発明の第1
実施例のセンサと同様な応答特性を示すことが分かっ
た。
【0065】次に、この第三発明の実施例の匂いセンサ
70の、空気中の水分に対する特性を以下に説明する方
法により調べた。図2を用いて説明した測定系のチャン
バ21内に第三発明の実施例の匂いセンサ70を入れさ
らにこのチャンバ21内に乾燥空気を満たした状態で感
応膜15の抵抗値(初期抵抗値)を測定装置20により
測定する。初期抵抗値は5×107 であった。抵抗値を
モニタした状態でチャンバ21内に今度は湿気を含んだ
空気を導入する。湿気を含んだ空気は、この場合、50
℃の温水を入れた別のチャンバから送風機によりチャン
バ21内に導入した。湿気を含んだ空気を導入した時か
ら2分経過したときから湿気を含んだ空気の導入はやめ
その代わり乾燥空気をチャンバ21に導入した状態で抵
抗値の測定を続ける。この一連の処理中での感応膜の抵
抗値の変化の様子を図11に示した。ただし、図11に
おいて実線で示した特性が保護体60を有する実施例の
匂いセンサ70のものであり、また、破線で示した特性
は保護体60を有していないセンサ(具体的には第一発
明の第1実施例のセンサ:この第三発明に対しては比較
例に相当する)のものである。なお、図11では横軸に
時間をとり、変化する抵抗値を初期抵抗値で正規化した
値を縦軸にとっている。
【0066】図11から明らかなように、保護体60を
設けた実施例の匂いセンサ70では湿気を含む空気中で
も感応膜の抵抗値の変化は実質的に起こらないことが分
かる。
【0067】しかし、実施例の匂いセンサ70を湿度が
70%の室内に放置した状態で上記同様に感応膜の抵抗
値の変化をモニタしたところ、放置時間が3時間までは
抵抗値はほぼ初期抵抗値を示していたがその後次第に抵
抗値が低下することが分かった。これは、保護体60中
の吸湿材61への空気中の水分の吸着が進み保護体とし
ての機能が低下したためと考えられる。放置時間が5時
間となった時点の抵抗値は初期抵抗値の80%にまで低
下していた。そこで、加熱手段71に通電して基板11
の温度が110〜120℃になるように通電量を制御し
て約20分保った。これにより、感応膜の抵抗値は初期
抵抗値に戻ることが分かった。このことから、加熱手段
71は保護体60の再生に有効なものであることが分か
る。
【0068】なお、この第三発明の実施例のセンサの匂
いに対する応答特性の傾向は、乾燥空気中であっても湿
気を含む雰囲気中であっても実質的に違いがなく単にド
リフトするのみであることを確認している。
【0069】3−2.第三発明の第2実施例 上述の第三発明の第1実施例では吸湿材をエポキシ樹脂
から成るバインダでつないだ構成の保護体を用いていた
が、保護体の構成はこれに限られない。この第2実施例
では吸湿材自体を焼結して構成した保護体を用いる例を
説明する。図12はこの実施例の匂いセンサ80の構成
を説明するための分解斜視図である。
【0070】この実施例では、第三発明の第1実施例に
おいて調製した平均粒径が50μmの多孔性合成ゼオラ
イトの微粒子を低温焼結することにより、大きさが15
×15mmで厚さが1mmの保護体60aを得る。ただ
し、この保護体60aはニクロムより成る抵抗線(即ち
保護膜加熱用の加熱手段71)が埋め込まれたものとし
てある。このため、保護体60aの形成に当たっては、
抵抗線71が多孔性合成ゼオライトの微粒子の焼結体中
に埋め込まれるようにこの抵抗線と共に上記低温焼結を
行なう。もちろん、加熱手段71は保護体60aの一方
表面に形成しても良い。ただし、加熱手段71を保護体
60a中に埋め込んだ構成の方が保護体の加熱が行なわ
れ易いと考えられる。
【0071】一方、例えば第一発明の第1実施例の手順
により基板11に電極13および感応膜15を具えた第
一発明の実施例の匂いセンサ10を用意する。
【0072】次に、匂いセンサ10の感応膜15上に保
護体60aが重なるように保護体60aと匂いセンサ1
0とを重ねる。ただし、この場合保護体60aが焼結物
であるため表面が凹凸が激しいものになり易いため、保
護膜15上に保護体60aを直接重ねると感応膜と保護
体との間にこの凹凸に起因する隙間が生じる危険性が高
い。このような隙間があるとそこから湿気を含む空気が
感応膜に至る場合が生じる。そこで、この実施例では、
感応膜15と保護体60aとの間に例えばフッ素ゴム製
の気密保持部材81を介在させた状態で両者を重ねる。
もちろん、機密保持部材81の中貫部分は感応膜15を
包含する面積となつている。なお、保護体60aの表面
平坦性が良好で感応膜と保護体との間に上述のような隙
間が生じない場合は、気密保持部材81は必須ではな
い。
【0073】匂いセンサ10、気密保持部材81および
保護体60aを積層させた後、保護体60a上にこの場
合緩衝部材として機密保持部材81同様な部材83を積
層し、さらにこの上に窓85aを有した上板85を積層
し、これら成分10、81、60a、83,85を固定
手段例えばボルト87、ワッシャ89、スプリングワッ
シャ91およびナット93による固定手段によって固定
して、第2実施例の匂いセンサ80を構成する。なお、
緩衝部材83は焼結物から成る保護体60aが上板85
により破損されることを防止するためものであり場合に
よっては不要である。
【0074】この第三発明の第2実施例の匂いセンサに
おいても第三発明の第1実施例の匂いセンサの場合と同
様、匂いに対する感応特性および湿気に対する保護効果
さらに加熱手段による保護体の再生効果が得られること
が分かった。特に、この第2実施例の場合は、保護体6
0aが合成ゼオライトのみで構成されているため、樹脂
をバインダとして用いていた第1実施例の場合より保護
体の耐熱性が優れる。実際、保護体60aから湿気を除
去する(保護体を再生する)ための加熱処理を200℃
程度の温度で行なうことが出来た。このため、保護体の
再生速度を第1実施例の場合より格段に早くすることが
できた。
【0075】上述においては、この出願の各発明の実施
例についてそれぞれ説明したが、これら発明は上述の実
施例に限られない。
【0076】例えば、上述の各実施例では、匂いに感応
して電気特性が変化する有機薄膜の構成材料として3種
のフタロシアニン類を用いる例をそれぞれ示した。しか
し、感応膜を構成する材料はこれに限られずほかの好適
なものでも良い。少なくとも、銅フタロシアニン、コバ
ルトフタロシアニン、鉄フタロシアニン、亜鉛フタロシ
アニン、マンガンフタロシアニンを用いた場合につい
て、各実施例と同様な効果を確認している。
【0077】また、上述の各実施例では、感応膜の一方
の面に感応膜の電気特性を測定するための正負の電極が
接する例を示したが、感応膜の一方の面に正極、他方の
面に負極が接するように電極を設けても良い。その場合
感応膜の少なくとも一方の面では電極をベタ電極とせず
感応膜に測定雰囲気が接触し易くなるような形状の電極
とするのが良い。例えば、メッシュ状の電極などが挙げ
られる。
【0078】また、上述の各実施例では絶縁抵抗計を用
い二端子法により抵抗値を測定していたが、この測定は
オペアンプを用いた電流測定回路で容易に行えるので実
用上での測定系は簡易なものとできる。また、上述の実
施例では電気伝導度を二端子法によって測定する例を示
したが、測定法はこれに限られない。たとえば、電圧を
印加する電極と電流を測定する電極とを別にした四端子
法で測定しても良いし、或いは、交流電圧を印加する方
法であっても構わない。いずれの場合も、特別な測定器
を必要としない。従って、複雑な測定器を必要とせず、
構成が簡単であるので、正確で故障のないシステムを構
築することができる。
【0079】なお、上述の第一〜第三発明の匂いセンサ
は、例えば防災システムに組込んで使用できる。その場
合、匂いセンサをそれ以外の多数のセンサと共にネット
ワーク的に配置したシステムとするのが通常である。そ
の場合においては、従来の温度センサ、煙センサ、光セ
ンサ等に対し用いられている既知の技術を、第一〜第三
発明の匂いセンサに対しても適用出来る。例えば、各セ
ンサ素子の特性をポーリング処理により常時監視し、有
意な抵抗値変化のみを取り出す技術や、各測定点におけ
る他の種類のセンサと組み合わせたときに、ローカルな
プロセッサで前処理を行ったり、共通のネットワーク通
信回路を共有してセンタのコンピュタとデータ転送を行
ったりする技術などである。
【0080】
【発明の効果】上述した説明から明らかなようにこの出
願の第一発明の匂いセンサによれば、感応膜に匂い物質
を含む雰囲気が触れるとこの感応膜中に匂い物質が拡散
してこの感応膜の電気特性が変化する。この電気特性の
変化はこのセンサに備わる電極によって外部にとり出せ
るのでこれにより匂いの検出ができる。複雑な測定装置
を用いることなく匂いを検知できるセンサが提供でき
る。また、感応膜を有機材料で構成しているのでそうで
ない場合に比べ、匂い物質に対しての感応性が高くかつ
匂い物質に対する特異性に優れる匂いセンサが期待でき
る。
【0081】また、感応膜をフタロシアニン類の薄膜で
構成した場合、フタロシアニン類は、耐候性、耐薬品性
に優れた材料として実績があり、さらに、電子写真感光
体や光電変換素子さらに非線形光学素子などとしてエレ
クトロニクス分野や光エレクトロニクス分野で広く応用
かつ実用化されているように、その安定性、信頼性につ
いて保証された材料である。このため、複雑な測定装置
を用いることなく匂いを検知できるセンサであって安定
な感応特性を示す匂いセンサが得られる。
【0082】また、この出願の第二発明の匂いセンサに
よれば、感応膜を加熱するための加熱手段を具える。こ
のため、感応膜を加熱することにより、この感応膜に吸
着していた匂い物質の感応膜からの脱離を促進させるこ
とができる。従って、センサを繰り返し匂いの測定に用
いる場合に繰り返し応答速度を速めることができる。ま
た、空気中の微量の匂い物質によりセンサの応答特性が
変化した場合にも上記加熱によりその特性を初期状態に
戻すことができる。このため、第一発明の匂いセンサに
比べ実用性に優れる匂いセンサを提供出来る。
【0083】また、この出願の第三発明の構成によれ
ば、感応膜が所定の保護体によって保護された構成の匂
いセンサが得られる。この保護体は感応膜の水分に起因
する感応特性のドリフトを防止する。さらに、この第三
発明の匂いセンサでは、保護体を加熱するための加熱手
段を設けてあるので、保護体に吸着された水分の保護体
からの脱離ができ、保護体の再生を必要に応じ行える。
このため、例えば第一および第二発明の匂いセンサに比
べ、湿度の影響を特に除外したい用途に好適な匂いセン
サを提供出来る。
【0084】したがって、これら第一〜第三発明の匂い
センサによれば、これらを例えば上述の特開昭48−9
6097号公報、特開昭54−83800号公報、また
は特公平2−18758号公報に示されているような防
災システムに組み込むことで、これら防災システムの信
頼性をさらに高めることが期待出来る。
【0085】また、これら第一〜第三の発明の匂いセン
サは、防災用のセンサとしてのみではなく、例えば、空
気環境測定用、食品工業用、各種工程管理用、医療用、
健康用の匂いセンサとしても利用出来るのでその工業的
価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一発明の各実施例の匂いセンサの構造説明図
である。
【図2】匂いセンサの特性測定に用いた系の説明図であ
る。
【図3】第一発明の第1実施例のセンサの特性を示す図
である。
【図4】第一発明の第2実施例のセンサの特性を示す図
である。
【図5】第二発明の第1実施例のセンサの構成の説明図
である。
【図6】第二発明の第1実施例のセンサの特性を示す図
である。
【図7】第二発明の第2実施例のセンサの構造説明図で
ある。
【図8】第二発明の第2実施例のセンサの特性を示す図
である。
【図9】(A)および(B)は、第三発明で用いる保護
体の典型例の説明図である。
【図10】第三発明の第1実施例のセンサの構成の説明
図である。
【図11】第三発明の匂いセンサの特性を示す図であ
る。
【図12】第三発明の第2実施例のセンサの構造説明図
である。
【符号の説明】
10:第一発明の実施例の匂いセンサ 10a:リード線 11:基板 13:電極(この場合櫛形電極) 13a:第1の電極 13b:第2の電極 15:感応膜(フタロシアニン類の薄膜で構成した感応
膜) 20:測定装置(この場合絶縁抵抗計) 21:ガラス製チャンバ 21a:換気用ファン 21b:開閉自在の窓 21c:攪拌用ファン 23:ろ紙 25:丸めたろ紙 27:ニクロム線 29:電源 31:マイクロシリンジ 33:匂い物質 40:第二発明の第1実施例の匂いセンサ 41:感応膜を加熱するための加熱手段 50:第二発明の第2実施例の匂いセンサ 60:保護体 61:吸湿材 63:バインダ 60a:吸湿材を燒結させて構成した保護体 70:第三発明の第1実施例の匂いセンサ 71:保護体を加熱するための手段(感応膜を加熱する
手段を兼ねるものでも良い。) 80:第三発明の第2実施例の加熱手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 稔 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 匂いに感応して電気特性が変化する有機
    薄膜で構成した感応膜と、該感応膜の電気特性を測定す
    るための電極とを具えたことを特徴とする匂いセンサ。
  2. 【請求項2】 匂いに感応して電気特性が変化する有機
    薄膜の薄膜で構成した感応膜と、該感応膜の電気特性を
    測定するための電極と、前記感応膜を加熱するための加
    熱手段とを具えたことを特徴とする匂いセンサ。
  3. 【請求項3】 匂いに感応して電気特性が変化する有機
    薄膜で構成した感応膜と、該感応膜の電気特性を測定す
    るための電極と、前記感応膜を覆う保護体であって水分
    を吸着しかつ匂いを含む気体は透過する保護体と、該保
    護体を加熱するための加熱手段とを具えたことを特徴と
    する匂いセンサ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の匂いセンサにおい
    て、 前記感応膜を、フタロシアニン類の薄膜で構成したこと
    を特徴とする匂いセンサ。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の匂いセンサにおいて、 前記保護体として、吸湿材をバインダにより結合させた
    ものを用いたことを特徴とする匂いセンサ。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の匂いセンサにおいて、 前記保護体として、吸湿材を焼結させたものを用いたこ
    とを特徴とする匂いセンサ。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6に記載の匂いセンサにお
    いて、 前記吸湿材を合成ゼオライトの粒子としたことを特徴と
    する匂いセンサ。
  8. 【請求項8】 請求項3に記載の匂いセンサにおいて、 前記保護体を加熱するための加熱手段が、前記感応膜を
    加熱するための加熱手段を兼ねていることを特徴とする
    匂いセンサ。
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